JP2021050782A - 減衰力調整式緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の乗り心地が悪化するのを防止した減衰力調整式緩衝器を提供する。【解決手段】パイロット圧が低いソフト特性のとき、パッキン111の先端部114のみをパイロットボディ42の小内径部102に当接させてメインバルブ作用力を低くしたので、ソフト特性の減衰力を安定させることができる。他方、パイロット圧が高いハード特性のとき、パッキン111の中間部113をパイロットボディ42の大内径部103に当接させてメインバルブ作用力を増大させたので、メインディスクバルブ47の開弁時におけるチャタリングや減衰力の変化によるジャークを防止することができる。これにより、車両の乗り心地が悪化することを防止することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、ピストンロッドのストロークによって生じる作動流体の流れを制御して減衰力を調整する減衰力調整式緩衝器に関する。
特許文献1には、パイロットボディの内周部にテーパ面が形成された減衰力調整式緩衝器が開示されている。特許文献1に記載された減衰力調整式緩衝器によれば、メインバルブが開弁すると、弾性シール部材に自身の弾性によるテーパ面に沿った方向の復元力が作用する。これにより、テーパ面との摩擦による弾性シール部材の変形が抑制され、減衰力が安定する。
特許文献1に記載された減衰力調整式緩衝器では、減衰力が最もソフトなソフト特性のときも、メインバルブが開弁するにつれて、パイロットボディの内周部における弾性シール部材(パッキン)が接触する内径が小さくなるので、ディスクバルブの実質的なばね定数が増大し、ディスクバルブの剛性が高まる。その結果、減衰力が増大してソフト特性の減衰力が増大し、車両の乗り心地が悪化するおそれがある。また、パイロット圧が高圧のハード特性のとき、メインバルブが開弁する前後で減衰力の傾きの変化が大きくなる。その結果、チャタリングや減衰力のジャーク(躍度)が発生し、車両の乗り心地が悪化する要因になる。
本発明は、車両の乗り心地が悪化するのを防止した減衰力調整式緩衝器を提供することを課題とする。
本発明の減衰力調整式緩衝器は、作動液が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記ピストンの移動によって生じる作動液の流れを制御することで、発生させる減衰力を調整する減衰力調整機構と、を備える減衰力調整式緩衝器であって、前記減衰力調整機構は、弁座が設けられたメインボディと、前記ピストンの移動によって生じる作動液の流れに対して前記弁座に離着座することで、作動液の流れを制御して減衰力を発生させるディスクバルブと、該ディスクバルブに対向して開口する有底円筒状のパイロットボディと、前記ディスクバルブに対して閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、前記ディスクバルブの一側の外周部に位置し、前記パイロットボディの内周部に摺動可能かつ液密に嵌合されて前記パイロット室を形成する環状の弾性シール部材と、を有し、前記弾性シール部材は、前記ディスクバルブに接する環状の基部と、該基部外周の小径部から前記パイロットボディの底部側へ延び、外径が前記基部外周の小径部よりも大径の先端部と、該先端部と前記基部との中間に位置し、外径が前記先端部よりも小径の中間部と、を有し、前記パイロットボディの内周部には、開口部側に設けられる大内径部と、底部側に設けられる小内径部と、が設けられ、前記パイロット室が高圧のとき、前記弾性シール部材の先端部及び中間部が、前記パイロットボディの小内径部及び大内径部に当接することを特徴とする。
本発明によれば、パイロット室が高圧のときのメインバルブ作用力が増大し、ディスクバルブ開弁時のチャタリングや減衰力のジャークが抑制されるので、車両の乗り心地が悪化するのを防止することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。便宜上、図1における上下方向をそのまま「上下方向」と称する。また、図2における右側を「一側」及び左側を「他側」と称する。
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。便宜上、図1における上下方向をそのまま「上下方向」と称する。また、図2における右側を「一側」及び左側を「他側」と称する。
図1に示されるように、第1実施形態は、減衰力調整機構31が外筒3の側壁に横付けされた、所謂、制御バルブ横付け型の減衰力調整式油圧緩衝器1(以下「減衰力調整式緩衝器1」)に関する。減衰力調整式緩衝器1は、外筒3の内側にシリンダ2が設けられた複筒構造をなし、外筒3とシリンダ2との間にはリザーバ4が形成される。シリンダ2内には、当該シリンダ2内をシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に区画するピストン5が摺動可能に嵌装される。ピストン5には、ピストンロッド6の下端部(一端)が連結される。ピストンロッド6の上端側(他端)は、シリンダ上室2Aを通過し、外筒3及びシリンダ2の上端部に取り付けられたロッドガイド8及びオイルシール9に挿通されてシリンダ2の外部へ突出する。
ピストン5には、シリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとを連通させる通路11,12が設けられる。縮み側の通路12には、シリンダ下室2Bからシリンダ上室2Aへの作動流体の流通を許容する逆止弁13が設けられる。他方、伸び側の通路11には、シリンダ上室2A側の圧力が設定圧力に達したときに開弁し、当該シリンダ上室2A側の圧力をシリンダ下室2B側へリリーフする(逃がす)ディスクバルブ14が設けられる。
シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられる。ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通する通路15,16が設けられる。伸び側の通路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への作動流体の流通を許容する逆止弁17が設けられる。他方、縮み側の通路16には、シリンダ下室2B側の圧力が設定圧力に達したときに開弁し、当該シリンダ下室2B側の圧力をリザーバ4側へリリーフする(逃す)縮み側ディスクバルブ18が設けられる。なお、作動流体として、シリンダ2内には油液が封入され、リザーバ4内には油液及びガスが封入される。
図1に示されるように、シリンダ2の外周には、一対のシール部材19,19を介してセパレータチューブ20が取り付けられる。セパレータチューブ20とシリンダ2との間には、環状油路21が形成される。環状油路21は、シリンダ2の上端側の側壁に設けられた通路22によってシリンダ上室2Aに連通される。セパレータチューブ20の下端側の側壁には、側方に突出して先端が開口する円筒形の接続口23(開口)が設けられる。外筒3の側壁には、接続口23と対向する位置に取付孔24が設けられる。取付孔24は、接続口23と同軸に配置され、且つ接続口23の外径よりも大きい内径を有する。外筒3の側壁には、取付孔24を囲む略円筒形のケース25が設けられる。ケース25には、減衰力調整機構31が収容される。
図2を参照すると、減衰力調整機構31は、背圧型のメインバルブ32、該メインバルブ32の開弁圧力を制御するパイロットバルブ33、及びパイロットバルブ33の下流側に設けられるフェイルセーフバルブ34が組み込まれて一体化されたバルブブロック35と、パイロットバルブ33を作動させる機構が組み込まれたソレノイドブロック40と、を備える。
バルブブロック35は、取付孔24に挿通されるジョイント部材37を有する。該ジョイント部材37は、他側の端部が接続口23(開口)に挿入される円筒形の筒部38と、該筒部38の一側の端部に形成されてケース25内に挿入されるフランジ部39(当接面)と、を有する。ジョイント部材37は、シール部材によって被覆され、これにより、接続口23及びメインボディ41との当接部がシールされる。なお、メインボディ41の外周の流路36とリザーバ4とは、ケース25の底部(内フランジ部)に設けられた複数本の通路26(溝)によって連通される。また、ジョイント部材37とメインボディ41とによって通路部材が形成される。
バルブブロック35は、環状のメインボディ41、環状のパイロットボディ42、及びメインボディ41とパイロットボディ42とを結合させるパイロットピン43を有する。メインボディ41の他側の端面の外周部は、ジョイント部材37のフランジ部39の外周部に当接する。メインボディ41の一側の端面の外周部には、環状のシート部45(弁座)が形成される。該シート部45には、メインディスクバルブ47(ディスクバルブ)の外周部が着座する。
メインディスクバルブ47の内周部は、パイロットピン43の大径部54とメインボディ41のクランプ部46との間でクランプされる。メインディスクバルブ47の一側の外周部には、環状のパッキン111(弾性シール部材)が位置する。メインボディ41の一側の端面には、環状凹部52が設けられる。これにより、メインディスクバルブ47がシート部45に着座することで、環状通路49(メインバルブ32の弁室)が形成される。該環状通路49は、メインディスクバルブ47に形成されたオリフィス48(図3参照)を介してメインボディ41の外周の流路36に連通される。また、メインボディ41の他側の端面には、凹部50が形成される。該凹部50と一側の環状凹部52(環状通路49)とは、複数本の通路51によって連通される。
パイロットピン43は、一側が開口した有底円筒形に形成される。パイロットピン43の他側の底部には、導入オリフィス53が形成される。パイロットピン43の軸方向中間位置には、大径部54が形成される。パイロットピン43の他側は、メインボディ41の軸孔55に圧入される。他方、パイロットピン43の一側は、パイロットボディ42の軸孔56に圧入される。パイロットピン43の一側の外周面には、軸方向(図2における「左右方向」)へ延びる複数本の溝58が形成される。パイロットピン43とパイロットボディ42との間には、複数本の通路57が形成される。
パイロットボディ42は、一側が開口した略有底円筒形に形成される。パイロットボディ42の他側には、パイロットピン43の大径部54によってクランプされる可撓性ディスク59が設けられる。パイロットボディ42の他側の外周部には、当該パイロットボディ42と同軸の円筒部60が形成される。該円筒部60の内周部101(図3参照)には、メインバルブ32のパッキン111が摺動可能かつ液密に嵌合される。これにより、メインディスクバルブ47の一側(背面)には、パイロット室61が形成される。パイロット室61の圧力は、メインディスクバルブ47に対して閉弁方向に作用する。
パイロットボディ42には、底部を軸方向へ貫通する複数本の通路65が形成される。パイロットボディ42の他側の端面には、可撓性ディスク59が着座する環状のシート部108(図3参照)が設けられる。これにより、シート部108の内側(内周)には、環状通路109(図3参照)が形成される。該環状通路109には、通路65の他側が開口する。可撓性ディスク59は、パイロット室61の内圧を受けて撓むことにより、パイロット室61に体積弾性を付与する。
可撓性ディスク59は、複数枚のディスクを積層することで構成され、当該複数枚のディスクのうち、パイロットピン43の大径部54に当接するディスクには、切欠き66が設けられる。該切欠き66は、パイロットボディ42とパイロットピン43との間の通路57に連通する。そして、環状油路21の油液は、接続口23及びジョイント部材37内の流路63を介して減衰力調整機構31内に導入され、導入通路、即ち、導入オリフィス53、パイロットピン43の流路44、通路57、及び切欠き66を介して、パイロット室61に導入される。
パイロットボディ42の内側には、弁室68が形成される。パイロットボディ42の底部中央には、軸孔56の他端側の開口周縁に形成される環状のシート部69(パイロットバルブ)が設けられる。シート部69には、弁室68内に設けられた弁体71(パイロットバルブ)が離着座する。弁体71は、略円筒形に形成され、シート部69に離着座する側の端部がテーパ状に形成される。弁体71の他端側には、外フランジ形のばね受部72が形成される。弁体71は、パイロットばね73、フェイルセーフばね74、及びフェイルセーフディスク79により、シート部69に対向して軸方向(図2における「左右方向」)へ移動可能に弾性支持される。なお、パイロットばね73とフェイルセーフばね74とは、単一の非線形ばねに形成することができる。
パイロットボディ42の一側、即ち、円筒部60の反対側には、円筒部75が形成される。該円筒部75には、開口側(一側)に向かって段階的に内径が大きくなる段部76,77が形成される。パイロットばね73の外周部は、段部76によって支持される。フェイルセーフばね74、スペーサ78、フェイルセーフディスク79、リテーナ80、スペーサ81、及びワッシャ82は、段部77に重ねられた状態でキャップ83によって固定される。キャップ83とパイロットボディ42の円筒部75との間には、弁室68とバルブブロック35の外側(通路部材の外部)の流路36とを連通する流路84が形成される。
ソレノイドブロック40は、ソレノイドケース85内に、コイル86、コア87,88、プランジャ89、該プランジャ89に連結された中空の作動ロッド90が組み込まれて一体化されたものである。ソレノイドケース85の一側には、スペーサ92及びカバー93が挿入され、当該ソレノイドケース85の一側周縁部を塑性加工することにより、ソレノイドケース85内の部品に軸力を作用させる。プランジャ89は、リード線94を介してコイル86に通電すると、電流値に応じた軸方向の推力を発生する。
ソレノイドケース85は、他側がケース25の一側の開口から挿入され、ケース25との間がシール部材95によってシールされる。作動ロッド90の他側は、弁室68内に突出し、端部に弁体71が取り付けられる。ケース25に螺合されたナット97を締め付けて環状溝に装着された止め輪96を圧縮すると、ソレノイドケース85とケース25とが固定され、延いては、バルブブロック35とソレノイドブロック40とが結合(一体化)される。
そして、コイル86への非通電時(図2における軸線の上半分)には、弁体71は、フェイルセーフばね74のばね力により、弁体71の離座方向(図2における「右方向」)へ付勢される。これにより、弁体71のばね受部72は、フェイルセーフディスク79に当接(着座)する。このとき、パイロットばね73は、段部76から離間する。他方、コイル86への通電時(図2における軸線の下半分)には、作動ロッド90が弁体71の着座方向(図2における「左方向」)へ付勢される。
これにより、パイロットばね73が段部76に当接し、弁体71がパイロットばね73及びフェイルセーフばね74のばね力に抗してシート部69に着座される。弁体71の開弁圧力は、コイル86へ通電する電流値を変化させることで制御される。なお、パイロットバルブ33は、コイル86に通電する電流値が小さいソフトモード時に、パイロットばね73のばね力とプランジャ89の推力とがつり合い、弁体71がシート部69から離間した状態となる。
便宜的に、減衰力調整機構31における油液の流れを、メイン流れとパイロット流れとに大別する。メイン流れは、メインバルブ32の上流側と下流側とを連通するメイン通路を流通する油液の流れである。メイン通路は、メインボディ41の複数本の通路51と環状通路49とを含み、接続口23から複数本の通路51を介して環状通路49(弁室)に導入された油液を、メインバルブ32を介して流路36(通路部材の外部)へ排出する。
他方、パイロット流れは、導入通路を流通する油液の流れ、及びパイロット室61とメインバルブ32の下流側の流路36とを連通するパイロット通路を流通する油液の流れである。パイロット通路は、可撓性ディスク59の切欠き66、通路57、パイロットピン43の流路44、弁室68、及びキャップ83の流路84を含み、導入通路を介してパイロット室61に導入された油液を、流路36(通路部材の外部)へ排出する。
図3に、第1実施形態の主要部を示す。パッキン111(弾性シール部材)は、メインディスクバルブ47(ディスクバルブ)の一側に固着される環状の基部112と、該基部112から一側へ延びる部分の端部に設けられる環状の先端部114と、該先端部114と基部112との間に位置する環状の中間部113と、を有する。換言すれば、環状のパッキン111には、メインディスクバルブ47側からパイロットボディ42の底部側へ向かって、基部112、中間部113、及び先端部114が層別に配置される。
パッキン111の外周部115には、基部112側に向かって拡径する第1斜面117と、該第1斜面117に連続して基部112側に向かって縮径する第2斜面118と、が形成される。外周部115における第1斜面117と第2斜面118との稜部が、パッキン111における最大外径部である。ここで、先端部114の外径は基部112の外径よりも大きく、且つ中間部113の外径は先端部114の外径よりも小さい。即ち、第1斜面117と第2斜面118との稜部は、先端部114に位置する。また、外周部115の中間部113と基部112の間には、凹形状のR部119が形成される。
図3に示されるように、パイロットボディ42における円筒部60の内周部101には、一定の内径を有する小内径部102と、該小内径部102よりも大きい一定の内径を有する大内径部103と、が形成される。小内径部102は、内周部101の一側(パイロットボディ42の底部側)に設けられ、パッキン111の先端部114に対向して配置される。他方、大内径部103は、内周部101の他側(円筒部60の開口部側)に設けられ、パッキン111の中間部113に対向して配置される。内周部101の小内径部102と大内径部103との間には、面取り部104が設けられる。なお、面取り部104の面取り角度は適宜に設定される。また、内周部101の開口周縁には、R面取り部105が形成される。面取り部104によりテーパ状面を形成することにより、大内径部103と小内径部102との径の変化をなだらかとすることができ、パッキン111の保護を図ることができる。
次に、第1実施形態の作用を説明する。
(ソフト特性時)
図4を参照すると、減衰力がソフト特性のとき、減衰力調整機構31のパイロット室61の圧力(以下「パイロット圧」)は低圧になるので、パイロット圧によるパッキン111(弾性シール部材)の変形は小さい。このソフト特性のとき、パッキン111の先端部114(外周部115の最大外径部)は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102に摺動可能に接触した状態である。
(ソフト特性時)
図4を参照すると、減衰力がソフト特性のとき、減衰力調整機構31のパイロット室61の圧力(以下「パイロット圧」)は低圧になるので、パイロット圧によるパッキン111(弾性シール部材)の変形は小さい。このソフト特性のとき、パッキン111の先端部114(外周部115の最大外径部)は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102に摺動可能に接触した状態である。
これにより、ソフト特性のとき、メインディスクバルブ47(ディスクバルブ)に作用する力(以下「メインバルブ作用力」)、即ち、メインディスクバルブ47の撓みに伴うパッキン111からの反力は、パッキン111の先端部114とパイロットボディ42の小内径部102との摺動抵抗のみとなる。その結果、パッキン111の摺動抵抗を含むメインディスクバルブ47の実質的なばね定数は低い状態に維持され、減衰力調整式緩衝器1はソフト特性の減衰力を発生する。
(ハード特性時)
図5を参照すると、減衰力がハード特性のとき、パイロット圧は高圧になるので、パイロット圧によるパッキン111の変形は大きい。このハード特性のとき、パッキン111の外周部115は、パイロットボディ42の内周部101に押し付けられ、当該内周部101に沿って変形する。これにより、パッキン111は、先端部114がパイロットボディ42の小内径部102に当接し、中間部113がパイロットボディ42の大内径部103に当接する。換言すれば、ハード特性のとき、パッキン111の外周部115は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102から、面取り部104を越えて大内径部103に入り込むように変形する。
図5を参照すると、減衰力がハード特性のとき、パイロット圧は高圧になるので、パイロット圧によるパッキン111の変形は大きい。このハード特性のとき、パッキン111の外周部115は、パイロットボディ42の内周部101に押し付けられ、当該内周部101に沿って変形する。これにより、パッキン111は、先端部114がパイロットボディ42の小内径部102に当接し、中間部113がパイロットボディ42の大内径部103に当接する。換言すれば、ハード特性のとき、パッキン111の外周部115は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102から、面取り部104を越えて大内径部103に入り込むように変形する。
これにより、ハード特性のとき、メインバルブ作用力は、パッキン111の外周部115とパイロットボディ42の内周部101の小内径部102との摺動抵抗に、大内径部103によって圧縮された外周部115(中間部113)の弾性力(反発力)が加わった力となる。その結果、メインディスクバルブ47の実質的なばね定数が増大し、減衰力調整式緩衝器1は、より大きいハード特性の減衰力を発生させることができる。
ここで、従来の減衰力調整式緩衝器では、パイロットボディの内周部の内径が一定であるため、パイロット圧の上昇に伴うメインバルブ作用力の変化が小さい。この場合、図6に示されるように、メインバルブが開弁した後の減衰力の傾き(勾配)が小さくなるので、メインバルブが開弁する前後で減衰力の傾きの変化が大きくなる。その結果、チャタリング(バルブ振動)や減衰力の変化によるジャーク(躍度)が発生し、車両の乗り心地が悪化する要因になる。
これに対し、第1実施形態では、パイロットボディ42の内周部101の底部側に小内径部102を設け、内周部101の開口部側に大内径部103を設け、パイロット圧が高圧のとき、小内径部102にパッキン111(弾性シール部材)の先端部114を当接させ、大内径部103にパッキン111の中間部113を当接させたので、パイロット圧が高圧となるハード特性のとき、パッキン111は、中間部113がパイロットボディ42の大内径部103に入り込むように変形する。
これにより、ハード特性のとき、メインディスクバルブ47(ディスク)の開弁後にパッキン111が変形して圧縮されることにより、メインディスクバルブ47の実質的なばね定数が増大し、パイロット圧の上昇に伴うメインバルブ作用力の変化(図7における「PV3」参照)が大きくなる。その結果、図6に示されるように、メインディスクバルブ47が開弁した後の減衰力の傾きが大きくなり、メインディスクバルブ47が開弁する前後で減衰力の傾きの変化が小さくなる。その結果、チャタリングや減衰力の変化によるジャークを抑制することが可能であり、車両の乗り心地が悪化することを防止することができる。
他方、パイロット圧が低圧となるソフト特性のとき、パッキン111の変形が小さいため、メインバルブ作用力はパッキン111の先端部とパイロットボディ42の内周部101の小内径部102との摺動抵抗のみである。よって、パイロット圧の上昇に伴うメインバルブ作用力の変化(図7における「PV1」参照)は従来の減衰力調整式緩衝器と同一で小さいままであり、メインディスクバルブ47の開弁後の減衰力の傾き、及び当該傾きの変化は小さい。その結果、減衰力が安定し、車両の乗り心地を維持することができる。
(第2実施形態)
次に、図8を参照して第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態との相違部分について説明する。なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
次に、図8を参照して第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態との相違部分について説明する。なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
図3に示されるように、第1実施形態では、パイロットボディ42の内周部101の底部側に小内径部102を設け、内周部101の開口部側に大内径部103を設け、パイロット圧が高圧のとき、パッキン111(弾性シール部材)の先端部114を小内径部102に当接させ、パッキン111の中間部113を大内径部103に当接させるようにした。
これに対し、第2実施形態では、パイロットボディ42の内周部101の底部側に一定の内径を有する小内径部102を設け、第1実施形態の大内径部103に相当する部分に、小内径部102の他側端からパイロットボディ42の開口部側に向かって拡径させたテーパ部121を設け、パイロット圧が高圧のとき、パッキン111(弾性シール部材)の先端部114を小内径部102に当接させ、パッキン111の中間部113をテーパ部121に当接させるようにした。
これにより、パイロット圧が高圧となるハード特性のとき、パッキン111が変形して、中間部114がパイロットボディ42のテーパ部に入り込む。
このように、第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
このように、第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、図9、10を参照して第3実施形態を説明する。ここでは、第1及び第2実施形態との相違部分について説明する。なお、第1及び第2実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
次に、図9、10を参照して第3実施形態を説明する。ここでは、第1及び第2実施形態との相違部分について説明する。なお、第1及び第2実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
第1及び第2実施形態では、パッキン111(弾性シール部材)は、メインディスクバルブ47(ディスクバルブ)の一側(パイロットボディ42の底部側)に固着される基部112と、該基部112から一側へ延びる部分の端部に設けられる先端部114と、該先端部114と基部112との間に位置する環状の中間部113と、によって構成される。
これに対し、第3実施形態では、パッキン131は、円環状の弾性シール部材によって構成される。パッキン131は、メインディスクバルブ47とは別体であり、第1及び第2実施形態のパッキン111とは異なり、メインディスクバルブ47に固着されていない。パッキン131は、一側がパイロットボディ42に接し、他側がメインディスクバルブ47(ディスクバルブ)に接している。
そして、第3実施形態では、第2実施形態同様、パイロットボディ42の内周部101の底部側に小内径部102が設けられ、開口部側にテーパ部121が設けられる。第3実施形態では、小内径部102と、パイロットボディ42の底部の底面133とが、内R部134を介して円滑に連続している。また、内R部134の内R半径は、環状のパッキン131の断面の円形の半径よりも小さいが、大きくしてもよい。
(ソフト特性時)
図9を参照すると、減衰力がソフト特性のとき、パイロット圧は低圧になるので、パイロット圧によるパッキン131(弾性シール部材)の変形は小さい。このソフト特性のとき、パッキン131の外周部115(最大外径部)は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102に摺動可能に接触した状態である。
図9を参照すると、減衰力がソフト特性のとき、パイロット圧は低圧になるので、パイロット圧によるパッキン131(弾性シール部材)の変形は小さい。このソフト特性のとき、パッキン131の外周部115(最大外径部)は、パイロットボディ42の内周部101の小内径部102に摺動可能に接触した状態である。
これにより、ソフト特性のとき、パッキン131の変形による反力は僅かであり、メインバルブ作用力は、当該反力と、パッキン131とパイロットボディ42の小内径部102との摺動抵抗となる。その結果、メインディスクバルブ47の実質的なばね定数は低い状態に維持され、減衰力調整式緩衝器1は、ソフト特性の減衰力を発生する。
(ハード特性時)
図10を参照すると、減衰力がハード特性のとき、パイロット圧は高圧になるので、パイロット圧によるパッキン131の変形は大きい。このハード特性のとき、パッキン131は、パイロットボディ42の内周部101に押し付けられ、当該内周部101に沿って変形する。これにより、パッキン131は、パイロットボディ42の内R部134及び小内径部102に当接すると共にテーパ部121に入り込む。
図10を参照すると、減衰力がハード特性のとき、パイロット圧は高圧になるので、パイロット圧によるパッキン131の変形は大きい。このハード特性のとき、パッキン131は、パイロットボディ42の内周部101に押し付けられ、当該内周部101に沿って変形する。これにより、パッキン131は、パイロットボディ42の内R部134及び小内径部102に当接すると共にテーパ部121に入り込む。
これにより、ハード特性のとき、メインバルブ作用力は、パイロットボディ42の内R部134を含む内周部101によって圧縮されたパッキン131の弾性力(反発力)となる。その結果、メインディスクバルブ47の実質的なばね定数が増大し、減衰力調整式緩衝器1は、より大きいハード特性の減衰力を発生させることができる。
このように、第3実施形態によれば、前述した第1及び第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
このように、第3実施形態によれば、前述した第1及び第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
1 減衰力調整式緩衝器、2 シリンダ、5 ピストン、6 ピストンロッド、31 減衰力調整機構、41 メインボディ、45 シート部(弁座)、47 メインディスクバルブ(ディスクバルブ)、42 パイロットボディ、61 パイロット室、101 内周部、102 小内径部、103 大内径部、111 パッキン(弾性シール部材)、112 基部、113 中間部、114 先端部
Claims (3)
- 作動液が封入されたシリンダと、
該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
一端が前記ピストンに連結されて他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、
前記ピストンの移動によって生じる作動液の流れを制御することで、発生させる減衰力を調整する減衰力調整機構と、
を備える減衰力調整式緩衝器であって、
前記減衰力調整機構は、
弁座が設けられたメインボディと、
前記ピストンの移動によって生じる作動液の流れに対して前記弁座に離着座することで、作動液の流れを制御して減衰力を発生させるディスクバルブと、
該ディスクバルブに対向して開口する有底円筒状のパイロットボディと、
前記ディスクバルブに対して閉弁方向に内圧を作用させるパイロット室と、
前記ディスクバルブの一側の外周部に位置し、前記パイロットボディの内周部に摺動可能かつ液密に嵌合されて前記パイロット室を形成する環状の弾性シール部材と、
を有し、
前記弾性シール部材は、前記ディスクバルブに接する環状の基部と、該基部外周の小径部から前記パイロットボディの底部側へ延び、外径が前記基部外周の小径部よりも大径の先端部と、該先端部と前記基部との中間に位置し、外径が前記先端部よりも小径の中間部と、を有し、
前記パイロットボディの内周部には、開口部側に設けられる大内径部と、底部側に設けられる小内径部と、が設けられ、
前記パイロット室が高圧のとき、前記弾性シール部材の先端部及び中間部が、前記パイロットボディの小内径部及び大内径部に当接することを特徴とする減衰力調整式緩衝器。 - 前記パイロットボディの大内径部は、テーパ状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。
- 前記弾性シール部材は、前記ディスクバルブとは別体であり、前記ディスクバルブと前記パイロットボディの底部とに接していることを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019174436A JP2021050782A (ja) | 2019-09-25 | 2019-09-25 | 減衰力調整式緩衝器 |
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Family Applications (1)
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JP2019174436A Pending JP2021050782A (ja) | 2019-09-25 | 2019-09-25 | 減衰力調整式緩衝器 |
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-
2019
- 2019-09-25 JP JP2019174436A patent/JP2021050782A/ja active Pending
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