JP2021027325A - インダクタ - Google Patents

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Yuta Hachiya
勇多 八谷
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Abstract

【課題】 巻回部における導線同士の接着が十分であり、かつ底背化、小型化が可能なインダクタを提供する。【解決手段】 磁性粉を含有する磁性部、及び磁性部に埋設されるコイルを有する素体と、素体上に配置され、コイルに接続される1対の外部電極と、を備え、コイルは、一方の端部が内周部に配置され、かつ他方の端部が外周部に配置されるように、一対の幅広面を有する導線を巻軸の周囲に巻回した巻回部と、一方の端部が、内周部側から外周部側へ、ねじられて引き出されている第1の引き出し部、及び他方の端部が外周部から引き出されている第2の引き出し部と、を有し、巻回部と第1の引き出し部とが重なる重なり領域におけるコイルの高さは、巻回部の高さの2倍より低い。【選択図】図1

Description

本発明は、インダクタに関する。
近年、電子機器に用いられるインダクタは小型化が要求されている。電子機器に用いられるインダクタの1つとして、1本の導線を上下2段に巻回し、その両端を外周から引き出して形成されたコイル(いわゆるα巻きコイル)と、コイルを覆う磁性部と、コイルに接続された外部電極とを備えるインダクタがある。このようなインダクタを小型化するために、コイルを構成する導線の両端を磁性部内で曲げることで、導線の両端が磁性部内で占有する領域を減らす手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、消費電力を低減するために、電子機器の稼働周波数は高周波化されている。これに伴い、インダクタのインダクタンス値を下げることが可能になり、それ故コイルの巻数を減らすことが可能になっている。コイルの巻数の減少は、インダクタの小型化に有利である。
特開2015−225887号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたようなα巻きコイルを有するインダクタは、巻回部の高さが必然的に導線の幅の2倍よりも高くなる。そのため、用いる導線の幅によっては、インダクタを所望の高さまで低背化して小型化することが困難であった。
また、特許文献1に記載されたようなα巻きコイルを有するインダクタは、導線に断面が矩形で、表面に被覆層と融着層が設けられたいわゆる平角線が用いられ、上段と下段が融着層で互いに接着されている。そのため、コイルの巻数を減らすと、上下2段に巻回されたコイルの上段のターン数とコイルの下段のターン数も少なくなり、コイルの上段を構成する導線と下段を構成する導線の接着面積が減り、巻回部における導線同士の接着が不十分になることがあった。
本発明の1態様は、巻回部における導線同士の接着が十分であり、かつ低背化、小型化が可能なインダクタを提供する。
本発明の1態様に係るインダクタは、磁性粉を含有する磁性部、及び磁性部に埋設されるコイルを有する素体と、素体上に配置され、コイルに接続される1対の外部電極と、を備え、コイルは、一方の端部が内周部に配置され、かつ他方の端部が外周部に配置されるように、一対の幅広面を有する導線を巻軸の周囲に巻回した巻回部と、一方の端部が、内周部側から外周部側へ、ねじられて引き出されている第1の引き出し部、及び他方の端部が外周部から引き出されている第2の引き出し部と、を有し、巻回部と第1の引き出し部とが重なる重なり領域におけるコイルの高さは、巻回部の高さの2倍より低い。
本発明の1態様に係るインダクタは、巻回部における導線同士の接着が十分であり、かつ低背化、小型化が可能なインダクタである。
本発明の実施形態1に係るインダクタを示す斜視図である。 図1に示すインダクタに係るコイルの斜視図である。 図1に示すインダクタに係るコイルの引き出し部のねじれ程度を説明する図であり、(a)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度にした場合と、(b)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度の2倍にした場合と、(c)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度の2倍より大きくした場合と、を示す。 図1に示すインダクタに係るコイルの引き出し部のねじれ角度と高さとの関係を説明する図である。 本発明の実施形態2に係るインダクタを示す斜視図である。 図4に示すインダクタに係るコイルの斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及
び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
後述の実施形態では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。
1.実施形態1
図1から図3Bを参照して、本発明の実施形態1に係るインダクタ1の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態1に係るインダクタを示す斜視図である。図2は、図1に示すインダクタに係るコイルの斜視図である。図3Aは、図1に示すインダクタに係るコイルの引き出し部のねじれ程度を説明する図であり、(a)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度にした場合と、(b)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度の2倍にした場合と、(c)ねじれ角度を、導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度の2倍より大きくした場合と、を示す。図3Bは、図1に示すインダクタに係るコイルの引き出し部のねじれ角度と高さとの関係を説明する図である。
本実施形態に係るインダクタ1は、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6に埋設されるコイル8を有する素体2と、素体2上に配置され、コイル8に接続される一対の外部電極4と、を備える。
コイル8は、一対の幅広面10を有する導線100を巻回した巻回部12と、巻回部12に連続する一対の引き出し部20、22とを備える。巻回部12の一方の端部(第1の端部)14は、巻回部12の最内周に配置されている。巻回部12の他方の端部(第2の端部)16は、巻回部12の最外周に配置されている。一方の引き出し部(第1の引き出し部)20は巻回部12の第1の端部14から引き出され、他方の引き出し部(第2の引き出し部)22は、巻回部12の第2の端部16から引き出されている。第1の引き出し
部20は、巻回部12の内周に囲まれた領域においてねじられて最内周側から最外周側へ引き出されている。このような巻回部12及び一対の引き出し部20、22を備えるコイル8は、巻回部12と第1の引き出し部20とが重なる領域(重なり領域)24におけるコイル8の高さh1が、巻回部12の高さh2の2倍より低くなっている。
一対の外部電極4は、それぞれの引き出し部20、22と電気的に接続されている。
<コイル>
図1及び図2に示すように、コイル8は、導線100を巻回して形成された巻回部12と、巻回部12の両端部14、16に連続する一対の引き出し部20、22とを有する。導線100は、互いに対向する一対の幅広面10を有し、断面が矩形形状のいわゆる平角線である。また、導線100は、導体の表面に絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に融着層を有する導線である。
(巻回部)
巻回部12は、導線100を、その幅広面10が巻軸Aと略平行になるように巻回して形成されている。巻回部12は、導線100を1段に巻回して形成されている。巻回部12の第1の端部14は最内周に配置され、第2の端部16は最外周に配置されている。巻回部12の隣接する巻周の導線100は、互いの幅広面10を接触させている。図示されたコイル8で具体的に説明すると、内周側から1周目の導線100aの外周側幅広面10aと内周側から2周目の導線100bの内周側幅広面10bとは、接触し、融着層によって接着されている。
(引き出し部)
第2の引き出し部22の先端22aは、その幅広面が後述する素体2の一側面2eと略平行になるように曲げられている。
第1の引き出し部20は、巻回部12の上面12a側又は下面12b側を経由して、ねじられながらコイル8の内周側から外周側へ引き出されている。このとき、第1の引き出し部20の一部は、巻回部12の上面12a又は下面12bに接している。第1の引き出し部20は、巻回部12と第1の引き出し部20とが重なる領域(重なり領域)24におけるコイル8の高さh1が、巻回部12の高さh2の2倍より低くなるようにねじられている。ここで、高さとは、巻軸Aの延在方向D1における長さである。また、重なり領域24におけるコイル8の高さh1は、巻回部12の高さh2と重なり領域24における第
1の引き出し部20の高さh3との和である。さらに、本実施形態では、巻回部12において導線100が、その幅広面10と巻軸Aとが略平行になるように巻回されているので、巻回部12の高さh2は導線100の幅wである。これらを式で表すと、
h1<2×h2
h1=h2+h3
h2=w
となり、h3をwで表すと、
h3<w
となる。従って、第1の引き出し部20は、重なり領域24における高さh3が、導線100の幅wより小さくなるようにねじられている。
図2、図3A及び図3Bを参照しながら、第1の引き出し部20の具体的なねじれ程度を、重なり領域24における第1の引き出し部20の幅方向D2と巻軸Aの延在方向D1との間の角度(ねじれ角度)θ1に注目して説明する。なお、ねじれ角度θ1は90°以下である。
上記の通り、導線100は断面が矩形形状である。そのため、図3Aに示されるように、ねじれ角度θ1がある程度大きくないと、重なり領域24における第1の引き出し部20の高さh3は、第1の引き出し部20をねじってないときの高さ、つまり導線100の幅wよりも高くなる。具体的に説明すると、例えば図3A(a)に示すように、ねじれ角度が、導線100の断面における対角線L1と幅方向の辺L2との間の角度αである場合、第1の引き出し部20の高さh3は、導線100の幅wよりも長い対角線L1の長さd1となる。一方で、例えば図3A(c)に示すように、ねじれ角度が十分に大きい場合、第1の引き出し部20は水平状態に近づき、高さh3は、導線100の幅wよりも小さくなる。
このように、ねじれ角度θ1は、導線100の断面が矩形形状であることに依拠して、角度範囲が設定される。ねじれ角度に設定される角度範囲は、図3A及び図3Bを参照して幾何学的に算出することができる。
以下に、ねじれ角度θ1の角度範囲の算出方法の一例を説明する。
図3Bに示すように、ねじれ角度θ1のときの高さh3は、対角線L1の長さd1を用いて、
h3=d1cоs(θ1−α)
と表される。これは、導線100の断面形状である矩形の1つの角を通り、巻軸Aの延在方向D1に平行な補助線L3を利用することで理解が容易になる。
また、導線100の幅wは、
w=d1cоsα
である。
これらを、h3<wに代入すると、
d1cоs(θ1−α)<d1cоsα
となり、これゆえ
2α<θ1
と、算出される。
以上のことより、本実施形態における第1の引き出し部20のねじれ角度θ1は、2α<θ1≦90°の角度範囲に設定される。
さらに、ねじれ角度θ1は、用いられる導線100の剛性、ねじれにより導線100に負荷される力等を考慮して、2α<θ1≦90°の範囲内で適宜設定されることが望ましい。
コイル8を形成する導線100の導体は、例えば銅等で形成され、幅が、例えば140μm〜170μm、厚みが、例えば67μm以上85μm以下である。また、導線100の被覆層は、ポリアミドイミド等の絶縁性樹脂で形成され、厚みが、例えば1μm〜7μm、好ましくは6μmである。さらに、導線100の融着層は、巻回部12を構成する導線同士を固定できる様に自己融着成分を含む熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等から形成され、厚みが、例えば1μm〜3μm、好ましくは1.5μmである。従って、コイル8を形成する導線100の幅wは、例えば144μm〜190μmであり、厚みは、例えば7
1μm〜105μmである。
<磁性部>
磁性部6は、図1に示すように、コイル8を埋設している。ただし、第1の引き出し部20の先端20a、及び第2の引き出し部22の先端22aは、磁性部6から露出している。なお、第1の引き出し部20も、第2の引き出し部22と同様に、磁性部6の表面に沿って先端を曲げて第1の引き出し部20の幅広面を磁性部6から露出させてもよい。
磁性部6は、磁性粉と樹脂の混合物を加圧成形して形成される。混合物における磁性粉の充填率は、例えば、60重量%以上であり、好ましくは80重量%以上である。磁性粉としては、Fe、Fe−Si−Cr、Fe−Ni−Al、Fe−Cr−Al、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Ni、Fe−Ni−Mo等の鉄系の金属磁性粉、他の組成系の金属磁性粉、アモルファス等の金属磁性粉、表面がガラス等の絶縁体で被覆された金属磁性粉、表面を改質した金属磁性粉、ナノレベルの微小な金属磁性粉末が用いられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂又は、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
<素体>
素体2は、上記のコイル8と磁性部6とにより構成される。素体2は、外観形状が略直方体であり、例えば、幅方向の長さが1.4mm〜2.2mmであり、奥行き方向の長さが0.6mm〜1.8mmであり、高さが0.6mm〜1.4mmである。
<外部電極>
外部電極4は、素体2の表面に形成され、互いが離隔して配置された一対の外部電極である。本実施形態では、一方の外部電極4は、素体2の側面2cとそれに隣接する面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、第1の引き出し部20の先端20aと電気的に接続している。また、他方の外部電極4は、素体2の側面2eとそれに隣接する面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、第2の引き出し部22の先端22aと電気的に接続している。一対の外部電極4は、例えば、金属粒子と樹脂を含有する導電性樹脂により形成される。金属粒子は銀が用いられる。樹脂はエポキシ樹脂が用いられる。また、一対の外部電極4は、金属粒子と樹脂を含有する導電性樹脂上には、ニッケルから形成される第1層と、第1層上に形成され、スズから形成される第2層とを備えるめっき層が形成されても良い。
<効果>
このように構成されたインダクタでは、導線100を1段に巻回して巻回部12が形成されており、第1の引き出し部20は、重なり領域24におけるコイル8の高さh3が、巻回部12の高さh1の2倍より低くなるようにねじられている。これにより、コイル8を低背化することができ、結果的にインダクタを小型化することができる。
さらに、このように構成されたインダクタでは、コイル8の各周の導線100a、100bが互いの幅広面10a、10bを接触させて融着層によって互いに接着されおり、各周の導線同士の広い接着面積が確保されている。これにより、コイル8の各周の導線同士を十分に接着することができ、コイル8の巻きほつれを防止することができる。
以上のように構成されたインダクタは、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6に埋設されるコイル8を有する素体2と、素体2上に配置され、コイル8に接続される一対の外部電極4と、を備え、コイル8は、一方の端部14が内周部に配置され、かつ他方の端部16が外周部に配置されるように、一対の幅広面10を有する導線100を巻軸の周囲に巻回した巻回部12と、一方の端部14が、内周部側から外周部側へ、ねじられて引き出されている第1の引き出し部20、及び他方の端部16が外周部から引き出されている第2の引き出し部22と、を有し、巻回部12と第1の引き出し部20とが重なる重なり
領域24におけるコイル8の高さh1は、巻回部12の高さh2の2倍より低い。
2.実施形態2
次に、図4及び図5を参照して、実施形態2に係るインダクタ101ついて説明する。
図4は、本発明の実施形態2に係るインダクタを示す斜視図である。図5は、図4に示すインダクタに係るコイルの斜視図である。
実施形態2に係るインダクタ101は、巻軸Bの延在方向D3に対する巻回部112の幅広面110の向きD5が、実施形態1に係るインダクタ1と異なる。インダクタ1の巻回部12の幅広面10は巻軸Aに略平行であったが、インダクタ101の巻回部112の幅広面110は巻軸Bに対して傾斜している。これは、巻回部112が水平状態に向けて傾斜させられているとも言える。
巻軸Bに対する幅広面110の傾斜角度θ3は、2α≦θ3≦90°の範囲内、好ましくは2α≦θ3<90°の範囲内の値に設定される。これは実施形態1でねじれ角度θ1の角度範囲を説明した際の考え方と同様の考え方に基づいている。幅広面110を巻軸Bに対して傾斜させた結果、巻回部112の高さh5が傾斜前よりも高くなることは、本発明の目的に適していない。従って、傾斜角度θ3は、2α≦θ3≦90°の範囲内、好ましくは2α≦θ3<90°の範囲内の値に設定される。なお、角度αは、実施形態1における角度αと同一である。
一方で、傾斜角度θ3は大きすぎると、コイル108の断面積(巻回部112の最内周の導線200で囲まれる面積)が小さくなり、それゆえインダクタンス値が小さくなる。そのため、傾斜角度θ3は、所望のインダクタンス値、所望のコイルの高さ、導線200の幅等を考慮して決定される。
また、巻回部112は、図5に示すように、第1の引き出し部120が巻回部112の下面112b側を介して外周部側へ引き出されている場合、巻回部112の上面112aと巻軸Bとの距離が、巻回部112の下面112bと巻軸Bとの距離よりも短くなるように傾斜している。つまり、巻回部112は、下面112bから上面112aに向けて先細りになっている。一方、巻回部112は、第1の引き出し部120が巻回部112の上面112a側を介して外周部側へ引き出されている場合、巻回部112の上面112aと巻軸Bとの距離が、巻回部112の下面112bと巻軸Bとの距離よりも長くなるように傾
斜している。つまり、巻回部112は、上面112aから下面112bに向けて先細りになっている。
さらに、実施形態2に係るインダクタ101は、導線200の幅広面110が巻軸Bに対して傾斜させられることに起因して、重なり領域124における第1の引き出し部120の幅方向D4と巻軸Bの延在方向D3との間の角度(ねじれ角度)θ2の範囲が、実施形態1におけるねじれ角度θ1の範囲と異なる。
本実施形態に係るねじれ角度θ2の範囲について説明する。
まず、第1の引き出し部120は、実施形態1と同様に、重なり領域124におけるコイル108の高さh4が、巻回部112の高さh5の2倍より低くなるようにねじられている。重なり領域124におけるコイル108の高さh4とは、巻回部112の高さh5と重なり領域124における第1の引き出し部120の高さh6との和である。これらを式で表すと、
h4<2×h5
h4=h5+h6
となり、h6をh5で表すと、
h6<h5
となる。従って、第1の引き出し部120は、重なり領域124における高さh6が、巻回部112の高さh5より小さくなるようにねじられている。
本実施形態では、上記の通り、傾斜角度θ3は、2α≦θ3≦90°、好ましくは2α≦θ3<90°である。そのため、第1の引き出し部120をねじった結果、重なり領域124における第1の引き出し部120の高さh6を、巻回部112の高さh5より低くするためには、第1の引き出し部120を巻回部112より水平状態に近づける必要がある。これは、ねじれ角度θ2を傾斜角度θ3以上に設定することで達成され得る。従って、本実施形態におけるねじれ角度θ2は、θ3<θ2≦90°(2α≦θ3≦90°、好ましくは2α≦θ3<90°)と設定される。なお、本実形態でも、ねじれ角度θ2は、
導線200の剛性、ねじれにより導線200に負荷される力等を考慮して、θ3<θ2≦90°の範囲内、好ましくは2α≦θ3<90°の範囲内で適宜設定されることが望ましい。
<効果>
このように構成されたインダクタは、巻回部112の幅広面110が巻軸Bに対して傾斜している。これにより、コイル108を底背化することができ、インダクタを小型化することができる。
3.製造方法
次に、実施形態に係るインダクタの製造方法を説明する。
実施形態に係るインダクタの製造方法は、
(1)コイルを形成する工程と、
(2)素体を形成する工程と、
(3)外部電極を形成する工程と、を含む。
以下、各工程の詳細を説明する。
(コイルを形成する工程)
本工程では、巻回部と引き出し部を有するコイルを形成する。コイルは、導体の表面に形成された絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に形成された融着層を有し、互いに対向する幅広面を有する導線(いわゆる、平角線)を用いて形成される。巻回部は、導線の第1の端部が内周部に位置し、第2の端部が外周部に位置するように、隣接する巻周の導線の幅広面を接触させて巻回し、融着層によって導線同士が接着される。このとき、幅広面を巻軸に略平行になるように巻回すると実施形態1に係るコイル8を形成することができ、幅広面を巻軸に対して傾斜させることで実施形態2に係るコイル108を形成するこ
とができる。
次に、巻回部の一方の端部を、重なり領域における巻軸に対するねじれ角度が、所定の範囲内になるように、ねじりながら内周部側から外周部側に引き出して第1の引き出し部を形成する。また、巻回部の他方の端部を、巻回部の外周部から引き出して第2の引き出し部を形成する。
(素体を形成する工程)
本工程では、コイルを金型のキャビティに収容し、キャビティ内に、磁性粉と樹脂の混合物を充填する。このとき、コイルは、第1の引き出し部の線端と第2引き出し部の先端とが、キャビティの側面に接するようにキャビティ内に収容されることが望ましい。さらに、金型内で磁性粉と樹脂の混合物を樹脂の軟化温度以上の温度(例えば、60℃〜150℃)に加温した状態で、100kg/cm〜500kg/cm程度で加圧し、樹脂の硬化温度以上の温度(例えば、100℃〜220℃)に加温して成形・硬化する。これにより、磁性部とコイルが一体化されて、側面に第1の引き出し部の先端と第2の引き出し
部の先端とが露出した素体が形成される。なお、硬化は、成形後に行っても良い。
(外部電極を形成する工程)
本工程では、第1の引き出し部の先端及び第2の引き出し部の先端が露出する素体の側面と、それらの側面に隣接する4つの面の一部に跨って、互いに離隔した一対の外部電極が形成される。一対の外部電極は、素体の所望の位置に導電性ペーストのような流動性を有する導電性樹脂をディップにより塗布することにより形成される。また、一対の外部電極は、塗布された導電性樹脂上にめっきを施して形成してもよい。めっきは、導電性樹脂上に形成されるニッケル層とニッケル層上に形成されるスズ層により構成される。
上記では、本発明の実施形態を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。また、実施形態1、2において、巻回部が2ターン、3ターン等の複数ターンの渦巻き状に形成されたものも適用することができる。さらに、実施形態2では、コイルの巻回部の全周において、幅広面110を巻軸Bに対して傾斜させた場合を示したが、コイルの巻回部の周回の一部について幅広面110を巻軸Bに対して傾斜させても良い。またさらに、実施形態1、2において、コイルは、素体内に上下逆に配置されていても良い。
1、101 インダクタ
2 素体
4 外部電極
6 磁性部
8、108 コイル
10、110、10a、10b 幅広面
12、112 巻回部
12a、112a 上面
12b、112b 下面
14、114 第1の端部
16、116 第2の端部
20、120 第1の引き出し部
22、122 第2の引き出し部
24、124 重なり領域
100、100a、100b、200 導線
A、B 巻軸
D1、D3 巻軸の延在方向
D2、D4 重なり領域における引き出し部の幅方向
D5 巻軸の延在方向に対する巻回部の幅広面の向き
d1 対角線の長さ
L1 対角線
L2 幅方向の辺
L3 補助線
w 導線の幅
h1、h4 重なり領域におけるコイルの高さ
h2、h5 巻回部の高さ
h3、h6 重なり領域における引き出し部の高さ
α 対角線と幅方向の辺との間の角度
θ1、θ2 ねじれ角度
θ3 傾斜角度

Claims (4)

  1. 磁性粉を含有する磁性部、及び前記磁性部に埋設されるコイルを有する素体と、
    前記素体上に配置され、前記コイルに接続される1対の外部電極と、を備え、
    前記コイルは、
    一方の端部が内周部に配置され、かつ他方の端部が外周部に配置されるように、一対の幅広面を有する導線を巻軸の周囲に巻回した巻回部と、
    前記一方の端部が、前記内周部側から前記外周部側へ、ねじられて引き出されている第1の引き出し部、及び前記他方の端部が前記外周部から引き出されている第2の引き出し部と、を有し、
    前記巻回部と前記第1の引き出し部とが重なる重なり領域における前記コイルの高さは、前記巻回部の高さの2倍より低いことを特徴とするインダクタ。
  2. 前記重なり領域における前記第1の引き出し部の幅方向と前記巻回部の前記巻軸の延在方向との間のねじれ角度θ1は、前記導線の断面における対角線と幅方向の辺との間の角度αの2倍より大きく、かつ90°以下である、請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記巻回部を構成する前記導線の前記幅広面は、前記巻軸と略平行である、請求項1又は2に記載のインダクタ。
  4. 前記巻回部を構成する前記導線の前記幅広面は、前記巻軸に対して傾斜している、請求項1又は2に記載のインダクタ。
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