JP2021004964A - ベルトユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内周面に潤滑剤が塗布された定着ベルトに当接部材を挿入する際に、潤滑剤が当接部材によって掻きとられるのを抑制可能なベルトユニットの製造方法。【解決手段】加圧ユニット300を取り付けたベルト装着補助具130の移動中は、潤滑剤110が塗布された定着ベルト100の内周面に対し、ベルト装着補助具130の凸状部131のみが接触する。定着ベルト100と凸状部131とが接触する範囲は、配置後に当接される定着ベルト100と加圧ユニット300との範囲よりも小さい。また、凸状部131によって定着ベルト100が周方向に移動するのを規制でき、移動中に定着ベルト100が加圧ユニット300に接触し難い。こうして、ベルト装着補助具130を用い加圧ユニット300を配置する場合、ベルト装着補助具130を用いずに加圧ユニット300を配置する場合に比べ、ベルト内周面に塗布された潤滑剤110が掻きとられ難い。【選択図】図8
Description
本発明は、内周面に潤滑剤が塗布されたエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に非回転に配置されてエンドレスベルトの内周面に当接する当接部材と、を備えたベルトユニットの製造方法に関する。
従来、無端状のベルト(エンドレスベルト)と、エンドレスベルトの内側に非回転に配置され、エンドレスベルトの内周面に当接する当接部材とを備えたベルトユニットが製造されている。こうしたベルトユニットは、一例としてトナー像を担持した記録材を加熱加圧することでトナー像を記録材に定着させる定着装置などに用いられている。定着装置の場合、エンドレスベルトとしての定着ベルトの外周面に回転体を当接させて、記録材を加熱加圧する加熱ニップ部を形成する。また、加熱ニップ部を形成すべく、定着ベルトの内周面に当接部材を摺擦させている。それ故、定着ベルトと当接部材との間の摺擦抵抗を低減すべく、定着ベルトに対し幅方向に当接部材を挿入する前に、予め、定着ベルトの内周面の周方向の一部領域において幅方向全域に亘って耐熱グリスなどの潤滑剤が塗布される(特許文献1)。
しかしながら、内周面に潤滑剤が塗布された定着ベルトに対し、上記の当接部材を挿入してベルトユニットを製造する場合に、当接部材が定着ベルトの内周面に接触したまま挿入され、当接部材によって周方向の広い範囲に亘って潤滑剤が掻きとられやすかった。当接部材によって定着ベルトに塗布されている潤滑剤が掻きとられると、定着ベルトと当接部材とが円滑に摺動し難くなり、その結果、定着ベルトを回転させるための回転トルクが上昇したり、定着ベルトの回転時に異音が発生したりする虞がある。
本発明は、内周面に潤滑剤が塗布された定着ベルトに当接部材を挿入してベルトユニットを製造する際に、潤滑剤が当接部材によって掻きとられるのを抑制可能なベルトユニットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトに対し幅方向に挿入されることで前記エンドレスベルトの内側に非回転に配置されて、前記エンドレスベルトの内周面に当接する当接部材と、を備えたベルトユニットの製造方法であって、前記エンドレスベルトの前記内周面に潤滑剤を塗布する第一工程と、前記当接部材の挿入方向先端に、周方向に関し、配置後に当接する前記エンドレスベルトと前記当接部材との当接範囲よりも小さい範囲で前記エンドレスベルトの内周面に接触する複数の接触部を有し、前記複数の接触部の外接円が前記当接部材の外接円よりも大きいベルト装着補助具を取り付けて、前記ベルト装着補助具を先頭に前記エンドレスベルトに挿入し、前記当接部材を前記幅方向の一端から他端まで前記エンドレスベルトの内周面に接触させることなく移動させて、前記エンドレスベルトの内側に配置する第二工程と、前記エンドレスベルトの内側に前記当接部材を配置した状態で、前記ベルト装着補助具を前記当接部材から取り外す第三工程と、を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、内周面に潤滑剤が塗布された定着ベルトに当接部材を挿入してベルトユニットを製造する際に、潤滑剤が当接部材によって掻きとられるのを抑制することが容易に実現できる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1乃至図8(b)を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
第1の実施形態について、図1乃至図8(b)を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト31に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト31に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム11(Y)にイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト31に転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム11(M)にマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト31に転写される。画像形成部PC、PKでは、感光ドラム11(C)、11(K)にそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、中間転写ベルト31に順次転写される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれの現像装置14で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、イエローの画像形成部PYについて説明し、他の画像形成部PM、PC、PKに関する重複した説明を省略する。
画像形成部PYは、像担持体としての円筒状の感光体、即ち、感光ドラム11が配設されている。感光ドラム11は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11の周囲には、コロナ帯電器12、露光装置13、現像装置14、転写ブレード17、及びドラムクリーニング装置15が配置されている。帯電手段としてのコロナ帯電器12は、感光ドラム11の表面を一様な電位に帯電させる。露光装置13は、レーザービームを走査して感光ドラム11に画像の静電像を書き込む。現像装置14は、静電像を現像して感光ドラム11にトナー像を形成する。転写ブレード17は、電圧を印加されて感光ドラム11のトナー像を中間転写ベルト31へ転写させる。ドラムクリーニング装置15は、転写後の感光ドラム11の表面を清掃する。
中間転写ベルト31は、複数のローラにより張架されて図中矢印R2方向に回転する。また、中間転写ベルト31を張架する二次転写内ローラ34と中間転写ベルト31を挟んで対向する位置には二次転写外ローラ35が配置され、中間転写ベルト31上のトナー像を記録材Pに転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には定着装置40が配置される。
記録材Pは、記録材カセット20から1枚ずつ取り出されてレジストローラ23まで搬送されて待機する。記録材Pは、レジストローラ23によって中間転写ベルト31上のトナー像にタイミングをあわせて二次転写部T2へ給送されて、中間転写ベルト31からトナー像を二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置40へ搬送され、定着装置40で加熱加圧を受けてトナー像を定着された後に、排出ローラ63によって外部トレイ64へ排出される。
一方、記録材Pの両面に画像形成する場合、定着装置40で一方の面にトナー像を定着された記録材Pは、切換部材61によって上方へ案内される。記録材Pは、搬送路73においてスイッチバック搬送されることにより表裏反転され、その後、両面搬送路70を搬送されて、レジストローラ23で待機する。そして、二次転写部T2で他方の面にもトナー像を形成され、定着装置40によってトナー像を定着された後に、外部トレイ64へ排出される。なお、記録材Pとしては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。
[定着装置]
次に、図2乃至図4を用いて、定着装置40について説明する。図2に示すように、定着装置40は、大きく分けてベルトユニット200と加圧ローラ101とを備える。ベルトユニット200は、エンドレスベルトの一例である定着ベルト100と、当接部材としての加圧ユニット300とを備えている。本実施形態の場合、加圧ユニット300は、後述する加熱部材102と加圧部材103とにより構成される摺擦部106、ベルトフレーム104、ベルトガイド105を有する。定着ベルト100は、薄肉中空のフィルム状のエンドレスベルトであって、加圧部材103によって内周面を支持されている。ベルトユニット200において、定着ベルト100は加圧ユニット300に対して着脱自在に設けられており、寿命などにより交換可能となっている。
次に、図2乃至図4を用いて、定着装置40について説明する。図2に示すように、定着装置40は、大きく分けてベルトユニット200と加圧ローラ101とを備える。ベルトユニット200は、エンドレスベルトの一例である定着ベルト100と、当接部材としての加圧ユニット300とを備えている。本実施形態の場合、加圧ユニット300は、後述する加熱部材102と加圧部材103とにより構成される摺擦部106、ベルトフレーム104、ベルトガイド105を有する。定着ベルト100は、薄肉中空のフィルム状のエンドレスベルトであって、加圧部材103によって内周面を支持されている。ベルトユニット200において、定着ベルト100は加圧ユニット300に対して着脱自在に設けられており、寿命などにより交換可能となっている。
加圧ローラ101は、弾性層を有するローラ部材であって、後述するように加圧部材103によって加圧ローラ101に向けて加圧された定着ベルト100の外周面に当接する。また、加圧ローラ101は、定着ベルト100の外周面に当接して回転する。定着ベルト100は、加圧ローラ101の回転に従動して回転する。
図3に示すように、定着ベルト100の内側には、定着ベルト100の幅方向(定着ベルト100の長手方向、回転軸線方向、図3の左右方向)に沿って梁状にベルトフレーム104が配置されている。そして、ベルトフレーム104の幅方向両端部にはベルトガイド105が配置され、ベルトガイド105はベルトフレーム104を介して加圧ユニット300を保持している。
規制部材としてのベルトガイド105は、定着ベルト100を幅方向端部で回転可能に保持して、定着ベルト100の回転をガイドすると共に、定着ベルト100の幅方向の位置を規制する。即ち、ベルトガイド105は、円筒状のガイド部105aと、ガイド部105aの端部に設けられたフランジ状の規制部105bとを有する。ガイド部105aは、定着ベルト100の幅方向端部の内側に挿入され、定着ベルト100の幅方向端部を内側から円筒状態に保持しつつ、定着ベルト100の回転を案内している。規制部105bは、定着ベルト100の幅方向端部と対向して、定着ベルト100の幅方向の移動を規制する。
図4に示すように、加圧ローラ101は、定着フレーム115に固定したベアリング116によって回転自在に支持されている。定着ベルト100の両端部に配置されたベルトガイド105は、上方から圧縮バネ113によって加圧レバー112を介して加圧ローラ101へ向かって加圧される。
加圧レバー112は、中心軸111を中心にして揺動可能に定着フレーム115の幅方向両端部にそれぞれ支持され、揺動端を圧縮バネ113によって下方へ付勢されている。一対の加圧レバー112により加圧された一対のベルトガイド105は、ベルトフレーム104及び摺擦部106(図2参照)を介して、定着ベルト100の外周面を加圧ローラ101に圧接させて、記録材Pの加熱ニップ部Nを形成する。
加圧ローラ101は、定着装置40の運転中、不図示のモータなどの定着駆動部からギア117を通じて回転駆動される。そして、加圧ローラ101の回転に伴って、定着ベルト100が従動回転する。
加圧レバー112は、ギア121を通じて手動操作により駆動されるカム120の回転に伴い、中心軸111を中心にして揺動回転する。加圧レバー112の揺動端が押し上げられると、定着ベルト100が加圧ローラ101から離間して、加熱ニップ部Nが開放される。定着装置40の運転中、記録材Pが搬送されている時にジャムを起こした場合、ユーザが加熱ニップ部Nを離間する機構を操作することで、定着ベルト100と加圧ローラ101との間に挟み込まれて停止した記録材を容易に除去できる。
図2に戻って、加圧ユニット300は、定着ベルト100が着脱自在であり、定着ベルト100を装着した状態で定着ベルト100の内側に非回転に配置される。そして、摺擦部106は、定着ベルト100の内周面に摺擦して、定着ベルト100の外周面を加圧ローラ101に当接させて、定着ベルト100と加圧ローラ101との間で記録材Pを加熱する加熱ニップ部Nを形成する。
このような摺擦部106は、定着ベルト100を加圧ローラ101に向けて加圧する加圧部材103と、加圧部材103に設けられ、加熱ニップ部Nを通る記録材Pを加熱する加熱部材102とを有する。具体的には、加圧部材103の下面(加熱ニップ部N側の面)に長手方向(定着ベルト100の幅方向)に連続した凹所が形成されており、凹所内に加熱部材102が配置されている。加熱部材102は、面状の抵抗加熱素子であり、定着ベルト100を介して記録材Pの画像面を加熱する。
上述したように、摺擦部106を構成する加圧部材103は、圧縮バネ113によって加圧レバー112、ベルトガイド105及びベルトフレーム104を介して加圧ローラ101に向けて加圧される。この際、加圧部材103は、加圧ローラ101によって押圧されて弓状に変形しようとする。ただし、加圧部材103の加熱ニップ部Nと反対側にはベルトフレーム104が配置されているため、このベルトフレーム104が、加圧部材103を抑え付けて弓状に変形しようとする加圧部材103を直線状に保持する。
このように構成される定着装置40は、図2に示すように、加熱ニップ部Nによって記録材Pを挟持搬送する過程で、加熱部材102から定着ベルト100を介して熱エネルギーを記録材Pに与える。これと共に、記録材Pが定着ベルト100と加圧ローラ101との間で加圧される。これにより、記録材P上の未定着トナー像が溶融されて、記録材P上に定着される。記録材Pは、加熱ニップ部Nを通過したのち、定着ベルト100から分離して排出される。
次に、定着ベルト100、加圧ローラ101及び加熱部材102について詳しく説明する。本実施形態の場合、上述のように定着装置40に使用される定着ベルト100は、図示を省略したが、記録材Pに接する側の面(外周面)の側から順に、離形層、弾性層、基層、内面コート層の4層を有する複合的な構造のフィルムである。離型層は、厚さ100μm以下、好ましくは20〜70μmのフッ素樹脂材料を使用できる。フッ素樹脂層としては、例えばPTFE、PFAなどが挙げられる。弾性層は、熱容量を小さくするために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。基層は、厚さとして50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。例えば、SUS、ニッケル合金などの金属フィルムを使用できる。また、厚さ100μm以下のPIなどの樹脂フィルムなども使用できる。本実施形態においては厚み30μmのSUSを用いている。内面コート層は、耐熱性を持つ樹脂層である。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。
加圧ローラ101は、鉄、アルミ等の金属製の円柱状芯金の外周面にスポンジやシリコンゴムなどの弾性層を配置し、弾性層の表面に離型層を設けて記録材Pの分離性を高めることが望ましい。ここでは、軟鋼材料の芯金の表面を、ブラスト加工して表面状態を荒らした後、洗浄を行った。次いで芯金を筒型に挿入して、液状のシリコンゴムを型内に注入して加熱硬化させた。この時、加圧ローラ101の表面層に離型層としてPFA樹脂チューブ層を設けるために、型内に予め内面に接着材料を塗布したチューブ材料を挿入しておいた。これにより、ゴムの加熱硬化と並行してチューブ材料とゴム弾性層との接着を行う。このようにして成型された加圧ローラは脱型処理後、二次加硫を行って必要な硬度に調整した。二次加硫はオーブンで一定時間部品を加熱して行われる。このように形成される加圧ローラ101は、本実施形態では例えば外径が30mm、芯金径が22mm、弾性層の厚みが4mm、離型層の厚みが50μmである。
加熱部材102は、セラミックヒータである。この加熱部材102は、細長薄板状の熱伝導が良好なAlN基板上にAg・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱体を形成する。そして、発熱体の上に摺動絶縁部材として50〜60μm程度の厚さのガラスコーティング層を一体に設けて、セラミックヒータを構成している。一方、AlN基板を挟んで発熱体が設けられている側と反対側の基板上には、加熱部材102の温度を検出するためにサーミスタ(不図示)が設けられている。サーミスタは、不図示のバネ等の加圧手段により基板に所定の圧力で当接するように固定されている(不図示)。
[潤滑剤の塗布]
上述したように、加圧ユニット300において摺擦部106を構成する加熱部材102及び加圧部材103は、定着ベルト100の内周面を摺擦する。即ち、図2に示すように、定着ベルト100は無端状に形成されて、非回転の加圧部材103及び加熱部材102に対して内周面が加圧状態で摺擦する。また、加圧部材103及び加熱部材102は、定着ベルト100の回転方向に直角な幅方向に連続した当接面で定着ベルト100の内周面に摺擦する。
上述したように、加圧ユニット300において摺擦部106を構成する加熱部材102及び加圧部材103は、定着ベルト100の内周面を摺擦する。即ち、図2に示すように、定着ベルト100は無端状に形成されて、非回転の加圧部材103及び加熱部材102に対して内周面が加圧状態で摺擦する。また、加圧部材103及び加熱部材102は、定着ベルト100の回転方向に直角な幅方向に連続した当接面で定着ベルト100の内周面に摺擦する。
このため、本実施形態では、加熱部材102及び加圧部材103の摺擦面と定着ベルト100の内周面との間に摩擦力を低減する目的で、ベルトユニット200を組み立てる際に、第一工程として定着ベルト100の内周面に潤滑剤110を塗布している。この潤滑剤110の塗布について、図2を参照しつつ、図5(a)乃至図6(b)を用いて説明する。
本実施形態では、定着ベルト100を加圧ユニット300に組み付ける前に、予め、定着ベルト100の内周面(詳しくは内面コート層)に耐熱グリスなどの潤滑剤110を塗布している。本実施形態では、図5(a)、図5(b)に示すように、潤滑剤110を、定着ベルト100の内周面のうち、幅方向の両方の端縁からそれぞれ幅方向の所定の範囲A、Bを除く内周面の周方向全域つまり全周に亘って塗布している。潤滑剤110として、本実施形態では、パーフロロポリエーテルを基油として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を増調剤として添加したものを用いている。本実施形態では、所定の範囲A、Bをそれぞれ3mmとし、範囲A、Bを除く範囲に塗布される潤滑剤110の塗布厚みCは10μm以上20μm以下とすることで、潤滑剤110の塗布重量が例えば620mgに調整されている。
次に、定着ベルト100の内周面に潤滑剤110を塗布する塗布方法について説明する。図6(a)、図6(b)に示すように、定着ベルト100は、潤滑剤塗布装置80により内周面に潤滑剤110が塗布される。
潤滑剤塗布装置80は、ベルト支持ローラ81と、ノズル83を有するディスペンサ82とを有する。定着ベルト100は、2本のベルト支持ローラ81により支持され、一定速度で図6(a)の矢印方向に回転する。また、定着ベルト100の内側に横長のノズル83を侵入させ、ノズル83の先端から潤滑剤110を一定の吐出量で落下させながら、ノズル83を矢印R4方向に一定速度でスライドさせる。この際、定着ベルト100を回転させながらノズル83をスライドさせることで、潤滑剤110を定着ベルト100の幅方向及び周方向に略均一に供給可能にしている。
ノズル83のスライドは、ボールねじとモータによる位置制御を行いつつディスペンサ82の吐出ポンプの吐出タイミングをモータと同期制御させている。塗布量管理は、吐出口の形と耐熱グリスの流量センサの指示値により管理する。これらにより、定着ベルト100の内周面における潤滑剤110を所定の塗布厚みに塗布することを可能としている。また、定着ベルト100の幅方向の両方の端縁から所定の範囲A、Bは、潤滑剤110の未塗布領域としており、このために、この領域では流量センサの指示値を0にしている。
この結果、図5(b)に示すように、定着ベルト100の幅方向両端部から所定の範囲A、Bには潤滑剤110が塗布されず、所定の範囲A、Bを除いた範囲に潤滑剤110が定着ベルト100の内周面全域に塗布厚みCになるように塗布される。
なお、本実施形態では、流量センサの指示値を制御することで潤滑剤110の未塗布領域を設けたが、所定の範囲A、Bをマスキングすることで潤滑剤110の未塗布領域を設けてもよい。また、本実施形態では、定着ベルト100の幅方向両端部の所定の範囲A、Bに潤滑剤110の未塗布領域を設けているが、定着ベルトの一方の端部の所定の範囲A又はBのみに未塗布領域を設ける構成であってもよい。即ち、潤滑剤110は、定着ベルト100の内周面のうち、幅方向の少なくとも一方の端縁から幅方向の所定の範囲を除く定着ベルト100の内周面の全周に塗布されていればよい。こうして、定着ベルト100の幅方向の端部側に潤滑剤110を塗布しない範囲を設けると、潤滑剤110が定着ベルト100の端部からはみ出し難くなるので好ましい。
[ベルト装着補助具]
上述したように、定着ベルト100は加圧ユニット300に着脱自在に設けられている。本実施形態では、ベルトユニット200の製造時、定着ベルト100を加圧ユニット300に装着するために、ベルト装着補助具が用いられる。詳しくは後述するように、加圧ユニット300はベルト装着補助具に装着された状態で、ベルト装着補助具を先頭に定着ベルト100に挿入される。このベルト装着補助具について、図7(a)及び図7(b)を用いて説明する。
上述したように、定着ベルト100は加圧ユニット300に着脱自在に設けられている。本実施形態では、ベルトユニット200の製造時、定着ベルト100を加圧ユニット300に装着するために、ベルト装着補助具が用いられる。詳しくは後述するように、加圧ユニット300はベルト装着補助具に装着された状態で、ベルト装着補助具を先頭に定着ベルト100に挿入される。このベルト装着補助具について、図7(a)及び図7(b)を用いて説明する。
図7(a)、図7(b)に示すように、ベルト装着補助具130は、上記した加圧ユニット300(図2参照)を着脱自在に取り付け可能な本体部132と複数の凸状部131とを有する。本体部132には、第一嵌合部133及び第二嵌合部134が形成されている。具体的には、この第一嵌合部133及び第二嵌合部134に、ベルトフレーム104の挿入方向先端に形成された一対の被嵌合部104a(図8(a)参照)が嵌め込まれることで、ベルト装着補助具130が加圧ユニット300に取り付けられる。ベルト装着補助具130が加圧ユニット300に取り付けられた状態のとき、挿入方向から見て加圧ユニット300はベルト装着補助具130に重なり合うように配置される。また、本実施形態の場合、第一嵌合部133と第二嵌合部134とは異なる大きさに形成されており、これによりベルト装着補助具130に対して加圧ユニット300が正しい位置に取り付けられる。
なお、ベルトフレーム104の一対の被嵌合部104aは、上述したベルトガイド105(図4参照)を装着するためのものであってよい。つまり、ベルトガイド105を取り付けるための取付部としての一対の被嵌合部104aが、ベルト装着補助具130を取り付けるために共用されてよい。この場合、ベルト装着補助具130に形成されている第一嵌合部133と第二嵌合部134と同形状の嵌合部が、ベルトガイド105に形成されている。なお、図7(a)に示すように、本体部132の挿入方向先端部132aは、ベルト装着補助具130を定着ベルト100内に円滑に挿入すべく、挿入方向上流側から下流側に向けて内側に狭まるように傾斜状に滑らかに形成されているとよい。
図7(b)に示すように、接触部としての複数の凸状部131は、本体部132の表面132bから外側に向けて突出するように形成されている。本実施形態の場合、同形状に形成された複数の凸状部131が周方向に等間隔(ここでは120°間隔)に離れた3箇所に配置されている。これら凸状部131は、その外接円が加圧ユニット300の外接円よりも大きくなるように形成されている。そして、これら凸状部131は、定着ベルト100の内周面に接触する先端部が周方向に沿うように円弧状に形成されており、定着ベルト100への挿入時に定着ベルト100に対し円滑に挿入できるようにしている。また、周方向に関しては、配置後に当接される定着ベルト100と加圧ユニット300との当接範囲(接触範囲の合計値)よりも小さい範囲で、複数の凸状部131は定着ベルト100の内周面に接触するように形成されている。
本実施形態の場合、複数の凸状部131は、その外接円の直径が定着ベルト100の内周の直径と略同じかやや大きい程度(例えば+1〜+10%程度)となるように、高さが設定されている(図8(c)参照)。例えば、表面132bからの凸状部131の高さは、0.5〜1.0mm程度に設定される。これは、挿入時に本体部132の表面132b(凸状部131を除く)と定着ベルト100の内周面との接触を避けるべく、本体部132の表面132bと定着ベルト100の内周面との間隔を確保可能な高さである。また、複数の凸状部131は挿入方向に沿って直線状に延設されている。そうであるが故に、定着ベルト100は凸状部131によって、周方向に伸展された状態で幅方向にガイドされるようにして加圧ユニット300に装着される。
[ベルトユニットの製造方法]
次に、上記したベルト装着補助具130を用いて、加圧ユニット300に定着ベルト100を装着してベルトユニット200を製造する方法について、図8(a)乃至図8(c)を用いて説明する。
次に、上記したベルト装着補助具130を用いて、加圧ユニット300に定着ベルト100を装着してベルトユニット200を製造する方法について、図8(a)乃至図8(c)を用いて説明する。
まず、上述したように、潤滑剤塗布装置80(図6(b)参照)により定着ベルト100の内周面に潤滑剤110が塗布される(第一工程)。第1の実施形態では、定着ベルト100の周方向全域に亘って潤滑剤110が塗布される。なお、上述のように、幅方向両端部から所定の範囲A、Bには潤滑剤110が塗布されていなくてもよい(図5(b)参照)。
そして、潤滑剤110が塗布された定着ベルト100の内側に、上記したベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を配置する、以下に説明する第二工程が行われる。第二工程では、まず、図8(a)に示すように、ベルト装着補助具130が加圧ユニット300の挿入方向先端に取り付けられる。この際には、上述したように、本体部132の第一嵌合部133及び第二嵌合部134と、ベルトフレーム104の一対の被嵌合部104aとが嵌合することで、ベルト装着補助具130が加圧ユニット300に取り付けられる。
次に、図8(b)に示すように、加圧ユニット300を取り付けたベルト装着補助具130を定着ベルト100の幅方向の一端部から挿入し、その後、ベルト装着補助具130を定着ベルト100の幅方向の一端部から他端部まで移動させる。ベルト装着補助具130の移動中、図8(c)に示すように、定着ベルト100の内周面にはベルト装着補助具130の複数の凸状部131のみが接触し、ベルト装着補助具130の表面132b並びに加圧ユニット300は接触しない。このように、加圧ユニット300を定着ベルト100の内周面に接触させることなく、ベルト装着補助具130を定着ベルト100の内周面に限定接触させながら定着ベルト100の内側を移動させ、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置する。この際に、ベルト装着補助具130の凸状部131は、定着ベルト100が加圧ユニット300に接触しないように、定着ベルト100の周方向の移動を規制している。これにより、本実施形態の場合、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置する際にベルト装着補助具130によって掻きとられた潤滑剤110の量は、約20mg程であった。
そして、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置した状態で、ベルト装着補助具130を加圧ユニット300から取り外す(第三工程)。その後、加圧ユニット300の幅方向両端部に、上述したベルトガイド105(図3参照)を装着する(第四工程)。こうして、加圧ユニット300が定着ベルト100の内側に非回転に配置される。
以上のように、本実施形態の場合、加圧ユニット300を取り付けたベルト装着補助具130の移動中は、潤滑剤110が塗布された定着ベルト100の内周面に対し、ベルト装着補助具130の凸状部131のみが接触し、加圧ユニット300は接触しない。即ち、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置する際に、凸状部131のみが定着ベルト100に接触し、その接触範囲は配置後に当接される定着ベルト100と加圧ユニット300との当接範囲よりも小さい。また、ベルト装着補助具130の凸状部131によって定着ベルト100が周方向に移動するのを規制できるため、移動中に定着ベルト100が加圧ユニット300に接触し難くできる。したがって、ベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を配置する場合は、ベルト装着補助具130を用いずに加圧ユニット300を配置する場合に比べて、定着ベルト100の内周面に塗布された潤滑剤110が掻きとられるのを抑制できる。こうして、定着ベルト100の内周面に塗布された潤滑剤110が掻きとられるのを抑制できれば、潤滑剤110を予備的に多く塗布しなくて済むので、コストを削減することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について、図9(a)乃至図11(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、ベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を、周方向全域に亘って潤滑剤110を塗布した定着ベルト100の内側に配置する場合について説明した。これに対し、第2の実施形態は、ベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を配置する定着ベルト100に関し、潤滑剤110を定着ベルト100の内周面の周方向の全域でなく周方向の一部を除いて塗布する点が大きく異なっている。第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にし、主に第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
次に、第2の実施形態について、図9(a)乃至図11(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、ベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を、周方向全域に亘って潤滑剤110を塗布した定着ベルト100の内側に配置する場合について説明した。これに対し、第2の実施形態は、ベルト装着補助具130を用いて加圧ユニット300を配置する定着ベルト100に関し、潤滑剤110を定着ベルト100の内周面の周方向の全域でなく周方向の一部を除いて塗布する点が大きく異なっている。第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にし、主に第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2の実施形態では、図9(b)に示すように、定着ベルト100の内周面に、潤滑剤110が塗布される塗布領域100aと、潤滑剤110が塗布されない未塗布領域100bとが形成される。塗布領域100aと未塗布領域100bとは、それぞれ定着ベルト100の内周面のうち幅方向に亘って形成されている。
定着ベルト100の内周面に潤滑剤110を塗布する第一工程において、潤滑剤塗布装置80は一定速度で回転する定着ベルト100の内周面のうち予め設定した領域とノズル83とが対向する際に(図6(a)、(b)参照)、流量センサの指示値を0にする。こうして、定着ベルト100の内周面の予め設定した領域で流量センサの指示値を0として、ノズル83からの潤滑剤110の吐出を中断させることにより、内周面の周方向に潤滑剤110が塗布されない未塗布領域100bを形成できる。本実施形態の場合、周方向長さが6mmの未塗布領域100bを周方向の3箇所に形成した。そして、塗布領域100aに塗布する潤滑剤110の塗布厚みWは13μm以上23μm以下とされ、潤滑剤110の塗布重量が例えば600mgに調整されている。言い換えれば、潤滑剤110の塗布重量が600mgとなるように、未塗布領域100bの周方向長さや塗布厚みWは設定されてよい。
そして、図9(a)に示すように、定着ベルト100には外周の所定箇所に目印250が設けられている。第一目印としての目印250は、定着ベルト100の周方向において未塗布領域100bと所定の位置関係を有する箇所に設けられている。本実施形態の場合、図9(b)に示すように、未塗布領域100bは目印250を起点に時計回りに60°、180°、300°をそれぞれ含む3箇所に形成されている。
上記した塗布領域100aと未塗布領域100bとを有する定着ベルト100を加圧ユニット300に装着するために用いる、第2の実施形態に係るベルト装着補助具130Aを、図10(a)及び図10(b)に示す。図10(a)及び図10(b)に示すように、ベルト装着補助具130Aには定着ベルト100への挿入時に、定着ベルト100の目印250にあわせるためのベルト挿入目印145が設けられている。第二目印としてのベルト挿入目印145は、定着ベルト100の目印250にあわせた状態で、複数の凸状部131の周方向の位相と定着ベルト100の未塗布領域100bの周方向の位相が同じになる箇所に形成されている。即ち、ベルト装着補助具130Aの定着ベルト100への挿入時に、複数の凸状部131のそれぞれが定着ベルト100の未塗布領域100bに接触する位置に、ベルト挿入目印145は設けられる。本実施形態の場合、複数の凸状部131は定着ベルト100の未塗布領域100bと同様にして、ベルト挿入目印145を起点に時計回りに60°、180°、300°を含む3箇所に形成されている。
上記のベルト装着補助具130Aを用いて、加圧ユニット300に定着ベルト100を装着してベルトユニット200を製造する方法について、図11(a)乃至図11(c)を用いて説明する。
まず、潤滑剤塗布装置80(図6(b)参照)により定着ベルト100の内周面に潤滑剤110が塗布される(第一工程)。上述したように、本実施形態では、定着ベルト100の内周面に、潤滑剤110が塗布される塗布領域100aと、潤滑剤110が塗布されない未塗布領域100bとが形成される。なお、塗布領域100aでは、上述した第1の実施形態と同様にして、幅方向両端部から所定の範囲A、Bには潤滑剤110が塗布されていなくてもよい(図5(b)参照)。
潤滑剤110が塗布された定着ベルト100の内側に、上記のベルト装着補助具130Aを用いて加圧ユニット300を配置する(第二工程)。図11(a)に示すように、ベルト装着補助具130Aが加圧ユニット300の挿入方向先端に取り付けられる。加圧ユニット300を取り付けたベルト装着補助具130Aは、図11(b)に示すように、周方向においてベルト装着補助具130Aのベルト挿入目印145と定着ベルト100の目印250とがあわせられ、定着ベルト100の幅方向の一端部から挿入される。その後、ベルト挿入目印145と目印250とをあわせた状態が維持されたままで、ベルト装着補助具130Aが定着ベルト100の一端部から他端部まで移動される。ベルト装着補助具130Aの移動中、図11(c)に示すように、ベルト装着補助具130Aの複数の凸状部131が定着ベルト100の未塗布領域100bに接触する。そして、ベルト装着補助具130Aの表面132b並びに加圧ユニット300は、定着ベルト100の未塗布領域100bと塗布領域100aのどちらにも接触しない。こうして、ベルト装着補助具130Aを定着ベルト100の内周面に限定接触させながら定着ベルト100の内側を移動させ、加圧ユニット300を定着ベルト100の内周面に接触させることなく、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300が配置される。
そして、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置した状態で、ベルト装着補助具130Aを加圧ユニット300から取り外す(第三工程)。その後、加圧ユニット300の幅方向両端部に、上述したベルトガイド105(図3参照)を装着する(第四工程)。こうして、加圧ユニット300が定着ベルト100の内側に非回転に配置される。
以上のように、第2の実施形態の場合も、上述した第1の実施形態と同様に、ベルト装着補助具130Aの複数の凸状部131によって、挿入時に定着ベルト100と加圧ユニット300とが接触しないので、潤滑剤110が掻きとられることはない。また、第2の実施形態の場合、ベルト装着補助具130の複数の凸状部131が定着ベルト100の未塗布領域100bに接触されるため、ベルト装着補助具140によって潤滑剤110が掻きとられる虞もない。したがって、第2の実施形態は上述した第1の実施形態に比べて、より一層、定着ベルト100の内周面に塗布された潤滑剤110の量を減じさせることなく、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置し得る。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について、図12乃至図15(c)を用いて説明する。なお、第3の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にする。第3の実施形態に係るベルトユニット200Aを、図12に示す。
次に、第3の実施形態について、図12乃至図15(c)を用いて説明する。なお、第3の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して、説明を省略又は簡略にする。第3の実施形態に係るベルトユニット200Aを、図12に示す。
図12に示すように、第3の実施形態に係るベルトユニット200Aは、定着ベルト100の温度を検出するためのサーミスタ118を有する。検出手段としてのサーミスタ118は加熱ニップ部Nよりも定着ベルト100の回転方向下流側で定着ベルト100の内周面に当接されて、定着ベルト100の温度を検出可能に加圧ユニット300Aに設けられる。
第3の実施形態では、図13(b)に示すように、定着ベルト100の内周面に、潤滑剤110が塗布される塗布領域100aと、潤滑剤110が塗布されない未塗布領域100b、1001とが形成される。本実施形態の場合、複数の未塗布領域100bのうちの1つは(未塗布領域1001)、周方向においてサーミスタ118が当接される範囲を含むように形成されている。それ故、サーミスタ118が当接される範囲を含む未塗布領域1001の周方向長さは、他の未塗布領域100bの周方向長さよりも長くなっている。本実施形態の場合、図13(a)に示すように、定着ベルト100には外周の所定箇所に目印250が設けられている。そして、図13(b)に示すように、未塗布領域1001は、目印250を起点に時計回りに241°の位置から314°の位置に至る長さに形成されている。なお、他の未塗布領域100bは、時計回りに60°、180°を含む2箇所に形成されている。また、塗布領域100aに塗布する潤滑剤110の塗布厚みVは15μm以上25μm以下とされて、潤滑剤110の塗布重量が例えば600mgに調整されている。
上記したような周方向長さの異なる未塗布領域100b、1001を有する定着ベルト100を加圧ユニット300に装着するために用いる、第3の実施形態に係るベルト装着補助具130Bを、図14(a)及び図14(b)に示す。図14(a)及び図14(b)に示すように、ベルト装着補助具130Bには定着ベルト100への挿入時に、定着ベルト100の目印250にあわせるためのベルト挿入目印145が設けられている。ベルト挿入目印145は、定着ベルト100の目印250にあわせた状態で、複数の凸状部131、131Aの周方向の位相と定着ベルト100の未塗布領域100b、1001の周方向の位相が同じになる箇所に形成されている。本実施形態の場合、凸状部131の2つはベルト挿入目印145を起点に時計回りに60°、180°を含む2箇所に形成され、凸状部131Aはベルト挿入目印145を起点に時計回りに241°の位置から314°の位置に至る長さに形成されている。
上記のベルト装着補助具130Bを用いて、加圧ユニット300に定着ベルト100を装着してベルトユニット200Aを製造する方法について、図15(a)乃至図15(c)を用いて説明する。
まず、潤滑剤塗布装置80(図6(b)参照)により定着ベルト100の内周面に潤滑剤110が塗布される(第一工程)。上述したように、本実施形態では、定着ベルト100の内周面に、塗布領域100aと周方向長さの異なる未塗布領域100b、1001とが形成される。なお、塗布領域100aでは、上述した第1の実施形態と同様にして、幅方向両端部から所定の範囲A、Bには潤滑剤110が塗布されていなくてもよい(図5(b)参照)。
潤滑剤110が塗布された定着ベルト100の内側に、上記のベルト装着補助具130Bを用いて加圧ユニット300を配置する(第二工程)。図15(a)に示すように、ベルト装着補助具130Bが加圧ユニット300の挿入方向先端に取り付けられる。このとき、図15(b)に示すように、周方向においてベルト装着補助具130Bのベルト挿入目印145と定着ベルト100の目印250とがあわせられ、加圧ユニット300を取り付けたベルト装着補助具130Bが定着ベルト100に挿入される。その後、ベルト挿入目印145と目印250とをあわせた状態が維持されたままで、ベルト装着補助具130Bが定着ベルト100の一端部から他端部まで移動される。ベルト装着補助具130Bの移動中、図15(c)に示すように、ベルト装着補助具130Bの凸状部131が定着ベルト100の未塗布領域100bに接触し、凸状部131Aが未塗布領域1001に接触する。こうして、ベルト装着補助具130Bを定着ベルト100の内周面に限定接触させながら定着ベルト100の内側を移動させ、加圧ユニット300を定着ベルト100の内周面に接触させることなく、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300が配置される。
そして、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置した状態で、ベルト装着補助具130Bを加圧ユニット300から取り外す(第三工程)。その後、加圧ユニット300の幅方向両端部に、上述したベルトガイド105(図3参照)を装着する(第四工程)。こうして、加圧ユニット300が定着ベルト100の内側に非回転に配置される。
以上のように、第3の実施形態の場合、上述した第2の実施形態と同様に、ベルト装着補助具130Bの複数の凸状部131、131Aによって、挿入時に定着ベルト100と加圧ユニット300が接触しないので、潤滑剤110が掻きとられることはない。また、第3の実施形態の場合、サーミスタ118が当接される範囲に未塗布領域1001が形成され、ベルト装着補助具130Bの凸状部131Aが未塗布領域1001に接触されるため、サーミスタ118によって潤滑剤110が掻きとられる虞がない。このように、第3の実施形態においても、定着ベルト100の内周面に塗布された潤滑剤110の量を減じさせることなく、定着ベルト100の内側に加圧ユニット300を配置し得る。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、ベルト装着補助具の凸状部並びに定着ベルトの未塗布領域を3箇所に形成した場合を説明したが、これに限らず、凸状部並びに未塗布領域は4箇所以上に形成してもよい。また、凸状部並びに未塗布領域は周方向に等間隔に形成されていなくてもよい。凸状部は未塗布領域にあわせ、ベルト装着補助具を用いて定着ベルトに加圧ユニットを挿入する際に、定着ベルトの形状を規制できるように凸状部を結んで形成される多角形が定着ベルトの回転中心と重なるようにして、3箇所以上に形成されていればよい。
上述の各実施形態では、ベルト装着補助具の凸状部並びに定着ベルトの未塗布領域を3箇所に形成した場合を説明したが、これに限らず、凸状部並びに未塗布領域は4箇所以上に形成してもよい。また、凸状部並びに未塗布領域は周方向に等間隔に形成されていなくてもよい。凸状部は未塗布領域にあわせ、ベルト装着補助具を用いて定着ベルトに加圧ユニットを挿入する際に、定着ベルトの形状を規制できるように凸状部を結んで形成される多角形が定着ベルトの回転中心と重なるようにして、3箇所以上に形成されていればよい。
なお、上述の各実施形態では、画像の加熱側に定着ベルトを具備した定着装置40について説明したが、定着装置は、この定着方式に限定したものではない。例えば、本発明は、画像と反対の加圧側に、上述したように内周面に潤滑剤が塗布されている定着ベルトを具備した定着方式でも実施できる。また、定着ベルトに当接して加熱ニップ部を形成する回転体は、ローラ部材に限らずエンドレスベルトでもよい。この場合、何れのベルトについても、上述したように内周面に潤滑剤が塗布されている構成としてもよい。
また、画像形成装置に搭載される定着装置においては、熱源は電磁誘導加熱でも、ランプヒータでも、面状発熱抵抗体でもよい。即ち、加熱ニップ部の加熱方法は、抵抗加熱に限らず、輻射加熱、誘導加熱、ガス燃焼、ヒートパイプ等でもよい。定着装置は、画像の光沢や表面性を調整する加熱処理装置を含む。
また、画像形成装置は、フルカラーの画像形成装置に限らず、モノクロの画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ、複写機、これらの複数の機能を有する複合機の何れであってもよい。
100…エンドレスベルト(定着ベルト)、100b(1001)…未塗布領域、104a…取付部(被嵌合部)、102…加熱部材、103…加圧部材、105…規制部材(ベルトガイド)、110…潤滑剤、118…検出手段(サーミスタ)、130(130A、130B)…ベルト装着補助具、131(131A)…接触部(凸状部)、145…第二目印(ベルト挿入目印)、200(200A)…ベルトユニット、250…第一目印(目印)、300…当接部材(加圧ユニット)、N…加熱ニップ部、P…記録材
Claims (9)
- エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトに対し幅方向に挿入されることで前記エンドレスベルトの内側に非回転に配置されて、前記エンドレスベルトの内周面に当接する当接部材と、を備えたベルトユニットの製造方法であって、
前記エンドレスベルトの前記内周面に潤滑剤を塗布する第一工程と、
前記当接部材の挿入方向先端に、周方向に関し、配置後に当接する前記エンドレスベルトと前記当接部材との当接範囲よりも小さい範囲で前記エンドレスベルトの内周面に接触する複数の接触部を有し、前記複数の接触部の外接円が前記当接部材の外接円よりも大きいベルト装着補助具を取り付けて、前記ベルト装着補助具を先頭に前記エンドレスベルトに挿入し、前記当接部材を前記幅方向の一端から他端まで前記エンドレスベルトの内周面に接触させることなく移動させて、前記エンドレスベルトの内側に配置する第二工程と、
前記エンドレスベルトの内側に前記当接部材を配置した状態で、前記ベルト装着補助具を前記当接部材から取り外す第三工程と、を有する、
ことを特徴とするベルトユニットの製造方法。 - 前記接触部は、前記周方向において等間隔に離れた3箇所以上に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記第一工程において、前記エンドレスベルトの内周面のうち前記接触部と接触する箇所に、前記幅方向に亘って潤滑剤を塗布しない複数の未塗布領域を形成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記エンドレスベルトは、前記周方向において前記未塗布領域と所定の位置関係を有する第一目印が形成され、
前記ベルト装着補助具は、前記第一目印にあわせた状態で前記接触部と前記未塗布領域との前記周方向の位相が同じになる位置に第二目印が形成され、
前記第二工程において、前記周方向で前記第一目印と前記第二目印とをあわせて、前記ベルト装着補助具を前記エンドレスベルトに挿入する、
ことを特徴とする請求項3に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記当接部材は、前記エンドレスベルトに当接して前記エンドレスベルトを加熱する加熱部材と、前記加熱部材を支持して前記エンドレスベルトを加圧する加圧部材とを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記当接部材は、前記エンドレスベルトに当接して前記エンドレスベルトの温度を検出する検出手段を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記当接部材の前記幅方向の両端部に、前記エンドレスベルトを回転可能に保持すると共に、前記エンドレスベルトの前記幅方向の移動を規制する規制部材を取り付ける第四工程を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記当接部材は、前記規制部材を取り付け可能な取付部を有し、
前記ベルト装着補助具は、前記取付部に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載のベルトユニットの製造方法。 - 前記エンドレスベルトは、薄肉中空のフィルム状のベルトである、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のベルトユニットの製造方法。
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