JP2021056357A - レーザー光源制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、方法、及びコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】虚像の表示品位を向上させる。【解決手段】ホログラムに表示光を投影し、視認者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置20であって、レーザー光源制御装置30は、光源50が出射するレーザー光の波長、又は波長を推定可能な情報を取得し、画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、光源50が出射するレーザー光の光強度を補正する調整値を設け、表示領域における調整値の分布を、レーザー光の波長に基づいて、制御する。【選択図】 図1
Description
本開示は、車両などの移動体に用いられるヘッドアップディスプレイ装置、レーザー光源制御装置、制御方法、及びコンピュータ・プログラムに関する。
特許文献1には、車両のウインドシールドに、特定波長領域の光に対する回折効率(反射率)が高いホログラム素子を設け、これに表示光を投影することで、虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置が記載されている。
特定波長領域の光に対する回折効率が高いホログラム素子に投射される表示光を生成するために、光源としてレーザー光を出射するレーザーダイオードが用いられることが一般的である。しかしながら、レーザーダイオードは、温度に応じて、出射するレーザー光の波長が変わってしまう。
レーザー光の波長が変わってしまうことで、ホログラム素子での回折効率が変化する。このホログラム素子での回折効率の変化が、全体で一様であればよいが、ヘッドアップディスプレイ装置から出射される表示光のホログラム素子への入射角度が、領域毎に異なるため、レーザー光の波長変化に起因するホログラム素子での回折効率の変化率は、ホログラム素子の領域毎に異なり、これにより、視認される虚像に輝度ばらつき(明るさのばらつき)が生じてしまい、この観点で改善の余地があった。
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない種々の態様を包含し得る。
本開示の概要は、虚像の表示品位を向上させる。より具体的には、虚像の輝度のばらつきを抑制することに関する。
したがって、本明細書に開示されるレーザー光源制御装置は、光源が出射するレーザー光の波長、又は波長を推定可能な情報を取得し、画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、光源が出射するレーザー光の光強度を補正する調整値を設け、表示領域における調整値の分布を、レーザー光の波長に基づいて、制御する。これによれば、レーザー光の波長の変化に基づき生じるホログラム素子での回折効率分布のバラツキを補償することができる。すなわち、レーザー光の波長の変化により回折効率が低くなる領域に表示される虚像の輝度を高めに設定する、及び/又はレーザー光の波長の変化により回折効率が高くなる領域に表示される虚像Vの輝度を低めに設定することで、輝度のバラツキの少ない虚像を視認させることができる。
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態(図面の内容も含む)によって限定されるものではない。以下の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
以下、図1、図2、図3、及び図5では、例示的な車両用表示システム、ヘッドアップディスプレイ装置、及びレーザーモジュールの構成の説明を提供する。図4では、ヘッドアップディスプレイ装置が表示する虚像の表示例の説明を提供する。図6では、ホログラム素子での課題の説明を提供する。図7、図8、及び図9では、本実施形態のレーザー光の光強度の調整方法の説明を提供する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用表示システムの構成を示す図であって、自動車に採用された場合が示されている。なお、本発明の車両用表示システムは、自動車に限らず、移動体における表示装置に採用することが可能である。
図1の車両用表示システム10は、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置とも記載する。)20と、HUD装置20を制御する表示制御装置(レーザー光源制御装置)30と、から構成される。HUD装置20は、視認者(典型的には、自車両の運転席に着座する運転者)1の正面(前方、自車両の進行方向とも言える。)に配置される自車両のフロントウインドシールド(被投影部材の一例。)2に向けて表示光100を投影する。
ホログラム素子3は、例えば,フォトポリマーや重クロム酸ゼラチンなどのホログラム材料などからなり、入射した光を所望の方向へ向けて回折する光学部材であり、物体光と参照光の干渉パターンを記録することで作成される。ホログラム素子3は、シート状であり、フロントウインドシールド2に内包され、HUD装置20が表示する表示画像Mをアイボックス200へ拡大反射する。視認者1は、アイボックス200内に目を配置することで、フロントウインドシールド2より遠方側に、HUD装置20が表示する表示画像Mの虚像Vを視認することができる。なお、本実施形態に用いる図面において、自車両の左右方向をX軸方向(自車両の前方を向いた際の左側がX軸正方向)とし、上下方向をY軸方向(路面を走行する自車両の上側がY軸正方向)とし、自車両の前後方向をZ軸方向(自車両の前方がZ軸正方向)とする。
本実施形態の説明で用いる「アイボックス」とは、(1)領域内では表示画像Mの虚像Vの少なくとも一部が視認でき、領域外では表示画像Mの虚像Vの一部分も視認されない領域、又は(2)領域内では表示画像Mの虚像Vの少なくとも一部が所定の輝度以上で視認でき、領域外では表示画像Mの虚像Vの全体が前記所定の輝度未満である領域である。すなわち、視認者1が目(両目)をアイボックス200外に配置すると、視認者1は、表示画像Mの虚像Vの全体が視認できない、又は表示画像Mの虚像Vの全体の視認性が非常に低く知覚しづらい。前記所定の輝度とは、例えば、アイボックスの中心での表示画像の輝度に対して1/50程度である。
HUD装置20は、表示画像Mの光を出射する表示器40と、表示器40が出射する表示光100を、フロントウインドシールド(被投影部材の一例)2に向けて反射するリレー光学系49と、で少なくとも構成される。本実施形態では、リレー光学系49は、光学的パワーを有さない平面ミラーであるが、これに限定されるものではなく、光学的パワーを有する凹面ミラー、凸面ミラーなどの反射光学系であってもよい。また、リレー光学系49は、反射光学系の代わりに、又は反射光学系に加えて、レンズなどの屈折光学系、回折光学系、及び/又はこれらの機能を組み合わせた光学系などを追加してもよい。
図2は、表示器40の構成を示す図である。表示器40は、例えば、レーザー走査型表示装置であり、レーザーモジュール41と、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーからなるスキャナ42と、スクリーン(表示面)43と、を備え、スクリーン43に表示画像Mを表示する(表示画像Mの光を出射する。)。なお、表示画像Mは、リレー光学系49と、被投影部材(フロントウインドシールド2)により生じる歪み(湾曲)を打ち消すように、予め歪ませてスクリーン43に表示されてもよい。この表示画像Mの歪みは、後述する表示制御装置30によるワーピング処理と、前記レーザー走査型表示装置における光学部材の各構成の配置と、により生じてもよい。
図3は、図2のレーザーモジュール41の構成の例を示す図である。レーザーモジュール41は、光源50と、集光部60と、光合成部70と、光分岐部80と、波長検出部90と、から主に構成される。
光源50は、色(波長帯域)の異なるレーザー光を出射する複数のレーザー光源を有し、例えば、青色のレーザー光Bを出射する第1光源51と、緑色のレーザー光Gを出射する第2光源52と、赤色のレーザー光Rを出射する第3光源53と、から構成される。光源50は、具体的に例えば、各色256階調の光強度出力が可能であり、後述する表示制御装置(レーザー光源制御装置)30が記憶する光源制御データに基づいて、所望の光強度のレーザー光が出射されるように各光源51,52,53それぞれを階調制御する。
また、光源50には、光源50の温度(波長を推定可能な情報の一例)を検出する温度検出素子50aが設けられていてもよい。具体的には、温度検出素子50aは、第1光源51の温度を検出する第1温度検出素子51aと、第2光源52の温度を検出する第2温度検出素子52aと、第3光源53の温度を検出する第3温度検出素子53aと、を含んでいてもよい。なお、温度検出素子50aは、複数の光源51,52,53にそれぞれに設けられず、複数の光源51,52,53のいずれかの温度を検出する1つ又は2つの温度検出素子で構成されてもよい。
図3の集光部60は、各光源51,52,53が出射した各レーザー光B,G,Rを集光し、スポット径を小さくして収束光とするものであり、例えば、第1光源51から出射される青色のレーザー光Bの光路上に位置し、青色のレーザー光Bを集光する第1集光部61と、第2光源52から出射される緑色のレーザー光Gの光路上に位置し、緑色のレーザー光Gを集光する第2集光部62と、第3光源53から出射される赤色のレーザー光Rの光路上に位置し、赤色のレーザー光Rを集光する第3集光部63と、から構成される
図3の光合成部70は、各光源51,52,53から出射され、集光部60を介して到達した各レーザー光B,G,Rの光軸を合わせて合成レーザー光Cとして出射するものであり、青色のレーザー光Bの光軸を調整する第1光合成部71と、緑色のレーザー光Gの光軸を調整する第2光合成部72と、赤色のレーザー光Rの光軸を調整する第3光合成部73と、を有する。
図3の光分岐部80は、例えば、5%程度の反射率を有する透過性部材からなり、光合成部70からスキャナ42までの間の合成レーザー光Cの光路上に配設され、光合成部70からの合成レーザー光Cの大部分をそのまま透過させるが、一部の光を部分光C1として後述する波長検出部90の方向へ反射させ、合成レーザー光Cの残りの光を合成レーザー光45としてスキャナ42に向けて出射する。
図3の波長検出部90は、レーザー光の波長を検出するセンサを含み、例えば、エタロン分光器、ツェルニー・ターナ(Czerny−Turner)型の分光器、複数のグレーティングを使用した分光器、マルチパス化した分光器などである。波長検出部90が検出する波長は、ピーク波長、中心波長、重心波長(「平均波長」と称することもある)、半値波長などであるが、これらに限定されない。本実施形態の波長検出部90は、部分光C1を受光し、第1光源51からの青色のレーザー光Bの波長、第2光源52からの緑色のレーザー光Gの波長、及び第3光源53からの赤色のレーザー光Rの波長、を検出し、第1光源51、第2光源52、第3光源53のそれぞれのレーザー光の波長を示す情報(波長情報)を後述する表示制御装置30に出力してもよい。波長検出部90の配置は、これに限定されず、例えば、各光源51,52,53が出射するレーザー光B,G,Rが、合成される前に検出可能な位置に配置されてもよい。
再び、図2を参照する。図2のスキャナ42は、例えば圧電駆動型の2軸レーザー光走査ミラーから構成される。スキャナ42は、後述する表示制御装置30から入力される制御信号に応じて反射面が2軸方向に揺動する。具体的には、スキャナ42は、合成レーザー光45を受光し、この合成レーザー光45を反射させた反射光である走査ビーム47をスクリーン43に向ける。
スクリーン43は、入射した走査ビーム47を受光し、射出瞳を拡大する射出瞳拡大素子(EPE)として機能し、例えば、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。本実施形態では、スクリーン43は、平板状であるが、一部または全体が湾曲していてもよい。また、スキャナ42とスクリーン43との間の走査ビーム47の光路上のスクリーン43の近傍に、図示しないフィールドレンズを配置してもよい。
他の例として、表示器40は、レーザー光を照明光と利用した液晶プロジェクタ、DLPプロジェクタ、LCOSプロジェクタと、これらのプロジェクタの投影光を受光し、表示画像Mを表示するスクリーン(表示面)43と、で構成されてもよい。また、上記レーザー走査型表示装置を含むプロジェクタは、スクリーンを有さず、後述するリレー光学系(表示面)49に表示画像Mを投影してもよい。
リレー光学系49は、表示器40と、HUD装置20の外部の被投影部材(フロントウインドシールド2)と、の間の表示光100の光路上に配置され、表示器40からの表示光100をフロントウインドシールド2に向けて反射する反射性を有する。また、本実施形態のリレー光学系49は、表示器40が生成した表示画像Mを拡大した虚像Vとして結像させるための画像拡大機能(光学機能の一例)と、歪みのない(歪の少ない)虚像として結像させるための画像歪み補正機能(光学機能の一例)と、を有していてもよい。リレー光学系49に凹面鏡の機能(画像拡大機能、及び/又は画像歪み補正機能)を持たせることで、視認者1に、大きな虚像、歪の少ない虚像を提供することができるとともに、HUD装置20内の表示器40や他の光学系(リレー光学系49も含んでもよい)の小型化を図り、延いてはHUD装置20全体の小型化を図ることも可能となる。なお、1つの目位置から虚像が視認され得る最大の領域を、ここでは、虚像表示領域300と称する。虚像表示領域300は、平面、曲面、又は一部曲面の領域であり、結像面とも呼ばれる。虚像表示領域300は、HUD装置20の後述する表示器40の表示面(スクリーン43)の虚像が結像される位置であり、すなわち、虚像表示領域300は、HUD装置20の表示画像Mが表示される表示面に対応し(言い換えると、虚像表示領域300は、後述する表示面(スクリーン43)と、共役関係となる。)、虚像表示領域300で視認される虚像は、HUD装置20の後述する表示面に表示される画像に対応している、と言える。虚像表示領域300自体は、実際に視認者1に視認されない、又は視認されにくい程度に視認性が低いことが好ましい。
図4は、HUD装置20が表示する虚像の表示例を示す図である。図4に示す虚像Vは、断続的な画像であり、案内経路を示す6つ(複数)の矢印状の画像からなり、車両の前景における左側の区画線611と右側の区画線612との間の走行レーン610に重なる位置に、案内経路のうち車両に近い方から符号V1、V2、V3、V4、V5、V6の順に配置される。案内経路は、直進した後に交差点で右折を示しており、すなわち、交差点までの案内経路を示す虚像V1、V2、V3は、視認者1から見て車両の走行レーンの路面610に重なり、前方の交差点に向かうように直進方向(Z軸正方向)を指示し、交差点から先の案内経路を示す虚像V4、V5、V6は、視認者1から見て右折方向の分岐路の路面610から起き上がっているように配置され、右方向(X軸負方向)を指示する。虚像V1〜V6は、路面610に沿うように視認されるように配置される。
なお、虚像Vは、路面610に沿って配置されるものではなく、路面610に対して起き上がって知覚されるものであってもよい。虚像Vは、路面610に対して起き上がって知覚されるものであり、車両の速度「50km/h」を示す。すなわち、本実施形態の車両用表示システム10(HUD装置20)は、路面610に沿うように知覚する(Z軸方向に奥行きを感じる)虚像V1〜V6などのパースペクティブ画像と、路面610から起き上がっているように知覚する(Z軸方向に奥行きを感じにくい)虚像V7などの非パースペクティブ画像と、を表示し得る。虚像表示領域300は、典型的には、車両の運転席に着座する視認者1(運転者)から見ると、図4に示すような、横方向(X軸方向)が縦方向(Y軸方向)より長い矩形の領域(これに限定されない。)である。
図5は、いくつかの実施形態に係る、車両用表示システム10のブロック図である。表示制御装置30は、1つ又は複数のI/Oインタフェース31、1つ又は複数のプロセッサ33、及び1つ又は複数のメモリ35を備える。図2に記載される様々な機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら両方の組み合わせで構成されてもよい。図5は、1つの実施形態に過ぎず、図示された構成要素は、より数の少ない構成要素に組み合わされてもよく、又は追加の構成要素があってもよい。
図示するように、プロセッサ33は、メモリ35と動作可能に連結される。より具体的には、プロセッサ33は、メモリ35に記憶されているプログラムを実行することで、例えば画像データを生成、及び/又は送信するなど、車両用表示システム10(HUD装置20)の操作を行うことができる。プロセッサ33は、少なくとも1つの汎用マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリ35は、ハードディスクのような任意のタイプの磁気媒体、CD及びDVDのような任意のタイプの光学媒体、揮発性メモリのような任意のタイプの半導体メモリ、及び不揮発性メモリを含む。揮発性メモリは、DRAM及びSRAMを含み、不揮発性メモリは、ROM及びNVROMを含んでもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と動作可能に連結されている。I/Oインタフェース31は、例えば、車両に設けられた後述の車両ECU403、又は他の電子機器(後述する符号90、50a、401、403)と、CAN(Controller Area Network)の規格に応じて通信(CAN通信とも称する)を行う。なお、I/Oインタフェース31が採用する通信規格は、CANに限定されず、例えば、CANFD(CAN with Flexible Data Rate)、LIN(Local Interconnect Network)、Ethernet(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport:MOSTは登録商標)、UART、もしくはUSBなどの有線通信インタフェース、又は、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、802.11x Wi−Fi(登録商標)ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)等の数十メートル内の近距離無線通信インタフェースである車内通信(内部通信)インタフェースを含む。また、I/Oインタフェース31は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN0、IEEE802.16−2004(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access))、IEEE802.16eベース(Mobile WiMAX)、4G、4G−LTE、LTE Advanced、5Gなどのセルラー通信規格により広域通信網(例えば、インターネット通信網)などの車外通信(外部通信)インタフェースを含んでいてもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と相互動作可能に連結されることで、車両用表示システム10(I/Oインタフェース31)に接続される種々の他の電子機器等と情報を授受可能となる。I/Oインタフェース31には、例えば、波長検出部90、温度検出素子50a、目位置検出部401、及び車両ECU403などが動作可能に連結される。
表示器40は、プロセッサ33に動作可能に連結される。したがって、HUD装置20によって表示される表示画像Mは、プロセッサ33から受信した画像データに基づいてもよい。プロセッサ33は、I/Oインタフェース31から取得される情報に基づき、HUD装置20が表示する表示画像Mを制御する。なお、I/Oインタフェース31は、車両用表示システム10に接続される他の電子機器等から受信する情報を加工(変換、演算、解析)する機能を含んでいてもよい。
目位置検出部401は、自車両の運転席に着座する視認者1の目の位置を検出する赤外線カメラなどのカメラを含み、撮像した画像を、プロセッサ33に出力してもよい。プロセッサ33は、目位置検出部401から撮像画像(目の位置を推定可能な情報の一例)を取得し、この撮像画像を解析することで視認者1の目の位置を特定することができる。また、目位置検出部401は、カメラの撮像画像を解析し、解析結果である視認者1の目の位置を示す信号をプロセッサ33に出力してもよい。なお、自車両の視認者1の目の位置、又は視認者1の目の位置を推定可能な情報を取得する方法は、これらに限定されるものではなく、既知の目位置検出(推定)技術を用いて取得されてもよい。プロセッサ33は、視認者1の目の位置に基づき、画像の位置を少なくとも調整することで、前景の所望の位置(実オブジェクトとの特定の位置関係になる位置)に重畳した画像を、目位置を検出した視認者1に視認させてもよい。
車両ECU403は、自車両に設けられたセンサやスイッチから、自車両の状態(例えば、走行距離、車速、アクセルペダル開度、ブレーキペダル開度、エンジンスロットル開度、インジェクター燃料噴射量、エンジン回転数、モータ回転数、ステアリング操舵角、シフトポジション、ドライブモード、各種警告状態、姿勢(ロール角、及び/又はピッチング角を含む)、車両の振動(振動の大きさ、頻度、及び/又は周波数を含む))などを取得し、自車両の状態を収集、及び管理(制御も含んでもよい。)するものであり、機能の一部として、自車両の状態の数値(例えば、自車両の車速。)を示す信号を、表示制御装置30のプロセッサ33へ出力することができる。なお、車両ECU403は、単にセンサ等で検出した数値(例えば、ステアリング操舵角が右方向に10[degree]。)をプロセッサ33へ送信することに加え、又は代わりに、センサで検出した数値を含む自車両の1つ又は複数の状態に基づく判定結果(例えば、自車両が右方向に進路を変えようとしていること。)、若しくは/及び解析結果(例えば、視認者1が案内経路の通りに、分岐路で右折する意思があること。)を、プロセッサ33へ送信してもよい。例えば、車両ECU403は、自車両が車両ECU403のメモリ(不図示)に予め記憶された所定の条件を満たすような判定結果を示す信号を表示制御装置30へ出力してもよい。
また、車両ECU403は、車両用表示システム10が表示する表示画像M(虚像V)を指示する指示信号を表示制御装置30へ出力してもよく、この際、表示画像の座標、サイズ、種類、表示態様、表示画像の報知必要度、及び/又は報知必要度を判定する元となる必要度関連情報を、前記指示信号に付加して送信してもよい。なお、本実施形態では、表示制御装置30(後述するグラフィックモジュール508)が、I/Oインタフェース31から取得する情報に基づき、画像データを生成するものであるが、これに限定されるものではなく、車両ECU403が画像データを生成し、表示制御装置30へ出力してもよい。
本実施形態のメモリ35に記憶されたソフトウェア構成要素は、波長検出モジュール502、波長推定モジュール504、輝度調整モジュール506、グラフィックモジュール508、駆動モジュール510、及び目位置検出モジュール512を含む。
波長検出モジュール502は、光源50の波長を検出する。波長検出モジュール502は、波長検出部90から前記波長情報を取得すること、前記波長情報が予め定められた複数の波長範囲のどこに属しているか判定すること、に関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。例えば、波長検出モジュール502は、第1光源51が出射している青色のレーザー光Bの波長λb、第2光源52が出射している緑色のレーザー光Gの波長λg、第3光源53が出射している赤色のレーザー光Rの波長λrを、波長検出部90から取得し、取得した波長情報をメモリ35に記憶する。また、例えば、波長検出モジュール502は、波長検出部90から取得した青色のレーザー光Bの波長λbが、予め定められた複数の波長範囲(例えば、波長0.2nm毎に均等に区分された複数の波長範囲。不均等な複数の波長範囲であってもよい。)のどこに属しているかを判定し、この判定結果(波長範囲情報)をメモリ35に記憶してもよい。
波長推定モジュール504は、波長を推定可能な情報から、光源50の波長を推定する。波長推定モジュール504は、温度検出素子50aから取得した各光源51、52、53の温度(波長を推定可能な情報の一例)から各光源51、52、53の波長を推定すること、温度検出素子50aから取得した全てではない光源51、52、53の温度(1つ又は2つの光源の温度)から各光源51、52、53の波長を推定すること、波長検出部90から取得した全てではない光源51、52、53の波長(1つ又は2つの光源の波長(波長を推定可能な情報の一例))から残りの光源51、52、53の波長をする推定すること、に関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。すなわち、波長推定モジュール504は、温度から波長を推定する、1つ又は2つの光源の温度から残りの光源の温度を推定する、又は1つ又は2つの光源の波長から残りの光源の波長を推定する、ためのテーブルデータ、演算式、などを含み得る。
輝度調整モジュール506は、虚像表示領域300内での輝度調整値分布を設定する。上述したように、虚像表示領域300(虚像表示領域300内に視認される虚像V)と表示器40の表示面(表示面内に表示される表示画像M)とは対応しているので、輝度調整モジュール506は、表示器40の表示面内での輝度調整値分布を設定するとも言える。輝度調整モジュール506が、表示器40の表示面内の領域毎に、画像データに基づく各光源51,52,53の階調値に付加する調整値を変えることで、表示器40の表示面内での輝度調整値分布は、調整される。例えば、輝度調整モジュール506が、表示器40の表示面内の第1の領域で、元となる画像データ(元画像データ)に基づく階調値に階調を上げる調整値を設定した場合、第1の領域で表示される表示画像は、元画像データでの階調よりも高い階調(輝度)の画像が表示される。逆に、例えば、輝度調整モジュール506が、表示器40の表示面内の第2の領域で、元となる画像データ(元画像データ)に基づく階調値に階調を下げる調整値を設定した場合、第2の領域で表示される表示画像は、元画像データでの階調よりも低い階調(輝度)の画像が表示される。
また、輝度調整モジュール506は、ホログラム素子3の回折効率分布による虚像表示領域300内での輝度のばらつきを補償するように、虚像表示領域300内での輝度調整値分布を設定する。輝度調整値分布は、虚像表示領域300で視認される虚像V(表示器40の表示面に表示される表示画像M)の各画素に輝度(階調)を調整する調整値が設定されたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、隣り合う複数の画素(画素ユニット)毎に調整値が設定されたものであってもよい。
図6は、所定の目位置に向かう表示光100のホログラム素子3での回折効率分布900を、虚像表示領域300に重ねてグレースケール(明色から暗色になるに従い回折効率が低い。)で表現した図であり、虚像表示領域300の左右方向(X軸方向)での中心における回折効率分布を符号910(回折効率分布のピークを符号910p)で示し、虚像表示領域300の上下方向(Y軸方向)での中心における回折効率分布を符号920(回折効率分布のピークを符号920p)で示している。虚像表示領域300で回折効率が低い領域に表示される虚像Vの輝度は、虚像表示領域300で回折効率が高い領域に表示される虚像Vの輝度に比べると、低くなってしまう。
図7は、虚像表示領域300の輝度調整値分布1000をグレースケール(明色から暗色になるに従い輝度が低い。)で表現した図であり、虚像表示領域300の左右方向(X軸方向)での中心における輝度調整値分布を符号1010(輝度調整値分布のピークを符号1010p)で示し、虚像表示領域300の上下方向(Y軸方向)での中心における輝度調整値分布を符号1020(輝度調整値分布のピークを符号920p)で示している。輝度調整モジュール506は、図6に示す回折効率分布900に基づき、回折効率が低い領域に表示される虚像Vの輝度を高めに設定した、回折効率が高い領域に表示される虚像Vの輝度を低めに設定した、又はこれらの組み合わせにより輝度が設定された、図7に示すような輝度調整値分布を適用することで、虚像表示領域300内での輝度のばらつきを補償する(抑制する)ように機能する。
本実施形態の輝度調整モジュール506は、ホログラム素子3における表示光100の回折効率に基づき、虚像表示領域300(表示器40の表示面)内での輝度調整値分布を設定する。輝度調整モジュール506は、波長検出モジュール502が検出した光源50の波長、及び/もしくは波長推定モジュール504が推定した波長に対応した輝度調整値分布1000を選択すること、又は温度検出素子50aから取得した光源50の温度に対応した輝度調整値分布1000を選択すること、に関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。すなわち、輝度調整モジュール506は、光源50の波長から輝度調整値分布1000を設定する、又は光源50の温度から輝度調整値分布1000を設定する、ためのテーブルデータ、演算式、などを含み得る。
グラフィックモジュール508は、レンダリングなどの画像処理をして画像データ(元画像データ)を生成するための様々な既知のソフトウェア構成要素を含む。なお、グラフィックモジュール508は、表示される画像の視覚的効果(例えば、視認性パラメータ(輝度、透明度、彩度、コントラスト)、パースペクティブ特性パラメータ、視点変換パラメータ、動画パラメータ)を設定し、表示器40を制御するための様々な既知のソフトウェア構成要素を含んでいてもよい。グラフィックモジュール508が生成する画像は、限定されず、静止画、動画、撮像画像、又は加工された撮像画像などであってもよい。なお、グラフィックモジュール508は、HUD装置20に、前景に存在する実オブジェクトの位置に応じて表示位置を変化させるAR画像、及び/又は実オブジェクトの位置に応じて表示位置を変化させない非AR画像、を含む画像を表示するための画像データを生成することができる。なお、グラフィックモジュール508の機能の一部又は全部は、車両用表示システム10の表示制御装置30とは別(例えば、車両ECU403)に設けられてもよい。
駆動モジュール510は、光源50を駆動すること、スキャナ42(表示器40)を駆動すること、を実行するための様々な既知のソフトウェア構成要素を含む。駆動モジュール510は、グラフィックモジュール508が生成した元画像データ、又は外部(例えば、車両ECU403)から取得した元画像データに、輝度調整モジュール506による輝度調整値分布の設定を反映する。具体的には、駆動モジュール510は、元画像データに含まれるレーザー光の出力強度に対応する元の階調値に、輝度調整値分布における調整値を付加した新たな階調値で光源50を駆動する。すなわち、光源50のパルス発光の出力強度が、各画素位置における新たな階調値に応じて調整される。換言すると、各光源51、52、53に印加される各駆動電流が、ホログラム素子3による回折効率に基づき、元の駆動電流から増減されることで、ホログラム素子3の回折効率分布による虚像表示領域300内での輝度のばらつきを補償することができる。
なお、各光源51、52、53は、温度変化に基づき、印加する駆動電流に対する出力強度が変化する出力特性(光源制御データの一例)がある。このため、駆動モジュール510は、温度検出素子50aから取得する光源50の温度情報、波長検出部90から取得する光源50から出射されるレーザー光の波長情報、図示しない光強度センサから取得する光源50から出射されるレーザー光の光強度情報、又はこれらを組み合わせて、公知の方法で実際に近い出力特性(光源制御データの一例)を推測し、これに基づいて、光源50を駆動することが好ましい。
目位置検出モジュール512は、自車両の視認者1の眼の位置を検出する。目位置検出モジュール512は、視認者1の眼の高さ(Y軸方向の位置)を示す座標を検出すること、視認者1の眼の高さ(Y軸方向の位置)及び奥行方向の位置(Z軸方向の位置)を示す座標を検出すること、視認者1の眼の位置(X,Y,Z軸方向の位置)を示す座標を検出すること、及び/又は前記目の座標が予め定められた複数の座標範囲のどこに属しているか判定すること、に関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。目位置検出モジュール512は、例えば、目位置検出部401から視認者1の眼の位置を取得する、又は、目位置検出部401から視認者1の目の高さを含む目の位置を推定可能な情報を受信し、視認者1の目の位置を推定する。目の位置を推定可能な情報は、例えば、自車両の運転席の位置、視認者1の顔の位置、座高の高さ、視認者1による図示しない操作部での入力値などであってもよい。
なお、ホログラム素子3の回折効率分布による虚像表示領域300内での輝度のばらつきは、目の位置に応じても変化する。したがって、輝度調整モジュール506は、目位置検出モジュール512が検出した視認者1の目位置に対応した輝度調整値分布1000を選択することに関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。すなわち、輝度調整モジュール506は、視認者1の目位置と光源50の波長とから輝度調整値分布1000を設定する、又は視認者1の目位置と光源50の温度とから輝度調整値分布1000を設定する、ためのテーブルデータ、演算式、などを含み得る。
図8は、いくつかの実施形態に係る、レーザー光の光強度を調整する処理のフロー図である。まず、ステップS11において、プロセッサ33は、波長検出モジュール502、及び/又は波長推定モジュール504を実行することで、各光源51,52,53の波長を取得する(推定する)。又は、ステップS11において、プロセッサ33は、温度検出素子50aから各光源51,52,53の温度を取得する。
次に、ステップS13において、プロセッサ33は、輝度調整モジュール506を実行し、ステップS11で取得した各光源51,52,53の波長(温度)に対応する各光源51,52,53の輝度調整値分布をメモリ35から読み出す、又は演算する。
ステップS15において、プロセッサ33は、駆動モジュール510を実行し、ステップS13で設定した輝度調整値分布と、元画像データと、に基づいて、各光源51、52、53を駆動する。
図9は、いくつかの実施形態に係る、レーザー光の光強度を調整する処理のフロー図である。図8に対して、視認者の目位置も参照する点で異なる。
まず、ステップS21において、プロセッサ33は、波長検出モジュール502、及び/又は波長推定モジュール504を実行することで、各光源51,52,53の波長を取得する(推定する)。又は、ステップS21において、プロセッサ33は、温度検出素子50aから各光源51,52,53の温度を取得する。
ステップS22において、プロセッサ33は、目位置検出モジュール512を実行し、視認者1の目位置を取得する。
次に、ステップS23において、プロセッサ33は、輝度調整モジュール506を実行し、ステップS21で取得した各光源51,52,53の波長(温度)と、ステップS22で取得した視認者の目位置と、に対応する各光源51,52,53の輝度調整値分布をメモリ35から読み出す、又は演算する。
ステップS25において、プロセッサ33は、駆動モジュール510を実行し、ステップS23で設定した輝度調整値分布と、元画像データと、に基づいて、各光源51、52、53を駆動する。
上述の処理プロセスの動作は、汎用プロセッサ又は特定用途向けチップなどの情報処理装置の1つ以上の機能モジュールを実行させることにより実施することができる。これらのモジュール、これらのモジュールの組み合わせ、及び/又はそれらの機能を代替えし得る一般的なハードウェアとの組み合わせは全て、本発明の保護の範囲内に含まれる。
車両用表示システム10の機能ブロックは、任意選択的に、説明される様々な実施形態の原理を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行される。図5で説明する機能ブロックが、説明される実施形態の原理を実施するために、任意選択的に、組み合わされ、又は1つの機能ブロックを2以上のサブブロックに分離されてもいいことは、当業者に理解されるだろう。したがって、本明細書における説明は、本明細書で説明されている機能ブロックのあらゆる可能な組み合わせ若しくは分割を、任意選択的に支持する。
以上のとおり、本実施形態では、画像データに基づき、光源50が出射するレーザー光の光強度を制御し、光源50が出射するレーザー光の波長、又は波長を推定可能な情報を取得し、画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、光源50が出射するレーザー光の光強度を補正する調整値を設け、表示領域における調整値の分布(輝度調整値分布1000)を、レーザー光の波長に基づいて、制御する。これによれば、レーザー光の波長の変化に基づき生じるホログラム素子での回折効率分布のバラツキを補償することができる。すなわち、レーザー光の波長の変化により回折効率が低くなる領域に表示される虚像の輝度を高めに設定する、及び/又はレーザー光の波長の変化により回折効率が高くなる領域に表示される虚像Vの輝度を低めに設定することで、輝度のバラツキの少ない虚像を視認させることができる。
また、いくつかの実施形態では、光源50は、複数の波長帯域のレーザー光を出射する複数の光源51,52,53を含み、複数の光源51,52,53それぞれのレーザー光の波長に基づき、複数の光源51,52,53それぞれの調整値の分布(輝度調整値分布1000)を制御する。これによれば、波長帯域の異なる各光源51,52,53に対し、輝度調整値分布1000を設定し、補正制御をすることができるため、虚像を形成する色毎の輝度のバラツキを軽減することができる。
また、いくつかの実施形態では、視認者の目位置を取得し、レーザー光の波長と、目位置に基づき、光源50の調整値の分布を制御する。これによれば、目位置が異なる視認者の目位置が異なっても虚像のバラツキを軽減することができる。
また、いくつかの実施形態では、調整値は、レーザー光の光強度を、画像データが示す光強度より大きくする。すなわち、回折効率が低い領域に表示される虚像Vの輝度を高めに設定する制御を行うので、輝度の高い虚像Vを視認させることができる。すなわち、虚像Vの視認性を高めることができる。
また、いくつかの実施形態では、光源50の温度を取得し、光源50の温度が所定の閾値未満である場合、調整値は、レーザー光の光強度を、画像データが示す光強度より大きくし、光源50の温度が閾値以上である場合、調整値は、レーザー光の光強度を、画像データが示す光強度より小さくする。これにより、光源50の温度があまり高くない場合、回折効率が低い領域に表示される虚像Vの輝度を高めに設定する制御を行うので、輝度の高い虚像Vを視認させることができる。すなわち、虚像Vの視認性を高めることができる。なお、光源50の温度が高温となると、レーザー光源に印加する駆動電流を増加させても出射されるレーザー光の光強度が上昇しづらくなる。すなわち、レーザー光の光強度を上昇させて、虚像の輝度のばらつきを軽減しにくくなる。このようレーザー光源が高温になった場合でも、逆に虚像の一部の輝度を低下させることで、虚像の輝度バラツキを軽減することができる。
また、いくつかの実施形態では、調整値は、表示画像の画素毎に設定される。これにより、虚像の輝度バラツキを視認者の目で認識しづらくすることができる。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…視認者、2…フロントウインドシールド、3…ホログラム素子、10…車両用表示システム、20…ヘッドアップディスプレイ装置、30…表示制御装置(レーザー光源制御装置)、31…I/Oインタフェース、33…プロセッサ、35…メモリ、40…表示器、41…レーザーモジュール、42…スキャナ、43…スクリーン、49…リレー光学系、50…光源、50a…温度検出素子、51…第1光源、52…第2光源、53…第3光源、90…波長検出部、100…表示光、200…アイボックス、300…虚像表示領域、401…目位置検出部、403…車両ECU、502…波長検出モジュール、504…波長推定モジュール、506…輝度調整モジュール、508…グラフィックモジュール、510…駆動モジュール、512…目位置検出モジュール、900…回折効率分布、1000…輝度調整値分布、M…表示画像、V…虚像
Claims (14)
- 画像データに基づき、光源(50)が出射するレーザー光の光強度を制御するレーザー光源制御装置(30)において、
情報を取得可能な1つ又は複数のI/Oインタフェース(31)と、
1つ又は複数のプロセッサ(33)と、
メモリ(35)と、
前記メモリ(35)に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサ(33)によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、
前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
前記光源(50)が出射する前記レーザー光の波長、又は前記波長を推定可能な情報を取得し、
前記画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、前記光源(50)が出射する前記レーザー光の光強度を補正する調整値を設け、前記表示領域における前記調整値の分布を、前記レーザー光の波長に基づいて、制御する、
レーザー光源制御装置。 - 前記光源(50)は、複数の波長帯域のレーザー光を出射する複数の光源(51,52,53)を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
前記複数の光源(51,52,53)それぞれの前記レーザー光の波長に基づき、前記複数の光源(51,52,53)それぞれの前記調整値の分布を制御する、
請求項1に記載のレーザー光源制御装置。 - 前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
前記表示画像の視認者の目位置を取得し、
前記レーザー光の波長と、前記目位置に基づき、前記光源(50)の前記調整値の分布を制御する、
請求項1に記載のレーザー光源制御装置。 - 前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より大きくする、
請求項1に記載のレーザー光源制御装置。 - 前記1つ又は複数のプロセッサ(33)は、
前記光源(50)の温度を取得し、
前記光源(50)の温度が所定の閾値未満である場合、
前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より大きくし、
前記光源(50)の温度が前記閾値以上である場合、
前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より小さくする、
請求項1に記載のレーザー光源制御装置。 - 前記調整値は、前記表示画像の画素毎に設定される、
請求項1に記載のレーザー光源制御装置。 - ホログラムに表示光を投影し、視認者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置(20)であって、
レーザー光を出射する光源(50)と、
表示面を有し、前記光源(50)からの前記レーザー光を変調することで、前記表示面に表示画像を表示する表示器(40)と、
前記表示器(40)が表示する前記表示画像の前記表示光を前記ホログラムに向けるリレー光学系(49)と、
画像データに基づき、前記光源(50)が出射するレーザー光の光強度を制御するレーザー光源制御装置(30)と、を備え、
前記レーザー光源制御装置(30)は、
前記光源(50)が出射する前記レーザー光の波長、又は前記波長を推定可能な情報を取得し、
前記画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、前記光源(50)が出射する前記レーザー光の光強度を補正する調整値を設け、前記表示領域における前記調整値の分布を、前記レーザー光の波長に基づいて、制御する、
ヘッドアップディスプレイ装置。 - 画像データに基づき、光源(50)が出射するレーザー光の光強度を制御する方法であって、
前記光源(50)が出射する前記レーザー光の波長、又は前記波長を推定可能な情報を取得することと、
前記画像データに基づく表示画像の表示領域毎に、前記光源(50)が出射する前記レーザー光の光強度を補正する調整値を設け、前記表示領域における前記調整値の分布を、前記レーザー光の波長に基づいて、制御することと、を含む、
方法。 - 前記光源(50)は、複数の波長帯域のレーザー光を出射する複数の光源(51,52,53)を含み、
前記複数の光源(51,52,53)それぞれの前記レーザー光の波長に基づき、前記複数の光源(51,52,53)それぞれの前記調整値の分布を制御すること、を含む
請求項8に記載の方法。 - 前記表示画像の視認者の目位置を取得することと、
前記レーザー光の波長と、前記目位置に基づき、前記光源(50)の前記調整値の分布を制御することと、を含む、
請求項8に記載の方法。 - 前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より大きくする、
請求項8に記載の方法。 - 前記光源(50)の温度を取得することと、
前記光源(50)の温度が所定の閾値未満である場合、
前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より大きくし、
前記光源(50)の温度が前記閾値以上である場合、
前記調整値は、前記レーザー光の光強度を、前記画像データが示す前記光強度より小さくすることと、を含む、
請求項8に記載の方法。 - 前記調整値は、前記表示画像の画素毎に設定される、
請求項8に記載の方法。 - 請求項8乃至13のいずれかに記載の方法を実行するための命令を含む、コンピュータ・プログラム。
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