JP2021021400A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸部材及び収納部材の隙間を密封する密封装置と収納部材または軸部材との間の摺動抵抗を低減させる。【解決手段】軸孔が設けられたシリンダと、軸孔に挿入されたピストンとの隙間を密封し、弾性材料で構成されたシールリング10であって、シリンダの内周面と接触する環状の外周部11と、外周部11の内側において、外周部11との間に間隙Kをもって設けられ、ピストンの外周面に設けられた環状の溝部の底面と接触する環状の内周部12と、間隙Kの一部において、外周部11及び内周部12を連結する複数の連結部KRと、を備え、複数の連結部KRは、溝部に設けられる、ことを特徴とするシールリング10。【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置に関する。
従来から、軸孔が設けられた収納部材と、軸孔に挿入された軸部材との隙間を密封する、環状の密封装置が提案されている。例えば、特許文献1には、軸孔が設けられたシリンダ(「収納部材」の一例)の内周面と、軸孔に挿入され、シリンダに対して相対移動するピストン(「軸部材」の一例)の外周面との隙間を密封する、環状のシールリング(「密封装置」の一例)に係る技術が記載されている。
特開2006−316947号公報
従来の技術において、軸部材及び収納部材が相対移動する場合、密封装置は、収納部材または軸部材に対して摺動する。このため、軸部材及び収納部材の相対移動を円滑化させ、軸部材及び収納部材の相対移動に要するエネルギー効率を高めるためには、密封装置と、収納部材または軸部材との間の摺動抵抗を低減させることが必要となる。しかし、従来の技術では、密封装置が収納部材及び軸部材の隙間を密封する場合に、密封装置が収納部材及び軸部材から受ける圧力を低減する仕組みが無いため、密封装置と収納部材または軸部材との間の摺動抵抗を低減させることができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、軸部材及び収納部材の隙間を密封する密封装置と、収納部材または軸部材との間の摺動抵抗を、従来技術と比較して低減させることを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る密封装置は、軸孔が設けられた収納部材と、前記軸孔に挿入された軸部材との隙間を密封し、弾性材料で構成された密封装置であって、前記収納部材の内周面と接触する環状の第1部分と、前記第1部分の内側において、前記第1部分との間に間隙をもって設けられ、前記軸部材の外周面に設けられた環状の凹部の底面と接触する環状の第2部分と、前記間隙の一部において、前記第1部分及び前記第2部分を連結する複数の連結部と、を備え、前記複数の連結部は、前記凹部に設けられる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る密封装置は、弾性材料で形成された環状の第1部分と、前記第1部分の内側において、前記第1部分との間に間隙をもって設けられ、弾性材料で形成された環状の第2部分と、前記間隙の一部において、前記第1部分及び前記第2部分を連結する、弾性材料で形成された複数の連結部と、を備える、ことを特徴とする。
実施形態に係る相対移動機構1の構成の一例を示す断面図である。 実施形態に係るシールリング10の構成の一例を示す平面図である。 シールリング10の構成の一例を示す断面図である。 シールリング10の構成の一例を示す断面図である。 相対移動機構1の構成の一例を示す断面図である。 対比例に係るシールリング10Zの構成の一例を示す平面図である。 対比例に係る相対移動機構1zの構成の一例を示す断面図である。 変形例4に係るシールリング10Aの構成の一例を示す平面図である。 変形例5に係る相対移動機構1Bの構成の一例を示す断面図である。 変形例5に係るシールリング10Bの構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
以下、本発明の実施形態を説明する。
<<1.相対移動機構の概要>>
図1は、本実施形態に係る相対移動機構1の概要の一例を示す断面図である。以下、図1を参照しつつ、相対移動機構1の概要について説明する。
図1に示すように、本実施形態において、相対移動機構1は、シリンダ30と、ピストン20と、シールリング10と、を備える。相対移動機構1は、例えば、自動車のトランスミッションのクラッチの一部分を構成する構成要素であってもよい。
このうち、シリンダ30(「収納部材」の一例)は、軸孔HLが設けられた、円筒形状の構造体である。ここで、軸孔HLとは、シリンダ30の内周面300の内側に存在する空間である。
本実施形態では、一例として、図1に示すように、シリンダ30が、+X方向に延在する円筒形状の構造体である場合を想定する。
なお、以下では、+X方向と、+X方向とは反対方向の−X方向とを、X軸方向と総称する場合がある。また、以下では、+X方向に直交する+Y方向と、+Y方向とは反対方向の−Y方向とを、Y軸方向と総称する場合がある。また、以下では、+X方向及び+Y方向に直交する+Z方向と、+Z方向とは反対方向の−Z方向とを、Z軸方向と総称する場合がある。
また、ピストン20(「軸部材」の一例)は、シリンダ30の軸孔HLに挿入される円柱形状の構造体である。本実施形態では、一例として、図1に示すように、ピストン20の中心軸AXが、X軸方向に延在する場合を想定する。また、本実施形態では、一例として、ピストン20が、中心軸AXに沿って、X軸方向に往復移動する場合を想定する。なお、本実施形態において、Y軸方向及びZ軸方向は、中心軸AXの延在するX軸方向に垂直な方向である「径方向」の一例である。
また、本実施形態において、ピストン20の外周面200には、ピストン20の周方向に亘り延在する溝部21(「凹部」の一例)が設けられている。
また、シールリング10(「密封装置」の一例)は、樹脂等の弾性材料により形成された弾性体であり、シリンダ30及びピストン20の隙間GPを密封するための、環状の構造体である。
ここで、隙間GPとは、シリンダ30の内周面300と、ピストン20の外周面200との間の空間である。
また、本実施形態において、「環状」とは、平面視した場合に、一の閉領域から、当該一の閉領域の内部に存在する他の閉領域を取り除いた形状である。ここで、「平面視」とは、対象物を、特定の方向から観察することである。また、「閉領域」とは、例えば、曲線及び線分の一方または両方により囲まれた領域である。本実施形態では、後述する図2に示すように、シールリング10が、+X方向から平面視した場合に、環状の形状を有する場合を想定する。
また、本実施形態において、シールリング10は、シールリング10の内周面121(図2参照)が、溝部21の底面210と接触し、且つ、シールリング10の外周面111(図2参照)が、シリンダ30の内周面300と接触するように、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれている。
本実施形態では、一例として、軸孔HLのうち、シールリング10よりも−X側の空間SP1にオイルが充填されている場合を想定する。また、本実施形態では、一例として、軸孔HLのうち、シールリング10よりも+X側の空間SP2に大気が存在する場合を想定する。
本実施形態において、シールリング10は、空間SP1及び空間SP2を仕切るように隙間GPを密封する。これにより、シールリング10は、大気中に存在するダスト等の異物が、空間SP2から空間SP1に侵入することを防止し、且つ、空間SP1に充填されているオイルが、空間SP1から空間SP2に漏れ出すことを防止する。
なお、以下では、図1に示すように、シリンダ30の内周面300から、ピストン20の外周面200までの径方向における距離を、距離RSと称し、溝部21の径方向の深さを示す距離、すなわち、ピストン20の外周面200から、ピストン20に設けられた溝部21の底面210までの径方向における距離を、距離RMと称し、ピストン20の中心軸AXから、シリンダ30の内周面300までの径方向における距離を、距離RHと称し、ピストン20の中心軸AXから、溝部21の底面210までの径方向における距離を、距離RPと称し、溝部21の底面210から、シリンダ30の内周面300までの径方向における距離を、距離RRと称する。
<<2.シールリングの概要>>
以下、図2乃至図4を参照しつつ、シールリング10の概要について説明する。
図2は、シールリング10を、+X方向から平面視した場合の、シールリング10の平面図の一例である。また、図3は、図2におけるE−e線によりシールリング10を切断した場合の、シールリング10の断面図の一例である。また、図4は、図2におけるF−f線によりシールリング10を切断した場合の、シールリング10の断面図の一例である。
なお、図2において、E−e線が延在する方向Le、及び、F−f線が延在する方向Lfは、X軸方向に垂直な径方向の一例である。以下では、方向Le及び方向Lfを、方向Lと総称する場合がある。また、図2乃至図4では、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれていない場合を想定する。
本実施形態では、図2に示すように、シールリング10の外周面111は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。また、シールリング10の内周面121は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。そして、シールリング10は、+X方向から平面視した場合、内周面121と外周面111との間の環状の形状を有する。
図2に示すように、シールリング10は、外周面111を含む環状の外周部11(「第1部分」の一例)と、外周部11との間に間隙Kを空けて設けられ、内周面121を含む環状の内周部12(「第2部分」の一例)と、間隙Kにおいて、外周部11及び内周部12を連結する複数の連結部KRと、を備える。なお、以下では、外周部11及び内周部12の各々を、「環状部」と総称する場合がある。すなわち、本実施形態に係るシールリング10は、2個の環状部を備えることになる。
本実施形態において、外周部11及び間隙Kの境界面112は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。また、内周部12及び間隙Kの境界面122は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。そして、外周部11は、+X方向から平面視した場合、外周面111と境界面112との間の環状の領域として把握される。また、内周部12は、+X方向から平面視した場合、内周面121と境界面122との間の環状の領域として把握される。また、間隙Kは、+X方向から平面視した場合、境界面112と境界面122との間の環状の領域として把握される。
なお、本実施形態において、複数の連結部KRは、間隙Kの一部に形成されていることとする。以下、間隙Kのうち、連結部KRが形成されていない部分を、空洞部KKと称する。すなわち、シールリング10は、図2に示すように、間隙Kにおいて、複数の空洞部KKを有する。
また、本実施形態では、一例として、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向において、複数の連結部KRが均等な間隔で配置され、且つ、複数の空洞部KKが均等な間隔で配置されている場合を想定する。
以下では、図2に示すように、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向における、各連結部KRの長さを、長さWRと称し、当該円の周方向における、空洞部KKの長さを、長さWKと称する。本実施形態では、長さWRが、長さWK以上である場合を想定する。換言すれば、本実施形態では、間隙Kに存在する複数の連結部KRの体積の合計値が、間隙Kに存在する複数の空洞部KKの体積の合計値以上である場合を想定する。
図3及び図4に示すように、シールリング10をX軸方向及び方向Lと垂直な方向から平面視した場合、外周面111は、方向Lに対して凸となる曲線として把握され、境界面112、境界面122、及び、内周面121は、X軸方向と平行な直線として把握される。
なお、以下では、図2に示すように、中心点Opから外周面111までの径方向における距離を、距離R1と称し、中心点Opから内周面121までの径方向における距離を、距離R2と称し、外周面111から内周面121までの径方向における距離、すなわち、距離R1から距離R2を減算した距離を、距離R0と称する。
また、以下では、図3及び図4に示すように、外周面111から境界面112までの径方向における距離(径方向における外周部11の長さ)を、距離R11と称し、境界面112から境界面122までの径方向における距離(径方向における空洞部KK及び連結部KRの長さ)を、距離RKと称し、境界面122から内周面121までの径方向における距離(径方向における内周部12の長さ)を、距離R12と称する。
本実施形態において、中心点Opから内周面121までの径方向の距離R2は、中心軸AXから底面210までの径方向の距離RPよりも短くなるように設定され、中心点Opから外周面111までの径方向の距離R1は、中心軸AXから内周面300までの径方向の距離RHよりも長くなるように設定され、内周面121から外周面111までの径方向の距離R0は、底面210から内周面300までの径方向の距離RRよりも長くなるように設定される。
また、本実施形態において、径方向における外周部11の長さを示す距離R11は、外周面200から内周面300までの径方向の距離RSよりも長くなるように設定される。換言すれば、本実施形態において、径方向における空洞部KK及び連結部KRの長さを示す距離RKと径方向における内周部12の長さを示す距離R12との和は、底面210から外周面200までの径方向の距離RMよりも短くなるように設定される。
また、本実施形態において、距離RKは、距離R12よりも長くなるように設定され、距離R11は、距離RKよりも長くなるように設定される。
<<3.シールリングの機能>>
以下、図5乃至図7を参照しつつ、シールリング10の機能について説明する。
図5は、図1における範囲Ar1を拡大した図である。すなわち、図5では、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれている場合を想定する。
本実施形態では、上述のように、空間SP1にオイルが充填され、空間SP2に大気が進入する。すなわち、空間SP1の圧力が、空間SP2の圧力よりも高くなる。よって、本実施形態では、隙間GPのうち空間SP1側の空間(以下、「隙間GP1」と称する)に充填されたオイルによる圧力によって、外周部11を含むシールリング10が、溝部21の側面211側に付勢される。
また、本実施形態では、上述のとおり、外周面111から内周面121までの径方向における距離R0が、底面210から内周面300までの径方向における距離RRよりも長くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、嵌め込まれていない場合と比較して、外周面111及び内周面121の間隔が狭められ、シールリング10が径方向に圧縮される。すなわち、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、シールリング10は、径方向に拡張しようとする。よって、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、外周部11がシリンダ30側に付勢される。このため、本実施形態では、例えば、距離R0が距離RR以下に設定されている態様と比較して、シールリング10をシリンダ30の内周面300に対して確実に接触させることができる。
また、本実施形態では、上述のとおり、中心点Opから外周面111までの径方向における距離R1が、中心軸AXから内周面300までの径方向における距離RHよりも長くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、外周部11がシリンダ30側に付勢される。このため、本実施形態では、例えば、距離R1が距離RH以下に設定されている態様と比較して、シールリング10をシリンダ30の内周面300に対して確実に接触させることができる。
また、本実施形態では、上述のとおり、外周面111から境界面112までの径方向における距離R11が、外周面200から内周面300までの径方向における距離RSよりも長くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、空洞部KKが、外周面200よりも中心軸AX側に位置し、溝部21内に収まることになる。換言すれば、外周部11及び空洞部KKの境界面112が、外周面200よりも中心軸AX側に位置することになる。よって、本実施形態では、空洞部KKと、隙間GPのうち空間SP2側の空間(以下、隙間GP2と称する)との間に、外周部11を介在させることが可能となる。
このように、本実施形態によれば、外周部11を、シリンダ30の内周面300と、溝部21の側面211とに密着させることが可能となる。このため、本実施形態によれば、外周部11が、隙間GPを密封することになる。すなわち、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、大気中に存在するダスト等の異物が、隙間GP2から空洞部KKを介して隙間GP1に侵入することを防止し、且つ、空間SP1に充填されているオイルが、隙間GP1から空洞部KKを介して隙間GP2に漏れ出すことを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、上述のとおり、外周面111から境界面112までの径方向における距離R11が、境界面112から境界面122までの径方向における距離RKよりも長くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、距離R11が距離RK以下である態様と比較して、外周部11及び側面211の接触面積を増大させることができる。これにより、本実施形態によれば、距離R11が距離RK以下である態様と比較して、シールリング10による隙間GPの密封効果を高くすることができる。
また、本実施形態では、上述のとおり、中心点Opから内周面121までの径方向における距離R2が、中心軸AXから底面210までの径方向における距離RPよりも短くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、嵌め込まれていない場合と比較して、内周面121が拡張される。すなわち、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、シールリング10が、中心軸AX方向に縮もうとして、内周部12がピストン20側に付勢される。これにより、本実施形態では、例えば、長さR2が長さRP以上に設定されている態様と比較して、シールリング10がピストン20に対して安定的に固定される。
また、本実施形態では、図5に示すように、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、外周部11の外周面111と、シリンダ30の内周面300とが接触する領域(「第1接触領域」の一例)が、内周部12の内周面121と、溝部21の底面210とが接触する領域(「第2接触領域」の一例)よりも小さい。このため、本実施形態では、例えば、外周面111と内周面300とが接触する領域が、内周面121と底面210とが接触する領域以上である態様と比較して、シールリング10及びシリンダ30の間の摺動抵抗を低減させることが可能となる。
以下、本実施形態に係るシールリング10の利点をより明確化するために、図6及び図7を参照しつつ、対比例に係るシールリング10Zについて説明する。
図6は、対比例に係るシールリング10Zを、+X方向から平面視した場合の、シールリング10Zの平面図の一例である。
図6に示すように、シールリング10Zは、空洞部KKを有さない点において、シールリング10と相違する。具体的には、シールリング10Zは、+X方向から平面視した場合、外周面111Zと内周面121Zとの間の環状の領域として把握される。ここで、外周面111Zは、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。内周面121Zは、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。
以下では、説明の便宜上、外周面111Z及び内周面121Zの中間に位置する面を、境界面112Zと称する。また、以下では、シールリング10Zのうち、外周面111Z及び境界面112Zの間の部分を、外周部11Zと称し、境界面112Z及び内周面121Zの間の部分を、内周部12Zと称する。
また、以下では、中心点Opから外周面111Zまでの径方向における距離を、距離R1zと称し、中心点Opから内周面121Zまでの径方向における距離を、距離R2zと称し、外周面111Zから内周面121Zまでの径方向における距離を、距離R0zと称する。
ここで、対比例において、シールリング10Zが、シールリング10と同一のサイズとなる態様(以下、「対比例1」と称する)を検討する。すなわち、対比例1は、距離R1z及び距離R1が等しく、距離R2z及び距離R2が等しく、且つ、距離R0z及び距離R0が等しくなるように、距離R1z、距離R2z、及び、距離R0zが設定された態様である。
対比例1では、距離R0zが距離RRよりも長いため、シールリング10Zを、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込んだ場合に、シールリング10Zが、径方向に圧縮され、外周部11Zがシリンダ30側に付勢される。このため、対比例1において、シールリング10Zの外周部11Zは、シリンダ30の内周面300に対して強く押しあてられることになり、シールリング10Z及び内周面300の間の摺動抵抗が大きくなるという問題が存在する。
次に、シールリング10Z及び内周面300の間の摺動抵抗を低減させるために、距離R2zが距離R2よりも長く、且つ、距離R2zが距離RP以上となり、また、距離R1zが距離R1と等しくなるように、距離R1z、距離R2z、及び、距離R0zが設定された態様(以下、「対比例2」と称する)を検討する。
対比例2では、距離R2zが距離RP以上であるため、シールリング10Zの内周部12Zが、ピストン20に設けられた溝部21の底面210から受ける圧力を、小さく抑えることが可能である。このため、対比例2では、外周部11Zがシリンダ30から受けた圧力を、内周部12Z側に逃がすことが可能となる。これにより、対比例2では、対比例1と比較して、シールリング10Z及び内周面300の間の摺動抵抗を小さくすることができる。
しかし、対比例2では、シールリング10Zを、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込む場合、及び、シールリング10Zが、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれている場合において、各種の問題が生じる。
図7は、対比例2に係るシールリング10Zに生じる各種の問題を説明するための説明図である。
対比例2に係るシールリング10Zは、距離R2zが距離RP以上であるため、シールリング10Zを、ピストン20に設けられた溝部21の底面210に対して安定的に固定することができない。このため、シールリング10Zを、ピストン20の溝部21に嵌め込む際に、例えば、シールリング10Zが捩れた状態となり、シールリング10が本来存在すべき位置とは異なる位置に配置される恐れがある。また、仮に、シールリング10Zを、ピストン20の溝部21に嵌め込む際に、シールリング10Zが、本来存在すべき位置に配置されたとしても、ピストン20及びシリンダ30が相対移動する過程で、シールリング10Zに捩れが発生し、シールリング10Zが、本来存在すべき位置とは異なる位置に移動してしまう恐れがある。
そして、シールリング10Zに捩れが発生する場合、図7に示すように、シールリング10Zの内周面121が、溝部21の底面210から浮き上がったり、または、シールリング10Zの側面が、溝部21の側面211から離間する状況が発生しうる。
そして、シールリング10Zに捩れが発生すると、図7の部分Ar2に示すように、シールリング10Zの側面が、外周面200と溝部21の側面211との境界である角の部分に押し当てられ、当該角の部分から、シールリング10Zに対して、過大な圧力が加わる恐れが生じる。この場合、当該圧力に起因して、シールリング10Zが損傷する可能性が生じる。
また、シールリング10Zに捩れが発生すると、図7の部分Ar3に示すように、シールリング10Zの一部が、隙間GP2に食い込んでしまい、ピストン20及びシリンダ30の相対移動に伴い、ピストン20またはシリンダ30から、シールリング10Zのうち隙間GP2に食い込んだ部分に対して、過大な圧力が加わる恐れが生じる。この場合、当該圧力に起因して、シールリング10Zが損傷する可能性が生じる。
更に、シールリング10Zに捩れが発生すると、図7に示すように、シールリング10Zと、溝部21の側面211との間に隙間が発生し、シールリング10Zによる隙間GPの密封効果が低減する恐れが生じる。
これに対して、本実施形態に係るシールリング10は、図5に示すように、外周部11及び内周部12の間に、複数の空洞部KKを有する間隙Kが設けられる。このため、本実施形態によれば、シールリング10が、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれ、シールリング10が、径方向に圧縮される場合であっても、シールリング10の外周部11が、シリンダ30の内周面300から受ける圧力を、間隙Kにおいて吸収することができる。これにより、本実施形態によれば、対比例1と比較して、シールリング10の外周部11が、シリンダ30の内周面300から受ける圧力を低減することができる。すなわち、本実施形態によれば、対比例1と比較して、シールリング10及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
特に、本実施形態では、上述のとおり、境界面112から境界面122までの径方向における距離RKが、境界面122から内周面121までの径方向における距離R12よりも長くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、距離RKが、距離R12以下である態様と比較して、間隙Kによる、外周部11がシリンダ30から受ける圧力の吸収効率を高めることが可能となる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、中心点Opから内周面121までの径方向の距離R2が、中心軸AXから底面210までの径方向の距離RPよりも短くなるように設定される。このため、本実施形態によれば、シールリング10を、ピストン20に設けられた溝部21の底面210に対して安定的に固定することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、対比例2と比較して、シールリング10を、ピストン20の溝部21に嵌め込む際に、シールリング10が捩れた状態となり、シールリング10が本来存在すべき位置とは異なる位置に配置される可能性を低減させることができる。また、本実施形態によれば、対比例2と比較して、ピストン20及びシリンダ30が相対移動する場合において、シールリング10に捩れが発生し、シールリング10が本来存在すべき位置とは異なる位置に移動してしまう可能性を低減させることができる。よって、本実施形態によれば、対比例2と比較して、シールリング10に損傷が生じる可能性を低減させることができ、シールリング10による隙間GPの密封効果を延命することが可能となる。
このように、本実施形態に係るシールリング10は、シールリング10とシリンダ30の内周面300との間の摺動抵抗の低減と、シールリング10が本来存在すべき位置とは異なる位置に存在することに起因するシールリング10の劣化の抑制との、両立を図ることができる。
<<4.実施形態のまとめ>>
以上において説明したように、本実施形態に係るシールリング10は、軸孔HLが設けられたシリンダ30と、軸孔HLに挿入されたピストン20との隙間GPを密封し、弾性材料で構成されたシールリング10であって、シリンダ30の内周面300と接触する環状の外周部11と、外周部11の内側において、外周部11との間に間隙Kをもって設けられ、ピストン20の外周面200に設けられた環状の溝部21の底面210と接触する環状の内周部12と、間隙Kの一部において、外周部11及び内周部12を連結する複数の連結部KRと、を備え、複数の連結部KRは、溝部21に設けられる、ことを特徴とする。
このように、本実施形態に係るシールリング10は、外周部11及び内周部12の間の間隙Kにおいて、連結部KRが存在しない部分である複数の空洞部KKを有する。このため、本実施形態に係るシールリング10は、外周部11が内周面300から受ける圧力を、間隙Kにおいて吸収することができる。これにより、本実施形態によれば、外周部11及び内周部12の間に間隙Kが設けられていない態様と比較して、シールリング10及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
更には、本実施形態では、シールリング10及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となるため、内周面300からの摺動抵抗に起因して、シールリング10が本来設けられるべき位置とは異なる位置に移動することを防止することが可能となる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、ピストン20の中心軸AXと直交する径方向において、連結部KRが、内周部12よりも長い、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、径方向において連結部KRが内周部12よりも短い態様と比較して、外周部11が内周面300から受ける圧力の、間隙Kにおける吸収効率を高くすることができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、ピストン20の中心軸AXと直交する径方向において、外周部11が、連結部KRよりも長い、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、径方向において外周部11が連結部KRよりも短い態様と比較して、外周部11による隙間GPの密封効果を高くすることができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、複数の連結部KRの体積が、間隙Kから複数の連結部KRを除いた複数の空洞部KKの体積以上である、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、複数の連結部KRの体積が、複数の空洞部KKの体積未満である態様と比較して、径方向におけるシールリング10の剛性を高くすることができる。これにより、本実施形態によれば、ピストン20及びシリンダ30が相対移動する場合であっても、シールリング10による隙間GPの密封効果を維持することができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、複数の連結部KRが、間隙Kにおいて、等しい間隔で配置されている、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、シールリング10の外周面111のうち、内周面300と接触する第1接触領域の全体に亘り、シリンダ30の内周面300から受ける圧力を均一化することができる。これにより、本実施形態によれば、内周面300からの圧力が第1接触領域の特定の部分に対して集中することを抑制することが可能となり、シールリング10の長寿命化を図ることができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、外周部11とシリンダ30の内周面300とが接触する第1接触領域が、内周部12と溝部21の底面210とが接触する第2接触領域よりも小さい、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、第1接触領域が第2接触領域よりも大きい態様と比較して、シールリング10及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、シールリング10がシリンダ30及びピストン20の隙間GPに挿入されていない場合における、内周部12の内周の半径が、ピストン20の中心軸AXから溝部21の底面210までの距離よりも短い、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、シールリング10及びピストン20を安定的に固定することができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、シールリング10がシリンダ30及びピストン20の隙間GPに挿入されていない場合における、外周部11及び内周部12の間隔が、シールリング10がシリンダ30及びピストン20の隙間GPに挿入されている場合における、外周部11及び内周部12の間隔よりも広い、ことを特徴とする。
よって、本実施形態によれば、シールリング10がシリンダ30及びピストン20の隙間GPに挿入されている場合において、外周部11がシリンダ30側に付勢され、且つ、内周部12がピストン20側に付勢される。このため、本実施形態によれば、ピストン20及びシリンダ30が相対移動する場合であっても、シールリング10による隙間GPの密封効果を維持することができる。
また、本実施形態に係るシールリング10は、弾性材料で形成された環状の外周部11と、外周部11の内側において、外周部11との間に間隙Kをもって設けられ、弾性材料で形成された環状の内周部12と、間隙Kの一部において、外周部11及び内周部12を連結する、弾性材料で形成された複数の連結部KRと、を備える、ことを特徴とする。
このように、本実施形態に係るシールリング10は、外周部11及び内周部12の間の間隙Kにおいて、連結部KRが存在しない部分である複数の空洞部KKを有する。このため、本実施形態に係るシールリング10は、シールリング10が、軸孔HLが設けられたシリンダ30と、軸孔HLに挿入されたピストン20との隙間GPに嵌め込まれた場合に、外周部11が内周面300から受ける圧力を、間隙Kにおいて吸収することができる。これにより、本実施形態によれば、外周部11及び内周部12の間に間隙Kが設けられていない態様と比較して、シールリング10及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
<<B.変形例>>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<変形例1>
上述した実施形態では、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向において、連結部KRの長さWRが、空洞部KKの長さWK以上(図2参照)であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向において、連結部KRの長さWRは、空洞部KKの長さWK未満であってもよい。この場合、外周部11が内周面300から受ける圧力の、間隙Kにおける吸収効率を高くすることができる。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例1において、径方向における空洞部KK及び連結部KRの長さを示す距離RKは、径方向における外周部11の長さを示す距離R11よりも短い(図3及び図4参照)が、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、距離RKは、距離R11以上であってもよい。すなわち、距離R11は、外周面200から内周面300までの径方向の距離RSよりも長ければ、どのような長さに設定されてもよい。距離RKが距離R11以上となるように、距離RK及び距離R11を設定する場合、距離RKが距離R11よりも短い場合と比較して、外周部11が内周面300から受ける圧力の、間隙Kにおける吸収効率を高くすることができる。
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、径方向における内周部12の長さを示す距離R12は、径方向における空洞部KK及び連結部KRの長さを示す距離RKよりも短い(図3及び図4参照)が、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、距離R12は、距離RK以上であってもよい。この場合、距離R12が距離RKよりも短い場合と比較して、シールリング10がピストン20に対して、安定的に固定される。
<変形例4>
上述した実施形態並びに変形例1乃至3では、シールリング10が、2個の環状部を有する態様を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、シールリングは、3個以上の環状部を有していてもよい。この場合、互いに隣り合う2個の環状部の間には、間隙が設けられていてもよい。
図8は、本変形例に係るシールリング10A(「密封装置」の他の例)を、+X方向から平面視した場合の、シールリング10Aの平面図の一例である。
図8に示すように、シールリング10Aは、+X方向から平面視した場合、シールリング10と同様に、内周面121と外周面111との間の環状の領域に存在する。シールリング10Aは、外周面111を含む環状の外周部11と、内周面121を含む環状の内周部12と、外周部11及び内周部12の間(間隙K)において、外周部11との間に間隙K1を空け、且つ、内周部12との間に間隙K2を空けて設けられた環状の中間部13との、3個の環状部を有する。
なお、本変形例では、境界面112が、外周部11及び間隙K1を区分する面であり、境界面122が、内周部12及び間隙K2を区分する面であることとする。また、本変形例において、間隙K1及び中間部13の境界面131は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握され、間隙K2及び中間部13の境界面132は、+X方向から平面視した場合、中心点Opを中心とする円として把握される。
また、シールリング10Aは、間隙K1において、外周部11及び中間部13を連結する複数の連結部KR1と、間隙K2において、内周部12及び中間部13を連結する複数の連結部KR2と、を備える。
なお、本変形例において、間隙K1のうち、連結部KR1が形成されていない部分を、空洞部KK1と称し、間隙K2のうち、連結部KR2が形成されていない部分を、空洞部KK2と称する。すなわち、シールリング10Aは、図8に示すように、間隙K1において、複数の空洞部KK1を有し、間隙K2において、複数の空洞部KK2を有する。
また、本変形例では、シールリング10Aを中心点Opから見た場合に、連結部KR1と空洞部KK2とが重なり、且つ、連結部KR2と空洞部KK1とが重なるように、複数の連結部KR1及び複数の連結部KR2が配置されている場合を想定する。すなわち、本変形例では、中心点Opを中心としたシールリング10Aの周方向の全体に亘り、空洞部KK1または空洞部KK2が存在することになる。このため、本変形例によれば、シールリング10Aが、ピストン20及びシリンダ30の間に嵌め込まれた場合に、シールリング10Aの外周面111のうち、内周面300と接触する第1接触領域の全体に亘り、シリンダ30の内周面300から受ける圧力を均一化することができる。これにより、本変形例によれば、内周面300からの圧力が第1接触領域の特定の部分に対して集中することを抑制することが可能となり、シールリング10Aの長寿命化を図ることができる。
また、本変形例では、一例として、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向において、複数の連結部KR1が均等に配置され、且つ、複数の空洞部KK1が均等に配置されている場合を想定する。また、本変形例では、一例として、中心点Opを中心として境界面132を通る円の周方向において、複数の連結部KR2が均等に配置され、且つ、複数の空洞部KK2が均等に配置されている場合を想定する。
なお、本変形例において、中心点Opを中心として境界面112を通る円の周方向における各連結部KR1の長さと、各空洞部KK1の長さと、を等しくしてもよい。すなわち、本変形例において、中心点Opを中心として境界面132を通る円の周方向における各連結部KR2の長さと、各空洞部KK2の長さと、を等しくしてもよい。
また、本変形例においても、上述した実施形態と同様に、中心点Opから外周面111までの径方向の距離R1は、中心軸AXから内周面300までの径方向の距離RHよりも長くなるように設定され、中心点Opから内周面121までの径方向の距離R2は、中心軸AXから底面210までの径方向の距離RPよりも短くなるように設定され、内周面121から外周面111までの径方向の距離R0は、底面210から内周面300までの径方向の距離RRよりも長くなるように設定される。
また、本変形例においても、上述した実施形態と同様に、径方向における外周部11の長さを示す距離R11は、外周面200から内周面300までの径方向の距離RSよりも長くなるように設定される。
また、本変形例において、径方向における間隙K1の長さを示す距離RK1と、径方向における間隙K2の長さを示す距離RK2とが、等しくなるように、中間部13が設けられてもよい。
なお、本変形例において、シールリング10Aのうち、複数の連結部KR1、複数の連結部KR2、及び、中間部13を含む部分を、「連結構造体」と称する場合がある。
この場合、本変形例におけるシールリング10Aは、弾性材料で形成された環状の外周部11と、外周部11の内側において、外周部11との間に間隙Kをもって設けられ、弾性材料で形成された環状の内周部12と、間隙Kの一部において、外周部11及び内周部12を連結する、弾性材料で形成された連結構造体と、を備える、ことを特徴とすることになる。
このように、本変形例に係るシールリング10Aは、外周部11及び内周部12の間の間隙Kにおいて、連結部KR1、連結部KR2、及び、中間部13(連結構造体)が存在しない部分である、複数の空洞部KK1及び複数の空洞部KK2を有する。このため、本実施形態に係るシールリング10Aは、シールリング10Aが、軸孔HLが設けられたシリンダ30と、軸孔HLに挿入されたピストン20との隙間GPに嵌め込まれた場合に、外周部11が内周面300から受ける圧力を、間隙Kにおいて吸収することができる。これにより、本実施形態によれば、外周部11及び内周部12の間に間隙Kが設けられていない態様と比較して、シールリング10A及び内周面300の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
<変形例5>
上述した実施形態並びに変形例1乃至4では、シールリング10(または、シールリング10A)は、ピストン20に設けられた溝部21に装着されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、シールリングは、シリンダに設けられた溝部に装着されてもよい。
図9は、本変形例に係る相対移動機構1Bの概要の一例を示す断面図である。以下、図9を参照しつつ、相対移動機構1Bの概要について説明する。
図9に示すように、本変形例において、相対移動機構1Bは、シリンダ30Bと、ピストン20Bと、シールリング10Bと、を備える。
このうち、シリンダ30B(「収納部材」の他の例)は、+X方向に延在する軸孔HLが設けられた、円筒形状の構造体であり、シリンダ30Bの内周面300において、シリンダ30Bの周方向に亘り延在する溝部31(「凹部」の他の例)が設けられている点を除き、実施形態に係るシリンダ30と同様に構成される。
また、ピストン20B(「軸部材」の他の例)は、シリンダ30Bの軸孔HLに挿入され、+X方向に延在する中心軸AXを有する、円柱形状の構造体であり、ピストン20Bの外周面200において、溝部21が設けられていない点を除き、実施形態に係るピストン20と同様に構成される。なお、本変形例においても、実施形態と同様に、ピストン20Bが、中心軸AXに沿って、X軸方向に往復移動する場合を想定する。
また、シールリング10B(「密封装置」の他の例)は、樹脂等の弾性材料により形成された弾性体であり、シリンダ30B及びピストン20Bの隙間GPを密封するための、環状の構造体である。
また、本変形例において、シールリング10Bは、シールリング10Bの内周面121Bが、ピストン20Bの外周面200と接触し、且つ、シールリング10Bの外周面111Bが、シリンダ30Bに設けられた溝部31の底面310と接触するように、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれている。
なお、以下では、図9に示すように、シリンダ30Bの内周面300から、ピストン20Bの外周面200までの径方向における距離を、距離RSbと称し、溝部31の径方向の深さを示す距離、すなわち、シリンダ30Bの内周面300から、シリンダ30Bに設けられた溝部31の底面310までの径方向における距離を、距離RMbと称し、ピストン20Bの中心軸AXから、溝部31の底面310までの径方向における距離を、距離RHbと称し、ピストン20Bの中心軸AXから、ピストン20Bの外周面200までの径方向における距離を、距離RPbと称し、溝部31の底面310から、ピストン20Bの外周面200までの径方向における距離を、距離RRbと称する。
図10は、シールリング10Bを、+X方向から平面視した場合の、シールリング10Bの平面図の一例である。以下、図10を参照しつつ、シールリング10Bの概要について説明する。なお、図10では、シールリング10Bが、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれていない場合を想定する。
本変形例では、図10に示すように、シールリング10Bは、シールリング10Bの外周面111Bを含む環状の外周部11B(「第1部分」の他の例)と、外周部11Bとの間に間隙Kbを空けて設けられ、シールリング10Bの内周面121Bを含む環状の内周部12B(「第2部分」の他の例)と、間隙Kbにおいて、外周部11B及び内周部12Bを連結する複数の連結部KRbと、を備える。なお、外周部11B及び内周部12Bの各々は、「環状部」の一例である。
また、本変形例において、外周部11B及び間隙Kbを区分する面を、境界面112Bと称し、内周部12B及び間隙Kbを区分する面を、境界面122Bと称する。
なお、本変形例では、図9に示すように、例えばY軸方向から平面視した場合に、内周面121Bは、中心軸AXに向かって凸となる曲線として把握され、外周面111B、境界面112B、及び、境界面122Bは、X軸方向と平行な直線として把握される。
また、本変形例において、複数の連結部KRbは、間隙Kbの一部に形成されていることとする。以下、間隙Kのうち、連結部KRが形成されていない部分を、空洞部KKbと称する。すなわち、シールリング10Bは、図10に示すように、間隙Kbにおいて、複数の空洞部KKbを有する。
また、本変形例では、一例として、中心点Opを中心として境界面112Bを通る円の周方向において、複数の連結部KRbが均等な間隔で配置され、且つ、複数の空洞部KKbが均等な間隔で配置されている場合を想定する。なお、本変形例において、間隙Kbに存在する複数の連結部KRbの体積の合計値は、間隙Kbに存在する複数の空洞部KKbの体積の合計値以上であってもよい。
なお、以下では、図10に示すように、中心点Opから外周面111Bまでの径方向における距離を、距離R1bと称し、中心点Opから内周面121Bまでの径方向における距離を、距離R2bと称し、外周面111Bから内周面121Bまでの径方向における距離を、距離R0bと称し、内周面121Bから境界面122Bまでの径方向における距離(径方向における内周部12Bの長さ)を、距離R12bと称する。
本変形例において、距離R2bは距離RPbよりも短くなるように設定される。このため、本変形例では、シールリング10Bが、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれた場合に、内周部12Bがピストン20B側に付勢され、シールリング10Bをピストン20Bの外周面200に対して確実に接触させることができる。
また、本変形例において、距離R1bは距離RHbよりも長くなるように設定される。このため、本変形例では、シールリング10Bが、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれた場合に、外周部11Bがシリンダ30B側に付勢され、シールリング10Bがシリンダ30Bに設けられた溝部31の底面310に対して安定的に固定される。
また、本変形例において、距離R0bは距離RRbよりも長くなるように設定される。このため、本変形例では、シールリング10Bが、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれた場合に、シールリング10Bを、ピストン20Bの外周面200と、溝部31の底面310と、に対して確実に接触させることができる。
また、本変形例において、距離R12bは距離RSbよりも長くなるように設定される。このため、本変形例では、シールリング10Bが、ピストン20B及びシリンダ30Bの間に嵌め込まれた場合に、空洞部KKbを、溝部31内に収めることができ、内周部12Bを、ピストン20の外周面200と、溝部31の側面とに密着させることが可能となる。このため、本変形例によれば、内周部12Bが、隙間GPを密封することができる。
以上において説明したように、本変形例に係るシールリング10Bは、軸孔HLが設けられたシリンダ30Bと、軸孔HLに挿入されたピストン20Bとの隙間GPを密封し、弾性材料で構成されたシールリング10Bであって、シリンダ30Bの内周面300に設けられた環状の溝部31の底面310と接触する環状の外周部11Bと、外周部11Bの内側において、外周部11Bとの間に間隙Kbをもって設けられ、ピストン20Bの外周面200と接触する環状の内周部12Bと、間隙Kbの一部において、外周部11B及び内周部12Bを連結する複数の連結部KRbと、を備え、複数の連結部KRbは、溝部31に設けられる、ことを特徴とする。
このように、本変形例に係るシールリング10Bは、外周部11B及び内周部12Bの間の間隙Kbにおいて、連結部KRbが存在しない部分である複数の空洞部KKbを有する。このため、本変形例に係るシールリング10Bは、内周部12Bが外周面200から受ける圧力を、間隙Kbにおいて吸収することができる。これにより、本変形例によれば、外周部11B及び内周部12Bの間に間隙Kbが設けられていない態様と比較して、シールリング10B及び外周面200の間の摺動抵抗を低減することが可能となる。
<変形例6>
上述した実施形態並びに変形例1乃至5では、ピストン20(または、ピストン20B)が、シリンダ30(または、シリンダ30B)に対して、ピストン20の中心軸AXが延在するX軸方向に往復移動する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、ピストン20(または、ピストン20B)は、シリンダ30(または、シリンダ30B)に対して、ピストン20の中心軸AXを中心としたX軸廻りの回転移動を行うものであってもよい。
<変形例7>
上述した実施形態並びに変形例1乃至5では、シールリング10(または、シールリング10A若しくはシールリング10B)をX軸方向から平面視した場合に、外周面111(または、外周面111B)、及び、内周面121(または、内周面121B)が、円形となる場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、シールリング10(または、シールリング10A若しくはシールリング10B)をX軸方向から平面視した場合に、外周面111(または、外周面111B)、及び、内周面121(または、内周面121B)は、多角形(例えば、矩形)であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。
1…相対移動機構、10…シールリング、11…外周部、12…内周部、20…ピストン、21…溝部、30…シリンダ、111…外周面、112…境界面、121…内周面、122…境界面、200…外周面、210…底面、211…側面、300…内周面、AX…中心軸、GP…隙間、GP1…隙間、GP2…隙間、HL…軸孔、K…間隙、KK…空洞部、KR…連結部、SP1…空間、SP2…空間。

Claims (9)

  1. 軸孔が設けられた収納部材と、前記軸孔に挿入された軸部材との隙間を密封し、
    弾性材料で構成された密封装置であって、
    前記収納部材の内周面と接触する環状の第1部分と、
    前記第1部分の内側において、前記第1部分との間に間隙をもって設けられ、
    前記軸部材の外周面に設けられた環状の凹部の底面と接触する環状の第2部分と、
    前記間隙の一部において、前記第1部分及び前記第2部分を連結する複数の連結部と、
    を備え、
    前記複数の連結部は、前記凹部に設けられる、
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記軸部材の径方向において、
    前記連結部は、前記第2部分よりも長い、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記軸部材の径方向において、
    前記第1部分は、前記連結部よりも長い、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 前記複数の連結部の体積は、
    前記間隙から前記複数の連結部を除いた複数の空洞部の体積以上である、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の密封装置。
  5. 前記複数の連結部は、
    前記間隙において、等しい間隔で配置されている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の密封装置。
  6. 前記第1部分と前記収納部材の内周面とが接触する第1接触領域は、
    前記第2部分と前記凹部の底面とが接触する第2接触領域よりも小さい、
    ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の密封装置。
  7. 前記密封装置が前記収納部材及び前記軸部材の隙間に挿入されていない場合における、前記第2部分の内周の半径は、
    前記軸部材の中心軸から前記凹部の底面までの距離よりも短い、
    ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の密封装置。
  8. 前記密封装置が前記収納部材及び前記軸部材の隙間に挿入されていない場合における、
    前記第1部分及び前記第2部分の間隔は、
    前記密封装置が前記収納部材及び前記軸部材の隙間に挿入されている場合における、
    前記第1部分及び前記第2部分の間隔よりも広い、
    ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の密封装置。
  9. 弾性材料で形成された環状の第1部分と、
    前記第1部分の内側において、前記第1部分との間に間隙をもって設けられ、
    弾性材料で形成された環状の第2部分と、
    前記間隙の一部において、前記第1部分及び前記第2部分を連結する、
    弾性材料で形成された複数の連結部と、
    を備える、
    ことを特徴とする密封装置。
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