JP2021022623A - 多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビアが形成された多層基板において、導通障害を生じにくくさせること。【解決手段】多層基板(10)は、第1導体層(導体層111)、第1誘電体層(誘電体層11)、第2導体層(導体層112,121)、第2誘電体層(誘電体層12,13)、及び第3導体層(導体層132)を含み、第1誘電体層(誘電体層11)及び第2誘電体層(誘電体層12,13)を貫通する第1ビア(スルービアTV)と、第1誘電体層(誘電体層11)を貫通する第2ビア(ブラインドビアBV)とが形成されており、第2ビア(ブラインドビアBV)は、第1導体パターン(配線L1)及び第2導体パターン(パッドP2)を短絡している。【選択図】図1

Description

本発明は、多層基板に関する。
近年、広く用いられている多層基板(プリント基板とも呼ばれる)は、複数の誘電体層(例えば液晶ポリマー製)と、各誘電体層の一対の主面の各々に形成されている複数の導体層とを備えている。各導体層は、例えば、信号線や、グランドパターンや、パッドなどとして機能するようにパターニングされており、異なる誘電体層に形成されている導体層同士は、必要に応じてビアを用いて短絡されている。例えば、非特許文献1のFig.3に記載されたPBGA(Plastic Ball Grid Array)パッケージは、積層された4枚の誘電体層(非特許文献1においてはcore)と、これら4枚の誘電体層を貫通するビア(非特許文献1においてはTH Filling Material)とを備えており、ビアは、積層された4枚の誘電体層の最表面を構成する一対の主面の各々に形成された導体層同士を短絡するように構成されている。
Tsuneo Kobayashi et. al.,2000 Electronic Components and Technology Conference ,p.1658,2000
複数の誘電体層を構成する材料に依存して大小の差はあるものの、非特許文献1に記載された多層基板は、外部環境の温度変化に応じて膨張又は収縮を繰り返す。このような膨張又は収縮に伴い、ビアを構成する導体膜には応力が繰り返し印加され、やがて、ビアを構成する導体膜の一部が破断する。この応力は、複数の誘電体層を構成する材料(例えば液晶ポリマー)と導体膜を構成する材料(例えば銅)との熱膨張係数が異なることに起因して発生する。
本発明の一態様に係る多層基板は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ビアが形成された多層基板において、従来よりも導通障害を生じにくくさせることである。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る多層基板は、この順に積層された第1導体層、第1誘電体層、第2導体層、第2誘電体層、及び第3導体層を含む多層基板であって、前記第1導体層、前記第2導体層、及び前記第3導体層の各々は、ぞれぞれ、第1導体パターン、第2導体パターン、及び第3導体パターンを含み、前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通し、かつ、前記第1導体パターン、前記第2導体パターン、及び前記第3導体パターンを短絡する第1ビアと、前記第1誘電体層を貫通し、かつ、前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンを短絡する第2ビアと、が内部に形成されている。
上記の構成によれば、第1誘電体層の熱膨張により第1ビアの第1誘電体層を貫通する部分に破断が生じても、第1の導体パターンと第2の導体パターンとが第2ビアにより短絡されているので、第1導体パターンと第2導体パターンと第3導体パターンとの導通が保たれる。したがって、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じ難い多層基板を実現することができる。
また、本発明の第2の態様に係る多層基板は、上述した第1の態様において、前記第1誘電体層の材料は、前記第2誘電体層の材料よりも誘電率又は誘電正接が小さく、かつ、前記第2誘電体層の材料よりも熱膨張係数が大きい材料である。
上記の構成によれば、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じ難く、かつ、電気的な特性の優れた多層基板を実現することができる。
なお、第1誘電体層の材料が熱膨張係数が大きい材料である場合、第1誘電体層の熱膨張量が大きくなり、その結果、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率が上昇する。しかしながら、上記の構成によれば、第1誘電体層の熱膨張により第1ビアの第1誘電体層を貫通する部分に破断が生じても、第1の導体層と第2の導体層とが第2ビアにより短絡されているので、第1導体層と第2導体層と第3導体層との導通が保たれる。このため、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率の上昇を抑制することができる。
また、本発明の第3の態様に係る多層基板は、上述した第1の態様又は第2の態様において、前記第2ビアは、前記第1ビアよりも破断しにくくなるように構成されている。
上記の構成によれば、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が更に生じ難い多層基板を実現することができる。
また、本発明の第4の態様に係る多層基板は、上述した第1の態様〜第3の態様の何れかにおいて、前記第2ビアと前記第1ビアとの距離は、前記第1ビアを通過する電磁波の最大周波数に対応する波長の10分の1以下である、ように構成されている。
上記の構成によれば、第2ビアを設けたことにより生じ得る電磁波の反射を低減することができる。
また、本発明の第5の態様に係る多層基板は、上述した第1の態様〜第4の態様の何れかにおいて、前記第1導体層に実装されている集積回路を更に備えている、ように構成されている。
集積回路は、熱源となるため、第1導体層が形成された第1誘電体層の熱膨張量が大きくなり、その結果、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率が上昇する。しかしながら、上記の構成によれば、第1誘電体層の熱膨張により第1ビアに破断が生じても、第1パターンと第2パターンとが第2ビアにより短絡されているので、第1パターンと第2パターンと第3パターンとの導通が保たれる。このため、第1誘電体層の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率の上昇を抑制することができる。
また、本発明の第6の態様に係る多層基板は、上述した第1の態様〜第5の態様の何れかにおいて、前記第1導体パターンは、前記第1ビアから前記第2ビアに向かう方向に沿って延びている、ように構成されている。
上記の構成によれば、第1導体パターンから第3導体パターンへ伝送される電磁波の経路のうち、(1)第1ビアのみを経由する経路、及び、(2)第2ビア及び第1ビアを経由する経路の各々の経路長(すなわち電気長)を等しくする、又は、略等しくすることができる。したがって、(1)の経路を通る電磁波と(2)の経路を通る電磁波との間に生じ得る干渉を低減することができる。また、差動信号を構成する2つの信号や直角位相振幅変調信号を構成する2つの信号(I信号とQ信号)がそれぞれ別々の上記構成の第1導体パターンを伝送する場合、一方の上記構成における第1ビアの第1誘電体層を貫通する部分に破断が生じても、2つの信号の時間遅延差の増加を抑制又は低減できるため、差動信号や直角位相振幅変調信号の劣化を抑制又は低減することができる。
本発明の一態様によれば、ビアが形成された多層基板において、従来よりも導通障害を生じにくくさせることができる。
(a)及び(b)の各々は、それぞれ、本発明の実施形態に係る多層基板の平面図及び断面図である。 図1に示した多層基板の断面図であり、該多層基板の効果を説明する断面図である。
〔多層基板の構成〕
本発明の実施形態に係る多層基板10について、図1を参照して説明する。図1の(a)及び(b)の各々は、それぞれ、多層基板10の一部の平面図及び断面図である。図1の(b)の断面図は、図1の(a)の平面図に示したA−A’線(スルービアTVの中心軸及びブラインドビアBVの中心軸を通る直線)に沿った断面(A−A’断面)における断面図である。なお、多層基板10は、プリント基板とも呼ばれる。
図1に示すように、多層基板10は、誘電体層11,12,13と、導体層111,112,121,122,131,132と、樹脂層14,15と、スルービアTVと、ブラインドビアBVと、を備えている。
多層基板10は、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)などを実装可能な高周波回路基板である。以下において、導体層111,132のことを多層基板10の表層とも称し、導体層112,121,122,131のことを多層基板10の内層とも称する。
誘電体層11,12,13は、誘電体製の層状あるいは板状の部材である。誘電体層11は、第1誘電体層の一例であり、誘電体層12,13は、第2誘電体層の一例である。すなわち、本実施形態において、第1誘電体層は、単層の誘電体層11により構成されており、第2誘電体層は、2層の誘電体層11,12により構成されている。なお、第1誘電体層及び第2誘電体層の各々を構成する誘電体層の層数は、限定されるものではなく、単層であってもよいし、複数層であってもよい。言い換えれば、本発明の一態様において、後述するブラインドビアBVが貫通する誘電体層が第1誘電体層であり、ブラインドビアBVが貫通していない誘電体層が第2誘電体層である。
誘電体層11,12,13を構成する材料である誘電体は、限定されるものではなく、実装するRFICの動作帯域における電気的な特性(例えば誘電損失の大きさ)などを考慮して適宜選択することができる。誘電体層11,12,13を構成する材料の一例としては、液晶ポリマー、ポリイミド、ガラスエポキシ及び石英が挙げられる。
誘電体層11,12,13の各々は、全てが同じ材料により構成されていてもよいし、何れかが異なる材料により構成されていてもよい。この場合、誘電体層11,12,13のうち、後述する配線L1が形成される誘電体層11は、誘電体層12,13の材料よりも誘電率又は誘電正接が小さい材料を用いて構成することが好ましい。
なお、誘電体層11の材料としては、液晶ポリマーが好適であり、誘電体層12,13の材料としては、ポリイミドもしくはガラスエポキシが好適である。液晶ポリマーは、ポリイミドもしくはガラスエポキシと比較して、誘電率及び誘電正接が小さいため高周波特性が優れている。また、液晶ポリマーは、ポリイミドもしくはガラスエポキシと比較して、コストが高く、熱膨張係数が大きい。そのため、誘電体層11の材料として液晶ポリマーを採用し、誘電体層12,13の材料としてポリイミドもしくはガラスエポキシを採用することが好ましい。
導体層111,112は、誘電体層11の一対の主面の各々にそれぞれ形成されている層状部材である。導体層111,112の各々を構成する導体は、限定されるものではないが、電気抵抗率が小さな金属であることが好ましい。導体層111,112の各々を構成する導体の一例としては、銅及びアルミニウムが挙げられ、本実施形態では、銅を採用している。
導体層121,122は、誘電体層12の一対の主面の各々にそれぞれ形成されている点を除けば導体層111,112と同様に構成されている。また、導体層131,132は、誘電体層13の一対の主面の各々にそれぞれ形成されている点を除けば導体層111,112と同様に構成されている。したがって、ここでは、導体層121,122,131,132に関する詳しい説明を省略する。
なお、導体層111は、第1導体層の一例であり、誘電体層11と誘電体層12との間に介在する導体層112,121は、第2導体層の一例であり、導体層132は、第3導体層の一例である。
導体層111,132は、多層基板10の表層を構成し、導体層112,121,122,131は、多層基板10の内層を構成する。なお、多層基板10において、第2導体層の一例である導体層112,121のうち何れか一方は、省略されていてもよい。多層基板10において、導体層112を省略する場合、後述するブラインドビアBVが導体層121に短絡されており、後述するアンチパッドAP2が図1の(b)に示すアンチパッドAP1と同様に形成されていればよい。また、多層基板10において、導体層122,131のうち何れか一方又は両方は、省略されていてもよい。
樹脂層14は、誘電体層11の導体層112と、誘電体層12の導体層121との間に介在するように形成された層状部材である。樹脂層14を構成する樹脂は、硬化することによって導体層112と導体層121とを接着することができる樹脂であれば限定されるものではない。また、樹脂層14を構成する樹脂は、紫外線を照射することによって硬化する樹脂であってもよいし、加熱することによって硬化する樹脂であってもよいし、大気中に所定の時間放置することによって硬化する樹脂であってもよい。樹脂層14を構成する樹脂の一例としては、エポキシ樹脂が挙げられ、本実施形態ではエポキシ樹脂を採用している。
樹脂層15は、誘電体層12の導体層122と、誘電体層13の導体層131との間に介在するように形成されている点を除けば樹脂層14と同様に構成されている。したがって、ここでは、樹脂層15に関する詳しい説明を省略する。
(配線及びグランドパターン)
多層基板10の一方の主面を構成する導体層111は、まず、誘電体層11の一方の主面の全体に形成される。その後、導体層111の一部を所定の形状に除去する(すなわちパターニングする)ことによって、誘電体層11の一方の主面には、導体層111が残された領域と、導体層が除去された領域とが形成される。導体層111が残された領域は、言い換えれば導体パターンであり、その形状に応じて配線として機能したり、グランド層として機能したり、電極として機能したりする。具体的には、図1の(a)に示すように、導体層111はパターニングされ、配線L1が形成されている。また、図1の(a)には図示していないが、導体層111はパターニングされ、グランド層や、電極などが形成されていてもよい。なお、配線L1は、第1導体パターンの一例である。
なお、図1の(a)に示すように、配線L1は、スルービアTVからブラインドビアBVに向かう方向に沿って延びていることが好ましい。この構成によれば、配線L1からパッドP3へ伝送される電磁波の経路のうち、(1)スルービアTVのみを経由する経路、及び、(2)ブラインドビアBV及びスルービアTVを経由する経路の各々の経路長(すなわち電気長)を等しくする、又は、略等しくすることができる。したがって、(1)の経路を通る電磁波と(2)の経路を通る電磁波との間に生じ得る干渉を低減することができる。
多層基板10の他方の主面を構成する導体層132は、導体層111と同様に、誘電体層13の一方の主面の全体に形成され、その後、パターニングされている。その結果、導体層132には、パッドP3と、グランドパターンGとが形成されている。パッドP3とグランドパターンGとは、アンチパッドAP5により離間されるとともに絶縁されている。なお、パッドP3は、第3導体パターンの一例である。
多層基板10の表層を構成する導体層111,132と同様に、多層基板10の内層を構成する導体層112,121,122,131の各々もパターニングされている。導体層112,121,122,131の残された領域である導体パターンは、導体層111,132と同様に、その形状に応じて配線として機能したり、グランド層として機能したり、電極として機能したりする。その結果、導体層112はパターニングされ、パッドP2と、パッドP2の周りを取り囲むグランドパターン(図1において符号は省略)とが形成されている。パッドP2と上記グランドパターンとは、アンチパッドAP1により離間されるとともに絶縁されている。また、導体層121,122,131の各々はパターニングされ、それぞれ、パッドと、該パッドの周りを取り囲むグランドパターンとが形成されている。図1の(b)において、上記パッド及び上記グランドの符号は省略している。上記パッドと上記グランドパターンとは、導体層121においてはアンチパッドAP2により離間されるとともに絶縁されており、導体層122においてはアンチパッドAP3により離間されるとともに絶縁されており、導体層131においてはアンチパッドAP4により離間されるとともに絶縁されている。なお、パッドP2、及び、導体層121に含まれているパッドであってアンチパッドAP2により取り囲まれているパッドは、第2導体パターンの一例である。
(スルービアTV及びブラインドビアBV)
多層基板10の内部には、スルービアTV及びブラインドビアBVが形成されている。スルービアTVは、第1ビアの一例であり、ブラインドビアBVは、第2ビアの一例である。
スルービアTVは、樹脂層14,15を用いて接着したあとの誘電体層11,12,13に対してスルーホールTHを形成し、スルーホールTHの内壁に導体膜を形成することによって得られる。
ブラインドビアBVは、樹脂層14,15を用いて接着したあとの誘電体層11,12,13に対して、誘電体層11のみを貫通するブラインドホールBHを形成し、ブラインドホールBHの内壁に導体膜を形成することによって得られる。言い換えれば、ブラインドビアBVは、誘電体層12,13を貫通しておらず、かつ、多層基板10の法線方向に沿ってみた場合に、ブラインドビアBVは、パッドP3から離間している。なお、多層基板10において、導体層112が省略されている場合、ブラインドビアBVは、樹脂層14,15を用いて接着したあとの誘電体層11,12,13に対して、誘電体層11及び樹脂層14を貫通するブラインドホールBHを形成し、ブラインドホールBHの内壁に導体膜を形成することによって得られる。
スルービアTV及びブラインドビアBVは、導体製の筒状部材である。スルービアTV及びブラインドビアBVを構成する導体は、限定されるものではないが、電気抵抗率が小さな金属であることが好ましい。スルービアTV及びブラインドビアBVを構成する導体の一例としては、銅及びアルミニウムが挙げられ、本実施形態では、銅を採用している。なお、本実施形態においてスルービアTV及びブラインドビアBVは、導体製の筒状部材としたが、それに限らない。スルーホールTH及びブラインドホールBHに導体を充填した円柱部材であってもよい。また、スルービアTVは非貫通孔を形成した後に形成されるブラインドビアでもよい。
また、ブラインドビアBVの全長(中心軸に沿った長さ)は、スルービアTVの全長(中心軸に沿った長さ)よりも短い。
スルービアTVは、(1)多層基板10の一方の主面に形成された導体パターンである配線L1と、(2)導体層112をパターニングすることによって得られる導体パターンであるパッドP2と、(3)導体層121をパターニングすることによって得られる導体パターンであってアンチパッドAP2により取り囲まれているパッドと、(4)多層基板10の他方の主面に形成された導体パターンであるパッドP3と、を直接的に短絡する。なお、図1の(b)に示すように、スルービアTVは、多層基板10の内層に形成された導体パターンのうち、導体層112,121,122,131に形成されたアンチパッドAP1,AP2,AP3,AP4の外側に位置する導体パターンとは、絶縁されている。
ブラインドビアBVは、(1)多層基板10の一方の主面に形成された導体パターンである配線L1と、(2)導体層112をパターニングすることによって得られる導体パターンであるパッドP2と、を直接的に短絡する。なお、図1の(b)に示すように、ブラインドビアBVは、多層基板10の内層に形成された導体パターンのうち、導体層112に形成したアンチパッドAP1の外側に位置する導体パターン(パッドP2以外の導体パターン)とは、絶縁されている。
また、外部環境の温度変化に応じて多層基板10が膨張又は収縮を繰り返した場合に、ブラインドビアBVは、スルービアTVよりも破断しにくくなるように構成されていることが好ましい。ブラインドビアBVの全長(中心軸に沿った長さ)は、スルービアTVの全長(中心軸に沿った長さ)よりも短いため、スルービアTVよりも破断しにくい。さらに、ブラインドビアBVをスルービアTVよりも破断しにくくするための構成としては、(1)スルービアTVの両端部である端部TVa,TVbを封止することによって、スルービアTVの内部空間を密閉する、(2)ブラインドビアBVを構成する導体層の厚みがスルービアTVを構成する導体膜の厚みより厚くする、(3)ブラインドビアBVの直径がスルービアTVの直径より大きくする、が考えられる。本実施形態においては、ブラインドビアBVをスルービアTVよりもさらに破断しにくくするために、ブラインドビアBVを構成する導体層の厚みがスルービアTVを構成する導体膜の厚みより厚くし、かつ、ブラインドビアBVの直径がスルービアTVの直径より大きくしている。
(ブラインドビアBVの効果)
外部環境の温度変化に応じて多層基板10が膨張又は収縮を繰り返した場合、スルービアTV及びブラインドビアBVのうち最も破断する可能性が高い箇所は、スルービアTVの端部TVaの近傍領域である。以下に、端部TVaの近傍領域が最も破断する可能性が高い箇所となる理由を説明する。なお、図2においては、この最も破断する可能性が高い箇所を平行な2本の破線により図示している。
外部環境の温度変化に応じて多層基板10が膨張又は収縮を繰り返した場合、スルービアTV及びブラインドビアBVを構成する導体膜には応力が繰り返し印加される。ここで、スルービアTVの両端部である端部TVa,TVbに作用しえる応力は、ブラインドビアBVの両端部に作用しえる応力を上回る。これは、スルービアTVの全長がブラインドビアBVの全長より長いためである。したがって、ブラインドビアBVは、スルービアTVよりも破断しにくい。なお、端部TVaは、スルービアTVの両端部のうち誘電体層11側の端部であり、端部TVbは、スルービアTVの両端部のうち誘電体層13側の端部である。
また、本実施形態においては、上述したように、ブラインドビアBVをスルービアTVよりも破断しにくくする構成を採用しているため、ブラインドビアBVは、スルービアTVと比較して、大幅に破断しにくい。
また、スルービアTVの端部TVa,TVbの各々に作用しえる応力に着目した場合、端部TVaに作用しえる応力は、端部TVbに作用しえる応力を上回る。これは、本実施形態において、誘電体層11の材料である液晶ポリマーの熱膨張係数が誘電体層13の材料であるポリイミドの熱膨張係数より大きいためである。
以上のように、外部環境の温度変化に応じて多層基板10が膨張又は収縮を繰り返した場合に生じ得る応力は、スルービアTV及びブラインドビアBVのうち、端部TVaにおいて最も大きくなる場合が多い。したがって、端部TVaの近傍領域が最も破断する可能性が高い箇所となる。
多層基板10は、外部環境の温度変化に起因して、スルービアTVの誘電体層11を貫通する部分である端部TVaの近傍領域に破断が生じても、配線L1とパッドP2とがブラインドビアBVにより短絡されているので、配線L1と、パッドP2と、パッドP3との導通が保たれる。図2に示した白抜きの矢印は、配線L1からパッドP3へ流れる電流の経路を示す。したがって、多層基板10は、誘電体層11,12,13の熱膨張(特には、誘電体層11の熱膨張)に起因する導通障害が生じ難い多層基板を実現することができる。
また、上述したように、誘電体層11の材料である液晶ポリマーは、誘電体層12,13の材料であるポリイミドよりも高周波特性の良い材料であって、誘電率及び誘電正接が小さい材料であることが好ましい。通常、高周波特性の良い材料は熱膨張係数が大きい。
この構成によれば、誘電体層11の熱膨張に起因する導通障害が生じ難く、かつ高周波特性の優れた多層基板10を実現することができる。
なお、誘電体層11,12,13の各々がすべて同じ材料により構成されている場合、端部TVaの近傍領域における破断のしやすさと、端部TVbの近傍領域における破断のしやすさとは、概ね同じと見做せる。このような場合であっても、ブラインドビアBVを備えた多層基板10は、従来よりも、誘電体層11,12,13の熱膨張に起因する導通障害を生じにくくすることができる。これは、多層基板10は、端部TVbの近傍領域において破断が生じた場合には導通障害が生じるものの、端部TVaの近傍領域において破断が生じた場合には導通障害を生じさせないためである。
端部TVaの近傍領域においてのみならず、端部TVbの近傍領域においても破断を生じさせたくない場合、ブラインドビアBVと同様の構造を、誘電体層13にも形成しておけばよい。
(RFICの実装)
図1の(a)及び(b)に示すように、多層基板10において、導体層111側の主面の一部には、集積回路の一例であるRFIC16がバンプを用いて実装されている。
この構成によれば、誘電体層11の熱膨張に起因する導通障害が生じ難く、RFIC16が実装された多層基板を実現することができる。
なお、誘電体層11の導体層111側の主面にRFIC16が実装されている場合、RFIC16は熱源となるため、誘電体層11の熱膨張量が大きくなり、その結果、誘電体層11の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率が上昇する。しかしながら、この構成によれば、誘電体層11の熱膨張によりスルービアTVの誘電体層11を貫通する部分(端部TVaの近傍領域)に破断が生じても、配線L1とパッドP2とがブラインドビアBVにより短絡されているので、配線L1とパッドP2とパッドP3との導通が保たれる。このため、誘電体層11の熱膨張に起因する導通障害が生じる確率の上昇を抑制することができる。したがって、ブラインドビアBVを備えた多層基板10は、RFICなどを実装可能な高周波回路基板として好適に用いることができる。
導体層11側にRFIC16が実装されていることが好ましい。そうすることでRFIC16の出力が低誘電もしくは低誘電正接な誘電体層11に設けられた線路に直接出力されるので、線路において生じ得る損失をより低減することができる。
スルービアTVとブラインドビアBVの間の中心間距離である距離D(図1の(a)参照)は、配線L1を伝搬する電磁波の最大周波数に対応する波長の10分の1以下が好ましい。分岐しているところはインピーダンスが変化しているため、ビア間の距離が長い場合、特に4分の1波長程度になる場合、使用帯域内で反射が増加してしまう。しかし、上述したように距離Dが配線L1を伝搬する電磁波の最大周波数に対応する波長の10分の1以下である場合、多少線路中のインピーダンスが変化しても影響は小さい。多層基板10において、距離Dの例としては、1mm以下が挙げられる。誘電体層11に液晶ポリマーを使用した際、比誘電率を3とすると、距離Dが1mm以下である場合、周波数が15GHz以下の帯域に含まれる電磁波に対して、距離Dは、波長の10分の1以下という条件を満たすことができる。すなわち、周波数が15GHz以下の帯域に含まれる電磁波に対して、距離Dが十分短い距離だと見做すことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 多層基板
11,12,13 誘電体層
111,112,121,122,131,132 導体層
14,15 樹脂層
TH スルーホール
TV スルービア(第1ビア)
BH ブラインドホール
BV ブラインドビア(第2ビア)
AP1〜AP5 アンチパッド
L1 配線(第1導体パターン)
P2,P3 パッド(第2導体パターン,第3導体パターン)

Claims (6)

  1. この順に積層された第1導体層、第1誘電体層、第2導体層、第2誘電体層、及び第3導体層を含む多層基板であって、
    前記第1導体層、前記第2導体層、及び前記第3導体層の各々は、ぞれぞれ、第1導体パターン、第2導体パターン、及び第3導体パターンを含み、
    前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通し、かつ、前記第1導体パターン、前記第2導体パターン、及び前記第3導体パターンを短絡する第1ビアと、前記第1誘電体層を貫通し、かつ、前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンを短絡する第2ビアと、が内部に形成されている、
    ことを特徴とする多層基板。
  2. 前記第1誘電体層の材料は、前記第2誘電体層の材料よりも誘電率又は誘電正接が小さく、かつ、前記第2誘電体層の材料よりも熱膨張係数が大きい材料である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層基板。
  3. 前記第2ビアは、前記第1ビアよりも破断しにくくなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層基板。
  4. 前記第2ビアと前記第1ビアとの距離は、前記第1ビアを通過する電磁波の最大周波数に対応する波長の10分の1以下である、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多層基板。
  5. 前記第1導体層に実装されている集積回路を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の多層基板。
  6. 前記第1導体パターンは、前記第1ビアから前記第2ビアに向かう方向に沿って延びている、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の多層基板。
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