JP2021001090A - ダイヤモンド基板の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021001090A
JP2021001090A JP2019114606A JP2019114606A JP2021001090A JP 2021001090 A JP2021001090 A JP 2021001090A JP 2019114606 A JP2019114606 A JP 2019114606A JP 2019114606 A JP2019114606 A JP 2019114606A JP 2021001090 A JP2021001090 A JP 2021001090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond substrate
diamond
inclusion
inclusions
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019114606A
Other languages
English (en)
Inventor
関 章憲
Akinori Seki
章憲 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2019114606A priority Critical patent/JP2021001090A/ja
Publication of JP2021001090A publication Critical patent/JP2021001090A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】インクルージョンを含まないダイヤモンド基板を提供する。【解決手段】第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し且つインクルージョンを含むダイヤモンド基板を1700℃以上の温度で熱処理して、前記インクルージョンの少なくとも一部を拡散させて前記ダイヤモンド基板の前記第1面または第2面に前記インクルージョンの少なくとも一部を放出させること、並びに前記熱処理したダイヤモンド基板の前記第1面または第2面における前記インクルージョンを放出させた部位、前記熱処理前に前記インクルージョンが含まれていた部位、及び前記インクルージョンが拡散した部位を除去すること、を含む、ダイヤモンド基板の製造方法。【選択図】図8

Description

本開示は、ダイヤモンド基板の製造方法に関する。
ダイヤモンド材料は、硬度が極めて高く、耐熱性にも優れている。また、絶縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きい、誘電率が小さい等、電気的特性にも優れている。更に、室温付近においては高い熱伝導性を示し、熱放散性も高い。
したがって、ダイヤモンド材料は、次世代の耐高温・耐放射線等極限環境用素子や高周波及び高出力素子用の半導体として使用されることが期待され、現在、かかる材料を用いた半導体の開発が進んでおり、特許文献1には、ダイヤモンド薄膜の結晶性を向上するために、高温アニールを行うことが開示されている。
特開2011−225440号公報
しかしながら、ダイヤモンド薄膜中にインクルージョンが存在するため、特許文献1のように高温アニールを行うと、インクルージョン成分がダイヤモンド薄膜の表面に拡散、噴出し、正常な素子特性を示さなくなるおそれがあった。
そのため、インクルージョンを含まないダイヤモンド基板が望まれている。
本発明は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し且つインクルージョンを含むダイヤモンド基板を1700℃以上の温度で熱処理して、前記インクルージョンの少なくとも一部を拡散させて前記ダイヤモンド基板の前記第1面または第2面に前記インクルージョンの少なくとも一部を放出させること、並びに
前記熱処理したダイヤモンド基板の前記第1面または第2面における前記インクルージョンを放出させた部位、前記熱処理前に前記インクルージョンが含まれていた部位、及び前記インクルージョンが拡散した部位を除去すること、
を含む、ダイヤモンド基板の製造方法を対象とする。
本発明によれば、インクルージョンを含まないダイヤモンド基板を得ることができる。
図1は、エピタキシャル層を表面に有するダイヤモンド基板の断面模式図である。 図2は、1700℃以上の熱処理で、インクルージョンを拡散させエピタキシャル層の表面に放出させたダイヤモンド基板の断面模式図である。 図3は、発熱体上に配置したダイヤモンド基板の断面模式図である。 図4は、発熱体の表面からダイヤモンド基板の結晶表面に向かって温度が低下する温度勾配を模式的に表すグラフである。 図5は、エピタキシャル層を表面に有するダイヤモンド基板の全ての表面に保護膜を形成したものの断面模式図である。 図6は、発熱体上に配置したダイヤモンド基板の断面模式図である。 図7は、1700℃で30分間熱処理を行ったダイヤモンド基板の表面の、光学顕微鏡による観察写真である。 図8は、1800℃で30分間熱処理を行ったダイヤモンド基板の表面の、光学顕微鏡による観察写真である。 図9は、1850℃で30分間熱処理を行ったダイヤモンド基板の表面の、光学顕微鏡による観察写真である。 図10は、熱処理を行ったダイヤモンド単結晶基板の切断位置を示す断面模式図である。 図11は、熱処理を行ったダイヤモンド単結晶基板の切断位置を示す断面模式図である。 図12は、1500℃で30分間熱処理を行ったダイヤモンド基板の表面の、光学顕微鏡による観察写真である。
合成ダイヤモンド基板の作製には、高温高圧法やCVD法が用いられている。
高温高圧法では、合成時に、溶媒金属の成分や、装置部材の腐食成分が、インクルージョンとしてダイヤモンド結晶中に混入し得る。したがって、高温高圧法で合成した基板には、溶媒成分(Fe、Ni、Coなど)や、WC等の炉材の腐食成分が混入し得る。
CVD法では、装置に付着する不純物や、装置部材と反応して形成された不純物の塊が、ダウンフォールとなって成長中に取り込まれて、インクルージョンとしてダイヤモンド結晶中に混入し得る。
CVD(プラズマCVD)では、チャンバー内に付着したグラファイト、B等のドーパント、装置部材(マイクロ波導入窓、基板ホルダー、チャンバー等)であるSiO2、Mo、Fe、Ni、Cr等がプラズマにさらされて、パーティクルや塊がダウンフォールとなって、成長中の結晶の中に取り込まれ得る。
CVD(熱フィラメントCVD)では、チャンバー内に付着したグラファイト、B等のドーパント、装置部材(フィラメント、基板ホルダー、チャンバー等)であるW、Mo、Fe、CrNi等が高温にさらされて、パーティクルや塊がダウンフォールとなって、成長中の結晶の中に取り込まれ得る。
このようなダイヤモンド基板中のインクルージョンが、素子配線や素子層に接触すると、素子の特性を大幅に低下させ得る。合成ダイヤモンドを切削用の工具等に用いる場合も、インクルージョンにより、破壊強度や寿命の低下も懸念される。
ダイヤモンド結晶の表面にインクルージョンが露出していると、配線抵抗の変化や配線間の短絡により、素子は正常な特性を示さなくなる。また、インクルージョンが表面に露出していなくても、素子中の電気伝導領域にインクルージョンが存在すると、素子の電気伝導特性を変化させ、特性を低下させ得る。
ダイヤモンド結晶の内部にあるインクルージョンが表面に露出すると、同様の現象が発生する。インクルージョンがダイヤモンド基板の内部に存在していても、ダイヤモンド基板に溝を形成することや、洗浄のためにダイヤモンド基板の表面をエッチングすることにより、ダイヤモンド基板の内部に存在するインクルージョンが基板の表面に露出し得る。インクルージョンからダイヤモンド基板の表面にはパイプ状の微小な空隙が存在しているので、ダイヤモンド基板にイオン注入を行った後のアニールにおいて高温の熱処理を行う等、ダイヤモンド基板が高温にさらされると、ダイヤモンド基板中のインクルージョン成分がパイプ状の微小な空隙を通ってダイヤモンド基板の表面に拡散し、噴出し得る。また、インクルージョン上の成長層には結晶欠陥が多く発生しており、高温の熱処理で、欠陥部が劣化またはグラファイト化して結晶が破壊されることにより、インクルージョン成分がダイヤモンド基板の表面に拡散、噴出し得る。
さらには、表面に露出したインクルージョンを除去すると、除去した箇所の結晶表面が浸食されやすく、または除去した箇所の結晶表面の形状が崩れやすくなる等により、意図しない凹凸が発生し得る。そのため、その上に配線を設けると、配線が断線することや、配線が薄くなり抵抗が高くなることが生じ得る。
また、ダイヤモンド基板を、半導体素子以外に用いる場合、例えば、切削や研削用の刃物に用いる場合、摩擦により温度が上昇してインクルージョンが拡散し、ダイヤモンド基板が破損し得る。
本発明は、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し且つインクルージョンを含むダイヤモンド基板を1700℃以上の温度で熱処理して、前記インクルージョンの少なくとも一部を拡散させて前記ダイヤモンド基板の前記第1面または第2面に前記インクルージョンの少なくとも一部を放出させること、並びに前記熱処理したダイヤモンド基板の前記第1面または第2面における前記インクルージョンを放出させた部位、前記熱処理前に前記インクルージョンが含まれていた部位、及び前記インクルージョンが拡散した部位を除去すること、を含む、ダイヤモンド基板の製造方法を対象とする。
本発明によれば、ダイヤモンド基板に混入したインクルージョンを1700℃以上の熱処理により顕在化させ、顕在化させたインクルージョン部位を除去するので、インクルージョンを含まないダイヤモンド基板を得ることができる。本発明の方法で作製したダイヤモンド基板を用いることにより、正常な素子特性を示すダイヤモンド素子を作製することができる。
本願において、ダイヤモンド基板は、ダイヤモンド基板単体、または単結晶ダイヤモンド層(エピタキシャル層)を表面に有するダイヤモンド基板を含む。図1に、エピタキシャル層16(以下、エピ層ともいう)を表面に有するダイヤモンド基板10の断面模式図を示す。ダイヤモンド基板は、少なくとも一部がドーピングされていてもよい。
ダイヤモンド基板は、単結晶または多結晶であることができ、好ましくは単結晶である。ダイヤモンド基板は、高温高圧法またはCVD法で作製したものであることができる。ダイヤモンド基板は、好ましくは、面方位が、(001)、(110)、(001)2°オフ、または(111)であることができる。
図1に示すように、ダイヤモンド基板10には、インクルージョン30が含まれ得る。インクルージョン10は、上記のように、高温高圧法によるダイヤモンド基板の合成時に溶媒金属や装置部材の成分がダイヤモンド結晶中に混入するものや、CVD法によるダイヤモンド基板の合成時に装置に付着する不純物や装置部材と反応して形成された不純物の塊がダウンフォールとなって、ダイヤモンド結晶の成長中に取り込まれるものが挙げられる。
エピ層は、少なくとも一部がドーピングされていてもよい。エピ層の厚みは、好ましくは0.5〜2μmである。
本発明においては、ダイヤモンド基板を1700℃以上で熱処理することで、図2に示すように、インクルージョン30の少なくとも一部を拡散させ、ダイヤモンド基板の表面に放出させて、インクルージョンを顕在化させることができる。インクルージョンの放出箇所(以下、インクルージョン部位ともいう)を観察して、インクルージョンの有無及びインクルージョンの位置を特定することができる。インクルージョンは、1700℃以上の熱処理により、インクルージョンからダイヤモンド基板の表面に存在しているパイプ状の微小な空隙を通って拡散させ、ダイヤモンド基板の表面に放出させることができる。また、インクルージョン上の成長層には結晶欠陥が多く発生しており、高温の熱処理で、欠陥部が劣化またはグラファイト化して結晶が破壊されることにより、インクルージョン成分をダイヤモンド基板の表面に拡散、噴出し得る。
ダイヤモンド基板がエピ層を有する場合は、図2に示すように、インクルージョン30の少なくとも一部を拡散させ、エピ層の表面に放出させて、インクルージョンを顕在化させることができる。図2において、インクルージョン30から表面の放出箇所までを、拡散・放出部31として示す。図2は、1700℃以上の熱処理で、インクルージョンを拡散させエピ層の表面に放出させたダイヤモンド基板の断面模式図である。
インクルージョンを、インクルージョンからダイヤモンド基板の表面に存在しているパイプ状の微小な空隙を通って拡散させてダイヤモンド基板の表面に放出させると、インクルージョンが蒸発して無くなった箇所が空隙として残存する。図2に、インクルージョンの拡散・放出部を、拡散・放出部31として示す。熱処理温度が高いほど、インクルージョン成分の多くの割合が拡散し表面から蒸発(放出)して、空隙の表面積が増加する。1700℃以上の熱処理でインクルージョンを放出させて形成された空隙は、表面積が大きいため、黒鉛化が他の箇所よりも促進されるので黒色になり、黒鉛化されていない正常部と区別することができる。このようにしてインクルージョン部位を判別することができる。1700℃未満の熱処理では、空隙の表面に黒鉛化がほとんど起こらず、色の変化が無いか、色の変化があってもがわずかなので、インクルージョン部位を判別することが難しい。
熱処理温度は、好ましくは1800℃以上、より好ましくは1850℃以上である。熱処理温度が前記好ましい範囲であることにより、正常部の色と溝部の色との差をより大きくすることができ、インクルージョンの検出をより容易に行うことができる。熱処理温度は、ダイヤモンド基板の正常部の黒鉛化抑制の観点から、好ましくは、2000℃、1950℃、または1900℃である。
熱処理時間は、好ましくは30分間以上、より好ましくは60分間以上である。熱処理時間の上限は特に限定されないが、例えば、10時間または5時間であってもよい。
熱処理雰囲気は、好ましくは、Ar、He、N2等の不活性ガスである。圧力は、好ましくは大気圧である。
熱処理は、ダイヤモンド基板10を、発熱体上に配置または熱処理炉内に配置して行うことができ、より好ましくは、図3に示すように、発熱体上に配置して行うことができる。図3は、発熱体上に配置したダイヤモンド基板の断面模式図である。発熱体は、例えば、ホットプレート等のヒーターであることができる。
ダイヤモンド基板単体を発熱体上に配置して熱処理を行う場合、ダイヤモンド基板の主面である第1面及び第2面のうち任意の面が発熱体に接するように、ダイヤモンド基板を発熱体上に配置すればよい。
単結晶ダイヤモンド層(エピ層)を表面に有するダイヤモンド基板を発熱体上に配置して熱処理を行う場合、好ましくは、図3に示すように、エピ層16が上側になるように(発熱体40とは反対側になるように)ダイヤモンド基板10を発熱体40上に配置して熱処理を行う。
ダイヤモンド基板を発熱体上に配置して熱処理を行うことにより、図4に示すように、発熱体の表面からダイヤモンド基板の結晶表面に向かって、温度が低下する温度勾配を形成することができる。図4において、破線の温度勾配よりも実線の温度勾配が大きく、実線の温度勾配の方が、インクルージョンのダイヤモンド基板の表面への拡散及び放出をより促進することができる。温度勾配の範囲は、ダイヤモンド基板中のインクルージョンの混入状態に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは1〜50℃/mmであり、より好ましくは20〜50℃/mmである。
好ましくは、熱処理を行う前に、図5に示すように、ダイヤモンド基板10の全ての表面に保護膜14を形成する。図5は、エピ層16を表面に有するダイヤモンド基板10の全ての表面に保護膜14を形成したものの断面模式図である。
ダイヤモンド基板の全ての表面に保護膜14を形成することにより、熱処理の際にダイヤモンド基板の表面が黒鉛化することを抑制することができる。ダイヤモンド基板の全ての表面に保護膜14を形成した場合でも、図6に示すように、熱処理により、インクルージョンを、ダイヤモンド基板を被覆する保護層14の表面に拡散、放出させることができる。保護膜を形成することにより、熱処理後における、ダイヤモンド基板のインクルージョンの放出箇所と正常部との平坦性の差が顕著になり、インクルージョンの検出性を向上することができる。
保護膜としては、高温で劣化しないものが用いられ、好ましくは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラファイト、アモルファスカーボン、またはそれらの混合物であり、より好ましくは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)またはグラファイトである。
保護膜は、CVD法またはプラズマCVD法を用いて形成することができる。保護膜の厚さは、ダイヤモンド基板の厚さ等に応じて調整すればよいが、好ましくは60〜100nmである。保護膜の厚さが60nm以上であることにより、熱に対する保護性をより向上することができる。保護膜の厚さが100nm以下であることにより、保護膜とダイヤモンド基板との密着性をより向上することができる。
熱処理でインクルージョンが放出された箇所を、光学顕微鏡で観察し、インクルージョン放出箇所を特定することができる。図7〜9に、それぞれ、1700℃、1800℃、及び1850℃で30分間熱処理を行ったダイヤモンド基板の表面の、光学顕微鏡による観察写真を示す。実線で囲んだ箇所が、インクルージョン放出箇所である。
保護膜を形成する場合、好ましくは、保護膜を除去してから、熱処理によるインクルージョンの放出箇所を光学顕微鏡で観察する。保護膜を除去することにより、インクルージョン放出箇所の検出性をさらに向上することができる。
保護膜は、熱混酸(硫酸と硝酸の混合液、温度200℃)に、保護膜を形成したダイヤモンド基板を浸漬することにより、除去することができる。
図10に示すように、熱処理により基板の表面に放出されたインクルージョン部位を含む部分を除去する。
インクルージョン部位を含む部分の除去は、図10に破線で示すように、インクルージョンが表面に放出された部位(インクルージョン部位)が除去部分に含まれるように、ダイヤモンド基板の主面である第1面11及び第2面12に垂直方向に、切断または研磨することが好ましい。図10の破線は、切断位置または研磨により露出させる面の位置である。このように切断または研磨することにより、インクルージョンが表面に放出された部位、熱処理前にインクルージョンが含まれていた部位、及びインクルージョンが拡散した部位を除去することができる。切断は任意の方法で行うことができ、例えば、レーザで切断してもよい。
インクルージョンが確認された部位を除去した基板を用いて、正常な素子特性を示す半導体素子を作成することができる。
(実施例1)
Ar雰囲気の大気圧下でのCVD法にて形成した(001)面方位を有する合成ダイヤモンドの単結晶基板を、熱混酸(硫酸と硝酸の混合液、温度200℃)処理した。これにより、表面の黒鉛を除去した清浄な表面を持ったダイヤモンド基板を得た。
熱混酸処理を行ったダイヤモンド単結晶基板の表面に、マイクロ波プラズマCVDで、原料ガスとしてH2及びCH4を用いて、膜厚2μmのエピ層16を形成した。
エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板10を、1800℃に加熱したホットプレート(発熱体)上に配置して、大気圧Ar雰囲気にて30分間、熱処理を行った。
熱処理を行ったダイヤモンド単結晶基板のインクルージョン放出箇所を光学顕微鏡で観察して特定した。図8に、エピ層からインクルージョンが放出されたダイヤモンド単結晶基板の上面から観察した光学顕微鏡写真を示す。インクルージョンの放出部位、熱処理前にインクルージョンが含まれていた部位、及びインクルージョンが拡散した部位を除去するように、図10に模式的に示す破線部をレーザで切断した。
(実施例2)
熱処理温度を1700℃にしたこと以外は実施例1と同じ方法で、エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板を作製し、熱処理を行った。
図7に、エピ層からインクルージョンが放出されたダイヤモンド単結晶基板の上面から観察した光学顕微鏡写真を示す。インクルージョンの放出部位、熱処理前にインクルージョンが含まれていた部位、及びインクルージョンが拡散した部位を除去するように、図10に模式的に示す破線部をレーザで切断した。
(実施例3)
熱処理温度を1850℃にしたこと以外は実施例1と同じ方法で、エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板を作製し、熱処理を行った。
図9に、エピ層からインクルージョンが放出されたダイヤモンド単結晶基板の上面から観察した光学顕微鏡写真を示す。インクルージョンの放出部位、熱処理前にインクルージョンが含まれていた部位、及びインクルージョンが拡散した部位を除去するように、図10に模式的に示す破線部をレーザで切断した。
(実施例4)
実施例1と同じ方法で、エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板を作製した。
エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板の周囲に、プラズマCVD装置で、原料ガスにアセチレン(C22)ガスを用いて、厚さ80nmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)の保護膜14を形成した。保護膜14の厚みは10箇所の厚みの平均値である。
保護膜14を形成したダイヤモンド単結晶基板を、1800℃に加熱したヒーター(発熱体)上に配置して、大気圧Ar雰囲気にて30分間、熱処理を行った。
熱処理を行ったダイヤモンド単結晶基板を、熱混酸(硫酸と硝酸の混合液、温度200℃)に5分間浸漬して、保護膜を除去した。
保護膜を除去したダイヤモンド単結晶基板のインクルージョン発生部を光学顕微鏡で観察し、インクルージョンの放出部位、熱処理前にインクルージョンが含まれていた部位、及びインクルージョンが拡散した部位を除去するように、図11に模式的に示す破線部をレーザで切断した。図11において、熱混酸処理を行い、残存していたインクルージョンのうち少なくとも一部が除かれた拡散・放出部を、インクルージョン除去後の拡散・放出部32として示す。
(比較例1)
熱処理温度を1500℃にしたこと以外は実施例1と同じ方法で、エピ層16を有するダイヤモンド単結晶基板を作製し、熱処理を行った。
図12に、エピ層からインクルージョンが放出されたダイヤモンド単結晶基板の上面から観察した光学顕微鏡写真を示す。インクルージョンの放出箇所が確認できなかった。
10 ダイヤモンド基板
11 ダイヤモンド基板の第1面
12 ダイヤモンド基板の第2面
14 保護膜
16 エピ層
30 インクルージョン
31 拡散・放出部
32 インクルージョン除去後の拡散・放出部
40 発熱体

Claims (1)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し且つインクルージョンを含むダイヤモンド基板を1700℃以上の温度で熱処理して、前記インクルージョンの少なくとも一部を拡散させて前記ダイヤモンド基板の前記第1面または第2面に前記インクルージョンの少なくとも一部を放出させること、並びに
    前記熱処理したダイヤモンド基板の前記第1面または第2面における前記インクルージョンを放出させた部位、前記熱処理前に前記インクルージョンが含まれていた部位、及び前記インクルージョンが拡散した部位を除去すること、
    を含む、ダイヤモンド基板の製造方法。
JP2019114606A 2019-06-20 2019-06-20 ダイヤモンド基板の製造方法 Pending JP2021001090A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019114606A JP2021001090A (ja) 2019-06-20 2019-06-20 ダイヤモンド基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019114606A JP2021001090A (ja) 2019-06-20 2019-06-20 ダイヤモンド基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021001090A true JP2021001090A (ja) 2021-01-07

Family

ID=73994761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019114606A Pending JP2021001090A (ja) 2019-06-20 2019-06-20 ダイヤモンド基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021001090A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108884593B (zh) 多晶SiC基板及其制造方法
US10480096B2 (en) Diamond substrate
JP6232329B2 (ja) SiC種結晶の加工変質層の除去方法、SiC種結晶及びSiC基板の製造方法
WO1997039476A1 (fr) ELEMENT EN SiC ET SON PROCEDE DE PRODUCTION
JP4473769B2 (ja) 炭化珪素単結晶の焼鈍方法
JP6450920B2 (ja) ダイヤモンド基板及びダイヤモンド基板の製造方法
JP4832067B2 (ja) シリコン部材およびその製造方法
JP2010064918A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法、炭化珪素単結晶ウェーハ及び炭化珪素単結晶半導体パワーデバイス
JP2005353771A (ja) SiC半導体装置の製造方法
JP6219238B2 (ja) サセプタ及びその製造方法
JP3963154B2 (ja) 炭化珪素ショットキーバリアダイオードの製造方法
JP5772635B2 (ja) 炭化珪素単結晶基板の製造方法
JP4278635B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2005068002A (ja) タンタルの炭化物、タンタルの炭化物の製造方法、タンタルの炭化物配線、タンタルの炭化物電極
JP2021001090A (ja) ダイヤモンド基板の製造方法
JP4661039B2 (ja) 炭化珪素基板の製造方法
JP5673107B2 (ja) 炭化珪素半導体デバイスの作製方法
JP2010205866A (ja) シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法およびシリコンエピタキシャルウェーハ
WO2020059810A1 (ja) デバイス作製用ウエハの製造方法
JP5621185B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体装置
US9633843B2 (en) Silicon substrates with compressive stress and methods for production of the same
JP2020059648A (ja) ダイヤモンド基板及びダイヤモンド基板の製造方法
JP6472016B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
US11339053B2 (en) Nitride crystal
JP2018206925A (ja) アニール装置及び半導体ウェハの製造方法