JP2021037527A - レーザ加工装置および光学調整方法 - Google Patents

レーザ加工装置および光学調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出力差が異なる複数のレーザ光のスポット位置の位置合わせを高精度かつ高速に実現すること。【解決手段】レーザ加工装置は、加工光の照射により被加工物の表面が被加工物の溶融点未満で加熱された状態において、第2ミラーの角度を変化させながら、被加工物の表面において測定点を走査し、光検出器により検出された光の強度に基づいて、補正済み加工用データとして用いられる第2ミラーの角度を算出する。【選択図】図4

Description

本開示は、加工、穴開け、溶接、切断等に用いられるレーザ加工装置、および、そのレーザ加工装置から出射される複数の光のスポット位置を調整する光学調整方法に関する。
従来のレーザ光の位置合わせ技術としては、微小な穴を用いるものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、図6、図7を用いて、特許文献1のレーザ光の位置合わせ技術について説明する。図6は、特許文献1に開示されたレーザ加工装置を模式的に示す図である。また、図7は、図6に示すレーザ加工装置の光学調整方法の説明に供する図である。図7は、図6に示すレーザ加工装置におけるノズル106周辺を拡大して示している。
図6に示すレーザ加工装置は、予めクランプ101により芯だしエリア103に固定された被加工物102に対してレーザ光100を照射し、被加工物102にピアス穴104を開ける。
芯だしエリア103には、光源108が設置されている。光源108は、被加工物102におけるレーザ光100の照射面の裏面側に配置されている。光源108から出射された光は、ピアス穴104を介してノズル106のノズル穴107を通り、加工ヘッド105内に入る。その後、その光は、光検知器109に到達する。
図7に示す光112は、光源108から出射された後、ピアス穴105およびノズル穴107を介して加工ヘッド105内に入った光である。この光112の強度は、加工ヘッド105の位置と被加工物102の位置とを、図7中の矢印Xが示す方向において相対的に変化させることによって、変化する。
ピアス穴104の中心位置110とノズル穴107の中心位置111とが一致するとき、光検出器109で検出される光112の光強度は最も大きくなる。これを利用して、特許文献1のレーザ加工装置は、レーザ光100の光軸とノズル穴107の中心軸とを調整して一致させる。
以上、特許文献1のレーザ光の位置合わせ技術について説明した。
また、従来、2次元受光素子を用いたビームプロファイラにより、平面内のレーザ光スポット位置座標を直接検出してレーザ光の位置調整を行うことも実現されている。2次元受光素子としては、例えば、撮像素子であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子などが挙げられる。
さらに、近年では、レーザ溶接装置に光断層計測(OCT:Optical Coherence Tomography)を組み合わせることにより、溶接工程をリアルタイムに観察する評価方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、その評価方法を実現するためには、加工用のレーザ光と測定光との精密な位置合わせが非常に重要である。すなわち、近年では、レーザ光のスポット位置の調整は、不可欠な技術となっている。
特開2015−9263号公報 特表2016−538134号公報
特許文献1のレーザ加工装置では、微小な穴であるピアス穴104を用いてレーザ光100の位置の調整を行う。そのため、レーザ光100の光軸と直交する方向(図7中の矢印Xの方向)の調整可能範囲はピアス穴104の直径程度であり、それ以上の高精度な調整を行うことが困難である。
また、特許文献1のレーザ加工装置では、ピアス穴104が被加工物102に形成される。そのため、レーザ光100の光軸方向(図7中の矢印Xの方向と直交する方向)の調整可能範囲は、被加工物102の板厚程度であり、それ以上の高精度な調整を行うことが困難である。
さらに、特許文献1のレーザ加工装置では、予め被加工物102を加工してピアス穴104を形成しておく必要がある。そのため、調整作業を行う度に被加工物102を消費することとなり、コストがかかる。
本開示の一態様の目的は、出力差が異なる複数のレーザ光のスポット位置の位置合わせを高精度かつ高速に実現することができるレーザ加工装置および光学調整方法を提供することである。
本開示の一態様に係るレーザ加工装置は、被加工物の表面の加工点に対して加工光を発振するレーザ発振器と、前記加工点に対して測定光を出射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する光干渉計と、前記加工光および前記測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記加工光および前記測定光を前記加工点に集光させるレンズと、前記被加工物の表面における前記加工光と前記測定光との位置ずれを解消可能な補正済み加工用データを記憶するメモリと、前記補正済み加工用データに基づいて、レーザ発振器、前記第1ミラー、および前記第2ミラーを制御する制御部と、前記被加工物の表面における前記測定光が集光する位置である測定点から放射され、前記測定光が光干渉計から伝搬する経路を遡って到達した光を受光し、当該光の強度を検出する光検出器と、を有し、前記制御部は、前記加工光の照射により前記被加工物の表面が前記被加工物の溶融点未満で加熱された状態において、前記第2ミラーの角度を変化させながら、前記被加工物の表面において前記測定点を走査し、前記光検出器により検出された前記光の強度に基づいて、前記補正済み加工用データとして用いられる前記第2ミラーの角度を算出する。
本開示の一態様に係る光学調整方法は、加工光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記加工光および前記測定光を被加工物の表面の加工点に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置が行う光学調整方法であって、前記加工光の照射により前記被加工物の表面が前記被加工物の溶融点未満で加熱された状態において、前記第2ミラーの角度を変化させながら、前記被加工物の表面において前記測定光が集光する位置である測定点を走査し、前記測定点から放射され、前記測定光が光干渉計から伝搬する経路を遡って到達した光の強度を検出し、検出された前記光の強度に基づいて、前記第2ミラーの角度を算出し、算出された前記第2ミラーの角度を、前記被加工物の表面における前記加工光と前記測定光との位置ずれを解消可能な補正済み加工用データとして用いる。
本開示によれば、出力差が異なる複数のレーザ光のスポット位置の位置合わせを高精度かつ高速に実現することができる。
本開示の実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を模式的に示す図 本開示の実施の形態に係るレーザ加工装置において第1ミラーを原点位置から動作させた状態を模式的に示す図 本開示の実施の形態に係るレーザ加工装置において第2ミラーにより測定点の位置を補正した状態を模式的に示す図 本開示の実施の形態に係るレーザ加工装置において加工光のみを被加工物へ照射している状態を模式的に示す図 本開示の実施の形態に係る所定の加工点の位置における補正角の算出方法の流れを示すフローチャート 特許文献1に開示されたレーザ加工装置の構成を模式的に示す図 特許文献1に開示されたレーザ加工装置の光学調整方法の説明に供する図
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
<レーザ加工装置の構成>
本開示の実施の形態に係るレーザ加工装置1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態のレーザ加工装置1の構成を模式的に示す図である。
レーザ加工装置1は、加工ヘッド2、光干渉計3、計測処理部4、レーザ発振器5、制御部6、第1ドライバ7、第2ドライバ8を有する。
光干渉計3は、OCT測定用の光干渉計である。光干渉計3は、OCT測定用のレーザ光である測定光15を出射する。出射された測定光15は、測定光導入口9から加工ヘッド2へ入力される。
レーザ発振器5は、レーザ加工用のレーザ光である加工光11を発振する。発振された加工光11は、加工光導入口10から加工ヘッド2へ入力される。
加工光導入口10から加工ヘッド2へ入力された加工光11は、ダイクロイックミラー12を透過し、第1ミラー13で反射され、レンズ14を透過して被加工物18の表面の加工面19に集光される。これにより、被加工物18の加工点20がレーザ加工される。この際、加工光11が照射された加工点20は溶融し、溶融池21が形成される。また、溶融池21から溶融金属が蒸発し、蒸発時に生じる蒸気の圧力によってキーホール22が形成される。
測定光導入口9から加工ヘッド2へ入力された測定光15は、コリメートレンズ16で平行光に変換され、第2ミラー17およびダイクロイックミラー12で反射された後、第1ミラー13で反射されて、レンズ14を透過して被加工物18の表面の加工点20に集光される。そして、測定光15は、キーホール22の底面で反射され、伝播経路を遡って光干渉計3まで到達する。そして、光干渉計3は、キーホール22で反射された測定光と、参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する。
計測処理部4は、上記光干渉強度信号に基づいて、キーホール22の深さ、すなわち加工点20の溶け込み深さを計測する。なお、溶け込み深さとは、被加工物18の溶けた部分の最頂点と、加工面19との間の距離を意味する。
加工光11の波長と測定光15の波長とは、互いに異なる。ダイクロイックミラー12は、加工光11の波長の光を透過し、測定光15の波長の光を反射する特性を有する。
第1ミラー13および第2ミラー17は、2軸以上で回転動作させることができる可動ミラーである。第1ミラー13および第2ミラー17は、それぞれ、例えばガルバノミラーである。
第1ミラー13、第2ミラー17は、それぞれ、第1ドライバ7、第2ドライバ8を介して制御部6に接続されており、制御部6の制御に基づいて動作する。第1ドライバ7は、制御部6からの指示に基づいて、可動ミラー13を動作させる。第2ドライバ8は、制御部6からの指示に基づいて、第2ミラー17を動作させる。
制御部6は、メモリ30を有する。メモリ30は、被加工物18に対して所望の加工を行うための加工用データ、および、その加工用データが補正された補正済み加工用データを記憶する。
補正済み加工用データは、被加工物18の加工面19における加工光11および測定光15それぞれの照射位置(到達位置またはスポット位置と言ってもよい)のずれを解消するための光学調整(補正動作ともいう)に用いられるデータである。
制御部6は、加工用データまたは補正済み加工用データに基づいて、例えば、光干渉計3、レーザ発振器5、第1ミラー13、第2ミラー17等を制御する。加工用データには、例えば、加工光11および測定光15それぞれの強度を示す値、第1ミラー13の動作量を示す値、第2ミラー17の動作量を示す値等が含まれる。第1ミラー13の動作量とは、第1ミラー13をその原点位置(詳細は後述)から回転させる角度である。第2ミラー17の動作量とは、第2ミラー17をその原点位置から回転させる角度である。
図1では例として、第1ミラー13および第2ミラー17は、y方向の回転軸を中心とした回転動作のみを示している(図中の点線部分および両矢印参照)。しかし、実際には、第1ミラー13および第2ミラー17は、上述したように2軸以上で回転動作できるように構成されている。よって、第1ミラー13および第2ミラー17は、例えば、x方向の回転軸を中心とした回転動作を行うことも可能である。
以下では、簡単を簡単にするため、第1ミラー13および第2ミラー17がy方向の回転軸を中心とした回転動作を行う場合についてのみ説明する。
第2ミラー17が原点位置にあるとき、測定光15の測定光軸23は、ダイクロイックミラー12で反射された後、加工光11の加工光軸24と一致する。
また、第1ミラー13が原点位置にあるとき、加工光11の加工光軸24は、第1ミラー13にて反射された後、レンズ14を透過する際に、レンズ14の中心であるレンズ光軸25と一致する。
なお、以下の説明では、レンズ14の中心を透過した加工光11および測定光15が被加工物18の加工面19に到達した位置を「加工原点26」(図2参照)と記載する。すなわち、第1ミラー13、第2ミラー17それぞれの原点位置とは、加工光11および測定光15がレンズ14の中心を透過するときの第1ミラー13、第2ミラー17それぞれの位置である。
レンズ14は、加工光11および測定光15を加工点20に集光するためのレンズである。レンズ14は、例えば、fθレンズである。
第1ミラー13およびレンズ14は、ガルバノミラーとfθレンズによる一般的な光学走査系を構成している。このため、第1ミラー13をその原点位置から所定の動作量だけ回転動作させることにより、加工面19における加工光11の到達位置を制御することができる。以下では、所望の加工点20へ加工光11を照射させるための第1ミラー13の動作量は、加工ヘッド2を構成する各光学部材の位置関係と、レンズ14から加工面19までの距離が決まれば、一意に設定することができる。
レンズ14から加工面19までの距離は、加工光11による加工が最も効率的に行われるように、加工光11が最も集光される焦点位置と、加工面19とを一致させる配置とするのが好適である。ただし、これに限定されず、レンズ14から加工面19までの距離は、加工用途に応じて任意の距離に決定されればよい。
第1ミラー13の動作量を所定の動作スケジュールで変化させることで、加工面19上で加工点20の位置を走査することができる。さらに、制御部6の制御によりレーザ発振器5のオンとオフの切り替えが行われることにより、加工光11の走査可能な範囲内における、加工面19上の任意の位置を任意のパターンでレーザ加工することができる。つまり、第1ミラー13の動作量と、加工面19上の加工点20の位置とは、一対一で対応している。以下では、第1ミラー13の動作量を「走査角」と記載する。
しかし、一般的に、レーザ加工装置1を組み立てた直後の状態では、測定光軸23と加工光軸24とは一致しない。また、加工面19において、加工光11の照射位置と測定光15の照射位置とは一致しない。これらのずれは、第1ミラー13および第2ミラー17それぞれの原点位置が未規定であるために生じる。
また、第1ミラー13の回転により加工面19において加工点20を走査させる場合、加工光軸24は、レンズ14におけるレンズ光軸25以外の位置を通過する。そのため、レンズ14が持つ収差なども、上述したずれの原因となる。
<色収差による影響>
次に、図2を用いて、色収差による影響について説明する。図2は、レーザ加工装置1において第1ミラー13を原点位置から動作させた状態を模式的に示す図である。図2において、第2ミラー17は原点位置にあるとする。
図2に示すように、第1ミラー13で反射された加工光11および測定光15は、レンズ14に到達するまでは同じ光軸上を進む。しかしながら、レンズ14を透過した後では、加工光11および測定光15それぞれの進行方向にずれが生じる。すなわち、図2に示すように、加工光11の光軸である加工光軸24aと、測定光15の光軸である測定光軸23aとがずれる。よって、測定光15は、加工点20とは異なる位置(例えば、図2に示す位置27)に到達する。
これは、レンズ14の色収差が原因である。色収差とは、レンズ14を含む一般的な光学材料が、光の波長により屈折率が異なる性質を有するために発生する収差である。
色収差には、軸上色収差と、倍率色収差との二種類がある。軸上色収差は、光の波長によりレンズの焦点位置が異なる性質を指す。一方、倍率色収差は、光の波長により焦点面における像高が異なる性質を指す。図2に示した、レンズ14透過後の加工光11(加工光軸24a)および測定光15(測定光軸23a)それぞれの進行方向のずれは、倍率色収差によるものである。
なお、本実施の形態のレーザ加工装置1では、軸上色収差も同時に発生している。しかしながら、軸上色収差による加工光11と測定光15とのずれについては、コリメートレンズ16と測定光導入口9との距離を調節し、コリメートレンズ16を透過直後の測定光15を平行光の状態からわずかに発散状態または収束状態にすることで対応が可能である。
図2では、加工原点26から見て、測定光15が加工面19に到達した位置27(以下、測定点27という)は、加工用レーザ光11が加工面19に到達した位置(加工点20)よりも遠い。しかしながら、これは一例であり、レンズ14のレンズ構成や加工光11と測定光15との波長の大小関係により、測定光15の方が加工光11よりも加工原点26に近い位置に到達する場合もある。一般的には、長波長の光の方が、より加工原点26から遠い位置に到達する。
<測定点の位置の補正および測定点の走査について>
次に、図3を用いて、第2ミラー17を用いた測定点27の位置の補正および測定点27の走査について説明する。図3は、レーザ加工装置1において第2ミラー17により測定点27の位置を補正した状態を模式的に示す図である。
図3と図2とを比較すると、図3では、第2ミラー17の角度がわずかに変化している。これにより、測定光15の伝播方向は、第2ミラー17以降で変化している。具体的には、図3において、測定光15は、図2に示した測定光軸23aとは異なる測定光軸23bに沿って進んでいる。これにより、測定光15は、レンズ14を経た後、加工点20に到達している。よって、図3では、加工点20と測定点27とが一致している。
このように、図2を用いて説明したレンズ14の色収差を原因とする加工光11と測定光15との位置ずれは、図3に示すように、第2ミラー17の角度の変化によって補正することができる。レーザ加工による加工点20の溶け込み深さ(すなわち、キーホール22の深さ)を測定するためには、加工点20と測定点27とを一致させる補正動作が必要である。補正動作とは、第2ミラー17をその原点位置から適切な角度位置に移動させる動作である。
つまり、レーザ加工装置1における光学調整作業は、加工面19上の複数の加工点20における第2ミラー17の角度位置を求めることに等しい。以下では、所定の加工点20の位置における第2ミラー17の角度位置を「補正角」と記載する。
さらに、第2ミラー17の角度を順次変化させることにより、加工面19上における測定点27の位置を加工点20およびその近傍で走査できる。
以上のことから、レーザ加工装置1において加工光11による被加工物18の溶け込み深さを適切に測定するためには、加工面19上の1箇所ないし複数箇所において、加工光11の集光位置である加工点20に測定光15の集光位置である測定点27を一致させるための光学調整作業が必要となる。
このような光学調整作業が必要となる状況の例としては、例えば、レーザ加工装置1の組み立て直後、定期的に行われるレーザ加工装置1のメンテナンス時、または、レンズ14の色収差を原因とする加工面19上における加工光11と測定光15との位置ずれを補正するために第2ミラー17の補正角を求める場合、などが挙げられる。
<加工点の位置の算出方法>
次に、図4を用いて、加工点20の位置の算出方法について説明する。図4は、レーザ加工装置1において加工光11のみを被加工物18へ照射している状態を模式的に示す図である。
図4において、第1ミラー13および第2ミラー17それぞれの角度位置は、図3に示す角度位置と同じである。
その一方で、図4に示すレーザ加工装置1は、光検出器28が設けられている点で、図3に示すレーザ加工装置1と異なる。光検出器28は、制御部6と電気的に接続されている。また、光検出器28は、測定光導入口9から分岐された光ファイバを介して測定光導入口9と接続されている。
また、図4では、光干渉計3から測定光15が出力されていない。
また、図4では、加工光11の出力を下げているため、被加工物18には溶融池21およびキーホール22が形成されておらず、加工点20を中心として加工面19が被加工物18の溶融点未満で熱せられている状態である。
一般的に、物体は、プランクの法則に従い、その物体の温度に依存した熱輻射光を発する。加工点20は、加工光11によって加熱されているため、図4に示すように、加工点20を中心として熱輻射光29が発せられる。
図4において、測定点27において発光がある場合、その発光で生じた熱輻射光は、測定光軸23aに沿ってレンズ14、第1ミラー13、第2ミラー17、ダイクロイックミラー12、コリメートレンズ16、測定光導入口9を経て、光検出器28に到達する。すなわち、熱輻射光は、測定光15が光干渉計3から伝搬する経路を遡って光検出器28に到達し、光検出器28に受光される。そして、光検出器28は、その熱輻射光の強度を検出する。よって、第2ミラー17の角度を変化させて、加工面19上で測定点27を走査すれば、第2ミラー17の角度位置と、光検出器28の光強度検出値とを対応させることにより、加工点20およびその近傍の発光強度を測定することができる。
加工光11によって加熱されている加工面19の温度は、加工点20を極大点として、加工点20から遠ざかるにつれて低下していく。プランクの法則によれば、所定の熱輻射光の波長λに注目した場合、物体の温度が高いほど熱輻射光の強度が高くなる。従って、加工面19上における波長λの熱輻射光の強度は、加工点20において最大値となる。
従って、加工光11の照射により被加工物18を加熱した状態において、第2ミラー17の角度を変化させながら、加工面19(例えば、加工点20およびその近傍の領域)において測定点27を走査することにより、加工点20の位置で最大値を持つ輻射光強度分布データを得ることができる。ここで得られた輻射光強度分布データにおいて熱輻射光の強度が最大となる位置が、加工点20の位置に相当する。
<光学調整の方法>
次に、図5を用いて、光学調整の方法として、所定の加工点20の位置における補正角の算出方法について説明する。図5は、所定の加工点20の位置における補正角の算出方法の流れを示すフローチャートである。
ステップS1において、制御部6は、仮の被加工物18として設置された金属の平板(以下、金属板という)の加工面19上に、レーザ加工の対象となる複数の加工点20を設定する。また、制御部6は、設定された複数の加工点20から、1つの加工点20を選択する。
ステップS2において、制御部6は、選択された加工点20に加工光11が到達するように第1ミラー13の走査角を設定する。
ステップS3において、制御部6の制御により、レーザ発振器5は、加工光11の照射を開始し、金属板の表面を加熱する。
このとき、制御部6は、金属板を溶融しないように加工光11の出力強度を調整する。また、加工光11による加熱が長時間に渡ると、金属板の全体に熱が行き渡って、加工点20の温度と加工点20の近傍の温度との差が小さくなるため、加工光11の照射開始後ただちに次のステップS4に移る。
ステップS4において、制御部6は、第2ミラー17の角度を所定の範囲で変化させながら、加工面19(例えば、加工点20およびその近傍)において測定点27を走査し、光検出器28により検出された複数の光強度検出値に基づいて、上記輻射光強度分布データを取得する。
ステップS5において、制御部6は、レーザ発振器5からの加工光11の照射を停止させる。
ステップS6において、制御部6は、ステップS4で得られた輻射光強度分布データを用いて、熱輻射光の強度が最大となる位置(すなわち、加工点20に相当する位置)と測定点27とが一致する第2ミラー17の補正角を算出する。
ステップS7において、制御部6は、現在の第1ミラー13の走査角と、ステップS6で得られた第2ミラー17の補正角とを対応付けた補正数表データ(補正済み加工用データの一例)を取得する。この補正数表データは、メモリ30に保存される。
ステップS8において、制御部6は、ステップS1で設定された全ての加工点20について補正数表データを取得したか否かを判定する。
全ての加工点20について補正数表データを取得した場合(ステップS8:YES)、フローは終了する。一方、全ての加工点20について補正数表データを取得していない場合、換言すれば、未だ補正数表データが取得されていない加工点20が残っている場合(ステップS8:NO)、フローはステップS9に進む。
ステップS9において、制御部6は、レーザ加工の対象として、別の加工点20を選択する。その後、フローは、ステップS2に戻る。
以上説明した方法によれば、加工面18上において加工点20に測定点27を一致させるための光学調整、すなわち補正動作に必要な補正数表データを得ることができる。
制御部6は、この補正数表データを用いて、第1ミラー13および第2ミラー17の角度を制御することにより、高出力の加工光11の照射位置と低出力の測定光15の照射位置との位置合わせを、高精度かつ高速に実現することができる。
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
本開示のレーザ加工装置および光学調整方法は、例えば自動車や電子部品等の製造に用いられるレーザ加工技術に有用である。
1 レーザ加工装置
2 加工ヘッド
3 光干渉計
4 計測処理部
5 レーザ発振器
6 制御部
7 第1ドライバ
8 第2ドライバ
9 測定光導入口
10 加工光導入口
11 加工光
12 ダイクロイックミラー
13 第1ミラー
14 レンズ
15 測定光
16 コリメートレンズ
17 第2ミラー
18 被加工物
19 加工面
20 加工点
21 溶融池
22 キーホール
23 測定光軸
24 加工光軸
25 レンズ光軸
26 加工原点
27 測定点
28 光検出器
29 熱輻射光
30 メモリ
100 レーザ光
101 クランプ
102 被加工物
103 芯だしエリア
104 ピアス穴
105 加工ヘッド
106 ノズル
107 ノズル穴
108 光源
109 光検知器
110 ピアス穴中心位置
111 ノズル穴中心位置
112 光

Claims (5)

  1. 被加工物の表面の加工点に対して加工光を発振するレーザ発振器と、
    前記加工点に対して測定光を出射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する光干渉計と、
    前記加工光および前記測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、
    前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、
    前記加工光および前記測定光を前記加工点に集光させるレンズと、
    前記被加工物の表面における前記加工光と前記測定光との位置ずれを解消可能な補正済み加工用データを記憶するメモリと、
    前記補正済み加工用データに基づいて、レーザ発振器、前記第1ミラー、および前記第2ミラーを制御する制御部と、
    前記被加工物の表面における前記測定光が集光する位置である測定点から放射され、前記測定光が光干渉計から伝搬する経路を遡って到達した光を受光し、当該光の強度を検出する光検出器と、を有し、
    前記制御部は、
    前記加工光の照射により前記被加工物の表面が前記被加工物の溶融点未満で加熱された状態において、前記第2ミラーの角度を変化させながら、前記被加工物の表面において前記測定点を走査し、前記光検出器により検出された前記光の強度に基づいて、前記補正済み加工用データとして用いられる前記第2ミラーの角度を算出する、
    レーザ加工装置。
  2. 前記測定点を走査する範囲に前記加工点が含まれる、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記光検出器で受光される前記光は熱輻射光である、
    請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記補正済み加工用データとして用いられる前記第2ミラーの角度は、前記光の強度が最大となる位置と前記測定点とが一致するときの前記第2ミラーの角度である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  5. 加工光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記加工光および前記測定光を被加工物の表面の加工点に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置が行う光学調整方法であって、
    前記加工光の照射により前記被加工物の表面が前記被加工物の溶融点未満で加熱された状態において、前記第2ミラーの角度を変化させながら、前記被加工物の表面において前記測定光が集光する位置である測定点を走査し、
    前記測定点から放射され、前記測定光が光干渉計から伝搬する経路を遡って到達した光の強度を検出し、
    検出された前記光の強度に基づいて、前記第2ミラーの角度を算出し、
    算出された前記第2ミラーの角度を、前記被加工物の表面における前記加工光と前記測定光との位置ずれを解消可能な補正済み加工用データとして用いる、
    光学調整方法。
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