以下、図面を参照して、ここで開示する技術の実施の形態について説明する。
最初に従来技術の問題点について説明する。
固体撮像装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のMOS型イメージセンサに代表される増幅型固体撮像装置が知られている。また、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置が知られている。
これら固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどに広く用いられている。近年、カメラ付き携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載される固体撮像装置としては、電源電圧が低く、消費電力の観点などからMOS型イメージセンサが多く用いられている。
MOS型の固体撮像装置は、単位画素が光電変換部となるフォトダイオードと複数の画素トランジスタで形成され、この複数の単位画素が2次元アレイ状に配列された画素アレイ(画素領域)と、周辺回路領域を有して構成される。複数の画素トランジスタは、MOSトランジスタで形成され、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅とトランジスタの3トランジスタ、あるいは選択トランジスタを加えた4トランジスタで構成される。
また、上記のような固体撮像装置においては、機能が異なる複数の半導体チップを積み重ねて電気的に接続する積層型構造も提案されている。
積層型構造では、各半導体チップの機能に対応するように、各回路を最適に形成することが可能であるので、装置を高機能化することを容易に実現できる。
たとえば、センサ回路を含む半導体チップと、信号を処理する回路が設けられたロジック回路を含む半導体チップとの各機能に対応するように、センサ回路およびロジック回路を最適に形成することで、高機能な固体撮像装置を製造することができる。この際、半導体チップ(半導体基板)の基板に貫通電極を設けることで、これらの複数の半導体基板が電気的に接続される。
図1は、従来の積層型の固体撮像装置の画素部の構成を説明する断面図である。
この画素部に係る固体撮像装置は、第1の半導体基板と第2の半導体基板とを積層して構成される裏面照射型CMOSイメージセンサとして構成される。すなわち、図1に示される固体撮像装置は、2層積層構造とされる。
図1に示されるように、第1の半導体基板31の各領域に、イメージセンサ、すなわち画素アレイ(以下、画素領域という)と制御領域を形成する。
すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)31の各領域に、各画素の光電変換部となるフォトダイオード(PD)34を形成し、その半導体ウェル領域に各画素トランジスタのソース/ドレイン領域を形成する。
画素を構成する基板表面上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、ゲート電極と対のソース/ドレイン領域により画素トランジスタTr1、画素トランジスタTr2を形成する。
フォトダイオード(PD)34に隣接する画素トランジスタTr1が転送トランジスタに相当し、そのソース/ドレイン領域がフローティングディフージョン(FD)に相当する。
次いで、第1の半導体基板31の表面上に、1層目の層間絶縁膜39を形成し、その後、層間絶縁膜39に接続孔を形成し、所要のトランジスタに接続する接続導体を形成する。
次いで、各接続導体に接続するように、層間絶縁膜39を介して複数層(この例では2層)のメタル配線を形成して多層配線層41を形成する。メタル配線は、銅(Cu)配線で形成する。通常、各銅配線(メタル配線)は、Cu拡散を防止するバリアメタル膜で覆われる。このため、多層配線層41上に銅配線のキャップ膜である保護膜を形成する。
ここまでの工程により、画素領域および制御領域を有する第1の半導体基板31が形成されることになる。
一方、第2の半導体基板45の各領域には、例えば、画素領域を制御したり、外部との通信を制御する信号処理に係る信号処理回路を含むロジック回路が形成される。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)45の表面側のp型の半導体ウェル領域に、素子分離領域で分離されるようにロジック回路を構成する複数のMOSトランジスタTr6,MOSトランジスタTr7、MOSトランジスタTr8を形成する。
次いで、第2の半導体基板45の表面上に、1層目の層間絶縁膜49を形成し、その後、層間絶縁膜49に接続孔を形成し、所要のトランジスタに接続する接続導体54を形成する。
次いで、各接続導体54に接続するように、層間絶縁膜49を介して複数層、本例では4層のメタル配線を形成して多層配線層55を形成する。
メタル配線は、銅(Cu)配線で形成する。多層配線層55上に銅配線(メタル配線)のキャップ膜である保護膜を形成する。ただし、多層配線層55の最上層は、電極となるアルミパッドで形成される。
ここでまでの工程により、ロジック回路を有する第2の半導体基板45が形成されることになる。
そして、第1の半導体基板31と第2の半導体基板45とを、互いの多層配線層41および多層配線層55が向き合うように、接合面99において貼り合わせる。貼り合わせは、例えば、プラズマ接合と、接着剤による接合がある。
そして、第1の半導体基板31の裏面31b側から研削、研磨して第1の半導体基板31を薄膜化し、第1の半導体基板31の裏面が裏面照射型の固体撮像装置として構成されたときの、光入射面とされる。
薄膜化した第1の半導体基板31に対し、所要の位置に、裏面側から第1の半導体基板31を貫通して第2の半導体基板45の多層配線層55の最上層のアルミパッドに達する貫通接続孔を形成する。同時に、第1の半導体基板31に、この貫通接続孔に近接して裏面側から第1の半導体基板31側の1層目の配線に達する接続孔を形成する。
次に、貫通接続孔内に貫通接続導体64および接続導体65を埋め込む。これら貫通接続導体64及び接続導体65は、例えば銅(Cu)、タングステン(W)等の金属を用いることができる。
上述したように、第2の半導体基板45には、信号処理などを実行するロジック回路が形成されるため、各トランジスタの電極と信号線を接続して、信号の入出力が行われるようにする必要がある。すなわち、ロジック回路は、外部との信号の入出力を伴って動作するようになされている。従って、第2の半導体基板45のアルミパッド53は、外部接続用の電極となる。
このため、第2の半導体基板のアルミパッド53にワイヤボンディングできるように、第1の半導体基板31を貫通するパッド孔81が形成され、アルミパッド53が露出させられる。
その後、第1の半導体基板31の裏面全面に絶縁保護膜を形成し、遮光すべき領域上に遮光膜67を形成する。遮光膜67としては、例えばタングステンなどの金属膜を用いることができる。
その後、遮光膜67上に平坦化膜が形成され、平坦化膜上に各画素に対応して例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のオンチップカラーフィルタ74を形成し、その上にオンチップマイクロレンズ75を形成する。
また、第1の半導体基板31に対し、外部の機器、回路などとの信号の送受信等に用いられる電極となるアルミパッド53に、第1の半導体基板31の裏面側(受光面側)から達するようにパッド孔81を形成する。
これにより、積層型の半導体構造のプロセスが完了する。すなわち、第1の半導体基板31においては、画素領域、制御領域が形成された状態となり、第2の半導体基板45においては、ロジック回路が形成された状態になる。
次いで、各チップに分割して、裏面照射型の固体撮像装置のチップが得られることになる。
また、積層構造の固体撮像装置においては、ホットキャリアによるノイズなどの影響も考慮されなければならない。ホットキャリアとは、トランジスタから出る高運動エネルギーを有する高速の電子であり、ホットキャリアがシリコン原子に衝突することで光が発生する。
積層構造の固体撮像装置においては、PDが形成された第1の半導体基板とは別の第2の半導体基板にもトランジスタが設けられている。このため、第2の半導体基板のトランジスタから出たホットキャリアにより発生した光が、第1の半導体基板のPDの裏側(受光面の反対側)から侵入してノイズとなることがある。
このため、積層構造の固体撮像装置においては、ホットキャリアに起因する光を遮光するために、例えば、遮光体を設けるなどの対策が施されていた。
図2は、従来の積層型の固体撮像装置の画素部の別の構成を説明する断面図である。
図2の例では、第1の半導体基板31におけるPD34の下に、遮光体90が形成されている。これにより、第2の半導体基板45のMOSトランジスタTr6,MOSトランジスタTr7、およびMOSトランジスタTr8から出るホットキャリアに起因する光が遮光される。
あるいはまた、多層配線層55における銅配線の形状を変えるなどして、MOSトランジスタTr6,MOSトランジスタTr7、およびMOSトランジスタTr8から出るホットキャリアに起因する光が遮光されるようにすることも可能である。
図1と図2を参照して上述したように、2層積層構造の固体撮像装置においては、パッド孔81を設けることにより、外部との電気的接続を可能とし、遮光体90や多層配線層55における銅配線の形状によって、ホットキャリアに起因する光を遮光していた。
一方で、近年、3層積層型の固体撮像装置も開発されている。3層積層型の固体撮像装置は、例えば、画素領域および制御領域(以下、センサ回路とも称する)が形成された第1の半導体基板、ロジック回路が形成された第2の半導体基板に加えて、メモリ回路が形成された第3の半導体基板から成っている。
3層積層型の固体撮像装置は、例えば、図3および図4に示されるように製造される。
最初に、図3に示されるように、第2の半導体基板112と第3の半導体基板113とが、互いの回路面を向い合せて貼り合わせられる。なお、実際には2つの半導体基板の層間膜どうしが貼り合わせられる。そして、第2の半導体基板112が薄膜化される。
その後、図4に示されるように、第1の半導体基板111が裏面を上にして、薄膜化された第2の半導体基板112の上に貼り合わせられる。なお、実際には2つの半導体基板の層間膜どうしが貼り合わせられる。そして、第1の半導体基板111が薄膜化される。
このように、積層型のイメージセンサを3層積層構造として構成する場合、受光部を持つセンサ回路は光を取り込む必要があるため、最上部に配置することになり、その下層に2つのロジック回路とメモリ回路が積層されることになる。
また、回路の積層に際しては、シリコン基板の薄膜化のための支持基板を使わずに済むようにすることが望まれる。このため、回路の生成において、最初に下層の2つの半導体基板の回路面を向い合せて貼り合わせ、第2層目となる半導体基板(第2の半導体基板112)を薄膜化する。その後に、最も上層の半導体基板(第1の半導体基板111)を裏面型として貼り合わせて積層させ、さらに薄膜化することになる。
しかしながら、このようにすると、3層積層構造では次のような問題が生じる。
図5は、従来技術により製造された3層積層構造の固体撮像装置の画素部の構成を説明する断面図である。
従来技術の3層積層構造における第1の問題点は、パッド孔が深くなりすぎる。図5においては、図1のパッド孔81より深いパッド孔121が形成されている。
すなわち、3層積層構造とする場合、図3と図4を参照して上述したように、第2の半導体基板112の回路面は、第3の半導体基板の回路面と向かい合わせて貼り付けられる。このため、第2の半導体基板の多層配線層の最上層のアルミパッドは、第1の半導体基板111の受光面から遠くなり、第1の半導体基板を貫通し、さらに第2の半導体基板をほぼ貫通するまで開口しなければ、第2の半導体基板のアルミパッド133(外部接続用の電極)が露出しない。
深いパッド孔121を開口するためには、レジストの厚膜化が必要になる。深いパッド孔121を開口するためにレジストを厚膜化すると、ドライエッチング後のレジスト硬化が問題となる。
例えば、開口時に第1の半導体基板上には有機系の材料を用いたオンチップマイクロレンズが既に形成されているため、薬液でレジスト除去しなければならないが、硬化したレジストが残渣状に残り易くなり、レンズへの光入射を阻害する。
また、深いパッド孔121を開口する場合、ドライエッチングにより生じるデポ物も問題となる。
特にアルミパッド133の表面やパッド孔121の側壁に付着して取れなくなったデポ物は、例えば、3層積層構造が完成した後に湿度を吸ってフッ素イオンを生じさせ、アルミパッドの金属を溶かす(コロージョン)不良を生じさせる。
このように、従来の技術では、深いパッド孔のために、固体撮像装置の製造プロセスが困難になってしまう。
従来技術の3層積層構造における第2の問題点は、ホットキャリアに起因する光の遮光が困難になることである。
すなわち、3層積層構造とする場合、図3と図4を参照して上述したように、第2の半導体基板112の回路面は、第3の半導体基板の回路面と向かい合わせて貼り付けられる。このため、第2の半導体基板のトランジスタが、多層配線層を介さずに第1の半導体基板と向き合うことになる。このため、例えば、2層積層構造の場合のように、第2の半導体基板の多層配線層の銅配線によってホットキャリアに起因する光を遮光することはできない。
そこで、本技術では、深いパッド孔を設ける必要がなく、また、ホットキャリアに起因する光を簡単に遮光できるようにする。
図6は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部の一実施の形態に係る構成を説明する断面図である。この画素部に係る固体撮像装置は、第1の半導体基板と、第2の半導体基板と、第3の半導体基板とを積層して構成される裏面照射型CMOSイメージセンサとして構成される。すなわち、図6に示される画素部に係る固体撮像装置は、3層積層構造とされる。
また、この固体撮像装置は、例えば、センサ回路が形成された第1の半導体基板、ロジック回路が形成された第2の半導体基板に加えて、メモリ回路が形成された第3の半導体基板から成っている。ロジック回路およびメモリ回路は、それぞれ外部との信号の入出力を伴って動作するようになされている。
図6に示されるように、半導体基板(例えばシリコン基板)211には、画素の光電変換部となるフォトダイオード(PD)234が形成され、その半導体ウェル領域に各画素トランジスタのソース/ドレイン領域が形成される。
画素を構成する基板表面上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成し、ゲート電極と対のソース/ドレイン領域により画素トランジスタTr1、画素トランジスタTr2を形成する。
フォトダイオード(PD)234に隣接する画素トランジスタTr1が転送トランジスタに相当し、そのソース/ドレイン領域がフローティングディフージョン(FD)に相当する。
また、第1の半導体基板211には、層間絶縁膜が形成され、層間絶縁膜に接続孔を形成し、画素トランジスタTr1、および画素トランジスタTr2に接続する接続導体244が形成されている。
さらに、各接続導体244に接続するように、複数層のメタル配線240を形成して多層配線層245が形成されている。銅配線240(メタル配線)は、銅(Cu)配線で形成する。通常、各銅配線は、Cu拡散を防止するバリアメタル膜で覆われる。このため、多層配線層245上に銅配線のキャップ膜である保護膜を形成する。
また、第1の半導体基板211の多層配線層245の最下層には、外部接続用の電極となるアルミパッド280が形成されている。すなわち、銅配線240よりも第2の半導体基板212との接着面291に近い位置にアルミパッド280が形成されている。この外部接続用の電極は、外部との信号の入出力に係る配線の一端として用いられる。なお、ここでは、電極がアルミで形成されるものとして説明するが、電極が他の金属で形成されるようにしてもよい。
さらに、第1の半導体基板211には、第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト265が形成されている。コンタクト265は、後述する第2の半導体基板212のコンタクト311に接続されるとともに、第1の半導体基板211のアルミパッド280aにも接続されている。
そして、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。
図7は、パッド孔351およびアルミパッド280aの構成を説明する図である。図7Aは、パッド孔351付近を拡大した図であり、図7Bは、アルミパッド280aをパッド孔351の上から見た図である。
図7Bに示されるようにアルミパッド280aの端部に多数のコンタクト265が並べて接続されることにより、接続抵抗を減らすことが可能となる。
図6に戻って、図1を参照して上述した場合と同様に、第1の半導体基板211には、裏面全面に絶縁保護膜が形成され、遮光すべき領域上に遮光膜が形成される。また、平坦化膜上に各画素に対応してオンチップカラーフィルタ274が形成され、その上にオンチップマイクロレンズ275が形成される。
一方、第2の半導体基板212には、ロジック回路が形成される。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)212のp型の半導体ウェル領域に、ロジック回路を構成する複数のトランジスタである、MOSトランジスタTr6,MOSトランジスタTr7、およびMOSトランジスタTr8が形成されている。
また、第2の半導体基板212において、MOSトランジスタTr6,MOSトランジスタTr7、およびMOSトランジスタTr8に接続する接続導体254が形成されている。
さらに、各接続導体254に接続するように、複数層のメタル配線250を形成して多層配線層255が形成されている。
メタル配線は、銅(Cu)配線で形成する。多層配線層255上に銅配線(メタル配線)250のキャップ膜である保護膜が形成される。
また、第2の半導体基板212の多層配線層255の最下層には、電極となるアルミパッド320が形成されている。
さらに、第2の半導体基板212には、第1の半導体基板211および第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト311が形成されている。コンタクト311は、第1の半導体基板211のコンタクト265に接続されるとともに、第3の半導体基板213のアルミパッド330aにも接続されている。
また、第3の半導体基板213には、メモリ回路が形成される。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)213のp型の半導体ウェル領域に、メモリ回路を構成する複数のトランジスタである、MOSトランジスタTr11,MOSトランジスタTr12、およびMOSトランジスタTr13が形成されている。
さらに、第3の半導体基板213において、MOSトランジスタTr11,MOSトランジスタTr12、およびMOSトランジスタTr13に接続する接続導体344が形成されている。
また、各接続導体344に接続するように、複数層のメタル配線340を形成して多層配線層345が形成されている。
メタル配線は、銅(Cu)配線で形成する。多層配線層345上に銅配線(メタル配線)340のキャップ膜である保護膜が形成される。
また、多層配線層345の最上層には、電極となるアルミパッド330が形成されている。
図6に示される固体撮像装置においては、コンタクト265およびコンタクト311が設けられているので、アルミパッド280aを介し、第1の半導体基板211乃至第3の半導体基板213のそれぞれとの信号の入出力が可能となる。
なお、図6に示される固体撮像装置も、図3と図4を参照して上述したように、第2の半導体基板212と、第3の半導体基板213とを接着面292において層間膜どうしを貼り合わせる。第2の半導体基板212と第1の半導体基板211とを接着面291において層間膜どうしを貼り合わせて構成される。
すなわち、図3と図4を参照して上述したように、最初に下層の2つの半導体基板の回路面を向い合せて貼り合わせ、第2層目となる半導体基板(第2の半導体基板212)を薄膜化する。その後に、最も上層の半導体基板(第1の半導体基板211)を裏面型として貼り合わせて積層させ、さらに薄膜化する。この際、コンタクト311の上層を平坦化させた後、第1の半導体基板211を、裏面型として第2の半導体基板212に貼り合わせる。
このようにすることで、回路の積層に際して、シリコン基板の薄膜化のために支持基板を使わずに済む。
本技術では、第1の半導体基板211にも、アルミパッド280が設けられる。そして、外部からの信号の入出力が必要となるロジック回路を有する第2の半導体基板212、または、メモリ回路を有する第3の半導体基板213には外部接続用の電極が設けられておらず、センサ回路を有する第1の半導体基板211に外部接続用の電極(アルミパッド280a)が設けられている。
このようにすることで、パッド孔351が深くなることなく、外部接続用の電極を露出させることができる。
また、本技術では、第1の半導体基板211にも、アルミパッド280が設けられているので、アルミパッド280によって、第2の半導体基板212の各トランジスタから出たホットキャリアに起因する光を遮光することもできる。
このように、本技術では、深いパッド孔を設ける必要がなく、また、ホットキャリアに起因する光を簡単に遮光することができる。
なお、図6では、第2の半導体基板にアルミパッド320が設けられており、第3の半導体基板213にアルミパッド330が設けられているが、アルミパッド320およびアルミパッド330は設けられないようにしてもよい。例えば、コンタクト311を、第3の半導体基板213の銅配線340に直接接続するようにすれば、アルミパッド320およびアルミパッド330を設ける必要はない。
また、各半導体基板どうしを電気的に接続するコンタクトの形状は、コンタクト265およびコンタクト311として示されたものに限られるものではない。さらに、コンタクトを形成するための孔については、オンチップマイクロレンズが形成される前に開口することができるので、深い孔となっても構わない。例えば、第2の半導体基板を貫通して、第1の半導体基板の銅配線と第3の半導体基板の銅配線とを接続するコンタクトが設けられても構わない。
あるいはまた、ホットキャリアに起因する光を遮光するための遮光体が形成されるようにしてもよい。
図8は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部の別の実施の形態に係る構成を説明する断面図である。この画素部に係る固体撮像装置は、図6と同様に、第1の半導体基板と、第2の半導体基板と、第3の半導体基板とを積層して構成される裏面照射型CMOSイメージセンサとして構成される。すなわち、図8に示される画素部に係る固体撮像装置は、やはり3層積層構造とされる。
同図の例では、第2の半導体基板212の図中最も上側の層となる層間膜の中に遮光体360が配置されている。これにより、第2の半導体基板212の各トランジスタから出るホットキャリアに起因する光をより確実に遮光することができる。
なお、第1の半導体基板211にアルミパッド280が形成されているため、第1の半導体基板211には遮光体360を配置せず、第2の半導体基板212の層間膜の中に遮光体360が配置されている。
図8におけるそれ以外の構成は、図6を参照して上述した場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
あるいはまた、第2の半導体基板212の図中最も上側の層となる層間膜の中に銅配線が形成され、アルミパッドと銅配線の組み合わせによってホットキャリアに起因する光が遮光されるようにしてもよい。
図9は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図である。この画素部に係る固体撮像装置は、図6と同様に、第1の半導体基板と、第2の半導体基板と、第3の半導体基板とを積層して構成される裏面照射型CMOSイメージセンサとして構成される。すなわち、図9に示される画素部に係る固体撮像装置は、やはり3層積層構造とされる。
同図の例では、第2の半導体基板212の図中最も上側の層となる層間膜の中に銅配線370が配置されている。
第2の半導体基板212の図中最も上側の層となる層間膜の中には、コンタクト311の一部が形成される。例えば、コンタクト311を形成する際に、層間膜の中に銅配線370をさらに形成するようにすれば、図9に示される構成の固体撮像装置を得ることができる。
銅配線370と、アルミパッド280との組み合わせによって光が遮光されるようにすれば、第2の半導体基板212の各トランジスタから出るホットキャリアに起因する光をより確実に遮光することができる。また、図9に示される構成の場合、例えば、図6に示されるように、アルミパッド280のみで遮光する場合と比較して、アルミパッド280に係る配線の設計の自由度が向上する。
図9におけるそれ以外の構成は、図6を参照して上述した場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
図10は、本技術を適用した固体撮像装置の概略構成を示す図である。この固体撮像装置401は、例えば、CMOSイメージセンサとして構成される。
図10の固体撮像装置401は、半導体基板411に複数の光電変換部を含む画素402が規則的に2次元アレイ状に配列された画素領域(いわゆる画素アレイ)403と、周辺回路部とを有して構成される。
画素402は、光電変換部となる例えばフォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。
また、画素402は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有する1つのフローティングディフージョンと、共有する1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。
周辺回路部は、垂直駆動回路404と、カラム信号処理回路405と、水平駆動回路406と、出力回路407と、制御回路408などを有して構成される。
制御回路408は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路408では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路404、カラム信号処理回路405及び水平駆動回路406などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路404、カラム信号処理回路405及び水平駆動回路406等に入力する。
垂直駆動回路404は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路404は、画素領域403の各画素402を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線409を通して各画素402の光電変換部となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号をカラム信号処理回路405に供給する。
カラム信号処理回路405は、例えば、画素402の列ごとに配置されており、1行分の画素402から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路405は、画素402固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路405の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線410との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路406は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路405の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路405の各々から画素信号を水平信号線410に出力させる。
出力回路407は、カラム信号処理回路405の各々から水平信号線410を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子412は、外部と信号のやりとりをする。
図10に示される固体撮像装置401は、3層積層構造の裏面照射型CMOSイメージセンサとして構成される。例えば、図10に示される画素402が、第1の半導体基板に形成されるセンサ回路とされ、周辺回路が第2の半導体基板に形成されるロジック回路または第3の半導体基板に形成されるメモリ回路とされる。
ところで、上述した実施の形態では、アルミパッド280が第1の半導体基板211の多層配線層245の最下層に形成されるものとして説明した。しかしながら、たとえば、アルミパッド280を第1の半導体基板211内に配置した場合、第1の半導体基板211内の回路を過電流から保護するための回路であるESD(Electro-Static Discharge)回路を設ける必要があり、工程増となる。
また、図6を参照して上述した例では、第1の半導体基板211内に配置されたアルミパッド280により、ホットキャリアに起因する光を遮光する効果が得られる。しかしながら、第1の半導体基板211の多層配線層245は、3層の配線層により構成されるものであるため、銅配線240の形状に制約を与えることなく、ホットキャリアに起因する光を遮光できるようにアルミパッド280を配置することは難しい。
例えば、第2の半導体基板212の多層配線層255は、6層の配線層により構成されるので、第2の半導体基板212内にアルミパッド280を配置すれば、メタル配線250の形状に制約を与えることなく、ホットキャリアに起因する光を遮光できるようにアルミパッド280を配置することが容易になる。
さらに、上述した実施の形態では、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト265は、第1の半導体基板211を垂直方向に貫通する2つの貫通孔に埋め込まれた導体が、第1の半導体基板211の受光面(図中最も上の面)上で接続される構成とされている。このようなコンタクトは、ツインコンタクトとも称される。第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト311も、ツインコンタクトとして構成されている。
しかしながら、ツインコンタクトは、貫通孔を2つ設ける必要があるため、製造工程が増えるとともに、基板上での面積が大きくなる。
例えば、第1の半導体基板211の図中最も上側から第1の半導体基板211を貫通して第2の半導体基板の多層配線層255内の配線に達し、且つ一部が第1の半導体基板211の多層配線層245の配線に達するコンタクトを形成すれば、貫通孔を1つ設けるだけで第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続が可能となる。このようなコンタクトはシェアードコンタクトとも称される。
半導体基板間の電気的接続のためにシェアードコンタクトを用いるようにすれば、ツインコンタクトを用いる場合と比較して、製造工程を簡素化することができ、基板上での面積を小さくすることができる。
また、半導体基板を貼り合わせる際に、多層配線層内の銅配線同士を直接接合する方式も実用化されている。多層配線層内の銅配線同士を直接接合すれば、半導体基板間の電気的接続のためのコンタクトを設ける必要はないので、さらに製造工程を簡素化することができ、基板上での面積を小さくすることができる。なお、銅配線同士を直接接合する方式は、直接接合とも称される。
図11は、図6に示される固体撮像装置の画素部の構成に係る断面図を模式化した図である。同図に示されるように、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。そして、第1の半導体基板211の多層配線層245にアルミパッド280が形成されている。
また、図11の構成では、第2の半導体基板の多層配線層255が第3の半導体基板213側(図中下側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられている。
さらに、図11の構成では、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト265、および、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト311が設けられている。コンタクト265およびコンタクト311は、ツインコンタクトとして構成されている。
図12は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図12の構成では、図11の場合とは異なり、第2の半導体基板の多層配線層255が第1の半導体基板211側(図中上側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられている。
また、図12の構成では、図11の場合とは異なり、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられている。そして、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。
図12に示されるように、第2の半導体基板212の多層配線層255を第1の半導体基板側に向けることで、多層配線層255により、ホットキャリアに起因する光を遮光できる。さらに、6層の配線層により構成される多層配線層255内にアルミパッド280を配置したことで、メタル配線250の形状に制約を与えることなく、ホットキャリアに起因する光を遮光できるようにアルミパッド280を配置することが容易になる。
また、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられるようにしたので、第1の半導体基板211内にESD回路を形成する必要がなく(第2の半導体基板内でESD回路を形成すればよいので)低コストで製造することが可能となる。
さらに、図12の構成では、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト266、および、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト312が設けられている。コンタクト266およびコンタクト312は、ツインコンタクトとして構成されている。
図12の構成の場合、図11の場合とは異なり、コンタクト312が第1の半導体基板211および第2の半導体基板212を貫通し、第3の半導体基板213の多層配線層345に達している。
次に、図12に示される固体撮像装置の製造プロセスについて説明する。
最初に、図13に示されるように、それぞれ多層配線層が形成された第1の半導体基板211、第2の半導体基板212、および第3の半導体基板213を用意する。同図に示されるように、第1の半導体基板211には多層配線層245が形成されており、第2の半導体基板212には多層配線層255が形成されており、第3の半導体基板213には多層配線層345が形成されている。
また、図13に示されるように、第2の半導体基板212の多層配線層255にはアルミパッド280が形成されている。
次に、図14に示されるように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212を貼り合わせる。このとき、互いの多層配線層245および多層配線層255が向き合うように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合わせられる。
そして、図15に示されるように、第2の半導体基板212が薄膜化される。同図では、第2の半導体基板212の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
次に、図16に示されるように、第3の半導体基板213と第2の半導体基板212を貼り合わせる。このとき、第3の半導体基板の多層配線層345が図中上向きとなるように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213が貼り合わせられる。
そして、図17に示されるように、第1の半導体基板211が薄膜化される。同図では、第1の半導体基板211の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
次に、図18に示されるように、コンタクト312およびコンタクト266が形成される。この際、第1の半導体基板211の受光面から多層配線層245に達する孔、および、受光面から多層配線層255のアルミパッド280に達する孔が設けられ、コンタクト266が形成される。また、第1の半導体基板211の受光面から多層配線層255のアルミパッド280に達する孔、および、受光面から多層配線層345に達する孔が設けられ、コンタクト312が形成される。
そして、図19に示されるように、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成される。
このようにして、図12を参照して上述した固体撮像装置が製造される。このようすることで、多層配線層255により、ホットキャリアに起因する光を遮光できる。さらに、6層の配線層により構成される多層配線層255内にアルミパッド280を配置したことで、メタル配線250の形状に制約を与えることなく、ホットキャリアに起因する光を遮光できるようにアルミパッド280を配置することが容易になる。また、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられるようにしたので、第1の半導体基板211内にESD回路を形成する必要がなく(第2の半導体基板内でESD回路を形成すればよいので)低コストで製造することが可能となる。
図20は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図20の構成では、図11の場合と同様に、第2の半導体基板の多層配線層255が第3の半導体基板213側(図中下側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられている。
また、図20の構成では、図11の場合と同様に、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト265、および、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト311が設けられている。コンタクト265およびコンタクト311は、ツインコンタクトとして構成されている。
さらに、図20の構成では、図11の場合とは異なり、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との間に絶縁膜層230が形成されている。そして、絶縁膜層230内にアルミパッド280aが配置され、第2の半導体基板212の多層配線層255に接続されるコンタクト313にアルミパッド280aが接続されている。
そして、図20の構成では、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)から、絶縁膜層230内のアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。
図20の構成の場合、アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられるようにしたので、第1の半導体基板211内にESD回路を形成する必要がなく(第2の半導体基板内でESD回路を形成すればよいので)低コストで製造することが可能となる。
次に、図20に示される固体撮像装置の製造プロセスについて説明する。
最初に、図21に示されるように、それぞれ多層配線層が形成された第1の半導体基板211、第2の半導体基板212、および第3の半導体基板213を用意する。同図に示されるように、第1の半導体基板211には多層配線層245が形成されており、第2の半導体基板212には多層配線層255が形成されており、第3の半導体基板213には多層配線層345が形成されている。
なお、図21に示されるように、第2の半導体基板212の多層配線層255にはアルミパッド280が形成されていない。
次に、図22に示されるように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213を貼り合わせる。このとき、互いの多層配線層255および多層配線層345が向き合うように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213が貼り合わせられる。
そして、図23に示されるように、第2の半導体基板212が薄膜化される。同図では、第2の半導体基板212の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
次に、図24に示されるように、コンタクト311およびコンタクト313が形成される。この際、第2の半導体基板212の図中上側の面から多層配線層345に達する孔、および、第2の半導体基板212の図中上側の面から多層配線層255に達する孔が設けられ、コンタクト311が形成される。また、第2の半導体基板212の図中上側の面から多層配線層255に達する孔が設けられ、コンタクト313が形成される。
そして、図25に示されるように、アルミパッド280aが形成され、絶縁膜層230が形成される。同図に示されるように、コンタクト313の図中上側の端部に接続してアルミパッド280aが形成されている。また、第2の半導体基板212の図中上側の面上においてアルミパッド280aの周囲に絶縁膜層230が形成されている。
次に、図26に示されるように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212(より正確には絶縁膜層230)を貼り合わせる。このとき、多層配線層245が絶縁膜層230に接するように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合わせられる。
さらに、第1の半導体基板211が薄膜化される。図26では、第1の半導体基板211の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
そして、図27に示されるように、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成される。その後、第1の半導体基板211の受光面から多層配線層245に達する孔、および、受光面からコンタクト311に達する孔が設けられ、コンタクト265が形成される。
このようにして、図20を参照して上述した固体撮像装置が製造される。アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられるようにしたので、第1の半導体基板211内にESD回路を形成する必要がなく(第2の半導体基板内でESD回路を形成すればよいので)低コストで製造することが可能となる。
図28は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図28の構成では、図11の場合と同様に、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。そして、第1の半導体基板211の多層配線層245にアルミパッド280が形成されている。
また、図28の構成では、図11の場合と同様に、第2の半導体基板の多層配線層255が第3の半導体基板213側(図中下側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられている。
さらに、図28の構成では、図11の場合と同様に、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト265が設けられている。コンタクト265は、ツインコンタクトとして構成されている。
図28の構成では、図11の場合とは異なり、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト311が設けられていない。その一方で、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト314およびコンタクト315が設けられている。
コンタクト314およびコンタクト315のそれぞれは、第2の半導体基板212を貫通し、第3の半導体基板213の多層配線層345に達する貫通孔を設けて導体を埋め込むことにより形成される。すなわち、コンタクト314およびコンタクト315のそれぞれは、貫通孔を1つ設けるだけで第2の半導体基板212の多層配線層255と第3の半導体基板213の多層配線層345とを接続するようになされている。
つまり、コンタクト314およびコンタクト315のそれぞれは、シェアードコンタクトとして構成されている。
図28に示される構成では、シェアードコンタクトを用いたことにより、製造工程を簡素化することができ、基板上での面積を小さくすることができる。
ここでは、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるものとして説明したが、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるようにすることも可能である。
また、図11、図12、または図20を参照して上述した構成の固体撮像装置においても、やはり、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続、または、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるようにしてもよい。
すなわち、アルミパッド280が第1の半導体基板211の多層配線層245内に設けられる構成(図11)において、各半導体基板間の電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるようにしてもよい。また、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられる構成(図12)において、各半導体基板間の電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるようにしてもよい。さらに、アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられる構成(図20)において、各半導体基板間の電気的接続にシェアードコンタクトが用いられるようにしてもよい。
図29は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図29の構成では、図11の場合と同様に、第1の半導体基板211には、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成されている。そして、第1の半導体基板211の多層配線層245にアルミパッド280が形成されている。
また、図29の構成では、図11の場合と同様に、第2の半導体基板の多層配線層255が第3の半導体基板213側(図中下側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられている。
さらに、図29の構成では、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるコンタクト267が設けられている。コンタクト267は、ツインコンタクトとして構成されている。
また、図29の構成では、第2の半導体基板212の多層配線層255内のメタル配線250aと第3の半導体基板213の多層配線層345内のメタル配線340aが直接接合されている。さらに、多層配線層255内のメタル配線250bと多層配線層345内のメタル配線340bが直接接合されている。これにより、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213とが電気的に接続されることになる。
つまり、図29の構成の場合、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213の電気的接続のために、コンタクトを用いずに、直接接合を用いている。従って、製造工程を簡素化することができ、基板上での面積を小さくすることができる。
なお、直接接合については、例えば、特開2013−033900などに詳細に開示されている。
次に、図29に示される固体撮像装置の製造プロセスについて説明する。
最初に、図30に示されるように、それぞれ多層配線層が形成された第1の半導体基板211、第2の半導体基板212、および第3の半導体基板213を用意する。同図に示されるように、第1の半導体基板211には多層配線層245が形成されており、第2の半導体基板212には多層配線層255が形成されており、第3の半導体基板213には多層配線層345が形成されている。
なお、図30に示されるように、第1の半導体基板211の多層配線層245にはアルミパッド280が形成されている。また、第2の半導体基板の多層配線層255にはメタル配線250aおよびメタル配線250bが形成されており、第3の半導体基板の多層配線層345にはメタル配線340aおよびメタル配線340bが形成されている。
次に、図31に示されるように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213を貼り合わせる。このとき、互いの多層配線層255および多層配線層345が向き合うように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213が貼り合わせられる。そして、メタル配線250aとメタル配線340aが直接接合され、メタル配線250bとメタル配線340bが直接接合される。
さらに、第2の半導体基板212が薄膜化される。同図では、第2の半導体基板212の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
そして、図32に示されるように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212を貼り合せる。このとき、第2の半導体基板の多層配線層255が第3の半導体基板213側(図中下側)に向けられて第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合せられる。
さらに、第1の半導体基板211が薄膜化される。同図では、第1の半導体基板211の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
次に、図33に示されるように、コンタクト267が形成される。この際、第1の半導体基板211の受光面から多層配線層245に達する孔、および、受光面から多層配線層255に達する孔が設けられ、コンタクト267が形成される。
そして、図34に示されるように、第1の半導体基板211の裏面側(受光面側)からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成される。
このようにして、図29を参照して上述した固体撮像装置が製造される。第2の半導体基板212と第3の半導体基板213の電気的接続のために、コンタクトを用いずに、直接接合を用いたので、製造工程を簡素化することができ、基板上での面積を小さくすることができる。
ここでは、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に直接接合が用いられるものとして説明したが、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に直接接合が用いられるようにすることも可能である。
また、図11、図12、または図20を参照して上述した構成の固体撮像装置においても、やはり、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続、または、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に直接接合が用いられるようにしてもよい。
すなわち、アルミパッド280が第1の半導体基板211の多層配線層245内に設けられる構成(図11)において、各半導体基板間の電気的接続に直接接合が用いられるようにしてもよい。また、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられる構成(図12)において、各半導体基板間の電気的接続に直接接合が用いられるようにしてもよい。さらに、アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられる構成(図20)において、各半導体基板間の電気的接続に直接接合が用いられるようにしてもよい。
図35は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図35の構成では、図29の場合とは異なり、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続に用いられるコンタクト268およびコンタクト316が設けられている。すなわち、図35の構成の場合、コンタクト268の図中左側の下側端部がコンタクト316の図中上側端部に接続されることにより、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が電気的に接続される。なお、コンタクト268は、ツインコンタクトとして構成されている。
図35の構成では、例えば、図29のコンタクト267の形成のように、受光面から多層配線層255に達する孔を設ける必要がない。このため、コンタクトの形成をより簡素に行うことが可能となる。
図35におけるその他の部分の構成は、図29の場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
次に、図35に示される固体撮像装置の製造プロセスについて説明する。
最初に、図36に示されるように、それぞれ多層配線層が形成された第1の半導体基板211、第2の半導体基板212、および第3の半導体基板213を用意する。同図に示されるように、第1の半導体基板211には多層配線層245が形成されており、第2の半導体基板212には多層配線層255が形成されており、第3の半導体基板213には多層配線層345が形成されている。
なお、図36に示されるように、第1の半導体基板211の多層配線層245にはアルミパッド280が形成されている。また、第2の半導体基板の多層配線層255にはメタル配線250aおよびメタル配線250bが形成されており、第3の半導体基板の多層配線層345にはメタル配線340aおよびメタル配線340bが形成されている。
次に、図37に示されるように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213を貼り合わせる。このとき、互いの多層配線層255および多層配線層345が向き合うように、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213が貼り合わせられる。そして、メタル配線250aとメタル配線340aが直接接合され、メタル配線250bとメタル配線340bが直接接合される。
さらに、第2の半導体基板212が薄膜化される。同図では、第2の半導体基板212の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
そして、図38に示されるように、コンタクト316が形成される。この際、第2の半導体基板212の図中上側の面から多層配線層255に達する孔が設けられ、コンタクト316が形成される。
次に、図39に示されるように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212を貼り合せる。このとき、第1の半導体基板211の裏面が受光面となるように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212が貼り合わせられる。
さらに、第1の半導体基板211が薄膜化される。図39では、第1の半導体基板211の図中垂直方向の幅が薄くなっている。
また、第1の半導体基板211の受光面から、第2の半導体基板の図中上側の面に達する孔、および、受光面から多層配線層245のアルミパッド280に達する孔が設けられ、コンタクト268が形成される。
そして、図40に示されるように、第1の半導体基板211の受光面からアルミパッド280aに達するようにパッド孔351が形成される。
このようにして、図35を参照して上述した固体撮像装置が製造される。図35の構成では、上述したように、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212を電気的に接続するために、コンタクト268およびコンタクト316が用いられる。すなわち、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との接合面において、コンタクト268を形成する導体とコンタクト316を形成する導体とが接合されている。このように、図35の構成の場合、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212の電気的接続のためのツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されている。
このようにすることで、例えば、図29のコンタクト267の形成のように、受光面から多層配線層255に達する深い孔を設ける必要がない。このため、コンタクトの形成をより簡素に行うことが可能となる。
ここでは、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212の電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるものとして説明したが、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるようにすることも可能である。
また、図11、図12、または図20を参照して上述した構成の固体撮像装置においても、やはり、第1の半導体基板211と第2の半導体基板212との電気的接続、または、第2の半導体基板212と第3の半導体基板213との電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるようにしてもよい。
すなわち、アルミパッド280が第1の半導体基板211の多層配線層245内に設けられる構成(図11)において、各半導体基板間の電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるようにしてもよい。また、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられる構成(図12)において、各半導体基板間の電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるようにしてもよい。さらに、アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられる構成(図20)において、各半導体基板間の電気的接続に用いられるツインコンタクトの一部が2段階に分けられて構成されるようにしてもよい。
図11乃至図40を参照して上述したように、本技術を適用した固体撮像装置においては、アルミパッド280が第1の半導体基板211の多層配線層245内に設けられるようにしてもよいし、アルミパッド280が第2の半導体基板212の多層配線層255内に設けられるようにしてもよいし、アルミパッド280が絶縁膜層230内に設けられるようにしてもよい。また、各半導体基板間の電気的接続の形態は、ツインコンタクト、シェアードコンタクト、直接接合、およびツインコンタクトの一部が2段階に分けられた構成が採用され得る。
すなわち、本技術を適用した固体撮像装置の実施の形態として、図41に示されるような組み合わせが採用され得る。
なお、上述した実施の形態においては、本技術を適用した固体撮像装置の実施の形態について3層構造を前提として説明した。しかし、本技術を適用した固体撮像装置は、例えば、第1の半導体基板、第2の半導体基板、第3の半導体基板、および第4の半導体基板を積層した4層構造を採用することも可能である。
本技術を適用した固体撮像装置において4層構造を採用した場合の例を図42に示す。図42は、本技術を適用した固体撮像装置の画素部のさらに別の実施の形態に係る構成を説明する断面図を模式化した図である。
図42の例では、第1の半導体基板211、第2の半導体基板212、第3の半導体基板213、および第4の半導体基板214が積層された4層構造が採用されている。
なお、同様に、本技術を適用した固体撮像装置において5層以上の構造を採用することも可能御である。
図43は、本技術を適用した電子機器としての、カメラ装置の構成例を示すブロック図である。
図43のカメラ装置600は、レンズ群などからなる光学部601、上述した画素402の各構成が採用される固体撮像装置(撮像デバイス)602、およびカメラ信号処理回路であるDSP回路603を備える。また、カメラ装置600は、フレームメモリ604、表示部605、記録部606、操作部607、および電源部608も備える。DSP回路603、フレームメモリ604、表示部605、記録部606、操作部607および電源部608は、バスライン609を介して相互に接続されている。
光学部601は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像装置602の撮像面上に結像する。固体撮像装置602は、光学部601によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。この固体撮像装置602として、上述した実施の形態に係る固体撮像装置を用いることができる。
表示部605は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像装置602で撮像された動画または静止画を表示する。記録部606は、固体撮像装置602で撮像された動画または静止画を、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録する。
操作部607は、ユーザによる操作の下に、カメラ装置600が有する様々な機能について操作指令を発する。電源部608は、DSP回路603、フレームメモリ604、表示部605、記録部606および操作部607の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
また、本技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像素子への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像素子や、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像素子(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。