JP2021058178A - 果汁風味を有する飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高甘味度甘味料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけること、及び、果汁含有量が少なくても製品の果汁感を向上させること。【解決手段】アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有する、果汁風味を有する飲料。【選択図】無し

Description

本発明は、飲料に関する。より詳細には、特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを含有する果汁風味を有する飲料に関する。
一般に、果汁を含有する飲料は広く果汁飲料と呼称される。中でも、果汁の使用割合が5%以上10%未満のものや、5%未満のもの(無果汁を含む)などは、果汁含有量が比較的少ない果汁風味を有する飲料として消費されている。
このような果汁風味を有する飲料は、砂糖(ショ糖)などを用いて甘味付けがされることが通常であるが、近年、甘味料の中心であった砂糖の代替品として種々の高甘味度甘味料が使用されている。
高甘味度甘味料は、甘味度が砂糖の数百〜数千倍と非常に高いことから、製品への配合量を減らすことができるため、低カロリー志向のニーズの高まりと共に多くの製品に使用されるに至っている。
しかしながら、高甘味度甘味料の風味は砂糖のそれとは異なり、砂糖を使用する場合に比して後味の悪さなどが残り独特の味になるという問題があった。この問題は、上述のような果汁含有量が少ない飲料の場合に特に顕著であった。
このような背景から、高甘味度甘味料を使用する場合にも砂糖に近い自然な甘さを再現すべく、配合比率の調整等様々な工夫が為されている。例えば特許文献1では、アセスルファムカリウム、α−グルコシルステビア甘味料、及びスクラロースの3種の高甘味度甘味料をそれぞれ特定の配合量にすることで甘味質等が改善された甘味組成物が開示されている。
また、特許文献2では、アセスルファムカリウムとスクラロースとを含む高甘味度甘味料含有飲料において、酸味付与物質及び苦味付与物質を組み合わせて添加することにより、高甘味度甘味料の味質が改善された飲料が開示されている。
特許文献3では、高甘味度甘味料に対して、馬鈴薯由来でDE(デキストロース当量)が2以上5未満であるデキストリンを添加することで、甘味の後引き感を改善し、ショ糖に似た良質なコク味(ボディ感)を付与し、又は苦味や雑味を減少する高甘味度甘味料の味質改善方法が開示されている。特許文献4でも、これと同様の趣旨で特定のデキストリンを使用することが記載されている。
特開2002−171930号公報 特許第5542745号公報 特開2012−130336号公報 特開2013−252075号公報
上述したように、高甘味度甘味料の味質を改善することを目的として、当該甘味料の組み合わせや配合量を調整する技術、また第3成分を添加する技術が種々存在する。
他方、冒頭に述べた果汁風味を有する飲料では、果汁含有量が少ないために製品の果汁感が弱くなるという問題もあった。
このような問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、高甘味度甘味料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけること、及び、果汁含有量が少なくても製品の果汁感を向上させることにある。
本発明者らは、高甘味度甘味料それ自体の甘味の改善に留まらず、果汁風味を有する飲料における果汁感の向上をも果たすべく鋭意研究努力を重ねた結果、特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを組み合わせて使用することで、上記課題を両立的に解決することが可能であることを見出した。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有する、果汁風味を有する飲料である。また、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有することを特徴とする、果汁風味を有する飲料である。
これら4種の成分を含むことで、果汁風味を有する飲料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけ、かつ、該飲料の果汁感を向上させることができる。
ここで、本明細書における「果汁感」は、果汁の濃薄を指す。より具体的には、果汁に由来する甘さや、生の果実を食した際に感じられるボリューム感を指す。また、本明細書における「果汁の厚み」は、飲料全体のボディ感を指す。より具体的には、果実に由来するコク味や呈味(うまみ)を指す。
本発明の飲料は、前記デキストリンが、デキストロース当量(DE)が9.5を超え22未満のデキストリンであることが好ましい。
このようなデキストリンを使用することで、果汁風味を有する飲料の果汁感を向上させることができる。また、該飲料における果汁の厚みを向上させることもできる。
本発明の飲料は、前記デキストリンが、0.05〜0.08重量%含まれることが好ましい。
本発明の飲料は、デキストリンの含有量を前記範囲とすることで、香り立ちを良好にすることができる。
本発明の飲料は、前記アセスルファムカリウムに対する前記スクラロースの含有重量比が0.01〜1であり、かつ、前記アセスルファムカリウムに対する前記ステビアの含有重量比が0.01〜1であることが好ましい。
3種の高甘味度甘味料の配合比率を上記に調整することで、果汁風味を有する飲料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけることができる。
本発明の飲料は、果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満であることを特徴とする。
本発明は、上述した高甘味度甘味料の問題が顕在化し易く、かつ果汁感の向上が実感し易い果汁含有量が少ない飲料に特に有用である。
本発明は、茶飲料の形態で提供されることが好ましい。
本発明は、果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満の果汁風味を有する飲料に、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を配合する、果汁感の増強方法にも関する。また、本発明は、果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満の果汁風味を有する飲料に、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を配合することを特徴とする、果汁感の増強方法にも関する。
本発明は、果汁風味を有する飲料を製造する方法であって、
アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、果汁と、を配合する原料液の調製工程と、
調製された原料液を殺菌する殺菌工程と、
殺菌された原料液を冷却する冷却工程と、
冷却された原料液を容器に充填する充填工程と、
を含む、飲料の製造方法にも関する。
また、本発明は、果汁風味を有する飲料を製造する方法であって、
アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、果汁と、を配合する原料液の調製工程と、
調製された原料液を殺菌する殺菌工程と、
殺菌された原料液を冷却する冷却工程と、
冷却された原料液を容器に充填する充填工程と、
を含むことを特徴とする、飲料の製造方法にも関する。
本発明によれば、高甘味度甘味料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに再現し、かつ果汁含有量が少なくても製品の果汁感を向上させることが可能となる。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
本発明は、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有する、果汁風味を有する飲料である。
また、本発明は、果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満の果汁風味を有する飲料に、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を配合する、果汁感の増強方法にも関する。
また、本発明は、果汁風味を有する飲料を製造する方法であって、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、果汁と、を配合する原料液の調製工程と、調製された原料液を殺菌する殺菌工程と、殺菌された原料液を冷却する冷却工程と、冷却された原料液を容器に充填する充填工程と、を含む、飲料の製造方法にも関する。
本発明の果汁感の増強方法及び飲料の製造方法は、本発明の飲料にアセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を配合するものである。したがって、以下に説明する飲料の特徴は、本発明の方法及び製造方法に準用することができる。
本発明の飲料は、清涼飲料に広く適用することができる。本明細書における「清涼飲料」は、乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料を指す。その中でも、本発明の飲料は、茶飲料とすることが好ましく、紅茶飲料又は緑茶飲料とすることがより好ましい。また、後述する乳固形分の含有量に依っては、乳飲料とすることもできる。
前記の「紅茶飲料」は、ツバキ目ツバキ科ツバキ属の常緑樹である『チャノキ』であるCamellia sinensisの中国種(var.sinensis) やアッサム種(var.assamica)又はそれらの雑種から得られる茶葉から発酵工程を経て製茶された紅茶を含む飲料を指す。
前記の「緑茶飲料」は、ツバキ目ツバキ科ツバキ属の常緑樹である『チャノキ』であるCamellia sinensisの中国種(var.sinensis)又はそれらの雑種から得られる茶葉から発酵工程を経ずに製茶された緑茶を含む飲料を指す。
前記の「乳飲料」は、飲用乳の表示に関する公正競争規約に規定される、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有する乳飲料(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二十六年厚生省令第五十二号))を指す。
上記3種の高甘味度甘味料の各々の含有量は、飲料の種類に応じて、以下の範囲に調整することが好ましい。本発明の飲料を紅茶飲料とする場合、本発明の紅茶飲料は、アセスルファムカリウムを0.001〜0.01重量%含有することが好ましく、0.002〜0.008重量%含有することがより好ましく、0.003〜0.007重量%含有することがさらに好ましい。
また、本発明の紅茶飲料は、スクラロースを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0002〜0.0009重量%含有することがより好ましく、0.0005〜0.0009重量%含有することがさらに好ましい。
また、本発明の紅茶飲料は、ステビアを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0003〜0.0009重量%含有することがより好ましく、0.0005〜0.0009重量%含有することがさらに好ましい。
また、本発明の飲料を緑茶飲料とする場合、本発明の緑茶飲料は、アセスルファムカリウムを0.001〜0.01重量%含有することが好ましく、0.001〜0.006重量%含有することがより好ましく、0.002〜0.004重量%含有することがさらに好ましい。
本発明の緑茶飲料は、スクラロースを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0001〜0.0008重量%含有することがより好ましく、0.0002〜0.0005重量%含有することがさらに好ましい。
本発明の緑茶飲料は、ステビアを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0001〜0.0008重量%含有することがより好ましく、0.0002〜0.0006重量%含有することがさらに好ましい。
これらを総合すると、本発明の飲料は、アセスルファムカリウムを0.001〜0.01重量%含有することが好ましく、0.002〜0.007重量%含有することがより好ましく、0.003〜0.004重量%含有することがさらに好ましい。
本発明の飲料は、スクラロースを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0002〜0.0009重量%含有することがより好ましい。
本発明の飲料は、ステビアを0.0001〜0.001重量%含有することが好ましく、0.0002〜0.0009重量%含有することがより好ましく、0.0003〜0.0008重量%含有することがさらに好ましく、0.0005〜0.0006重量%含有することが最も好ましい。
アセスルファムカリウム、スクラロース、及びステビアの含有量を上記とすることで、果汁風味を有する飲料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけることができる。
なお、本明細書において、上記3種の高甘味度甘味料の含有量は、それらの配合量と同義に用いられる。
これら3種の高甘味度甘味料の相対的な含有重量比は、飲料の種類に応じて、以下の比率とすることが好ましい。本発明の飲料を紅茶飲料とする場合、アセスルファムカリウムに対するスクラロースの含有重量比は、0.01〜1とすることが好ましく、0.025〜0.45とすることがより好ましく、0.07〜0.3とすることがさらに好ましく、0.15〜0.18とすることが特に好ましい。
これと同時に、本発明の飲料を紅茶飲料とする場合、アセスルファムカリウムに対するステビアの含有重量比は、0.01〜1とすることが好ましく、0.04〜0.45とすることがより好ましく、0.07〜0.3とすることがさらに好ましく、0.15〜0.18とすることが特に好ましい。
また、本発明の飲料を緑茶飲料とする場合、アセスルファムカリウムに対するスクラロースの含有重量比は、0.01〜1とすることが好ましく、0.02〜0.8とすることがより好ましく、0.05〜0.25とすることがさらに好ましく、0.13〜0.17とすることが特に好ましい。
これと同時に、本発明の飲料を緑茶飲料とする場合、アセスルファムカリウムに対するステビアの含有重量比は、0.01〜1とすることが好ましく、0.02〜0.8とすることがより好ましく、0.05〜0.3とすることがさらに好ましく、0.13〜0.20とすることが特に好ましい。
そして、前述した各高甘味度甘味料の含有量の総合的な好ましい数値範囲に基づくと、本発明の飲料は、アセスルファムカリウムに対するスクラロースの含有重量比を0.01〜1とすることが好ましく、0.05〜0.3とすることが好ましく、0.07〜0.25とすることが好ましく、0.13〜0.18とすることがより好ましく、0.15〜0.17とすることがさらに好ましい。
これと同時に、本発明の飲料は、アセスルファムカリウムに対するステビアの含有重量比を0.01〜1とすることが好ましく、0.05〜0.3とすることが好ましく、0.07〜0.3とすることが好ましく、0.13〜0.2とすることがより好ましく、0.15〜0.18とすることがさらに好ましい。
アセスルファムカリウムを基準とした際のスクラロース及びステビアの含有重量比を上記とすることで、果汁風味を有する飲料の甘味を砂糖に近い自然な甘さに近づけることができる。
本発明において使用される3種の高甘味度甘味料は、市販されているものをそれぞれ単独で購入して組み合わせてもよいし、複合製剤を購入して上記の配合となるように調製してもよい。
また、これら3種の高甘味度甘味料は、公知の方法により製造したものを使用することもできる。
また、本発明に係るステビアは、ステビオサイドの含有率が高いステビア抽出品を用いてもよいし、レバウディオサイドAの含有量を調整し、及び/又はさらにグルコース等の糖鎖を付加したステビア甘味料を用いてもよいが、ステビア特有の苦味を少なくする観点から、ステビア甘味料を使用することが、より好ましい。
本発明の飲料は、本発明の効果をより高いものとするために他の高甘味度甘味料をさらに配合することもできる。他の高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、ソーマチン、グリチルリチン(甘草)、フィロズルチン、ネオテーム、羅漢果抽出物、サッカリンなどの非糖質系の高甘味度甘味料を挙げることができる。これらの含有量は、各々の甘味度や甘味の発現する時期、甘味の持続性などに応じて適宜調整すればよい。
デキストリンのデキストロース当量(dextrose equivalent;DE)は、デンプンの加水分解の程度を表す指標である。DE値が小さいほど還元糖の含有量が少なく(平均分子量が大きく)、DE値が大きいほど還元糖の含有量が大きい(平均分子量が小さい)。
本発明に係るデキストリンのDE値は、「〔(直接還元糖(グルコース換算)の質量)/(固形分の質量)〕×100」の式で表される値であり、還元糖量の分析はウィルシュテッターシューデル法により行われたものである。
本発明に係るデキストリンは、飲料の種類にかかわらず、デキストロース当量(DE)が9.5を超え22未満であることが好ましく、11以上20未満であることがより好ましく、15以上20未満であることがより好ましく、16以上20未満であることがさらに好ましく、16以上19以下であることが特に好ましい。
DE値が上記範囲に属するデキストリンを使用することで、果汁風味を有する飲料の果汁感を向上させることができると共に、該飲料の果汁の厚みを向上させることもできる。
また、本発明の飲料は、飲料の種類に応じて、DE値が上記範囲に属するデキストリンが以下の含有量となるように調製することが好ましい。
すなわち、本発明の飲料を紅茶飲料とする場合、DE値が上記範囲のデキストリンは、好ましくは0.05〜0.08重量%含まれ、より好ましくは0.06〜0.08重量%含まれる。
また、本発明の飲料を緑茶飲料とする場合、DE値が上記範囲のデキストリンは、好ましくは、0.06〜0.08重量%含まれる。
これらを踏まえると、本発明の飲料は、DE値が上記範囲のデキストリンを0.06〜0.08重量%含有することが特に好ましい。
上述したように、本発明の飲料は、特定のDE値のデキストリンの含有量を前記範囲とすることで、香り立ちを良好にすることができる。なお、上述の高甘味度甘味料の含有量と同様に、本明細書において、デキストリンの含有量は、その配合量と同義に用いられる。
デキストリンの原料は特に制限されず、コーン、ワキシーコーン、小麦、米、もち米、馬鈴薯、甘薯、タピオカなどを例示することができる。これらの原料中に含まれるデンプンを加水分解処理することで、上述のDE値を有するデキストリンを得ることができる。また、このようなDE値を有する市販のデキストリンを購入して使用することもできる。
本発明の飲料における果汁は、ストレートタイプ、濃縮還元タイプ、希釈タイプ等の何れであってもよい。果汁の含有量は、ストレート換算で好ましくは10重量%未満であり、より好ましくは8重量%未満であり、より好ましくは6重量%未満であり、より好ましくは4重量%未満であり、より好ましくは2重量%未満であり、より好ましくは0重量%未満(無果汁)である。
上述したように、本発明は、高甘味度甘味料の問題が顕在化し易く、かつ果汁感の向上が実感し易い果汁含有量が少ない飲料に特に有用である。
本発明の飲料に使用される果汁は、特に制限されるものではなく、例えば、ピーチ、レモン、アップル、グリーンアップル、グレープ、マスカット、オレンジ、ゆず、梨、ラ・フランス、日向夏、ライチ、キウイ、アセロラ、パインアップル、梅、ミックスベリー、みかん、グレープフルーツ、サクランボ、イチゴ、メロン、ライム、パパイヤ、マンゴー、パッションフルーツ、グアバ等の果実由来の果汁を使用することができる。
本発明の飲料は、上記果実の果汁以外にも、上記果実の特定成分を抽出して得られた果実抽出物あるいはその濃縮エキス等の加工物をさらに含んでもよい。
これらの付加的な成分を含むことで、製品の果汁感をより向上させることができる。
本発明の飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で任意の添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、甘味料、酸味料、調味料、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、又は併用して配合してもよい。
本発明の飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で任意のプロバイオティクスをさらに含んでもよい。プロバイオティクスは、生菌体、死菌体、これらを用いた培養物の何れであってもよい。また、菌体、細菌培養物、発酵物又は発酵乳を配合させることで、プロバイオティクス効果を期待することも可能である。
プロバイオティクスの種類は特に限定されないが、例えば乳酸菌及び/又はビフィドバクテリウム属細菌が好ましい。乳酸菌としてはラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ等、ビフィドバクテリウム属細菌としてはビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・インファンティス等を好ましく用いることが可能である。
乳酸菌としては、ラクトバチルス・パラカゼイ(NITE BP−01633)、ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536(NITE BP−02621)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(FERM BP−11175)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V(NITE BP−02622)、ビフィドバクテリウム・インファンティス M−63(NITE BP−02623)等を好ましく用いることが可能である。
<試験例1>
特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを配合した果汁風味を有する飲料(紅茶飲料)を用いて、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みを評価した。
(1)飲料の調製
市販の紅茶葉(ユニリーバ・ジャパン社輸入)100gに対して60℃の温湯2000gを添加し、12分間抽出を行った。抽出物を固液分離し、抽出液を10℃に冷却し、紅茶抽出液を得た。得られた紅茶抽出液100gに、砂糖50g、酸味料(クエン酸)0.3g、濃縮還元ピーチ果汁(ストレート換算で5%)を混合し、全量で1000gとなるようにイオン交換水を加え、紅茶調合液を得た。
次いで、表1に示す処方となるようにアセスルファムカリウム(サネット;Fiニュートリション社製)、スクラロース(スクラロース600;三栄源エフ・エフ・アイ社製)、ステビア甘味料(SKスイートGRA;日本製紙社製)、デキストリンを添加し、均一になるよう混合した。その後、香料を加え、蒸気二重ジャケット型バッチ式殺菌機を用いて90℃で1分間混合液を殺菌処理した。次いで、殺菌処理した混合液をバットに入れ、バットごと冷水に浸漬して10℃に冷却した上で、ペットボトル容器に充填し、果汁風味を有する紅茶飲料を調製した。
なお、デキストリンは、実施例1ではTK−16(DE16−19;松谷化学工業社製)、参考例1ではマックス1000(DE8−9.5;松谷化学工業社製)を使用した。
Figure 2021058178
(2)甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。具体的には、飲料の評価に精通したパネラー8名に各飲料を試飲してもらい、以下の3つの質問に対する回答を得た。結果を表2及び3に示す。
質問1:甘味の質が砂糖に近い方はどちらですか。
質問2:果汁感が強いのはどちらですか。
質問3:果汁の厚みが強いのはどちらですか。
なお、質問1の「甘味の質」については、実施例1の配合のうち甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース)を含有せず、砂糖5重量%の代わりに液糖(ブリックス糖度;75度)11重量%を用い、他の配合は実施例1と同じ飲料を基準とした。当該基準の飲料を試飲した際と比較して、試料の甘味の質が基準の飲料に近いか否かを判断した。ブリックス糖度の測定は、デジタル屈折計(製品名:Refractometer RX−5000、アタゴ社製)を用い、20℃に温度調整されたサンプルについて行った。
質問2の「果汁感」については、果汁に由来する甘さの強さを主たる評価指標とし、生の果実を食した際に感じられるボリューム感の強さを補足的な評価指標として総合的に判定をした。
また、質問3の「果汁の厚み」については、果実に由来するコク味の強さ及び呈味(うまみ)の強さを主たる評価指標とした。
Figure 2021058178
表2に示されるように、多数のパネラーが、デキストリンを使用していない比較例1に比べ、デキストリンを使用した実施例1の飲料の方が、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても優れていると回答した。
Figure 2021058178
表3に示されるように、多数のパネラーが、DE値が8−9.5のデキストリンを使用した参考例1に比べ、DE値が16−19のデキストリンを使用した実施例1の飲料の方が、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても優れていると回答した。
これらの結果から、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質がより砂糖に近づき、かつ、該飲料の果汁感が向上することが確認された。
<試験例2>
果汁風味を有する紅茶飲料における、アセスルファムカリウムの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例1と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例1と同様の処方として(但し、デキストリンは含まない)、アセスルファムカリウムの含有量を細かく調整した紅茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表4に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料4〜8が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料7が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記5つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、アセスルファムカリウムの含有量を0.003〜0.007重量%に調整することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例3>
果汁風味を有する紅茶飲料における、ステビアの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例1と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例1と同様の処方として(但し、デキストリンは含まない)、ステビアの含有量を細かく調整した紅茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表5に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料12〜16が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料14が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記5つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、ステビアの含有量を0.0005〜0.0009重量%に調整することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例4>
果汁風味を有する紅茶飲料における、スクラロースの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例1と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例1と同様の処方として(但し、デキストリンは含まない)、スクラロースの含有量を細かく調整した紅茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表6に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料22〜26が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料25が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記5つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、スクラロースの含有量を0.0005〜0.0009重量%に調整することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例5>
果汁風味を有する紅茶飲料における、3種の高甘味度甘味料の含有重量比に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例1の(1)と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例1と同様の処方として(但し、デキストリンは含まない)、3種の高甘味度甘味料の含有量を表7の処方となるように細かく調整した紅茶飲料を各種調製した。表7において、試料31〜35はアセスルファムカリウムを、試料36〜39はステビアを、試料40〜47はステビア及びスクラロースの含有量を、試験例2〜4の結果を踏まえ、それぞれ調整した試料である。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、何れも飲料として許容される程度の甘味の質を有するものであったが、その中でも特に、試料34、37、38、41、42、45、及び46が甘味の質がより砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記7つの試料と比較すると甘味の質は落ちるものの、これらに準じて砂糖に近い甘味の質であることが相対的に確認された。
この結果から、3種の高甘味度甘味料の各々の好適な含有量の組み合わせの中でも、所定の含有重量比を有するものが、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質がより砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例6>
デキストリンの含有量が異なる果汁風味を有する紅茶飲料を用いて、果汁感及び果汁の厚みを評価し、デキストリンの効果を確認した。
(1)飲料の調製
試験例1の(1)と同様の手順により、DE値が16−19のデキストリンの量以外は実施例1と同様の処方として、当該デキストリンの含有量を表8の処方となるように細かく調整した紅茶飲料を各種調製した。
Figure 2021058178
(2)果汁感及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した紅茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料52〜55が果汁感及び果汁の厚みの何れの点においても優れていることが相対的に確認された。
一方、試料56及び57は、試料52〜55と比較して香り立ちが相対的に落ち、果汁感が不足することが確認された。同様に、試料48〜51は、試料52〜55と比較して果汁の厚みが不足することが相対的に確認された。
この結果から、デキストリンを0.05〜0.08重量%含むことで、果汁風味を有する紅茶飲料の果汁感が向上すると共に、果汁の厚みが向上することが分かった。
<試験例7>
果汁風味を有する紅茶飲料における、デキストリンの含有量に関して、さらに好適な範囲を詳細に確認するために追加の試験を行った。すなわち、デキストリンの含有量が0.05〜0.08重量%である果汁風味を有する紅茶飲料を用いて、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みを総合的に評価した。
試験例6の試料52〜55を用いて、飲料の評価に精通したパネラー4名による官能評価試験を行った。試験例1で使用した3つの質問と同様の観点から、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みが総合的に評価され、飲料として最も好ましい試料が各パネラーにより選択された。結果を表9に示す。
Figure 2021058178
表9に示されるように、4名のパネラーにより、試料53〜55が飲料として最も好ましいという回答が得られた。また、試料54の評価がもっとも高かった。
この結果から、所定量に調整した3種の高甘味度甘味料と、デキストリンを0.06〜0.08重量%含有することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質がより砂糖に近づき、かつ、該飲料の果汁感が向上することが確認された。
<試験例8>
デキストリンのDE値に関して、さらに適正な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例1の(1)と同様の手順により、デキストリンの種類をTK−16からパインオリゴ20(DE22;松谷化学工業株式会社製)に変更した以外は実施例1と同一の配合で飲料を調製し、参考例2とした。
(2)甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの評価
参考例2の試料と実施例1の試料とを比較する官能評価試験を行った。この結果、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても、実施例1が参考例2を上回り、表3とほぼ同様の結果となった。
この結果から、DE値が16−19であるTK−16が、デキストリンとしてより好適であることが確認された。これを踏まえ、以降の試験例では、DE値が16−19であるTK−16を使用した。
<試験例9>
特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを配合した果汁風味を有する飲料(緑茶飲料)を用いて、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みを評価した。
(1)飲料の調製
市販の緑茶抽出エキス粉末(佐藤食品工業社製)4.0gに対して25℃のイオン交換水96.0gで溶解し、10℃に冷却した後、緑茶エキスを得た。得られた緑茶エキス100gに、表10の配合量となるように緑茶エキス以外の原料を全て混合し、全量で1000gとなるようにイオン交換水を加え、緑茶調合液を得た。酸味料はクエン酸及びリンゴ酸を用いた。
その後、蒸気二重ジャケット型バッチ式殺菌機を用いて、得られた緑茶調合液を90℃で1分間殺菌処理した。次いで、殺菌処理した緑茶調合液をバットに入れ、バットごと冷水に浸漬して10℃に冷却した上で、容器に充填し、果汁風味を有する緑茶飲料を調製した。
なお、特に明記しない限り、各原料は実施例1と同様の製品を使用した。
Figure 2021058178
(2)甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した実施例2の緑茶飲料を、試験例1と同様の評価基準のもと試飲した。質問1の「甘味の質」については実施例2の配合のうち甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース)を含有せず、砂糖3重量%の代わりに液糖(ブリックス糖度;75度)9重量%用い、他の配合は実施例2と同じ飲料を基準とした。結果として、実施例2の緑茶飲料は、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても、実施例1の紅茶飲料と同程度のものであった。
この結果から、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有することで、果汁風味を有する緑茶飲料の甘味の質がより砂糖に近づき、かつ、該飲料の果汁感が向上することが確認された。
<試験例10>
果汁風味を有する緑茶飲料における、アセスルファムカリウムの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例9と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例2と同様の処方として、アセスルファムカリウムの含有量を細かく調整した緑茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表11に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料64〜66が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料65が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記3つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、アセスルファムカリウムの含有量を0.002〜0.004重量%に調整することで、果汁風味を有する緑茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例11>
果汁風味を有する緑茶飲料における、ステビアの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例9と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例2と同様の処方として、ステビアの含有量を細かく調整した緑茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表12に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料72〜76が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料73が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記5つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、ステビアの含有量を0.0002〜0.0006重量%に調整することで、果汁風味を有する緑茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例12>
果汁風味を有する緑茶飲料における、スクラロースの含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例9と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例2と同様の処方として、スクラロースの含有量を細かく調整した緑茶飲料を各種調製した。高甘味度甘味料の処方は、表13に示すとおりである。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料83〜86が甘味の質がより砂糖に近く、特に試料84が最も砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記4つの試料と比較すると甘味の質が落ちることが相対的に確認されたが、飲料としては許容範囲ではあった。
この結果から、スクラロースの含有量を0.0002〜0.0005重量%に調整することで、果汁風味を有する緑茶飲料の甘味の質が砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例13>
果汁風味を有する緑茶飲料における、3種の高甘味度甘味料の含有重量比に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例9の(1)と同様の手順により、高甘味度甘味料以外は実施例2と同様の処方として、3種の高甘味度甘味料の含有量を表14の処方となるように細かく調整した緑茶飲料を各種調製した。表14において、試料88〜90はアセスルファムカリウムを、試料91〜94はステビアを、試料95〜97はスクラロースの含有量を調整した試料である。
Figure 2021058178
(2)甘味の質の評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、何れも飲料として許容される程度の甘味の質を有するものであったが、その中でも特に、試料88、89、91、及び95が甘味の質がより砂糖に近いものであることが相対的に確認された。その他の試料は、上記4つの試料と比較すると甘味の質は落ちるものの、これらに準じて砂糖に近い甘味の質であることが相対的に確認された。
この結果から、3種の高甘味度甘味料の各々の好適な含有量の組み合わせの中でも、所定の含有重量比を有するものが、果汁風味を有する緑茶飲料の甘味の質がより砂糖に近いものとなることが分かった。
<試験例14>
デキストリンの含有量が異なる果汁風味を有する緑茶飲料を用いて、果汁感及び果汁の厚みを評価し、デキストリンの効果を確認した。
(1)飲料の調製
試験例9の(1)と同様の手順により、DE値が16−19のデキストリンの量以外は実施例2と同様の処方として、当該デキストリンの含有量を表15の処方となるように細かく調整した緑茶飲料を各種調製した。
Figure 2021058178
(2)果汁感及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各飲料を試飲したところ、試料99〜101が果汁感及び果汁の厚みの何れの点においても優れていることが相対的に確認された。
一方、試料102及び103は、試料99〜101と比較して香り立ちが相対的におち、果汁感が不足することが確認された。同様に、試料98は、試料99〜101と比較して果汁の厚みが不足することが相対的に確認された。しかしながら、試料98は飲料として十分に許容できるものであった。
この結果から、デキストリンを0.005〜0.08重量%、より好ましくは0.06〜0.08重量%含むことで、果汁風味を有する緑茶飲料の果汁感が向上すると共に、果汁の厚みが向上することが分かった。
<試験例15>
果汁風味を有する緑茶飲料における、酸味料の種類と含有量に関して、好適な範囲を確認するために追加の試験を行った。
(1)飲料の調製
試験例9の(1)と同様の手順により、酸味料(クエン酸、リンゴ酸)の含有量以外は実施例2と同様の処方として、当該酸味料の含有量を表16の処方となるように調整した緑茶飲料を各種調製した。なお、飲料全体の酸度が変わらないように、酸味料を添加した。
Figure 2021058178
(2)飲料の評価
上記(1)で調製した緑茶飲料を、官能評価試験に供した。各試料を試飲したところ、酸味料としてクエン酸のみを用いた試料104〜106は、何れも試飲後に酸味を強く感じることが確認された。一方、クエン酸とリンゴ酸とを併用した試料107〜109は、試飲後に穏やかな酸味を感じることが相対的に確認された。
以上より、クエン酸とリンゴ酸とを併用することにより、甘味の質が砂糖に近く、かつ果汁感が向上され、さらに穏やかな酸味を有する緑茶飲料が得られることが分かった。
<試験例16>
特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを配合した果汁風味を有する飲料(紅茶飲料)を用いて、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みを評価した。
(1)飲料の調製
市販の紅茶葉(ユニリーバ・ジャパン社輸入)100gに対して60℃の温湯2000gを添加し、12分間抽出を行った。抽出物を固液分離し、抽出液を10℃に冷却し、紅茶抽出液を得た。得られた紅茶抽出液100gに、砂糖40g、酸味料0.5g、濃縮透明りんご果汁(ストレート換算で果汁4%)を混合し、全量で1000gとなるようにイオン交換水を加え、紅茶調合液を得た。
次いで、表17に示す処方となるようにアセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア甘味料、デキストリンを添加し、均一になるよう混合した。その後、香料を加え、蒸気二重ジャケット型バッチ式殺菌機を用いて90℃で1分間混合液を殺菌処理した。次いで、殺菌処理した混合液をバットに入れ、バットごと冷水に浸漬して10℃に冷却した上で、紙容器に充填し、果汁風味を有する飲料を調製した。なお、特に明記しない限り、各原料は実施例1と同様の製品を使用した。
Figure 2021058178
(2)甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した実施例3の紅茶飲料を、試験例1と同様の評価基準のもと試飲した。質問1の「甘味の質」については実施例3の配合のうち甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース)を含有せず、砂糖4重量%の代わりに液糖(ブリックス糖度;75度)10重量%を用い、他の配合は実施例3と同じ飲料を基準とした。結果として、実施例3の緑茶飲料は、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても、実施例1の紅茶飲料と同程度のものであった。
この結果から、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有することで、果汁風味を有する紅茶飲料の甘味の質がより砂糖に近づき、かつ、該飲料の果汁感が向上することが確認された。
<試験例17>
特定の高甘味度甘味料及びデキストリンを配合した果汁風味を有する飲料(乳酸菌含有紅茶飲料)を用いて、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みを評価した。
(1)飲料の調製
市販の紅茶葉(ユニリーバ・ジャパン社輸入)100gに対して60℃の温湯2000gを添加し、12分間抽出を行った。抽出物を固液分離し、抽出液を10℃に冷却し、紅茶抽出液を得た。
次いで、表18に示す処方となるようにアセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア甘味料、デキストリン、L−アスコルビン酸、pH調整剤をイオン交換水100gにて溶解した。これに上記得られた紅茶抽出液100g、砂糖40g、レモン果汁(ストレート換算で果汁1%)、はちみつ、乳酸菌死菌体(森永乳業社製)を添加し、全量で1000gとなるようにイオン交換水を加え、均一になるように混合して紅茶調合液を得た。乳酸菌死菌体の菌数は血球計算盤法により測定し、最終製品における菌数が5×1010個/1000mlとなるように添加した。その後、香料を加え、蒸気二重ジャケット型バッチ式殺菌機を用いて90℃で1分間混合液を殺菌処理した。次いで、殺菌処理した混合液をバットに入れ、バットごと冷水に浸漬して10℃に冷却したうえで紙容器に充填し、乳酸菌を含有する果汁風味を有する飲料を調製した。なお、特に明記しない限り、各原料は実施例1と同様の製品を使用した。
得られた飲料の含有する乳酸菌死菌体の菌数は5×1010個/1000ml、紅茶ポリフェノールの含有量は95mg/200ml、ビタミンCの含有量は500mg/1000mlであった。
なお、紅茶ポリフェノールは、紅茶葉由来のカテキン類が酸化重合した物質を指すものとする。実施例4の紅茶ポリフェノールの含有量は、FOLIN-CIOCALTEU法により測定した。ビタミンCの含有量は、高速液体クロマトグラフ法により測定した。
Figure 2021058178
(2)甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの評価
上記(1)で調製した実施例4の乳酸菌含有紅茶飲料を、試験例1と同様の評価基準のもと試飲した。質問1の「甘味の質」については実施例4の配合のうち甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース)を含有せず、砂糖4重量%の代わりに液糖(ブリックス糖度;75度)11重量%を用い、他の配合は実施例4と同じ飲料を基準とした。結果として、実施例4の乳酸菌含有紅茶飲料は、甘味の質、果汁感、及び果汁の厚みの何れの点においても、実施例1の紅茶飲料と同程度のものであった。
この結果から、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有することで、果汁風味を有する乳酸菌含有紅茶飲料の甘味の質がより砂糖に近づき、かつ、該飲料の果汁感が向上することが確認された。
本発明によれば、高甘味度甘味料の甘味が砂糖に近い自然な甘さに再現され、果汁含有量が少なくても製品の果汁感が向上された果汁風味を有する飲料を提供することができる。


Claims (8)

  1. アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を含有する、果汁風味を有する飲料。
  2. 前記デキストリンが、デキストロース当量(DE)が9.5を超え22未満のデキストリンである、請求項1に記載の飲料。
  3. 前記デキストリンが、0.05〜0.08重量%含まれる、請求項2に記載の飲料。
  4. 前記アセスルファムカリウムに対する前記スクラロースの含有重量比が0.01〜1であり、かつ、前記アセスルファムカリウムに対する前記ステビアの含有重量比が0.01〜1である、請求項1〜3の何れか一項に記載の飲料。
  5. 果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満である、請求項1〜4の何れか一項に記載の飲料。
  6. 茶飲料である、請求項1〜5の何れか一項に記載の飲料。
  7. 果汁の含有量がストレート換算で10重量%未満の果汁風味を有する飲料に、アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、を配合する、果汁感の増強方法。
  8. 果汁風味を有する飲料を製造する方法であって、
    アセスルファムカリウムと、スクラロースと、ステビアと、デキストリンと、果汁と、を配合する原料液の調製工程と、
    調製された原料液を殺菌する殺菌工程と、
    殺菌された原料液を冷却する冷却工程と、
    冷却された原料液を容器に充填する充填工程と、
    を含む、飲料の製造方法。


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