本発明は、自動運転が可能な自動運転車に関わり、特に、自動運転にて横断歩道を通過する技術に関する。
近年、自動車の自動運転技術の開発が加速化し、その技術は、カーナビゲーション技術、高度な無線通信技術、AI技術等と結合し、人的操作が殆ど不要な水準に達している。特許文献1には、車両が横断歩道を右折する際に運転者の労力を軽減させる技術が開示されている。
上記特許文献1に記載の発明は、車両の右折先に横断歩道を横断する歩行者が存在しても、運転者が視認していると推測される歩行者に対しての注意喚起を抑制することを発明の目的とし、右折先の横断歩道を含む歩行者横断領域と運転者の視野領域と重ならない要注意喚起領域に歩行者が存在し、当該歩行者が上記歩行者横断領域と上記視野領域とが重なる領域に近づくことにより、運転者に注意喚起を行うものである。また、歩行者が上記重なる領域に近づくことを検出するには、歩行者の位置、移動方向及び移動速度を用いる。更に、上記歩行者横断領域は、横断歩道全域を含み、加えて、横断歩道に連続する歩道の一部(横断歩道から50センチメートルの幅の待機部分)を含ませるように設定することも開示されている。
即ち、上記発明は、横断歩道上に居る歩行者が自車両に向かっていなければ、その歩行者への注意喚起を抑制するというものである。しかしながら、横断歩道付近に存在する歩行者が歩行者用の信号が赤に変わった後であっても、歩道から横断歩道に飛び出す事故は、後を絶たず、上記文献の発明は、このような突然の事故に対応できるものではない。また、一方、横断歩道に接した歩道上に歩行者が立っている場合には、車両は一時停止をいなければならないが、この交通法規も守られていないことが多い。
本発明の目的は、道路交通法第38条第1項に規定されている横断歩道における車両の停止義務に準じ、又は、歩行者の歩道から横断歩道への飛び出しに対応することにより、横断歩道の安全な通過が可能な自動運転車を提供することにある。
本発明の請求項1の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形の第1の監視エリア内にて移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路に沿って左折を開始した上記自車が横断歩道の停止線に到達する前に、上記第1の監視エリア内にて、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された上記移動体は上記横断歩道に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部は上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車の設定された走行経路が左折であって当該走行経路上にある横断歩道の停止線に到達する前に、設定された走行経路上の第1の監視エリアにて所定の速度で横断歩道に向かって移動中の移動体を検出する。この移動体は、横断歩道に飛び出す可能性が極めて高いために、自車は、横断歩道の停止線にて一時停止を行う。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止できる。
また、本発明の請求項2の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形の第1の監視エリア内にて移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路に沿って左折を開始した上記自車が上記横断歩道の停止線にて一時停止した状態にて、上記移動体検出部が上記第1の監視エリア内にて移動体を検出し、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された上記移動体は上記横断歩道に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以下であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を発進させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が左折して横断歩道の停止線にて一旦停止している際に、第1の監視エリアにて横断歩道に向かって移動する移動体の速度が所定の速度以下であることを検出することにより、当該移動体は、停止しているか又は自車と衝突することがない速度であると判断できることにより、横断歩道を安全に通過することができる。例えば、横断歩道前の歩道にて信号待ち(青信号になるのを立ち止まって待つ)をする歩行者や、上記エリア内にて、例えば、約2キロメートル毎時以下の移動速度の歩行者を検出しても、横断歩道に飛び出す可能性は極めて低いために、自車は徐行して発進することができる。
また、本発明の請求項3の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形の第1の監視エリア内にて、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路に沿って左折を開始した上記自車が上記横断歩道内に進入した後に、上記第1の監視エリア内にて、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された移動体は自車の予定された上記横断歩道上の走行経路に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であると検出した場合、上記速度制御部に自車の走行を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が横断歩道に進入した場合、上記エリア内にて、自車の横断歩道上の走行経路に向かって所定の速度以上で移動する移動体を検出する。これにより、自車は、一旦停止をする。従って、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道を安全にかつ円滑に通過することができる。
また、本発明の請求項4の自動運転車においては、上記移動体検出部は、更に、上記横断歩道上の移動体の存在を検出し、自車が上記横断歩道内に進入して一時停止した後、上記移動体検出部が上記横断歩道上に上記移動体の存在を検出せずかつ上記第1の監視エリア内にて上記移動体の存在を検出した場合であって、上記移動体速度検出部が上記移動体の上記移動速度が所定の速度以下であることを検出した場合、上記速度制御部は、自車を発進させる。
この構成により、自車が走行経路上の横断歩道の停止線にて一旦停止し、その後、横断歩道に進入して一時停止した後、上記エリア内にて、自車の横断歩道上の走行経路に向かって所定の速度以下で移動する移動体を検出する。これにより、自車は、徐行発進する。従って、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道を安全にかつ円滑に通過することができる。
また、本発明の請求項5の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道の方向に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、第2の監視エリアにて横断歩道方向に向かう所定の速度以上の移動体を検出したことにより、自車は上記停止線にて一時停止する。これにより、左折時の人身事故も防止でき、横断歩道での交通事故を防止できる。
また、本発明の請求項6の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記検出された移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出し、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体検出部が上記検出された移動体が上記第1の監視エリアに進入したことを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、第2の監視エリアにて横断歩道に向かって所定の速度で移動する移動体を検出し、上記自車が左折を開始した後、当該移動体が第1の監視エリアに進入したことにより、自車は横断歩道の停止線にて一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、本発明の請求項7の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第1の監視エリアに進入するまでに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、交差点を左折する際に、移動体推測部が、自車が上記交差点内の横断歩道の停止線に到達する前に、第2の監視エリアで検出された移動体が第1の監視エリアに到達すると予測することにより、自車は横断歩道の停止線にて一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、本発明の請求項8の自動運転車においては、自車を設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道の方向に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過したことを上記移動体検出部が検出することにより、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体が第2の監視エリアを通過したことを検出されることにより、自車は上記横断歩道の停止線にて一時停止する。これにより、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、当該第2の監視エリアを脱出したことを検出することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、本発明の請求項9の自動運転車においては、設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第2の監視エリアを通過するのに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に通過予定の横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、
を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道の停止線に到達する以前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過すると予測することにより、自車は上記横断歩道の停止線にて一時停止する。即ち、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道の停止線に到達する以前に、上記移動体が当該第2の監視エリアを脱出すると予測することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、本発明の請求項10の自動運転車においては、設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、 上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、 上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点を左折して直面する当該横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ離隔してかつ上記第1のラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視ラインと上記第1の監視ラインとの間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間の歩道上にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道の方向に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車の設定された走行経路が左折であって当該走行経路上にある横断歩道の停止線に到達する前に、上記第1の監視ライン及び第2の監視ラインの間にて、所定の速度で横断歩道に向かって移動中の移動体を検出する。この移動体は、横断歩道に飛び出す可能性が極めて高いために、自車は、横断歩道の停止線にて一時停止を行う。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止できる。
また、本発明の請求項11の自動運転車においては、設定された走行経路に沿って走行案内するカーナビ機能を有し、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部によって自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点を左折して直面する当該横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記第1の監視ラインと上記第2の監視ラインとの間にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第2の監視ラインに達するのに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記ライン間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に直面する横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自動車が横断歩道を左折する際に、運転の死角となる可能性の高い交差点内の左側の領域からの突然の飛び出しを行う自転車や人を事前に検知することにより、交差点の横断歩道における人身事故を未然に防止することができる。
本発明において、自動運転車が交差点等の横断歩道を通過する際に、交通法規を遵守すると共に人身事故を防止することができる。
本発明の自動運転車の第1の実施例における構成ブロック図である。
本発明の自動運転車の第1の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第1の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第2の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第2の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第3の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第1の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第1の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第1の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第2及び第3の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第2及び第3の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第2及び第3の実施例における説明図である。
本発明の自動運転車の第4及び5の実施例における構成ブロック図である。
本発明の自動運転車の第4の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第5の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第5の実施例における動作フローチャートである。
本発明の自動運転車の第4及び5の実施例における説明図である。
以下に、図面に沿って本発明の自動運転車の実施の形態について説明する。尚、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(第1の実施例)図1を参照して、以下に、本発明の自動運転車の実施例における回路ブロックの構成について詳細に説明する。本実施例の自動運転車は、基本走行における駆動のためのアクセル部102及びそのアクセル部により制御されるエンジン部101を含む駆動部A、自車の制動を行うブレーキ部104及びその制御を行うブレーキ制御部103を含む制動部B、操舵を行うステアリング部106及びその制御を行うステアリング駆動制御部105を含む操舵部C、並びに、自車の前方を照らすライト部107及び自車の曲がる方向(右折、左折)を示す方向指示部108を含む発光部Dを有する。尚、駆動部A及び制動部Bを含めて速度制御部ABとする。
更に、本自動運転車は、手動運転機能、自動運転機能、カーナビ機能部109によるカーナビゲーション機能等を備える。よって、本自動運転車の自動運転機能については、ECU(CPU)等からなる制御部124がアクセル部102、ブレーキ部104、ハンドル部(ステアリング部)106、方向指示部108等の運転操作を自動運転機能部110によって自動的に制御する。即ち、本自動運転車は、カーナビ機能部109により走行ルートが設定され、自動運転機能部110及び制御部124によって、カメラ部(撮像部)112及びレーダー部(距離検出部)113によりそのルートに沿って自動走行することができる。
尚、カメラ部(撮像部)112は、自車の前後左右に設けられた複数のカメラにより、自車の周囲を撮像するが、主に、道路上の車線、自車の直前の車両の後部及びその他その周囲の映像を鮮明に撮像することができる。この撮像された映像は、記憶部122に格納され一時的に記憶される。また、距離検出部(レーダー部)113は、自車の前方部及び広報部そして側面部にも設けられ、車外の物体との距離を検出するが、主に直前及び直後の車両との距離を計測する。この距離検出部の検出は、本自動運転車では、レーダーとしたが音波による検出であってもよい。
また、移動体検出部114は、上記撮像部112によって撮像された所定の領域又は範囲の映像に基づいて、移動する物体(移動体P)の有無を検出する。この特定は、移動体の形状によって行われる。移動体方向検出部115は、上記移動体検出部がその存在を検出した物体(移動体P)の位置の移動を検出し、上記移動体がどの方向に移動しているかを検出する。また、移動体速度検出部116は、上記移動体検出部がその存在を検出した物体(移動体P)の上記検出された移動方向における移動速度を検出する。尚、上記移動体検出部114は、上記移動体の移動方向と移動速度が検出されているために、それらによって移動体を特定することもできる。更に、移動体加速度検出部117は、上記移動体検出部がその存在を検出した物体(移動体)の加速度を検出する。
また、図7及び図10を参照して、エリア設定部118は、第1の監視エリアM及び第2の監視エリアNを設定する。上記両エリアは、撮像部が撮像した映像において仮想的に設けられるものである。第1の監視エリアは、走行経路上の横断歩道の両端部に隣接して歩道上に設けられた略正方形であり、また、第2の監視エリアは、当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の両端部から所定の距離だけ離隔する略四角形である。更に具体的には、上記第1の監視エリアMは、一辺約8メートル以上の略正方形又は半径約10メートルの半円形である。
また、上記第2の監視エリアは、設定された走行経路上の横断歩道の横断方向の両端部から歩道上に延びるように設けられ、長い方の辺の長さは、約20メートルの略四角である。よって、上記第2の監視エリアは、当該第1の監視エリアと隣接し、歩道上にて上記横断歩道と反対方向に向かって上記第1の監視エリアから所定の距離だけ延びるように設定されている。尚、ここで、「歩道」とは、歩行者道路と、歩行者道路及び自転車道路が並列に延びている道路とを含む。
更に、エリア設定部118は、第1の監視エリアについては、自車が当該エリアの側部に到達する20メートル前の自車の走行速度によって、そのエリアの領域を拡大または縮小するようにその形状を変更する。例えば、第1の監視エリアに接近する手前20メートルの位置において自車の速度が所定の速度(30キロメートル毎時)以上であれば、そのエリアは拡大され、以下であれば、縮小される。これは、他の実施例でも同様である。
また、エリア設定部118は、第2の監視エリアについては、そのエリアの側部に到達する30メートル前の自車の走行速度によって、当該エリアの長手方向の長さを変更する。例えば、上記自車の速度が所定の速度(30キロメートル毎時)以上であれば、その長さは長くされ、以下であれば、短くされる。これは、他の実施例でも同様である。尚、第1の監視エリアと第2の監視エリアが同時に設定される場合には、両方のエリアが同時に変更される。その場合においても、両エリアが重なることはない。これらのエリア設定部の機能は、他の実施例でも同様である。
また、移動体予測部119は、第2の監視エリアN内にて移動体検出部114により検出された移動体Pが上記検出時から第1の監視エリアMに進入するまでに要する時間及び自車が上記検出時から上記横断歩道までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較して、上記どちらの時間が短いか、即ち、どちらが早く到達するかを予測する。
スピーカ部120は、カーナビ機能部109による走行案内の音声アナウンスを行う。また、表示部121は、カーナビ機能部109による走行案内に関する地図表示や目的地の設定に関する案内表示を行う。尚、上記スピーカ部及び上記表示部は、自車の車内におけるアラーム(警告)をも行う。また、設定操作部123は、カーナビ機能部109に関する設定等の入力操作を行う。更に、制御部124は、上記各部について全体制御を行う。
以下、図面を参照しながら、本実施例の自動運転車について、その動作を詳細に説明する。図2を参照して、運転者が設定操作部123を操作し、カーナビ機能部109によって目的地や経由地を設定した後、自車A1は、自動運転機能部110による自動運転を開始する(ステップ20)。次に、ステップ21にて、走行開始後に、上述のカーナビ機能及び自動運転機能により、上記設定された走行経路にて自車A1前方の交差点で左折することを検出したとすると、スピーカ部119は、「次の交差点で左折します。」と音声アナウンスする(図7参照)。ここで、カーナビ機能部110は、各種の道路情報を基に上記交差点内に横断歩道Wがあることを検出するとする。
次に、ステップ22では、自動運転機能部110が方向指示部108、ブレーキ部104、ステアリング部106を操作して、前方の交差点での左折準備を行い、交差点に進入する。ステップ23では、自車A1が交差点の50メートル前に達した時点にて、撮像部112は、自車より左側の横断歩道上の撮像を開始する。次に、自車は、交差点の信号機が青であることが確認された後であって、自動運転中の自車A1が左折を開始した後、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、移動体検出部114が横断歩道上に歩行者Pを検出した場合、ステップ24にて、自動運転機能部110は、上記ステアリング部、ブレーキ部等を操作して、横断歩道の停止線Lにて自車を停止させる(図8参照)。
ステップ25では、歩行者専用信号機は青であり、自車A1が一旦停止した状態にて、再度、横断歩道上を撮像部112が撮像した映像を基に、移動体検出部114が横断歩道上の歩行者Pの検出を開始する。ステップ25にて、横断歩道上の歩行者が検出されなければ、ステップ26に移行して、自車が一旦停止状態のまま、上記移動体検出部は、第1の監視エリアM内に存在する歩行者(移動体P)の検出を開始する。
一方、ステップ23にて、横断歩道上に移動体Pが検出されない場合、ステップ26に移行する(図3参照)。ステップ26では、自動運転中の自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、移動体検出部114が第1の監視エリアM内の歩行者(移動体P)の存在を検出する。上記歩行者が検出されれば、ステップ27にて、移動体方向検出部115は、移動体Pが横断歩道又は自車の横断歩道上の走行経路に向かって移動しているかを検出する。
ここで、上記移動体Pが上記横断歩道又は自車の横断歩道上の走行経路に向かって移動していることが検出された場合、制御部124は、撮像部112が撮像した上記移動体の映像を表示部121に表示させ、上記移動体の表示は、上記横断歩道を通過するまで継続する。また、制御部124は、その映像を記憶部122に一時記憶させる。運転者は、この表示を観察することによって、横断歩道に向かっている移動体が自転車なのか人なのか、また、その速さも表示部の画面上で判断することができ、例えば、その移動体が小学生が乗る自転車の場合や非常に慌てている高齢者の場合、特に、注意を払うこともでき、突然の飛び出しには、運転者が的確なブレーキ操作を行うことができる。
更に、ステップ28では、移動体方向検出部115が当該検出された歩行者Pの移動速度を検出する。ここで、上記歩行者の移動速度が所定の速度以上であれば、スピーカ部120からアラーム音を発声し、ステップ24に移行して、自動運転機能部110は、上記ステアリング部、ブレーキ部等を操作して、横断歩道の停止線Lにて自車を停止させる(図8参照)。
一方、ステップ28にて、上記移動速度が所定の速度以下であれば、ステップ29にて、自車A1は、自動運転機能部110によってアクセル部102が操作されて、徐行運転によって即座に停止可能な低速にて発進する。尚、通常、歩行者の平均歩行速度は、約5キロメートル毎時であるために、上記所定の速度は、例えば、約3キロメートル毎時であり、上記移動体の移動速度が所定の速度以下であるとは、上記移動体が停止している時をも含む。次に、ステップ30では、カーナビ機能部109が上記横断歩道を通過したか否かを検出し、通過したことが検出されたならば、本処理プログラムは終了する。
尚、ステップ25にて、自動運転中の自車が上記走行経路上の横断歩道の停止線にて停止した状態にて、移動体検出部114が横断歩道上に歩行者Pを検出すれば、ステップ24に移行して、上述のように、自車は一時停止する。また、ステップ28にて、上記移動体が所定の速度以下の移動速度であれば、ステップ29にて、自車A1は、自動運転機能部110によってアクセル部102が操作されて徐行運転によって即座に停止可能な低速にて発進する。
また、ステップ26にて、自車が横断歩道前に停止した状態にて、第1の監視エリアM内に移動体(歩行者P)が検出されない場合、及び、ステップ27にて、上記移動体が横断歩道又は自車の横断歩道上の上記走行経路に向かって移動していない場合、ステップ29に移行して、自動運転機能部110によって、上述のようにアクセル部102が操作されて徐行運転にて発進する。
次に、図9を参照して、ステップ29にて、自車A1が横断歩道に進入した後も、ステップ30を経て、ステップ25に移行し、ステップ24からステップ29において、自車が上記横断歩道内に進入して一時停止した後、上述の横断歩道上の歩行者Pの検出処理等を行い、かつ、上述の第1の監視エリアM内の歩行者Pの検出処理等を行い、横断歩道を脱出するまで、即ち、自車の後部が横断歩道上から離脱して数メートル離れるまで、これらのステップは繰り返される。よって、上記移動体検出部114による上記第1の監視エリア内の歩行者Pの検出は、自車が横断歩道の停止線にて停止した状態及び上記一旦停止後の自車を発進させて横断歩道内に進入した後においても実行される。
即ち、ステップ30にて、自車が横断歩道に進入した場合及び横断歩道に進入して一時停止をした場合には、移動体検出部114は、横断歩道上及び自車の予定された上記横断歩道上の走行経路に向かって移動しているかを検出する。これは、他の実施例でも同様であり、更に、自車が横断歩道の停止線にて一時停止した際も同様である。
尚、図7を参照して、本実施例では、自車が左折する場合を想定して説明しており、その場合、第1の監視エリアMは、交差点を左折した後の横断歩道Wの両端部に設定されたが、自車が右折する場合には、交差点を右折した後の横断歩道Wの両端部に設定される。また、本実施例における移動体のそれ自体の検出、移動方向、移動速度、所定の地点への到達、所定のエリアへの進入等は、二次元及び三次元の映像解析によって行ってもよい。
また、本実施例では、第1の監視エリアM内の移動体の移動速度を検出したが、当該移動体の加速度を検出してもよい。この場合、本実施例の第1の監視エリアは、一辺が約8メートルの略正方形であるために、例えば、第1の監視エリアM内に立っていた歩行者Pが突然横断歩道に向かって歩き出したと仮定すると、第1の監視エリアMの約8メートル以内の距離を数秒で脱して横断歩道までに約3キロメートル毎時に達する加速度の値を所定の加速度とすることができる。更に、本実施例は、自車が交差点を直進する場合であって交差点の横断歩道前にて一旦停止した場合にも対応が可能である。
本実施例により、横断歩道付近に歩行者が居る場合に、車両は一時停止をしなければならないという交通規則に違反することなく、また、横断歩道に飛び出す可能性のある歩行者が横断歩道に飛び出した際に、その歩行者との接触を未然に防止できる。
(第2の実施例)図を参照して、以下に、本発明の自動運転車の実施例における回路ブロックの構成について説明する。本実施例の回路ブロックの構成は、第1の実施例と同じであるために、その説明を省略する。尚、第2の実施例の動作については、第1の実施例とは、その動作に関するソフトウエアのプログラムが異なるために、その動作自体も異なる。以下に、第2の実施例の動作について、図3及び図4を参照して、詳細に説明する。
図4において、ステップ31及びステップ32は、第1の実施例のステップ21及びステップ22と同様のためにその詳細な説明を省略する。ステップ32において、カーナビ機能部109によって、設定された走行経路において前方の交差点を左折することが検出されていることで、スピーカ部119及び表示部120による報知が開始される。例えば、スピーカ部119からは、「次の交差点を左折します。」と音声アナウンスされる。
次に、図4及び図10を参照して、ステップ33にて、当該交差点の手前約50メートル地点から、撮像部112が上記左折方向の撮像を開始し、移動体検出部114は、自動運転中の自車が上記第2の監視エリアNの側方を走行中に、自車の左側(図面上、交差点左側)にある横断歩道Wの長手方向(この時点における自車の進行方向)の歩道上の第2の監視エリアN内の移動体P(自転車、走っている歩行者を含む)を検出し、特定する(ステップ34)。
ここで、上記第2の監視エリアNは、縦横約8メートル、約20メートルの略四角形であり、横断歩道の横断方向及びその反対方向にて隣接して歩道上に設けられている。また、上記の所定の移動速度は、本実施例では、走っている人間及び自転車に乗っている人間を想定しているために、約10キロメートル毎時である。
ステップ35では、ステップ34にて上記第1の監視エリアM内にて検出又は特定された移動体Pの移動方向及び移動速度を検出する。ここで、自車A1が進入しようとする横断歩道に上記移動体が向かっており、かつ、その速度が上記所定の速度以上であることが検出されたとする。上記移動体Pが上記横断歩道に向かって移動していることが検出された場合、制御部124は、撮像部112が撮像した上記移動体の映像を表示部121に表示させ、その表示は、上記横断歩道を通過するまで継続する。また、制御部124は、その映像を記憶部122に一時記憶させる。
次に、ステップ36では、交差点の信号が青であることが確認されたことにより、自動運転機能部119が、方向指示部108、ブレーキ部104等を操作して、横断歩道Wの通過準備を行う。
次に、自車A1が交差点内に進入した後、ステップ37では、撮像部112が撮像した映像を基に、移動体検出部114が自車A1の前方の横断歩道(左折開始後に通過が予定された横断歩道)上の歩行者Pの有無を検出する。もし、歩行者Pが検出された場合には、ステップ38に移行して、自動運転機能部110がブレーキ部104を操作し、横断歩道Wの停止線Lにて自車を一旦停止させる(図11参照)。
更に、ステップ38からステップ39にて、自車A1が停止している状態にて、横断歩道に歩行者Pが居なくなるまで、即ち、歩行者が検出されなくなるまで、これらのステップを繰り返す。また、ステップ37にて、横断歩道上に歩行者Pが検出されない場合、図5を参照して、ステップ40に移行して、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記第2の監視エリアNにて検出又は特定された歩行者Pが第1の監視エリアM内に進入したか否かが検出され(ステップ40)、もし、検出されれば、その移動方向が横断歩道に向かっており、かつ、その移動速度が所定の速度以上であるかを検出する(ステップ41)。
また、このステップ40にて、上記第2の監視エリアNにて検出された移動体Pがその検出から所定の時間内に第1の監視エリアMに進入したかを検出するものとしてもよい。よって、この場合、所定の時間内に進入したことを検出したならば、ステップ42に移行する。
更に、このステップ40では、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記歩行者Pが第1の監視エリアM内に進入したか否かが検出されて、自車は一時停止したが、この他に、自車A1が交差点に進入し、左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体が第2の監視エリアNを通過した(通過を終えた)ことを移動体検出部114が検出することにより、速度制御部ABに自車を上記横断歩道の停止線Lにて一時停止させるとしてもよい。
更に、ステップ40及びステップ41にて、上記検出又は特定された歩行者Pとは異なる歩行者が上記第1の監視エリアM内にて検出され、横断歩道に向かっており、その移動速度が所定の速度(3キロメートル毎時)以上であれば、その歩行者も同様に検出され、上述のような速度制御がなされる。また、ステップ40にて、移動体が検出されなければ、ステップ42に移行する。
次に、ステップ41にて、上記特定された移動体の移動速度が所定の速度(10キロメートル毎時)以上であれば、スピーカ部120からアラーム音を発声し、上記ステップ38に戻り、自車は一時停止を行う。また、一方、上記検出又は特定された移動体Pの移動速度が所定の速度以下であれば、ステップ42にて、自動運転機能部110がアクセル部102を操作して、徐行速度で自車を発進させる。また、ステップ43にて、自車A1が横断歩道上に達しても、横断歩道を脱しない場合、ステップ37に戻って、横断歩道上と上記第2の監視エリアの上記検出等を繰り返す。
尚、本実施例では、第2の監視エリアNは、第1の監視エリアMと隣接するが、互いに所定の距離だけ離隔していてもよい。また、本実施例では、自車が左折する場合を想定して説明し、その場合、第2の監視エリアNは、自車が交差点を左折した後に通過する横断歩道Wの両端部に設定されたが、自車が右折する場合には、自車が交差点を右折した後に通過する横断歩道Wの両端部に設定される。更に、第1の監視エリアMも、同様に、右折の場合には、自車が通過する横断歩道に隣接する歩道上に4か所設けられる。
本実施例により、通常の歩行者の歩行速度より速い速度で移動する移動体、即ち、歩行者より移動速度の速い自転車やジョギングをする歩行者を早期に検出又は特定することができるために、横断歩道付近における人身事故を未然に防止することができる。
(第3の実施例)図を参照して、以下に、本発明の自動運転車の第3の実施例における回路ブロックの構成について説明する。本実施例の回路ブロックの構成は、第1の実施例と同じであるために、その説明を省略する。しかし、第3の実施例の動作については、第1及び第2の実施例とその動作に関するソフトウエアプログラムが異なる。よって、その動作自体も異なる。そして、第3の実施例の動作の前半は、第2の実施例のステップ31からステップ39までと同じであり、その説明は省略する。その後半については異なるために、以下に、上記ステップ39の次のステップであるステップ50からステップ54までについて、図6に沿って詳細に説明する。
図10、図11及び図12を参照して、ステップ50では、移動体方向検出部115が移動体の位置を検出可能であることから、移動体予測部119が、上記第2の監視エリア内にて移動体検出部114により検出された移動体Pが上記検出時から上記第1の監視エリアに進入するまでに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いか、即ち、どちらが早く到達するかを判断する。
ここで、移動体Pが上記検出時から上記第1の監視エリアに進入するまでに要する時間は、移動体速度検出部が上記移動体が検出された位置及び上記移動体の第2の監視エリア内の移動速度を検出しており、上記第1の監視エリアの形状、長さ及び位置、又は第2の監視エリアの長さ等も設定されていることにより算出される。また、一方、上記自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間は、更にカーナビ機能部が常時自車の位置及び自車の走行速度を検出していることから算出される。
上記移動体予測部が自車の方がより早く到達すると予測した場合、スピーカ部120からアラーム音を発声し、ステップ51に移行して、速度制御部ABは、ブレーキ操作により、自車を横断歩道の停止線にて一時停止させる(図11)。
尚、上記比較される2つの時間は、上記検出された移動体Pが上記検出時から第1の監視エリアに進入するまでに要する時間及び自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間としたが、第2の監視エリアにて検出された上記移動体Pが上記検出時から第2の監視エリアを通過するのに要する時間及び自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間としてもよい。
ここで、第2の監視エリアにて検出された上記移動体Pが上記検出時から第2の監視エリアを通過するのに要する時間は、移動体速度検出部が上記移動体の位置及び第2の監視エリア内の移動速度を検出しており、また、上記第2の監視エリアの長さも設定されていることにより算出される。
ステップ52では、自車が一時停止中に、移動体検出部114が目前の横断歩道上に歩行者Pの存在を検出しなければ、ステップ53に移行して、速度制御部ABは、アクセル操作により自車A1を徐行速度で発進させる(図12)。次に、ステップ54では、上記横断歩道を通過して脱出する。また、ステップ50にて、移動体予測部119が上記予測をしなかった場合、ステップ53に移行して、ステップ54にて、上記横断歩道を通過して脱出する。尚、ステップ52にて、上記横断歩道上に歩行者Pを検出すれば、ステップ51に戻る。また、本実施例でも、ステップ35における表示部の表示及び記憶部の記憶は、上述の通りの同じ表示内容及び同じ記憶内容となる。
本実施例により、自動運転車の交差点内の横断歩道の通過において、通常の歩行者の歩行速度より速い速度で移動する移動体、即ち、歩行者より移動速度の速い自転車やジョギングをする歩行者を第2の監視エリアにて早期に検出又は特定し、その自転車や歩行者が横断歩道に隣接する第1のエリアに進行することが予測されれば、自車を一旦停止するために、移動体の移動速度が速くとも、より確実にその移動体を検出することができ、横断歩道付近における人身事故を未然に防止することができる。
(第4の実施例)図を参照して、以下に、本発明の自動運転車の第4の実施例について説明する。先ず、図13を参照して、本実施例における回路ブロックの構成について説明する。同図において、図番101から124のうち、第1の実施例の構成ブロック図(図1)内と同じ番号のものは、同等の機能を有するために、その説明を省略する。よって、ライン設定部118A及び移動体予測部119Aについて説明する。
ライン設定部118Aは、自車の上記走行経路上の交差点を左折して直面する当該横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ラインX及び当該第1の監視ラインXと所定の距離だけ離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインYを設定する(図17参照)。
このライン設定部118Aは、上記第1の監視ラインと上記第2の監視ラインとの幅(距離)及び横断歩道と第1の監視ラインとの幅(距離)を自車が上記第1の監視ラインの手前20メートルの位置を走行している時の走行速度により変更する。例えば、上記速度が所定の速度(30キロメートル毎時)以上であれば、両方の幅は拡大され、以下であれば、その幅は縮小される。
一方、移動体予測部119Aは、上記第1の監視ラインXと上記第2の監視ラインYとの間にて移動体検出部114により検出された移動体が上記検出時から上記第2の監視ラインYに達するのに要する時間及び自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する。
次に、図14を参照して、本実施例の動作について説明する。本実施例の動作は、第1の実施例の動作を表すフローチャート(図3)のステップ20からステップ25は、同じなためにその説明を省略する。更に、第1の実施例の動作を表すフローチャート(図4)のステップ26からステップ30のうち、ステップ26のみが異なるために、上記ステップ26からステップ30の説明は省略する。
よって、ステップ26Aにおいては、移動体検出部114が第2の監視ラインから第1の監視ラインの間を自車A1が走行中に上記ライン間に移動体Pが存在するか否かを検出する。上記走行経路に沿って左折予定の自車A1が上記ライン間を走行中に、移動体検出部114が上記移動体を検出すれば、ステップ27に移行する。ステップ27では、移動体方向検出部115が上記移動体が上記横断歩道に向かっているか否かを検出する。ここで、スピーカ部120と表示部121との動作は、上記実施例と同じである。
上記移動体Pが上記横断歩道に向かっていることが検出されれば、ステップ28にて、移動体速度検出部116が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、ステップ24(図2)にて、速度制御部ABに自車A1を上記横断歩道の停止線Lにて一時停止させる。
本実施例では、1つ又は2つの監視エリアと異なる2つの監視ライン(第1及び第2の監視ライン)をもって、監視基準を構成したが、上述の同等の実施例と同じ効果を奏し、更に、ラインを設定することにより、その設定処理が容易であり、短時間で設定が可能となっている。
(第5の実施例)図を参照して、以下に、本発明の自動運転車の第5の実施例における回路ブロックの構成について説明する。本実施例の構成は、第4の実施例と同じなためにその説明を省略する。また、本実施例の動作については、図15及び図16のフローチャートに図示されているが、図4及び図6のフローチャートに示された各ステップの番号と同じ番号のステップは同じ動作処理のためにその説明を省略する。
よって、ステップ34Aでは、上記走行経路に沿って左折予定の自車A1がライン設定部118Aが設定した第1の監視ラインと第2の監視ラインとの間を走行中に、移動体検出部114は、そのライン間に移動体が存在するか否かを検出する。次に、ステップ35では、移動体方向検出部115が当該検出された移動体が自車A1が左折開始後に直面する横断歩道に向かっていることを検出したとすると、スピーカ部120と表示部121との動作は、上記実施例と同じである。また、ステップ50Aでは、移動体予測部116が、自車A1が上記検出時から上記横断歩道の停止線Lまでに要する時間の方がより短いと判断した場合、速度制御部ABに自車A1を上記横断歩道の停止線にて一時停止させる。
本実施例でも、1つ又は2つの監視エリアと異なる2つの監視ライン(第1及び第2の監視ライン)をもって、監視基準を構成したが、上述の同等の実施例と同じ効果を奏し、更に、ラインを設定することにより、その設定処理が容易となり、設定時間も短い。
本発明は、自動運転車の自動運転走行に関わり、横断歩道を通過する際の歩行者の安全に関するものであるため、産業上の高い利用可能性を有する。
109 カーナビ機能部
110 自動運転機能部
111 運転モード切換部
112 撮像部
113 距離検出部
115 移動体検出部
116 移動体方向検出部
117 移動体加速度検出部
118 エリア設定部
請求項1の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア内にて移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、左折を開始した自車が上記横断歩道に進入する前に、上記第1の監視エリア内にて、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された上記移動体は上記横断歩道に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車の設定された走行経路が左折であって当該走行経路上にある横断歩道の停止線に到達する前に、設定された走行経路上の第1の監視エリアにて所定の速度で横断歩道に向かって移動中の移動体を検出する。この移動体は、横断歩道に飛び出す可能性が極めて高いために、自車は、横断歩道に進入する前に一時停止を行う。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止できる。
また、請求項2の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア内にて移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、左折を開始した自車が上記横断歩道に進入する前に一時停止した状態にて、上記移動体検出部が上記第1の監視エリア内にて移動体を検出し、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された上記移動体は上記横断歩道に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以下であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を発進させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が左折して横断歩道の停止線にて一旦停止している際に、第1の監視エリアにて横断歩道に向かって移動する移動体の速度が所定の速度以下であることを検出することにより、当該移動体は、停止しているか又は自車と衝突することがない速度であると判断できることにより、横断歩道を安全に通過することができる。例えば、横断歩道前の歩道にて信号待ち(青信号になるのを立ち止まって待つ)をする歩行者や、上記エリア内にて、約2キロメートル毎時以下の移動速度の歩行者を検出しても、横断歩道に飛び出す可能性は極めて低いために、自車は徐行して発進することができる。
また、請求項3の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア内にて、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、左折を開始した自車が上記横断歩道内に進入した後に、上記第1の監視エリア内にて、上記移動体方向検出部が上記移動体検出部により検出された移動体は自車の予定された上記横断歩道上の走行経路に向かって移動していることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であると検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が横断歩道に進入した場合、上記監視エリア内にて、自車の横断歩道上の走行経路に向かって所定の速度以上で移動する移動体を検出する。これにより、自車は、一旦停止をする。従って、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道を安全にかつ円滑に通過することができる。
また、請求項4の発明においては、更に、上記移動体検出部は、更に、上記横断歩道上の移動体の存在を検出し、自車が上記横断歩道内に進入して一時停止した後、上記移動体検出部が上記横断歩道上に上記移動体の存在を検出せずに、上記第1の監視エリア内にて上記移動体の存在を検出した場合であって、上記移動体速度検出部が上記移動体の上記移動速度が所定の速度以下であることを検出した場合、上記速度制御部は、自車を発進させる。
この構成により、自車が走行経路上の横断歩道に進入して一時停止した後、上記エリア内にて、自車の横断歩道上の走行経路に向かって所定の速度以下で移動する移動体を検出する。これにより、自車は、発進する。従って、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道を安全にかつ円滑に通過することができる。
また、請求項5の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該移動体が上記横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアにて横断歩道方向に向かう所定の速度以上の移動体を検出することにより、自車は上記停止線にて一時停止する。これにより、左折時の人身事故も防止でき、横断歩道での交通事故を防止できる。
また、請求項6の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の上記端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出し、上記自車が左折を開始した後、上記走行経路上の横断歩道に到達する前に、上記移動体検出部が上記移動体が上記第1の監視エリアに進入したことを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアにて横断歩道に向かって所定の速度で移動する移動体を検出し、上記自車が左折を開始した後、当該移動体が第1の監視エリアに進入したことにより、自車は横断歩道に到達する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項7の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第1の監視エリアに進入するまでに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、交差点を左折する際に、移動体推測部が、自車が上記交差点内の横断歩道の停止線に到達する前に、第2の監視エリアで検出された移動体が第1の監視エリアに到達すると予測することにより、自車は横断歩道に進入する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項8の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道の方向に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道に進入する前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過したことを上記移動体検出部が検出することにより、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道に進入する前に、上記移動体が第2の監視エリアを通過したことを検出されることにより、自車は一時停止する。これにより、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、当該第2の監視エリアを脱出したことを検出することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、請求項9の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第2の監視エリアを通過するのに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に通過予定の横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道に到達する以前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過すると予測することにより、自車は、一時停止する。即ち、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道に到達する以前に、上記移動体が当該第2の監視エリアを脱出すると予測することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、請求項10の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点への進入後に左折して直面する当該横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ上記横断歩道から離れる方向に離隔してかつ上記第1のラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視ラインと上記第1の監視ラインとの間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間の歩道上にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車の設定された走行経路が左折であって当該走行経路上にある横断歩道に進入する前に、上記第1の監視ライン及び第2の監視ラインの間にて、所定の速度で横断歩道に向かって移動中の移動体を検出する。この移動体は、横断歩道に飛び出す可能性が極めて高いために、自車は、一時停止を行う。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止できる。
また、請求項11の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点への進入後に左折して直面する当該横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ上記横断歩道から離れる方向に離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記第1の監視ラインと上記第2の監視ラインとの間にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記検出時から上記第2の監視ラインに達するのに要する時間及び上記自車が上記検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記ライン間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に直面する横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、自車が横断歩道を左折する際に、運転の死角となる可能性の高い交差点内の左側の領域からの突然の飛び出しを行う自転車や人を事前に検知することにより、交差点の横断歩道付近における人身事故を未然に防止することができる。
請求項1の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の上記端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出し、上記自車が左折を開始した後、上記走行経路上の横断歩道に到達する前に、上記移動体検出部が上記移動体が上記第1の監視エリアに進入し、かつ、前記移動体速度検出部が上記進入の速度が上記所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアにて横断歩道に向かって所定の速度以上で移動する移動体を検出し、上記自車が左折を開始した後、当該移動体が第1の監視エリアに進入し、かつ、移動体速度検出部が上記進入の速度が上記所定の速度以上であることを検出することにより、自車は横断歩道に到達する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項2の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記第1の監視エリアに進入するまでに要する時間及び上記自車が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記横断歩道までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記横断歩道までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、交差点を左折する際に、移動体推測部が、自車が上記交差点内の横断歩道の停止線に到達する前に、第2の監視エリアで検出された移動体が第1の監視エリアに到達すると予測することにより、自車は横断歩道に進入する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項3の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道の方向に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道に進入する前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過したことを上記移動体検出部が検出し、かつ、前記移動体速度検出部が上記通過の速度が上記所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道に進入する前に、上記移動体が第2の監視エリアを通過したことを検出され、かつ、その通過速度が上記所定の速度以上であることにより、自車は一時停止する。これにより、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、当該第2の監視エリアを脱出したことを検出することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、請求項4の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、歩道上にて横断歩道と同方向又は直交する方向に延び、上記横断歩道の端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記第2の監視エリア内にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記第2の監視エリアを通過するのに要する時間及び上記自車が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記横断歩道までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に通過予定の横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から上記横断歩道までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアの移動体が上記横断歩道の方向に向かっており、かつ、所定の速度以上であることが検出された場合であって、上記自車が左折を開始し、上記走行経路上の横断歩道の停止線に到達する前に、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道に到達する以前に、上記移動体が上記第2の監視エリアを通過すると予測することにより、自車は、一時停止する。即ち、通常、走行速度の速い自転車やジョギングする人を第2の監視エリアにて早期に検出し、上記移動体予測部が、上記自車が上記横断歩道に到達する以前に、上記移動体が当該第2の監視エリアを上記所定の速度以上の速度で脱出すると予測することによって、自車を一時停止させることにより、横断歩道に飛び出した上記自転車や人と接触することが防止でき、横断歩道付近での交通事故を防止することができる。
また、請求項5の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点への進入後に左折して直面する横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ上記横断歩道から離れる方向に離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視ラインと上記第1の監視ラインとの間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間の歩道上にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体が上記横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体が所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、自車の設定された走行経路が交差点を左折であって、走行経路上にある横断歩道に進入する前に、上記第1の監視ライン及び第2の監視ラインの間にて、所定の速度で横断歩道に向かって移動中の移動体を検出する。この移動体は、横断歩道に飛び出す可能性が極めて高いために、自車は、一時停止を行う。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止できる。
また、請求項6の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に沿って自動運転が可能な自動運転車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点への進入後に左折して直面する横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ上記横断歩道から離れる方向に離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記第1の監視ラインと上記第2の監視ラインとの間にて上記移動体検出部により検出された移動体が前記移動体検出部による上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記第2の監視ラインに達するのに要する時間及び上記自車が前記移動体検出部による上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記ライン間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に直面する横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、前記移動体検出部による上記自車が上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、自車が横断歩道を左折する際に、運転者の死角となる可能性の高い交差点内の左側の領域からの突然の飛び出しを行う自転車や人を事前に検知することにより、交差点の横断歩道付近における人身事故を未然に防止することができる。
本発明は、自動車及び各種の自動運転が可能な自動運転車に関わり、特に、自動運転にて横断歩道を通過する技術に関する。
請求項1の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に関する案内を受けて走行可能な自動車おいて、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と直交する方向に延び、上記横断歩道の上記端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出し、上記自車が左折を開始した後、上記走行経路上の横断歩道に到達する前に、上記移動体検出部が上記移動体が上記第1の監視エリアに進入したこと、及び、上記移動体速度検出部が上記進入の速度が上記所定の速度以上であることを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、左折予定の自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記第2の監視エリアにて横断歩道に向かって所定の速度以上で移動する移動体を検出し、上記自車が左折を開始した後、当該移動体が第1の監視エリアに進入したこと、及び、移動体速度検出部が上記進入の速度が上記所定の速度以上であることを検出することにより、自車は横断歩道に到達する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項2の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に関する案内を受けて走行可能な自動車において、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が上記存在を検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、上記走行経路上の横断歩道の端部に隣接して歩道上に設けられた略矩形の第1の監視エリア及び当該第1の監視エリアと隣接し、上記歩道上にて横断歩道と直交する方向に延び、上記横断歩道の上記端部から所定の距離だけ離隔する略矩形の第2の監視エリアを設定するエリア設定部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記第2の監視エリアの側方を走行中に、上記移動体検出部が上記第2の監視エリア内にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該移動体が上記第1の監視エリアに向かっていることを検出し、上記移動体速度検出部が上記移動体の移動速度が所定の速度以上であることを検出し、上記自車が左折を開始した後、上記走行経路上の横断歩道に到達する前に、上記移動体が上記第2の監視エリア内での上記移動体の検出時から所定の時間内に上記第1の監視エリアに進入したことを検出した場合、上記速度制御部に自車を一時停止させる制御部と、を有する。
この構成により、例えば、交差点を左折する際に、第1の監視エリア内にて歩行者より速い速度で走行する自転車を検出し、自車が横断歩道に達する前に、当該検出から第1の監視エリアに進入したことを検出すると、自車は横断歩道に進入する前に一時停止する。これにより、横断歩道における交通法規を遵守し、かつ、飛び出しによる人身事故も防止でき、横断歩道での人身事故を防止できる。
また、請求項3の発明においては、自車の周囲を撮像する撮像部及び自車と物体との距離を検出する距離検出部を有し、設定された走行経路に関する案内を受けて走行可能な自動車であって、自車の走行速度及び制動を制御する速度制御部と、上記撮像部が撮像した映像を基に、移動体の存在を検出する移動体検出部と、当該移動体検出部が検出した上記移動体の移動方向を検出する移動体方向検出部と、上記移動体検出部が検出した上記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出部と、自車の上記走行経路上の交差点への進入後に左折して直面する横断歩道の長手方向と直交するように上記横断歩道より所定の距離だけ離隔して設けられた第1の監視ライン及び当該第1の監視ラインと所定の距離だけ上記横断歩道から離れる方向に離隔してかつ上記第1の監視ラインと平行に設けられた第2の監視ラインを設定するライン設定部と、上記第1の監視ラインと上記第2の監視ラインとの間にて上記移動体検出部により検出された移動体が上記移動体検出部による上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記第1の監視ラインに達するのに要する時間及び上記自車が上記移動体検出部による上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する移動体予測部と、上記走行経路に沿って左折予定の上記自車が上記ライン間を走行中に、上記移動体検出部が上記ライン間にて移動体の存在を検出し、上記移動体方向検出部が当該検出された移動体は上記自車が左折開始後に直面する横断歩道に向かっていることを検出し、上記移動体予測部が、上記移動体検出部による上記自車が上記両ラインの間での上記移動体の検出時から上記横断歩道の直前までに要する時間の方がより短いと判断した場合、上記速度制御部に自車を上記横断歩道に進入する前に一時停止させる制御部と、を有する自動車において、上記制御部は、上記第2の監視ラインの手前の所定の距離における自車の速度が所定の速度以上の場合、上記横断歩道から上記第1の監視ラインまでの距離及び上記両ライン間の距離のうち少なくとも一方を延長するように変更する。
この構成により、例えば、自車が横断歩道を左折する際に、運転者の死角となる可能性の高い交差点内の左側の領域からの突然の飛び出しを行う自転車や人を事前に検知することにより、交差点の横断歩道付近における人身事故を未然に防止することができる。
一方、移動体予測部119Aは、上記第1の監視ラインXと上記第2の監視ラインYとの間にて移動体検出部114により検出された移動体が上記検出時から上記第1の監視ラインXに達するのに要する時間及び自車が上記検出時から上記横断歩道の停止線までに要する時間を算出し、上記両方の時間を比較し、上記どちらの時間が短いかを判断する。