JP2021030854A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーフに収納させる構成であっても、前方移動する乗員に加えて、斜め前方に向かって移動する乗員も保護可能なエアバッグ装置を提供すること。【解決手段】シートDSに着座した乗員MDの上方のルーフRF側に収納されて、膨張用ガスの流入時に、下方に展開膨張して、前記乗員を保護可能なエアバッグ20を、備える。エアバッグが、乗員の上半身を拘束可能に構成されるとともに、膨張完了時の後面側に、車両の前突時に前方移動する乗員の頭部MHを保護可能とする前突用拘束面37と、前突用拘束面における左右方向の両端側において後方に突出するように形成されて、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能な突出膨張部35L,35Rと、を配設させている。【選択図】図10

Description

本発明は、シートに着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に、下方に展開膨張して、乗員を保護可能なエアバッグを、備えるエアバッグ装置に、関する。
従来、エアバッグ装置としては、ルーフ側に折り畳まれて収納され、前進移動する乗員の上半身を保護可能に、乗員の前方側で膨張するエアバッグを、備える構成のものがあった(例えば、特許文献1〜3参照)。
特表2002−508273公報 特許第3583720号公報 米国特許出願公開第2017/113646号明細書
これらの従来のエアバッグ装置は、いずれも、膨張を完了させたエアバッグにより、前方移動する乗員の上半身を拘束可能な構成であるが、車両の斜突時やオフセット衝突時等において、斜め前方に向かって移動する乗員に関しては、考慮されておらず、斜め前方に向かって移動する乗員も保護する点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ルーフに収納させる構成であっても、前方移動する乗員に加えて、斜め前方に向かって移動する乗員も保護可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、シートに着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に、下方に展開膨張して、乗員を保護可能なエアバッグを、備えるエアバッグ装置であって、
エアバッグが、乗員の上半身を拘束可能に構成されるとともに、膨張完了時の後面側に、
車両の前突時に前方移動する乗員の頭部を保護可能とする前突用拘束面と、
前突用拘束面における左右方向の両端側において後方に突出するように形成されて、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能な突出膨張部と、
を配設させる構成とされていることを特徴とする。
本発明のエアバッグ装置では、エアバッグは、収納されているルーフ側から下方に展開膨張して、乗員の前方を覆うように配置されることとなる。そして、本発明のエアバッグ装置では、車両の前突時には、前方に向かって移動する乗員は、エアバッグの前突用拘束面により頭部を保護されることとなり、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時には、斜め前方に向かって移動する乗員は、エアバッグにおいて前突用拘束面の左右両端側において後方に突出している突出膨張部により頭部を保護されることなる。
したがって、本発明のエアバッグ装置では、ルーフに収納させる構成であっても、前方移動する乗員に加えて、斜め前方に向かって移動する乗員も保護することができる。
また、本発明のエアバッグ装置において、エアバッグを、形状制御機構により、膨張完了形状を制御される構成とし、
形状制御機構を、
先端側をエアバッグ内における前突用拘束面側に連結される規制ベルトと、
エアバッグを収納させる収納部位側において、規制ベルトの元部側を連結させるとともに、収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを、少なくとも長短2段階のモードで調整可能な長さ調整手段と、
を備える構成とし、
エアバッグを、長さ調整手段により規制ベルトを短くした状態での膨張時に、突出膨張部の前突用拘束面からの突出状態を維持可能とし、長さ調整手段により規制ベルトを長くした状態での膨張時に、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸差を減少させるように膨張完了可能に、構成することが、好ましい。
エアバッグ装置をこのような構成とすれば、エアバッグを、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸差に変化を設けるようにして、外形形状を異ならせて膨張させることができて、小柄な体格着座姿勢や着座位置、体格等の異なる乗員を、的確に保護することも可能となる。具体的には、収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを短くして前突用拘束面と突出膨張部との凹凸を大きく維持した状態でエアバッグを膨張させる場合には、例えば、小柄乗員や、収納部位に対して近接して着座している乗員等を、的確に保護することができ、収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを長くして前突用拘束面と突出膨張部との凹凸を小さくした状態でエアバッグを膨張させる場合には、例えば、大柄乗員や、収納部位から離隔して着座している乗員、背もたれ部を後傾させるようにして着座している乗員等を、的確に保護することができる。
さらに、上記構成のエアバッグ装置において、エアバッグに、各突出膨張部と前突用拘束面との間に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部を、配設させる構成とされ、
前記規制ベルトの先端を、拘束用凹部の凹みの先端に連結させる構成とすることが、好ましい。
エアバッグ装置をこのような構成とすれば、長さ調整手段により収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを短くした状態でエアバッグを膨張させる場合には、突出膨張部と前突用拘束面との間に、拘束用凹部が配設されることから、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、突出膨張部における前突用拘束面側の面に接触させ、この面によって、拘束用凹部内に案内させることができて、乗員の頭部を、拘束用凹部内に進入させつつ、受け止めることができる。そのため、拘束用凹部により、乗員の頭部をソフトに拘束することができる。また、上記構成のエアバッグ装置において、長さ調整手段により収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを長くした状態でのエアバッグの膨張時には、拘束用凹部が、突出膨張部と前突用拘束面との間から、反転しつつ、繰り出されるように配置されることとなって、前突用拘束面の膜長を実質的に増大させるような態様となり、前突用拘束面を、一層後方へ突出させるように膨張させることができて、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸差を、安定して減少させるように、膨張させることができる。
さらに、上記構成のエアバッグ装置において、エアバッグを、前突用拘束面として、第1の乗員としての運転席に着座した運転者の頭部を保護可能な運転者前突用拘束面と、第2の乗員としての助手席に着座した助手席搭乗者の頭部を保護可能な助手席搭乗者前突用拘束面と、を有するとともに、さらに、運転者前突用拘束面及び助手席搭乗者前突用拘束面の左右両端側にそれぞれ配設される突出膨張部部を、備える構成としてもよく、このような構成とする場合、第1の乗員用の運転者前突用拘束面と第2の乗員用の助手席搭乗者前突用拘束面との間に配置される突出膨張部を、共用とすることが、好ましい。
本発明の第1実施形態であるエアバッグ装置が搭載される付近を示す概略断面図である。 第1実施形態のエアバッグ装置の概略拡大断面図である。 第1実施形態のエアバッグ装置で使用されるケースの概略斜視図である。 第1実施形態のエアバッグ装置で使用されるエアバッグを単体で膨張させた状態の概略斜視図である。 図4のエアバッグの左右方向に沿った概略横断面図である。 図4のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図であり、前突用拘束面の部位での断面図である。 図4のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図であり、拘束用凹部の部位での断面図である。 図4のエアバッグを構成する基材を示す平面図である。 図4のエアバッグを構成する基材の残りを示す平面図である。 第1実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略側面図である。 第1実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 本発明の第2実施形態のエアバッグ装置の概略拡大断面図である。 第2実施形態のエアバッグ装置における係止部材を示す概略図である。 第2実施形態のエアバッグ装置で使用されるエアバッグを単体で膨張させた状態の左右方向に沿った概略横断面図である。 図14のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図14のエアバッグを構成する規制ベルトと前パネル部とを並べた平面図である。 第2実施形態のエアバッグ装置において、規制ベルトの係止部材との係止を維持させた状態で、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略側面図である。 第2実施形態のエアバッグ装置において、規制ベルトの係止部材との係止を解除させた状態で、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略側面図である。 図14のエアバッグにおいて、規制ベルトの係止部材との係止を解除させて膨張させた状態での左右方向に沿った概略横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグ装置の概略平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態では、シートとしての運転席DSに着座した乗員としての運転者MDを保護するためのエアバッグ装置M1について、説明をする。第1実施形態のエアバッグ装置M1は、図1に示すように、ルーフRFにおいて、運転席DSの上方となる領域に搭載されるもので、詳細には、ルーフRFの前縁側に、搭載されている。エアバッグ装置M1は、図1,2に示すように、折り畳まれて収納されるエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター15と、エアバッグ20とインフレーター15とを収納させるケース10と、折り畳まれたエアバッグ20を覆うエアバッグカバー7と、を備えている。
エアバッグカバー7は、ルーフRFの車内側を覆う合成樹脂製のルーフヘッドライニング5の前縁5a側の部位から構成されるもので、エアバッグ20の展開膨張時に、前縁を下方に向けるように押し開かれて、エアバッグ20を下方に突出可能な扉部7aを、有する構成とされている。
ケース10は、板金製の略箱形状として、前端側に、エアバッグ20を突出させるための突出用開口10aを有する構成とされている。実施形態の場合、ケース10は、図3に示すように、前上縁側における左右両縁側と、後上縁側における左右両縁近傍と、の4箇所に、水平面に略沿って延びるように形成されてボディ側のクロスメンバ3に取り付けられる取付片11を、配設させる構成とされ、上面側を、クロスメンバ3に近接させた状態で、搭載されることから(図2参照)、前端側の突出用開口10aに加えて、上面側も切り欠かれて構成されている。すなわち、ケース10は、折り畳まれたエアバッグ20の左右両側と、後方側と、下面側と、を覆うように、構成されている。
インフレーター15としては、外形形状を略円柱状とされるシリンダタイプのものが使用されている。インフレーター15は、ケース10の後端側の領域内において、軸方向を左右方向に略沿わせるように配置されている。具体的には、インフレーター15は、一端側に、膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口(図符号省略)を備え、ガス吐出口から吐出される膨張用ガスをエアバッグ20内に流出させる構成である。実施形態の場合、インフレーター15は、端部を後述する挿通孔22bから突出させ、取付手段としてのボルト15aを後述する取付孔22aを経て外部に突出させるようにして、エアバッグ20内に収納され、このボルト15aとナット16とを利用して、エアバッグ20とともに、ケース10における後壁部12に、取り付けられている(図2参照)。実施形態では、インフレーター15は、車両の前面衝突と、斜め衝突と、オフセット衝突と、の際に作動するように、図示しない制御装置によって作動を制御されている。
エアバッグ20は、実施形態の場合、図4〜7に示すように、バッグ本体21と、バッグ本体21の内部に配置されてバッグ本体21の膨張完了形状を規制するテザー50L,50R,52L,52Rと、を備える構成とされている。
バッグ本体21は、可撓性を有したシート体から形成される袋状とされるもので、膨張完了時に、ケース10から下方に突出して、運転者MDと、運転者MDの前方のステアリングホイールWとの間の隙間を塞ぐように配置される構成である(図1の二点鎖線及び図10,11参照)。バッグ本体21は、実施形態の場合、図4〜7に示すように、本体膨張部24と、膨張完了時の本体膨張部24の上端24a側に配置される取付部22と、膨張完了時の本体膨張部24の後面側における左右両端側から突出するように配置される2つの突出膨張部35L,35Rと、を備えている。
本体膨張部24は、エアバッグ20の膨張完了時に、ステアリングホイールWの後面側を略全面にわたって覆うように配置される部位であり、詳細には、下端24bを、ステアリングホイールWにおけるリング部Rの下端Raよりも下方に位置させるように、構成されている。また、本体膨張部24は、膨張完了時の左右方向側の幅寸法を、運転者MDを安定して保護可能に、運転席DSよりもわずかに小さく設定されて、構成されている(図11参照)。本体膨張部24は、前後方向側で対向する前壁部26,後壁部27と、左右方向側で対向して配置される左壁部28,右壁部29と、を備えている。左壁部28,右壁部29には、内部に流入した余剰の膨張用ガスを排気させるためのベントホール32,32が、略円形に開口して、形成されている。実施形態の場合、ベントホール32,32は、左壁部28,右壁部29における上下の略中央における後端付近(突出膨張部35L,35Rとの境界部位付近)に、配設されている。前壁部26は、エアバッグ20の膨張完了時に、ステアリングホイールWにおけるリング部Rのリング面Rfに略沿うように配設されるもので(図10参照)、運転者MDの受止時に、車体側の部材であるステアリングホイールWのリング部Rに当接可能に、構成されている。後壁部27は、エアバッグ20の膨張完了時に、乗員としての運転者MD側となる後面側において、前壁部26に略沿うように、換言すれば、上下方向に略沿うように配置されるもので、左右両端側に、後方に突出するように膨張する突出膨張部35L,35Rを、配設させている。実施形態のエアバッグ20では、後壁部27において、突出膨張部35L,35R間に配置される領域が、車両の前突時に前方移動する運転者MDの頭部MHを保護可能な前突用拘束面37を、構成している。
取付部22は、本体膨張部24の上端24a側において、後上方に向かって突出するように形成されるもので、エアバッグ20の膨張完了時に、ケース10内に配置される部位である。この取付部22は、車幅方向側(左右方向側)の幅寸法を、本体膨張部24の車幅方向側(左右方向側)の幅寸法よりも小さく設定されて、車幅方向側の幅寸法及び厚さ寸法を、ケース10内に配置可能な寸法に、設定されている。また、取付部22における左右両端側には、インフレーター15を挿通させるための挿通孔22bが、形成されている(図4,6,7参照)。取付部22には、インフレーター15のボルト15aを突出させるための取付孔22aが、形成されている(図4参照)。
各突出膨張部35L,35Rは、膨張完了時の本体膨張部24の後面側に配置されるもので、実施形態の場合、上下方向側の幅寸法を、本体膨張部24(後壁部27)の上下方向側の幅寸法よりも僅かに小さくして、本体膨張部24の上下の略全域にわたって配置される構成とされている。これらの突出膨張部35L,35Rは、エアバッグ20の膨張完了時に、運転席DSに着座した運転者MDの左斜め前方,右斜め前方となる位置に、配置される(図11参照)。各突出膨張部35L,35Rは、本体膨張部24に連通される前端側を経て、内部に膨張用ガスを流入させて膨張するもので、膨張完了時の外形形状を、厚さ方向を左右方向に略沿わせるように配置される略板状として、左右方向側から見て後端側にかけて狭幅とされる略台形状とされている。各突出膨張部35L,35Rは、膨張完了時に車幅方向側(左右方向側)で対向するように配置される内壁部35bと外壁部35aとを備えており、各外壁部35aは、図5に示すように、本体膨張部24における左壁部28,右壁部29から連なるように、構成されている。各突出膨張部35L,35Rは、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部MHを保護可能に構成されている。具体的には、実施形態のエアバッグ20では、各突出膨張部35L,35Rにおける内壁部35bが、車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部MHを保護可能な斜突用拘束面38L,38Rを構成している。
突出膨張部35L,35Rは、膨張完了時の外形形状を同一として構成されるている。詳細には、突出膨張部35L,35Rの外形寸法(上下方向側の幅寸法及び前後方向側の幅寸法(後壁部27からの突出量))は、エアバッグ20の膨張完了時において、内壁部35b(斜突用拘束面38L,38R)によって斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部MHを接触させて、この運転者MDの頭部MHを的確に受け止め、かつ、後述する拘束用凹部40L,40Rに向かって円滑に案内可能な寸法に、設定されている。
実施形態のエアバッグ20では、各突出膨張部35L,35Rと後壁部27との間(前突用拘束面37と各斜突用拘束面38L,38Rとの境界部位)に、それぞれ、斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部MHを進入させるための拘束用凹部40L,40Rが、形成されている。各拘束用凹部40L,40Rは、各突出膨張部35L,35Rと、本体膨張部24における後壁部27と、の境界部位に、それぞれ、上下方向に略沿うようにして形成されるとともに、図5,7に示すように、後端40b側を開口させてポケット状に前方に凹む構成とされている。各拘束用凹部40L,40Rは、外形形状を同一として構成されるもので、左右方向側(車幅方向側)から見て上下に幅広とするとともに、前端40a側にかけて僅かに狭幅とされる略台形状の外壁部41L,41Rと内壁部42L,42Rとの外周縁を、後縁側を除いて、相互に連続的に結合(縫着)させて構成されている。実施形態の場合、各拘束用凹部40L,40Rは、後端40b側の部位の上下方向側の長さ寸法(開口幅寸法)を、突出膨張部35L,35Rにおける前端側の部位の上下方向側の幅寸法と略同一に、設定されている(図7参照)。
また、実施形態のエアバッグ20では、各拘束用凹部40L,40Rは、凹みの先端(前端40a)側を、バッグ本体21内に配置される凹部用テザー50L,50Rに連結されて、エアバッグ20の膨張完了時に、凹部用テザー50L,50Rによって、凹みの先端(前端40a)側を前方に牽引された状態で、配置されることとなる(図5参照)。実施形態の場合、各拘束用凹部40L,40Rは、エアバッグ20の膨張完了時に、内壁部42L,42Rと外壁部41L,41Rとを略全域にわたって接触させるようにして、それぞれ、突出膨張部35L,35Rの内壁部35bから連なるようにして、前端40aを車幅方向の内方に向けるように、前後方向に対して僅かに傾斜して、配置されることとなる。
バッグ本体21内において、バッグ本体21の膨張完了形状を規制するテザーとしては、実施形態の場合、本体膨張部24の領域内に、凹部用テザー50L,50Rが、配設され、各突出膨張部35L,35Rの領域内に、厚さ規制テザー52L,52Rが、配設されている。
凹部用テザー50L,50Rは、帯状として、エアバッグ20の膨張完了時に、図5,6に示すように、各拘束用凹部40L,40Rの凹みの先端(前端40a)側と、本体膨張部24における前壁部26と、それぞれ、を連結するように、配置されるもので、膨張完了時のエアバッグ20において、左右対称的に配置されるとともに、前壁部26に連結される前端50a側を、各拘束用凹部40L,40Rの先端(前端40a)に設けられる連結タブ40cに連結される後端50bよりも、車幅方向の内方に位置させるように、前後方向に対して僅かに傾斜して、配置される構成である。そして、この凹部用テザー50L,50Rは、長さ寸法を、エアバッグ20の膨張完了時に、拘束用凹部40L,40Rを凹部用テザー50L,50Rに略沿わせるようにして前方に牽引可能な寸法に、設定されている。
厚さ規制テザー52L,52Rは、各突出膨張部35L,35Rにおける前端付近(本体膨張部24との境界部位付近)において、それぞれ、内壁部35bと外壁部35aとを連結するように、車幅方向に沿って配置されている(図5参照)。各厚さ規制テザー52L,52Rは、帯状として、幅方向を上下方向に略沿わせるように配置されるとともに、膨張完了時のエアバッグ20において、左右対称的に、配置される。詳細には、各厚さ規制テザー52L,52Rは、それぞれ、2枚の帯状のテザー用基材53,53から、構成されている。この厚さ規制テザー52L,52Rは、膨張完了時のエアバッグ20において、各突出膨張部35L,35Rの厚さ寸法(内壁部35bと外壁部35aとの離隔距離)を規制するために、配設されている。
バッグ本体21は、所定形状の基布の周縁相互を結合させて袋状に形成されるもので、実施形態の場合、図8,9に示すように、左パネル部65L,右パネル部65Rと、前パネル部60と、後左パネル部72L,後中央パネル部76,後右パネル部72Rと、から構成されている。
前パネル部60は、外形形状を、長手方向を前後方向に略沿わせた略帯状とされるもので、膨張完了時の本体膨張部24の前壁部26から、取付部22にかけての部位を、構成している。前パネル部60は、実施形態の場合、左右対称形とされるもので、前壁部26を構成する幅広の前壁部構成部61と、取付部22を構成する狭幅の取付部構成部62と、を備えている。取付部構成部62は、先端側にかけて幅広とするように、構成されている。
左パネル部65Lは、膨張完了時の本体膨張部24における左壁部28から突出膨張部35Lの外壁部35aにかけてと、取付部22における左側の領域と、を構成している。詳細には、左パネル部65Lは、本体膨張部24の左壁部28を構成する略半楕円形状の本体構成部66Lと、本体構成部66Lの後上縁から突出する略帯状の取付部構成部67Lと、本体構成部66Lの後縁から部分的に突出して突出膨張部を構成する突出部構成部68Lと、を備えている。突出部構成部68Lは略台形状とされている。右パネル部65Rは、膨張完了時の本体膨張部24における右壁部29から突出膨張部35Rの外壁部35aにかけてと、取付部22における右側の領域と、を構成している。この右パネル部65Rは、左パネル部65Lと左右対称形とされるもので、左パネル部65Lと同様に、本体構成部66Rと、取付部構成部67Rと、突出部構成部68Rと、を備えている。
後左パネル部72Lは、膨張完了時の本体膨張部24における後壁部27の左縁側の部位を構成する略帯状とされるとともに、突出膨張部35Lの内壁部35bを構成する突出部構成部73Lと、拘束用凹部40Lの外壁部41Lを構成する凹部構成部74Lと、を、部分的に突出させている。具体的には、突出部構成部73Lは、外形形状を、左パネル部65Lにおける突出部構成部68Lと同一として、平らに展開した状態の後左パネル部72Lにおける外縁72cから突出し、凹部構成部74Lは、外形形状を略長方形状として、内縁72dから突出するように形成されている。後右パネル部72Rは、膨張完了時の本体膨張部24における後壁部27の右縁側の部位を構成するもので、後左パネル部72Lと左右対称形として、後左パネル部72Lと同様に、突出部構成部73Rと凹部構成部74Rとを備えている。
後中央パネル部76は、後壁部27における左右の中央側の領域を構成するもので、長手方向を上下方向に略沿わせた帯状として構成されて、左縁76c,右縁76dに、それぞれ、各拘束用凹部40L,49Rの内壁部42L,42Rを構成する凹部構成部77L,77Rを、部分的に、突出させている。凹部構成部77L,77Rは、外形形状を、後左パネル部72L,後右パネル部72Rにおける凹部構成部74L,74Rと同一とされるもので、この後中央パネル部76は、左右対称形とされている。
実施形態では、バッグ本体21を構成する前パネル部60,左パネル部65L,右パネル部65R,後左パネル部72L,後右パネル部72R,後中央パネル部76、凹部用テザー50L,50R、及び、厚さ規制テザー52L,52Rを構成するテザー用基材53は、それぞれ、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から、形成されている。
そして、実施形態のバッグ本体21は、図5〜9に示すように、前パネル部60,左パネル部65L,右パネル部65R,後左パネル部72L,後右パネル部72R,後中央パネル部76の対応する縁部相互を、縫合糸を用いて縫着(結合)させることにより、袋状とされている。
具体的には、前パネル部60の後上縁60aは、後左パネル部72L,後中央パネル部76,後右パネル部72Rの上縁72a,76aと結合され、後下縁60bは、後左パネル部72L,後中央パネル部76,後右パネル部72Rの下縁72b,76bと結合される。前パネル部60の左縁60cは、左パネル部65Lにおける本体構成部66Lの前縁66aから取付部構成部67Lの外周縁67aにかけてと、結合され、右縁60dは、右パネル部65Rにおける本体構成部66Rの前縁66aから取付部構成部67Rの外周縁67aにかけてと、結合される。左パネル部65Lにおける本体構成部66Lの後縁66b及び突出部構成部68Lの周縁68aは、後左パネル部72Lにおける外縁72c及び突出部構成部73Lの周縁73aと、結合される。右パネル部65Rにおける本体構成部66Rの後縁66b及び突出部構成部68Rの周縁68aは、後右パネル部72Rにおける外縁72c及び突出部構成部73Rの周縁73aと、結合される。後左パネル部72Lにおける内縁72d及び凹部構成部74Lの周縁74aは、後中央パネル部76における左縁76c及び凹部構成部77Lの周縁77aと、結合され、後右パネル部72Rにおける内縁72d及び凹部構成部74Rの周縁74aは、後中央パネル部76における内縁76d及び凹部構成部77Rの周縁77aと、結合される。
第1実施形態のエアバッグ装置M1では、車両に搭載した状態で、車両の前面衝突、斜め衝突、若しくは、オフセット衝突を検知すれば、図示しない制御装置がインフレーター15に作動信号を出力することとなって、エアバッグ20が、インフレーター15から吐出される膨張用ガスを内部に流入させて膨張し、エアバッグカバー7の扉部7aを押し開かせることとなる。そして、エアバッグ20は、エアバッグカバー7の扉部7aを押し開いて形成される突出用開口10aを経て、ケース10から前下方に向かって突出しつつ展開膨張して、図1の二点鎖線及び図10,11に示すように、運転者MDの前方を覆うように、膨張を完了させることとなる。
そして、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、エアバッグ20は、収納されているルーフRF側から下方に展開膨張して、本体膨張部24の前面をステアリングホイールW(特にリング部R)に支持された状態として、乗員としての運転者MDの前方を覆うように配置されることとなる。そして、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、車両の前突時には、前方に向かって移動する運転者MDは、エアバッグ20の前突用拘束面37(後壁部27)により頭部MHを保護されることとなり、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時には、斜め前方に向かって移動する運転者MDは、エアバッグ20において、前突用拘束面37の左右両端側において後方に突出している突出膨張部35L,35R(斜突用拘束面38L,38R)により頭部MHを保護されることなる。
したがって、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、ルーフRFに収納させる構成であっても、前方移動する乗員に加えて、斜め前方に向かって移動する乗員も保護することができる。
また、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、エアバッグ20(本体膨張部24)は、運転者MD受止時には、車体側の部材であるステアリングホイールWのリング部Rによって前面側を支持されることから、前方あるいは斜め前方に向かって移動する運転者MDの上半身MUを、さらなる前方移動を抑制して、エアバッグ20によって安定して拘束することができる。そのため、車両の前突時に加えて、斜突時若しくはオフセット衝突時にも、乗員としての運転者MDを安定して保護することができる。
特に、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、エアバッグ20が、突出膨張部35L,35Rと前突用拘束面37との間に、拘束用凹部40L,40Rを配設させている構成であることから、斜め前方に向かって移動する運転者MDの頭部MHを、突出膨張部35L,35Rにおける前突用拘束面37側の面(突出膨張部37L,35Rにおける内壁部35bから構成される斜突用拘束面38L,38R)に接触させ、この斜突用拘束面38L,38Rによって、拘束用凹部40L.40R内に案内させることができて、運転者MDの頭部MHを、拘束用凹部40L,40R内に進入させつつ、受け止めることができる(図11の二点鎖線参照)。そのため、拘束用凹部40L,40Rにより、運転者MDの頭部MHをソフトに拘束することができる。
次に、第2実施形態のエアバッグ装置M2について、説明をする(図12〜18参照)。第2実施形態のエアバッグ装置M2は、自動運転対応可能な車両に、搭載されている。この第2実施形態のエアバッグ装置M2も、第1実施形態のエアバッグ装置M1と同様に、運転席DSに着座した乗員としての運転者MDを保護するためのものであり、運転席DSの上方となるルーフRFの前縁側に、搭載されている(図17,18参照)。この第2実施形態のエアバッグ装置M2は、図12に示すように、エアバッグ80の膨張完了形状を制御する形状制御機構87を備える以外は、前述のエアバッグ装置M1と同様の構成であり、同一の部材には、同一の図符号を付して、詳細な説明を省略する。
形状制御機構87は、図12〜15に示すように、エアバッグ80から延びる規制ベルト95と、規制ベルト95の長さを調整する長さ調整手段としての係止部材88と、を備える構成とされている。
長さ調整手段としての係止部材88は、図12,13に示すように、エアバッグ80を収納させる収納部位としてのケース10側に配設されて、規制ベルト95の元部95bを連結させるもので、実施形態の場合、規制ベルト95の元部95bの係止維持状態と係止解除状態との2モードで、ケース10側から先端95a側までの規制ベルト95の長さを調整する構成とされている。詳細には、係止部材88は、図12に示すように、ケース10における後壁部12の後面側に、配設されている。ケース10の後壁部12には、規制ベルト95の元部95b側を挿通可能な貫通孔12aが、形成されている(図13参照)。係止部材88は、図13に示すように、規制ベルト95の元部95b側に形成される係止孔96に挿通されて規制ベルト95の元部95b側を係止する係止ピン89と、後壁部12の後面側に取り付けられて係止ピン89を引き込み可能に作動するアクチュエータ90と、係止ピン89の先端側において後壁部12から後方に延びるように構成されて係止ピン89の先端側を支持可能とされる支持ブラケット91と、を備えている。アクチュエータ90は、制御装置100(図17,18参照)からの作動信号を受けて係止ピン89を引き込むように作動する構成とされている。アクチュエータ90が係止ピン89を引き込むように作動すると、係止ピン89は、規制ベルト95の元部95b側を係止(連結)している状態から、係止を解除する状態に移行し、規制ベルト95が、移動することとなる(図13の二点鎖線参照)。アクチュエータ90は、制御装置100からの電気信号により係止ピン89を移動できれば、油圧・水圧・空気圧、あるいは、インフレーター等の膨張するガス圧を発生させる場合を含めた流体圧を利用するピストンシリンダ、それらの流体圧や電気を利用したモータ、電磁ソレノイド、復元時の付勢力を利用するばね等を、使用することができる。なお、アクチュエータ90の非作動時には、係止時における係止ピン89からの規制ベルト95の元部95b側の部位の抜けを防止するように、係止ピン89は、先端側を支持ブラケット91により支持されている。
係止部材88のアクチュエータ90の作動を制御する制御装置100は、実施形態の場合、運転席DSに着座している運転者MDの着座姿勢を検知可能なカメラ等の図示しないセンサを、有する構成とされている。
エアバッグ80は、凹部用テザーの代わりに規制ベルト95を配設させる以外は、前述のエアバッグ20と同様の構成であり、同一の部材には、同一の図符号を付して、詳細な説明を省略する(図14,15参照)。すなわち、エアバッグ80は、バッグ本体21と、規制ベルト95と、厚さ規制テザー52L,52Rと、を備える構成とされている。そして、エアバッグ80は、係止部材88による規制ベルト95の元部95b側の係止維持状態(ケース10から規制ベルト95の先端95aまでの長さを短くした状態)での膨張時に、突出膨張部35L,35Rの前突用拘束面37からの突出状態を維持可能とされ、係止部材88による規制ベルト95の元部95b側の係止解除状態(ケース10から規制ベルト95の先端95aまでの長さを長くした状態)での膨張時に、前突用拘束面37と突出膨張部35L,35Rとの凹凸差を減少させるように膨張完了可能に、構成されている。詳細には、実施形態のエアバッグ80では、係止ピン89による規制ベルト95の元部95bの係止が解除された状態で膨張する際には、各突出膨張部35L,35Rと前突用拘束面37との間に形成される拘束用凹部40L,40Rが、各突出膨張部35L,35Rと前突用拘束面37との間から、反転しつつ、繰り出されるように配置されることとなって、前突用拘束面37の膜長を実質的に増大させるような態様となり、エアバッグ80は、前突用拘束面37と突出膨張部35L,35Rとの凹凸状態を減少させるようにして、膨張することとなる(図19参照)。
規制ベルト95は、先端95a側を、エアバッグ80(バッグ本体21)における前突用拘束面37側に連結されるものであり、詳細には、実施形態の場合、規制ベルト95は、先端95a側を、各拘束用凹部40L,40Rの凹みの先端(前端40a)(拘束用凹部40L,40Rの前端40a側に配置される連結タブ40c)に連結させるように、2つ配設されている(図14,15参照)。各規制ベルト95の元部95bには、係止部材88の係止ピン89を貫通可能な係止孔96が、形成されている(図13,16参照)。バッグ本体21内において、前壁部26における左右の略中央となる位置には、規制ベルト95を挿通可能させて、向きを変更可能なベルト通し部98が、配設されている(図14,15参照)。このベルト通し部98は、略帯状の基材99(図16参照)の左縁と右縁とを前壁部に結合させることにより、前後方向側で貫通されて2枚の規制ベルト95を挿通可能に構成されている。そして、各拘束用凹部40L,40Rの前端から前方に延びる規制ベルト95は、このベルト通し部98を挿通されて、上下方向に略沿うように向きを変えられ、元部96b側を、バッグ本体21の上端側に配設される取付部22から、突出させるようにして、バッグ本体21内に配置されることとなる(図15参照)。各規制ベルト95は、長さ寸法を、係止孔96に係止ピン89を挿通させて係止ピン89との係止(係止部材88との連結)を維持された状態でのエアバッグ80S(80)の膨張時に、拘束用凹部40L,40Rを的確に前方に牽引可能な寸法に、設定されている。
この第2実施形態のエアバッグ装置M2では、車両の自動運転時等において、制御装置100により、ルーフRFから離れて、背もたれ部SBを後傾させた状態で運転席DSに着座している運転者MD´(安楽姿勢の状態、図18参照)を検知した際に、制御装置100が、インフレーター15の作動と略同時に、係止部材88のアクチュエータ90に作動信号を出力させて、係止部材88が、係止ピン89を引き込むように、作動されることとなる。
そして、係止ピン89による規制ベルト95の元部95bの係止が解除された状態(ケース10から規制ベルト95の先端95aまでの長さを長くした状態)で、膨張する場合、エアバッグ80は、図18,19に示すように、係止ピン89と規制ベルト95の元部95bとの係止状態を維持された状態(ケース10から規制ベルト95の先端95aまでの長さを短くした状態)で膨張させた場合(図14,17参照)と比較して、前突用拘束面37と突出膨張部35L,35Rとの凹凸差を減少させるように膨張することとなる。詳細に説明すれば、実施形態のエアバッグ80では、各突出膨張部35L,35Rと前突用拘束面37との間に、拘束用凹部40L,40Rが配設され、規制ベルト95は、拘束用凹部40L,40Rの凹みの先端(前端40a)から延びるように配設される構成であることから、係止ピン89による規制ベルト95の元部95bの係止が解除された状態では、拘束用凹部40L,40Rが、各突出膨張部35L,35Rと前突用拘束面37との間から、反転しつつ、繰り出されるように配置されることとなって、前突用拘束面37の膜長を実質的に増大させるような態様となり、エアバッグ80Lは、大容積として、前突用拘束面37を、後方へ突出させるように、膨張することとなる(図19参照)。すなわち、係止ピン89による規制ベルト95の元部95bの係止が解除された状態で膨張するエアバッグ80L(大容積バッグ)は、係止ピン89と規制ベルト95の元部95bとの係止状態を維持された状態(収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを短くした状態)で膨張させた場合のエアバッグ80S(小容積バッグ)と比較して、前壁部26と後壁部27との離隔距離を増大させるように、厚く膨張することとなる。そのため、図18に示すように、運転席DSの背もたれ部SBを後傾させるように安楽姿勢で着座している運転者MD´を、相対的に後方に突出するように厚く膨張しているエアバッグ80Lにより、的確に受け止めて保護することができる。
この第2実施形態のエアバッグ装置M2では、制御装置100により、背もたれ部を立たせた状態で運転席DSに着座している運転者MD(通常姿勢の状態)を検知した際には、エアバッグ80Sは、図17に示すように、係止ピン89と規制ベルト95との連結状態を維持された状態(収納部位側から規制ベルトの先端側までの長さを短くされた状態)で、規制ベルト95による拘束用凹部40L,40Rの牽引状態を維持された状態の小容積として、膨張することとなる。この第2実施形態のエアバッグ装置M2においても、規制ベルト95による拘束用凹部40L,40Rの牽引状態を維持された状態で膨張するエアバッグ80Sは、本体膨張部24の前面をステアリングホイールWのリング部Rに支持された状態として、第1実施形態のエアバッグ20と同様に、運転者MDを保護することができる。具体的には、車両の前突時には、前方に向かって移動する運転者MDは、エアバッグ80Sにおいて、前突用拘束面37(後壁部27)により頭部MHを保護されることとなり、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時には、斜め前方に向かって移動する運転者MDは、エアバッグ80Sにおいて、前突用拘束面37の左右両端側から部分的に後方に突出している突出膨張部35L,35R(斜突用拘束面38L,38R)により頭部を保護されることなる。
また、エアバッグ110としては、図20に示すように、前突用拘束面として、第1の乗員としての運転席DSに着座した運転者MDの頭部MHを保護可能な運転者前突用拘束面111と、第2の乗員としての助手席PSに着座した助手席搭乗者MPの頭部MHを保護可能な助手席搭乗者前突用拘束面112と、を有するとともに、運転者前突用拘束面111及び助手席搭乗者前突用拘束面112の左右両端側にそれぞれ配設される突出膨張部113と、を備える構成とし、運転者前突用拘束面111と助手席搭乗者前突用拘束面112との間に配置される突出膨張部113Cを共用としたものを、使用してもよい。このエアバッグ110は、膨張完了時に、前面を、運転席DSの前方のステアリングホイールWのリング部Rと、助手席PSの前方のインパネ(インストルメントパネル)120と、によって、支持された状態で、運転者MD及び助手席搭乗者MPを保護することができる。このような構成とすれば、助手席用のエアバッグと運転席用のエアバッグとを一体化できる。また、運転者前突用拘束面111と助手席搭乗者前突用拘束面112との間に配置される突出膨張部113Cを共用としていることから、両者の間にそれぞれ別体の突出膨張部を配置させる場合と比較して、構成を簡便にすることもできる。なお、実施形態では、エアバッグ110により、第1の乗員としての運転者MDと、第2の乗員としての助手席搭乗者MPと、を保護する構成であるが、例えば、運転席と助手席との間にセンター座席を有する車両に搭載する場合、第1の乗員としての運転者と第2の乗員としてのセンター座席に着座したセンター乗員、あるいは、第1の乗員としてのセンター乗員と第2の乗員としての助手席搭乗者、を、保護するように、エアバッグを構成してもよい。
なお、実施形態では、運転席用のエアバッグ装置を例に採り、説明したが、本発明は、助手席に着座した助手席搭乗者を保護可能な助手席用のエアバッグ装置にも、勿論適用可能であり、また、後部座席に着座した後側乗員を保護するためのエアバッグ装置にも、適用可能である。
また、第2実施形態では、形状制御機構の制御により、乗員の座席への着座姿勢(安楽姿勢状態及び通常着座状態)に応じて、エアバッグを、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸差に変化を設けるようにして、外形形状を異ならせるように膨張させているが、形状制御機構による制御は、実施形態に限定されるものではなく、例えば、乗員の着座位置や体格等に応じて、外形形状を異ならせるような制御を行うようにしてもよい。具体的には、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸を大きく維持した状態でエアバッグを膨張させる場合には、例えば、小柄乗員や、収納部位に対して近接して着座している乗員等を、的確に保護することができ、前突用拘束面と突出膨張部との凹凸を小さくした状態でエアバッグを膨張させる場合には、例えば、大柄乗員や、収納部位から離隔して着座している乗員等を、的確に保護することができる。
さらに、第2実施形態のエアバッグ装置M2では、長さ調整手段として、規制ベルト95の元部95b側を係止させた係止ピン89を有した係止部材88を使用しており、作動時に係止ピン89を引き込み、規制ベルト95の元部95bの係止を解除することにより、収納部位(ケース10)から先端95aまでの規制ベルト95の実質的な長さを調整する構成であるが、長さ調整手段は、実施形態に限られるものではなく、長さ調整手段として、元部と収納部位側との連結状態を維持した状態で、規制ベルトを繰り出すことにより、規制ベルト自体の元部側から先端側までの長さ寸法を変更するような構成のものを使用してもよい。
5…ルーフヘッドライニング、7…エアバッグカバー、10…ケース、15…インフレーター、20…エアバッグ、21…バッグ本体、24…本体膨張部、35L,35R…突出膨張部、37…前突用拘束面、38L,38R…斜突用拘束面、40L,40R…拘束用凹部、80(80S,80L)…エアバッグ、97…形状制御機構、88…係止部材(長さ調整手段)、95…規制ベルト、95a…先端、95b…元部、100…制御装置、110…エアバッグ、111…運転者前突用拘束面、112…助手席搭乗者前突用拘束面、113(113C)…突出膨張部、MD…運転者(乗員)、MH…頭部、MP…助手席搭乗者(乗員)、DS…運転席(シート)、PS…助手席(シート)、RF…ルーフ、W…ステアリングホイール、R…リング部、M1,M2…エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. シートに着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に、下方に展開膨張して、前記乗員を保護可能なエアバッグを、備えるエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、前記乗員の上半身を拘束可能に構成されるとともに、膨張完了時の後面側に、
    車両の前突時に前方移動する前記乗員の頭部を保護可能とする前突用拘束面と、
    該前突用拘束面における左右方向の両端側において後方に突出するように形成されて、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する前記乗員の頭部を保護可能な突出膨張部と、
    を配設させる構成とされていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグが、形状制御機構により、膨張完了形状を制御される構成とされ、
    該形状制御機構が、
    先端側を前記エアバッグ内における前記前突用拘束面側に連結される規制ベルトと、
    前記エアバッグを収納させる収納部位側において、前記規制ベルトの元部側を連結させるとともに、前記収納部位側から前記規制ベルトの先端側までの長さを、少なくとも長短2段階のモードで調整可能な長さ調整手段と、
    を備える構成とされ、
    前記エアバッグが、前記長さ調整手段により前記規制ベルトを短くした状態での膨張時に、前記突出膨張部の前記前突用拘束面からの突出状態を維持可能とされ、前記長さ調整手段により前記規制ベルトを長くした状態での膨張時に、前記前突用拘束面と前記突出膨張部との凹凸差を減少させるように膨張完了可能に、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグが、前記各突出膨張部と前記前突用拘束面との間に、斜め前方に向かって移動する前記乗員の前記頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部を、配設させる構成とされ、
    前記規制ベルトが、先端を、前記拘束用凹部の凹みの先端に連結させて配設されることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグが、前記前突用拘束面として、第1の乗員としての運転席に着座した運転者の頭部を保護可能な運転者前突用拘束面と、第2の乗員としての助手席に着座した助手席搭乗者の頭部を保護可能な助手席搭乗者前突用拘束面と、を有するとともに、さらに、前記運転者前突用拘束面及び前記助手席搭乗者前突用拘束面の左右両端側にそれぞれ配設される前記突出膨張部部を、備える構成とされ、
    前記運転者前突用拘束面と前記助手席搭載車前突用拘束面との間に配置される前記突出膨張部が、共用とされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。

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