JP2021018130A - センサ装置、燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも2種のガスが混合された混合ガスのうち、特定ガスのガス流量を検出可能なセンサ装置、および燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路610を形成する流路形成部61と、燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置10と、を備える。センサ装置10は、燃料オフガス中の水素のガス濃度を検出するガス濃度センサ25と、燃料オフガス流路610に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ22と、を備える。センサ装置10は、ベース23の温度を検出するベース温度センサ24と、ガス濃度センサ25、ベース温度センサ24、および主熱流センサ22それぞれの出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する流量演算部50aと、を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、ガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置、および燃料電池システムに関する。
従来、水素および窒素の混合ガスの熱流量および圧力に基づいて、混合ガスにおける水素のガス濃度を検出するガス成分検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、ガス成分検出装置で検出した水素のガス濃度に基づいて、燃料電池への水素の供給量を調整することが記載されている。
ところで、水素のガス濃度と水素のガス流量とは、一体一で対応する物理量ではない。このため、特許文献1の如く、ガス成分検出装置で検出した水素のガス濃度に基づいて燃料電池への水素の供給量を調整すると、燃料電池で必要とされる流量の水素を燃料電池に対して適切に供給することができない虞がある。このことは、燃料電池に水素を供給する場合に限らず、様々な状況下で生じ得る。
本開示は、少なくとも2種のガスが混合された混合ガスのうち、特定ガスのガス流量を検出可能なセンサ装置、および燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
少なくとも2種のガスが混合された混合ガスのうち、特定ガスのガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置であって、
少なくとも一部が混合ガスの流れるガス流路(610)に配置され、混合ガスのうち特定ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
ガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が混合ガスに晒されるようにガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
主熱流センサの他面側に位置するベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
ガス濃度検出部の検出濃度、ベース温度センサの検出温度、および主熱流センサの出力信号に基づいて特定ガスのガス流量を算出する流量演算部(50a)と、
を備える。
少なくとも2種のガスが混合された混合ガスのうち、特定ガスのガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置であって、
少なくとも一部が混合ガスの流れるガス流路(610)に配置され、混合ガスのうち特定ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
ガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が混合ガスに晒されるようにガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
主熱流センサの他面側に位置するベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
ガス濃度検出部の検出濃度、ベース温度センサの検出温度、および主熱流センサの出力信号に基づいて特定ガスのガス流量を算出する流量演算部(50a)と、
を備える。
本発明者らがガス流量について鋭意検討したところ、特定ガスのガス流量は、特定ガスのガス濃度、混合ガスの熱流量、熱流量を検出するセンサを設置するベースの温度に相関性を有することが判った。本開示のセンサ装置は、上記の知見に基づいて案出されたものであり、ガス濃度検出部、主熱流センサ、およびベース温度センサを備える。これによれば、特定ガスのガス濃度、混合ガスの熱流量、およびベースの温度に基づいて特定ガスのガス流量を算出することができる。
請求項7に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路(610)を形成するオフガス流路形成部(61)と、
燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置(10)と、を備え、
センサ装置は、
少なくとも一部が燃料オフガス流路に配置され、燃料オフガス中の水素のガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
燃料オフガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が燃料オフガスに晒されるように燃料オフガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
主熱流センサの他面側に位置するベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
ガス濃度検出部の検出濃度、ベース温度センサの検出温度、および主熱流センサの出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する流量演算部(50a)と、を有する。
燃料電池システムであって、
燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路(610)を形成するオフガス流路形成部(61)と、
燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置(10)と、を備え、
センサ装置は、
少なくとも一部が燃料オフガス流路に配置され、燃料オフガス中の水素のガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
燃料オフガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が燃料オフガスに晒されるように燃料オフガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
主熱流センサの他面側に位置するベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
ガス濃度検出部の検出濃度、ベース温度センサの検出温度、および主熱流センサの出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する流量演算部(50a)と、を有する。
これによると、センサ装置がガス濃度検出部、主熱流センサ、およびベース温度センサを備えている。このため、燃料オフガス中の水素のガス濃度、燃料オフガスの熱流量、およびベースの温度に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量を算出することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、本開示のセンサ装置10を燃料電池システム1に適用した例について説明する。本実施形態では、燃料電池システム1の全体構成について説明した後、センサ装置10の詳細について説明する。
本実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、本開示のセンサ装置10を燃料電池システム1に適用した例について説明する。本実施形態では、燃料電池システム1の全体構成について説明した後、センサ装置10の詳細について説明する。
燃料電池システム1は、例えば、電気自動車の一種である燃料電池車両に適用される。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスである空気に含まれる酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池2を備える。
燃料電池2は、固体高分子型の燃料電池で構成されている。燃料電池2は、発電により生じた直流電力を、DC−DCコンバータ等を介して車両走行用の電動モータや二次電池等の電気負荷に供給する。
燃料電池2は、最小単位となる電池セル2aが複数積層されたスタック構造を有し、各電池セル2aが電気的に直列に接続された直列接続体として構成されている。燃料電池2を構成する電池セル2aは、電解質膜の両側に触媒層を挟んで構成される膜電極接合体、膜電極接合体の両側に配置された一対の拡散層、これらを挟持するセパレータを含んで構成されている。
各電池セル2aは、以下に示すように、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(アノード側)H2→2H++2e−
(カソード側)2H++1/2O2+2e−→H2O
(アノード側)H2→2H++2e−
(カソード側)2H++1/2O2+2e−→H2O
燃料電池2には、各電池セル2aに空気を供給するための空気供給配管3が接続されるとともに、各電池セル2aを通過した空気を生成水や不純物とともに外部に排出する空気排出配管4が接続されている。
空気供給配管3には、その最上流部に大気中から吸入した空気を燃料電池2に圧送する空気ポンプ3aが設けられるとともに、空気ポンプ3aと燃料電池2との間に燃料電池2に空気を供給する空気の圧力を調整する空気調圧弁3bが設けられている。また、空気排出配管4には、燃料電池2から排出された空気を生成水や不純物とともに外部に排出するための電磁弁4aが設けられている。
燃料電池2には、各電池セル2aに燃料ガスを供給するための燃料供給配管5が接続されるとともに、各電池セル2aを通過した未反応水素を含む燃料オフガスを外部に排出するオフガス排出配管6が接続されている。燃料オフガスは、未反応水素、カソード側から透過した窒素、蒸気を含む混合ガスである。
燃料供給配管5には、その最上流部に高圧水素が充填された図示しない水素タンクが設けられている。また、燃料供給配管5には、水素タンクと燃料電池2との間に水素供給弁5aおよびエジェクタ5bが設けられている。水素供給弁5aおよびエジェクタ5bは、燃料ガスを間欠的に噴射供給する手段である。また、エジェクタ5bは、高速で噴射する燃料ガス流の巻き込み作用によって、後述する還流配管7から燃料オフガスを吸引する吸引手段としての役割を有している。
オフガス排出配管6には、燃料オフガスに混在する水を分離する気液分離器8が設けられるとともに、気液分離器8の内部に貯留された水を燃料オフガスとともに外部に排出するための排気弁6aが設けられている。
気液分離器8は、重力分離方式の気液分離器が採用されている。気液分離器8は、その内部空間に燃料オフガスから分離された水が貯留される構成になっている。なお、気液分離器8は、遠心分離方式の気液分離器等で構成されていてもよい。
気液分離器8には、水が分離された燃料オフガスを燃料供給配管5に戻すための還流配管7が接続されている。還流配管7は、一端側が気液分離器8に接続され、他端側がエジェクタ5bのガス吸引口に接続されている。
気液分離器8で水が分離された燃料オフガスは、エジェクタ5bによって、再び燃料供給配管5に供給される。これにより、燃料電池システム1では、燃料電池2の運転時に、未反応水素を含む燃料オフガスが還流配管7を通って循環する。
排気弁6aは、気液分離器8の内部に貯留された水を燃料オフガスとともに外部に排出するものであるが、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcが高い場合に開放されると、大気中に高濃度の水素が放出されてしまう。このため、燃料電池システム1では、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcを把握する必要がある。
また、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcは、水素の供給量の適否を判断する際に利用することが考えられる。但し、水素のガス濃度Hcと水素のガス流量Grとは一体一で対応する物理量ではない。このため、水素のガス濃度Hcに基づいて燃料電池2への水素の供給量を調整すると、燃料電池2で必要とされる流量の水素を燃料電池2に対して適切に供給することができない虞がある。
このような背景もあり、燃料電池システム1は、燃料オフガスに含まれる水素を混合ガス中の特定ガスとして、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcおよびガス流量Grを検出するセンサ装置10を備えている。
本発明者らは、燃料オフガスに含まれる水素のガス流量Grについて鋭意検討した。これによると、水素のガス流量Grは、水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、および熱流量を検出するセンサを設置するベース23の温度T1に相関性を有することが判った。本開示のセンサ装置10は、上記の知見に基づいて案出されたものであり、少なくとも水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、およびベース23の温度T1に基づいて水素のガス流量を算出する。なお、センサ装置10の詳細については後述する。
燃料電池システム1は、電気制御部としてシステム制御装置100を備えている。システム制御装置100は、プロセッサ、センサ等を有するマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、システム制御装置100のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
システム制御装置100の入力側には、センサ装置10を含む各種センサが接続されている。また、システム制御装置100の出力側には、制御対象機器として、空気ポンプ3a、空気調圧弁3b、電磁弁4a、水素供給弁5a、エジェクタ5b、排気弁6a等が接続されている。
システム制御装置100は、入力側から入力された各種信号等を、予めメモリに記憶されたプログラムに従って演算処理し、当該演算処理の結果等に基づいて、出力側に接続された各種制御対象機器を制御する。
燃料電池2の運転中は、燃料電池2にて水素が消費されることで、燃料電池2内部の圧力が徐々に低下する。このため、システム制御装置100は、燃料電池2の運転中において、燃料電池2内部の圧力が所定の基準圧力よりも低下した際に燃料電池2に燃料ガスが供給されるように、水素供給弁5aおよびエジェクタ5bを制御する。これにより、燃料電池2には、間欠的に燃料ガスが噴射供給される。
また、システム制御装置100は、センサ装置10で検出される燃料オフガス中の水素のガス濃度Hcに基づいて排気弁6aを制御する。例えば、システム制御装置100は、燃料オフガス中の水素のガス濃度Hcが基準濃度以下となる場合に排気弁6aを開放させる。
さらに、システム制御装置100は、センサ装置10で検出される燃料オフガス中の水素のガス流量Grに基づいて燃料電池2への水素の供給量の適否を判定する。例えば、システム制御装置100は、燃料オフガス中の水素のガス流量Grが基準流量以下となる場合に燃料電池2への水素の供給量が不足していると判定する。
次に、センサ装置10の詳細について説明する。センサ装置10は、水素のガス流量Grを算出するために必要な情報を検知する検知部20、および検知部20にて検知された各種情報から水素のガス流量Grを算出するセンサ制御部50を含んで構成されている。
検知部20は、オフガス排出配管6のうち、燃料電池2と気液分離器8との間に位置する部位に設置されている。なお、検知部20は、例えば、気液分離器8の内部、オフガス排出配管6における気液分離器8の下流側に位置する部位、還流配管7等に設置されていてもよい。
図2に示すように、オフガス排出配管6のうち、検知部20が設置される部位は、燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路610を形成する流路形成部61を備える。本実施形態では、燃料オフガス流路610が混合ガスである燃料オフガスが流れるガス流路を構成する。また、流路形成部61がオフガス流路形成部を構成している。
流路形成部61は、燃料オフガス流路610を形成する筒状の部材である。本例の流路形成部61は直線状に延びている。なお、流路形成部61は少なくとも一部が曲線状に曲がっていてもよい。
流路形成部61には、流路形成部61の中心軸CLに対して交差する方向に突き出る突出管部62が接続されている。突出管部62は有底筒状の部材で構成されている。突出管部62は開口部分が流路形成部61に接続されている。
燃料オフガス流路610は、流路形成部61に突出管部62が接続されることで、燃料オフガスが流れる流通空間610Aだけでなく、流通空間610Aを流れる燃料オフガスの一部が導入される導入空間610Bを有する。
流通空間610Aは、流路形成部61の内側に形成される空間である。導入空間610Bは、突出管部62の内側に形成される空間である。突出管部62は、流路形成部61と異なり、ガス流れ下流側が閉塞されている。このため、導入空間610Bは、流通空間610Aよりも燃料オフガスが淀み易い空間になっている。すなわち、導入空間610Bは、流通空間610Aよりも燃料オフガスが滞留し易い空間になっている。
検知部20は、流路形成部61および突出管部62に設置されている。検知部20は、ガス温度センサ21、主熱流センサ22、ベース23、ベース温度センサ24、およびガス濃度センサ25を含んで構成されている。
ガス温度センサ21は、燃料オフガス流路610を流れる燃料オフガスの温度を検出する温度センサである。ガス温度センサ21は、流通空間610Aを流れる燃料オフガスの温度を検出可能なように温度の感知部位が流通空間610Aに配置されている。ガス温度センサ21は、流路形成部61のうち突出管部62が接続された部位の近くに配置されている。なお、ガス温度センサ21は、燃料オフガスの温度を検出可能であれば、突出管部62から離れた位置に配置されていてもよい。
主熱流センサ22は、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する熱流センサである。主熱流センサ22は、一面が燃料オフガス流路610を流れる燃料オフガスに晒されるように燃料オフガス流路610に配置されている。主熱流センサ22は、他面が燃料オフガス流路610に配置されるベース23に固定されている。
図3に示すように、主熱流センサ22は、両板面の一方を表面221a、他方を裏面221bとする薄板状のセンサ基板221を有する。センサ基板221は、表面221aが燃料オフガス流路610に露出するように、裏面221bがベース23に対して固定される。
主熱流センサ22は、センサ基板221の表面221a上を、熱(冷熱を含む)を有する燃料オフガスが流れるようになっている。センサ基板221では、基板厚さ方向に熱流が発生すると、この熱流により生ずる表面221aと裏面221bとの間の温度差に起因して、ゼーベック効果による起電力が発生する。
具体的には、センサ基板221は、絶縁性材料よりなる基板で構成されている。センサ基板221は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)、ポリエーテルイミド(すなわち、PEI)、液晶ポリマー(すなわち、LCP)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等で構成される。
センサ基板221には、異なる2種の金属222a、222bが直列的に接続されることで熱電対222が構成されている。2種の金属222a、222bとしては、例えば、固相焼結されたBi−Sb−Te合金と、Bi−Teとの組み合わせや、Cuとコンスタンタンとの組み合わせ等が挙げれられる。なお、熱電対222は、例えば、異なる半導体素子の直列接続体で構成されていてもよい。
主熱流センサ22は、熱流によって生ずるセンサ基板221の表裏の温度差に起因してゼーベック効果による起電圧が発生する。主熱流センサ22は、図示しない信号線を介してセンサ制御部50に接続されている。
ベース23は、主熱流センサ22の土台となる部材である。ベース23は、燃料オフガスの温度変化に追従して温度が変動し難くなるように、主熱流センサ22等よりも熱容量が大きくなっている。ベース23は、全体が導入空間610Bに位置するように、突出管部62の内側に取り付けられている。具体的には、ベース23は、突出管部62における燃料オフガス流れ上流側に位置する内面に取り付けられている。
具体的には、ベース23は、取付部位以外の部位が突出管部62から離れている。ベース23と突出管部62の内面との間には、袋小路となる導入空間610Bが形成されている。そして、主熱流センサ22は、流通空間610Aを流れる燃料オフガスに晒されるように、ベース23における突出管部62の開口側に位置する側面に固定されている。
ベース温度センサ24は、ベース23の温度を検出する温度センサである。ベース23は、主熱流センサ22の裏面221bに対して接している。このため、ベース温度センサ24は、主熱流センサ22の裏面221b側の温度を検出することになる。
ガス濃度センサ25は、水素のガス濃度Hcを検出する濃度センサである。ガス濃度センサ25は、検知素子の表面に白金やパラジウム等の触媒を塗布し、水素と触媒との化学反応で生ずる熱を検知することで水素のガス濃度Hcをする接触燃焼式のガスセンサで構成されている。ガス濃度センサ25は、水素のガス濃度Hcを算出可能であれば、接触燃焼式のガスセンサに限らず、例えば、熱伝導式のガスセンサで構成されていてもよい。なお、本実施形態では、ガス濃度センサ25がガス濃度検出部を構成している。
ガス濃度センサ25は、ベース23のうち、主熱流センサ22が固定された部位以外の部位に固定されている。具体的には、ガス濃度センサ25は、ベース23のうち突出管部62の底部と対向する部位に固定されている。ガス濃度センサ25は、導入空間610Bに配置されている。このため、ガス濃度センサ25は、導入空間610Bに存在する燃料オフガス中の水素のガス濃度Hcを検出する。なお、ガス濃度センサ25は、燃料オフガス中の水素のガス濃度Hcを検出可能であれば、流通空間610Aに配置されていてもよい。
センサ制御部50は、センサ装置10の電子制御部を構成する。センサ制御部50は、プロセッサ、メモリ等を有するマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。なお、センサ制御部50のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
センサ制御部50の入力側には、検知部20を構成するガス温度センサ21、主熱流センサ22、ベース温度センサ24、ガス濃度センサ25等の各種センサが接続されている。また、センサ制御部50の出力側には、システム制御装置100が接続されている。
センサ制御部50は、入力側から入力された各種信号等を、予めメモリに記憶されたプログラムに従って演算処理し、当該演算処理の結果を出力側に接続されたシステム制御装置100等に出力する。
センサ制御部50は、ガス温度センサ21の検出温度、主熱流センサ22の出力信号、ベース温度センサ24の検出温度、およびガス濃度センサ25の検出濃度に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する。本実施形態では、センサ制御部50において、燃料オフガス中の水素のガス流量を算出するハードウエアおよびソフトウエアが流量演算部50aを構成する。なお、センサ制御部50は、少なくとも一部がシステム制御装置100と一体に構成されていてもよい。
ここで、ガス流量と熱流量等との相関性について図4を参照して説明する。図4の上段の数式F1に示すKingの式によれば、燃料オフガスの熱流量Qcは、燃料オフガスの流速Ucの平方根、ベース23の温度T1、燃料オフガスの温度T2、定数Ac、Bcで特定される。なお、定数Ac、Bcは、水素のガス濃度Hc等に応じて定まる定数である。
数式F1によると、燃料オフガスの流速Ucは、図4の中段の数式F2で示すことができる。燃料オフガスの流速Ucは、数式F2で示すように、燃料オフガスの熱流量Qc、ベース23の温度T1、燃料オフガスの温度T2、定数Ac、Bcにより特定することができる。
また、水素のガス流量Grは、図4の下段の数式F3で示すように、燃料オフガスの流速Uc、水素のガス濃度Hc、流通空間610Aにおける相当半径Rにより特定することができる。
以上の如く、水素のガス流量Grは、水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、およびベース23の温度T2に相関性を有する。
ここで、数式F2の熱流量Qcは、主熱流センサ22の出力信号から得られる。数式F2の温度T1は、ベース温度センサ24の検出温度から得られる。数式F2の温度T2は、ガス温度センサ21の検出温度から得られる。数式F2の定数Ac、Bcは、水素のガス濃度等に応じて定まるものであり、ガス濃度センサ25の検出濃度から得ることができる。
以下、センサ制御部50が実行する水素のガス流量Grを算出する制御処理について図5を参照して説明する。図5に示す制御処理は、例えば、燃料電池2の発電時に周期的または不定期にセンサ制御部50により実行される。
図5に示すように、センサ制御部50は、ステップS100にて、センサ制御部50の入力側に接続されたセンサから各種信号を読み込む。具体的には、センサ制御部50は、主熱流センサ22の出力信号、ベース温度センサ24の検出信号、ガス温度センサ21の検出信号、およびガス濃度センサ25の検出信号を読み込む。
続いて、センサ制御部50は、ステップS110にて、燃料オフガスの流速Ucを算出する。センサ制御部50は、例えば、図4に示す数式F2に、主熱流センサ22の出力値、ベース温度センサ24の検出温度、ガス温度センサ21の検出温度を代入して燃料オフガスの流速Ucを算出する。この際、図4の数式F2中の定数Ac、Bcは、ガス濃度センサ25の検出信号に基づいて決定する。例えば、センサ制御部50は、水素のガス濃度と定数Ac、Bcとの対応関係を予め規定した制御マップを参照し、ガス濃度センサ25の検出濃度に基づいて決定する。
続いて、センサ制御部50は、ステップS120にて、水素のガス流量Grを算出する。センサ制御部50は、例えば、図4に示す数式F3にステップS110で算出した流速Uc、ガス濃度センサ25の検出濃度を代入して水素のガス流量Grを算出する。
以上説明したセンサ装置10は、ガス温度センサ21、主熱流センサ22、ベース温度センサ24、およびガス濃度センサ25を備えている。これによれば、燃料オフガス中の水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、ベース23の温度T1、および燃料オフガスの温度T2に基づいて燃料オフガス中の水素のガス流量Grを算出することができる。この結果、燃料電池2で必要とされる流量の水素を燃料電池2に対して適切に供給することが可能となる。
また、センサ装置10は、ガス濃度センサ25がベース23における主熱流センサ22に固定された部位以外の部位に固定されている。このように、ガス濃度センサ25を主熱流センサ22が固定されるベース23に対して固定すれば、ガス濃度センサ25を固定するための専用の部品が不要となるので、部品点数の増加を抑制することができる。
ここで、ガス流量計としては、電気ヒータを備え、当該電気ヒータに起因するガスの温度変化に基づいてガスの流量を検出するものがある。この種のガス流量計では、電気ヒータが必須の構成となる。これに対し、センサ装置10は、電気ヒータが必須ではないので、ガス流量計に比べて簡素な構成で実現することが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態では、図4に示す数式F2、F3を用いて水素のガス流量Grを算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、ベース23の温度T1、燃料オフガスの温度T2から水素のガス流量Grを推定するガス流量の推定モデルを用いて、水素のガス流量Grを算出するようになっていてもよい。なお、ガス流量の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
第1実施形態では、図4に示す数式F2、F3を用いて水素のガス流量Grを算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、水素のガス濃度Hc、燃料オフガスの熱流量Qc、ベース23の温度T1、燃料オフガスの温度T2から水素のガス流量Grを推定するガス流量の推定モデルを用いて、水素のガス流量Grを算出するようになっていてもよい。なお、ガス流量の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6〜図9を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
次に、第2実施形態について、図6〜図9を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図6に示すように、燃料オフガス流路610には、ガス濃度センサ25に代えて、圧力センサ26およびガス熱流センサ27が配置されている。圧力センサ26は、燃料オフガス流路610を流れる燃料オフガスの圧力変動を検出するセンサである。圧力センサ26は、流通空間610Aを流れる燃料オフガスの圧力を検出可能なように圧力の感知部位が流通空間610Aに配置されている。圧力センサ26は、流路形成部61のうち突出管部62が接続された部位の近くに配置されている。なお、圧力センサ26は、燃料オフガスの圧力を検出可能であれば、突出管部62から離れた位置に配置されていてもよい。
ガス熱流センサ27は、導入空間610Bに存在する燃料オフガスの熱流量を検出するためのセンサである。ガス熱流センサ27は、基本構成が主熱流センサ22と同様に構成されている。ガス熱流センサ27は、燃料オフガスの流速の影響を受け難いように導入空間610Bに配置されている。ガス熱流センサ27は、ベース23のうち、主熱流センサ22が固定された部位以外の部位に固定されている。具体的には、ガス熱流センサ27は、ベース23のうち突出管部62の底部と対向する部位に固定されている。
圧力センサ26およびガス熱流センサ27は、それぞれ信号線を介してセンサ制御部50の入力側に接続されている。センサ制御部50は、圧力センサ26の検出圧力およびガス熱流センサ27の検出信号に基づいて燃料オフガス中の水素のガス濃度を算出する。本実施形態では、センサ制御部50において、燃料オフガス中の水素のガス濃度を算出するハードウエアおよびソフトウエアが濃度演算部50bを構成する。なお、本実施形態では、圧力センサ26、ガス熱流センサ27、および濃度演算部50bがガス濃度検出部を構成している。
ここで、燃料電池システム1は、燃料ガスの供給手段として機能するエジェクタ5bが間欠的に開弁する。これにより、燃料電池2は、エジェクタ5bによって燃料ガスが間欠的に供給されるとともに、燃料オフガスが間欠的に排出される。この際、燃料オフガスには圧力変動が生じる。すなわち、燃料オフガス流路610は、燃料オフガスが脈動して流れることがある。燃料オフガスの圧力が変動すると、図7の上段に示すように、燃料オフガスの圧縮または膨張することで、燃料オフガスのガス温度が変動する。
燃料オフガスの温度が変動すると、燃料オフガスとベース23との間に温度差が生ずるが、当該温度差に起因してガス熱流センサ27を貫通する熱流は、図7の中段の数式F4で示すように、燃料オフガスの熱伝達率hに応じて変化する。
燃料オフガスの温度変動は、図7の中段の数式F5に示す断熱圧縮時の温度変化の式により、圧力比(=P2/P1)と相関性を有する。なお、ガス熱流センサ27の出力信号Esは、図7の中段の数式F6に示すように、燃料オフガスの熱流量Qに対してセンサ感度係数αを乗じたものとなる。
そして、数式F4、F5、F6によれば、燃料オフガスの熱伝達率hは、図7の下段の数式F7で示すことができる。燃料オフガスの熱伝達率hは、数式F7で示すように、燃料オフガスの圧力比、ガス熱流センサ27の出力信号Es、センサ感度係数α、膨張時の燃料オフガスの温度Tgas1により特定することができる。なお、膨張時の燃料オフガスの温度Tgas1は、ガス温度センサ21により得ることができる。
また、ガス熱流センサ27に作用する熱流の変動幅(すなわち、振幅)は、燃料オフガスの熱伝達率hが大きいほど大きくなる。一般にガスの熱伝達率hは、図8の上段に示す数式F8で定義される。また、温度が均一な板の強制対流のヌセルト数Nuは、図8の中段に示す数式F9で定義される。そして、レイノルズ数Reは、図8の下段に示す数式F10で定義される。
上述の数式F7、F8、F9によれば、燃料オフガスの流速Ucが一定の条件であれば、燃料オフガスの熱伝達率hは、熱伝導率λ等のガスの物性値(すなわち、動粘度ν、プラントル数Pr、熱伝導率λ)で決まる。そして、燃料オフガスの熱伝達率hは、燃料オフガスの熱伝導率λに比例して大きくなる。燃料オフガスには、特定ガスである水素以外に水素とは熱伝導率λの異なるガス(例えば、窒素、蒸気)が含まれている。水素、窒素、蒸気を含む燃料オフガスのうち、熱伝導率λが最も高いガスは水素である。このため、燃料オフガスの熱伝達率hは、図8に示すように、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcに強い相関性を有する。すなわち、燃料オフガスの熱伝達率hは、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcが高ければ大きくなり、水素のガス濃度Hcが低ければ小さくなる。
前述したように、燃料オフガスの熱伝達率hは、燃料オフガスの圧力比、ガス熱流センサ27の出力信号Es、センサ感度係数α、膨張時の燃料オフガスの温度Tgas1により特定することができる。燃料オフガスの圧力比は、圧力センサ26により得ることができる。膨張時の燃料オフガスの温度Tgas1は、ガス温度センサ21により得ることができる。
以下、センサ制御部50が実行する水素のガス流量を算出する制御処理について図9を参照して説明する。図9に示す制御処理は、例えば、燃料電池2の発電時に周期的または不定期にセンサ制御部50により実行される。
図9に示すように、センサ制御部50は、ステップS200にて、センサ制御部50の入力側に接続されたセンサから各種信号を読み込む。具体的には、センサ制御部50は、主熱流センサ22の出力信号、ベース温度センサ24の検出信号、ガス温度センサ21の検出信号、圧力センサ26の検出信号、およびガス熱流センサ27の検出信号を読み込む。
続いて、センサ制御部50は、ステップS210にて、水素のガス濃度Hcを算出する。先ず、センサ制御部50は、図7に示す数式F7に、燃料オフガスの圧力比、ガス熱流センサ27の出力信号Es、センサ感度係数α、ガス温度センサ21の検出温度を代入して燃料オフガスの熱伝達率hを算出する。そして、センサ制御部50は、例えば、予めメモリに記憶された燃料オフガスの熱伝達率hと水素のガス濃度Hcとの対応関係を規定した制御マップを参照して、燃料オフガス中に含まれる水素のガス濃度Hcを算出する。なお、制御マップには、熱伝達率hの増大に伴って水素のガス濃度Hcが大きくなるように、熱伝達率hと水素のガス濃度Hcとの対応関係が規定されている。
続いて、センサ制御部50は、ステップS220にて燃料オフガスの流速Ucを算出する。そして、センサ制御部50は、ステップS230にて燃料オフガス中の水素のガス流量Grを算出する。なお、ステップS220、S230の処理は、ステップS110、S120と同様の処理であるため詳しい説明を省略する。
以上説明したセンサ装置10は、燃料オフガスの圧力変動および燃料オフガスの熱流量の変動に基づいて水素のガス濃度Hcを算出する構成になっている。これによると、ガス濃度の計測に特化した特殊なセンサを用いる必要がなく、汎用的なセンサ構成によって水素のガス濃度Hcを検出することができる。
ところで、燃料オフガス流路610を流れる燃料オフガスの熱伝達率hは、図8に示すように、燃料オフガス流路610における圧力変動だけでなく、燃料オフガスの流速Ucの変動の影響も受ける。
これを加味して、センサ装置10は、ガス熱流センサ27にて導入空間610Bに存在する燃料オフガスの熱流量を検出する構成になっている。これによれば、燃料オフガス流路610を流れる燃料オフガスの流速Ucが変動したとしても、ガス熱流センサ27の設置箇所付近における燃料オフガスの流速Ucの変動が抑制される。このため、燃料オフガス流路610における圧力の変化量とガス熱流センサ27に作用する熱流の変化量に基づいて、燃料オフガスに含まれる水素のガス濃度Hcを精度よく検出することができる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態では、図7に示す数式F7を用いて熱伝達率hを算出し、算出した熱伝達率hに基づいて水素のガス濃度Hcを算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、燃料オフガスの圧力変動および燃料オフガスの熱流量から水素のガス濃度Hcを推定するガス濃度の推定モデルを用いて、水素のガス濃度Hcを算出するようになっていてもよい。なお、ガス濃度の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
第2実施形態では、図7に示す数式F7を用いて熱伝達率hを算出し、算出した熱伝達率hに基づいて水素のガス濃度Hcを算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、燃料オフガスの圧力変動および燃料オフガスの熱流量から水素のガス濃度Hcを推定するガス濃度の推定モデルを用いて、水素のガス濃度Hcを算出するようになっていてもよい。なお、ガス濃度の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図10、図11を参照して説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明する。
次に、第3実施形態について、図10、図11を参照して説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について主に説明する。
図10に示すように、センサ装置10は、ガス温度センサ21が省略されている。主熱流センサ22を貫通する熱流量Qcは、燃料オフガスの温度T2とベース23の温度T1との温度差によって生ずる。すなわち、燃料オフガスの温度T2は、主熱流センサ22を貫通する熱流量Qcおよびベース23の温度T1に相関性を有する。そこで、センサ装置10は、センサ制御部50にて主熱流センサ22の検出信号およびベース温度センサ24の検出温度から燃料オフガスの温度T2を推定する。
以下、センサ制御部50が実行する水素のガス流量Grを算出する制御処理について図11を参照して説明する。図11に示す制御処理は、例えば、燃料電池2の発電時に周期的または不定期にセンサ制御部50により実行される。
図11に示すように、センサ制御部50は、ステップS300にて、センサ制御部50の入力側に接続されたセンサから各種信号を読み込む。具体的には、センサ制御部50は、主熱流センサ22の出力信号、ベース温度センサ24の検出信号、圧力センサ26の検出信号、およびガス熱流センサ27の検出信号を読み込む。
続いて、センサ制御部50は、ステップS310にて、燃料オフガスの温度T2を算出する。センサ制御部50は、例えば、予めメモリに記憶された燃料オフガスの熱流量Qc、ベース23の温度T1、燃料オフガスの温度T2との対応関係を規定した制御マップを参照して、燃料オフガスの温度T2を算出する。
続いて、センサ制御部50は、ステップS320にて、水素のガス濃度Hcを算出する。また、センサ制御部50は、ステップS330にて燃料オフガスの流速Ucを算出する。そして、センサ制御部50は、ステップS340にて燃料オフガス中の水素のガス流量Grを算出する。なお、ステップS320、S330、S340の処理は、ステップS210、S220、S230と同様の処理であるため詳しい説明を省略する。
以上説明したセンサ装置10は、センサ制御部50が主熱流センサ22の検出信号およびベース温度センサ24の検出温度から燃料オフガスの温度T2を算出する。そして、センサ制御部50は、算出した燃料オフガスの温度T2、燃料オフガス中の水素のガス濃度Hc、ベース23の温度T1、および主熱流センサ22の出力信号に基づいて水素のガス流量Grを算出する。これによると、燃料オフガスの温度T2を検出するための専用の温度センサが不要となるので、部品点数の増加を抑えることができる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態では、予めメモリに記憶された制御マップを参照して、燃料オフガスの温度T2を算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、燃料オフガスの熱流量Qcおよびベース23の温度T1から燃料オフガスの温度T2を推定するガス温度の推定モデルを用いて、燃料オフガスの温度T2を算出するようになっていてもよい。なお、ガス温度の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
第3実施形態では、予めメモリに記憶された制御マップを参照して、燃料オフガスの温度T2を算出するものを例示したが、これに限定されない。センサ制御部50は、燃料オフガスの熱流量Qcおよびベース23の温度T1から燃料オフガスの温度T2を推定するガス温度の推定モデルを用いて、燃料オフガスの温度T2を算出するようになっていてもよい。なお、ガス温度の推定モデルは、例えば、機械学習や回帰分析により生成することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明する。
次に、第4実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明する。
図12に示すように、センサ装置10は、ベース23を加熱するヒータ30が追加されている。ヒータ30は、発熱体31および駆動回路32を有する電気ヒータで構成されている。
発熱体31は、通電により発熱する材料で構成されている。発熱体31は、ベース23の内部に配置されている。なお、発熱体31は、ベース23を加熱することが可能であれば、ベース23の外面に設置されていてもよい。
駆動回路32は、発熱体31への通電量を調整する回路である。駆動回路32は、信号線介して発熱体31に接続されている。駆動回路32は、センサ制御部50からの信号に応じて作動が制御される。センサ制御部50は、例えば、燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出する際に、駆動回路32から発熱体31に通電する。
その他の構成および作動は、第3実施形態と同様である。本実施形態のセンサ装置10は、第3実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態のセンサ装置10は、ベース23を加熱するヒータ30を備えている。これによると、ヒータ30によってベース23を昇温させることで、燃料オフガスとベース23との間の温度差を充分に確保することができる。この結果、ベース23に固定される主熱流センサ22およびガス熱流センサ27それぞれのセンサ感度の向上を図ることができる。
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態では、第3実施形態で説明したセンサ装置10に対してヒータ30を追加したものを例示したが、これに限定されない。ヒータ30は、例えば、第1実施形態で説明したセンサ装置10や第2実施形態で説明したセンサ装置10に追加されていてもよい。
第4実施形態では、第3実施形態で説明したセンサ装置10に対してヒータ30を追加したものを例示したが、これに限定されない。ヒータ30は、例えば、第1実施形態で説明したセンサ装置10や第2実施形態で説明したセンサ装置10に追加されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、流路形成部61に対して突出管部62を接続し、この突出管部62の内側に検知部20の一部が配置されるものを例示したが、これに限定されない。センサ装置10は、流路形成部61に対して突出管部62が接続されておらず、流路形成部61の内側に検知部20が配置されていてもよい。
上述の実施形態では、主熱流センサ22およびガス熱流センサ27として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で構成されるセンサ基板221を有するものを例示したが、これに限定されない。主熱流センサ22およびガス熱流センサ27は、熱流を検出可能なものであれば、上述の熱流センサと異なる構造のものが採用されていてもよい。
上述の実施形態では、燃料電池システム1として、エジェクタ5bが採用されたものを例示したが、これに限定されない。燃料電池システム1は、例えば、水素供給弁5aの開閉動作によって、燃料電池2に対して水素が間欠的に供給される構成になっていてもよい。
上述の実施形態では、燃料電池システム1に対して本開示のセンサ装置10の適用したものを例示したが、これに限定されない。センサ装置10は、例えば、複数種のガスを混合した混合ガスが流れるガス配管等を含む他のシステムに対して適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、センサ装置は、ガス濃度検出部と、主熱流センサと、ベース温度センサと、特定ガスのガス流量を算出する流量演算部と、を備える。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、センサ装置は、ガス濃度検出部と、主熱流センサと、ベース温度センサと、特定ガスのガス流量を算出する流量演算部と、を備える。
第2の観点によれば、混合ガスは、特定ガス以外に特定ガスとは熱伝導率の異なるガスが含まれている。ガス流路には、混合ガスが脈動して流れることがある。ガス濃度検出部は、ガス流路を流れる混合ガスの圧力変動および混合ガスの熱流量の変動に基づいて特定ガスのガス濃度を検出するように構成されている。
特定ガスのガス濃度は、混合ガスが流れるガス流路における圧力変動によって誘起される混合ガスの温度変動に相関性を有する。このため、ガス流路を流れる混合ガスの圧力変動および混合ガスの熱流量の変動に基づいて特定ガスのガス濃度を検出することができる。
第3の観点によれば、ガス流路は、混合ガスが流れる流通空間および流通空間を流れる混合ガスの一部が導入される空間であって流通空間よりも混合ガスが淀み易い導入空間を含んでいる。ガス濃度検出部は、ガス流路を流れる混合ガスの圧力変動を検出するための圧力センサ、導入空間に存在する混合ガスの熱流量を検出するためのガス熱流センサを有する。また、ガス濃度検出部は、ガス流路を流れる混合ガスの圧力変動および導入空間に存在する混合ガスの熱流量の変動に基づいて特定ガスのガス濃度を算出する濃度演算部を有する。
このように、ガス熱流センサにて導入空間に存在する混合ガスの熱流量を検出する構成とすれば、ガス流路を流れる混合ガスの流速が変動したとしても、ガス熱流センサの設置箇所付近における混合ガスの流速の変動が抑制される。これにより、ガス流路における圧力の変化量とガス熱流センサに作用する熱流量の変化量に基づいて、混合ガスに含まれる特定ガスのガス濃度を精度よく検出することができる。なお、「混合ガスが淀み易い」とは、混合ガスが流れず、滞留し易い状態である。
第4の観点によれば、ガス熱流センサは、ベースにおける主熱流センサに固定された部位以外の部位に固定されている。このように、ガス熱流センサを主熱流センサが固定されるベースに対して固定すれば、ガス熱流センサを固定するための専用の部品が不要となるので、部品点数の増加を抑制することができる。加えて、主熱流センサおよびガス熱流センサを共通のベースに固定すれば、ベース温度センサを利用してガス熱流センサの他面側の温度を把握することができる。
第5の観点によれば、センサ装置は、ベースを加熱するヒータを備える。これによると、ヒータによってベースを昇温させることで、混合ガスとベースとの間の温度差を充分に確保することができるので、ベースに固定される主熱流センサのセンサ感度の向上を図ることができる。
第6の観点によれば、流量演算部は、主熱流センサの検出信号およびベース温度センサの検出温度から混合ガスの温度を算出する。そして、流量演算部は、算出した混合ガスの温度、ガス濃度検出部の検出濃度、ベース温度センサの検出温度、および主熱流センサの出力信号に基づいて特定ガスのガス流量を算出する。これによると、混合ガスの温度を検出するための専用の温度センサが不要となるので、部品点数の増加を抑えることができる。
第7の観点によれば、燃料電池システムは、燃料電池と、燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部と、燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置と、を備える。センサ装置は、ガス濃度検出部と、主熱流センサと、ベース温度センサと、燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する流量演算部と、を有する。
10 センサ装置
22 主熱流センサ
24 ベース温度センサ
25 ガス濃度センサ
50a 流量演算部
61 燃料オフガス流路(ガス流路)
22 主熱流センサ
24 ベース温度センサ
25 ガス濃度センサ
50a 流量演算部
61 燃料オフガス流路(ガス流路)
Claims (7)
- 少なくとも2種のガスが混合された混合ガスのうち、特定ガスのガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置であって、
少なくとも一部が前記混合ガスの流れるガス流路(610)に配置され、前記混合ガスのうち前記特定ガスのガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
前記ガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が前記混合ガスに晒されるように前記ガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
前記主熱流センサの他面側に位置する前記ベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
前記ガス濃度検出部の検出濃度、前記ベース温度センサの検出温度、および前記主熱流センサの出力信号に基づいて前記特定ガスのガス流量を算出する流量演算部(50a)と、
を備える、センサ装置。 - 前記混合ガスは、前記特定ガス以外に前記特定ガスとは熱伝導率の異なるガスが含まれており、
前記ガス流路には、前記混合ガスが脈動して流れることがあり、
前記ガス濃度検出部(26、27、50b)は、前記ガス流路を流れる前記混合ガスの圧力変動および前記混合ガスの熱流量の変動に基づいて前記特定ガスのガス濃度を検出するように構成されている、請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記ガス流路は、前記混合ガスが流れる流通空間(610A)および前記流通空間を流れる前記混合ガスの一部が導入される空間であって前記流通空間よりも前記混合ガスが淀み易い導入空間(610B)を含んでおり、
前記ガス濃度検出部は、前記ガス流路を流れる前記混合ガスの圧力変動を検出するための圧力センサ(26)、前記導入空間に存在する前記混合ガスの熱流量を検出するためのガス熱流センサ(27)、および前記ガス流路を流れる前記混合ガスの圧力変動および前記導入空間に存在する前記混合ガスの熱流量の変動に基づいて前記特定ガスのガス濃度を算出する濃度演算部(50b)を含んでいる、請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記ガス熱流センサは、前記ベースにおける前記主熱流センサに固定された部位以外の部位に固定されている、請求項3に記載のセンサ装置。
- 前記ベースを加熱するヒータ(30)を備える、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のセンサ装置。
- 前記流量演算部は、前記主熱流センサの検出信号および前記ベース温度センサの検出温度から前記混合ガスの温度を算出し、算出した前記混合ガスの温度、前記ガス濃度検出部の検出濃度、前記ベース温度センサの検出温度、および前記主熱流センサの出力信号に基づいて前記特定ガスのガス流量を算出する、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
- 燃料電池システムであって、
燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
前記燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路(610)を形成するオフガス流路形成部(61)と、
前記燃料オフガス中の水素のガス濃度およびガス流量を検出するセンサ装置(10)と、を備え、
前記センサ装置は、
少なくとも一部が前記燃料オフガス流路に配置され、前記燃料オフガス中の水素のガス濃度を検出するガス濃度検出部(25、26、27、50b)と、
前記燃料オフガス流路に配置されるベース(23)に固定されるとともに、一面が前記燃料オフガスに晒されるように前記燃料オフガス流路に配置され、表裏を貫通する熱流に応じた信号を出力する主熱流センサ(22)と、
前記主熱流センサの他面側に位置する前記ベースの温度を検出するベース温度センサ(24)と、
前記ガス濃度検出部の検出濃度、前記ベース温度センサの検出温度、および前記主熱流センサの出力信号に基づいて前記燃料オフガス中の水素のガス流量を算出する流量演算部(50a)と、を有する、燃料電池システム。
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JP2019133468A JP2021018130A (ja) | 2019-07-19 | 2019-07-19 | センサ装置、燃料電池システム |
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JP2019133468A JP2021018130A (ja) | 2019-07-19 | 2019-07-19 | センサ装置、燃料電池システム |
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2019
- 2019-07-19 JP JP2019133468A patent/JP2021018130A/ja active Pending
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