JP2021054074A - 化粧材 - Google Patents

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小笠原 健
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
美幸 飯原
Miyuki Iihara
美幸 飯原
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Abstract

【課題】より意匠性に優れた化粧材を提供すること。【解決手段】化粧材1は、基材10と、基材10に積層され、表面に凹凸を有するパターン層40と、を備え、基材10の60度光沢度Aに対するパターン層40の60度光沢度Bの比率B/Aが0.6〜0.9である。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧材に関する。
従来、建築物の壁材、間仕切り、家具等の表面化粧に使用される建材として、例えば、天然の木材と同じ木目調の図柄が印刷された化粧材が用いられている。この種の化粧材には、平面的な意匠性だけでなく、立体的な意匠性も求められている。そのために、例えば、化粧材の表面に部分的に盛り上げ層を形成することにより、人が化粧材の表面に触れたときに、天然の木材に触れたような自然な触感を得るようにした化粧材が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2015−171810号公報 特開2015−171811号公報
上述のような盛り上げ層を有する化粧材において、盛り上げ層を、例えばグラビア印刷で形成した場合、盛り上げ層のセル目が見えやすくなるため、不自然な見た目になりやすい。盛り上げ層のセル目が見えやすいとは、盛り上げ層が規則的な模様として観察されることをいう。
本発明の目的は、より意匠性に優れた化粧材を提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜に改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、基材(10)と、前記基材に積層され、表面に凹凸を有するパターン層(40)と、を備え、前記基材の60度光沢度Aに対する前記パターン層の60度光沢度Bの比率B/Aが0.6〜0.9である化粧材に関する。
第2の発明は、第1の発明に係る化粧材において、前記基材は、前記パターン層側の表面に艶調整層(30)を備える。
第3の発明は、基材(10)と、前記基材に設けられる低艶層(31)と、前記低艶層に積層される高艶層(50)と、前記低艶層及び前記高艶層の少なくとも一方に積層され、表面に凹凸を有するパターン層(40)と、を備え、前記パターン層の直下にある層の60度光沢度Aに対する前記パターン層の60度光沢度Bの比率B/Aが0.6〜0.9である化粧材に関する。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明に係る化粧材において、前記パターン層は、平均高さが5μm以上80μm以下である。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明に係る化粧材において、前記パターン層は、バインダーとなる樹脂(42)と光拡散粒子(43)とを含む盛り上げ層である。
本発明によれば、より意匠性に優れた化粧材を提供できる。
第1実施形態の化粧材1の一部分を示す斜視図である。 第1実施形態の化粧材1の概略断面図である。 単位凸部41の内部構成を示す概略断面図である。 第1実施形態に基づく実施例及び比較例の各グループの評価結果を示す図である。 第2実施形態の化粧材1Aの概略断面図である。 第3実施形態の化粧材1Bの概略断面図である。 第4実施形態の化粧材1Cの概略断面図である。 第2実施形態に基づく実施例及び比較例の各グループの評価結果を示す図である。 第1変形形態の化粧材1Dの概略断面図である。 第2変形形態の化粧材1Eの概略断面図である。 第3変形形態の化粧材1Fの一部分を示す斜視図である。 第3変形形態の化粧材1Fの概略断面図である。 第4変形形態の化粧材1Gの概略断面図である。 第5変形形態の化粧材1Hの概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る化粧材の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、本発明に係る化粧材の構成を模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜に誇張している。
また、図4を除く各図には、X−Y−Z又はY−Zの互いに直交する座標系を記載した。この座標系においては、化粧材1を図1の配置で見たときの一方の方向をX方向とし、このX方向と直交する他方の方向をY方向とする。また、化粧材1において、X−Y平面と直交する厚さ方向(法線方向)をZ方向とする。
本明細書中に記載する数値、形状、材料等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の化粧材1の一部分を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態の化粧材1の概略断面図である。図2は、図1に示す化粧材1のX−Z平面と平行な断面を示している。
図3は、単位凸部41の内部構成を示す概略断面図である。
図1に示すように、第1実施形態の化粧材1は、基材10、絵柄模様層20、艶調整層30、盛り上げ層40及び表面保護層50を備える。
基材10は、化粧材1のベースとなる部材である。基材10としては、例えば、各種の紙材、プラスチックフィルム、プラスチックシート等を、用途に応じて適宜に選択できる。これらの材料は、それぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体、紙とプラスチックフィルムとの複合体等、任意の組合せによる積層体でもよい。また、基材10は、木材、石材、コンクリート、ガラス、金属、陶磁器等であってもよい。
基材10として、特にプラスチックフィルム、プラスチックシートを用いる場合、基材10の上に設けられる層との密着性を高めるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的な表面処理を施してもよい。
上記酸化法としては、例えば、コロナ放電処理法、クロム酸化処理法、火炎処理法、熱風処理法、オゾン及び紫外線処理法等が挙げられる。上記凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材10の種類に応じて適宜に選択されるが、一般的にはコロナ放電処理法が好ましく用いられる。また、基材10は、絵柄模様層20との間にプライマー層を形成するための他の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装、デザイン的な観点での模様等があらかじめ形成されていてもよい。
基材10として用いられる紙材としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。これらの紙材には、更にアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を添加(抄造後に樹脂含浸又は抄造時に内填)させてもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
上記紙材のほか、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。更には、事務分野、通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布、不織布も基材10として使用できる。各種繊維としては、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
基材10として用いられるプラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
基材10の厚さについては、特に制限されない。基材10として、プラスチックを素材とするフィルム又はシートを用いる場合、厚さは、例えば、20〜150μm程度、好ましくは30〜100μmの範囲である。また、基材10として、紙材を用いる場合には、坪量として、例えば、20〜150g/m程度、好ましくは30〜100g/m程度である。
絵柄模様層20は、基材10の一方の面(図1では、Z方向の上側の面)に形成された模様の層である。絵柄模様層20は、例えば、基材10の上に直接、印刷することにより形成できる。絵柄模様層20は、例えば、木目を模した絵柄である。なお、絵柄模様層20の絵柄として導管部が含まれる場合、この導管部と対応する位置に盛り上げ層40(後述)を設けてもよい。導管部とは、木目の導管を模した絵柄である。
絵柄模様層20は、例えば、グラビア印刷法により着色層及び木目柄の絵柄層を塗工することにより形成される。その場合、着色層としては、アクリル系樹脂に着色剤が配合された混合物を使用できる。また、絵柄層には、アルキド系樹脂とニトロセルロース系樹脂に着色剤が配合された混合物を使用できる。なお、絵柄模様層20は、印刷のほか、転写等により形成してもよい。なお、絵柄模様層20とその上に積層される艶調整層30(後述)との密着性を高めるために、プライマー層を設けてもよい。
艶調整層30は、基材10の表面の艶を表現するための透明な層である。本実施形態において、艶調整層30は、絵柄模様層20上の全面に形成される。艶調整層30は、低艶〜高艶を表現するため、艶値を示す60度光沢度において、例えば、4〜70未満に設定される。本実施形態において、艶調整層30の艶は、基材10の表面の艶として認識される。
艶調整層30において、主剤となる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂を含む)、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等が挙げられる。
上記樹脂に含める艶消し材としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硝子等の無機系粒子、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アミド系樹脂、尿素樹脂、珪素樹脂等の有機系粒子等が挙げられる。
盛り上げ層40は、絵柄模様層20に触感を付与するための層である。一部の盛り上げ層40は、図2の左側に示すように、互いの間に間隙41Gを介して分離して配置された複数の凸部(以下、「単位凸部41」ともいう)の集合体として形成される。また、その他の盛り上げ層40は、図2の右側に示すように、複数の単位凸部41がレベリングして互いに融合一体化し、間隙41Gが消失した凹凸体として形成される。いずれの盛り上げ層40も、基材10上において、表面に凹凸を有するパターン層として積層される。
盛り上げ層40(集合体)の単位凸部41は、艶調整層30の上に盛り上げ層40を形成した際に、印刷版(不図示)のセルの中で分割されたそれぞれのインキ部分が、転写された艶調整層30の上で互いにレベリングすることなく、互いの間に間隙41Gを介して分離独立して、互いに融合一体化せずに配置された状態で硬化したものである。単位凸部41の平均高さは、一般的なグラビア印刷の印刷層(ベタ印刷層)が1μm程度であるのに対して、例えば、5〜20μm程度である。単位凸部41の平均外径は、例えば、200μm程度である。また、隣接する単位凸部41間の間隔は、例えば、20〜30μmである。なお、図2では、集合体における単位凸部41の形状、配列を模式的に示している(他の図も同様)。
単位凸部41(盛り上げ層40)は、図3示すように、バインダーとなる樹脂42と、フィラー(光拡散粒子)43とから構成される。盛り上げ層40の形成には、樹脂42とフィラー43とを混入させたインキが用いられる。このインキの粘度を選択することにより、盛り上げ層40のレベリングの度合いを調節できる。例えば、インキの粘度として、一般的なグラビア印刷に使用されるインキよりも粘度が高いものを選択した場合、上述したように、インキは、転写された艶調整層30の上で互いにレベリングして融合一体化することなく、互いの間に間隙41Gを介して分離独立して配置された状態で硬化する。また、粘度が低いインキを選択した場合、インキは、転写された艶調整層30の上で互いにレベリングして単位凸部41が融合一体化する結果、図2の右側に示すような互いの間に間隙41Gの無い凹凸体の状態で硬化する。なお、同じ粘度のインキを使用した場合でも、成膜時の条件によっては、図2に示すように、レベリングしている盛り上げ層と、レベリングしていない盛り上げ層合が混在することもある。
このインキに使用される樹脂42としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられる。これらのうち、特に、ベヒクル成分として、アクリル系、ポリエステル系、アクリルウレタン系、ウレタン系の樹脂で水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する樹脂に、硬化剤としてポリイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂は、表面性能の維持及び製造コストの点から望ましい。
また、フィラー43としては、例えば、アクリル樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ等の有機粒子、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、各種セラミックス等の無機粒子が挙げられる。フィラー43の平均粒径は、例えば、10〜30μm程度である。単位凸部41を形成する樹脂42にフィラー43を含有させることにより、単位凸部41の表面にフィラー43による微細な凹凸が形成される。そのため、化粧材1の表面に形成された盛り上げ層40に、より自然な触感を付与できる。なお、図3では、フィラー43を球状に図示しているが、実際のフィラー43の形状は不規則であり、表面にも不規則な凹凸を有する。
盛り上げ層40となるインキに含有させるフィラー43の粒径、形状、含有量を適宜に選択することにより、盛り上げ層40の光沢度を調整できる。例えば、フィラー43の粒径を大きくしたり、形状が球形に近いものを用いたりすると、光拡散性が低くなり、光沢度が高くなる。また、フィラーの粒径を小さくしたり、形状が不規則なものを用いたりすると、光拡散性が高くなり、光沢度が低くなる。なお、フィラー43の含有量は、例えば、20〜40重量%である。
第1実施形態の盛り上げ層40において、基材10の60度光沢度(以下、「基材10の光沢度A」ともいう)に対する盛り上げ層40の60度光沢度(以下、「盛り上げ層40の光沢度B」ともいう)の比率B/Aは、0.6〜0.9となるように設定される。第1実施形態において、基材10の光沢度Aは、化粧材1の表面における盛り上げ層40の非形成領域を測定した光沢度である。例えば、基材10が化粧材1の最表面に露出する場合は、基材10自体の表面の光沢度そのものが基材10の光沢度Aとなる。また、基材10の最表面層に表面保護層50が形成される場合は、表面保護層50の表面の光沢度が基材10の光沢度Aとなる。また、基材10の最表面層に艶調整層30が形成される場合は、艶調整層30の表面の光沢度が基材10の光沢度Aとなる。第1実施形態において、盛り上げ層40の光沢度Bは、盛り上げ層40が形成された範囲において、下地にある艶調整層30の艶と、盛り上げ層40の艶とを足し合わせた艶の測定値となる。
基材10の光沢度Aと盛り上げ層40の光沢度Bの比率を上記範囲に設定することにより、基材10の材質に係わらず、盛り上げ層40のセル目が目立ちにくくなるため、盛り上げ層40の部分を自然な見た目にできる。なお、盛り上げ層40の光沢度は、上述したフィラー43の粒径、形状の選択に限らず、例えば、所定のフィラーを含有した盛り上げインキの塗布量を変えたり、盛り上げインキにフィラーを含まないバインダー樹脂を加えたりすること等により調整することもできる。なお、後述する実施例及び比較例においては、基材上に形成したOP(オーバープリント)層の光沢度を基材の光沢度とみなしている。
表面保護層50は、化粧材1の表面を保護するための透明なグロスコート層(高艶層)である。表面保護層50は、艶調整層30において、盛り上げ層40を除いた部分の表面を覆うように形成される。表面保護層50を形成する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカードネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂は、電子放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。具体的には、電離放射線硬化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、モノマー等のうち、少なくとも1種を混合したものが挙げられる。なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、一般的には紫外線、電子線等が用いられる。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層50を形成するのに適している。
[第1実施形態に基づく実施例及び比較例]
次に、実施例及び比較例を示して、第1実施形態の化粧材1を更に詳細に説明する。但し、本発明に係る化粧材の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
図2に示す化粧材1の層構成において、絵柄模様層20と表面保護層50を除いた層構成の化粧材を作製した。具体的には、艶を調整したインキを基材上の全面に塗布してOP(オーバープリント)層を形成した。このOP層は、第1実施形態の艶調整層30に相当する層である。OP層の厚みは、2.0〜3.0μmとした。次いで、OP層上に、アクリル樹脂を主成分とした樹脂組成物のインキを用いて、グラビア印刷により格子状の盛り上げ印刷層を形成した。この盛り上げ印刷層は、第1実施形態の盛り上げ層40に相当する層である。盛り上げ印刷層の最大高さは、約25μmとした。
化粧材のパラメータとして、基材の材質、OP層の60度光沢度、OP層の60度光沢度に対する盛り上げ印刷層の60度光沢度の比率を調整したサンプルを43種類作製した。そして、43種類のサンプルを、実施例のグループ、比較例1のグループ、比較例2のグループに分け、各グループの化粧材について意匠性の評価を行った。
実施例のグループでは、比率B/Aが0.6〜0.9となるようにOP層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
比較例1のグループでは、比率B/Aが0.2〜0.4となるようにOP層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
比較例2のグループでは、比率B/Aが1.0〜2.0となるようにOP層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
いずれのグループも、基材として、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)又は紙を用いた。
OP層及び盛り上げ印刷層の60度光沢度は、BYK社製の光沢計「micro−TRI−gloss」を使用し、JIS Z 8741の規格に準拠して測定した。そして、各化粧材の意匠性の優劣を、盛り上げ印刷層のセル目が目立ちにくいか否かで判定した。具体的には、化粧材を垂直面に貼り、1mの距離で正面から見て、盛り上げ印刷層とOP層との間で認識される違和感(艶差)の有無を、10人の被験者で評価した。被験者の人数とその評価は、下記の通りである。
○:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない8〜10人。
△:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない6〜7人。
×:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない5人以下。
実施例及び比較例の各グループについて、上記項目による評価結果を図4に示す。図4は、第1実施形態に基づく実施例及び比較例の各グループの評価結果を示す図である。
図4において、「OP層」及び「盛り上げ印刷層」の項目は、それぞれクリアインキとマットインキとの比率を表している。例えば、クリアインキ8、マットインキ2の場合、「8/2」となる。「マット」はマットインキ10を表している。「ハイマット」は、上記「マット」よりも、更に低艶となるインキを表している。この「ハイマット」は、ハイマットインキのみで配合され、クリアインキは配合されていない。「比率B/A」の項目は、OP層の60度光沢度に対する盛り上げ印刷層の60度光沢度の比率を表している。「OP層A」の項目は、OP層の60度光沢度を表している。実施例及び比較例では、基材上に形成したOP層の光沢度を基材の光沢度とみなしている。
(評価結果)
実施例のグループに属する化粧材では、ほとんどの被験者において、盛り上げ印刷層とOP層との違和感がないという結果が得られ、いずれも意匠性に優れていることが確認された。
比較例1及び2のグループに属する化粧材では、盛り上げ印刷層とOP層との違和感がないと感じる被験者が半数以下又は7割以下という結果が得られ、意匠性が乏しい或いは条件によっては意匠性が乏しいと認識されることが明らかとなった。これは、比率B/Aを0.2〜0.4とした比較例1のグループでは、下地層となるOP層の艶に対して盛り上げ印刷層の艶が相対的に小さくなり過ぎたため、盛り上げ印刷層のセル目が目立ちやすくなったためと考えられる。また、比率B/Aを1.0〜2.0とした比較例2のグループでは、下地層となるOP層の艶に対して盛り上げ印刷層の艶が相対的に大きくなり過ぎたため、盛り上げ印刷層のセル目が目立ちやすくなったためと考えられる。
以上の結果から、実施例のグループに属する化粧材は、いずれも意匠性に優れていることが明らかとなった。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態のほかにも、木目をより立体的に見せる層構成として、基材上に木目模様の絵柄模様層を設け、その上に低艶の印刷層を設け、更にその上に、絵柄模様層と同調するように高艶の印刷層を部分的に設けた化粧材が知られている。第2実施形態では、上記層構成の化粧材に盛り上げ層を設けた化粧材において、第3の発明に係る光沢度の規定を適用した例について説明する。
図5は、第2実施形態の化粧材1Aの概略断面図である。第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。後述する他の実施形態及び変形形態についても同様とする。
図5に示すように、第2実施形態の化粧材1Aは、基材10、絵柄模様層20、低艶層31、盛り上げ層40及び表面保護層50を備えている。
第2実施形態の絵柄模様層20は、絵柄領域の一部として、導管部20Mを有する。導管部20Mは、木目模様の導管溝を模した絵柄である。絵柄模様層20において、導管部20M以外の絵柄領域は、木肌部(符号を省略する)となる。木肌部は、木目模様の木部繊維を模した絵柄である。以下の説明では、木目模様の導管溝を模した絵柄を「導管柄」ともいう。また、図示していないが、化粧材1Aを平面視したときに、導管部20Mとなる領域を「導管部分」、木肌部となる領域を「非導管部分」ともいう。絵柄模様層20を構成する樹脂、印刷法等は、第1実施形態と同じである。
低艶層31は、低艶を表現するための透明なマットコート層である。本実施形態の低艶層31は、絵柄模様層20上の全面に形成される。低艶層31を構成する樹脂等は、第1実施形態の艶調整層30と同じである。すなわち、第2実施形態の低艶層31は、第1実施形態の艶調整層30を低艶となるように調整した層である。
表面保護層50は、低艶層31の直下にある導管部20M(絵柄模様層20)を除いた部分の表面を覆っている。すなわち、第2実施形態の表面保護層50は、平面視において、木目模様(絵柄模様層20)の木肌部と同調する絵柄領域に設けられている。
盛り上げ層40は、表面保護層50の上に積層されている。単位凸部41は、表面保護層50において、低艶層31の直下にある導管部20M(絵柄模様層20)の周囲に配置されることが望ましい。盛り上げ層40の光沢度Bは、化粧材1Aの表面において、単位凸部41が密集している部分の表面を、光沢計により、例えばJIS Z 8741の規格に準拠して測定した値である。第2実施形態において、盛り上げ層40の光沢度Bは、盛り上げ層40が形成された範囲において、下地にある表面保護層50及び低艶層31の艶と、盛り上げ層40の艶とを足し合わせた艶の測定値となる。なお、盛り上げ層40の単位凸部41は、木目模様と同調するように配置されるため、図5に示すように、表面保護層50の上に単位凸部41が設けられていない領域もある。
第2実施形態の化粧材1Aにおいて、盛り上げ層40の直下にある表面保護層50の60度光沢度A(以下、「表面保護層50の光沢度A」ともいう)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aは、0.6〜0.9となるように設定される。表面保護層50の光沢度Aは、化粧材1Aの表面において、盛り上げ層40が設けられていない領域を、光沢計により、例えばJIS Z 8741の規格に準拠して測定した値である。
第2実施形態の化粧材1Aにおいて、表面保護層50の光沢度Aに対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態の化粧材1Bの概略断面図である。
図6に示すように、第3実施形態の化粧材1Bは、低艶層31の部分にのみ盛り上げ層40を設けている点が第2実施形態と相違する。第2実施形態の化粧材1Bにおいて、その他の層構成は、第2実施形態の化粧材1Aと同じである。
第3実施形態の化粧材1Bにおいて、盛り上げ層40の直下にある低艶層31の60度光沢度A(以下、「低艶層31の光沢度A」ともいう)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aは、0.6〜0.9となるように設定される。低艶層31の光沢度Aは、化粧材1Bの表面において、盛り上げ層40が設けられていない低艶層31の領域を、光沢計により、例えばJIS Z 8741の規格に準拠して測定した値である。
第3実施形態の化粧材1Bにおいても、低艶層31の光沢度Aに対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態の化粧材1Cの概略断面図である。
図7に示すように、第4実施形態の化粧材1Cは、低艶層31と表面保護層50の両方に盛り上げ層40を設けている点が第2実施形態と相違する。第4実施形態の化粧材1Cにおいて、その他の層構成は、第2実施形態の化粧材1Aと同じである。
第4実施形態の化粧材1Cにおいて、盛り上げ層40の直下には、低艶層31と表面保護層50がある。そのため、盛り上げ層40の直下にある層の光沢度として、例えば、盛り上げ層40の直下にある低艶層31の60度光沢度と、盛り上げ層40の直下にある表面保護層50の60度光沢度との平均値(以下、「平均値光沢度A」ともいう)を用いることができる。
第4実施形態の化粧材1Cにおいても、盛り上げ層40の直下にある層の平均値光沢度Aに対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
[第2実施形態に基づく実施例及び比較例]
次に、実施例及び比較例を示して、第2実施形態の化粧材1Aを更に詳細に説明する。但し、本発明に係る化粧材の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
図5に示す化粧材1Aの層構成に基づいて、実施例及び比較例の化粧材を作製した。具体的には、基材シートとして、建材用薄紙原紙(坪量30g/m)を用意した。この原紙は、第2実施形態の基材10に相当する。次に、その基材シートの片面に絵柄層を形成した。まず、原紙の片面に、アクリル系樹脂に着色剤が配合されたインキを、グラビア印刷により厚み7μm塗工した。更に、その上にアルキッド系樹脂及びニトロセルロース系樹脂に着色剤が配合されたインキを用いてグラビア印刷により厚み4μmの木目模様を塗工した。絵柄層は、第2実施形態の絵柄模様層20に相当する層である。
次に、アクリルポリオール樹脂及び艶消し材としてシリカ粒子(平均粒径3μm)を含むインキを用いて、絵柄模様層20の全面にグラビア印刷により厚み5μmのマットコート層を形成した。マットコート層は、第2実施形態の低艶層31に相当する層である。次に、アクリルポリオール樹脂及び艶消し材としてシリカ粒子(平均粒径3μm)を含むインキを用いて、絵柄層の導管部を除いた領域において、木目模様と同調するようにグラビア印刷により厚み5μmのグロスコート層を形成した。グロスコート層は、第2実施形態の表面保護層50に相当する層である。グロスコート層の艶値(60度光沢度)は、マットコート層の艶値以上となるように艶消し材の量を調整した。
次に、アクリルポリオール樹脂とフィラー(シリカ粒子:平均粒径10μm、アクリル樹脂ビーズ:平均粒径10μm)を含むインキを使用し、パターン版を用いてグラビア印刷により盛り上げ印刷層を形成した。この盛り上げ印刷層は、第2実施形態の盛り上げ層40に相当する層である。実施例及び比較例において、盛り上げ印刷層の艶値の調整のために、フィラーの含有量、フィラーの種類を選択した。
化粧材のパラメータとして、盛り上げ印刷層の60度光沢度、盛り上げ印刷層の直下の層となるグロスコート層の60度光沢度の比率を調整したサンプルを23種類作製した。そして、23種類のサンプルを、実施例のグループ、比較例1のグループ、比較例2のグループに分け、各グループの化粧材について意匠性の評価を行った。
実施例のグループでは、比率B/Aが0.6〜0.9となるようにグロスコート層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
比較例1のグループでは、比率B/Aが0.3〜0.5となるようにグロスコート層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
比較例2のグループでは、比率B/Aが1.0〜1.5となるようにグロスコート層の60度光沢度及び盛り上げ印刷層の60度光沢度を調節した。
盛り上げ印刷層及びグロスコート層の60度光沢度は、BYK社製の光沢計「micro−TRI−gloss」を使用し、JIS Z 8741の規格に準拠して測定した。そして、各化粧材の意匠性の優劣を、盛り上げ層40のセル目が目立ちにくいか否かで判定した。具体的には、化粧材を垂直面に貼り、1mの距離で正面から見て、盛り上げ層40と表面保護層50との間で認識される違和感(艶差)の有無を、10人の被験者で評価した。被験者の人数とその評価は、下記の通りである。
○:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない8〜10人。
△:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない6〜7人。
×:盛り上げ印刷層とOP層との違和感がない5人以下。
実施例及び比較例の各グループについて、上記項目による評価結果を図8に示す。図8は、第2実施形態に基づく実施例及び比較例の各グループの評価結果を示す図である。図8において、「艶値A」は、盛り上げ印刷層の直下の層となるグロスコート層の60度光沢度を表している。
(評価結果)
実施例のグループに属する化粧材では、ほとんどの被験者において、盛り上げ印刷層とグロスコート層との違和感がないという結果が得られ、いずれも意匠性に優れていることが確認された。
比較例1及び2のグループに属する化粧材では、盛り上げ印刷層とグロスコート層との違和感がないと感じる被験者が半数以下又は7割以下という結果が得られ、意匠性が乏しい或いは条件によっては意匠性が乏しいと認識されることが明らかとなった。これは、比率B/Aを0.3〜0.5とした比較例1のグループでは、下地層となるグロスコート層の艶に対して盛り上げ印刷層の艶が相対的に小さくなり過ぎたため、盛り上げ印刷層のセル目が目立ちやすくなったためと考えられる。また、比率B/Aを1.0〜1.5とした比較例2のグループでは、下地層となるグロスコート層の艶に対して盛り上げ印刷層の艶が相対的に大きくなり過ぎたため、盛り上げ印刷層のセル目が目立ちやすくなったためと考えられる。
以上の結果から、実施例のグループに属する化粧材は、いずれも意匠性に優れていることが明らかとなった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
以下の説明及び図面において、前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を適宜に付して、重複する説明を適宜に省略する。なお、以下に説明する変形形態は、いずれも第1実施形態の変形形態である。
(第1変形形態)
図9は、第1変形形態の化粧材1Dの概略断面図である。
図9に示すように、本形態の化粧材1Dは、盛り上げ層40の直下にのみ艶調整層30が形成されている。すなわち、化粧材1Dは、厚さ方向(Z方向)において、絵柄模様層20の特定位置(例えば、導管部分)に艶調整層30が形成され、その上に盛り上げ層40が形成されている。艶調整層30と盛り上げ層40の平面視での形状と面積は、ほぼ同一である。本形態の化粧材1Dにおいて、基材10の光沢度A(表面保護層50の表面の光沢度)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、実施形態の化粧材1と同じ効果を得ることができる。なお、図9に示す化粧材1Dにおいて、表面保護層50を省いた層構成としてもよい。
なお、第1変形形態の他の形態として、絵柄模様層20上の全面に艶調整層30を形成し、その上に絵柄模様層20の一部を覆う別の艶調整層を形成し、この艶調整層の上に盛り上げ層40を形成する構成としてもよい。
(第2変形形態)
図10は、第2変形形態の化粧材1Eの概略断面図である。
図10に示すように、本形態の化粧材1Eは、絵柄模様層20上の全面に表面保護層50が形成されている。また、表面保護層50上であって、盛り上げ層40の直下にのみ艶調整層30が形成されている。本形態も上記第1変形形態と同様に、化粧材1Eの厚さ方向(Z方向)において、絵柄模様層20の特定位置に艶調整層30が形成され、その上に盛り上げ層40が形成されている。
本形態の化粧材1Eにおいても、基材10の光沢度A(表面保護層50の表面の光沢度)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、実施形態の化粧材1と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(第3変形形態)
図11は、第3変形形態の化粧材1Fの一部分を示す斜視図である。図12は、第3変形形態の化粧材1Fの概略断面図である。図12は、図11に示す化粧材1FのY−Z平面と平行な断面を示している。
図11及び図12に示すように、本形態の化粧材1Fは、基材10、絵柄模様層20、艶調整層30及び盛り上げ層40を備えている。
本形態の絵柄模様層20は、絵柄領域の一部として、導管部20Mを有する。絵柄模様層20において、導管部20M以外の絵柄領域は、木肌部となる。また、艶調整層30は、絵柄模様層20上において、木肌部と同調する絵柄領域に設けられている。盛り上げ層40は、艶調整層30の直上に設けられている。
本形態において、艶調整層30から露出した導管部20M(絵柄模様層20)の60度光沢度(以下、「導管部20Mの光沢度」ともいう)は、相対的に艶調整層30の60度光沢度よりも小さくなるように設定される。図11に示すように、化粧材1Fの表面における盛り上げ層40の非形成領域であって、化粧材1Fの最表層に露出するのは絵柄模様層20の導管部20Mとなる。そのため、本形態では、導管部20Mの光沢度が基材10の光沢度Aとなる。また、盛り上げ層40の光沢度Bは、盛り上げ層40が形成された範囲の直下にある艶調整層30の艶と、盛り上げ層40の艶とを足し合わせた艶の測定値となる。
本形態の化粧材1Fにおいても、基材10の光沢度A(導管部20Mの光沢度)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態の化粧材1と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(第4変形形態)
図13は、第4変形形態の化粧材1Gの概略断面図である。
図13に示すように、本形態の化粧材1Gは、基材10、絵柄模様層20、艶調整層30及び盛り上げ層40を備えている。
本形態の絵柄模様層20は、導管部20Mと、その周辺の木肌部が艶調整層30から露出している。盛り上げ層40は、艶調整層30から露出した導管部20Mと、その周辺の木肌部の直上に設けられている。
本形態において、艶調整層30から露出した導管部20M(絵柄模様層20)の光沢度は、相対的に艶調整層30の60度光沢度よりも小さくなるように設定される。
図12に示すように、化粧材1Gの表面における盛り上げ層40の非形成領域であって、化粧材1Gの最表層に露出するのは艶調整層30となる。そのため、本形態では、艶調整層30の光沢度が基材10の光沢度Aとなる。また、盛り上げ層40の光沢度Bは、盛り上げ層40が形成された範囲の直下にある導管部20Mを含む絵柄模様層20の艶と、盛り上げ層40の艶とを足し合わせた艶の測定値となる。
本形態の化粧材1Gにおいても、基材10の光沢度A(艶調整層30光沢度)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態の化粧材1と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(第5実施形態)
図14は、第5変形形態の化粧材1Hの概略断面図である。
図14に示すように、本形態の化粧材1Hは、基材10、絵柄模様層20、艶調整層30及び盛り上げ層40を備えている。
本形態の化粧材1Hにおいて、盛り上げ層40を除いた層構成は、第3変形形態(図12参照)と同じである。本形態では、盛り上げ層40が絵柄模様層20の導管部20Mと、艶調整層30のそれぞれの直上に設けられる点が第3変形形態と相違している。
図14に示すように、化粧材1Hの厚さ方向(Z方向)において、最も表面側に露出するのは、艶調整層30に設けられた盛り上げ層40である。この艶調整層30に設けられた盛り上げ層40以外の領域において、最表層として露出するのは、同じく盛り上げ層40が設けられた導管部20M(絵柄模様層20)となる。そのため、本形態において、盛り上げ層40が設けられた導管部20Mの光沢度が基材10の光沢度Aとなる。また、本形態において、艶調整層30に設けられた盛り上げ層40の光沢度Bは、盛り上げ層40が形成された範囲の直下にある艶調整層30の艶と、盛り上げ層40の艶とを足し合わせた艶の測定値となる。
本形態の化粧材1Hにおいても、基材10の光沢度A(導管部20Mの光沢度)に対する盛り上げ層40の光沢度Bの比率B/Aを0.6〜0.9に設定することにより、第1実施形態の化粧材1と同様に、意匠性に優れた化粧材を得ることができる。
(その他の変形形態)
第1実施形態の化粧材1(図2参照)において、絵柄模様層20を省いて、基材10の上に艶調整層30を積層してもよい。
第1実施形態の化粧材1において、絵柄模様層20、艶調整層30を省いて、基材10の表面に盛り上げ層40を積層してもよい。その場合、基材10の表面に艶調整層30と同じ光沢度の艶面を形成してもよい。すなわち、艶調整層30は、図2に示すように、基材10の一方の面側に設けられていてもよいし、基材10の一部として基材10の一方の面に形成されていてもよい。
実施形態及び変形形態では、絵柄模様層20を木目模様とした例について説明したが、絵柄模様層20は、例えば、敷き詰めたタイルと目地の模様でもよいし、積み上げた煉瓦、コンクリートブロックと目地の模様であってもよい。
本発明に係る化粧材は、建築物の壁材(外装材、内装材)、床材、天井材、間仕切り等の建築物の部材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面化粧材、鴨居、敷居、腰壁、廻縁等の造作部材、机、食器棚、箪笥等の家具、室内装飾品等のほか、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗り物の室内用カバー材、各種家電製品、事務機器等の表面化粧材等にも適用できる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 化粧材
10 基材
20 絵柄模様層
20M 導管部
30 艶調整層
31 低艶層
40 盛り上げ層
50 表面保護層

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材に積層され、表面に凹凸を有するパターン層と、を備え、
    前記基材の60度光沢度Aに対する前記パターン層の60度光沢度Bの比率B/Aが0.6〜0.9である化粧材。
  2. 請求項1に記載の化粧材において、
    前記基材は、前記パターン層側の表面に艶調整層を備える化粧材。
  3. 基材と、
    前記基材に設けられる低艶層と、
    前記低艶層に積層される高艶層と、
    前記低艶層及び前記高艶層の少なくとも一方に積層され、表面に凹凸を有するパターン層と、を備え、
    前記パターン層の直下にある層の60度光沢度Aに対する前記パターン層の60度光沢度Bの比率B/Aが0.6〜0.9である化粧材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材において、
    前記パターン層は、平均高さが5μm以上80μm以下である化粧材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧材において、
    前記パターン層は、バインダーとなる樹脂と光拡散粒子とを含む盛り上げ層である化粧材。
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