JP2021028366A - 電線・ケーブルの製造方法及び電線・ケーブル - Google Patents

電線・ケーブルの製造方法及び電線・ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】被覆が薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ外観が良好な電線・ケーブルの製造方法及びその方法で製造された電線・ケーブルを提供する。【解決手段】シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)と、工程(α)で得られた混合物(C)を導体及び/又は光ファイバの周りに成形して成形体を得る工程(β)と、工程(β)で得られた成形物を水と接触させる工程(γ)と、を有し、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、電線・ケーブルの製造方法及び電線・ケーブルに関し、特に、外観が良好で高い耐熱性を有する電線・ケーブルの製造方法及びこの製造方法で得られた電線・ケーブルに関するものである。
電気、電子機器の内部及び外部配線に使用される絶縁電線、ケーブル、コード及び光ファイバ心線、光ファイバコード(以下、まとめて電線・ケーブルという。)には、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。
一方、電気、電子機器に使用される電線・ケーブルは、連続使用の状態で80〜105℃、さらには125℃程度にまで昇温することがあり、これに対する耐熱性が要求される場合もある。このような場合、電線・ケーブルに耐熱性を付与することを目的として、被覆材料を架橋する方法が採られている。
従来から、被覆材料としてのポリオレフィン系樹脂を架橋する方法として、電子線を照射して架橋させる電子線架橋法、成形後に熱を加えることにより有機過酸化物などを分解させて架橋反応させる化学架橋法、シラン架橋法などが知られている。これらの架橋法の中でも特にシラン架橋法は特殊な設備を要しないことが多いため、幅広い分野で使用することができる(例えば特許文献1参照)。
シラン架橋法は、一般に、有機過酸化物の存在下で不飽和基を有するシランカップリング剤をポリオレフィン系樹脂にグラフト反応させて形成されたシラングラフトポリマーを含むシランマスターバッチを得た後に、シラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより架橋成形体を得る方法である。
国際公開第2013/147148号
ところで、シランマスターバッチとシラノール縮合触媒を含む触媒マスターバッチとの混合中に、シラングラフトポリマーのシラン基の一部がシランマスターバッチ等に含まれる水分等で加水分解してシラン基同士が過剰に縮合したり、溶融混合の際の熱でポリオレフィン系樹脂同士が結合するなどして、電線・ケーブルの被覆中にゲル状のブツ(凝集塊)が形成される場合がある。
しかし、従来の電線・ケーブルは、被覆が比較的分厚かったため、ブツが形成されても外観悪化につながらない場合が多かった。
一方、近年、電気・電子機器等の小型化や軽量化が進展し、これらの機器等に用いられる電線・ケーブルには細径化の要求が高まっている。そして、電線・ケーブルを細径化するには電線・ケーブルの被覆を薄肉に形成することが必要になるが、被覆を薄肉にすると被覆中に形成されたブツにより被覆表面が盛り上がって見えるようになる。
そのため、従来の電線・ケーブルのように被覆が分厚い場合に比べて、電線・ケーブルの外観の悪化が目立つようになる場合が少なくない。
本発明は、上記の問題点を解決し、被覆が薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ外観が良好な電線・ケーブルの製造方法及びその方法で製造された電線・ケーブルを提供することを目的とする。
本発明者らは、シランマスターバッチ中のポリオレフィン樹脂の含有量を少なくすることでブツの形成を抑制するとともに、組成物中にポリプロピレン系樹脂を多く含有させることで、外観が良好で、しかも高い耐熱性を有する電線・ケーブルを製造できることを見出した。本発明者らはこの知見に基づき、更に研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
<1>ポリオレフィン系樹脂(A1)と有機過酸化物(A2)とシランカップリング剤(A3)とを含有するシランマスターバッチ(A)と、シラノール縮合触媒(B2)を含有する触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)と、
前記工程(α)で得られた前記混合物(C)を導体及び/又は光ファイバの周りに成形して成形体を得る工程(β)と、
前記工程(β)で得られた前記成形物を水と接触させる工程(γ)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、前記シランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、前記シランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量と前記シランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
<2>前記触媒マスターバッチ(B)は、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)と無機フィラー(B3)とを混合させて調製され、
前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、前記触媒マスターバッチ(B)の前記ベース樹脂(B1)の含有量が30〜70質量%であることを特徴とする<1>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
<3>前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量が30〜80質量%であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
<4>前記触媒マスターバッチ(B)は、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)と金属水和物(B4)とを混合させて調製され、
前記ベース樹脂(B1)には不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂が含まれていることを特徴とする<1>から<3>のいずれか一項に記載の電線・ケーブルの製造方法。
<5><1>〜<4>のいずれか一項に記載の電線・ケーブルの製造方法で製造された電線・ケーブル。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の電線・ケーブルの製造方法やその方法により製造された電線・ケーブルによれば、被覆が分厚い場合は勿論、被覆が薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ外観が良好な電線・ケーブルを製造することが可能となる。
以下に本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下では電線・ケーブルの製造方法について説明するが、以下は、その製造方法により製造された電線・ケーブルの説明にもなっている。
本発明の電線・ケーブルの製造方法は、少なくとも下記工程(α)〜(γ)を含む。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂(A1)と有機過酸化物(A2)とシランカップリング剤(A3)とを含有するシランマスターバッチ(A)と、シラノール縮合触媒(B2)を含有する触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)と、工程(α)で得られた混合物(C)を導体及び/又は光ファイバの周りに成形して成形体を得る工程(β)と、工程(β)で得られた成形物を水と接触させる工程(γ)と、を有している。
そして、工程(α)では、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であるように混合される。
まず、本発明において用いる各成分について説明する。
なお、導体や光ファイバは公知のものを使用することが可能であり、説明を省略する。
本発明のシランマスターバッチ(A)には、上記のように少なくともポリオレフィン系樹脂(A1)と有機過酸化物(A2)とシランカップリング剤(A3)とが含有される。
− シランマスターバッチ(A) −
[ポリオレフィン系樹脂(A1)]
本発明のポリオレフィン系樹脂(A1)は、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリルゴム、スチレン系エラストマー、不飽和カルボン酸ポリオレフィン系樹脂などを指す。
(a)ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂として、ホモポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)や、ランダムポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合体)、ブロックポリプロピレン(エチレン−プロピレンブロック共重合体)などを使用することができる。
ランダムプロピレンはエチレン成分含量が1〜5質量%程度のものをいい、ブロックプロピレンはエチレン成分含量が5〜15質量%程度のものをいう。
混合するポリプロピレンのメルトフローレート(以下、MFRと記す。ASTM‐D‐1238、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜60g/10分、より好ましくは0.1〜25g/10分、さらに好ましくは0.3〜15g/10分のものが用いられる。
ポリプロピレン系樹脂には、後述する不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂も含まれるが、この点については後で説明する。
(b)エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、例えばエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体として、具体的には、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EPR(エチレンプロピレンゴム)、EBR(エチレン−1‐ブテンゴム)、及びメタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。この中でも、メタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は特に制限されないが、強度の点で、880kg/m以上が好ましく、さらに好ましくは900kg/m以上、さらに好ましくは910kg/m以上である。この密度の上限は938kg/mが好ましい。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、MFR(ASTM D−1238)が0.5〜50g/10分のものが好ましい。
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン触媒の存在下に合成されたものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でもメタロセン触媒の存在下に合成されるものが好ましい。その一例として、「カーネル」(商品名、日本ポリエチレン社製)、「エボリュー」(商品名、三井化学社製)、「タフマー」(商品名、三井化学社製)、「ユメリット」(商品名、宇部丸善石油化学社製)を挙げることができる。
(c)その他のエチレン系共重合体
本発明に用いるその他のエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。
具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ではエバフレックス(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)、レバプレン(商品名、バイエル社製)などが、エチレン−メタクリル酸共重合体ではニュクレル(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)などが、エチレン−アクリル酸エチル共重合体ではエバルロイ(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよいが、難燃性及び機械的特性向上の点からはエチレン−酢酸ビニル共重合体の使用が好ましい。
また、エチレン系共重合体のMFRは、強度及びシランマスターバッチ(A)の加工性の面から0.2〜20g/分、さらに好ましくは0.5〜10g/分である。
(d)アクリルゴム
本発明においては、その他のエチレン系共重合体の1つとしてアクリルゴムを使用することができる。
アクリルゴムは、単量体成分としてはアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと各種官能基を有する単量体を少量共重合させて得られるゴム弾性体であり、共重合させる単量体としては、2−クロルエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン等を適宜使用することができる。具体的には、Nipol AR(商品名、日本ゼオン社製)、JSR AR(商品名、JSR社製)等を使用することができる。
特に単量体成分としてはアクリル酸メチルを使用するのが好ましく、その場合には、エチレンとの2元共重合体や、これにさらにカルボキシル基を側鎖に有する不飽和炭化水素をモノマーとして共重合させた3元共重合体を特に好適に使用することができる。具体的には、2元共重合体の場合にはベイマックDやベイマックDP(商品名、いずれもデュポン社製)を、3元共重合体の場合にはベイマックG、ベイマックHG、ベイマックLS、ベイマックGLS(商品名、いずれもデュポン社製)を使用することができる。
アクリルゴム成分はシランマスターバッチ(A)の樹脂成分に配合することが好ましい。
(e)スチレン系エラストマー
本発明のスチレン系エラストマーは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体もしくはその水素添加物である。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどがあり、1種又は2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどがあり、1種又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエンが好ましい。
スチレン系エラストマーとして具体的には、例えば、セプトン4077、セプトン4055、セプトン8105(商品名、クラレ社製)、ダイナロン1320P(商品名、JSR社製)等が挙げられる。
(f)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂
本発明の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂は、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂、変性スチレン系エラストマー、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などを指す。
本発明における不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンとは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸が、ポリオレフィンにグラフトした樹脂のことである。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。
(f−1)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレン−α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−α−オレフィン共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂についても同様である。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−α−オレフィン共重合体やポリエチレン樹脂としては、ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)や他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体等、エチレンープロピレンージエン共重合ゴムやプロピレンとエチレン−α−オレフィン樹脂との共重合ゴムなどが挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体等の変性は、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.3〜2質量%である。
不飽和カルボン酸等により変性されたポリエチレンとしては、具体的には例えば、アドテックスL−6100M等(商品名、日本ポリエチレン社製)、アドマーXE070、NE070等(商品名、三井化学社製)などが市販されている。
(f−2)変性スチレン系エラストマー
本発明において、変性スチレン系エラストマーとは、スチレン系共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がスチレン系共重合体にグラフトしたエラストマーのことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
スチレン系共重合体とは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体及びその水素添加物である。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどが挙げられる。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
スチレン系共重合体の変性は、例えば、スチレン系共重合体と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.3〜3質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーとしては、たとえば、クレイトン1901FG(JSR クレイトン社製)、タフテック(旭化成社製)等を挙げることができる。
(f−3)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−酢酸ビニル共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンに酢酸ビニルを共重合させたものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の変性は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体と不飽和カルボン酸等を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸等による変性量は、通常0.2〜1質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、たとえば、アドマーVF600,VF500(いずれも商品名、三井化学社製)を挙げることができる。
(f−4)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の変性は、上記の場合と同様、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.5〜4質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、たとえば、モディパーA−5200、A−8200(いずれも商品名、日本油脂社製)を挙げることができる。
一方、上記の樹脂の一部を鉱物性オイルに置き換えてもよい。
一般に、鉱物性オイルは、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明の鉱物性オイルとしては、液状若しくは低分子量の合成軟化剤、又はパラフィン系及びナフテン系の鉱物油を用いることができる。
鉱物性オイルとして具体的には、ダイアナプロセスオイルPW90、PW380(商品名、シェル社製)等がある。
[有機過酸化物(A2)]
有機過酸化物(A2)としては、一般式:R1−OO−R2、R1−OO−C(=O)R3、R3C(=O)−OO(C=O)R4で表される化合物が好ましい。ここで、R1、R2、R3及びR4は各々独立にアルキル基、アリール基、アシル基を表す。このうち、本発明においては、R1、R2、R3及びR4がいずれもアルキル基であるか、いずれかがアルキル基で残りがアシル基であるものが好ましい。
このような有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、ジクミルパーオキサイド(DCP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の分解温度は、80〜195℃であるのが好ましく、125〜180℃であるのが特に好ましい。
本発明において、有機過酸化物の分解温度とは、単一組成の有機過酸化物を加熱したとき、ある一定の温度又は温度域でそれ自身が2種類以上の化合物に分解反応を起こす温度を意味し、示差走査熱量測定(DSC)法などの熱分析により、窒素ガス雰囲気下で5℃/分の昇温速度で、室温から加熱したとき、吸熱又は発熱を開始する温度をいう。
これらの有機過酸化物は、シランマスターバッチ(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.02〜0.6質量部含有していることが望ましい。
[シランカップリング剤(A3)]
シランカップリング剤(A3)として、不飽和基含有シランカップリング剤を用いることができる。
不飽和基含有シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、シラン架橋法に用いられる不飽和基を有する不飽和基含有シランカップリング剤を使用することができる。このような不飽和基含有シランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される不飽和基含有シランカップリング剤を好適に用いることができる。
Figure 2021028366
一般式(1)中、Ra11はエチレン性不飽和基を含有する基、Rb11は脂肪族炭化水素基若しくは水素原子又は後述のY13である。Y11、Y12及びY13は各々独立に加水分解する有機基である。Y11、Y12及びY13は互いに同じでも異なっていてもよい。
エチレン性不飽和基を含有する基Ra11は、例えば、ビニル基、末端に不飽和結合を有するアルケニル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基、p−スチリル基などを挙げることができ、より好ましくはビニル基である。
b11は脂肪族炭化水素基若しくは水素原子又は後述のY13であり、脂肪族炭化水素基としては脂肪族不飽和炭化水素基を除く炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基のうち炭素数が1〜8のものと同様のものが挙げられる。Rb11は好ましくはY13である。
11、Y12及びY13は、各々独立に、加水分解する有機基であり、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、加水分解の反応性の点で、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
一般式(1)で示される不飽和基含有シランカップリング剤としては、好ましくは、エチレン性不飽和基を有し、加水分解速度の速い不飽和基含有シランカップリング剤であり、より好ましくは一般式(1)においてRb11がY13であり、かつY11、Y12及びY13が互いに同じ有機基である不飽和基含有シランカップリング剤である。
好ましい不飽和基含有シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどの末端にビニル基を有する不飽和基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどの末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する不飽和基含有シランカップリング剤などを挙げることができる。
これらの不飽和基含有シランカップリング剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの中でも、末端にビニル基とアルコキシ基を有する不飽和基含有シランカップリング剤がさらに好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが特に好ましい。
不飽和基含有シランカップリング剤は、単独で用いられてもよく、溶剤で希釈された液で用いられてもよい。
これらのシランカップリング剤は、シランマスターバッチ(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して2〜15質量部含有していることが望ましく、好ましくはその量は2.5〜6質量部であり、さらに好ましくは3を超えて6質量部である。
[無機フィラー]
なお、本発明では、シランマスターバッチ(A)に無機フィラーを含有させてもよい。
無機フィラーは、無処理のもの、種々の表面処理剤で表面処理されているもののどちらを使用しても良く、2種類以上使用しても良い。表面処理剤としては、脂肪酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーン樹脂、シリカ、リン酸エステルなどが用いられる。
無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、塩基性炭酸マグネシウム、窒化ほう素、シリカ(結晶質シリカ、非晶質シリカなど)、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボン、硼酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛などが挙げられる。
無機フィラーは、金属水和物であってもよい。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ベーマイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
金属水和物は無処理のもの、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸などの脂肪酸で処理されているもの、シランカップリング剤で処理されているもの、リン酸エステルで処理されているもの、チタネートカップリング剤で処理されているもの等の使用が好ましいが、なかでも無処理品やシランカップリング剤で処理されているものや、少量の脂肪酸で処理されているものが好ましい。またこれらの金属水和物を適宜併用することができる。
また、上記金属水和物の表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤などの架橋性のシランカップリング剤が好ましい。またこれらのシランカップリング剤は2種以上併用してもよい。
このようなシランカップリング剤の中でも、末端にエポキシ基及び/又はビニル基、(メタ)アクロイル基、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく、さらに末端にエポキシ基及び/又はビニル基、(メタ)アクロイル基を有するものが好ましい。これらは1種単独でも、2種以上併用して使用してもよい。
本発明で用いることができるシランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウムとしては、表面無処理のもの(市販品としては、キスマ5(商品名、協和化学社製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で少量表面処理されたもの(キスマ5AL(商品名、協和化学社製)など)、シランカップリング剤によりすでに表面処理された水酸化マグネシウムの市販品(キスマ5L、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学社製)、マグシーズS6(神島化学工業製)がある。
また、上記以外にも、予め脂肪酸やリン酸エステルなどで表面の一部が前処理された水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムに、さらにビニル基やエポキシ基等の官能基を末端に有するシランカップリング剤を用い表面処理を行った金属水和物なども用いることができる。
金属水和物をシランカップリング剤で処理する場合には、予めシランカップリング剤を金属水和物に対してブレンドして行うことが必要である。このときシランカップリング剤は、表面処理するに十分な量が適宜加えられるが、具体的には金属水和物に対し0.2〜2重量%が好ましい。シランカップリング剤は原液でもよいし、溶剤で希釈されたものを使用してもよい。
シランマスターバッチ(A)に無機フィラーを含有させることで、シランマスターバッチ(A)中や混合物(C)中で無機フィラーがシランカップリング剤と結合する。そのため、シランマスターバッチ(A)の調製時や触媒マスターバッチ(B)との混合の際にシランカップリング剤の揮発を抑えることができる。
そのため、シランカップリング剤の揮発で架橋が少なくなって耐熱性が悪くなったり、シランカップリング剤が揮発しても有機過酸化物は揮発せずに残りポリオレフィン系樹脂同士を架橋させてしまい外観不良が生じたりすることを防止することができる。
シランマスターバッチ(A)に含有させる無機フィラーの含有量は、シランマスターバッチ(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して20〜300質量部程度である。
なお、無機フィラーを触媒マスターバッチ(B)にも含有させてもよく、工程(α)でシランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)とを溶融混合する際に添加してもよい。
[添加剤]
また、本発明では、シランマスターバッチ(A)に添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、電線・ケーブルに求められる性能等に応じて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、金属不活性剤、充填剤、他の樹脂などが本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合されていてもよい。
触媒マスターバッチ(B)がこれらの添加剤を含有していてもよい。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾール及びその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
滑剤としては、炭化水素系、シロキサン系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
しかし、シランマスターバッチ(A)にアリル系架橋助剤を加えると、シランマスターバッチ(A)の調製中に有機過酸化物が架橋助剤の反応に使用され、シランマスターバッチ(A)の樹脂成分同士の架橋が生じてゲル化を生じ、電線・ケーブルの外観が低下するだけでなく、耐摩耗性も低下させる。
そのため、シランマスターバッチ(A)にアリル系架橋助剤を実質的に加えないことが望ましい。
− 触媒マスターバッチ(B) −
一方、本発明の触媒マスターバッチ(B)は、少なくともベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)を混合させて調製される。
[ベース樹脂(B1)]
本発明では、触媒マスターバッチ(B)に所望により添加されるベース樹脂(B1)の材質は、特に限定されない。
また、このベース樹脂(B1)に無機フィラーを加えてもよいし、加えなくてもよい。無機フィラーを加える場合、無機フィラーの量は、特には限定しないが、ベース樹脂(B1)100質量部に対し、350質量部以下が好ましい。あまり無機フィラー量が多いとシラノール縮合触媒が分散しにくく、架橋が進行しにくくなるためである。
[シラノール縮合触媒(B2)]
シラノール縮合触媒(B2)は、シランマスターバッチ(A)の樹脂成分にグラフト化された不飽和基含有シランカップリング剤を縮合反応により水分の存在下で結合させる働きがある。このシラノール縮合触媒の働きに基づき、不飽和基含有シランカップリング剤を介して、シランマスターバッチ(A)の樹脂成分同士が架橋される。その結果、耐熱性に優れた電線・ケーブルが得られる。
シラノール縮合触媒としては、有機スズ化合物、金属石けん、白金化合物などが用いられる。一般的なシラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ナフテン酸鉛、硫酸鉛、硫酸亜鉛、有機白金化合物などが用いられる。これらの中でも、特に好ましくはジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテートなどの有機スズ化合物である。
シラノール縮合触媒の配合量は、混合物(C)の樹脂成分100質量部に対して、触媒マスターバッチ(B)の樹脂成分中に、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.001〜0.1質量部である。
シラノール縮合触媒の混合量が上記の範囲内にあると、シランカップリング剤の縮合反応による架橋反応がほぼ均一に進みやすく、電線・ケーブルの耐熱性、外観及び物性が優れ、生産性も向上する。
− 混合物(C) −
前述したように、本発明の電線・ケーブルの製造方法では、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)において、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であるように混合される。
シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)については上記の通りである。
[ポリプロピレン系樹脂]
本発明において、ポリプロピレン系樹脂には、不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂(以下、ポリプロピレン樹脂という)と、不飽和カルボン酸で変性されているポリプロピレン樹脂(以下、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂という)とが含まれる。
[ポリプロピレン樹脂]
混合物(C)中のポリプロピレン樹脂は、前述したホモポリプロピレンやランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどを使用することができる。
[不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂]
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂は、不飽和カルボン酸で変性されたポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸が、ポリプロピレン樹脂にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。
ポリプロピレン樹脂の変性は、例えば、ポリプロピレン樹脂と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.3〜2質量%である。
不飽和カルボン酸等により変性されたポリプロピレン樹脂としてはアドマーQE800、810(商品名、三井化学社製)などが市販されている。
本発明においては、上記のように工程(α)でシランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得るため、混合物(C)中にシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)が混合されることは改めて説明するまでもない。
そして、工程(α)において、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であるように混合される。
一方、本発明において、混合物(C)中にシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂を混合する方法としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂を、予め触媒マスターバッチ(B)中に含有させておいてもよく、あるいは、ポリプロピレン系樹脂をシランマスターバッチ(A)や触媒マスターバッチ(B)とは別に用意しておき(以下、第3成分という。)、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)とを溶融混合する際に(工程(α))、第3成分としてポリプロピレン系樹脂を添加するように構成することも可能である。
そして、工程(α)において、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であるように混合される。
本発明では、工程(α)における各樹脂成分の含有率を上記のように規定することにより、電線・ケーブルの被覆が薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ、かつ外観が良好なものとすることが可能となるが、この点については、以下で本発明の電線・ケーブルの製造方法について説明した後で詳しく説明する。
次に、本発明の電線・ケーブルの製造方法について具体的に説明する。
本発明の電線・ケーブルの製造方法において、シランマスターバッチ(A)、触媒マスターバッチ(B)はそれぞれ溶融混練りによって製造される。溶融混練りはバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、二軸押出機などが使用される。
混練り温度は樹脂成分の融点に依存ずるが、160〜250℃である。特にシランマスターバッチ(A)については有機過酸化物を分解させる必要があるため、少なくとも160℃以上、好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以上で混練りすることが好ましい。
得られたシランマスターバッチ(A)や触媒マスターバッチ(B)はそれぞれ例えばペレット形状やシート、リボン形状で得ることができる。好ましくはペレット形状が好ましい。
そして、工程(α)で、得られたシランマスターバッチ(A)及び触媒マスターバッチ(B)と必要に応じて第3成分とをブレンドして混合物(C)を得る。このブレンド方法は溶融ブレンドでもよいし、ドライブレンドでもよいが、ドライブレンドのほうが好ましい。
そして、工程(β)で、工程(α)で得られた混合物(C)を押し出し機ホッパーに導入し、導体や光ファイバの周りに成形して成形体を得る。成形体の押し出し温度は樹脂成分の融点によるが、160〜250℃程度である。
本発明では、さらに工程(γ)で、成形物を水と接触させることで架橋させて電線・ケーブルが製造される。これにより、シランカップリング剤の加水分解性の基を加水分解してシラノールとし、樹脂中に存在するシラノール縮合触媒により、シラノールの水酸基同士が縮合して架橋反応が起こることで、シランカップリング剤でグラフト化されたポリオレフィン系樹脂同士を架橋することができる。
シランカップリング剤同士の縮合は、常温で保管するだけで空気中の水分によって進行する。そのため、電線・ケーブルを水に積極的に接触される必要はないが、架橋をさらに加速させるために、水分と接触させる際に、温水への浸水、湿熱槽への投入、高温の水蒸気への暴露等の積極的に水に接触させる方法を採用することも可能である。また、その際に水分を内部に浸透させるために圧力をかけてもよい。
本発明では、このようにして電線・ケーブルが製造される。そして、本発明の電線・ケーブルの製造方法を用いれば、製造された電線・ケーブルの被覆が厚肉である場合は勿論、薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ、かつ外観が良好なものとすることが可能となる。このように得られる電線・ケーブルの耐熱性や外観が優れる理由は、確実なところはいまだ定かではないが、以下のように考えられる。
シランマスターバッチ(A)の製造の際、有機過酸化物成分の存在下でポリオレフィン系樹脂をシランカップリング剤と共に有機過酸化物の分解温度以上で加熱混練りすると、有機過酸化物が分解してラジカルを発生し、ポリオレフィン系樹脂に対してシランカップリング剤によりグラフト化が生じる。
しかし、本発明では、シランマスターバッチ(A)にはもともと、上記のように混合物(C)中の樹脂成分100質量%中でのシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%になる程度しかポリオレフィン系樹脂(A1)が含まれていない。
この含有量は、従来、シラン架橋法を用いて電線・ケーブルの被覆を成形する場合の含有量に比べると少ない。すなわち、これまでは、シランカップリング剤による架橋の量を多くして耐熱性を確保するために、シランカップリング剤による架橋の対象となるシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の混合物(C)中での含有量がより多くなるように調製されていた。
それに対し、本発明では、上記のように混合物(C)中のシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が従来の場合よりも少ない。
そのため、本発明では、ポリオレフィン系樹脂(A1)とグラフト反応するシランカップリング剤も少なくなり、ポリオレフィン系樹脂(A1)に形成されるシラン基の数も少なくなる。そのため、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との混練り時にポリオレフィン系樹脂(A1)のシラン基同士が過剰に縮合してゲル状のブツ(凝集塊)が形成されることが抑制される。
また、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との混練の際などに、シランマスターバッチ(A)中のポリオレフィン系樹脂(A1)同士が結合しなくなり、あるいは結合したとしてもその量が少なくなる。
このように、本発明では、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との混合物(C)中で、ポリオレフィン系樹脂同士が結合したりポリオレフィン系樹脂(A1)のシラン基同士が縮合することがなく、あるいはその量が非常に少なくなる。
そのため、混合物(C)を導体や光ファイバの周りに成形して被覆(成形体)を形成した場合に、その被覆中にブツが形成されなくなり、あるいは形成されてもその量が少なくブツの大きさも小さいため、被覆を薄肉に形成しても被覆中のブツにより被覆表面が盛り上がって見えるような事態が生じることがない。
そのため、本発明では、被覆が分厚い場合は勿論、被覆が薄肉であっても、製造された電線・ケーブルの外観が良好なものになる。
また、本発明では、前述したように、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との混合物(C)に、シランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂を添加して混合する。そのため、混合物(C)にポリプロピレン系樹脂を添加して混合することで、製造される電線・ケーブルの被覆の耐熱性が向上する。
このように、本発明では、混合物(C)中のシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が従来の場合より少ないためシランカップリング剤による架橋の量が従来の場合より少なくなり、従来に比べて耐熱性が低下する可能性があるとしても、それが、混合物(C)にポリプロピレン系樹脂を添加して混合することによる耐熱性の向上により相殺される。
そのため、本発明では、シランマスターバッチ(A)に含有されるポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が多い従来の場合と同等の高い耐熱性を維持することが可能となると考えられる。
なお、混合物(C)中に含まれるシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が多過ぎると、電線・ケーブルの被覆を薄肉に形成した場合に被覆中のブツが目立ち外観が悪化するため、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量は70質量%以下であることが必要であることが分かっている。
また、混合物(C)中に含まれるシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が少な過ぎると、架橋に関与するポリオレフィン系樹脂(A1)が少なくなり過ぎ、ポリプロピレン系樹脂を添加しても電線・ケーブルの耐熱性が低下してしまうため、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量は30質量%以上であることが必要であることが分かっている。
また、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が少な過ぎると、架橋による耐熱性とポリプロピレン系樹脂の耐熱性とを合わせても電線・ケーブルの被覆の耐熱性が十分に得られなくなる。
そのため、そのため、また、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65質量%以上であることが必要であることが分かっている。
ところで、本発明者の研究では、触媒マスターバッチ(B)を、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)を混合させるだけでなく、さらに無機フィラー(B3)を混合させて調製するとともに、混合物(C)中における触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)の含有量が多くなるように調製することで、電線・ケーブルの被覆中にブツができにくくなり、電線・ケーブルの被覆を薄肉に形成した場合でもその外観が良好になることが分かっている。
具体的には、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)の含有量が30〜70質量%であることが望ましい。
そのため、本発明では、上記のように、混合物(C)中に含まれるシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量を少なくするが、その分、混合物(C)中での触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)の含有量を増やすことで、上記の状態を形成することができる。
そして、その際、触媒マスターバッチ(B)には予め無機フィラー(B3)が添加される。
この場合、触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)として、シランマスターバッチ(A)のポリオレフィン系樹脂(A1)と同様の樹脂成分を用いることが可能である。また、上記のシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂を、予め触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)に含有させておくように調製することも可能である。
また、無機フィラー(B3)としては、前述した無機フィラーを用いることが可能であり、特に水酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
このように、触媒マスターバッチ(B)に無機フィラー(B3)を混合させて調製するとともに、混合物(C)中における触媒マスターバッチ(B)のベース樹脂(B1)の含有量が多くなるように(混合物(C)中の樹脂成分100質量%中30〜70質量%)調製することで、電線・ケーブルの被覆中にブツができにくくなり優れた外観を有するようになる理由についてはまだ定かではないが、例えば、ベース樹脂(B1)や無機フィラー(B3)による希釈効果が考えられる。
すなわち、上記の工程(α)でシランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)とを混合する際、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)は最初から均一な濃度で混合されるわけではなく、混合初期にはシランマスターバッチ(A)に対する触媒マスターバッチ(B)の濃度にムラが生じる。
そのため、シランマスターバッチ(A)に対する触媒マスターバッチ(B)の濃度が高い部分ではシラノール縮合触媒(B2)による架橋反応が過剰に生じてしまう場合があり、そのためにブツが生じる場合がある。
しかし、上記のように触媒マスターバッチ(B)に無機フィラー(B3)が含まれていたり混合物(C)中におけるベース樹脂(B1)の含有量が多いと、触媒マスターバッチ(B)中でのシラノール縮合触媒(B2)の濃度がベース樹脂(B1)や無機フィラー(B3)によって希釈されるため、上記のようにシランマスターバッチ(A)に対する触媒マスターバッチ(B)の濃度が高い部分でもシラノール縮合触媒(B2)の濃度がさほど高くならない。
そのため、架橋反応が過剰に生じなることがなくなるため、電線・ケーブルの被覆中にブツができにくくなり、電線・ケーブルが優れた外観を有するようになると考えられる。
なお、触媒マスターバッチ(B)が無機フィラー(B3)を含有することで、工程(α)でシランマスターバッチ(A)と溶融混合する際に触媒マスターバッチ(B)中の無機フィラー(B3)がシランマスターバッチ(A)中に残存しているシランカップリング剤(A3)を吸着(結合)するため、残存するシランカップリング剤(A3)による余分な架橋反応を抑えることで電線・ケーブルの被覆中にブツができにくくなっている可能性もある。
一方、本発明では、上記のように、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との混合物(C)中にポリプロピレン系樹脂が含有される。
そして、従来から、ポリプロピレン系樹脂を用いると電線・ケーブルの被覆の強度や耐摩耗性を向上させることができることが知られている。そのため、本発明のように、ポリプロピレン系樹脂を含有する混合物(C)を成形して電線・ケーブルの被覆を形成することで、上記のような耐熱性や優れた外観のほかに、被覆の強度や耐摩耗性を向上させることが可能となる。
本発明者の研究によれば、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量が30〜80質量%になるように混合することで、電線・ケーブルの被覆に十分な強度や耐摩耗性を持たせることができることが分かっている。
なお、この場合のポリプロピレン系樹脂は、シランマスターバッチ(A)由来であってもよく、また、シランマスターバッチ(A)由来や第3成分として添加されたポリプロピレン系樹脂であってもよい。
混合物(C)中に含まれるポリプロピレン系樹脂の含有量が少な過ぎるとポリプロピレン系樹脂による耐摩耗性等の向上の効果を得にくくなるため、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量が30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上である。
また、ポリプロピレン系樹脂は他のポリオレフィン系樹脂に比べてシラン架橋を形成しにくいため、混合物(C)中に含まれるポリプロピレン系樹脂の含有量が多過ぎると、架橋の量が少なくなり、電線・ケーブルの耐熱性が低下する可能性があるため、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量は80質量%以下であることが望ましい。
電線・ケーブルの被覆の耐熱性や優れた外観のほかに被覆の強度や耐摩耗性を向上させる観点から見た場合、本発明のように、混合物(C)中にシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂を含有させる際のポリプロピレン系樹脂に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂が含まれ、さらに、混合物(C)中に金属水和物が含まれるようにすることで、電線・ケーブルの被覆の強度や耐摩耗性を向上させることができることが分かっている。
そこで、例えば、触媒マスターバッチ(B)を、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)と金属水和物(B4)とを混合して調製し、さらに、ベース樹脂(B1)に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂が含まれるように構成することが可能である。
このように構成すれば、工程(α)でシランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)とを混合した際に、混合物(C)中のポリプロピレン系樹脂に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂が含まれるようになり、さらに、混合物(C)中に金属水和物が含まれる状態になるため、上記のように、製造される電線・ケーブルの被覆で耐熱性や優れた外観のほかに強度や耐摩耗性を向上させることが可能となる。
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂については、前述した通りであり、ポリプロピレン樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などの不飽和カルボン酸で変性することにより得られる。
不飽和カルボン酸等により変性されたポリプロピレン樹脂としてはアドマーQE800、810(商品名、三井化学社製)などが市販されている。
また、金属水和物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ベーマイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができ、特に水酸化マグネシウムが好ましく用いられる。
金属水和物は無処理のもの、脂肪酸で処理されているもの、シランカップリング剤で処理されているもの、リン酸エステルで処理されているもの、チタネートカップリング剤で処理されているもの等を使用することが可能であること等は前述した通りである。
このように、混合物(C)中に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂や金属水和物が含まれると、製造される電線・ケーブルの被覆の強度や耐摩耗性が向上する理由は、確実なところはいまだ定かではないが、以下のように考えられる。
シランマスターバッチ(A)中のポリオレフィン系樹脂(A1)にグラフト反応したシランカップリング剤は、工程(α)で触媒マスターバッチ(B)と混合されると、工程(γ)等において水分で加水分解することによりシランカップリング剤同士が縮合し、ポリオレフィン系樹脂同士がシランカップリング剤を介して結合して架橋する。
また、ポリオレフィン系樹脂にグラフト反応したシランカップリング剤の一部は、アルコキシ基で金属水和物と結合するため、シランカップリング剤を介してポリオレフィン樹脂と金属水和物とが結合する。
さらに、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂が金属水和物とイオン結合する。
混合物(C)中に不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂や金属水和物が含まれると、このように、(I)シランカップリング剤を介したポリオレフィン系樹脂同士の結合、(II)シランカップリング剤を介したポリオレフィン系樹脂と金属水和物との結合、(III)不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂と金属水和物間のイオン結合、の3つの結合が生じるため、製造される電線・ケーブルの被覆は耐熱性や優れた外観だけでなく強度や耐摩耗性も向上すると考えられる。
なお、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂もポリプロピレン系樹脂の一種であるため、上記のように構成すれば、前述したポリプロピレン系樹脂による耐摩耗性等の向上の効果も得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、表I〜表IIIにおいて、各実施例及び比較例における数値は特に断らない限り質量部を表す。また、各成分について空欄は対応する成分の配合量が0質量部であることを意味する。
また、表Iの実施例2の「触媒マスターバッチB」の「変性PP樹脂」における「(30)」の記載は、実際には、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP樹脂)が、触媒マスターバッチ(B)中のベース樹脂(B1)としてではなく、シランマスターバッチ(A)や触媒マスターバッチ(B)とは別に第3成分として混合されたことを表す。
さらに、表I〜表IIIにおける「(A)中の樹脂量」は混合物(C)中でのシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量(単位は質量%)を表し、「(A)以外のPP量」は混合物(C)中でのシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量(単位は質量%)を表し、「(A)中の樹脂量+(A)以外のPP量」は混合物(C)中でのシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量の合計(単位は質量%)を表す。
表I〜表III中に示す各成分(化合物)の詳細を以下に示す。
<ポリオレフィン系樹脂(A1)、ベース樹脂(B1)>
ポリプロピレン系樹脂(PP樹脂)(I):PB222A(商品名、ランダムポリプロピレン、サンアロマー社製)
ポリプロピレン系樹脂(PP樹脂)(II):VB170A(商品名、ブロックポリプロピレン、サンアロマー社製)
ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(III):VS200A(商品名、ホモポリプロピレン、サンアロマー社製)
エチレン−α−オレフィン共重合体(Et−O共重合体)(I):エボリュー2520P(商品名、三井化学社製)
エチレン−α−オレフィン共重合体(Et−O共重合体)(II):エボリュー0540P(商品名、三井化学社製)
スチレン系エラストマー(スチレン系EL):セプトン4077(商品名、クラレ社製)
鉱物性オイル:ダイアナプロセスオイルPW90(商品名、シェル社製)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):V5274(商品名、三井・ダウポリケミカル社製)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA):NUC6520(商品名、NUC社製)
エチレン−アクリル酸共重合体(EAA):ニュクレルN1207C(商品名、三井・ダウポリケミカル社製)
変性スチレン系エラストマー(変性スチレン系EL):クレイトン1901FG(商品名、JSR クレイトン社製)
不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂(変性PP樹脂):アドマーQE800(商品名、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、三井化学社製)
不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂(変性PE):アドテックスL6100M、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、日本ポリエチレン社製)
<有機過酸化物(A2)>
有機過酸化物:パーヘキサ25B(商品名、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、分解温度179℃、日本油脂社製)
<シランカップリング剤(A3)>
シランカップリング剤:KBM1003(商品名、ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)
<シラノール縮合触媒(B2)>
シラノール縮合触媒:アデカスタブOT−1(商品名、ジオクチル酸スズラウリレート、ADEKA社製)
<無機フィラー、無機フィラー(B3)、金属水和物(B4)>
無機フィラー(I):キスマ5AL(商品名、ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム、協和化学工業社製)
無機フィラー(II):キスマ5L(商品名、シランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウム、協和化学工業社製)
無機フィラー(III):アピラールAOH60(商品名、ベーマイト、ナバルテック社製)
<その他>
酸化防止剤:イルガノックス1076(商品名、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、BASF社製)
滑剤:ACポリエチレンNo.6(商品名、ポリエチレンワックス、ハネウェルジャパン社製)
(実施例1〜15及び比較例1〜6)
まず、表I〜表IIIに記載の質量部の有機過酸化物やシランカップリング剤等を、東洋精機製10Lヘンシェルミキサーに投入し、室温で10分混合して混合物を得た。
そして、得られた混合物と、表I〜表IIIに示すポリオレフィン系樹脂等とを、日本ロール製2Lバンバリーミキサー内に投入し、そのミキサーで約12分混練り後、材料排出温度190℃〜210℃で排出してシランマスターバッチ(A)を得た。
次いで、表I〜表IIIに示すベース樹脂とシラノール縮合触媒等とを表I〜表IIIに示す混合割合でバンバリーミキサーにて別途混合し、材料排出温度は180〜190℃で溶融混合して触媒マスターバッチ(B)を得た。
次いで、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)を表I〜表IIIの割合でドライブレンドして樹脂組成物の混合物(C)を得た(以上、工程(α))。
次に、樹脂組成物の混合物(C)をL/D=25の45mm押出機(供給部170℃、混合物190℃、圧縮部210℃、ヘッド及びダイス210℃)に導入し、37/0.21TA導体の外側に肉厚0.3mmで被覆して電線・ケーブルを得た(工程(β))。
そして、得られた電線・ケーブルを温度60℃湿度95%の雰囲気に24時間放置した(工程(γ))。
製造した電線・ケーブルについて下記評価をし、その結果を表I〜表IIIに示した。
<押出外観>
電線・ケーブルの押出外観試験を行った。押出外観は、電線・ケーブルを製造する際に押出外観を観察した。そして、45mm押出機にて線速120mm/分で作製した際に、外観に問題がないものを「〇」、ブツや表面状態などに若干の問題が確認されたが製品上問題がないものを「△」、ブツや表面状態などに製品上問題がある可能性があるものを「×」とし、「〇」及び「△」を合格とした。
<耐熱性1>
耐熱性1は、JASO D 618加熱変形試験に基づいて、試験温度120℃、試験荷重0.9Nで試験を行った。そして、試験に合格したものを「〇」、試験に合格しなかったものを「×」とし、「〇」を合格とした。
<耐熱性2>
耐熱性2は、JASO D 618耐熱試験1Cに基づいて、試験を行った。そして、試験後絶縁体表面にクラックが無いものを「〇」、クラックが発生したものを「×」とし、「〇」を合格とした。
<耐磨耗性>
電線・ケーブルの耐摩耗性はJASO D 618スクレープ磨耗試験に基づいて試験を行った。そして、磨耗サイクル数が300以上のものを「〇」、200以上300未満のものを「△」、200未満のものを「×」とし、「〇」及び「△」を合格とした。
<低温性>
なお、低温性の確認の参考試験としてJASO D 618低温試験・巻付け試験に基づいて試験を行った。マンドレル径が4mmでの試験で合格したものを「〇」、4mmでの試験では合格しなかったが、10mmでの試験で合格したものを「△」、10mmの試験でも合格しなかったものを「×」とした。
Figure 2021028366
Figure 2021028366
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表I〜表IIIの結果から、以下のことが分かる。
混合物(C)中のシランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計(表における「(A)中の樹脂量+(A)以外のPP量」)が50質量%で少な過ぎる比較例1では耐熱性(加熱変形、加熱巻付け)及び耐摩耗性に劣る。
また、混合物(C)中のシランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量(表における「(A)中の樹脂量)が75質量%で多過ぎる比較例2はブツが多数発生するなどして押出外観に劣る。
また、混合物(C)中のシランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が25質量%で少な過ぎる比較例3は押出外観に劣るとともに耐熱性(加熱巻付け)に劣る。
また、シランマスターバッチ(A)中に有機過酸化物(A2)が含有されていない比較例4やシランカップリング剤(A3)が含有されていない比較例5、触媒マスターバッチ(B)中にシラノール縮合触媒(B2)が含有されていない比較例6はいずれもシランマスターバッチ(A)のポリオレフィン系樹脂(A1)の架橋が不十分になるため耐熱性(加熱巻付け)に劣る。
これに対して、実施例1〜15はいずれも耐熱性(加熱変形、加熱巻付け)が優れたものとなり、さらに外観も良好なものになる。
このように、シランマスターバッチ(A)と触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)で、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、シランマスターバッチ(A)由来のポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量とシランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であるように混合することで、被覆が厚肉の場合は勿論、被覆が薄肉であっても、高い耐熱性を保ちつつ外観が良好な電線・ケーブルを製造することが可能となる。

Claims (5)

  1. ポリオレフィン系樹脂(A1)と有機過酸化物(A2)とシランカップリング剤(A3)とを含有するシランマスターバッチ(A)と、シラノール縮合触媒(B2)を含有する触媒マスターバッチ(B)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)と、
    前記工程(α)で得られた前記混合物(C)を導体及び/又は光ファイバの周りに成形して成形体を得る工程(β)と、
    前記工程(β)で得られた前記成形物を水と接触させる工程(γ)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
    前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、前記シランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量が30〜70質量%であり、かつ、前記シランマスターバッチ(A)由来の前記ポリオレフィン系樹脂(A1)の含有量と前記シランマスターバッチ(A)由来ではないポリプロピレン系樹脂の含有量との合計が65〜100質量%であることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
  2. 前記触媒マスターバッチ(B)は、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)と無機フィラー(B3)とを混合させて調製され、
    前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、前記触媒マスターバッチ(B)の前記ベース樹脂(B1)の含有量が30〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  3. 前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、ポリプロピレン系樹脂の含有量が30〜80質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  4. 前記触媒マスターバッチ(B)は、ベース樹脂(B1)にシラノール縮合触媒(B2)と金属水和物(B4)とを混合させて調製され、
    前記ベース樹脂(B1)には不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電線・ケーブルの製造方法で製造された電線・ケーブル。
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