JP2021033019A - 光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、光制御機能の高い光学部材を提供する。【解決手段】光学部材1は、入射する光のうち特定の角度範囲から入射する光を遮光するものであり、光透過性を有し、単位光学形状21が一方の面20aに複数配列された光学形状層20と、隣り合う単位光学形状21の間に設けられ、入射した光を遮光する遮光部30と、を備え、単位光学形状21の配列方向に平行であって光学部材1の厚み方向に平行な断面において、遮光部30は、厚み方向に沿って延びる第1部分33と、第1部分33の一方の面20a側端部から、配列方向の一方側へ延びる第2部分34とを有し、第1部分33の先端部の一方側の点24aと第2部34分の先端部の一方の面20a側とは反対側の点25aとを通る直線よりも単位光学形状21が遮光部30側へ突出しているものとした。【選択図】図2

Description

本開示の実施形態は、光学部材に関するものである。
従来、外部から入射する光の透過を制限する光学部材の技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の光学部材は、光透過部と光吸収部が交互に複数配列されており、光学部材に入射した光のうち、光透過部等の配列方向において、正面方向から入射した光は透過し、斜めに入射した光を光吸収部により吸収して遮光している。
特開2018−87899号公報
しかし、従来の光学部材では、その使用用途によっては、入射する光を吸収しすぎてしまい、透過光量が不足してしまう場合がある。
また、光学部材に対して、特定の斜め方向(角度範囲)から入射する光の入射のみを制限し、それ以外の方向から入射する光を透過させたいという要望があった。しかし、例えば、特許文献1に記載のルーバーフィルムでは、遮光部の配列方向において、正面方向からの光は透過するが、斜め方向からの光は遮光され、斜め方向からの光のうち一方側から入射した光を透過し、他方側から入射した光を遮光するということはできない。
そこで、本願発明者らは、特願2019−044799において、遮光部の断面形状が配列方向において非対称な楔形形状である光学部材を開示した。
このような遮光部を有する光学部材では、遮光部の厚み(配列方向の寸法)が深さ方向(光学部材の厚み方向)で異なるため、特に、光吸収材料を含有する光反応性樹脂を遮光部形成材料とした場合には、厚みが大きい部分でも十分に光によって硬化させるために、遮光部形成材料の光吸収率を高くできない。そのため、遮光部の厚みの薄い部分では、光吸収率が低下し、光が十分吸収できず、光吸収部を透過する光が生じてしまい、光学部材の光制御機能が低下するという問題があった。
本開示の実施形態の課題は、特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、光制御機能の高い光学部材を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、入射する光のうち特定の角度範囲から入射する光を遮光する光学部材であって、光透過性を有し、単位光学形状(21,221)が一方の面(20a,220a)に複数配列された光学形状層(20,220)と、隣り合う前記単位光学形状の間に設けられ、入射した光を遮光する遮光部(30,230)と、を備え、前記単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面において、前記遮光部は、厚み方向に沿って延びる第1部分(33)と、前記第1部分の前記一方の面側端部から、前記配列方向の一方側へ延びる第2部分(34)とを有し、前記第1部分の先端部の前記一方側の点と前記第2部分の先端部の前記一方の面側とは反対側の点とを通る仮想直線(S2)よりも前記単位光学形状が前記遮光部側へ突出している光学部材(1,2)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態の光学部材において、前記第1部分(33)において前記単位光学形状(21,221)の配列方向における寸法が最も小さい部分での寸法をd1[μm]とし、前記第2部分(34)において該光学部材の厚み方向の寸法が最も小さい部分での寸法をd2[μm]とするとき、d1≦d2であり、寸法d1におけるOD値が0.5以上2以下であり、寸法d2におけるOD値が1以上3以下である光学部材(1,2)である。
第3の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態又は第2の開示の実施形態の光学部材において、基材層(10)は、厚み方向における光の透過率が20%以上80%以下である光学部材(1,2)である。
第4の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第3の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記単位光学形状(21,221)は、前記単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面における断面形状が多角形形状であり、前記一方の面(20a,220a)に位置し、該光学部材を透過する光が入射又は出射する第1の面(22)と、該光学部材の厚み方向に対して平行又は平行とみなせる角度をなし、前記一方の面側の端縁が前記第1の面の一端と一致する第2の面(23)と、前記第1の面の他方側に位置し、前記第2の面と対向する折れ面を形成する3つの面であって、最も裏面側に位置し厚み方向に対して傾斜する第3の面(24)と、前記第3の面の前記一方の面側に位置し、シート面に平行又は平行とみなせる角度をなす第4の面(25)と、前記第4の面の前記一方の面側に位置し、該光学部材の厚み方向に対して傾斜する第5の面(26)とを備え、前記単位光学形状の前記第1の面の他端(22a)と前記第2の面の前記一方の面側とは反対側の端縁(23a)とを通る直線(S)が該光学部材の厚み方向となす第1の角度(θ4)は、前記単位光学形状における臨界角よりも小さく、前記第3の面の該光学部材の厚み方向において前記一方の面側とは反対側の端縁(24a)と、前記第4の面の前記第5の面側の端縁(25a)とを通る直線(S2)が該光学部材の厚み方向となす第2の角度(θ3)よりも小さい光学部材(1,2)である。
第5の開示の実施形態は、第4の開示の実施形態の光学部材において、前記第1の角度(θ4)は、前記単位光学形状の配列方向において一定であり、かつ、前記単位光学形状(221)の配列方向における前記遮光部(230)の配列ピッチ(P)は、一定ではない光学部材(2)である。
第6の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第5の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記遮光部(30,230)は、前記単位光学形状(21,221)よりも屈折率が大きい光学部材(1,2)である。
第7の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第6の開示の実施形態までのいずれかの光学部材(1,2)を備える窓(120)である。
本開示の実施形態によれば、特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、光制御機能の高い光学部材を提供することができる。
第1実施形態の光学部材1の使用状態の一例を示す図である。 第1実施形態の光学部材1を説明する図である。 第1実施形態の光学部材1に入射する光の様子を示す図である。 第2実施形態の光学部材2を説明する図である。 光学部材の変形形態を示す図である。 光学部材の変形形態を示す図である。 光学部材の変形形態を示す図である。 比較例の光学部材9を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用している。これらは、一般的に、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書中において、シート面とは、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の光学部材1の使用状態の一例を示す図である。
図2は、第1実施形態の光学部材1を説明する図である。図2では、光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行であって、単位光学形状21の配列方向(X方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
ここで、理解を容易にするために、図1及び図2を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、光学部材1の厚み方向をZ方向とし、Z方向に直交する方向のうち、後述する単位光学形状21の配列方向をX方向とし、X方向及びZ方向に直交する光学部材1の幅方向をY方向とする。また、厚み方向(Z方向)のうち、+Z側を光学部材1の表面側、−Z側を光学部材1の裏面側とする。
光学部材1は、所定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光する機能を有するシート状の部材である。光学部材1のシート面は、XY面に平行である。
光学部材1は、図2に示すように、裏面側(−Z側)から順に、基材層10、光学形状層20、遮光部30、接合層40、第2基材層50が積層されている。
本実施形態では、光学部材1は、その厚み方向に平行な方向から見て矩形状に形成され、図1に示すように、建造物100の屋根110の天窓120に備えられている。太陽光等の外光のうち、特定の角度範囲から入射する光を遮光して室内に入射することを極力抑制する。例えば、太陽光の西日(西側から入射する光)のみを遮光できるように光学部材1を作製し、天窓120に配置することによって、室内への西日の入射を制限し、室内環境をより快適に維持することができる。
本実施形態では、光学部材1は、図2に示す断面において、+X側から−X側へ斜めに入射する光を遮光する部材である例を挙げて説明する。
本実施形態では、光学部材1は、表面(+Z側の面)が天窓120側になるようにして、天窓120の内側(室内側)に不図示の透明な接着剤により貼付されて使用される例を挙げて説明するが、これに限定されるものでなく、裏面(−Z側の面)が天窓120側になるようにして、天窓120の室外側に貼付されて使用されてもよい。
また、光学部材1は、建造物100に配置される例に限定されるものでなく、乗り物の窓や、パーテーション等に用いてもよい。
基材層10は、光透過性を有するシート状の部材であり、その表面(+Z側の面)上に、光学形状層20が一体に形成されている。基材層10は、光学形状層20を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層10は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
また、基材層10は、光学部材1の使用用途等に応じてその厚みを変更可能であり、本実施形態における厚みが約250μmである。
本実施形態の基材層10は、光減衰効果を有しており、厚み方向(Z方向)における光の透過率が50%である。基材層10が光減衰効果を有する場合、基材層10の厚み方向(Z方向)における透過率は、20〜80%となることが好ましい。
また、このような光減衰効果を奏する基材層10は、前述の基材層10を形成する樹脂材料が、灰色系や黒色系等の暗色系の粒子や、暗色系の染料、顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等を着色材として含有するものを用いて形成されることが好適である。
このような基材層10を用いることにより、光学部材1を透過する光の強度を適度に弱める等、透過光強度を調整することができ、また、遮光すべき光が遮光部30を透過してわずかに漏れた場合に、そのような光を弱めて遮光性能を上げることができる。
なお、本実施形態では、基材層10は、光減衰効果を有する例を示したが、これに限らず、基材層10は、光減衰効果を有しないものとしてもよい。
光学形状層20は、基材層10の表面(+Z側の面)に形成された光透過性を有する層であり、単位光学形状21が複数、X方向に配列されている。
光学形状層20は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。本実施形態の光学形状層20は、紫外線により硬化するウレタンアクリレート樹脂(屈折率n1=1.52)により形成されている。
なお、光学形状層20を構成する樹脂は、上述の紫外線硬化型樹脂に限定されるものでなく、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂により形成してもよい。
単位光学形状21は、その断面形状が多角形形状であり、図2に示すように、最も表面側(+Z側)となる第1の面22と、第1の面22の−X側に位置する第2の面23と、第1の面22の+X側であって第2の面23に対向する位置に設けられた第3の面24、第4の面25、第5の面26とを有している。
第1の面22は、図2に示す光学部材1の断面において、光学形状層20の一方の面20aに位置し、光学部材1のシート面(XY平面)に平行な面であり、第2の面23と第5の面26との間に設けられている。
第1の面22は、光学部材1を透過する光が入射又は出射する面であり、本実施形態では、光学部材1の表面側(+Z側)から入射する光を単位光学形状21の内部へ透過させる面である。複数配列された単位光学形状21の第1の面22は、いずれも光学形状層20の一方の面20aに位置しており、厚み方向(Z方向)における位置が一定である。
第1の面22は、光学部材1のシート面に対して平行であるので、第1の面22がシート面に対する傾斜角度θ1[°]は、θ1=0°である。図2では、θ1=0°であるため、角度θ1の記載を省略して示している。
第1の面22の単位光学形状21の配列方向(X方向)における寸法は、aである。
第2の面23は、単位光学形状21の配列方向(X方向)において、単位光学形状21の−X側に設けられた面であり、その表面側(+Z側)の端縁が第1の面22の−X側の端縁に一致する。第2の面23は、その単位光学形状21の−X側に隣接する遮光部30に接している。
第2の面23は、厚み方向(Z方向)に対して平行又は略平行な面である。厚み方向に対して略平行とは、第2の面23が厚み方向(Z方向)に対して平行とみなせる角度をなす状態を意味する。そして、厚み方向に対して平行又は略平行とは、第2の面23が厚み方向に対してなす角度θ2[°]が、0°≦θ2≦5°を満たす範囲であることをいう。角度θ2がこの角度範囲を満たすのであれば、第2の面23は、表面側(+Z側)の端縁が、裏面側(−Z側)の端縁よりも+X側に位置するように傾斜(すなわち、+X側に傾斜)していても、−X側に位置するように傾斜(すなわち、−X側に傾斜)していてもよい。ここで、−X側に傾斜しているとは、図2等に示すXZ座標系において、傾きがマイナス(負)になる状態をいい、+X側に傾斜しているとは、図2等に示すXZ座標系において傾きがプラス(正)になる状態をいう。
本実施形態の第2の面23は、厚み方向(Z方向)に対して平行、すなわちθ2=0°となるように形成されている。図2では、θ2=0°であるため、角度θ2の記載を省略して示している。
第3の面24、第4の面25、第5の面26は、単位光学形状21の配列方向(X方向)において、単位光学形状21の+X側に設けられた折れ面を形成する面であり、前述の第2の面23に対向している。第3の面24、第4の面25、第5の面26は、単位光学形状21の+X側に隣接する遮光部30に接している。
第3の面24は、遮光部30の後述する第1部分33に−X側から接する面であり、第4の面25及び第5の面26よりも裏面側(−Z側)に位置している。
第4の面25は、遮光部30の後述する第2部分34に裏面側(−Z側)から接する面であり、シート面(XY面)に平行又は略平行である。シート面に対して略平行とは、第4の面25がシート面(XY面)に対して平行とみなせる程度に小さい角度をなして傾斜している状態をいう。なお、第4の面25がシート面に対して傾斜する場合は、第3の面24側(+X側)の端縁が第5の面26側(−X側)の端縁よりも裏面側(−Z側)に位置するように傾斜することが好ましい。本実施形態では、第4の面25は、シート面に平行である。
第5の面26は、後述する第2部分34に−X側から接する面である。第5の面26の表面側(+Z側)の端縁は、第1の面22の−X側の端縁と一致する。
第3の面24及び第5の面26は、図2に示す光学部材1の断面において、−X側に傾斜している。この第3の面24と第5の面26とは、平行であってもよいし、平行でなくともよい。
単位光学形状21は、図2に示す断面形状が、幅方向(Y方向)に延在している。
遮光部30は、入射した光を遮光する部分であり、隣り合う単位光学形状21間の谷間に設けられている。本実施形態の遮光部30は、単位光学形状21間の谷部を埋めるように設けられ、厚み方向(Z方向)に沿って裏面側(−Z側)へ延びる第1部分33と、第1部分33の最も表面側(+Z側)となる部分から−X側へ延びる第2部分34とを有しており、図2に示す光学部材1の断面において、いわゆるL字形状となっている。
遮光部30の最も表面側(+Z側)の面31は、単位光学形状21の第1の面22と同一平面を形成している。単位光学形状21及び遮光部30の配列方向において、遮光部30の面31の寸法をbとする。
また、遮光部30は、第1部分33の裏面側(−Z側)の先端部分に平坦部32を有している。この平坦部32は、図2に示す断面において、シート面に対して平行であり、平坦部32がシート面に対してなす角度θ5[°]は、θ5=0°である。図2では、θ5=0°であるため、角度θ5の記載を省略して示している。
次に、遮光部30の第1部分33の幅(X方向の寸法)について説明する。本実施形態では、第1部分33は、図2に示す断面形状が、いわゆる楔形形状である。楔形形状とは、一端が広く他端に至るにしたがってしだいに狭くなっている形状を意味し、三角形形状や台形形状を含む形状であるものとする。第1部分33は、遮光部30の配列方向(X方向)の寸法が、表面側(+Z側)で大きく、裏面側(−Z側)に向かうにつれて小さくなっている。第1部分33において、最も幅(X方向の寸法)の小さくなる平坦部32の幅を寸法d1とする。なお、第1部分33は、図2に示す断面形状が矩形形状である形態としてもよい。
また、遮光部30の第2部分34の厚さ(Z方向の寸法)を寸法d2とする。
図2に示す断面において、単位光学形状21は、遮光部30の第1部分33の裏面側(−Z側)先端であって−X側である点(第3の面24の最も裏面側(−Z側)となる点24aに一致)と、第2部分34の−X側先端であって裏面側である点(第4の面25の−X側の端縁となる点25aに一致)とを通る直線(すなわち、図2に一点鎖線で示す直線S2)よりも、+X側に隣接する遮光部30側へ突出した形態となっている。すなわち、遮光部30は、−X側がくぼんだ形状となっている。
遮光部30は、図2に示す断面形状が、幅方向(Y方向)に延在している。
また、本実施形態の遮光部30は、灰色や黒色等の粒子や、染料、顔料等の着色材等により着色が施されており、光吸収性を有している。これにより、遮光部30は、光学部材1に入射した光のうち遮光部30に入射した光を吸収し、遮光する。
遮光部30の母材としては、上述の光学形状層20と同様の材料、例えば、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂等が好適である。また、遮光部30の母材としては、他の光に反応して硬化する光反応性樹脂を用いてもよい。
また、遮光部30に用いる着色材としては、灰色系や黒色系等の暗色系の粒子や、暗色系の染料、顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が挙げられる。
遮光部30は、第1部分33も第2部分34も同一の樹脂で形成されており、OD(Optical Density:光学濃度)値は、各部の厚み(幅)によって変化する。遮光部30は、厚さが寸法d1である部分(平坦部32近傍)でのOD値が0.5以上2以下であり、厚さが寸法d2である部分(第2部分34)でのOD値が1以上3以下であることが、光を十分に吸収する観点から好ましい。
OD値が上記範囲よりも小さいと、遮光部30に光が入射した場合に、遮光部30に光が十分に吸収されず、特に遮光部の幅(厚み)が薄い部分において光が遮光部30を透過してしまうため、好ましくない。また、OD値が大きい方が光吸収率は高いが、遮光部30を形成する樹脂材料の母材として紫外線硬化型樹脂等の光に反応して硬化する光反応性樹脂を用いた場合には、OD値が上記範囲よりも大きいと、遮光部30形成時に、樹脂材料に光が吸収されて十分に硬化しないため好ましくない。
寸法d1,d2は、d2≧d1であり、本実施形態では、寸法d1が3〜100μmの範囲内の数値であり、寸法d2が5〜200μmの範囲内の数値であることが好ましい。
また、本実施形態では、厚さが寸法d1である部分(平坦部32近傍)でのOD値が1であり、厚さが寸法d2である部分(第2部分34)でのOD値が2である。
第1部分33は、遮光したい光が斜めに入射するので、第1部分33の厚み(寸法d1)が小さくても、光が通る距離は長くなる。そのため、第1部分33の最も厚さの小さい部分でのOD値が小さくても(寸法d1が小さくても)、十分に光を吸収できる。一方、第2部分34は、光が正面方向からも入射するので、OD値が大きくないと(寸法d2が十分に大きくないと)光が吸収されず、漏れてしまう。したがって、上記のような寸法d1,d2の大小関係及びOD値となっている。
遮光部30は、その屈折率n2が、光学形状層20の屈折率n1以上であることが望ましい(n2≧n1)。これにより、単位光学形状21を透過する光のうち、第2の面23等に入射する光を全反射させることなく遮光部30に入射させ、遮光部30により確実に吸収させることができる。
上述のように、着色材を含有する母材により遮光部30が形成されている場合、特に母材となる材料の屈折率n2を、光学形状層20の屈折率n1以上にすることで、第2の面23等に入射した光が、遮光部30の母材と単位光学形状21との界面で全反射してしまうことを大幅に抑制でき、かつ、母材に含有される着色材により第2の面23等に入射した光を確実に吸収させることができる。
本実施形態の遮光部30は、光学形状層20と同様のウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂(屈折率n2=1.53)を母材とし、平均粒径が約3μmの黒色粒子を着色材として用いて形成されている。
なお、光学形状層20の屈折率n1と遮光部30の屈折率n2との差は、大きすぎると、たとえ全反射をしなくても屈折率界面における反射が大きくなるので、0.1以下であることが望ましい。すなわち、光学形状層20の屈折率n1と遮光部30の屈折率n2との差Δn(=n2−n1)は、0≦Δn≦0.1を満たすことが望ましい。
接合層40は、上述の光学形状層20及び遮光部30と、第2基材層50とを接合する部分であり、光透過性を有する樹脂材料により形成される。接合層40は、例えば、上述の光学形状層20と同様の材料を用いることができる。
第2基材層50は、光学部材1の表面側(+Z側)を形成するシート状の基材であり、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
なお、第2基材層50は、前述の基材層10と同様に、灰色系や黒色系等の暗色系の顔料や染料、粒子等を着色材として含有する樹脂により形成され、光減衰効果を有していてもよい。その場合、第2基材層50の厚み方向(Z方向)における光の透過率は、20〜80%とすることが好ましい。
このような形態とすることで、前述の基材層10が光減衰効果を有する場合と同様に、透過光強度を調整することができるという効果や、遮光すべき光がわずかに漏れた場合に、そのような光を弱めて遮光性能を上げることができるという効果が得られる。
本実施形態では、第2基材層50は、光減衰効果を有しておらず、基材層10のみが光減衰効果を有している例を挙げて説明するが、これに限らず、基材層10及び第2基材層50は、いずれも光減衰効果を有する形態としてもよいし、いずれも光減衰効果を有していない形態としてもよいし、第2基材層50が光減衰効果を有し、基材層10が光減衰効果を有していない形態としてもよい。
また、基材層10の裏面(−Z側の面)、第2基材層50の表面(+Z側の面)には、それぞれ傷付きを抑制するハードコート層等を、光学部材1の使用環境等に応じて適宜設けるようにしてもよい。ハードコート層は、例えば、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布する等により形成される。
ここで、単位光学形状21及び遮光部30について、さらに詳細に説明する。
図2に示す単位光学形状21の断面において、第3の面24の最も裏面側(−Z側)となる点24aと第1の面22とを通る直線のうち、遮光部530内を通らずに第1の面22の最も+X側を通る直線(図7中に一点鎖線で示す直線S2)は、図2に示すように、第4の面25の−X側の端縁となる点25a(第4の面25と第5の面26との交点に一致)を通る。直線S2が厚み方向(Z方向)となす角度(第2の角度)を角度θ3[°]とする。
第3の面24及び第5の面26が、厚み方向(Z方向)となす角度は、いずれも、この角度θ3以下である。また、角度θ3は、前述の角度θ2よりも大きい。
角度θ3は、光学形状層20(単位光学形状21)の屈折率をn1とした場合に、下記式(1)の関係を満たすことが望ましい。
式(1) arcsin(1/n1)−5°≦θ3≦arcsin(1/n1)+5°
仮に、角度θ3が式(1)の下限値よりも小さい場合、光学部材1から見て−X側に大きく傾斜した光が光学部材1に入射した場合、第3の面24又は第5の面26に入射して遮光部30により吸収されてしまい、光学部材1を透過する光量が減少してしまうので望ましくない。
また、角度θ3が式(1)の上限値よりも大きい場合、第2の面23の厚み方向(Z方向)の寸法hや後述する角度θ4を保って単位光学形状21を形成しようとした場合に、遮光部30の配列方向(X方向)の寸法が大きくなり、光学形状層20の面20aにおいて、第1の面22の面積が遮光部30の面31の面積に比して小さくなりすぎる。これにより、光学部材1は、光が透過する開口部が狭くなり、光学部材1に入射する光の多くが遮光部30に遮光され、透過光量が低下するので望ましくない。
以上のことから、角度θ3は、上記式(1)を満たすことが望ましい。
次に、図2に示す単位光学形状21の断面において、単位光学形状21の第1の面22の+X側の端となる点22a(第1の面22と第3の面24との交点に相当する点)と、その単位光学形状21の第2の面23の最も裏面側となる点23aとを結んだ直線(図2中に一点鎖線で示す直線S)が厚み方向となす角度(第1の角度)をθ4[°]とする。
角度θ4は、単位光学形状21(光学形状層20)の臨界角より小さく、かつ、前述の角度θ3に比べて小さい(θ4<θ3)。
この角度θ4は、遮光したい光の入射角度や、光学形状層20の屈折率n1に応じて、適宜設定される。
次に、図2に示す光学部材1の断面において、単位光学形状21の第1の面22の配列方向における寸法をaとし、その単位光学形状21の−X側に隣接する(すなわち、第2の面23を介して接する)遮光部230の最も表面側(+Z側)の面31の配列方向における寸法をbとするとき、遮光部230の配列ピッチ(すなわち、単位光学形状221の配列ピッチ)Pは、P=a+bとなる。
本実施形態において、遮光部30の配列ピッチPは、一定である。本実施形態では、配列ピッチPは、50〜1500μmの範囲内の数値とすることが好ましい。また、寸法aは、15〜450μmの範囲内の数値とすることが好ましい。
図3は、第1実施形態の光学部材1に入射する光の様子を示す図である。図3では、図2と同様に、単位光学形状21の配列方向(X方向)及び光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示しており、XZ面内における光の様子を示している。また、図3では、理解を容易にするために、光学部材1内の各層の界面における屈折率差はないものとして示している。
本実施形態の光学部材1は、前述の図1に示すように、建造物100の天窓120に設けられており、天窓120から入射する太陽光等の外光のうち、特定の角度から入射する外光を遮光する。本実施形態では、光学部材1の厚み方向(Z方向)が建造物100の鉛直方向に一致し、光学部材1のシート面(XY平面)が水平方向に一致するようにして配置されている例を挙げて説明する。
また、本実施形態の光学部材1は、基材層10が鉛直下側(−Z側)に位置するように配置され、光学部材1から見て+X側に傾斜した特定の方向から入射する光(図3に示す光L6〜L8)を遮光するために、単位光学形状21の第3の面24、第4の面25、第5の面26からなる折れ面が第2の面23よりも+X側に位置するように配置される。
光学部材1に入射する外光のうち光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行又は略平行な光の一部である光L1は、図2に示すように、第2基材層50及び接合層40を透過して、光学形状層20の単位光学形状21の第1の面22に入射する。そして、単位光学形状21、基材層10を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。
一方、光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行又は略平行な光のうちL1以外の光である光L2は、第2基材層50及び接合層40を透過して、遮光部30の面31に入射し、遮光部30により吸収される。
次に、光学部材1に入射する外光のうち、光学部材1から見て−X側へ傾斜した方向から入射する光の一部である光L3,L4は、光L1と同様に、第2基材層50及び接合層40を透過して、第1の面22に入射する。光L4は、光L3よりも入射角度が大きいものとする。
単位光学形状21が厚み方向に角度θ3をなす直線S2よりも+X側に隣接する遮光部30側に突出しており(すなわち、遮光部30の−X側の面が直線S2よりも+X側へ窪んでおり)、この直線S2が光L3,L4と同じ方向に傾斜しており、かつ、角度θ3が前述の式(1)を満たすので、光L3,L4は、第3の面24等からなる折れ面に入射することなく単位光学形状21、基材層10を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。
また、光学部材1から見て−X側に傾斜した方向から入射する光のうち光L3,光L4以外の光である光L5は、第2基材層50及び接合層40を透過して、遮光部30の面31に入射し、遮光部30により吸収される。
次に、光学部材1に入射する外光のうち、光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射する光の一部である光L6,L7,L8は、第2基材層50及び接合層40を透過して、第1の面22に入射する。それぞれの光の入射角度は、光L6、光L7、光L8の順に大きくなるものとする。
ここで、光L6〜L8は、光学形状層20内を進む方向が厚み方向となす角度が角度θ4よりも大きく、単位光学形状21の第2の面23が厚み方向となす角度θ2が角度θ3より小さく、本実施形態では角度θ2=0°である。したがって、光L6〜L8は、単位光学形状21を透過して第2の面23に入射して、遮光部30により吸収される。
一方、光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射する光の一部であって光L6〜L8に比べて入射角度が小さい光の一部である光L9は、光学形状層20内を進む方向が厚み方向となす角度が角度θ4よりも小さい。この光L9は、光学形状層20(単位光学形状21)及び基材層10を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。また、光L9と同様に、光L6〜L8に比べて入射角度が小さい光の一部は、特に図示しないが、第1の面22上の入射する位置によっては、光L6〜L8等と同様に、遮光部30に入射して吸収される。
さらに、光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射する光のうち、光L6〜L9以外の光であって、第2基材層50及び接合層40を透過して遮光部30の面31に入射する光L10は、遮光部30により吸収される。
したがって、光学部材1は、+X側に傾斜した方向から光学部材1に入射する光のうち、単位光学形状21内を進む方向(光学形状層20内への屈折角)が、角度θ4よりも大きい光(光L6〜L8)を吸収し、遮光する。
以上のことから、本実施形態の光学部材1は、単位光学形状21及び遮光部30の配列方向及び光学部材1の厚み方向に平行な面(XZ面)において、表面側(+Z側)から入射した光のうち、厚み方向や、−Xに傾斜した方向から入射する光の一部を吸収し(図3に示す光L2)、それ以外を透過する(図3に示す光L1,光L3,光L4)。
また、光学部材1は、単位光学形状21及び遮光部30の配列方向及び光学部材1の厚み方向に平行な面(XZ面)において、+X側に傾斜した方向から入射する光については、特定の方向(角度範囲)から入射する光(図3に示す光L6〜L8)を遮光し、特定の方向(角度範囲)以外の方向から入射する光は一部を透過する(図3に示す光L9)。また、入射角度に依らず、+X側に傾斜した方向から面31に入射する光の一部を遮光する(図3に示す光L10)。そして、本実施形態の光学部材1の遮光部30は、第1部分33及び第2部分の厚さ(幅)である寸法d1,d2に応じてOD値を最適に設定しており、遮光したい光(図3に示す光L6〜L8)の光学部材1の透過率を大幅に抑えることができる。
したがって、光学部材1は、特定の方向(角度範囲)からの光を遮光して室内側に出射してしまうのを極力防ぐことができ、かつ、その他の方向から入射する光の多くを透過するので、室内の明るさを維持できる。
次に、光学部材1の製造方法の一例を説明する。なお、光学部材1の製造方法は、以下の製法に限定されない。
まず、基材層10を用意し、その一方の面に、単位光学形状21を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により光学形状層20を形成する。
次に、形成された光学形状層20の上に、遮光部30を形成する着色材を含有した樹脂材料を塗布し、ワイピング(スキージング)することによって隣り合う単位光学形状21の谷間に樹脂材料を充填するとともに、余剰樹脂を除去する。そして充填された樹脂材料を硬化させることによって、隣り合う単位光学形状21の谷間に遮光部30が形成される。本実施形態では、樹脂材料の母材として単位光学形状21(光学形状層20)と同様の紫外線硬化型樹脂であって、屈折率が0.1大きいものを使用している。
図8は、比較例の光学部材9を説明する図である。図8では、前述の図2に示す本実施形態の光学部材1の断面に相当する比較例の光学部材9の断面を拡大して示している。
比較例の光学部材9は、遮光部930の断面形状が楔形形状である点が異なる以外は、本実施形態の光学部材1と同様の形態である。したがって、同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
比較例の光学部材9では、単位光学形状921は、第1の面922の−X側に第2の面923を有し、第1の面922の+X側に、−X側に傾斜する第3の面924を備えている。第2の面923が厚み方向となす角度は、角度θ2であり、本実施形態の角度θ2と等しい。角度θ2は、θ2=0°であるため、図8では、角度θ2を省略して示している。第3の面924が厚み方向となす角度は、角度θ3であり、本実施形態の角度θ3に等しい。この遮光部930は、非対称な楔形形状である。
この比較例の光学部材9は、光学設計上は、本実施形態の光学部材1と同様の光制御機能を果たす光学部材である。
比較例の遮光部930では、本実施形態と同様に、着色材を含有する紫外線硬化型樹脂等の光反応性樹脂を、遮光部930を形成する樹脂材料の母材とした場合、表面側(+Z側)と裏面側(−Z側)での遮光部930の厚さ(X方向の寸法)の差が大きいため、樹脂材料のOD値を高くすると厚さが大きい部分で十分に硬化することができず、硬化にムラが生じ、光学部材としての品質が低下する。また、樹脂材料のOD値を低くすると、硬化ムラは抑制できるが厚さの小さい部分(裏面側先端部)に入射した光が吸収されることなく遮光部930を透過して出射してしまい、遮光性能が低下する。
これに対して、本実施形態では、遮光部30において厚さが寸法d1である部分(第1部分33の平坦部32近傍)でのOD値が1であり、厚さが寸法d2である部分(第2部分34)でのOD値が2である。したがって、遮光部30を十分硬化でき、かつ、入射光を吸収して十分に遮光でき、遮光性能が高い光学部材1とすることができる。
また、本実施形態の遮光部30は、図8に示すような楔形形状の遮光部930に比べて、各部の厚み(幅)の変化が小さいため、硬化ムラ等が生じにくく、光学部材1の品質を高めることができる。
したがって、本実施形態によれば、紫外線を照射して遮光部30の樹脂材料を硬化させる際に、OD値(光吸収率)が高い樹脂材料を用いていても、十分に硬化させることができ、第1部分33の裏面側(−Z側)先端部等、厚みの薄い部分に光が入射しても、十分に光を吸収でき、光制御機能を高くすることができる。また、本実施形態によれば、厚みによる硬化ムラを抑制でき、遮光部30の形成が容易であり、品質の高い光学部材1を提供できる。
また、このとき、本実施形態の単位光学形状21の第1の面22は、厚み方向(Z方向)において同じ位置にあり、XZ面に平行な同一平面上に位置するので、スキージングが容易に行える。
なお、遮光部30は、隣り合う単位光学形状21の谷間への樹脂材料の充填、硬化を複数回繰り返すことによって形成されるようにしてもよい。これにより、樹脂材料の硬化過程において、遮光部30の表面にひずみが生じたとしても、そのひずみをより小さくすることができる。
また、遮光部30は、光学形状層20の片面側からだけでなく、両面(+Z側の面、−Z側の面)から紫外線を照射して硬化させてもよい。このとき、片面ずつ交互に照射してもよいし、同時に両面から照射してもよい。これにより、より十分に遮光部30を硬化させることができる。
続いて、接合層40に係る接合材料を単位光学形状21及び遮光部30の表面に塗布して、その上に第2基材層50を貼り合わせて、接合材料を硬化させることにより、光学部材1が完成する。
接合層40に用いる接合材料は、単位光学形状21と接合層40との間で光が屈折することを抑制する観点から、光学形状層20と同様の材料を用いるのが望ましい。
以上のことから、本実施形態によれば、光学部材1は、以下の効果を奏する。
(1)光学部材1は、単位光学形状21及び遮光部30の配列方向(X方向)において、入射した光のうち特定の方向(入射角度範囲)の光を第2の面23を通じて遮光部30により遮光するとともに、その反対側から入射する光を含めそれ以外の方向からの光の多くを透過させることができる。
(2)光学部材1は、遮光部30が第1部分33及び第2部分34を有し、その断面形状がいわゆるL字型形状であり、楔形の断面形状を有する遮光部(図6に示す比較例の遮光部430)に比べて、各部における寸法(幅)の変化が小さい。したがって、樹脂材料として単位光学形状21(光学形状層20)と同様の紫外線硬化型樹脂を使用し、そのOD値を厚さが寸法d1である部分で0.5〜2、厚さが寸法d2である部分で1〜3と大きくした場合にも、遮光部30を十分に硬化させることができ、厚みの差による硬化ムラを抑制でき、遮光部30の形成が容易である。また、樹脂材料のOD値を高くできるので、第1部分33の裏面側(−Z側)先端部等、厚みの薄い部分に光が入射しても、十分に光を吸収でき、漏れ光を大幅に低減でき、遮光性能を高くすることができる。
(3)光学部材1は、単位光学形状21の第1の面22と遮光部30の面31とが厚み方向(Z方向)において同じ位置であるので、遮光部30の形成が容易となり、量産可能である。
(4)光学部材1は、角度θ3[°]が、光学形状層20の屈折率をn1とするとき、arcsin(1/n1)−5°≦θ3≦arcsin(1/n1)+5°を満たし、かつ、角度θ2に対して、θ3>θ2を満たす。これにより、光学部材1は、特定の方向から入射する光を遮光するとともに、断面形状が長方形形状等の遮光部を備える従来の光学部材では遮光されていた特定の方向の反対側(配列方向における反対側)に相当する角度範囲から入射する光を透過することができ、光学部材1を透過する透過光量を適切に維持することができる。
(5)光学部材1は、遮光部30の屈折率n2が、光学形状層20(単位光学形状21)の屈折率n1以上であるので、単位光学形状21を透過する光のうち第2の面23等に入射する光を全反射させることなく遮光部30において確実に吸収させることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の光学部材2を説明する図である。図4は、光学部材2の厚み方向(Z方向)に平行であって、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向(X方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。なお、図4では、光学形状層220のみを示し。光学部材2を構成する基材層10、接合層40、第2基材層50の図示は、省略している。
第2実施形態の光学部材2は、光学形状層(単位光学形状)及び遮光部の形態が異なる点以外は、前述の第1実施形態と同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の単位光学形状221は、図4に示す光学部材2(光学形状層220)の断面において、前述の第1実施形態の単位光学形状21と同様に、第1の面22と、第1の面の−X側に位置する第2の面23と、第1の面の+X側であって第2の面23に対向する位置に設けられた折れ面を形成する第3の面24、第4の面25、第5の面26とを有している。
図4に示すように、配列されている複数の単位光学形状221は、その断面形状が相似形であるが、大きさが一定ではない。
遮光部230は、隣り合う単位光学形状221の間の谷部に形成されており、図4に示す光学部材2の断面において、前述の第1実施形態と同様に、厚み方向(Z方向)に延びる第1部分33と、第1部分33の表面側(+Z側)端部から−X側に延びる第2部分34とを有するL字形状となっている。
図4に示すように、配列されている複数の遮光部30は、その断面形状が相似形状であるが、大きさが一定ではない。
また、遮光部230は、第1実施形態と同様に、寸法d1、寸法d2でのOD値が設定されている。本実施形態では、配列される遮光部230の大きさは一定ではないため、各遮光部230での寸法d1、寸法d2が異なる。そのため、寸法d1におけるOD値、寸法d2におけるOD値は、各遮光部230で異なるが、それぞれ0.5〜2の範囲内、1〜3の範囲内を満たすように適宜設定されている。
ここで、単位光学形状221及び遮光部230について、さらに詳細に説明する。
上述のように、配列されている複数の単位光学形状221は、断面形状が相似形状であって、その大きさが一定ではない。また、配列されている複数の遮光部230も、断面形状が相似形であって、その大きさが一定ではない。
したがって、第1の面22及び第2の面23が厚み方向(Z方向)とそれぞれなす角度θ1,θ2は、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向(X方向)において一定である。
また、本実施形態においても、角度θ4は、第2の面23の最も裏面側となる点23aと第1の面22の+X側の端点22aとを通る直線(図4中に一点鎖線で示す直線S)が、厚み方向(Z方向)となす角度である。この角度θ4は、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向において、単位光学形状221及び遮光部230の大きさに依らず、一定である。また、角度θ4は、第1実施形態と同様に、単位光学形状221(光学形状層220)の臨界角より小さく、角度θ3に比べて小さい(θ4<θ3)。
また、単位光学形状21の配列方向(X方向)における角度θ4一定であることから、図4に示す光学部材2の断面において、単位光学形状221の配列方向(X方向)における第1の面22の寸法aと、その単位光学形状21の第2の面23側(−X側)に隣接する遮光部230の厚み方向(Z方向)における寸法hとの比a/hも、単位光学形状221の配列方向において、単位光学形状221及び遮光部230の大きさに依らず一定となる。この比a/hは、角度θ4に応じた値となる。
さらに、図4に示す光学部材2の断面において、単位光学形状221の第1の面22の配列方向における寸法がaであり、その単位光学形状221の−X側に隣接する遮光部230の面31の配列方向における寸法がbであり、遮光部230の配列ピッチ(すなわち、単位光学形状221の配列ピッチ)Pは、P=a+bである。
前述のように、本実施形態では、単位光学形状21及び遮光部230の断面形状の大きさは一定ではないため、寸法a,bも単位光学形状21及び遮光部230の配列方向において一定ではない。したがって、配列ピッチPは、遮光部230及び単位光学形状221の配列方向(X方向)において、一定ではない。
本実施形態では、配列ピッチPは、50〜1500μmの範囲内の数値であり、寸法aは、15〜450μmの範囲内の数値となっている。
このように、光学部材1は、配列方向において、遮光部30の配列ピッチ(単位光学形状221の配列ピッチ)Pが一定ではないが、角度θ2,θ3,θ4が一定であり、光学部材2を透過した光による回折現象を抑制しつつ、遮光する光の入射角度範囲を配列方向において一定に保つことができる。
また、厚み方向(Z方向)において第1の面22及び面31が同一平面上(光学形状層20の一方の面220a上)に位置するので、光学部材2の光制御機能が配列方向においてばらつくことがない。
また、図4に示す光学部材2の断面において、単位光学形状221の第1の面22の寸法aと、その単位光学形状21の第2の面23側(−X側)に隣接する遮光部230の面31の寸法bとの比a/bは、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向において、単位光学形状221及び遮光部230がそれぞれ相似形であることから、単位光学形状221及び遮光部230の大きさに依らず一定である。
これにより、光学部材1は、単位光学形状21及び遮光部30の配列方向(X方向)において、光の透過率を一定とすることができ、光学部材1上の場所による明るさムラ等を大幅に抑制できる。
以上のことから、本実施形態によれば、光学部材2は、第1実施形態の光学部材1と同様に、特定の方向(角度範囲)からの入射光を遮光し、それ以外の方向の光の多くを透過することができ、かつ、高い光制御機能を奏することができる。また、本実施形態によれば、光学部材2は、第1実施形態の光学部材1と同様に、遮光部230を十分硬化させることができ、製造が容易である。
また、本実施形態によれば、光学部材2は、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向において、角度θ4(比a/h)が一定であって、かつ、遮光部230の配列ピッチPが一定ではないので、光学部材2を透過する光による回折現象を抑制できる。これにより、回折現象によるゴースト像を抑制でき、光学部材2を通してその向こう側(本実施形態では屋外)を観察した場合に、景色がにじんだり、ぼやけたりすることがなく、快適な視認性を得ることができる。
従来の断面形状が長方形形状の遮光部を備える光学部材では、回折現象を抑制するために遮光部の配列ピッチが一定ではない形態とした場合、遮光したい光の角度範囲が配列ピッチの変化とともに変化し、光制御機能にばらつきが生じ、品質が低下する。また、従来の光学部材では、回折現象を抑制するために遮光部の配列ピッチを大きくすると、光制御機能を維持するためには遮光部の厚み方向の寸法を大きくする必要があり、光学部材の厚みが増大したり、遮光部が筋状に観察されたりする。
これに対して、光学部材2は、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向(X方向)において、遮光部230の配列ピッチPが一定ではなく、かつ、角度θ4(比a/h)が一定であるので、回折現象を抑制しながら、遮光したい光の入射角度を遮光部230の配列方向において一定に保つことができ、光学部材2の光制御機能が配列方向においてばらついたりすることがなく、高い光制御機能を発揮できる。
また、光学部材2は、遮光部230の配列ピッチPが一定ではない形態とすることで回折現象を抑制しており、光制御機能を維持しながら回折現象を抑制するために、配列ピッチPを大きくし、それに応じて遮光部230の厚み方向(Z方向)の寸法を大きくする必要がなく、光学部材2の厚さを従来のものに比べて薄くできる。
また、本実施形態によれば、光学部材2は、単位光学形状221及び遮光部230の配列方向(X方向)において、第1の面222の寸法aとその単位光学形状221の第2の面23側(−X側)に隣接する遮光部230の面31の寸法bとの比a/bが一定であるので、遮光部230の配列ピッチPが一定でないにも関わらず、光学部材2を透過する光の透過率が単位光学形状221及び遮光部230の配列方向において一定であり、光学部材2上の場所による明るさムラ等を大幅に抑制できる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)各実施形態において、光学形状層と基材層とは、別部材で形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、光学形状層と基材層とが同一部材により一体に形成されるようにしてもよい。これにより、基材層と光学形状層との間に屈折率界面が形成され、両層間において入射光が屈折してしまうのを回避することができる。
(2)各実施形態において、遮光部を形成する樹脂材料の母材として、紫外線硬化型樹脂を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、PET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC樹脂、MS(メタクリルスチレン)樹脂、MBS(メタクリルブタジエンスチレン)樹脂等を用いてもよい。このような樹脂を用いた場合にも、各実施形態の遮光部の形状とすることにより、遮光部を十分硬化させることができ、光学部材の製造が容易に行える。
(3)各実施形態において、光学部材を2枚の透明基材70,71、例えば、ガラス基板に挟持して、合わせガラス状の光学部材700の形態としてもよい。
図5は、光学部材の変形形態を示す図である。図5では、図1等と同様に、XZ面に平行な光学部材700(光学部材1)の断面を示しており、光学形状層20は簡略化しており、単位光学形状及び遮光部は省略して示している。
この場合、光学部材1と各透明基材70,71との間には透明な接合材72,73(例えば、PVB等)が設けられ、光学部材1と各透明基材70,71とが接合される。
また、基材層10及び第2基材層50をそれぞれ、透明基材(ガラス基板)に置き換えて合わせガラス状の光学部材を形成するようにしてもよい。これにより、合わせガラス状の光学部材の層構成をより単純化することができ、製造コストを低減し、製造効率を向上させることができる。
なお、ここでは、第1実施形態の光学部材1を透明基材70,71及び透明な接合材72,73で挟む例を示したが、これに限らず、他の実施形態の光学部材を用いてもよい。
(4)各実施形態において、単位光学形状及び遮光部の配列方向及び厚み方向に平行な断面(XZ面)において、単位光学形状は、第2の面に対向する+X側の面が第3の面、第4の面、第5の面からなる折れ面である例を示したが、これに限らず、例えば、単位光学形状は、第2の面に対向する+X側の面が遮光部側へ凸となる曲面を有する形態であってもよい。この場合、遮光部の断面形状は、−X側が凹状にくぼんだ形状となる。
図6は、光学部材の変形形態を説明する図である。図6では、単位光学形状321及び遮光部330の配列方向及び光学部材3の厚み方向に平行な断面を示している。ここでは、第1実施形態の光学部材1の変形形態を例に挙げて説明するが、第2実施形態の光学部材2においても同様の変形形態が可能である。
図6に示すように、変形形態の光学部材3では、単位光学形状321の+X側は、+X側に隣接する遮光部330側へ凸となる曲面327となっている。したがって、遮光部330は、−X側が凹状にくぼんだ形状となっている。このような形態としても、前述の第1実施形態等と同様の効果を奏することができる。
(5)各実施形態において、遮光部は、単位光学形状及び遮光部の配列方向及び厚み方向に平行な断面において、第1部分33の表面側(+Z側)端部から第2部分34とは反対側、すなわち、+X側へ面20aに沿って突出する凸部を有していてもよい。
図7は、光学部材の変形形態を示す図である。図7では、単位光学形状21及び遮光部430の配列方向及び光学部材4の厚み方向に平行な断面を示している。ここでは、第1実施形態の光学部材1の変形形態を例に挙げて説明するが、第2実施形態の光学部材2においても同様の変形形態が可能である。
図7に示すように、変形形態の光学部材4の遮光部430は、凸部435を有している。この凸部435は、遮光部430の面31を構成しており、光学形状層20の面20aに沿って+X側に凸となっている。凸部435は、凸部435がない場合に、遮光部430と単位光学形状421(光学形状層20)との界面で反射して光学部材4を透過してしまう光L40を吸収することができる。したがって、光L40のような光が光学部材4を透過してゴースト像を生じさせ、光学部材4を通して向こう側を観察した場合に、景色がにじんだりぼけたりすることを抑制することができる。
このような凸部435を有する場合、遮光部430は、着色材として、灰色系や黒色系等の暗色系の粒子を用いることが特に好ましいが、これに限らず、各実施形態に示した染料や顔料等の他の着色材を用いてもよい。
なお、凸部435は、図7に示す光学部材4の断面において、断面形状が三角形形状である例を示したが、これに限らず、断面形状を矩形形状等の他の多角形形状や長円形状等としてもよいし、凸部435は、裏面側(−Z側)の面が曲面によって形成される形状としてもよい。
(6)各実施形態において、第2の面23は、微細な凹凸形状を有する粗面としてもよい。このような形態とすることにより、遮光部に入射させて遮光したい光の一部が、第2の面23で反射して光学部材を透過し、光制御機能が低下することを抑制できる。
(7)各実施形態において、光学部材の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して光学部材に設けてもよい。
(8)各実施形態において、遮光部は、その表面側(+Z側、基材層10とは反対側)の面に光反射特性を有し、単位光学形状に接する面に光吸収特性を有するようにしてもよい。すなわち、遮光部は、表面側(+Z側)から順に、光反射特性を有する光反射部、光吸収特性を有する光吸収部が積層された形態とし、遮光部の表面側の面は、光反射部により形成され、遮光部の単位光学形状に接する面は、ほとんどが光吸収部により形成されるようにしてもよい。なお、平坦部を有する遮光部の場合、平坦部は光吸収部により形成される。
これにより、例えば、光学部材の表面に太陽光が入射した場合に、遮光部の表面側(+Z側)に位置する光反射部により太陽光を反射させることができ、太陽光の入射により、遮光部が加熱されてしまうのを大幅に抑制することができ、光学部材の熱に対する耐久性を向上させることができる。
このような遮光部は、例えば、以下のようにして形成することができる。
まず、単位光学形状21間の谷間に光吸収部を形成する樹脂材料をワイピング等により充填し、硬化させる。このとき、光吸収部を形成する樹脂材料は、谷間の両縁まで充填されるが、縁間の表面中央部には窪みが形成されるように充填する。
次に、この窪みに光反射部を形成する樹脂材料をワイピング等により充填し、硬化させる。なお、光反射部には、上述の変形形態(1)に記載の光反射材を含有した樹脂等を適宜用いることができる。以上により、表面側から順に光反射部、光吸収部が積層された遮光部30が作製される。
(9)第1実施形態において、角度θ1,θ2,θ3,θ4は、それぞれ光学部材1の全面において一定である例を示したが、これに限定されるものでなく、配列方向における位置に応じて、異なる角度に設定されるようにしてもよい。
また、第2実施形態において、角度θ1,θ2,θ3は、それぞれ光学部材2の全面において一定である例で説明したが、これに限定されるものでなく、配列方向における位置に応じて、異なる角度に設定されるようにしてもよい。また、第2実施形態において、光学部材2の使用用途や使用環境等に応じて、光学部材2上の領域ごとに角度θ4を変えてもよい。例えば、光学部材2上のある領域A(不図示)の角度θ4とその領域に隣接する領域B(不図示)における角度θ4は異なるが、それぞれの領域内における角度θ4は単位光学形状221の配列方向(X方向)において一定である形態としてもよい。このような形態とすることにより、光学部材2上の領域に応じて遮光したい光の方向(入射角度)が相違する場合に、適切に入射光の透過を制限することができる。
(10)第2実施形態において、複数の単位光学形状221及び遮光部230からなる群が繰り返して配列される形態としてもよい。この場合、配列方向における1つの群の幅、すなわち群の配列ピッチは、0.5mm以上であることが、回折現象を抑制する観点から好ましい。群の配列ピッチが0.5mm未満となると、回折現象が生じやすくなるため、好ましくない。
このような形態とすることにより、光学形状層220の成形型の製造が容易となり、光学部材1の製造がより容易に行える。
(11)各実施形態において、光学部材は、厚み方向(Z方向)において、第2基材層50側を光の入射側とする例を挙げて説明したが、基材層10側を光の入射側として使用してもよい。このような形態で光学部材を使用しても、同様の光制御効果が得られる。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1,2 光学部材
10 基材層
20,220 光学形状層
20a,220a 一方の面
21,221 単位光学形状
22 第1の面
23 第2の面
24 第3の面
25 第4の面
26 第5の面
30,230 遮光部
31 面
32 平坦部
33 第1部分
34 第2部分
40 接合層
50 第2基材層
100 建物
120 天窓

Claims (7)

  1. 入射する光のうち特定の角度範囲から入射する光を遮光する光学部材であって、
    光透過性を有し、単位光学形状が一方の面に複数配列された光学形状層と、
    隣り合う前記単位光学形状の間に設けられ、入射した光を遮光する遮光部と、
    を備え、
    前記単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面において、
    前記遮光部は、厚み方向に沿って延びる第1部分と、前記第1部分の前記一方の面側端部から、前記配列方向の一方側へ延びる第2部分とを有し、
    前記第1部分の先端部の前記一方側の点と前記第2部分の先端部の前記一方の面側とは反対側の点とを通る仮想直線よりも前記単位光学形状が前記遮光部側へ突出している
    光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材において、
    前記第1部分において前記単位光学形状の配列方向における寸法が最も小さい部分での寸法をd1[μm]とし、前記第2部分において該光学部材の厚み方向の寸法が最も小さい部分での寸法をd2[μm]とするとき、d1≦d2であり、寸法d1におけるOD値が0.5以上2以下であり、寸法d2におけるOD値が1以上3以下である
    光学部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学部材において、
    基材層は、厚み方向における光の透過率が20%以上80%以下である
    光学部材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記単位光学形状は、
    前記単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面における断面形状が多角形形状であり、
    前記一方の面に位置し、該光学部材を透過する光が入射又は出射する第1の面と、
    該光学部材の厚み方向に対して平行又は平行とみなせる角度をなし、前記一方の面側の端縁が前記第1の面の一端と一致する第2の面と、
    前記第1の面の他方側に位置し、前記第2の面と対向する折れ面を形成する3つの面であって、最も裏面側に位置し厚み方向に対して傾斜する第3の面と、前記第3の面の前記一方の面側に位置し、シート面に平行又は平行とみなせる角度をなす第4の面と、前記第4の面の前記一方の面側に位置し、該光学部材の厚み方向に対して傾斜する第5の面とを備え、
    前記単位光学形状の前記第1の面の他端と前記第2の面の前記一方の面側とは反対側の端縁とを通る直線が該光学部材の厚み方向となす第1の角度は、
    前記単位光学形状における臨界角よりも小さく、
    前記第3の面の該光学部材の厚み方向において前記一方の面側とは反対側の端縁と、前記第4の面の前記第5の面側の端縁とを通る直線が該光学部材の厚み方向となす第2の角度よりも小さい
    光学部材。
  5. 請求項4に記載の光学部材において、
    前記第1の角度は、前記単位光学形状の配列方向において一定であり、かつ、
    前記単位光学形状の配列方向における前記遮光部の配列ピッチは、一定ではない
    光学部材。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記遮光部は、前記単位光学形状よりも屈折率が大きい
    光学部材。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光学部材を備える窓。
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