本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この実施の形態に係る油圧制御装置が搭載される建設機械100の例を示す。この建設機械100は、油圧ショベルであり、クローラ式の下部走行体1(基体の一例)と、その走行面に対して垂直な旋回中心軸まわりに旋回可能となるように下部走行体1の上に搭載される上部旋回体2と、この上部旋回体2に搭載されるアタッチメント3と、を備える。当該アタッチメント3は、前記上部旋回体2に起伏可能に支持されるブーム4と、当該ブーム4の先端に回動可能に連結されるアーム5と、当該アーム5の先端に回動可能に連結される先端アタッチメント6と、を備える。本実施の形態では、当該先端アタッチメント6はバケットである。
前記建設機械100は、前記上部旋回体2に対して前記ブーム4を起伏動作させるように作動するブームシリンダ7と、当該ブーム4に対して前記アーム5を回動動作させるように作動するアームシリンダ8と、当該アーム5に対して前記先端アタッチメント6を回動動作させるように作動する先端アタッチメントシリンダ9と、タンクTと、を備える。
図2は、本実施の形態に係る油圧制御装置の回路図である。図2に示すように、当該油圧制御装置は、第1の油圧ポンプ11と、第2の油圧ポンプ12と、図略のパイロットポンプと、前記ブームシリンダ7と、前記アームシリンダ8と、ブーム制御弁40と、アーム制御弁41と、合流制御弁42と、ブーム操作装置20と、アーム操作装置30と、回生弁51と、カット弁52と、メータアウト弁53と、補給弁61と、チェック弁62と、複数の検出部と、コントローラ90と、を備える。なお、図2では、前記先端アタッチメントシリンダ9の図示を省略している。また、前記油圧制御装置は、ブームシリンダ回路L1と、アームシリンダ回路L2と、合流回路L3と、回生回路L4と、補給回路L5と、メータアウト回路L6と、を有する。
前記ブームシリンダ回路L1は、前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油を前記ブームシリンダ7に供給するための油路である。当該ブームシリンダ回路L1は、前記第1の油圧ポンプ11と前記ブームシリンダ7とを接続する。
前記アームシリンダ回路L2は、前記第2の油圧ポンプ12から吐出される作動油を前記アームシリンダ8に供給するための油路である。当該アームシリンダ回路L2は、前記第2の油圧ポンプ12と前記アームシリンダ8とを接続する。
前記合流回路L3は、前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油を前記アームシリンダ8に合流させるための油路である。当該合流回路L3は、前記第1の油圧ポンプ11と前記アームシリンダ8とを接続する。当該合流回路L3は、前記ブームシリンダ回路L1から分岐し、前記アームシリンダ8に接続されているが、前記アームシリンダ回路L2に接続されていてもよい。
前記回生回路L4は、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hから排出される作動油(排出油)を前記アームシリンダ回路L2に合流させるための油路である。当該回生回路L4は、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hと前記アームシリンダ回路L2とを接続する。当該回生回路L4は、前記アームシリンダ回路L2ではなく、前記アームシリンダ8に接続されていてもよい。
前記補給回路L5は、前記ブームシリンダ7のロッド側室7rが負圧になった場合に、前記タンクTから作動油を前記ブームシリンダ7のロッド側室7rに供給するための油路である。当該補給回路L5は、前記ブームシリンダ7のロッド側室7rとタンクTとを接続する。
前記メータアウト回路L6は、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hから排出される作動油(排出油)をタンクTに戻すための油路である。当該メータアウト回路L6は、前記ブーム制御弁40とタンクTとを接続する。
前記第1の油圧ポンプ11は、主として、前記ブームシリンダ7を作動させるための作動油を吐出する。前記第2の油圧ポンプ12は、前記アームシリンダ8を作動させるための作動油を吐出する。前記第1及び第2の油圧ポンプ11,12、並びに前記パイロットポンプは、図略のエンジンによって駆動される。
本実施の形態では、前記第1の油圧ポンプ11及び前記第2の油圧ポンプ12のそれぞれは、ポンプ容量が調節可能である可変容量形の油圧ポンプである。具体的に、前記第1の油圧ポンプ11は、前記コントローラ90からの容量指令信号の入力を受けることによりそのポンプ容量を前記容量指令信号に応じた容量に変化させるように作動するレギュレータ11aを有する。前記第2の油圧ポンプ12は、前記コントローラ90からの容量指令信号の入力を受けることによりそのポンプ容量を前記容量指令信号に応じた容量に変化させるように作動するレギュレータ12aを有する。
前記ブームシリンダ7は、前記第1の油圧ポンプ11により吐出される作動油の供給を受けることにより前記ブーム4にブーム下げ動作とブーム上げ動作とを行わせるように作動するアクチュエータである。
前記アームシリンダ8は、前記第2の油圧ポンプ12により吐出される作動油の供給を受けることにより前記アーム5にアーム押し動作とアーム引き動作とを行わせるように作動するアクチュエータである。
前記ブーム制御弁40は、前記第1の油圧ポンプ11と前記ブームシリンダ7との間に介在し、当該第1の油圧ポンプ11から当該ブームシリンダ7に供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該ブーム制御弁40は、ブーム下げパイロットポート40a及びブーム上げパイロットポート40bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記ブームシリンダ回路L1に配置されている。
前記ブーム制御弁40は、前記ブーム下げ及び前記ブーム上げパイロットポート40a,40bの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置P1に保たれ、前記第1の油圧ポンプ11と前記ブームシリンダ7との間を遮断する。なお、前記ブームシリンダ回路L1のうち、前記第1の油圧ポンプ11と前記ブーム制御弁40との間の部位(具体的には、前記第1の油圧ポンプ11と前記カット弁52との間の部位)には、図略のリリーフ弁が配置されている。
前記ブーム制御弁40は、前記ブーム下げパイロットポート40aにブーム下げパイロット圧が入力されると、そのブーム下げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からブーム下げ位置P2に切り換えられる。これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ7のロッド側室7rに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ7のヘッド側室7hから作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ7は前記ブーム下げパイロット圧に対応した速度で前記ブーム下げ方向に駆動される。
前記ブーム制御弁40は、前記ブーム上げパイロットポート40bにブーム上げパイロット圧が入力されると、そのブーム上げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からブーム上げ位置P3に切り換えられる。これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ7のロッド側室7rから作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、前記ブームシリンダ7は前記ブーム上げパイロット圧に対応した速度で前記ブーム上げ方向に駆動される。
前記アーム制御弁41は、前記第2の油圧ポンプ12と前記アームシリンダ8との間に介在し、当該第2の油圧ポンプ12から当該アームシリンダ8に供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該アーム制御弁41は、アーム押しパイロットポート41a及びアーム引きパイロットポート41bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記アームシリンダ回路L2に配置されている。
前記合流制御弁42は、前記アーム押し動作及び前記アーム引き動作において、前記第2の油圧ポンプ12からの作動油に加えて前記第1の油圧ポンプ11からの作動油を前記アームシリンダ8に供給するためものである。前記合流制御弁42は、前記第1の油圧ポンプ11と前記アームシリンダ8との間に介在し、当該第1の油圧ポンプ11から当該アームシリンダ8に供給される作動油の流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、当該合流制御弁42は、アーム押しパイロットポート42a及びアーム引きパイロットポート42bを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなり、前記合流回路L3に配置されている。
前記アーム制御弁41は、前記アーム押し及びアーム引きパイロットポート41a,41bの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置P1に保たれ、前記第2の油圧ポンプ12と前記アームシリンダ8との間を遮断する。同様に、前記合流制御弁42は、前記アーム押し及びアーム引きパイロットポート42a,42bの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置P1に保たれ、前記第1の油圧ポンプ11と前記アームシリンダ8との間を遮断する。なお、前記アームシリンダ回路L2のうち前記第2の油圧ポンプ11と前記アーム制御弁41との間の部位、及び前記合流回路L3のうち前記第1の油圧ポンプ11と前記合流制御弁42との間の部位には、それぞれ図略のリリーフ弁が配置されている。
前記アーム制御弁41は、前記アーム押しパイロットポート41aにアーム押しパイロット圧が入力されるとそのアーム押しパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からアーム押し位置P2に切換えられる。これにより、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8のロッド側室8rに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ8のヘッド側室8hからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。同様に、前記合流制御弁42は、前記アーム押しパイロットポート42aにアーム押しパイロット圧が入力されるとそのアーム押しパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からアーム押し位置P2に切換えられる。これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記アームシリンダ8のロッド側室8rに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ8のヘッド側室8hからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記アームシリンダ8は前記アーム押しパイロット圧に対応した速度で前記アーム押し方向に駆動される。
前記アーム制御弁41は、前記アーム引きパイロットポート41bにアーム引きパイロット圧が入力されるとそのアーム引きパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からアーム引き位置P3に切換えられる。これにより、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8のヘッド側室8hに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ8のロッド側室8rからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。同様に、前記合流制御弁42は、前記アーム引きパイロットポート42bにアーム引きパイロット圧が入力されるとそのアーム引きパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置P1からアーム引き位置P3に切換えられる。これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記アームシリンダ8のヘッド側室8hに前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該アームシリンダ8のロッド側室8rからタンクに作動油が戻ることを許容するように、開弁する。これにより、前記アームシリンダ8は前記アーム引きパイロット圧に対応した速度で前記アーム引き方向に駆動される。
前記ブーム操作装置20は、前記ブーム4に前記ブーム下げ動作及び前記ブーム上げ動作をそれぞれ行わせるためのブーム下げ操作及びブーム上げ操作を受け、当該操作に対応するパイロット圧が前記ブーム制御弁40に対して前記パイロットポンプから入力されることを許容するように作動する。具体的に、当該ブーム操作装置20は、ブーム操作レバー21と、ブームパイロット弁22(リモコン弁)と、を有する。
前記ブーム操作レバー21は、オペレータによる前記ブーム下げ操作及び前記ブーム上げ操作を受けて回動することが可能な部材である。前記ブーム下げ操作及び前記ブーム上げ操作は、前記ブーム操作レバー21を互いに逆向きに回動させる操作である。
前記ブームパイロット弁22は、前記ブーム操作レバー21に与えられる前記ブーム上げ操作及び前記ブーム下げ操作の一方の操作に連動して開弁することにより、前記ブーム制御弁40のパイロットポート40a,40bのうち前記一方の操作の方向に対応するパイロットポートに対して当該一方の操作の操作量に対応した大きさのパイロット圧が前記パイロットポンプから入力されることを許容する。
前記アーム操作装置30は、前記アーム5に前記アーム押し動作及び前記アーム引き動作をそれぞれ行わせるためのアーム押し操作及びアーム引き操作を受け、当該操作に対応するパイロット圧が前記アーム制御弁41及び前記合流制御弁42に対して前記パイロットポンプからそれぞれ入力されることを許容するように作動する。具体的に、当該ブーム操作装置20は、ブーム操作レバー21と、ブームパイロット弁22(リモコン弁)と、を有する。
前記アーム操作レバー31は、オペレータによる前記アーム押し操作及び前記アーム引き操作を受けて回動することが可能な部材である。前記アーム押し操作及び前記アーム引き操作は前記アーム操作レバー31を互いに逆向きに回動させる操作である。
前記アームパイロット弁32は、前記アーム操作レバー31に与えられる前記アーム押し操作及び前記アーム引き操作の一方の操作に連動して開弁することにより、前記アーム制御弁41のパイロットポート41a,41bのうち前記一方の操作の方向に対応するパイロットポートに対して当該一方の操作の操作量に対応した大きさのパイロット圧が前記パイロットポンプから入力されることを許容し、さらには、前記合流制御弁42のパイロットポート42a,42bのうち前記一方の操作の方向に対応するパイロットポートに対して当該一方の操作の操作量に対応した大きさのパイロット圧が前記パイロットポンプから入力されることを許容する。
前記回生弁51は、前記ブーム下げ動作において、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hから排出される作動油である排出油が前記アームシリンダ8の供給側のポートに導入されることを許容する供給位置P4と、前記排出油が前記アームシリンダ8の前記供給側のポートに導入されることを阻止する遮断位置P5との間で開閉動作することが可能なように構成されている。
本実施の形態では、前記回生弁51は、ソレノイド51aを有する電磁弁により構成される。当該回生弁51は、前記コントローラ90から前記ソレノイド51aに入力される電気信号Dに基づいて前記供給位置P4と前記遮断位置P5との間で開閉動作する。当該回生弁51は、前記供給位置P4と前記遮断位置P5とを切り換えるオンオフ制御を行うことが可能な電磁弁であってもよく、前記供給位置P4と前記遮断位置P5との間で当該回生弁51の開度を比例的に制御可能な電磁比例弁であってもよい。当該回生弁51は、前記回生回路L4に配置されている。
前記カット弁52は、前記第1の油圧ポンプ11からの作動油が前記ブームシリンダ7の供給側のポートに導入されることを許容する供給位置P6と前記第1の油圧ポンプ11からの作動油が前記ブームシリンダ7の前記供給側のポートに導入されることを阻止する遮断位置P7との間で開閉動作することが可能なように構成されている。
本実施の形態では、前記カット弁52は、ソレノイド52aを有する電磁弁により構成される。当該カット弁52は、前記コントローラ90から前記ソレノイド52aに入力される電気信号Bに基づいて前記供給位置P6と前記遮断位置P7との間で開閉動作する。当該カット弁52は、前記供給位置P6と前記遮断位置P7とを切り換えるオンオフ制御を行うことが可能な電磁弁であってもよく、前記供給位置P6と前記遮断位置P7との間で当該カット弁52の開度を比例的に制御可能な電磁比例弁であってもよい。当該カット弁52は、前記ブームシリンダ回路L1のうち前記第1の油圧ポンプ11と前記ブーム制御弁40との間に配置されている。
前記メータアウト弁53は、前記ブームシリンダ7から排出される作動油がタンクTに戻ることを許容する許容位置P9と、前記ブームシリンダ7から排出される作動油がタンクTに戻ることを阻止する遮断位置P8との間で開閉動作することが可能なように構成されている。当該メータアウト弁53は、前記メータアウト回路L6に配置されている。
本実施の形態では、前記メータアウト弁53は、ソレノイド53aを有する電磁弁により構成される。当該メータアウト弁53は、前記コントローラ90から前記ソレノイド53aに入力される電気信号に基づいて前記許容位置P9と前記遮断位置P8との間で開閉動作する。当該メータアウト弁53は、前記許容位置P9と前記遮断位置P8とを切り換えるオンオフ制御を行うことが可能な電磁弁であってもよく、前記許容位置P9と前記遮断位置P8との間で当該メータアウト弁53の開度を比例的に制御可能な電磁比例弁であってもよい。
前記補給弁61は、前記ブームシリンダ7のロッド側室7rが負圧になった場合に、前記タンクTから前記ブームシリンダ7に向けた作動油の流れを許容する一方、その逆向きの作動油の流れを規制するチェック弁である。当該補給弁61は、前記補給回路L5に配置されている。
前記チェック弁62は、前記第2の油圧ポンプ12から前記アーム制御弁41向けた作動油の流れを許容する一方、その逆向きの作動油の流れを規制するチェック弁である。当該チェック弁62は、前記アームシリンダ回路L2のうち、前記回生回路L4が前記アームシリンダ回路L2に接続される部分よりも前記第2の油圧ポンプ12側の部位に配置されている。
前記複数の検出部は、ブーム操作検出部23と、アーム操作検出部33と、ブーム速度検出部26と、を含む。
前記ブーム操作検出部23は、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けたことを検出可能に構成される。具体的に、前記ブーム操作検出部23は、前記ブームパイロット弁22から前記ブーム制御弁40のブーム下げパイロットポート40aに向けて出力される前記ブーム下げパイロット圧を検出可能な圧力センサ(ブームパイロット圧センサ)により構成される。当該ブーム操作検出部23は、前記ブーム下げパイロット圧に対応する電気信号であるパイロット圧検出信号Aを生成して前記コントローラ90に入力する。
前記アーム操作検出部33は、前記アーム操作装置30が前記アーム押し操作を受けたことを検出可能に構成される。具体的に、前記アーム操作検出部33は、前記アームパイロット弁32から前記アーム制御弁41及び前記合流制御弁42の前記アーム押しパイロットポート41a,42aに向けて出力される前記アーム押しパイロット圧を検出可能な圧力センサ(アームパイロット圧センサ)により構成される。当該アーム操作検出部33は、前記アーム押しパイロット圧に対応する電気信号であるパイロット圧検出信号Cを生成して前記コントローラ90に入力する。
前記ブーム速度検出部26は、前記ブーム下げ動作の速度の指標となる速度指標値を検出可能に構成される。具体的に、前記ブーム速度検出部26は、例えば、前記ブームシリンダ7に設けられるストロークセンサ又はポテンショセンサにより構成される。前記ストロークセンサ又は前記ポテンショセンサは、前記ブームシリンダ7の縮み速度を検出することができる。前記ブーム下げ動作は、前記ブームシリンダ7が縮むことにより行われるため、当該縮み速度は、前記ブーム下げ動作の速度の指標となる。
本実施の形態では、前記油圧制御装置は、圧力センサ24,34をさらに備える。前記圧力センサ24は、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hの圧力(前記ブームシリンダ7のヘッド圧)を検出可能であり、例えば、前記回生回路L4のうち前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hと前記回生弁51との間の部位に配置されている。前記圧力センサ34は、前記第2の油圧ポンプ12の吐出圧を検出可能であり、例えば、前記アームシリンダ回路L2のうち前記第2の油圧ポンプ12と前記アーム制御弁41との間の部位に配置されている。より具体的には、前記圧力センサ34は、前記アームシリンダ回路L2のうち、前記回生回路L4が前記アームシリンダ回路L2に接続される部分よりも前記第2の油圧ポンプ12側の部位に配置されている。
前記コントローラ90は、CPU、種々の制御プログラムを記憶するROM、及び前記CPUの作業領域として使用されるRAMを有するコンピュータにより構成される。前記コントローラ90は、回生制御部91と、アシスト制御部92と、判定部93と、容量制御部94と、演算部95と、を機能として備える。
前記回生制御部91は、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けるとともに前記アーム操作装置30が前記アーム押し操作を受ける複合操作時において、前記速度指標値が所定の速度閾値以上である場合に、前記カット弁52を前記遮断位置P7に設定し、前記回生弁51を前記供給位置P4に設定する回生制御を行う。
前記アシスト制御部92は、前記複合操作時において、前記速度指標値が前記速度閾値未満である場合に、アシスト制御を行う。当該アシスト制御の詳細は後述する。
前記判定部93は、前記ブーム下げ操作が前記ブーム操作検出部23により検出されたか否かを判定し、前記アーム押し操作が前記アーム操作検出部33により検出されたか否かを判定し、前記速度指標値が所定の速度閾値未満であるか否かを判定する。
前記容量制御部94は、前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を生成し、当該容量指令信号を前記レギュレータ11aに入力し、前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を生成し、当該容量指令信号を前記レギュレータ12aに入力する。
前記演算部95は、前記回生回路L4における作動油の流量である回生流量を演算する。
図1に示すように、前記建設機械100の作業において前記ブーム4の姿勢は様々に変化する。ブーム4が前記上部旋回体2に対して回動する中心から先端アタッチメント6の先端までの距離は、ブーム下げとアーム押しの複合操作が行われる過程において、M1,M2,M3の順に大きくなる。当該複合操作の初期段階、すなわち、アタッチメント3が図1において実線で示された位置にあるときには、前記ブーム4をその自重により前記ブーム下げ方向に動作させるためのモーメントは、アタッチメント3が図1において二点鎖線で示された位置にあるときに比べて小さくなる。
本実施の形態に係る油圧制御装置は、以下に説明する制御を行うことにより、ブーム下げとアーム押しの複合操作時に、エネルギーを効率よく利用しつつ、ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることができる。
次に、図3のフローチャートを参照して、前記コントローラ90の演算制御動作について説明する。
前記建設機械100による作業において、前記コントローラ90の前記判定部93は、前記ブーム操作検出部23により検出されるパイロット圧に基づいて、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けたか否かを判定する(ステップS1)。具体的に、当該判定部93は、例えば、前記ブーム操作検出部23により検出されるパイロット圧が予め設定されたブームパイロット圧閾値以上である場合に、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けたと判定し(ステップS1においてYES)、前記ブーム操作検出部23により検出されるパイロット圧が前記ブームパイロット圧閾値未満である場合には、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けていないと判定する(ステップS1においてNO)。
次に、前記判定部93は、前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けたと判定した場合、前記アーム操作検出部33により検出されるパイロット圧に基づいて、前記アーム操作装置30が前記アーム押し操作を受けたか否かを判定する(ステップS2)。具体的に、当該判定部93は、例えば、前記アーム操作検出部33により検出されるパイロット圧が予め設定されたアームパイロット圧閾値以上である場合に、前記アーム操作装置30が前記アーム押し操作を受けたと判定し(ステップS2においてYES)、前記アーム操作検出部33により検出されるパイロット圧が前記アームパイロット圧閾値未満である場合には、前記アーム操作装置20が前記アーム押し操作を受けていないと判定する(ステップS2においてNO)。本実施の形態では、ステップS1においてYESで、かつ、ステップS2においてYESの場合、ブーム下げとアーム押しの複合操作が行われたと判定され、それ以外の場合、当該複合操作以外の操作が行われていると判定される(又は何れの操作も行われていないと判定される)。
前記ブーム操作装置20が前記ブーム下げ操作を受けていないと前記判定部93が判定した場合(ステップS1においてNO)、又は前記ブーム操作装置20が前記アーム押し操作を受けていないと前記回生制御部91が判定した場合(ステップS2においてNO)、すなわち、前記複合操作以外の操作が行われている場合、図3のステップS3に示す通常制御が行われる。
前記複合操作以外の操作としては、例えば、ブーム単独操作、アーム単独操作、ブーム上げ操作とアーム操作とを含む操作を挙げることができる。前記ブーム単独操作では、アーム操作(前記アーム押し操作及び前記アーム引き操作)が行われず、前記ブーム下げ操作又は前記ブーム上げ操作が行われる。前記アーム単独操作では、ブーム操作(前記ブーム下げ操作及び前記ブーム上げ操作)が行われず、前記アーム押し操作又は前記アーム引き操作が行われる。前記ブーム上げ操作とアーム操作とを含む操作では、前記ブーム上げ操作と、前記アーム押し操作又は前記アーム引き操作とが行われる。
[通常制御]
前記ステップS3においてコントローラ90が行う前記通常制御は、例えば次の制御(1)〜(5)を含む。
(1)前記カット弁52が前記供給位置P6に設定される。
(2)前記回生弁51が前記遮断位置P5に設定される。
(3)前記メータアウト弁53が前記許容位置P9に設定される。
(4)前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油の流量(以下、第1ポンプ流量という。)が、前記通常制御のために設定された流量特性(通常制御の流量特性)に基づいて設定される。
(5)前記第2の油圧ポンプ12から吐出される作動油の流量(以下、第2ポンプ流量という。)が、前記通常制御のために設定された流量特性(通常制御の流量特性)に基づいて設定される。
前記第1の油圧ポンプ11に関する前記通常制御の流量特性は、前記ブーム下げ操作の操作量及び前記ブーム上げ操作の操作量のそれぞれと、当該操作量に対応する前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量との関係について予め設定された特性である。当該流量特性は、例えば、前記操作量の増加に伴って前記ポンプ容量が最大容量を上限として次第に増加するように設定されている。
前記第2の油圧ポンプ12に関する前記通常制御の流量特性は、前記アーム押し操作の操作量及び前記アーム引き操作の操作量のそれぞれと、当該操作量に対応する前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量との関係について予め設定された特性である。当該流量特性は、例えば、前記操作量の増加に伴って前記ポンプ容量が最大容量を上限として次第に増加するように設定されている。
前記ステップS3において、前記容量制御部94は、前記第1の油圧ポンプ11に関する前記通常制御の流量特性に基づいて、前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を前記レギュレータ11aに入力する。これにより、前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量が調節され、前記第1ポンプ流量が流量Q1に設定される。同様に、前記容量制御部94は、前記第2の油圧ポンプ12に関する前記通常制御の流量特性に基づいて、前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を前記レギュレータ12aに入力する。これにより、前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量が調節され、前記第2ポンプ流量が流量Q2に設定される。
次に、前記判定部93は、前記ブーム速度検出部26により検出される速度指標値が予め設定された速度閾値未満であるか否かを判定する(ステップS4)。前記速度指標値が前記速度閾値未満である場合には(ステップS4においてYES)、前記アシスト制御部92は、前記ブーム下げ動作をアシストして前記ブーム下げ動作の速度を増加させるためのアシスト制御を行う(ステップS5)。一方、前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合には(ステップS4においてNO)、前記回生制御部91は、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hから排出される作動油を前記アームシリンダ8の前記ロッド側室8rに供給する回生制御を行う(ステップS6)。具体的には以下の通りである。
[回生制御]
まず、前記回生制御(ステップS6)について説明する。本実施の形態では、前記ステップS6において前記回生制御部91が行う回生制御は、次の制御(1)〜(5)を含む。
(1)前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定される。
(2)前記回生弁51が前記供給位置P4に設定される。
(3)前記メータアウト弁53の開度が、例えば、前記アームシリンダ8のロッド圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との関係に基づいて制御される。
(4)前記第1ポンプ流量が、前記回生制御のために設定された流量特性(回生制御の流量特性)に基づいて設定される。
(5)前記第2ポンプ流量が、前記回生制御のために設定された流量特性(回生制御の流量特性)に基づいて設定される。
図4は、前記ブーム下げ動作の速度の指標となる前記速度指標値とカット弁52の状態との関係について予め設定されたマップを示す図である。図4に示すように、前記複合操作時において前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合に行われる前記回生制御では、前記カット弁52は前記遮断位置P7に設定される。また、図示は省略するが、当該回生制御では、前記回生弁51は前記供給位置P4に設定される。
また、前記回生制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記アームシリンダ8のロッド圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との関係に基づいて制御される。言い換えると、当該回生制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記アームシリンダ回路L2の圧力と前記回生回路L4の圧力との関係に基づいて制御される。具体的には、次の通りである。
前記回生制御において、前記アームシリンダ回路L2の圧力であるアーム側圧力Pb(前記アームシリンダ8のロッド圧Pb)が前記回生回路L4の圧力である回生側圧力Pa(前記ブームシリンダ7のヘッド圧Pa)よりも高い場合、これらの圧力差は、前記ブームシリンダ7の前記ヘッド側室7hから排出される作動油が前記回生回路L4を介して前記アームシリンダ回路L2に合流するときの抵抗になる。
従って、前記回生制御部91は、前記回生制御において、前記アーム側圧力Pbが前記回生側圧力Paよりも高い場合、前記ブームシリンダ7の前記ヘッド側室7hから排出される作動油が前記メータアウト回路L6を介して前記タンクに戻るように前記メータアウト弁53の開度を調節する第1の制御を行う。この第1の制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記圧力差にかかわらず予め設定された一定の大きさに制御されてもよい。また、この第1の制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記アーム側圧力Pbから前記回生側圧力Paを引いた値である圧力差(Pb−Pa)が大きくなるにつれて大きくなるように制御されてもよい。
一方、前記回生制御部91は、前記回生制御において、前記アーム側圧力Pbが前記回生側圧力Paよりも低い場合、前記メータアウト弁53の開度を前記第1の制御における前記メータアウト弁53の開度よりも小さくする第2の制御を行う。この第2の制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記圧力差にかかわらず予め設定された一定の大きさに制御されてもよい。また、この第2の制御では、前記メータアウト弁53の開度は、前記回生側圧力Paから前記アーム側圧力Pbを引いた値である圧力差(Pa−Pb)が大きくなるにつれて小さくなるように制御されてもよい。
前記回生側圧力Paは、前記圧力センサ24により検出され、前記アーム側圧力Pbは、前記圧力センサ34により検出される。
前記第1の制御及び前記第2の制御のそれぞれにおいて、前記メータアウト弁53の開度は、前記ブーム4の前記ブーム下げ方向の動作速度が前記ブーム4の自重により過度に大きくならないような大きさに調節されるのが好ましい。
なお、前記回生制御の上記具体例では、前記第1の制御及び前記第2の制御のそれぞれは、前記回生側圧力Pa及び前記アーム側圧力Pbに基づいて行われるが、この態様に限られない。前記第1の制御及び前記第2の制御のそれぞれにおいて、前記メータアウト弁53の開度は、例えば、前記回生回路L4を流れる作動油の流量(回生流量)に基づいて調節されてもよい。また、前記第1の制御及び前記第2の制御のそれぞれにおいて、前記メータアウト弁53の開度は、例えば、前記ブーム速度検出部26により検出される速度指標値に基づいて調節されてもよい。さらに、前記第1の制御及び前記第2の制御のそれぞれにおいて、前記メータアウト弁53の開度は、例えば、前記上部旋回体2に対する前記ブーム4の角度又は地面に対する前記ブーム4の角度に基づいて調節されてもよい。前記上部旋回体2に対する前記ブーム4の角度は、例えば前記ブーム4に設けられる図略の角度センサに基づいて演算可能であり、前記地面に対する前記ブーム4の角度は、例えば前記ブーム4に設けられる前記角度センサ及び前記上部旋回体2に設けられる図略の傾斜センサに基づいて演算可能である。
前記第1の油圧ポンプ11に関する前記回生制御の流量特性は、当該回生制御における第1ポンプ流量Q11が前記通常制御における前記第1ポンプ流量Q1よりも小さくなるように設定されている。
具体的に、本実施の形態では、前記回生制御における第1ポンプ流量Q11は、前記第1の油圧ポンプ11の最小流量に設定されているが、これに限られず、当該最小流量よりも大きな流量に設定されていてもよい。また、本実施の形態では、前記回生制御における第1ポンプ流量Q11は、前記ブーム下げ操作の操作量にかかわらず変化しない一定値に設定されているが、これに限られない。当該第1ポンプ流量Q11は、例えば、前記アーム押し操作の操作量が増加するにつれて大きくなるように設定されていてもよい。
前記第2の油圧ポンプ12に関する前記回生制御の流量特性は、当該回生制御における第2ポンプ流量Q12が前記通常制御における前記第2ポンプ流量Q2(例えばアーム押し単独操作時の前記第2ポンプ流量Q2)よりも小さくなるように設定される。
具体的に、本実施の形態では、前記回生制御における第2ポンプ流量Q12は、前記アーム押し単独操作時の前記第2ポンプ流量Q2から回生流量Qrを減算した値(Q2−Qr)に設定されている。当該回生流量Qrは、例えば次のように演算される。当該回生流量Qrは、前記ブームシリンダ7のヘッド側室7hから前記回生回路L4を通じて前記アームシリンダ回路L2に合流する作動油の流量である。従って、前記回生流量Qrは、前記第2の油圧ポンプ12の吐出圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との差と相関する。前記第2の油圧ポンプ12の吐出圧は前記圧力センサ34により検出され、前記ブームシリンダ7のヘッド圧は前記圧力センサ24により検出される。
前記コントローラ90は、前記第2の油圧ポンプ12の吐出圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との差と、前記回生流量との関係を示すマップを予め記憶している。前記演算部95は、当該マップと、前記圧力センサ24,34により検出された圧力とに基づいて、前記回生流量Qrを演算する。なお、前記コントローラ90は、前記アームシリンダ8のロッド圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との差と、回生流量との関係を示すマップを予め記憶していてもよく、この場合、前記演算部95は、当該マップと、前記圧力センサ24により検出された前記ブームシリンダ7のヘッド圧、及び図略の圧力センサにより検出された前記アームシリンダ8のロッド圧とに基づいて、前記回生流量Qrを演算してもよい。
前記ステップS6において、前記容量制御部94は、前記第1の油圧ポンプ11に関する前記回生制御の流量特性に基づいて、前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を前記レギュレータ11aに入力する。これにより、前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量が調節され、前記第1ポンプ流量が前記流量Q11に設定される。同様に、前記容量制御部94は、前記第2の油圧ポンプ12に関する前記回生制御の流量特性に基づいて、前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量を調節するための前記容量指令信号を前記レギュレータ12aに入力する。これにより、前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量が調節され、前記第2ポンプ流量が前記流量Q12に設定される。
[アシスト制御]
次に、前記アシスト制御(ステップS5)について説明する。前記アシスト制御部92は、前記複合操作時において、前記速度指標値が前記速度閾値未満である場合に、前記アシスト制御を行う。本実施の形態では、当該アシスト制御として以下の3つのアシスト制御(A),(B),(C)を例示する。前記ステップS5において、前記アシスト制御部92は、前記アシスト制御(A),(B),(C)の何れかの制御を行う。以下、前記アシスト制御(A),(B),(C)についてそれぞれ具体的に説明する。
[アシスト制御(A)]
前記アシスト制御(A)では、前記アシスト制御部92は、前記カット弁52の開度が前記回生制御に比べて大きくなるように前記カット弁52の動作を制御し、これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ7に作動油が供給される。当該アシスト制御(A)は、本発明における第1のアシスト制御の一例である。
具体的に、本実施の形態では、前記アシスト制御(A)は、次の制御(A−1)〜(A−5)を含む。
(A−1)前記カット弁52の開度が前記回生制御よりも大きく設定される。
(A−2)前記回生弁51が前記供給位置P4に設定される。
(A−3)前記メータアウト弁53が前記遮断位置P8に設定される。
(A−4)前記第1ポンプ流量が、アシスト制御(A)のために設定された流量特性に基づいて設定される。
(A−5)前記第2ポンプ流量が、アシスト制御(A)のために設定された流量特性に基づいて設定される。
図4に示すように、前記アシスト制御(A)は、前記複合操作時において前記速度指標値が前記速度閾値未満である場合に行われる。前記アシスト制御部92は、当該アシスト制御(A)における前記カット弁52の開度が前記回生制御における前記カット弁52の開度よりも大きくなるように前記カット弁52の動作を制御する。具体的に、前記アシスト制御(A)において、前記カット弁52は前記供給位置P6に設定される。本実施の形態では、当該供給位置P6は、前記カット弁52の開度が全開となる位置、すなわち、前記カット弁52の開度が最大開度となる位置である。ただし、前記供給位置P6は、当該最大開度よりも小さい開度となる位置であってもよい。
前記アシスト制御(A)では、前記回生弁51は前記供給位置P4に設定される。本実施の形態では、当該供給位置P4は、前記回生弁51の開度が全開となる位置、すなわち、前記回生弁51の開度が最大開度となる位置である。ただし、前記供給位置P4は、当該最大開度よりも小さい開度となる位置であってもよい。
前記アシスト制御(A)では、前記第1の油圧ポンプ11に関する流量特性は、前記アシスト制御(A)における前記第1ポンプ流量Q21が前記回生制御における前記第1ポンプ流量Q11よりも大きくなるように設定されている。具体的には次の通りである。
図5は、当該アシスト制御(A)において、前記速度指標値と第1ポンプ流量との関係について予め設定されたマップを示す図である。図5に示すように、前記複合操作時において前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合に行われる前記回生制御では、前記第1ポンプ流量Q11は、前記第1の油圧ポンプ11の最小流量に設定される。
一方、前記アシスト制御(A)では、前記第1ポンプ流量Q21は、前記第1ポンプ流量Q11よりも大きな値に設定される。本実施の形態では、前記アシスト制御(A)における前記第1ポンプ流量Q21は、前記ブーム下げ動作の速度(速度指標値)にかかわらず変化しない一定値に設定されている。この場合、前記第1ポンプ流量Q21は、例えば、前記第1の油圧ポンプ11の最大流量に設定されていてもよく、当該最大流量よりも小さい値に設定されていてもよい。また、当該第1ポンプ流量Q21は、例えば、前記ブーム下げ動作の速度(速度指標値)が小さくなるにつれて大きくなるように設定されていてもよく、また、前記ブーム下げ操作の操作量が大きくなるにつれて大きくなるように設定されていてもよい。
前記アシスト制御(A)では、前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性は、特に限定されないが、例えば、前記回生制御における前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性と同じであってもよい。この場合、当該アシスト制御(A)において、第2ポンプ流量Q22は、前記アーム押し単独操作時の前記第2ポンプ流量Q2から回生流量Qrを減算した値(Q2−Qr)に設定される。
[アシスト制御(B)]
前記アシスト制御(B)では、前記アシスト制御部92は、前記カット弁52の開度が前記回生制御に比べて大きくなるように前記カット弁52の動作を制御し、これにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ7に作動油が供給される。また、当該アシスト制御(B)では、前記アシスト制御部92は、前記回生弁51の開度が前記回生制御に比べて小さくなるように前記回生弁51の動作を制御する。当該アシスト制御(B)は、本発明における第1のアシスト制御の一例である。
具体的に、本実施の形態では、前記アシスト制御(B)は、次の制御(B−1)〜(B−5)を含む。
(B−1)前記カット弁52の開度が前記回生制御よりも大きく設定される。
(B−2)前記回生弁51の開度が前記回生制御に比べて小さく設定される。
(B−3)前記メータアウト弁53が前記許容位置P9に設定される。
(B−4)前記第1ポンプ流量が、アシスト制御(B)のために設定された流量特性に基づいて設定する。
(B−5)前記第2ポンプ流量が、アシスト制御(B)のために設定された流量特性に基づいて設定する。
このアシスト制御(B)が上述したアシスト制御(A)と相違する点は次の通りである。前記アシスト制御(A)では、前記回生弁51が前記回生制御と同じ前記供給位置P4に設定されるのに対し、当該アシスト制御(B)では、前記回生弁51は、当該回生弁51の開度が前記回生制御に比べて小さくなるように設定される。また、前記アシスト制御(A)では、前記メータアウト弁53が前記遮断位置P8に設定されるのに対し、当該アシスト制御(B)では、前記メータアウト弁53は前記許容位置P9に設定される。また、このアシスト制御(B)では、前記回生流量Qrがゼロとなるので、当該アシスト制御(B)における前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性は、前記アシスト制御(A)における前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性と後述のように相違する。
図6は、前記速度指標値と回生弁51の状態との関係について予め設定されたマップを示す図である。図6に示すように、前記複合操作時において前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合に行われる前記回生制御では、前記回生弁51は、前記供給位置P4に設定される。一方、前記アシスト制御(B)では、前記回生弁51は、前記遮断位置P5に設定される。なお、当該アシスト制御(B)では、前記回生弁51は、例えば、前記ブーム下げ動作の速度(速度指標値)が小さくなるにつれて当該回生弁51の開度が小さくなるように設定されていてもよい。
前記アシスト制御(B)では、前記第1の油圧ポンプ11に関する流量特性は、例えば、前記アシスト制御(A)と同様に設定されてもよい。すなわち、図5に示すように、前記アシスト制御(B)における第1ポンプ流量Q31は、前記アシスト制御(A)における前記第1ポンプ流量Q21と同様に設定される。
また、前記アシスト制御(B)では、前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性は、特に限定されないが、例えば、前記通常制御における前記第2ポンプ流量Q2(例えばアーム押し単独操作時の前記第2ポンプ流量Q2)と同様に設定されてもよい。
[アシスト制御(C)]
前記アシスト制御(C)では、前記アシスト制御部92は、前記回生弁51が前記供給位置P4に設定されるように前記回生弁51の動作を制御し、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8に供給される作動油の流量が前記回生制御に比べて大きくなるように前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量を制御する。当該アシスト制御(C)は、本発明における第2のアシスト制御の一例である。
具体的に、本実施の形態では、前記アシスト制御(C)は、次の制御(C−1)〜(C−5)を含む。
(C−1)前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定される。
(C−2)前記回生弁51が前記供給位置P4に設定される。
(C−3)前記メータアウト弁53が前記遮断位置P8に設定される。
(C−4)前記第1ポンプ流量が、アシスト制御(C)のために設定された流量特性に基づいて設定する。
(C−5)前記第2ポンプ流量が、アシスト制御(C)のために設定された流量特性に基づいて設定する。
前記アシスト制御(C)では、前記第1の油圧ポンプ11に関する流量特性は、例えば、前記アシスト制御(A)と同様に設定されてもよい。すなわち、図5に示すように、前記アシスト制御(C)における第1ポンプ流量Q41は、前記アシスト制御(A)における前記第1ポンプ流量Q21と同様に設定される。
前記アシスト制御(C)では、前記第2の油圧ポンプ12に関する流量特性は、前記アシスト制御(C)における前記第2ポンプ流量Q42が前記回生制御における前記第2ポンプ流量Q12よりも大きくなるように設定されている。具体的には次の通りである。
図7は、前記速度指標値と第2ポンプ流量との関係について予め設定されたマップを示す図である。図7に示すように、前記複合操作時において前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合に行われる前記回生制御では、前記第2ポンプ流量Q12は、上述したように前記第2の油圧ポンプ12に関する前記回生制御の流量特性に基づいて設定される。
一方、前記アシスト制御(C)では、前記第2ポンプ流量Q42は、前記第2ポンプ流量Q12よりも大きな値に設定される。本実施の形態では、前記アシスト制御(C)における前記第2ポンプ流量Q42は、前記ブーム下げ動作の速度(速度指標値)にかかわらず変化しない一定値に設定されている。この場合、前記第2ポンプ流量Q42は、例えば、前記第2の油圧ポンプ12の最大流量に設定されていてもよく、当該最大流量よりも小さい値に設定されていてもよい。また、当該第2ポンプ流量Q42は、例えば、前記ブーム下げ動作の速度(速度指標値)が小さくなるにつれて大きくなるように設定されていてもよく、また、前記ブーム下げ操作の操作量が大きくなるにつれて大きくなるように設定されていてもよい。
[実施の形態のまとめ]
以上のような本実施の形態に係る前記油圧制御装置では、ブーム下げとアーム押しの複合操作時において、前記ブーム下げ動作の速度に応じて、前記回生制御と、前記アシスト制御とが切り換えられる。これにより、前記複合操作時に、エネルギーを効率よく利用しつつ、ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることができる。
前記回生制御では、前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定されることにより前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油が前記ブームシリンダ7に供給されることが阻止される。このとき、前記補給弁61を有する補給回路L5によってタンクTから前記ブームシリンダ7の前記ロッド側室7r内に作動油が吸引されて補給される。このことは、キャビテーションの発生を抑制しながら前記ブーム4の自重による前記ブーム下げ動作を可能にする。この回生制御が行われる場合には、前記速度指標値が前記速度閾値以上であり前記ブーム下げ動作の速度がある程度上昇しているので、当該ブーム下げ動作の慣性により、前記ブーム4は、比較的低負荷の前記ブーム下げ動作を円滑に行うことができる。
また、前記回生制御では、前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定され、前記回生弁51が前記供給位置P4に設定され、前記メータアウト弁53の開度が、上述したように例えば前記アームシリンダ8のロッド圧と前記ブームシリンダ7のヘッド圧との関係に基づいて制御される。この回生制御では、前記第1の油圧ポンプ11からの作動油が前記アームシリンダ8に供給されることを許容し、前記ブームシリンダ7の前記ヘッド側室7hから排出される作動油を、前記回生回路L4を介して前記アームシリンダ回路L2に合流させることを許容する。従って、前記回生制御では、比較的高負荷の前記アーム押し動作を十分に増速させることができ、しかも、前記第1の油圧ポンプ11の容量(同ポンプの動力)を必要以上に増加させる必要がないため、省エネとなる。
この回生制御では、前記ブーム4は、当該ブーム4の自重(アタッチメント3の自重)により前記ブーム下げ方向に動作する。しかし、ブーム下げとアーム押しの複合操作の初期段階、具体的には例えばアタッチメント3が図1において実線で示された位置にあるときには、前記ブーム4をその自重により前記ブーム下げ方向に動作させるためのモーメントが小さい。図1において実線で示された状態は、前記ブームシリンダ7が最も伸長した状態(ブーム上げエンド状態)であり、このとき、ブームシリンダ7のヘッド側室7hの圧力であるボトム圧(保持圧)が低い。このような複合操作の初期段階では、前記ブーム下げ動作の速度が上昇しにくい。また、前記ブームシリンダ7や前記アームシリンダ8などのシリンダには、ショック防止や破損防止のためにシリンダクッションが設けられている。このシリンダクッションは、シリンダが最も伸長した最伸長状態又は最も収縮した最収縮状態になる直前に、シリンダ内の排出開口を小さくすることにより、排出流量を減少させるものである。このシリンダクッションは、前記最伸長状態又は前記最収縮状態になる直前にシリンダの動作速度を小さくする。このシリンダクッションが設けられていることも、複合操作の初期段階において前記ブーム下げ動作の速度が上昇しにくい理由の一つである。
そこで、本実施の形態では、前記複合操作時における前記ブーム下げ動作の速度が低い段階、特に複合操作の初期段階には、前記回生制御は行われず、前記アシスト制御が行われる。これにより、複合操作の初期段階において前記ブーム下げ動作の速度を効果的に上昇させることができる。当該複合操作において当該アシスト制御が行われることにより前記ブーム下げ動作の速度が上昇し、前記速度指標値が前記速度閾値以上になると、前記回生制御部91は、前記アシスト制御から前記回生制御に切り換える。すなわち、本実施の形態では、前記ブーム下げ動作の速度が小さい前記初期段階にのみ前記アシスト制御が行われ、前記ブーム下げ動作の速度がある程度上昇すると、前記回生制御が行われる。従って、本実施の形態は、複合操作時に、エネルギーを効率よく利用することと、ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることとを両立させることができる。
具体的に、前記アシスト制御(A),(B)では、前記カット弁52の開度が前記回生制御に比べて大きく設定されることにより、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ7に作動油が供給される。従って、当該アシスト制御(A),(B)は、前記ブーム4を前記ブーム下げ方向に動作させるためのモーメントが小さい場合、具体的には、例えば前記ブーム下げ動作の初期段階において前記ブーム4が起立した姿勢であるために前記モーメントが小さい場合、であっても、前記ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることを可能にする。
前記アシスト制御(C)では、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8に供給される作動油の流量を前記回生制御に比べて大きくする。これにより、前記アーム押し動作が円滑に起動し、当該アーム押し動作の速度は円滑に上昇する。当該アーム押し動作の速度が上昇すると、前記ブームシリンダ7から排出される作動油(排出油)が前記回生弁51を介して前記アームシリンダ8に供給されるときの抵抗が小さくなる。このことは、前記ブームシリンダ7から作動油が排出されることを容易にする。従って、当該アシスト制御(C)は、前記モーメントが小さい場合であっても、前記ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることを可能にする。具体的には次の通りである。
前記第2の油圧ポンプ12と前記アームシリンダ8とを接続するアームシリンダ回路L2において、前記アーム押し動作の起動時の圧力(起動圧)は、前記アーム押し動作の速度がある程度上昇した段階の圧力(定常動作段階の圧力)に比べて大きい。従って、前記回生弁51が供給位置P4に設定されている場合に、前記起動圧は、前記ブームシリンダ8から排出される作動油(排出油)が前記回生弁51を通過して前記アームシリンダ回路L2に合流するときの抵抗になる。その結果、前記アーム押し動作の起動時においては、前記ブームシリンダ8から作動油が排出されにくくなるので、前記ブーム下げ動作の速度が上昇しにくくなる。そこで、前記アシスト制御(C)では、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8に供給される作動油の流量を前記回生制御に比べて大きくする。これにより、前記アーム押し動作が円滑に起動し、前記アーム押し動作が起動段階から前記定常動作段階に円滑に移行する。前記アーム押し動作が前記定常動作段階に移行すると、前記アームシリンダ回路L2の圧力(定常動作段階の圧力)は、前記起動圧に比べて低下する。このことは、前記ブームシリンダ7から排出される作動油(排出油)が前記回生弁51を通過して前記アームシリンダ回路L2に合流することを容易にし、前記ブーム下げ動作の速度を円滑に上昇させることを可能にする。
前記油圧制御装置において、前記アシスト制御部92は、前記アシスト制御(A),(B)において、前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油の流量が前記回生制御に比べて大きくなるように前記第1の油圧ポンプ11のポンプ容量を制御する。この態様は、前記アシスト制御(A),(B)において、前記第1の油圧ポンプ11から前記ブームシリンダ8に供給される作動油の流量を大きくし、前記ブーム下げ動作の速度をより円滑に上昇させることを可能にする。
前記油圧制御装置において、前記アシスト制御部92は、前記アシスト制御(B)において、前記回生弁51が前記遮断位置P5に設定されるように前記回生弁51の動作を制御する。この態様では、前記回生弁51の開度が前記回生制御に比べて小さくなるので、前記ブームシリンダ回路L1が前記アームシリンダ回路L2から受ける影響を小さくすることができる。すなわち、この態様では、上述した前記アーム押し動作の起動段階における前記起動圧に起因して前記ブーム下げ動作の速度が上昇しにくくなるという影響が小さくなる。
前記油圧制御装置において、前記アシスト制御部92は、前記アシスト制御(C)において、前記第2の油圧ポンプ12から吐出される作動油の流量が前記回生制御に比べて大きくなるように前記第2の油圧ポンプ12のポンプ容量を制御する。この態様は、前記アシスト制御(C)において、前記第2の油圧ポンプ12から前記アームシリンダ8に供給される作動油の流量を大きくし、前記アーム押し動作が前記起動段階から前記定常動作段階により円滑に移行することを可能にする。
前記油圧制御装置は、前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定された場合に前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油を前記アームシリンダ8に供給するための合流回路L3を備え、前記アシスト制御部92は、前記アシスト制御(C)において、前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定されるように前記カット弁52の動作を制御する。この態様では、前記アシスト制御(C)において、前記カット弁52が前記遮断位置P7に設定され、前記第1の油圧ポンプ11から吐出される作動油が前記合流回路L3を通じて前記アームシリンダ8に供給される。このことは、前記アームシリンダ8に供給される作動油の流量をさらに大きくし、前記アーム押し動作が前記起動段階から前記定常動作段階にさらに円滑に移行することを可能にする。
[変形例]
(A)合流回路及び合流弁について
前記実施の形態では、前記油圧制御装置は合流回路L3及び当該合流回路L3に設けられた合流制御弁42を備えていたが、本発明はこれに限られない。本発明では、前記合流回路L3及び前記合流制御弁42は省略可能である。
(B)速度閾値について
前記実施の形態では、前記回生制御部91は、前記速度指標値が前記速度閾値未満である場合に前記アシスト制御を行い、前記速度指標値が前記速度閾値以上である場合に前記回生制御を行うように構成されていたが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、前記回生制御部は、前記速度指標値が予め設定された第1の速度閾値未満である場合に前記アシスト制御を行い、前記速度指標値が予め設定された第2の速度閾値であって前記第1の速度閾値より大きい第2の速度閾値以上である場合に前記回生制御を行うように構成されていてもよい。
また、前記コントローラ90は、前記ブーム操作検出部23により検出される前記ブーム下げ操作の操作量が大きくなるのに伴って前記速度閾値を大きな値に設定してもよい。
(C)油圧ポンプについて
前記実施の形態では、前記油圧制御装置が第1の油圧ポンプ11と第2の油圧ポンプ12とを備えているが、本発明はこれに限られず、第1の油圧ポンプ11及び第2の油圧ポンプ12の一方が省略されてもよい。かかる場合、一つの油圧ポンプから吐出される作動油が前記ブームシリンダ7に供給されるとともに前記アームシリンダ8に供給される。
また、前記実施の形態では、第1の油圧ポンプ11及び第2の油圧ポンプのそれぞれが可変容量形の油圧ポンプにより構成されるが、本発明はこれに限られない。第1の油圧ポンプ11及び第2の油圧ポンプの少なくとも一方が固定容量形の油圧ポンプであってもよい。かかる場合、第1ポンプ流量及び第2ポンプ流量は、例えばエンジン回転数を変えることにより調節することができる。
(D)建設機械について
前記先端アタッチメントは、バケットに限られず、例えばグラップル、圧砕機、ブレーカ、フォークなどの他の先端アタッチメントであってもよい。また、本発明の油圧制御装置が搭載される建設機械は、前記油圧ショベルに限られず、他の建設機械であってもよい。
(E)基体について
前記実施の形態では、基体が下部走行体1であるが、前記基体は下部走行体1のように走行可能なものに限定されず、特定の場所に設置されて上部旋回体2を支持する基台であってもよい。