JP2021016262A - 三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置 - Google Patents

三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転トルクが小さい時も大きい時も高い効率が得られる三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置を提供する。【解決手段】コイル14(A1)〜14(C2)に所定の駆動電流ia1〜ic2を流すことにより、固定子歯部12(A1)と12(A2)、12(B1)と12(B2)、12(C1)と12(C2)を互いに逆極性に磁化し、三相リラクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータとして動作させる第1の動作モードを備える。コイル14(A1)〜14(C2)に所定の駆動電流ia1〜ic2を流すことにより、固定子歯部12(A1)と12(A2)、12(B1)と12(B2)、12(C1)と12(C2)を互いに同極性に磁化し、三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる第2の動作モードを備える。回転子16の回転トルクが基準値Tth以上の時は第1のモードを選択し、基準値Tth未満の時は第2のモードを選択する。【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石を用いない三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置に関する。
リラクタンスモータは、堅牢性に優れており、希土類磁石を使用せずに構成できる等の利点があることから、自動車駆動用モータや、産業用のファン、ポンプ、ブロアの用途等、幅広い分野で注目を集めている。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、三相のコイルに励磁電流が流れることによって駆動するスイッチトリラクタンスモータの制御装置であって、三相のコイルにおける少なくとも一相に流れる電流の方向を変えることにより、三相のコイルの極性を、第1の巻線パターン又は第2の巻線パターンのどちらかに切り替える制御装置があった。第1の巻線パターンは、三相のコイルがそれぞれ同じ方向に巻かれた巻線パターンであり、第2の巻線パターンは、三相のコイルのうちの2つが同じ方向に、残りの1つが反対方向に巻かれ、且つ前者の2つのコイルと後者の1つのコイルとが交互に配置された巻線パターンである。
この制御装置は、低負荷時(スイッチトリラクタンスモータの回転トルク及び回転数が第1の領域に位置する時)、各コイルに対し、第1の巻線パターンで動作するように電流を供給し、重負荷時(第1の領域とは異なる第2の領域に位置する時)、各コイルに対し、第2の巻線パターンで動作するように電流を供給する。このように制御することによって、スイッチトリラクタンスモータの効率を悪化させることなく、最大トルクを向上させることができる。
特開2018−85904号公報
リラクタンスモータの効率η[%]は、平均トルクをTave[Nm]、鉄損をWfe[W]、銅損をWcu[W]、回転角速度をω[rad/sec]、回転数をN[rpm]とすると、次の式(1)、(2)のように表すことができる。
η=(ω・Tave−Wfe)/(ω・Tave+Wcu)×100 (1)
ω=(2π/60)・N (2)
この式(1)、(2)から、リラクタンスモータの効率ηを高くするためには、鉄損Wfe及び銅損Wcuを小さくすればよいことが分かる。しかし、実際に設計を行う時には様々な制約事項があり、鉄損Wfe及び銅損Wcuを同時に小さくするのは容易ではない。
一般に、リラクタンスモータを相対的に大きい平均トルクTaveで動作させると、損失の主成分は銅損Wcuになり(Wcu>Wfe)、相対的に小さい平均トルクTaveで動作させると、損失の主成分は鉄損Wfeになる(Wfe>Wcu)。リラクタンスモータを設計する時は、通常、外形を小型化しつつ温度上昇を一定以下に抑えることが重要視され、平均トルクTaveが大きい時の銅損Wcuを小さくすることが優先される場合が多い。したがって、平均トルクTaveが小さい時も大きい時も高い効率ηを得るためには、平均トルクTaveが小さい時の鉄損Wfeを小さくすることが課題になる。
特許文献1のスイッチトリラクタンスモータの制御装置は、重負荷時(平均トルクTaveが大きい時)、各コイルに対し、第1の巻線パターンで動作するように電流を供給する。これは、スイッチトリラクタンスモータの通常の駆動方法であり、回転子が回転する過程で、回転子(磁性材料)を通過する磁束が正負方向に大きく振れるため、大きな鉄損Wfeが発生する。しかしながら、重負荷時は銅損Wcuの方が大きいので、鉄損Wfeが多少大きくても効率ηにはそれほど影響しない。
一方、低負荷時(平均トルクTaveが小さい時)は、各コイルに対し、第2の巻線パターンで動作するように電流を供給する。このように駆動すると、回転子を通過する磁束の変化幅が少し小さくなって鉄損Wfeが小さくなるので、その分効率ηが高くなる。
このように、特許文献1の制御装置の制御方法を使用すると、平均トルクTaveが小さい時の鉄損Wfeが少し小さくなり、その分だけ平均トルクTaveが小さい時の効率ηを高くすることができる。しかしながら、鉄損Wfeの低下幅が少ないので、効率ηを格段に向上させることはできない。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、回転トルクが小さい時も大きい時も高い効率が得られる三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部にコイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えた三相リラクタンスモータの制御方法であって、
複数の前記コイルを、k組(kは自然数)のA1コイル及びA2コイル、k組(kは自然数)のB1コイル及びB2コイル、及びk組(kは自然数)のC1コイル及びC2コイルに区分し、当該各コイルが周方向にA1、B2、C1、A2、B1、C2の順に等間隔で前記k組が配置され、
前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをスイッチトリラクタンスモータとして動作させる第1の動作モードと、
前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる第2の動作モードとを設定し、
前記回転子の回転トルクが基準値以上の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第1のモードで動作させ、基準値未満の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第2のモードで動作させる三相リラクタンスモータの制御方法である。
また、本発明は、円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部にコイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えた三相リラクタンスモータの動作を制御する三相リラクタンスモータ制御装置であって、
複数の前記コイルを、k組(kは自然数)のA1コイル及びA2コイル、k組(kは自然数)のB1コイル及びB2コイル、及びk組(kは自然数)のC1コイル及びC2コイルに区分し、当該各コイルが周方向にA1、B2、C1、A2、B1、C2の順に等間隔で前記k組が配置され、
前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをスイッチトリラクタンスモータとして動作させる第1の動作モードと、
前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる第2の動作モードとを設定し、
前記回転子の回転トルクが基準値以上の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第1のモードで動作させ、基準値未満の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第2のモードで動作させる三相リラクタンスモータ制御装置である。
特に、前記A1コイル、前記A2コイル、前記B1コイル、前記B2コイル、前記C1コイル及び前記C2コイルを個別に駆動する6つのフルブリッジ型PWMインバータを備え、前記第1及び第2の動作モードの切り替えを、前記各フルブリッジ型PWMインバータのスイッチングのシーケンスを変更することによって行う構成にすることが好ましい。
あるいは、2つのスイッチング素子の直列回路で成る第1〜第6のアームを有し、前記第1のアームの中点と前記第2のアームの中点との間に、前記A1コイル及び前記A2コイルの直列回路が接続され、前記第3のアームの中点と前記第4のアームの中点との間に、前記B1コイル及び前記B2コイルの直列回路が接続され、前記第5のアームの中点と前記第6のアームの中点との間に、前記C1コイル及び前記C2コイルの直列回路が接続され、前記A1及びA2コイルの接続点と前記B1及びB2コイルの接続点と前記C1及びC2コイルの接続点とが相互に接続された状態で、前記各コイルを駆動するPWMインバータを備え、前記第1及び第2の動作モードの切り替えを、前記PWMインバータのスイッチングのシーケンスを変更することによって行う構成にすることが好ましい。
本発明の三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置は、回転子の回転トルクの大小によって動作モードの切り替えを行い、回転トルクが大きい時は、三相リアクタンスモータをスイッチトリラクタンスモータとして動作させ(第1の動作モード)、回転トルクが小さい時はシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる(第2の動作モード)という制御を行う。そして、この独特な制御を行うことにより、回転トルクが小さい時の鉄損が大幅に低減され、回転トルクが大きい時も小さい時も高い効率が得られる。
また、スイッチトリラクタンスモータは、回転トルクが小さい時に騒音や振動が問題になりやすいが、本発明では、回転トルクが小さい時は、三相リラクタンスモータをシンクロナスリラクタンスモータとして動作させるので、騒音や振動の問題が発生しにくい。
制御対象の三相リラクタンスモータの構造を示す図である。 本発明の三相リラクタンスモータ制御装置の一実施形態を示す回路図である。 この実施形態の制御装置に設定されたが2つの動作モードを示す図(a)、動作モードを切り替える時の回転トルクの基準値の設定方法を示すグラフ(b)である。 この実施形態の制御装置が各コイルに供給する駆動電流の波形の例を示すグラフである(第1の動作モード)。 この実施形態の制御装置が有する駆動回路のスイッチングのシーケンスを示すタイミングチャートである(第1の動作モード)。 図4に示すタイミングT11〜T13における磁束の流れを順に示す図(a)〜(c)である。 図4に示すタイミングT14〜T16における磁束の流れを順に示す図(a)〜(c)である。 この実施形態の制御装置が各コイルに供給する駆動電流の波形の例を示すグラフである(第2の動作モード)。 この実施形態の制御装置が有する駆動回路のスイッチングのシーケンスを示すタイミングチャートである(第2の動作モード)。 図8に示すタイミングT21〜T23における磁束の流れを順に示す図(a)〜(c)である。 図8に示すタイミングT24〜T26における磁束の流れを順に示す図(a)〜(c)である。 三相リラクタンスモータ制御装置の変形例を示す回路図である。 図12の三相リラクタンスモータ制御装置が各コイルに供給する駆動電流の波形の例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である(第1の動作モード)。 図12の三相リラクタンスモータ制御装置が各コイルに供給する駆動電流の波形の例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である(第2の動作モード)。 実施例1における第1の動作モードのシミュレーションに用いた各コイルの駆動電流の波形を示すグラフ(a)、(b)、(c)である。 実施例1における第2の動作モードのシミュレーションに用いた各コイルの駆動電流の波形を示すグラフ(a)、(b)、(c)である。 実施例1におけるシミュレーション結果を示す図であって、鉄損の特性を示すグラフ(a)、銅損の特性をグラフ(b)、効率の特性を示すグラフ(c)である。 実施例1における第2の動作モードのシミュレーションに用いた各コイルの駆動電流の波形の変更例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である。
以下、本発明の三相リラクタンスモータ制御装置の一実施形態について、図1〜図11に基づいて説明する。なお、本発明の三相リラクタンスモータの制御方法の一実施形態は、この三相リラクタンスモータ制御装置により実施される。
まず、制御対象の三相リアクタンスモータの基本構造の一例を簡単に説明する。図1に示す三相リラクタンスモータ10は、円筒状の固定子12と、固定子12の内側に同軸に配置された回転子16とを備えている。
固定子12の内周面には、時計回りで均等間隔に、6つの固定子歯部12(A1),12(B2),12(C1),12(A2),12(B1),12(C2)が順に突設され、各固定子歯部に、駆動用のコイル14(A1),14(B2),14(C1),14(A2),14(B1),14(C2)が各々巻回されている。なお、図1の中の、各コイル14(A1)〜14(C2)の近傍に付したドットは、巻き方向を示している。
また、回転子16の外周面には、時計回りで均等間隔に、4つの回転子歯部16(R1)〜16(R4)が順に突設されている。
コイル12(A1),12(A2)のインダクタンスLaは、回転子歯部16(R1)〜16(R4)の中のどれかが近づいて対向した時に最も大きくなり、離れると小さくなる。コイル12(B1),12(B2)のインダクタンスLb、コイル12(C1),12(C2)のインダクタンスLcも同様である。つまり、各インダクタンスは、回転子14が回転することによって周期的に増減することになる。
図4のグラフでは、横軸を回転角θ(図1参照)とした時のインダクタンスLa〜Lcの変化を細い破線で示している。インダクタンスLaは、上段のグラフに示すように、θ=0,90,180,270degの時に最大になり、θ=45,135,225,315degの時に最小となる。インダクタンスLbは、中段のグラフに示すように、インダクタンスLaに対して位相が30deg遅れて変化する。また、インダクタンスLcは、下段のグラフに示すように、インダクタンスLaに対して位相が60deg遅れて変化する。
次に、この実施形態の三相リラクタンスモータ制御装置18について説明する。三相リラクタンスモータ制御装置18は、図2に示すように、6つの駆動回路20(A1),20(A2),20(B1),20(B2),20(C1),20(C2)を備えている。駆動回路20(A1)は、コイル14(A1)に所定の駆動電流ia1を供給する回路で、いわゆるフルブリッジ型PWMインバータの構成になっている。第1のアームは、スイッチング素子SW1(A1)とSW2(A1)との直列回路であり、スイッチング素子SW1(A1)がハイサイド側に配置され、中点にコイル14(A1)のドットを付した一端が接続される。第2のアームは、スイッチング素子SW3(A1)とスイッチング素子SW4(A1)との直列回路であり、スイッチング素子SW3(A1)がハイサイド側に配置され、中点にコイル14(A1)の他端が接続される。
駆動回路20(A2)は、コイル14(A2)に所定の駆動電流ia2を供給する回路で、駆動回路20(A1)と同様のフルブリッジ型PWMインバータの構成になっている。第1のアームは、スイッチング素子SW1(A2)とスイッチング素子SW2(A2)との直列回路であり、スイッチング素子SW1(A2)がハイサイド側に配置され、中点にコイル14(A2)のドットを付した一端が接続される。第2のアームは、スイッチング素子SW3(A2)とスイッチング素子SW4(A2)との直列回路であり、スイッチング素子SW3(A2)がハイサイド側に配置され、中点にコイル14(A2)の他端が接続される。
駆動回路20(B1),20(B2)は、コイル14(B1),14(B2)に所定の駆動電流ib1,ib2を供給する回路で、駆動回路20(A1),20(A2)と同様のフルブリッジ型PWMインバータの構成になっている。また、駆動回路20(C1),20(C2)は、コイル14(C1),14(C2)に所定の駆動電流ic1,ic2を供給する回路で、駆動回路20(A1),20(A2)と同様のフルブリッジ型PWMインバータの構成になっている。6つの駆動回路20(A1)〜20(C2)のスイッチング動作は、図示しないスイッチング制御部によって一括制御される。
なお、図2の中の、各コイル14(A1)〜14(C2)の近傍に付したドットはコイルの巻き方向を示しており、図1のドットに対応している。また、各コイル14(A1)〜14(C2)の近傍に付した矢印は、駆動電流ia1〜ic2の正方向を定義している。以下、駆動電流ia1〜ic2が流れる向きについて、矢印の向き(ドットを付した一端に流入する向き)を正方向、矢印と反対の向きを負方向と称する。
三相リラクタンスモータ制御装置18には、あらかじめ2つの動作モードが設定されている。第1の動作モードは、スイッチング制御部が6つの駆動回路20(A1)〜20(C2)のスイッチング動作を制御して、三相リラクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータ[SRM]として動作させるモードである。また、第2の動作モードは、スイッチング制御部が6つの駆動回路20(A1)〜20(C2)のスイッチング動作を制御して、三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータ[SynRM]として動作させるモードである。
詳しくは後の動作説明の中で述べるが、第1の動作モードでは、コイル14(A1),14(A2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(A1),12(A2)同士が互いに逆極性(N極とS極)に磁化するように駆動電流ia1,ia2を供給する。また、コイル14(B1),14(B2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(B1),12(B2)同士が互いに逆極性(N極とS極)に磁化するように駆動電流ib1,ib2を供給する。さらに、コイル14(C1),14(C2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(C1),12(C2)同士が互いに逆極性(N極とS極)に磁化するように駆動電流ic1,ic2を供給する。これにより、三相リラクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータとして動作させる。
また、第2の動作モードでは、コイル14(A1),14(A2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(A1),12(A2)同士が互いに同極性に磁化するように駆動電流ia1,ia2を供給する。また、コイル14(B1),14(B2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(B1),12(B2)同士が互いに同極性に磁化するように駆動電流ib1,ib2を供給する。さらに、コイル14(C1),14(C2)に対し、当該各コイルが巻回された固定子歯部12(C1),12(C2)同士が互いに同極性に磁化するように駆動電流ic1,ic2を供給する。これにより、三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる。
どちらの動作モードを選択するかは、スイッチング制御部が判断する。スイッチング制御部は、図3(a)に示すように、回転トルクが基準値Tth以上の時に第1の動作モードを選択し、基準値Tth未満の時に第2の動作モードを選択する。
図3(b)は、三相リラクタンスモータ10を、常にスイッチトリアクタンスモータ[SRM]として動作させた時の効率特性と、常にシンクロナスリラクタンスモータ[SynRM]として動作させた時の効率特性とを示している。2つの効率特性を比較して分かるように、効率ηが最大になる回転トルクの値は、後者の方が低くなる。これは、シンクロナスリラクタンスモータ[SynRM]として動作した時の方が、鉄損Wfeが小さくなり、銅損Wcuが大きくなるからである。
基準値Tthを決定するときは、あらかじめ図3(b)に示す効率特性を実測し、2つの効率特性の大小関係が逆転するポイントTxを基準値Tthにするとよい。なお、スイッチン制御部は、動作モードを選択する時、実動作中の回転トルク(又はこれに対応した特性値)の検出結果に基づいて選択してもよいし、回転トルクの制御指令値に基づいて選択してもよい。
次に、三相リラクタンスモータ制御装置18及び三相リラクタンスモータ10の動作を説明する。スイッチング制御部が第1の動作モードを選択すると、駆動回路20(A1)は、コイル14(A1)に向けて、図4の上段のグラフに示す駆動電流ia1を供給する。つまり、コイル14(A1)のインダクタンスLaが増加している期間に駆動電流ia1(例えば台形状の駆動電流)を負方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。この負方向の電流は、図5に示すように、スイッチング素子SW1(A1),SW4(A1)をオフに固定し、スイッチング素子SW2(A1),SW3(A1)を同位相でオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(A2)は、コイル14(A2)に向けて、図4の上段のグラフに示す駆動電流ia2を供給する。つまり、コイル14(A2)のインダクタンスLaが増加している期間に駆動電流ia2(例えば台形状の電流)を正方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。この正方向の電流は、図5に示すように、スイッチング素子SW2(A2),SW3(A2)をオフに固定し、スイッチング素子SW1(A2),SW4(A2)を同位相でオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(B1)は、コイル14(B1)に向けて、図4の中段のグラフに示す駆動電流ib1を供給する。つまり、コイル14(B1)のインダクタンスLbが増加している期間に駆動電流ib1(例えば台形状の電流)を負方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ib1の波形は駆動電流ia1の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を、図5の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させることができる。
駆動回路20(B2)は、コイル14(B2)に向けて、図4の中段のグラフに示す駆動電流ib2を供給する。つまり、コイル14(B2)のインダクタンスLbが増加している期間に駆動電流ib2(例えば台形状の電流)を正方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ib2の波形は駆動電流ia2の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を、図5の駆動回路20(A2)と同様にオンオフさせることによって発生させることができる。
駆動回路20(C1)は、コイル14(C1)に向けて、図4の下段のグラフに示す駆動電流ic1を供給する。つまり、コイル14(C1)のインダクタンスLcが増加している期間に駆動電流ic1(例えば台形状の電流)を負方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ic1の波形は駆動回路ia1の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を、図5の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させることができる。
駆動回路20(C2)は、コイル14(C2)に向けて、図4の下段のグラフに示す駆動電流ic2を供給する。つまり、コイル14(C2)のインダクタンスLcが増加している期間に駆動電流ib2(例えば台形状の電流)を正方向に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ic2の波形は駆動電流ia2の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を、図5の駆動回路20(A2)と同様にオンオフさせることによって発生させることができる。
図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)は、図4の中に表記したタイミングT11〜T16における磁束φの流れを示している。タイミングT11は、コイル14(A1),コイル14(A2)に駆動電流ia1,ia2が流れている時であり、固定子歯部12(A1),12(A2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1)から16(R3)の向きに磁束φが通過する。タイミングT12は、コイル14(B1),コイル14(B2)に駆動電流ib1,ib2が流れている時であり、固定子歯部12(B1),12(B2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R2)から16(R4)の向きに磁束φが通過する。タイミングT13は、コイル14(C1),コイル14(C2)に駆動電流ic1,ic2が流れている時であり、固定子歯部12(C1),12(C2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R3)から16(R1)の向きに磁束φが通過する。
タイミングT14は、コイル14(A1),コイル14(A2)に駆動電流ia1,ia2が流れている時であり、固定子歯部12(A1),12(A2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R4)から16(R2)の向きに磁束φが通過する。タイミングT15は、コイル14(B1),コイル14(B2)に駆動電流ib1,ib2が流れている時であり、固定子歯部12(B1),12(B2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1)から16(R3)の向きに磁束φが通過する。タイミングT16は、コイル14(C1),コイル14(C2)に駆動電流ic1,ic2が流れている時であり、固定子歯部12(C1),12(C2)が互いに逆極性に磁化され(N極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R2)から16(R4)の向きに磁束φが通過する。
図6(a)と図6(c)を比較して分かるように、タイミングT11とT13は、どちらも回転子歯部16(R1)と16(R3)との間を磁束φが通過するが、その磁束φの向きは互いに逆向きになる。つまり、磁束φが正負方向に大きく振れるので、回転子16に大きな鉄損Wfeが発生する。また、図6(b)と図7(a)を比較して分かるように、タイミングT12とT14は、どちらも回転子歯部16(R2)と16(R4)との間を磁束φが通過するが、その磁束φの向きは互いに逆向きになる。つまり、磁束φが正負方向に大きく振れるので、回転子16に大きな鉄損Wfeが発生する。
このように、三相リラクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータ[SRM]として動作させると、大きな鉄損Wfeが発生する。しかし、この第1の動作モードは、回転トルクが大きな時(基準値Tth以上の時)に選択されるので、図3(b)に示すように、ある程度の鉄損Wfeが発生しても、高い効率ηが得られる。
スイッチング制御部が第2の動作モードを選択すると、駆動回路20(A1)は、コイル14(A1)に向けて、図8の上段のグラフに示す駆動電流ia1を供給する。つまり、コイル14(A1)のインダクタンスLaが増加している期間に駆動電流ia1(例えば台形状の駆動電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。負方向の電流は、図9に示すように、スイッチング素子SW1(A1),SW4(A1)をオフに固定して、スイッチング素子SW2(A1),SW3(A1)を同位相でオンオフさせることによって発生させる。また、正方向の電流は、スイッチング素子SW2(A1),SW3(A1)をオフに固定して、スイッチング素子SW1(A1),SW4(A1)を同位相でオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(A2)は、コイル14(A2)に向けて、図8の上段のグラフに示す駆動電流ia2を供給する。つまり、コイル14(A2)のインダクタンスLaが増加している期間に駆動電流ia2(例えば台形状の電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ia2の波形は、駆動電流ia1の波形と同じであり、4つのスイッチング素子を図9の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(B1)は、コイル14(B1)に向けて、図8の中段のグラフに示す駆動電流ib1を供給する。つまり、コイル14(B1)のインダクタンスLbが増加している期間に駆動電流ib1(例えば台形状の電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ib1の波形は駆動電流ia1の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を図9の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(B2)は、コイル14(B2)に向けて、図8の中段のグラフに示す駆動電流ib2を供給する。つまり、コイル14(B2)のインダクタンスLbが増加している期間に駆動電流ib2(例えば台形状の電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ib2の波形は駆動電流ib1の波形と同じであり、4つのスイッチング素子を図9の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(C1)は、コイル14(C1)に向けて、図8の下段のグラフに示す駆動電流ic1を供給する。つまり、コイル14(C1)のインダクタンスLcが増加している期間に駆動電流ic1(例えば台形状の電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ic1の波形は駆動電流ia1の波形と相似形であり、4つのスイッチング素子を図9の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させる。
駆動回路20(C2)は、コイル14(C2)に向けて、図8の下段のグラフに示す駆動電流ic2を供給する。つまり、コイル14(C2)のインダクタンスLcが増加している期間に駆動電流ic2(例えば台形状の電流)を負方向と正方向に交互に流し、回転子歯部16(R1)〜16(R4)に大きな回転トルクを作用させる。駆動電流ic2の波形は駆動電流ic1の波形と同じであり、4つのスイッチング素子を図9の駆動回路20(A1)と同様にオンオフさせることによって発生させる。
図10(a)〜(c)、図11(a)〜(c)は、図8の中に表記したタイミングT21〜T26における磁束φの流れを示している。タイミングT21は、コイル14(A1),コイル14(A2)に正方向の駆動電流ia1,ia2が流れている時であり、固定子歯部12(A1),12(A2)が互いに同極性に磁化され(N極とN極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1)16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。タイミングT22は、コイル14(B1),コイル14(B2)に負方向の駆動電流ib1,ib2が流れている時であり、固定子歯部12(B1),12(B2)が互いに同極性に磁化され(S極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1),16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。タイミングT23は、コイル14(C1),コイル14(C2)に正方向の駆動電流ic1,ic2が流れている時であり、固定子歯部12(C1),12(C2)が互いに同極性に磁化され(N極とN極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1),16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。
タイミングT24は、コイル14(A1),コイル14(A2)に負方向の駆動電流ia1,ia2が流れている時であり、固定子歯部12(A1),12(A2)が互いに同極性に磁化され(S極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1)16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。タイミングT25は、コイル14(B1),コイル14(B2)に正方向の駆動電流ib1,ib2が流れている時であり、固定子歯部12(B1),12(B2)が互いに同極性に磁化され(N極とN極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1),16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。タイミングT26は、コイル14(C1),コイル14(C2)に負方向の駆動電流ic1,ic2が流れている時であり、固定子歯部12(C1),12(C2)が互いに同極性に磁化され(S極とS極)、回転子16の中を、回転子歯部16(R1),16(R3)から16(R2),16(R4)の向きに磁束φが通過する。
図10、図11から分かるように、T21〜T26のどのタイミングにおいても、磁束φは回転子16の中を同じ向きに通過する。つまり、磁束φが一方向にしか振れないので、回転子16の鉄損Wfeが格段に小さくなる。
このように、三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータ[SynRM]として動作させると、鉄損Wfeを大幅に低減させることができる。この第2の動作モードは、回転トルクが小さい時(基準値Tth未満の時)に選択されるので、ある程度の銅損Wcuが発生しても、図3(b)に示すように、高い効率ηが得られる。
以上説明したように、この実施形態の三相リラクタンスモータ制御装置18(及び三相リラクタンスモータの制御方法)は、回転子16の回転トルクの大小によって動作モードの切り替えを行い、回転トルクが大きい時は、三相リアクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータとして動作させ(第1の動作モード)、回転トルクが小さい時はシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる(第2の動作モード)という制御を行う。そして、この独特な制御を行うことにより、回転トルクが小さい時に鉄損Wfeが大幅に低減され、回転トルクが大きい時も小さい時も高い効率ηが得られる。
また、動作モードの切り替えは、フルブリッジ型PWMインバータ20(A1)〜20(C2)のスイッチングのシーケンスを変更することによって容易に行うことができるので、各コイル(A1)〜14(C2)の配線を切り替えるためのリレーやスイッチ等を設ける必要がなく、制御装置を非常にシンプルに構成することができる。
また、スイッチトリラクタンスモータは、回転トルクが小さい時に騒音や振動が問題になりやすいが、三相リラクタンスモータ制御装置18は、回転トルクが小さい時は、三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータとして動作させるので、騒音や振動の問題が発生しにくい。
なお、本発明の三相リラクタンスモータの制御方法及び三相リラクタンスモータ制御装置は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、各コイルに供給する駆動電流の波形を台形状にしているが、台形状以外の波形にしてもよく、銅損を低減したり騒音や振動を抑制したりする等の目的で適宜変更することができる。この点、上記の三相リラクタンスモータ制御装置18のように、複数のフルブリッジ型PWMインバータを使用すれば、スイッチング素子のオンオフのデューティ等を制御することにより、駆動電流の波形を容易且つ自在に可変することができる。
本発明の三相リラクタンスモータ制御装置は、図12に示す三相リラクタンスモータ制御装置22のような構成にしてもよい。三相リラクタンスモータ制御装置22は、2つのスイッチング素子の直列回路で成る第1〜第6のアーム24(1)〜24(6)で構成されたPWMインバータを備えている。
第1のアーム24(1)はスイッチング素子SW11とSW12(SW11がハイサイド側)、第2のアーム24(2)はスイッチング素子SW21とSW22(SW21がハイサイド側)、第3のアーム24(3)はスイッチング素子SW31とSW32(SW31がハイサイド側)、第4のアーム24(4)はスイッチング素子SW41とSW42(SW41がハイサイド側)、第5のアーム24(5)はスイッチング素子SW51とSW52(SW51がハイサイド側)、第6のアーム24(6)はスイッチング素子SW61とSW62(SW61がハイサイド側)で各々構成される。
三相リラクタンスモータ10は、第1のアーム24(1)の中点と第2のアーム24(2)の中点との間にコイル14(A1),14(A2)の直列回路が接続され、第3のアーム24(3)の中点と第4のアーム24(4)の中点との間にコイル14(B1),14(B2)の直列回路が接続され、第5のアーム24(5)の中点と第6のアームの中点との間にコイル14(C1),14(C2)の直列回路が接続される。このとき、各コイルは、図12の中にドットで表した巻き方向に接続される。そして、コイル14(A1)及び14(A2)の接続点とコイル14(B1)及び14(B2)の接続点とコイル14(C1)及び14(C2)の接続点とを相互に接続して中性点26を設け、この状態で6つのアーム24(1)〜24(6)が各々スイッチングし、各コイルが駆動される。6つのアーム24(1)〜24(6)のスイッチング動作は、図示しないスイッチング制御部によって一括制御される。
三相リラクタンスモータ10をスイッチトリラクタンスモータ[SRM]として動作させる第1の動作モードが選択された時、第1及び第2のアーム24(1),24(2)は、スイッチング素子SW12とSW21をオフに固定し、スイッチング素子SW11とSW22を同位相でオンオフさせることにより、駆動電流ia1,ia2(=−ia1)をコイル14(A1),14(A2)に供給する。第3及び第4のアーム24(3),24(4)は、スイッチング素子SW32とSW41をオフに固定し、スイッチング素子SW31とSW42を同位相でオンオフさせることによって、駆動電流ib1,ib2(=−ib1)をコイル14(B1),14(B2)に供給する。第5及び第6のアーム24(5),24(6)は、スイッチング素子SW52とSW61をオフに固定し、スイッチング素子SW51とSW62を同位相でオンオフさせることによって、駆動電流ic1,ic2(=−ic1)をコイル14(C1),14(C2)に供給する。このように動作させると、中性点26の電位は電源電圧の1/2に保持され、中性点26のラインに電流は流れない。
第1の動作モードの時の駆動電流の波形は、各スイッチング素子のオンオフのデューティ等を制御することによって可変でき、例えば図13(a)、(b)、(c)に示すような波形にすることができる。
三相リラクタンスモータ10をシンクロナスリラクタンスモータ[SynRM]として動作させる第2の動作モードが選択された時、第1及び第2のアーム24(1),24(2)は、スイッチング素子SW11,SW21を互いに同位相でオンオフさせるとともに、スイッチング素子SW12,SW22を互いに同位相で、且つスイッチング素子SW11,SW21と逆ロジックでオンオフさせる。第3及び第4のアーム24(3),24(4)は、スイッチング素子SW31,SW41を互いに同位相でオンオフさせるとともに、スイッチング素子SW32,SW42を互いに同位相で、且つスイッチング素子SW31,SW41と逆ロジックでオンオフさせる。第5及び第6のアーム24(5),24(6)は、スイッチング素子SW51,SW61を互いに同位相でオンオフさせるとともに、スイッチング素子SW52,SW62を互いに同位相で、且つスイッチング素子SW51,SW61と逆ロジックでオンオフさせる。
このように動作させると、中性点26のラインに、駆動電流(ia1+ia2)、駆動電流(ib1+ib2)、駆動電流(ic1+ic2)が流れる。このとき、ia1=ia2、ib1=ib2、ic1=ic2となるので、中性点26のラインに流れる各駆動電流は、ia1+ia2=2・ia1、ib1+ib2=2・ib1、ic1+ic2=2・ic1となる。そして、各アームのスイッチングは、これらを合成した電流(2・ia1+2・ib1+2・ib3)がゼロになるように制御される。これは、一般的な三相PWMインバータの制御方法と同様である。
第2の動作モードの時の駆動電流の波形は、各スイッチング素子のオンオフのデューティ等を制御することによって可変でき、例えば図14(a)、(b)、(c)に示すような波形にすることができる。
上記実施形態の三相リラクタンスモータ制御装置18は、互いに独立した6つのフルブリッジ型PWMインバータ(アームの数が合計12個)を有し、各駆動電流の波形を自在に可変できるという特徴があるが、変形例の三相リラクタンスモータ制御装置22は、アームの数を6個に減らして回路構成をシンプルにできるという特徴がある。その他、上記の三相リラクタンスモータ10は、6個の固定子歯部と4個の回転子歯部を有したモータであるが、本発明は、歯部の数がより多い三相リラクタンスモータにも適用することができる。
本発明の三相リラクタンスモータ制御装置及び三相リラクタンスモータの制御方法の作用効果を確認するためのシミュレーション(二次元有限要素法解析)を、図15〜図18に基づいて説明する。解析モデルの三相リラクタンスモータは、18個の固定子歯部と12個の回転子歯部を有したモータであり、各固定子歯部に巻回する18個のコイルは、A1コイル及びA2コイルを3組、B1コイル及びB2コイルを3組、C1コイル及びC2コイルが3組とし、各コイルを周方向にA1、B2、C1、A2、B1、C2、A1、・・・の順に配置した。各コイルのインダクタンスは全て同じである。
シミュレーションは、解析モデルの三相リラクタンスモータを常に第1の動作モードで動作させた時の特性と、常に第2の動作モードで動作させた時の特性を別々に算出し、これらを比較することにした。比較する特性は、平均トルクTaveを変化させた時の鉄損Wfeの変化、銅損Wcuの変化、及び効率ηの変化である。
第1の動作モードの時は、図15(a)に示すような駆動電流ia1,ia2をA1,A2コイルに各々供給し、図15(b)に示すような駆動電流ib1,ib2をB1,B2コイルに各々供給し、図15(c)に示すような駆動電流ic1,ic2をC1,C2コイルに各々供給することにした。なお、図15(a)、(b)、(c)に示す波形は、平均トルクTave=6.5Nmの時の波形であり、平均トルクTaveを変化させる時は、各波形を、おおよそ相似形に維持されるように変化させた。
第2の動作モードの時は、図16(a)に示すような駆動電流ia1,ia2をA1,A2コイルに各々供給し、図16(b)に示すような駆動電流ib1,ib2をB1,B2コイルに各々供給し、図16(c)に示すような駆動電流ic1,ic2をC1,C2コイルに各々供給することにした。なお、図16(a)、(b)、(c)に示す波形は、平均トルクTave=6.5Nmの時の波形であり、平均トルクTaveを変化させる時は、各波形を、おおよそ相似形に維持されるように変化させた。
図15、図16に示す波形は、効率ηを向上させることを重視した波形であり、このようにすると、各部の電圧波形(図示せず)が方形波状になるので、電源電圧を最大限に有効利用できるという利点がある。
なお、図15、図16に示す波形は、先に説明した図4及び図8の各駆動電流の波形と比較すると、波の形状は相違しているが、各固定子歯部の磁化する時の極性(N極、S極)の変化のさせ方は同様である。また、例えば駆動電流ia1,ia2の横軸を比較すると、図4及び図8では、回転角度の90degが電気角の1サイクルになっているのに対して、図15(a)及び図16(a)では、回転角度の30degが電気角の1サイクルなっている。これは、前者が1組のA1,A2コイルを駆動するのに対して、後者が3組のA1,A2コイルを駆動するためである。これは、駆動電流ib1,ib2や駆動電流ic1,ic2の横軸についても同じである。また、同様の理由により、駆動電流ia1,ia2と駆動電流ib1,ib2と駆動電流ic1,ic2の間の各位相差は、後者は前者の1/3になっている。
シミュレーションを行った結果、図17(a)、(b)、(c)に示す特性が得られた。鉄損Wfeは、常に第2の動作モードで動作させた時の方が、常に第1の動作モードで動作させた時よりも小さくなった。また、銅損Wcuは、常に第1の動作モードで動作させた時の方が、常に第2の動作モードで動作させた時よりも小さくなり、特にTave>約9Nmの範囲で差が顕著になった。そして、効率ηは、Tave<約9Nmの範囲で、常に第2の動作モードで動作させた時の方が高くなり、Tave>約10Nmの範囲で、常に第1の動作モードで動作させた時の方が高くなった。この効率ηの特性の傾向は、図3(b)に模式的に描いた効率の特性とほぼ一致している。
このシミュレーション結果から、動作モードを切り替えるトルクの基準値Tthは、約10Nmに設定すればよいことが分かる。つまり、解析モデルの三相リラクタンスモータの場合、Tave≧約10Nmの範囲は第1の動作モードで動作させ、Tave<約10Nmの範囲は第2の動作モードで動作させることによって、平均トルクTaveが大きい時も小さい時も高い効率ηを得ることができる。
その他、発明者は、第2の動作モードの駆動電流の波形を、図18(a)、(b)、(c)に示す正弦波状の波形にした時のシミュレーションも行った。この波形は、騒音や振動を抑制することを重視した波形である。シミュレーションの結果、本発明が目的とする効果が得られることが確認できた。
10 三相リラクタンスモータ
12 固定子
12(A1),12(A2),12(B1),12(B2),12(C1),12(C2) 固定子歯部
14(A1) コイル(A1コイル)
14(A2) コイル(A2コイル)
14(B1) コイル(B1コイル)
14(B2) コイル(B2コイル)
14(C1) コイル(C1コイル)
14(C2) コイル(C2コイル)
16 回転子
16(R1),16(R2),16(R3),16(R4) 回転子歯部
18,22 三相リラクタンスモータ制御装置
20(A1),20(A2),20(B1),20(B2),20(C1),20(C2) 駆動回路(フルブリッジ型PWMインバータ)
24(1)〜24(6) 第1〜第6のアーム(PWMインバータ)
ia1,ia2,ib1,ib2,ic1,ic2 駆動電流
Tth 回転トルクの基準値

Claims (4)

  1. 円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部にコイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えた三相リラクタンスモータの制御方法において、
    複数の前記コイルを、k組(kは自然数)のA1コイル及びA2コイル、k組(kは自然数)のB1コイル及びB2コイル、及びk組(kは自然数)のC1コイル及びC2コイルに区分し、当該各コイルが周方向にA1、B2、C1、A2、B1、C2の順に等間隔で前記k組が配置され、
    前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをスイッチトリラクタンスモータとして動作させる第1の動作モードと、
    前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる第2の動作モードとを設定し、
    前記回転子の回転トルクが基準値以上の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第1のモードで動作させ、基準値未満の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第2のモードで動作させることを特徴とする三相リラクタンスモータの制御方法。
  2. 円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部にコイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えた三相リラクタンスモータの動作を制御する三相リラクタンスモータ制御装置において、
    複数の前記コイルを、k組(kは自然数)のA1コイル及びA2コイル、k組(kは自然数)のB1コイル及びB2コイル、及びk組(kは自然数)のC1コイル及びC2コイルに区分し、当該各コイルが周方向にA1、B2、C1、A2、B1、C2の順に等間隔で前記k組が配置され、
    前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに逆極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをスイッチトリラクタンスモータとして動作させる第1の動作モードと、
    前記A1及びA2コイルに対し、当該A1及びA2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記B1及びB2コイルに対し、当該B1及びB2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給し、前記C1及びC2コイルに対し、当該C1及びC2コイルが巻回された前記固定子歯部同士が同じタイミングで互いに同極性に磁化するように駆動電流を供給することによって、前記三相リラクタンスモータをシンクロナスリラクタンスモータとして動作させる第2の動作モードとを設定し、
    前記回転子の回転トルクが基準値以上の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第1のモードで動作させ、基準値未満の時は、前記三相リラクタンスモータを前記第2のモードで動作させることを特徴とする三相リラクタンスモータ制御装置。
  3. 前記A1コイル、前記A2コイル、前記B1コイル、前記B2コイル、前記C1コイル及び前記C2コイルを個別に駆動する6つのフルブリッジ型PWMインバータを備え、
    前記第1及び第2の動作モードの切り替えを、前記各フルブリッジ型PWMインバータのスイッチングのシーケンスを変更することによって行う請求項2記載の三相リラクタンスモータ制御装置。
  4. 2つのスイッチング素子の直列回路で成る第1〜第6のアームを有し、前記第1のアームの中点と前記第2のアームの中点との間に、前記A1コイル及び前記A2コイルの直列回路が接続され、前記第3のアームの中点と前記第4のアームの中点との間に、前記B1コイル及び前記B2コイルの直列回路が接続され、前記第5のアームの中点と前記第6のアームの中点との間に、前記C1コイル及び前記C2コイルの直列回路が接続され、前記A1及びA2コイルの接続点と前記B1及びB2コイルの接続点と前記C1及びC2コイルの接続点とが相互に接続された状態で、前記各コイルを駆動するPWMインバータを備え、
    前記第1及び第2の動作モードの切り替えを、前記PWMインバータのスイッチングのシーケンスを変更することによって行う請求項2記載の三相リラクタンスモータ制御装置。
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