JP7354531B2 - 化粧材 - Google Patents
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Description
特許文献1及び特許文献2で提案するような化粧材は、所謂、盛上印刷によって、印刷模様を形成しているため、印刷模様の厚さが同一であり、印刷模様の視覚効果及び触感は単調であった。
しかしながら、特許文献1で提案するような化粧材は、視覚効果及び触感が単調であり、高い要求に対応した意匠性を有するとは言い難いものであった。
[1]基材と、前記基材の一方の面側に複数のインキ部により構成される模様インキ層とを備え、前記模様インキ層は、以下の第1構成及び第2構成の少なくとも一方の構成を有し、該構成により模様を発現する、化粧材。
第1構成:厚さが異なる前記インキ部を複数有する構成
第2構成:前記インキ部の厚さが連続関数で変化する構成
[2]前記第1構成において、前記インキ部は、厚さが異なる第1インキ部と第2インキ部とを有し、前記第1インキ部の厚さは、前記第2インキ部と比して厚い、[1]の化粧材。
[3]前記第1インキ部には粒子が存在し、前記第2インキ部には粒子が存在しない、[2]の化粧材。
[4]前記第1インキ部の厚さは、前記粒子の平均粒径より厚い、[3]の化粧材。
[5]前記模様インキ層は、複数の前記第1インキ部により構成される第1インキ部集合体と、複数の前記第2インキ部により構成される第2インキ部集合体とを有する、請求項[2]~[4]のいずれかの化粧材。
[6]前記模様が年輪部を有する木目模様であり、前記第1インキ部は、前記年輪部における秋材部を構成している、[2]~[5]のいずれかの化粧材。
[7]前記第2構成において、前記インキ部は、粒子を含有し、前記粒子が存在する第1インキ領域と、前記粒子が存在しない第2インキ領域とを有する、[1]の化粧材。
[8]前記第1インキ領域の厚さは、前記粒子の平均粒径より厚い、[7]の化粧材。
[9]前記基材と前記模様インキ層との間に絵柄模様層を備える、[1]~[8]のいずれかの化粧材。
本発明の実施の形態に係る化粧材10は、図1に示すように、基材1と、基材1の一方の面側に複数のインキ部により構成される模様インキ層2a、2bとを備える。模様インキ層2a、2bは、第1構成及び第2構成の少なくとも一方の構成を有する。第1構成は、図1(a)に示すように、厚さが異なるインキ部2a1、2a2を複数有する構成である。第2構成は、図1(b)に示すように、模様インキ層(インキ部)2bの厚さが連続関数で異なる構成である。
化粧材10が木目模様の外観を表現するものである場合、化粧材により意匠の再現を目指す木材としては、特に制限はないが、杉、檜、胡桃、松及び桜等が挙げられる。
基材1の形態は、平板及び曲面板等のいずれであってもよい。
基材1としては、通常化粧材として用いられるものであれば、特に限定されず、樹脂基材、金属基材、窯業系基材、繊維質基材及び木質系基材等を用途に応じて適宜選択することができる。上記各基材はそれぞれ単独で使用してもよいが、例えば、樹脂基材と木質系基材の複合体、樹脂基材と金属基材の複合体等の任意の組み合わせによる積層体であってもよい。基材1が積層体である場合は、積層体のそれぞれの層間にプライマー層をさらに設ける等の構成であってもよい。
なお、本願明細書中において、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイル基」は、各々、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリレート又はメタクリレート」、及び「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を意味する。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、建材分野で使われることが多い紙基材の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等が挙げられる。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、事務分野又は通常の印刷及び包装等に用いられているコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙及び和紙等が挙げられる。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、上述した紙基材とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布及び不織布も挙げられる。各種繊維としては、絹、木綿、麻等の蛋白質系又はセルロース系の天然繊維、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維及び炭素繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、各種繊維としては、ポリエステル繊維、アクリル繊維及びビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材1の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が、表面処理の効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、基材1と他の層との層間密着性の向上、被着材との接着性の強化等のために、基材1の表面にプライマー層をさらに設ける等の構成であってもよい。
模様インキ層2a、2bは、本発明の化粧板の意匠性及び装飾性を高めるために所望により設けられる。模様インキ層2a、2bが形成する模様としては、少なくとも一部領域が視覚的に厚み認識可能な厚みT(T1、T2、・・・)を有し凹凸形状を視覚的に認識可能なものとされる。例えば、年輪の秋材部が***した所謂浮造り調木板、導管溝群を有する木板、目地溝を有する羽目板状の木板等の表面の木目模様、花崗岩板の劈開面等の石板表面の凹凸構造を含む石目模様、繊維乃至糸を織った構造を含む布目模様、皮目模様(皮シボ模様ともいう)、目地溝を含むタイル貼り模様、目地溝を含む煉瓦積模様、砂目模様、梨地模様、凹條部と凸條部とが其の延在方向を互いに平行にして複数配列させた所謂万線状凹凸模様(光線彫模様ともいう)、幾何学模様、文字、図形、規則的模様、抽象柄模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。
電離放射線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、化粧シートを製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も使用可能である。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物の場合は、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものである。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
模様インキ層2aとしての第1構成は、図1(a)に示すように、互いに厚さが異なる少なくとも2つのインキ部、即ち第1インキ部2a1と第2インキ部2a2とを有する。第1インキ部2a1及び第2インキ部2a2の厚さTは、同一インキ部内においては、化粧材10の面内方向の場所による厚さの変化は、視覚上及び触感上、実質的に、判別不能な程度に均一である。具体的には、同一の模様インキ層2aを形成する第1インキ部2a1及び第2インキ部2a2において、厚さ分布の範囲が3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。なお、厚さの分布範囲としては、同一の模様インキ層2aを形成する第1インキ部2a1及び第2インキ部2a2内の異なる場所3箇所以上、好ましくは5箇所以上で測定した厚さを標準偏差σの4倍(4σ)を以って評価する。第1インキ部2a1の厚さT1は、第2インキ部2a2の厚さT2と比して厚く、即ち、T1>T2と構成される。互いに厚さが異なる第1インキ部2a1と第2インキ部2a2とを有することで、それぞれの箇所における視覚効果及び触感が異なり、より複雑かつ高度な意匠性を得ることができる。ここで、第1インキ部2a1の厚さT1と第2インキ部2a2の厚さT2との厚さの差T1-T2は、視覚上及び触感上、実質的に、判別可能な程度とする必要が有り、T1-T2≧3μmとすることが好ましい。
なお、「化粧材10の面内方向」とは、化粧材10の化粧材面の広がる方向である。化粧材面とは、化粧材10の模様インキ層2a、2b側表面の凹凸模様を平滑化した仮想平面であると共に化粧材の観察者の視線と交差する方向に広がる仮想平面をいう。図1においては、XY平面及びこれと平行な仮想平面が化粧材面である。化粧材10の基材1が直方体形状を有する場合は、実在の面である基材1の模様インキ層2a、2bの側の面或いは其の反対側の面が化粧材面(のうちの1つ)となる。
なお、図1(a)及び図2においては、模様インキ層2aが互いに厚みの異なる2種類のインキ部、即ち、第1インキ部2a1及び第2インキ部2a2からなる形態を図示したが、本発明においてはこれに限らず、一般に、模様インキ層2aが互いに厚みの異なるN種類のインキ部、即ち、第1インキ部2a1、第2インキ部2a2、・・・、第N-1インキ部2aN-1、第Nインキ部2aNからなる形態であればよい(N≧3の図示は省略)。
ここで、Nは2以上の自然数(1、2、3、・・・、N-1,N)であり、各インキ部の厚さT1、T2、・・・、TNは、T1>T2>・・・>TN-1>TNであり、Ti-1-Ti≧3μm(iは1以上N以下の自然数、且つNは2以上の自然数)である。
粒子3としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びナイロン等のポリアミド樹脂等の樹脂、或いはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア(二酸化チタン)、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機材料等からなるビーズを挙げることができる。粒子3は、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1インキ部2a1の厚さT1は、絵柄による視覚効果及び触感を良好に発揮する観点から、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上45μm以下がより好ましく、20μm以上40μm以下がさらに好ましい。
粒子3の平均粒径は、再現性よく所望の形状の第1インキ部2a1を形成する観点から、5μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上35μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。また、粒子3の平均粒径は、インキの転移安定性の観点から、版深の1/2以下とすることが好ましい。
なお、本発明における粒子3の平均粒径は、株式会社島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「SALD-2100-WJA1」を使用し、圧縮空気を利用してノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させて測定する噴射型乾式測定方式による測定値を平均したものである。
なお、図示は省略するが、模様インキ層2aが互いに厚みの異なる3種類以上のインキ部、即ち、第1インキ部2a1、第2インキ部2a2、・・・、第N-1インキ部2aN-1、第Nインキ部2aNからなる形態(NはN≧3の自然数)においては、各第iインキ部2ai(iは2≦i≦Nの自然数、N≧3)も複数の第iインキ部2aiが集合して第iインキ部集合体2Aiを構成することが好ましい。
又、木目模様の意匠外観及び触感を良好に再現する他の形態として、化粧材の模様が節穴を有する木目模様において、第1インキ部2a1により構成される第1インキ部集合体2A1が節穴を構成している形態を挙げることができる。このとき、第2インキ部2a2により構成される第2インキ部集合体2A2は、木目模様における節穴以外の部分、例えば春材(早材)部を構成することが好ましい。
このような構成とすることで、木目調の化粧材は、本物の木材に近い視覚効果及び触感效果を得ることができる。
模様インキ層(インキ部)2bとしての第2構成は、図1(b)に示すように、化粧材10の化粧材面をなすXY平面の面内の少なくとも1方向Y=mX+nに沿って位置(X、Y)を変化させた場合に模様インキ層(インキ部)2bの厚さが位置(X,Y)の連続関数T(X、Y)となるように変化する構成である。ここで、m、nは任意定数である。特に、図1(b)の場合は、化粧材10の化粧面内のY=mの方向、即ち、X軸と平行な方向に沿って模様インキ層2bの厚さTが連続関数で変化し、特に+X方向に向かって厚さTが単調増加する形態である。
なお、ここでいう連続関数とは、数学上の連続関数の定義に厳密に合致するものには限定されない。数学上の厳密な定義では不連続ではあっても、視覚、触覚、又は其の両方によって厚さ変化T(X、Y)が連続的に変化していると認識される場合も包含する。
模様インキ層(インキ部)2bの厚さの連続関数としての変化は、単調な変化であってもよく、多様な変化であってもよい。また、互いに隣接する模様インキ層(インキ部)2bの傾斜方向は、同じ方向に傾斜していてもよく、異なる方向に傾斜していてもよい。模様インキ層(インキ部)2bが様々な形状を有することで、それぞれの箇所における視覚効果及び触感が異なり、より複雑かつ高度な意匠性を得ることができる。
粒子3としては、上述した第1構成で使用するものと同様のものを用いることができる。
粒子3としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びナイロン等のポリアミド樹脂等の樹脂、或いはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア(二酸化チタン)、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機材料等からなるビーズを挙げることができる。粒子3は、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1インキ領域R1の厚さT1は、絵柄による視覚効果及び触感を良好に発揮する観点から、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上45μm以下がより好ましく、20μm以上40μm以下がさらに好ましい。
粒子3の平均粒径は、再現性よく所望の形状の第1インキ領域R1を形成する観点から、5μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上35μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。また、粒子3の平均粒径は、インキの転移安定性の観点から、版深の1/2以下とすることが好ましい。
<絵柄模様層>
本発明の化粧材は、基材1と模様インキ層2a、2bとの間に絵柄模様層(図示せず)をさらに備えることが好ましい。絵柄模様層は、化粧材に意匠性を付与することができる。絵柄模様層が形成する模様としては、木目模様、石目模様(花崗岩の劈開面等)、布目模様、皮目模様、タイル貼り模様(目地溝を含む)、煉瓦積模様(目地溝を含む)、砂目模様、梨地模様、光線彫模様、幾何学模様、文字、図形、規則的模様、抽象柄模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色及び黒色等のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
着色剤としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
絵柄模様層中には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の化粧材は、模様インキ層2a、2bに艶消し層(図示せず)をさらに備えることが好ましい。艶消し層は、周辺の領域との艶差を発生させて視覚的な凹凸感を発現させることができる。
艶消し層は、模様インキ層2a、2bの全面に設ける構成であってもよいが、周辺の領域との艶差を発生させて視覚的な凹凸感を発現させることを考慮すると、模様インキ層2a、2bの直上部及び近傍に設けることが好ましく、模様インキ層2a、2bの直上部に限定的に設けることがより好ましい。
艶消し剤としては、無機微粒子及び有機微粒子を挙げることができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びガラス等からなる粒子を挙げることができる。
有機微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物等からなる粒子を挙げることができる。
艶消し剤としては、艶消し効果が高く、艶の制御が容易に行えるという観点から、シリカ粒子が好適である。また、艶消し剤としては、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
艶消し剤の粒径は、艶消し効果及び艶の制御の観点から、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることがより好ましく、3μm以上7μm以下であることがさらに好ましい。
化粧材は、模様インキ層2a、2bが設けられている面の反対面側に裏打基材(図示せず)をさらに備えることが好ましい。裏打基材は、化粧材を補強したり、被着体との接着性を付与したり、隠蔽性を付与したりするために必要に応じて設けられる。
化粧材は、基材1、模様インキ層2a、2b、絵柄模様層、艶消し層及び裏打基材の少なくとも1つの間に、接着剤層(図示せず)が設けられていることが好ましい。接着剤層は、基材1、模様インキ層2a、2b、絵柄模様層、艶消し層及び裏打基材の各層の接合を補助する機能を有し、各層の接合を強固にすることができる。
接着剤層としては、二液硬化樹脂、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂及び電離放射線硬化樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
化粧材は、基材1、模様インキ層2a、2b、絵柄模様層、艶消し層及び裏打基材の少なくとも1つの間に、プライマー層(図示せず)が設けられていることが好ましい。プライマー層は、基材1、模様インキ層2a、2b、絵柄模様層、艶消し層及び裏打基材の各層の接合を補助する機能を有し、各層の接合を強固にすることができる。
プライマー層としては、プライマー層を挟んで対峙する両層の密着性が向上する樹脂を適宜選定すればよく、特に制限は無い。
実施例及び比較例で作製した化粧材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製した化粧材の模様インキ層の厚さは、該当箇所について走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚さを測定し、20箇所の値の平均値から算出した。SEMの加速電圧は3kV、倍率は5,000倍とした。
なお、第2構成の実施例である実施例3及び実施例4における厚さT1及びT2については、化粧材上の模様インキ層2bについて、グラビア版の最深部に対応する模様インキ層2bの最厚部の厚さ20箇所の測定値の平均値をT1、グラビア版の最浅部に対応する模様インキ層2bの最薄部の厚さ20箇所の測定値の平均値をT2とした。
実施例及び比較例で作製した化粧材の表面に対して凹凸模様による意匠性チェックを行った。意匠性をかなり高く感じるものを2点、意匠性を感じるものを1点、意匠性をほとんど感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
A:平均点が1.5以上のもの
B:平均点が1.0以上1.5未満のもの
C:平均点が1.0未満のもの
実施例及び比較例で作製した化粧材の表面に対して指触チェックを行った。かなり凹凸を感じるものを2点、凹凸を感じるものを1点、凹凸をほとんど感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
A:平均点が1.5以上のもの
B:平均点が1.0以上1.5未満のもの
C:平均点が1.0未満のもの
基材1として、建材用着色薄紙原紙を用意した。そして、艶消し剤としてのシリカ粒子を二液硬化型ウレタン樹脂に含有した樹脂模様層形成用インキを調製した。
次に、グラビア版材として、開口部400μm、版深90μmの四角柱状凹部のセル形状を有するものを用い、調製した模様インキ層形成用インキを使用して、基材1上にグラビア印刷を施し、図6に示すように、第1インキ部2a1からなる第1インキ部集合体2A1を設けた。また、グラビア版材として、開口部400μm、版深40μmの四角柱状凹部のセル形状を有するものを用い、調製した模様インキ層形成用インキを使用して、基材1上にグラビア印刷を施し、図6に示すように、第2インキ部2a2からなる第2インキ部集合体2A2を設けた。
次に、70℃で24時間の養生を行い、実施例1における化粧材を得た。
得られた化粧材について、意匠性及び触感について評価した。その結果を表1に示す。
基材1として、建材用着色薄紙原紙を用意した。そして、艶消し剤としてのシリカ粒子を二液硬化型ウレタン樹脂に含有した樹脂模様層形成用インキを調製した。調製した模様インキ層形成用インキを2つに分け、一方には、粒子3として平均粒径が20μmのアクリルビーズを含有させた。模様インキ層形成用インキへの粒子3の配合量は、15質量部とした。
次に、グラビア版材として、開口部400μm、版深90μmの四角柱状凹部のセル形状を有するものを用い、粒子3を含有させた模様インキ層形成用インキを使用して、基材1上にグラビアオフセット印刷を施し、図6に示すように、第1インキ部2a1からなる第1インキ部集合体2A1を設けた。また、グラビア版材として、開口部400μm、版深40μmの四角柱状凹部のセル形状を有するものを用い、模様インキ層形成用インキ(粒子3含有なし)を使用して、基材1上にグラビア印刷を施し、図6に示すように、第2インキ部2a2からなる第2インキ部集合体2A2を設けた。
次に、70℃で24時間の養生を行い、実施例2における化粧材を得た。
得られた化粧材について、意匠性及び触感について評価した。その結果を表1に示す。
基材1として、建材用着色薄紙原紙を用意した。そして、艶消し剤としてのシリカ粒子を二液硬化型ウレタン樹脂に含有した樹脂模様層形成用インキを調製した。
次に、グラビア版材として、開口部400μm、版深の最深部が90μmであり、版深の最浅部が40μmである深さが連続関数的に変化するセル形状を有するものを用い、調製した模様インキ層形成用インキを使用して、基材1上にグラビア印刷を施し、図7に示すように、傾斜方向が一様である複数の模様インキ層(インキ部)2bを設けた。
次に、70℃で24時間の養生を行い、実施例3における化粧材を得た。
得られた化粧材について、意匠性及び触感について評価した。その結果を表1に示す。
模様インキ層形成用インキに粒子3として、平均粒径が20μmのアクリルビーズを含有させた以外は、実施例3と同様にして、実施例4の化粧材を得た。ここで、模様インキ層形成用インキへの粒子3の配合量は、15質量部であった。
得られた化粧材について、意匠性及び触感について評価した。その結果を表1に示す。
グラビア版材として、開口部400μm、版深90μmの四角柱状凹部のセル形状を有するものを用い、調製した模様インキ層形成用インキを使用して、基材1上にグラビア印刷を施し、図8に示すように、第2インキ部2a2からなる第2インキ部集合体2A2のみを設けた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の化粧材を得た。
得られた化粧材について、意匠性及び触感について評価した。その結果を表1に示す。
2a、2b…模様インキ層
2a1…第1インキ部
2a2…第2インキ部
2A1…第1インキ部集合体
2A2…第2インキ部集合体
3…粒子
10…化粧材
Claims (4)
- 基材と、前記基材の一方の面側に複数のインキ部により構成される模様インキ層とを備え、
前記模様インキ層は、以下の第1構成及び第2構成の少なくとも一方の構成を有し、該構成により模様を発現する、化粧材。
第1構成:厚さが異なる前記インキ部を複数有し、前記インキ部は、厚さが異なる第1インキ部と第2インキ部とを有し、前記第1インキ部の厚さは、前記第2インキ部と比して厚く、前記第1インキ部には粒子が存在し、前記第2インキ部には粒子が存在せず、前記粒子の平均粒径が、5μm以上50μm以下であり、前記第1インキ部の厚さは、前記粒子の平均粒径より厚く、前記第1インキ部と前記第2インキ部との厚さの差が3μm以上であり、前記第1インキ部及び前記第2インキ部は、互いに接することなく離間しており、前記第1インキ部及び前記第2インキ部が、前記化粧材の表面において凸部を形成する構成
第2構成:前記インキ部の厚さが前記化粧材の面内の少なくとも1方向に単調増加し、前記インキ部は、領域の少なくとも一部に粒子が存在する第1インキ領域と、領域全体に渡って粒子が存在しない第2インキ領域とを有し、前記第1インキ領域の厚さは、前記第2インキ領域の厚さと比して厚く、前記粒子の平均粒径が、5μm以上50μm以下であり、前記第1インキ領域の厚さは、前記粒子の平均粒径より厚く、前記第1インキ領域及び前記第2インキ領域が、前記化粧材の表面において凸部を形成する構成 - 前記模様が年輪部を有する木目模様であり、前記第1インキ部は、前記年輪部における秋材部を構成している、請求項1に記載の化粧材。
- 前記基材と前記模様インキ層との間に絵柄模様層を備える、請求項1又は2に記載の化粧材。
- 前記基材が樹脂基材である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧材。
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