A.定義
本明細書で使用される場合、有機化合物などの化合物の命名法は、一般名、IUPAC、IUBMB、又はCAS推奨命名法を用いて提供することができる。1以上の立体化学的特徴が存在する場合、立体化学についてのカーン・インゴルド・プレローグ順位則を用いて、立体化学的優先度、E/Z特定などを指定することができる。当業者であれば、名前が提供されたら、命名の慣例を用いる化合物構造の体系的変換(reduction)によって、又は市販のソフトウェア、例えばChemDraw(商標名)(Cambridgesoft Corporation, U.S.A.)によって、化合物の構造を容易に確認することができる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は、文脈によって他の形で明瞭に指定されていない限り、複数対象物を含むものである。従って、例えば、「一つの官能基」、「一つのアルキル」又は「一つの残基」と言う場合、それは、2以上のそのような官能基、アルキル又は残基などの混合物を含む。
本明細書において、範囲は、「約」一つの特定値から及び/又は「約」別の特定値までのように表現することができる。そのような範囲が表現されている場合、さらなる態様は、その一つの特定値から及び/又は他の特定値までを含む。同様に、先行語である「約」を用いることで値が近似値として表現されている場合、その特定の値がさらなる態様を形成することは明らかであろう。各範囲の端の値は他方の端の値との関連で、そして他方の端の値から独立に重要であることはさらに明らかであろう。本明細書では多くの値が開示されており、本明細書においては各値が、その値自体を含めて「約」その特定値としても開示されていることも明らかであろう。例えば、「10」という値が開示されている場合、「約10」も開示される。二つの特定の単位の間の各単位も開示されることも明らかである。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13、及び14も開示される。
本明細書及び末尾の特許請求の範囲において、組成物中の特定の要素若しくは成分の重量部に言及している場合、それは、その要素若しくは成分とその組成物若しくは物品中のいずれか他の要素若しくは成分の間の重量関係(重量部が表されている)を指す。従って、成分Xを2重量部及び成分Yを5重量部含む化合物では、X及びYは2:5の重量比で存在し、別の成分が化合物中に含まれるか否かを問わず、そのような比で存在する。
逆の内容が具体的に記されていない限り、ある成分の重量パーセント(wt%)は、その成分が含まれる製剤又は組成物の総重量に基づくものである。
本明細書で使用される場合、「ENPP1」という用語は、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼを指す。
本明細書で使用される場合、「任意の」若しくは「任意に」という用語は、それに続いて記載される事象若しくは状況は起こり得るか起こり得ないものであること、そして、その記述が前記の事象若しくは状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、「対象者」という用語は、脊椎動物、例えば哺乳動物、魚、鳥、爬虫類又は両生類であることができる。従って、本明細書に開示の方法の対象者は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット又は齧歯類であることができる。その用語は、特定の年齢や性別を示すものではない。従って、雄か雌かを問わず、成体及び新生対象者、並びに胎児が網羅されるものである。1態様において、対象者は哺乳動物である。患者は、疾患又は障害を患っている対象者を指す。「患者」という用語は、ヒト及び動物対象者を含む。開示の方法の一部の態様において、対象者は、投与するステップの前に、ENPP1機能不全関連の無制御の細胞増殖の障害の治療が必要であると診断されている。開示の方法の一部の態様において、対象者は、投与するステップの前に、ENPP1の阻害が必要であると診断されている。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、疾患、病的状態又は障害を治癒、改善、安定化若しくは予防することを目的とした患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的治療、即ち、特に疾患、病的状態若しくは障害の改善に向けた治療を含み、さらには、原因治療、即ち、関連する疾患、病的状態若しくは障害の原因の除去に向けた治療も含む。さらに、この用語は、緩和治療、即ち、疾患、病的状態若しくは障害の治癒ではなく症状の緩和に向けた治療;予防的処置、即ち、関連する疾患、病的状態若しくは障害を軽減又は部分的若しくは完全に阻害することを目的とする治療;及び支持療法、即ち、関連する疾患、病的状態若しくは障害の改善に向けた別の特定の治療法を補完するのに用いられる治療を含む。各種態様において、その用語は、対象者、例えば哺乳動物(例えば、ヒト)の治療を包含し、(i)疾患に罹りやすい可能性があるが、まだそれに罹っていると診断されていない対象者でその疾患が起こるのを防止すること;(ii)疾患を阻害すること、即ち、それらの進行を停止させること;又は(iii)疾患を緩和すること、即ち、疾患の退行を生じさせることを含む。1態様において、対象者は、霊長類などの哺乳動物であり、さらに別の態様において、対象者はヒトである。「対象者」という用語は、飼育動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、及び実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエ、ゼブラフィッシュなど)も含む。
本明細書で使用される場合、「予防する」又は「予防」という用語は、特には事前の作用によって、何かが起こるのを排除、回避、未然防止、食い止め、停止若しくは妨害することを指す。軽減する、阻害する又は予防する、を本明細書で使用する場合、具体的に別段の断りがない限り、他の二つの言葉の使用も明瞭に開示されていることは明らかである。
本明細書で使用される場合、「診断された」という用語は、当業者、例えば医師による検診を受けたこと、並びに本明細書に開示の化合物、組成物若しくは方法によって診断若しくは治療可能な状態を有することが認められたことを意味している。例えば、「無制御の細胞増殖の障害と診断された」は、当業者、例えば医師による検診を受けたこと、及びENPP1を阻害することができる化合物若しくは組成物によって診断若しくは治療可能な状態を有することが認められたことを意味している。さらなる例として、「ENPP1の阻害を必要とすると診断された」は、当業者、例えば医師による検診を受けて、ENPP1機能不全を特徴とする状態を有すると認められたことを指す。そのような診断は、本明細書で述べるように、障害、例えば無制御の細胞増殖、がんなどに関するものであることができる。例えば、ENPP1機能不全に関連する無制御の細胞増殖の1以上の障害の治療が必要と診断された」は、当業者、例えば医師による検診を受けて、ENPP1機能不全に関連する無制御の細胞増殖の1以上の障害を有すると認められたことを意味する。
本明細書で使用される場合、「障害の治療が必要であると確認された」等の表現は、障害の治療の必要性に基づく対象者の選択を指す。例えば、対象者は、当業者による初期診断に基づいて障害(例えば、ENPP1の機能不全に関連する障害)の治療の必要性を有すると確認され、その後、その障害についての治療を受けることができる。その確認は、1態様において、診断を行う者とは異なる者によって行うことが可能であることが想到される。さらなる態様において、その確認後に投与を行った者によって投与を実施することが可能であることが想到される。
本明細書で使用される場合、「投与する」及び「投与」という用語は、対象者に医薬製剤を提供する方法を指す。そのような方法は当業者には公知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、経膣投与、点眼投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、尿道内投与、及び非経口投与、例えば注射、例えば静脈投与、動脈投与、筋肉投与、及び皮下投与などがあるが、これらに限定されるものではない。投与は連続的又は間欠的であることができる。各種態様において、製剤を治療的に投与することができる。即ち、既存の疾患若しくは状態を治療するのに投与される。さらなる各種態様において、製剤は予防的に投与することができる。即ち、疾患若しくは状態の予防のために投与する。
本明細書で使用される場合、「接触させる」という用語は、化合物が、直接に;即ち、標的自体との相互作用することで、又は間接的に;即ち、標的の活性が依存している別の分子、補因子、因子若しくはタンパク質と相互作用することで、標的(例えば、受容体、細胞など)の活性に影響し得る形で、開示化合物と細胞、標的受容体、又は他の生物学的実体を集めることを指す。
本明細書で使用される場合、「有効量」及び「有効な量」という用語は、所望の結果を達成するか、望ましくない状態に対する効果を有するのに十分な量を指す。例えば、「治療上有効量」は、所望の治療結果を達成するか、望ましくない症状に対する効果を有するのに十分であるが、有害副作用を引き起こすには概して不十分である量を指す。特定の患者についての具体的な治療上有効用量レベルは、治療される障害及びその障害の重度;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事;投与時刻;投与経路;用いられる具体的な化合物の排出速度;治療期間;用いられる具体鉄器な化合物と併用若しくは同時投与される薬剤などの医学界で公知の要素などの各種要素によって決まる。例えば、化合物の用量を、所望の効果を達成するのに必要な用量より低く開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増やすことは、当業界の技術の範囲内である。所望の場合、有効な1日用量を、投与するのに複数用量に分割することができる。結果的に、単一用量組成物は、1日用量を構成するような量又はそれの分割量を含むことができる。投与量は、何らかの禁忌がある場合には、個々の医師が調節することが可能である。投与量は変動し得るものであり、1以上の用量投与を1日1回、1日間又は数日間行うことができる。所定の種類の医薬製品についての適切な投与量に関する文献に指針が記載されている。さらなる各種態様において、製剤は、「予防上有効量」、即ち、疾患若しくは状態の予防に有効な量で投与することができる。
本明細書で使用される場合、「EC50」は、生理プロセス若しくはプロセスの成分、例えばタンパク質、サブユニット、オルガネラ、リボ核タンパク質の50%作動作用又は活性化に必要な物質(例えば、化合物若しくは薬物)の濃度を指すものである。1態様において、EC50は、本明細書中の他の箇所でさらに定義されるように、イン・ビボでの50%作動作用若しくは活性化に必要な物質の濃度を指すことができる。さらなる態様において、EC50は、基底線と最大応答の間の中間応答を誘起する作動薬若しくは活性化剤(activator)の濃度を指す。
本明細書で使用される場合、「IC50」は、生理プロセス、又はプロセスの成分、例えばタンパク質、サブユニット、オルガネラ、リボ核タンパク質などの50%阻害に必要な物質(例えば、化合物若しくは薬物)の濃度を指すものである。例えば、IC50は、本明細書の他の箇所でさらに定義されるように、イン・ビボでの50%阻害に必要な物質の濃度を指すことができ、又はその阻害は、イン・ビトロで測定される。或いは、IC50は、物質の最大半量(50%)阻害濃度(IC)を指す。阻害は、AN3 CA、BT−20、BT−549、HCT 116、HER218、MCF7、MDA−MB−231、MDA−MB−235、MDA−MB−435S、MDA−MB−468、PANC−1、PC−3、SK−N−MC、T−47D、及びU−87MGなどの細胞系で測定することができる。
「薬学的に許容される」という用語は、生理的に又は他の形で不所望ではない材料、即ち、許容できないレベルの不所望の生理効果や有害な形での相互作用を引き起こさない材料を説明するものである。
本明細書で使用される場合、「安定な」という用語は、それらの製造、検出、及びある種の態様では、それらの回収、精製及び本明細書に開示の目的の1以上での使用を可能とする条件下にある場合に、ほぼ変化しない化合物を指す。
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、親化合物(例えば、本明細書で開示の化合物)の構造から誘導された構造を有し、その構造が本明細書に開示のものと十分に類似しており、その類似性に基づき、当業者によって、特許請求の化合物と同一若しくは同様の活性及び有用性を示すか、前駆体として、特許請求の化合物と同一若しくは同様の活性及び有用性をもたらすものと予想される化合物を指す。誘導体の例には、親化合物の塩、エステル、アミド、エステル若しくはアミドの塩、及びN−オキサイドなどがある。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、無菌の水性若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液若しくは乳濁液、並びに使用直前に無菌注射液若しくは分散液で再生する無菌粉末を指す。好適な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶媒又は媒体の例には、水、エタノール、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロース及びこれらの好適な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類、例えばオレイン酸エチルなどがある。例えば、レシチンなどのコーティング材料を用いることで、分散液の場合に必要な粒径を維持することで、及び界面活性剤を用いることで、適切な流動性を維持することができる。これらの組成物は、補助剤、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含むこともできる。微生物の作用の防止は、各種抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有させることで行うことができる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を含有させることが望ましいことがあり得る。モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの化学剤を含有させることで、注射医薬製剤の長期吸収を引き起こすことができ、これは、吸収を遅延させる。注射デポー製剤は、生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)中で薬剤のマイクロカプセルマトリクスを形成することで作られる。薬剤:ポリマーの比及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬剤放出速度を制御することができる。デポー注射製剤は、薬剤を、身体組織と適合性であるリポソームやマイクロエマルション中に取り込むことによっても調製される。注射製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過により、又は使用直前に滅菌水その他滅菌注射媒体に溶解若しくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。好適な不活性担体は、乳糖などの糖を含むことができる。望ましくは、少なくとも95重量%の有効成分粒子が、0.01〜10μmの範囲の有効粒子径を有する。
本明細書及び末尾の特許請求の範囲で使用される場合、化学種の残基は、特定の反応図式又はそれに続く製剤又は化学生成物における化学種の得られる生成物である部分(その部分が実際にその化学種から得られるかどうかとは無関係に)を指す。従って、ポリエステル中のエチレングリコール残基は、エチレングリコールをそのポリエステルの製造に用いたか否かとは無関係に、ポリエステル中の1以上の−OCH2CH2O−単位を指す。同様に、ポリエステル中のセバシン酸残基は、その残基がセバシン酸若しくはそれのエステルを反応させてポリエステルを得ることで得られるか否かとは無関係に、ポリエステル中の1以上の−CO(CH2)8CO−部分を指す。
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが想定される。広い態様では、許容される置換基には、有機化合物の非環状及び環状、分岐及び未分岐、炭素環式及び複素環式、並びに芳香族及び非芳香族置換基が含まれる。例示的な置換基には、例えば下記で記載のものなどがある。許容される置換基は、適切な有機化合物について1以上であることができ、そして同一若しくは異なっていることができる。本開示に関して、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基及び/又はそのヘテロ原子の価数を満足する本明細書に記載の誘起化合物の許容される置換基を有することができる。本開示は、有機化合物の許容される置換基によっていかなる形でも限定されるものではない。さらに、「置換」又は「で置換されている」という用語は、そのような置換が置換された原子及び置換基の許容される価数に従うものであるという、そして、その置換によって安定な化合物、例えば転位、環化、脱離などによる変換を自然には受けない化合物を生じるという暗黙の条件を含むものである。ある種の態様において、逆の内容が明瞭に示されていない限り、個々の置換基はさらに置換されていても良いことも想定される(即ち、さらに置換されているか、置換されていない)。
各種用語を定義するにおいて、「A1」、「A2」、「A3」及び「A4」を、各種具体的な置換基を表すための包括的記号として本明細書では使用する。これらの記号は、本明細書に開示のものに限らないあらゆる置換基であることができ、それらがある例においてある種の置換基であると定義される場合、それらは、別の例では、何らかの他の置換基と定義されていることができる。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1〜24個の炭素原子の分岐若しくは未分岐炭化水素基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。アルキル基は、環状であるか非環状であることができる。アルキル基は分岐又は未分岐であることができる。アルキル基はまた、置換されていても置換されていなくても良い。例えば、アルキル基は、1以上の基、例えば本明細書で記載のようなアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、又はチオール(これらに限定されるものではない)で置換されていることができる。「低級アルキル」基は、1〜6個(例えば、1〜4個)の炭素原子を含むアルキル基である。
例えば、「C1−C3アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、及びシクロプロピルから、又はそれらの下位集合から選択することができる。ある種の態様において、「C1−C3アルキル」基は、さらに置換されていても良い。さらなる例として、「C1−C4アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、及びシクロブチルから、又はそれらの下位集合から選択することができる。ある種の態様において、「C1−C4アルキル」基はさらに置換されていても良い。さらなる例として、「C1−C6アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、及びシクロヘキサンから、又はそれらの下位集合から選択することができる。ある種の態様において、「C1−C6アルキル」基はさらに置換されていても良い。さらなる例として、「C1−C8アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン及びシクロオクタンから、又はそれらの下位集合から選択することができる。ある種の態様において、「C1−C8アルキル」基はさらに置換されていても良い。さらなる例として、「C1−C12アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、シクロノナン、デカン、シクロデカン、ウンデカン、シクロウンデカン、ドデカン、及びシクロドデカンから、又はそれらの下位集合から選択することができる。ある種の態様において、「C1−C12アルキル」基はさらに置換されていても良い。
本明細書を通じて、「アルキル」は、置換されていないアルキル基及び置換されているアルキル基の両方を指すのに用いられる。しかしながら、置換されているアルキル基はまた、本明細書においては、アルキル基上の特定の置換基を特定することで、具体的に言及される。例えば、「ハロゲン化アルキル」又は「ハロアルキル」という用語は、具体的には、1以上のハライド、例えばフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素で置換されているアルキル基を指す。「アルコキシアルキル」という用語は具体的には、下記に記載のような1以上のアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。「アルキルアミノ」という用語は具体的には、下記に記載のような1以上のアミノ基などで置換されているアルキル基を指す。ある例で「アルキル」を用い、別の例で「アルキルアルコール」などの特定の用語を用いる場合、それは、「アルキル」という用語が、「アルキルアルコール」などの特定の用語も指してはいないことを示唆するものではない。
この実務は、本明細書に記載されている他の基についても用いられる。即ち、「シクロアルキル」などの用語は、置換されていないシクロアルキル部分及び置換されているシクロアルキル部分の両方を指すが、置換されている部分はさらに、本明細書において具体的に特定することができる。例えば、特定の置換されているシクロアルキルを、例えば、「アルキルシクロアルキル」と言うことができる。同様に、置換されているアルコキシは具体的には、例えば、「ハロゲン化アルコキシ」と称することができ、特定の置換されているアルケニルは、例えば「アルケニルアルコール」などと称することができる。やはり、「シクロアルキル」などの一般用語及び「アルキルシクロアルキル」などの特定用語を用いる実務は、その一般用語が特定用語も含まないことを示唆するものではない。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、少なくとも3個の炭素原子からなる非芳香族系環である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、上記で定義の一種のシクロアルキル基であり、環の炭素原子の少なくとも1個が窒素、酸素、硫黄若しくはリンなど(これらに限定されるものではない)のヘテロ原子によって置き換わっている「シクロアルキル」という用語の意味の範囲内である。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、置換されていても置換されていなくても良い。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、本明細書で記載のようなアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミド、又はチオールなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基で置換されていることができる。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼンなど(これらに限定されるものではない)の炭素系芳香族基を含む基である。「アリール」という用語は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基を含む基と定義される「ヘテロアリール」も含む。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素、硫黄及びリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。同様に、「非ヘテロアリール」という用語(「アリール」という用語にも含まれる)は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義するものである。アリール基は、置換されていても置換されていなくても良い。アリール基は、本明細書で記載のようなアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミド又はチオールなど(これらに限定されるものではない)の1以上の基で置換されていることができる。「ビアリール」という用語は、特定の種類のアリール基であり、「アリール」の定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンの場合のように縮合環構造を介して一緒に結合しているか、ビフェニルの場合のように1以上の炭素−炭素結合を介して結合している2個のアリール基を指す。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」、「ハライド」及び「ハロ」という用語は、ハロゲンであるフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。各種態様において、ハロゲンを、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択可能であることも想定される。例えば、ハロゲンは、フルオロ、クロロ、及びブロモから選択することができる。さらなる例として、ハロゲンは、フルオロ及びクロロから選択することができる。さらなる例として、ハロゲンは、クロロ及びブロモから選択することができる。さらなる例として、ハロゲンは、ブロモ及びヨードから選択することができる。さらなる例として、ハロゲンは、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択することができる。1態様において、ハロゲンはフルオロであることができる。さらなる態様において、ハロゲンはクロロであることができる。さらに別の態様において、ハロゲンはブロモである。さらに別の態様において、ハロゲンはヨードである。
ある種の態様において、擬ハロゲン(例えば、トリフレート、メシレート、トシレート、ブロシレートなど)をハロゲンに代えて用いることができることも想定される。例えば、ある種の態様において、ハロゲンを擬ハロゲンに代えることができる。さらなる例として、擬ハロゲンは、トリフレート、メシレート、トシレート、及びブロシレートから選択することができる。1態様において、擬ハロゲンはトリフレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンはメシレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンはトシレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンはブロシレートである。
本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、環員の少なくとも一つが炭素以外である単環及び多環の芳香環若しくは非芳香環系を指す。複素環には、アゼチジン、ジオキサン、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、モルホリン、オキサゾール、オキサゾール、例えば1,2,3−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール及び1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラジン、例えば1,2,4,5−テトラジン、テトラゾール、例えば1,2,3,4−テトラゾール及び1,2,4,5−テトラゾール、チアジアゾール、例えば1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、及び1,3,4−チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、例えば1,3,5−トリアジン及び1,2,4−トリアジン、トリアゾール、例えば1,2,3−トリアゾール、1,3,4−トリアゾールなどがある。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」という用語は式−OHによって表される。
「R1」、「R2」、「R3」、「Rn」(nは整数である)は、本明細書で使用される場合、独立に、上記で挙げた基の1以上を有することができる。例えば、R1が直鎖アルキル基である場合、そのアルキル基の水素原子の一つが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキル基、ハライドなどで置換されていても良い。選択される基に応じて、第1の基を第2の基内に組み込むことができるか、或いは第1の基を第2の基に吊り下げる(即ち、結合させる)ことができる。例えば、「アミノ基を含むアルキル基」という表現では、アミノ基をアルキル基の骨格内に組み込むことができる。或いは、アミノ基がアルキル基の骨格に結合していることができる。選択される基の性質が、第1の基が第2の基に組み込まれているか結合しているかを決定する。
本明細書に記載されている場合、本発明の化合物は、「置換されていても良い」部分を含むことができる。概して、「置換されている」という用語は、「任意に」という用語が先行しているか否かを問わず、指定部分の1以上の水素が好適な置換基で置き換わっていることを意味する。別段の断りがない限り、「置換されていても良い」基は、その基の各置換可能な位置で好適な置換基を有することができ、いずれか所定の構造における複数位置が指定の基から選択される複数の置換基で置換されていることができる場合、その置換基は、あらゆる位置で同一であっても異なっていても良い。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な若しくは化学的に実現可能な化合物が形成されるものである。ある種の態様において、逆の意味が明瞭に示されていない限り、個々の置換基がさらに置換されていても良い(即ち、さらに置換されている又は置換されていない)ことも想定される。
本明細書に記載の化合物は、1以上の二重結合を含むことができることから、シス/トランス(E/Z)異性体、並びに他の立体配座異性体を生じる可能性がある。逆の意味が記載されていない限り、本発明は、全てのそのような可能な異性体、並びにそのような異性体の混合物を含む。
逆の意味が記載されていない限り、実線としてのみ示されていて、楔や点線としては示されていない化学結合を有する式は、各可能な異性体、例えば、各エナンチオマー及びジアステレオマー、及び異性体の混合物、例えばラセミ混合物若しくはスカレミック混合物を想定している。本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を含むことができることから、ジアステレオマー及び光学異性体を生じ得る。逆の意味が明瞭に示されていない限り、本発明は、全てのそのような可能なジアステレオマー並びにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、全ての可能な幾何異性体、及びそれらの薬学的に許容される塩を含む。立体異性体の混合物、並びに単離された特定の立体異性体も含まれる。そのような化合物を製造するのに用いられる合成手順の途中で、又は当業者に知られているラセミ化若しくはエピマー化手順の使用において、そのような手順の生成物は、立体異性体の混合物であることができる。
多くの有機化合物は、面偏光の面を回転させる能力を有する光学活性型で存在する。光学活性化合物を説明する際に、接頭辞D及びL又はR及びSを用いて、キラル中心を中心とする分子の絶対配置を示すのに用いる。接頭辞d及びl又は(+)及び(−)を用いて、化合物による面偏光の回転の符号を(−)又はl(その化合物が左旋性であることを意味する)で指定する。(+)又はdを接頭辞とする化合物は右旋性である。所与の化学構造について、これらの化合物は立体異性体と呼ばれ、それらが互いに重ね合わせることができない鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーとも称することができ、そのような異性体の混合物は多くの場合、エナンチオマー混合物と称される。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と称される。
本明細書に記載の化合物の多くが、1以上のキラル中心を有することができることから、異なるエナンチオマー型で存在することができる。所望の場合、キラル炭素は星印(*)で指定することができる。キラル炭素への結合が開示の式中で直線として描かれている場合、キラル炭素の(R)配置及び(S)配置の両方、従ってエナンチオマー及びそれの混合物の両方がその式に包含されるものと理解される。当業界で使用されているように、キラル炭素周囲の絶対配置を特定することが望ましい場合、そのキラル炭素への結合の一つを楔形(面の上側の原子への結合)として描き、他方を一続き若しくは楔形の短い複数の平行線(面より下の原子への結合)として描くことができる。カーン・インゴルド・プレローグシステムを用いて、キラル炭素に対して(R)又は(S)配置を割り当てることができる。
本明細書に記載の化合物は、それらの天然同位体存在度と非天然存在度の両方で原子を含む。開示化合物は、1以上の原子が、天然において代表的に認められる原子質量若しくは質量数とは異なる原子質量若しくは質量数を有する原子によって置き換わっていること以外は、記載の化合物と同一である同位体標識された又は同位体置換された化合物であることができる。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F及び36Clなどがある。化合物はさらに、それのプロドラッグを含み、前記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む前記化合物若しくは前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は本発明の範囲に含まれる。本発明のある種の同位体標識化合物、例えば3H及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬剤及び/又は基質組織分布アッセイで有用である。三重水素化された、即ち、3H及び炭素−14、即ち14C同位体が、製造の容易さ及び検出能には特に好ましい。さらに、重水素、即ち2Hなどの相対的に重い同位体による置換によって、代謝安定性の向上によって得られるある種の治療上の利点、例えばイン・ビボ半減期延長若しくは必要投与量低減が得られることから、状況によっては好ましい可能性がある。本発明の同位体標識化合物及びそれのプロドラッグは、下記の手順を行うことで、非同位体標識試薬に代えて容易に入手可能な同位体標識試薬とすることで製造することができる。
本発明に記載の化合物は、溶媒和物として存在し得る。一部の例において、溶媒和物を作るのに用いられる溶媒は水溶液であり、次に、その溶媒和物は多くの場合、水和物と称される。その化合物は水和物として存在することができ、それは例えば、溶媒からの若しくは水溶液からの結晶化によって得ることができる。これに関連して、1個、2個、3個若しくは任意の数の溶媒和物又は水分子を本発明による化合物と組み合わせて、溶媒和物及び水和物を形成することができる。逆の内容が記載されていない限り、本発明は、全てのそのような可能な溶媒和物を含む。
本明細書に記載のある種の化合物は、互変異体の平衡として存在し得ることも明らかである。例えば、α−水素を有するケトンは、ケト型とエノール型の平衡で存在し得る。
同様に、N−水素を有するアミドは、アミド型及びイミド酸型の平衡で存在することができる。逆の内容が記載されていない限り、本発明は全てのそのような可能な互変異体を含む。
化学物質が多形体型又は改変型と称される異なる秩序状態で存在する固体を形成することが知られている。多形体物質の異なる改変型は、それらの物性において大きく異なり得る。本発明による化合物は、異なる多形体型で存在し得るものであり、特定の改変型が準安定である可能性がある。逆の内容が記載されていない限り、本発明は、全てのそのような可能な多形体型を含む。
一部の態様において、化合物の構造は、下記式によって表すことができる。
それは、下記式と等価であると理解される。
式中、nは代表的には整数である。即ち、R
nは、五つの独立の置換基R
n(a)、R
n(b)、R
n(c)、R
n(d)、R
n(e)を表すものと理解される。「独立の置換基」とは、各R置換基が独立に定義され得ることを意味する。例えば、1例においてR
n(a)がハロゲンである場合、R
n(b)は、その場合において必ずしもハロゲンではない。
本明細書に開示のある種の材料、化合物、組成物、及び成分は、市販されているか、当業者に公知の技術を用いて容易に合成することができる。例えば、開示の化合物及び組成物の製造で使用される原材料及び試薬は、Sigma−Aldrich Chemical Co.、(Milwaukee、WI.)、Acros Organics (Morris Plains、NJ)、Fisher Scientific (Pittsburgh、PA.)、又はSigma (St. Louis、MO.)などの商業的供給者から入手可能であるか、Fieser and Fieser′s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1−17 (John Wiley and Sons, 1991); Rodd′s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1−5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989); Organic Reactions, Volumes 1−40 (John Wiley and Sons, 1991); March′s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons, 4th Edition);及びLarock′s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)などの参考書に記載の手順に従って当業者に公知の方法によって製造される。
別段で明瞭に断りがない限り、本明細書に記載のいかなる方法も、それのステップが特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは全く意図されていない。従って、方法クレームが、それのステップが従うべき順序を実際に記載していないか、それらのステップが特定の順序に限定されるべきであると特許請求の範囲や説明で別段にて具体的に記載されていない場合、いかなる点でも、順序が推定されることは全く意図されていない。これは、工程の配列又は操作の流れに関する論理的事項;文法の構成又は句読点から導かれる明白な意味;明細書に記載される実施形態の数または種類などの、解釈に関する可能な限りあらゆる不明確な基準(non−express basis)に適用される。
本発明の組成物を調製するのに用いられる成分並びに本明細書に開示の方法の範囲内で使用される組成物自体が開示される。これら及び他の材料が本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、下位集合、解釈、群などが開示されている場合、これら化合物の各多様な個別及び集合的組み合わせ及び順列についての具体的な言及は明瞭に開示できないが、それぞれは、具体的に想定され、本明細書に記載されることは理解される。例えば、ある特定の化合物が開示及び議論されており、当該化合物を含む多くの分子に対して行うことができる多くの修飾が議論されている場合、反対の内容が具体的に示されていない限り、当該化合物及び可能な修飾の各及び全ての組み合わせ及び順列が具体的に想到される。従って、分子A、B及びCの群が開示されており、分子D、E及びFの群並びに組み合わせ分子の1例A−Dが開示されている場合、例えそれぞれが個別に言及されていなくとも、それぞれが個々として又は集合として想到され、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、及びC−Fが開示されていると見なすことを意味する。同様に、これらの下位集合又は組み合わせも開示されている。従って、例えば、A−E、B−F、及びC−Eの下位群が開示されていると見なされるであろう。この考え方は、本発明の組成物の製造及び使用方法でのステップなど(それに限定されるものではない)の本願の全ての態様に適用される。従って、実行可能な各種別のステップがある場合、これらの別のステップのそれぞれを、本発明の方法のいずれか具体的な実施形態若しくは実施形態の組み合わせで行うことができることは理解される。
本明細書に開示の組成物がある種の機能を有することが理解される。本明細書では、開示の機能を行うためのある種の構造的要件が開示されており、開示の構造に関係する同一の機能を行うことができる多様な構造があり、これらの構造が代表的には同じ結果を達成することが理解される。
B.化合物
1態様において、本発明は、ENPP1の阻害剤として有用な化合物に関するものである。さらに、1態様において、本発明の化合物は、無制御細胞増殖の障害の治療において有用である。さらなる態様において、無制御細胞増殖の障害は、がん又は腫瘍である。さらに別の態様において、無制御細胞増殖の障害は、本明細書でさらに記載されている、ENPP1機能不全に関連するものである。
別の態様において、本発明の化合物は、細菌若しくはウィルス起源の疾患の治療において有用である。従って、1態様において、本発明は、細菌若しくはウィルスによって引き起こされる疾患の治療方法であって、対象者に対して、治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
各開示の誘導体がさらに置換されていても良いことが想到される。1以上の誘導体が本発明から除外されても良いことも想到される。開示化合物が開示の方法によって提供され得ることが理解される。開示化合物を、開示の使用方法で用いることができることも理解される。
1.構造
1態様において、本発明は、下記式Iの化合物又はそれの異性体若しくは薬学的に許容される塩に関するものである。
式中、
YはSであり;
Zは−H又は−Nであり;
X
1は−C=O又は−NHであり、
X
2は−C=O又は−NHであり、但しX
1が−C=Oである場合、X
2は−NHであり;X
1が−NHである場合、X
2は−C=Oであり;
R
1は、−H、ハロゲン、−OCF
3、−CF
3、−CN、OCH
3、及び−CH
3からなる群から選択され;
R
2は、−H、−NH
2、−OH、及び−CH
3からなる群から選択され;
R
3は、−H、−NH
2、−OH、及び−CH
3からなる群から選択され;
R
4は、−H、−CH
2−CH
3及び−CH
3からなる群から選択され;
R
5は、
からなる群から選択され;
R
6は、−OCH
3、OH、F、Cl、−CH
3、O−CH
2−CH
3、及びOCH
2−CF
3、OCHF
2からなる群から選択される。
一つの好ましい実施形態において、
Zは−Nであり;
X1は−C=Oであり;
X2は−NHであり;
R1は、ハロゲン及び−CNからなる群から選択され;
R2は、−H及び−CH3からなる群から選択され;
R3は−Hであり;
R4は−Hであり;
R5は
であり;
R
6は、−OCH
3、及びOHからなる群から選択される。
さらなる好ましい実施形態において、R1は、−Cl及び−CNからなる群から選択される。
提供の化合物の例には、次のものなどがある。
本発明は、治療上有効量の本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
本発明は、哺乳動物における無制御細胞増殖の障害の治療方法であって、当該哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、哺乳動物におけるENPP1活性を低下させる方法であって、当該哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、哺乳動物におけるENPP1活性の阻害方法であって、当該哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む方法も提供する。
C.化合物の製造方法
1態様において、本発明は、ENPP1の阻害剤として有用な化合物の製造方法に関するものである。さらなる態様において、開示の製造方法の生成物はENPP1活性のモジュレータである。
本発明の化合物は、文献で公知である他の標準的操作に加えて、実験の部で例示されているか当業者には明らかである下記の図式に示した反応を用いることで製造することができる。明確にするために、単一の置換基を有する例を示しているが、本明細書で開示の定義下では、複数の置換基が可能である。
本発明の化合物を得るのに用いられる反応は、文献で公知であるか当業者に既知である他の標準的な操作に加えて、下記の反応図式に示した反応を用いることで行うことができる。下記の実施例は、本発明についての理解を深めることを目的として提供されるものであり、例示のみを目的としており、限定するものであると解釈すべきではない。
1態様において、開示化合物は、本明細書に記載の合成方法の生成物を含む。さらなる態様において、開示化合物は、本明細書で記載の合成方法によって製造される化合物を含む。さらに別の態様において、本発明は、治療上有効量の開示の方法の生成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。さらに別の態様において、本発明は、開示化合物の少なくとも一つの化合物又は開示の方法の少なくとも一つの生成物を薬学的に許容される担体若しくは希釈剤と組み合わせることを含む医薬の製造方法を含む。
反応条件及び成分の量について記載がない場合、それらを決定するのは当業界の技術の範囲内であると考えられている。各開示の方法は、追加のステップ、操作及び/又は成分をさらに含むことができると想定される。いずれか1以上のステップ、操作及び/又は成分を、本発明から削除しても良いことも想定される。開示の方法を用いて、開示化合物を提供することができることが理解される。開示の方法の生成物を、開示の使用方法で用いることが可能であることも理解される。
D.医薬組成物
1態様において、本発明は、開示化合物を含む医薬組成物に関するものである。即ち、治療上有効量の少なくとも一つの開示化合物又は少なくとも一つの開示の方法の生成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供することができる。
さらなる態様において、本発明は、薬学的に許容される担体及び有効量の開示の合成方法の生成物を含む医薬組成物に関するものである。さらなる態様において、前記有効量は、治療上有効量である。さらなる態様において、前記有効量は、予防的に有効量である。さらなる態様において、当該化合物は開示化合物である。
ある種の態様において、開示の医薬組成物は、有効成分としての開示化合物(それの薬学的に許容される塩を含む)、薬学的に許容される担体、及び任意に、他の治療成分若しくは補助剤を含む。本組成物は、経口、直腸、局所、及び非経口(例えば、皮下、筋肉、及び静脈)投与に好適なものなどがあるが、いずれか所定の場合に最も好適な経路は、特定の宿主、並びに有効成分が投与される状態の性質及び重度によって決まる。医薬組成物は、簡便には、単位製剤で提供することができ、薬学の業界で公知の方法によって調製することができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される無毒性の塩基若しくは酸から製造される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、それの相当する塩は、薬学的に許容される無毒性塩基、例えば無機塩基及び有機塩基から簡便に製造することができる。そのような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二銅及び第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二マンガン及び第一マンガン)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩などがある。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機無毒性塩基由来の塩には、一級、二級及び三級アミン、並びに環状アミン類及び置換されているアミン類、例えば天然及び合成の置換されているアミンの塩などがある。塩を形成し得る他の薬学的に許容される有機無毒性塩基には、イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどがある。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される無毒性酸」という用語は、無機酸、有機酸、及びそれから調製される塩、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
実際には、本発明の化合物又は本発明のそれの薬学的に許容される塩を、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体と完全混合された有効成分として合わせることができる。担体は、投与、例えば、経口若しくは非経口(例えば、静脈)投与に望ましい製剤の形態に応じて非常に多様な形を取り得る。従って、本発明の医薬組成物は、それぞれ所定量の有効成分を含むカプセル剤、カシェ剤又は錠剤などの経口投与に適した個別単位として提供することができる。さらに、組成物は、粉剤として、粒剤として、液剤として、水性液中の懸濁液として、非水性液として、水中油型乳濁液として、又は油中水型乳濁液として提供することができる。上記で記載の一般的剤形に加えて、本発明の化合物、及び/又はそれの薬学的に許容される塩は、徐放手段及び/又は送達機器によっても投与することができる。組成物は、製薬方法によって調製することができる。概して、そのような方法は、1以上の必要な成分を構成する担体と有効成分を関連させるステップを含む。概して、当該組成物は、液体担体若しくは微粉砕固体担体又は両方と均一かつ十分に混合することで調製される。次に、その生成物を簡便に成形して所望の形態とすることができる。
従って、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体及び化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩を含むことができる。本発明の化合物又はそれの薬学的に許容される塩は、1以上の他の治療上活性な化合物と組み合わせて医薬組成物中に含めることもできる。
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体又は気体であることができる。固体担体の例には、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸などがある。液体担体の例は、シュガー・シロップ、落花生油、オリーブ油及び水である。気体担体の例には、二酸化炭素及び窒素などがある。
経口剤形用の組成物の調製において、簡便な医薬媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール類、オイル類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤などを用いて、経口液体製剤、例えば懸濁液、エリキシル剤及び液剤を形成することができ;そして、デンプン類、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造立剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いて、粉剤、カプセル及び錠剤などの経口固体製剤を形成することができる。投与が容易であることから、錠剤及びカプセルが、好ましい経口投与単位であり、それは固体医薬担体を用いるものである。任意に、錠剤は、標準的な水性若しくは非水性技術によってコーティングすることができる。
本発明の組成物を含む錠剤は、任意に1以上の補助成分若しくは補助剤とともに圧縮又は成形することで調製することができる。圧縮錠は、好適な機械で、任意に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤若しくは分散剤と混合した粉末若しくは顆粒などの自由流動形態中の有効成分を圧縮することで調製することができる。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することで作ることができる。
本発明の医薬組成物は、有効成分としての本発明の化合物(又はそれの薬学的に許容される塩)、薬学的に許容される担体、及び任意に1以上の別の治療剤又は補助剤を含む。本発明の組成物は、経口、直腸、局所及び非経口(例えば、皮下、筋肉、及び静脈)投与に好適な組成物を含むが、所与の場合で最も好適な経路は、特定の宿主、並びに有効成分を投与する状態の性質及び重度によって決まる。当該医薬組成物は、簡便には、単位剤形で提供することができ、製薬業界で公知の方法によって調製することができる。
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、活性化合物の水中の液剤若しくは懸濁液として調製することができる。例えばヒドロキシプロピルセルロースなどの好適な界面活性剤を含めることができる。分散液も、グリセリン、液体ポリエチレングリコール、及びそれのオイル中の混合物中で調製することができる。さらに、保存剤を含ませて、微生物の有害な増殖を防止することができる。
注射使用に好適な本発明の医薬組成物には、無菌水溶液又は分散液などがある。さらに、当該組成物は、そのような無菌注射溶液又は分散液の即時調製のための無菌粉剤の形態であることができる。いずれの場合も、最終的な注射形態は、無菌でなければならず、容易に注射器に入れられるように効果的に流動性を有するものでなければならない。その医薬組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならないことから、好ましくは、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。担体は、例えば水、エタノール、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの好適な混合物を含む溶媒若しくは分散媒体であることができる。
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤、洗口剤、うがい薬などの局所使用に好適な形態であることができる。さらに、組成物は、経皮機器での使用に好適な形態であることができる。これらの製剤は、従来の加工法により、本発明の化合物又はそれの薬学的に許容される塩を用いて調製することができる。1例として、クリーム又は軟膏は、親水性材料及び水を約5重量%〜約10重量%の当該化合物とともに混合して、所望の粘度を有するクリーム若しくは軟膏を製造することで調製される。
本発明の医薬組成物は、直腸投与に好適な形態であることができ、その場合に担体は固体である。混合物が単位用量坐剤を形成していることが好ましい。好適な担体には、カカオバター及び当業界で一般に使用される他の材料などがある。坐剤は、最初に組成物を軟化若しくは融解担体と混合し、次に冷却し、鋳型で成形することで簡便に形成することができる。
上記の担体成分に加えて、上記で記載の医薬製剤は、適宜に、1以上の別の担体成分、例えば希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、保存剤(酸化防止剤など)などを含むことができる。さらに、他の補助剤を含めて、製剤を所期の被投与者の血液と等張とすることができる。本発明の化合物及び/又はそれの薬学的に許容される塩を含む組成物は、粉末又は液体濃縮物で調製することもできる。
ENPP1タンパク質活性の阻害若しくは負の調節を必要とする治療状態では、適切な用量レベルは、通常は約0.01〜500mg/kg患者体重/日であり、単回投与又は複数回投与で投与することができる。好ましくは、用量レベルは約0.1〜約250mg/kg/日であり;より好ましくは0.5〜100mg/kg/日である。好適な用量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日、又は約0.1〜50mg/kg/日であることができる。この範囲内では、用量は、0.05〜0.5、0.5〜5.0又は5.0〜50mg/kg/日であることができる。経口投与については、組成物は好ましくは、治療される患者の用量の症候的調節のためには、有効成分1.0〜1000mg、特には有効成分1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000mgを含む錠剤の形態で提供される。当該化合物は、1〜4回/日、好ましくは1回若しくは2回/日の投与法で投与することができる。この投与法を調節して、至適な治療応答を提供することができる。
しかしながら、特定の患者についての具体的な用量レベルは各種要素によって決まることは理解される。そのような要素には、患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事などがある。他の要素には、投与の時刻及び経路、排出速度、併用薬剤、並びに治療法を受ける特定の疾患の種類及び重度などがある。
本発明はさらに、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるENPP1タンパク質活性の阻害若しくは負の調節(例えば、無制御細胞増殖の障害、又はENPP1機能不全に関連する1以上の神経変性障害の治療)のための医薬の製造方法であって、1以上の開示の化合物、生成物若しくは組成物を薬学的に許容される担体若しくは希釈剤と組み合わせることを含む方法に関するものである。従って、1態様において、本発明は、医薬の製造方法であって、少なくとも一つの開示化合物又は少なくとも一つの開示生成物を薬学的に許容される担体若しくは希釈剤と組み合わせることを含む方法に関するものである。
開示の医薬組成物は、通常は上記病的状態の治療に使用される他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
開示の組成物が、開示の化合物から調製できることは理解される。開示の組成物を、開示の使用方法で用いることが可能であることも理解される。
E.化合物及び組成物の使用方法
開示化合物は、単一薬剤として、又は1以上の他薬剤との組み合わせで、式Iの化合物又は他薬剤が有用である上記疾患、障害及び状態の治療、予防、管理、改善若しくは軽減で用いることができ、その場合、薬剤の組み合わせは、いずれの薬剤単独の場合より安全若しくは有効である。前記他薬剤は、開示化合物と同時又は順次に、その薬剤について一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示化合物を1以上の他薬剤と同時使用する場合、そのような薬剤及び開示化合物を含む単位剤形での医薬組成物が好ましい。しかしながら、その併用療法は、重複スケジュールで行うこともできる。1以上の有効成分及び開示化合物の組み合わせが、単一薬剤としてのいずれより効力が高いことも想到される。
本発明の医薬組成物及び方法はさらに、上記の病的状態の治療に通常用いられる本明細書に記載の他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
1.治療方法
本明細書で開示の化合物は、ENPP1の阻害若しくは負の調節から恩恵を受けると考えられる各種障害の治療、予防、改善、管理若しくはリスク低下に有用である。1態様において、対象者における障害の治療若しくは予防方法であって、その対象者に対して、その対象者における障害を治療するのに有効な用量及び量で、少なくとも一つの開示化合物;少なくとも一つの開示医薬組成物;及び/又は少なくとも一つの開示生成物を投与するステップを含む方法が提供される。
対象者において、ENPP1阻害が有効であると予想される1以上の障害の治療方法であって、その対象者に対して、その対象者における障害を治療するのに有効な用量及び量で、少なくとも一つの開示化合物;少なくとも一つの開示医薬組成物;及び/又は少なくとも一つの開示生成物を投与するステップを含む方法も提供される。
1態様において、無制御細胞増殖の障害を治療する方法であって、その対象者に対して、その対象者における障害を治療するのに有効な用量及び量で、少なくとも一つの開示化合物;少なくとも一つの開示医薬組成物;及び/又は少なくとも一つの開示生成物を投与することを含む方法が提供される。さらなる態様において、神経変性障害の治療若しくは予防方法であって、その対象者に対して、その対象者における障害を治療するのに有効な用量及び量で、少なくとも一つの開示化合物;少なくとも一つの開示医薬組成物;及び/又は少なくとも一つの開示生成物を投与することを含む方法が提供される。哺乳動物における障害の治療方法であって、その哺乳動物に、少なくとも一つの開示された化合物、組成物、又は医薬を投与するステップを含む方法も提供される。
本発明は、患者(好ましくはヒト)における、1以上の開示された化合物又は生成物を投与することで、ENPP1阻害が治療効果を有すると予見される疾患若しくは障害,例えば無制御細胞増殖の障害(例えば、がん)及び神経変性障害、例えばアルツハイマー病、ハンチントン病、及びパーキンソン病、細菌及び/又はウィルスによって引き起こされる疾患を治療するための記載の化学組成物の使用に関するものである。
本発明の化合物は、免疫療法にも用いることができる。1実施形態において、本発明の化合物は、免疫療法によって無制御細胞増殖の障害、及び/又は細菌及び/又はウィルスによって引き起こされる疾患を治療するものであり、それは、当該化合物が、これらの疾患の治療をもたらす免疫療法応答を誘発することを意味している。
本明細書で開示の化合物は、各種の無制御細胞増殖の障害を治療、予防、改善、管理若しくはリスク低下する上で有用である。
開示された化合物、組成物、又は医薬の使用方法も提供される。1態様において、その使用方法は、障害の治療に関するものである。さらなる態様において、開示化合物を、単一薬剤として、又は1以上の他薬剤との組み合わせで、当該化合物又は他薬剤が有用である上記疾患、障害及び状態の治療、予防、管理、改善若しくは軽減で用いることができ、その場合、薬剤の組み合わせは、いずれの薬剤単独の場合より安全若しくは有効である。前記他薬剤は、開示化合物と同時又は順次に、その薬剤について一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示化合物を1以上の他薬剤と同時使用する場合、そのような薬剤及び開示化合物を含む単位剤形での医薬組成物が好ましい。しかしながら、その併用療法は、重複スケジュールで行うこともできる。1以上の有効成分及び開示化合物の組み合わせが、単一薬剤としてのいずれより効力が高いことも想到される。
提供の化合物によって治療可能な障害の例には、無制御細胞増殖の障害などがある。さらに別の態様において、無制御細胞増殖の障害はがんである。さらに別の態様において、そのがんは白血病である。さらに別の態様において、そのがんは肉腫である。さらに別の態様において、そのがんは固形腫瘍である。さらに別の態様において、そのがんはリンパ腫である。
がんが、代表的には制御されない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理状態を指すか、それを説明するものであることは理解される。がんは、多剤耐性(MDR)又は薬剤感受性であることができる。がんの例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病などがあるが、これらに限定されるものではない。そのようながんのより特定の例には、乳がん、前立腺がん、結腸がん、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、消化管がん、膵臓がん、子宮頸がん、卵巣がん、腹膜がん、肝臓がん、例えば、肝臓癌、膀胱がん、結腸直腸がん、子宮内膜癌、腎臓がん、及び甲状腺がんなどがある。
各種態様において、がんのさらなる例は、基底細胞癌、胆道がん;骨がん;脳及びCNSがん;絨毛癌;結合組織がん;食道がん;眼がん;頭頸部のがん;胃がん;上皮内新生物;喉頭がん;ホジキン及び非ホジキンリンパ腫などのリンパ腫;メラノーマ;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔がん(例えば、***、舌、口、及び咽頭);網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸がん;呼吸系のがん;肉腫;皮膚がん;胃がん;精巣がん;子宮がん;泌尿器系のがん、並びに他の癌及び肉腫である。
さらなる態様において、がんは血液がんである。さらに別の態様において、その血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、孤立性骨髄腫、限局性骨髄腫、及び髄外骨髄腫から選択される。さらに別の態様において、そのがんは、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、及び大B細胞リンパ腫から選択される。
さらなる態様において、前記がんは、脳のがんである。さらに別の態様において、その脳のがんは、神経膠腫、髄芽細胞腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、(PNET)、聴神経腫、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、CNSリンパ腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、頭蓋咽頭腫、脊索腫、髄芽腫、大脳神経芽腫、中枢性神経細胞腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、軟骨肉腫、軟骨腫、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、頭蓋咽頭腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、神経節細胞腫、胚細胞腫、血管芽細胞腫、血管周皮腫及び転移脳腫瘍から選択される。さらに別の態様において、神経膠腫は、上衣細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠腫及び乏突起星細胞腫から選択される。さらに別の態様において、神経膠腫は、若年性毛様細胞性星細胞腫、上衣下巨細胞性星細胞腫、神経節膠腫、上衣下腫、多形黄色星細胞腫、退形成性星細胞腫、多形膠芽細胞腫、脳幹神経膠腫、乏突起膠腫、上衣細胞腫、乏突起星細胞腫、小脳星細胞腫、線維形成性乳児星細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、びまん性星細胞腫、混合性神経膠腫、視神経膠腫、脳神経膠腫症、多発性神経膠腫腫瘍、多中心性膠芽細胞腫多形性腫瘍、傍神経節腫、及び神経節芽腫から選択される。
1態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、***、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓及び皮膚のがんから選択されるがんであることができる。さらなる態様において、前記がんは、前立腺がん、多形性膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がん、及び結腸がんから選択される。さらなる態様において、前記がんは、***、卵巣、前立腺、頭部、頸部及び腎臓のがんから選択される。さらに別の態様において、前記がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、***、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓及び皮膚のがんから選択される。さらに別の態様において、そのがんは、肺及び肝臓のがんから選択される。さらに別の態様において、そのがんは、***、卵巣、睾丸及び前立腺のがんから選択される。さらに別の態様において、そのがんは、***のがんである。さらに別の態様において、そのがんは、卵巣のがんである。さらに別の態様において、そのがんは、前立腺のがんである。さらに別の態様において、そのがんは睾丸のがんである。
各種態様において、ENPP1機能不全に関連する障害には、神経変性疾患などがある。さらなる態様において、その神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病から選択される。
当該化合物はさらに、本明細書で記した疾患、障害及び状態の予防、治療、管理、改善又はリスク低下方法において有用である。当該化合物はさらに、他の薬剤と組み合わせた前記疾患、障害及び状態の予防、治療、管理、改善又はリスク低下方法において有用である。
本発明はさらに、がんなどの無制御細胞増殖の障害の文脈で治療結果を改善するためのENPP1阻害剤の投与に関するものである。即ち、1態様において、本発明は、哺乳動物に、がん治療法との関連で、有効な量及び用量の少なくとも一つの本発明の化合物を投与するステップを含む共治療法に関するものである。
さらなる態様において、投与によって、がん療法の文脈において治療結果が改善される。がん療法との関連での投与は、連続的又は間欠的であることができる。投与は、治療法と同時である必要はなく、治療法の前、途中、及び/又は後に行うことができる。例えば、がん療法は、化合物投与の前又は後1、2、3、4、5、6、7日内に提供することができる。さらなる例として、がん療法は、化合物投与の前又は後1、2、3、又は4週間以内に提供することができる。さらに別の例として、認知療法又は行動療法は、投与される化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10半減期の期間内に投与前又は投与後に提供することができる。
1態様において、開示化合物を、1以上の他薬剤と組み合わせて、開示化合物又は他薬剤が有用であり得る疾患若しくは状態の治療、予防、管理、改善若しくはリスク低下で用いることができ、その場合に薬剤の組み合わせはいずれの薬剤単独の場合より安全且つ有効である。そのような他薬剤は、本発明の化合物と同時若しくは順次に、それに通常使用される経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に使用する場合、そのような他薬剤及び開示化合物を含む単位剤形での医薬組成物が好ましい。しかしながら、前記併用療法は、開示化合物及び1以上の他薬剤を、異なった重複するスケジュールで投与する療法を含むこともできる。1以上の他の有効成分と組み合わせて、開示化合物及び当該他の有効成分を、それぞれを単独で用いる場合より低い用量で用いることが可能であることも想到される。
従って、当該医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1以上の他の有効成分を含む組成物を包含する。
上記の組み合わせは、一つの他の活性化合物だけでなく、2以上の他の活性化合物と開示化合物の組み合わせを含む。同様に、開示化合物を、開示化合物が有用である疾患若しくは状態の予防、治療、管理、改善若しくはリスク低下で用いられる他薬剤と併用することが可能である。そのような他薬剤は、本発明の化合物と同時又は順次に、それについて一般に用いられる経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に用いる場合、開示化合物に加えてそのような他薬剤を含む医薬組成物が好ましい。従って、当該医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1以上の他の有効成分も含む組成物を包含する。
開示化合物:第2の有効成分の重量比は変動し得るものであり、各成分の有効用量によって決まる。一般に、それぞれの有効用量を用いる。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と組み合わせる場合、開示化合物:他薬剤の重量比は、通常は約1000:1〜約1;1000であり、好ましくは約200:1〜約1:200である。本発明の化合物及び他の有効成分の組み合わせも、上記の範囲に含まれるが、各場合で、各有効成分の有効用量を用いるべきである。
そのような組み合わせにおいて、開示化合物及び他の活性薬剤は、別個に又は一緒に投与することができる。さらに、一方の要素の投与は、他方の薬剤の投与の前、同時又は後に行うことができる。
従って、当該化合物は、単独で、又は対象の適応症において有用であることが知られている他剤又は開示化合物の効力、安全性、簡便性を高めるか、望ましくない副作用若しくは毒性を軽減する受容体若しくは酵素に影響する他の薬剤と組み合わせて用いることができる。当該化合物及び他剤は、併用療法で、又は固定された組み合わせで共投与することができる。
1態様において、当該化合物は、抗がん療法剤又は他の公知の療法剤と併用することができる。
ENPP1の阻害又は負の調節を必要とする状態の治療において、適切な用量レベルは、通常、約0.01〜1000mg/kg患者体重/日であり、それは単回投与又は複数回投与することができる。好ましくは、その用量レベルは、約0.1〜約250mg/kg/日;より好ましくは約0.5〜約100mg/kg/日である。好適な用量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日、又は約0.1〜50mg/kg/日であることができる。この範囲内では、用量は0.05〜0.5、0.5〜5又は5〜50mg/kg/日であることができる。経口投与の場合、当該組成物は、好ましくは、治療される患者への用量の症状に応じた調節のために、1.0〜1000ミリグラムの有効成分、特には1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、及び1000ミリグラムの有効成分を含む錠剤の形態で提供される。当該化合物は、1日1〜4回、好ましくは1日1回若しくは2回の投与法で投与することができる。この投与法を調節して、至適な治療応答を提供することができる。しかしながら、特定の患者のための具体的な用量レベル及び投与回数は変動し得るものであり、使用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の形態及び時刻、排出速度、併用薬剤、特定の状態の重度、及び治療を受ける宿主などの多様な要素によって決まることは明らかであろう。
従って、1態様において、本発明は、少なくとも一つの細胞中のENPP1を阻害若しくは負の調節する方法であって、前記少なくとも一つの細胞を、例えば前記少なくとも一つの細胞におけるENPP1活性応答を調節若しくは活性化させる上で有効な量での少なくとも一つの本発明の化合物と接触させるステップを含む方法に関するものである。さらなる態様において、当該細胞は、哺乳動物のもの、例えばヒトのものである。さらなる態様において、当該細胞は、前記接触させるステップの前に対象者から単離している。さらなる態様において、接触させるのは、対象者への投与によるものである。
a.無制御細胞増殖の障害の治療
1態様において、本発明は、哺乳動物における無制御細胞増殖の障害の治療方法であって、その哺乳動物に、有効量の少なくとも一つの開示化合物若しくは開示の化合物の製造方法の生成物、又はそれの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物若しくは多形体を投与することで、無制御細胞増の障害を治療するステップを含む方法に関するものである。
さらに別の態様において、有効量は、治療上有効量である。さらに別の態様において、有効量は、予防上有効量である。
さらなる態様において、哺乳動物はヒトである。さらに別の態様において、その方法はさらに、無制御細胞増殖の障害の治療を必要とする哺乳動物を確認するステップを含む。さらに別の態様において、哺乳動物は、投与するステップの前に無制御細胞増殖の障害の治療の必要性があると診断されている。
さらなる態様において、無制御細胞増殖の障害はがんである。さらに別の態様において、がんは白血病である。さらに別の態様において、がんは肉腫である。さらに別の態様において、がんは固形腫瘍である。さらに別の態様において、がんはリンパ腫である。さらに別の態様において、がんは、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、及び大B細胞リンパ腫から選択される。さらに別の態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、***、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓及び皮膚のがんから選択される。さらに別の態様において、がんは、肺及び肝臓のがんから選択される。さらに別の態様において、がんは、***、卵巣、睾丸及び前立腺のがんから選択される。さらに別の態様において、がんは、***のがんである。さらに別の態様において、がんは卵巣のがんである。さらに別の態様において、がんは、前立腺のがんである。さらに別の態様において、がんは睾丸のがんである。
実施例
F.実験
下記の実施例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、機器及び/又は方法の製造及び評価方法の完全な開示及び説明を提供するために提供されるものであり、純粋に本発明を例示することを意図したものであり、発明者らが彼らの発明と見なすものの範囲を限定することを意図するものではない。数字(例えば、量、温度など)に関しては正確さを確保するよう努力したが、若干の誤差や逸脱は考慮されるべきである。別段の断りがない限り、「部」は、重量部であり、温度は℃単位であるか、環境温度であり、圧力は大気圧又は大気圧付近である。
本発明の化合物のいくつかの製造方法を、下記の実施例で説明する。原料及び必要な中間体は市販されている場合があるか、文献手順に従って、又は本明細書で説明の方法に従って製造することができる。
下記の例示的な本発明の化合物を合成した。実施例は、本明細書において、本発明を説明するために提供されるものであり、いかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。実施例は代表的には、IUPAC命名法に従って、遊離塩基型で描かれる。しかしながら、実施例の一部は、塩型で取得若しくは単離された。
実施例の一部は、1以上のエナンチオマー又はジアステレオマーのラセミ混合物として得られた。化合物は、当業者によって分離されて、個々のエナンチオマーを単離することができる。分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、次に標準的な方法、例えば分別結晶又はクロマトグラフィーによって個々のジアステレオマーを分離することで行うことができる。化合物のラセミ又はジアステレオマー混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法によって直接分離することもできる。
実験化学
合成図式、方法及び手順:
6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(化合物2)
6−クロロピリジン−3,4−ジアミン(100mg、0.697mmol)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(124mg、0.697mmol)のテトラヒドロフラン(4mL、0.697mmol)中反応混合物を室温で終夜攪拌した。沈澱を濾過し、6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(100mg、0.539mmol、収率77%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.76(s、1H)、7.07(s、1H)、ESI−MS:m/z185.82(M+H)+。
2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物1)
3,4−ジメトキシアニリン(200mg、1.306mmol)、TEA(0.546mL、3.92mmol)のDCM(5mL)中溶液に、室温で2−クロロアセチルクロライド(0.125mL、1.567mmol)を加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(232mg、1.010mmol、収率77%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.28(J=2Hz、1H)、6.95(d、J=6Hz、1H)、6.85(d、J=8.8Hz、1H)、4.19(s、2H)3.90(s、3H)、3.87(s、3H)。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物3)
6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(13mg、0.070mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(16.08mg、0.070mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.029mL、0.210mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で1.5時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(13mg、0.034mmol、収率49.0%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ9.81(s、1H)、8.70(m、1H)、7.31(s、1H)、6.86(m、1H)、6.77(m、2H)、3.99(s、2H)、3.84(m、6H)。ESI−MS:m/z379.02(M+H)+。
N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物4)
5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−チオール(17.27mg、0.087mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.087mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.036mL、0.261mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(13.5mg、0.034mmol、収率39.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)、δ8.01(d、J=8.8Hz、1H)、7.82(s、1H)、7.31(d、J=2Hz、1H)、7.02(d、J=8.8Hz、1H)、6.86(m、2H)、3.95(s、2H)、3.80(s、3H)、3.30(m、6H)。ESI−MS:m/z392.04(M+H)+。
N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−クロロアセトアミド(化合物5)
ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−アミン(200mg、1.458mmol)、TEA(0.610mL、4.38mmol)のDCM(5mL)中溶液に、室温で2−クロロアセチルクロライド(0.139mL、1.75mmol)を加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−クロロアセトアミド(239mg、1.119mmol、収率77%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.12(brs、1H)、7.23(s、1H)、6.85(d、J=8Hz、1H)、6.78(d、J=8Hz、1H)、5.97(s、2H)、4.18(s、2H)ESI−MS:m/z213.96(M+H)+。
N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物6)
5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−チオール(18.56mg、0.094mmol)、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−クロロアセトアミド(20mg、0.094mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.039mL、0.281mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で1.5時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(17.8mg、0.047mmol、収率50.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ9.63(s、1H)、8.01(d、J=8.8Hz、2H)、7.22(s、1H)、6.86(d、J=8.8Hz、1H)、6.72(m、3H)、5.93(s、2H)、4.02(s、2H)、3.99(s、3H)、ESI−MS:m/z376.0(M+H)+。
N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物7)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(17.38mg、0.094mmol)、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−クロロアセトアミド(20mg、0.094mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.039mL、0.281mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で1.5時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(11.8mg、0.033mmol、収率34.7%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.44(s、1H)、7.34(s、1H)、7.13(s、1H)、6.75(d、J=8.4Hz、1H)、6.64(d、J=8.0Hz1H)、5.84(s、2H)、3.94(s、2H)、ESI−MS:m/z362.98(M+H)+。
N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物9)
7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(14.39mg、0.087mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.087mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.036mL、0.261mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)での精製によって、N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(33mg、0.092mmol、収率100%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)、δ10.8(s、1H)、8.66(s、1H)、7.99(s、1H)、7.35(s、1H)、7.18(s、2H)、4.11(s、2H)、3.80(s、6H)、2.59(s、3H)。ESI−MS:m/z359.05(M+H)+。
N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物10)
7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.47mg、0.094mmol)、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−クロロアセトアミド(20mg、0.094mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.039mL、0.281mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)での精製によって、N−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(33.7mg、0.098mmol、収率100%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.01(m、2H)、7.09(m、3H)、6.69(m、1H)、5.88(s、2H)、3.94(s、2H)。2.52(s、3H)。ESI−MS:m/z342.98(M+H)+。
6−クロロチアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(化合物11)
4,6−ジクロロピリジン−3−アミン(50mg、0.307mmol)、カリウムO−エチルカルボノジチオエート(73.8mg、0.460mmol)のNMP(2mL)中反応混合物を加熱して150℃として終夜経過させた。酢酸(60μL)及び水を加えた。沈澱を濾過し、乾燥して、6−クロロチアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(52mg、0.257mmol、収率84%)を得た。1 NMR(400MHz、CD3OD)δ8.35(s、1H)、7.44(s、1H)。ESI−MS:m/z202.78(M+H)+。
2−((6−クロロチアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物12)
6−クロロチアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(17.65mg、0.087mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.087mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.036mL、0.261mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で1.5時間加熱した。濃縮及び分取TLC(MeOH/DCM)による精製によって、2−((6−クロロチアゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(5.7mg、0.014mmol、収率16.53%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.97(s、1H)、7.78(s、1H)、7.34(s、1H)、6.79(m、2H)、4.11(s、2H)、3.86(s、3H)、3.84(s、3H)。ESI−MS:m/z395.97(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンアミド(化合物14)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.24mg、0.082mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンアミド(20mg、0.082mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.034mL、0.246mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で終夜加熱した。固体を濾過し、乾燥させて、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンアミド(17mg、0.043mmol、収率52.7%)を得た。ESI−MS:m/z393.06(M+H)+。
7−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオン(化合物8):5−メチルピリジン−3,4−ジアミン(100mg、0.812mmol)及びN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(109mg、0.893mmol)のMeCN中溶液に、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(217mg、1.218mmol)を少量ずつ加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。生成した沈殿を濾過し、水、Et2O、DCMで洗浄し、乾燥させて、7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−チオン(100mg、収率75%)を淡赤色固体として得た。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.73(brs、2H)、8.20(s、1H)、8.06(s、1H)、2.33(s、3H);ESI−MS:m/z165.84(M+H)+。
2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物15):5−アミノ−2−メトキシフェノール(100mg、0.719mmol)及びトリエチルアミン(0.150mL、1.078mmol)のDCM中溶液を冷却して0℃とし、2−クロロアセチルクロライド(0.060mL、0.755mmol)を滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(58mg、37%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.11(brs、1H)、7.14(d、1H、J=4Hz)、7.04(dd、1H、J=4Hz及びJ=8Hz)、6.81(d、1H、J=12Hz)、4.18(s、2H)、3.88(s、3H);ESI−MS:m/z215.90(M+H)+。
N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物16):2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.070mmol)、7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−チオン(12.64mg、0.077mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.43mg、0.070mmol)及びトリエチルアミン(0.015mL、0.104mmol)のMeCN中混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−10%MeOH−DCM)によって精製して、N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(11mg、46%)をオフホワイト固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm8.52(s、1H)、7.93(s、1H),7.08(d、1H、J=4Hz)、6.92(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.77(d、1H、J=8Hz)、4.07(s、2H)、3.80(s、3H)、2.54(s、3H);ESI−MS:m/z345.03(M+H)+。
7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(14.39mg、0.087mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.087mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.036mL、0.261mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)での精製によって、N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(33mg、0.092mmol、収率100%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)、10.8(s、1H)、8.66(s、1H)、7.99(s、1H)、7.35(s、1H)、7.18(s、2H)、4.11(s、2H)、3.80(s、6H)、2.59(s、3H)。ESI−MS:m/z359.05(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物17):4−アミノ−2−メトキシフェノール(100mg、0.719mmol)及びトリエチルアミン(0.150mL、1.078mmol)のDCM中溶液を冷却して0℃とし、2−クロロアセチルクロライド(0.060mL、0.755mmol)を滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(55mg、収率36%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.14(brs、1H)、7.38(d、1H、J=2.4Hz)、6.87(d、1H、J=8Hz)、6.80(dd、1H、J=4Hz及びJ=8Hz)、4.18(s、2H)、3.90(s、3H);ESI−MS:m/z215.90(M+H)+。
N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−((7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物18):7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−チオン(13.79mg、0.083mmol)、2−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.070mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.43mg、0.070mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(0.012mL、0.083mmol)を加え、加熱して65℃として1時間経過させた。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash(0−10%DCM−MeOH)によって精製して、N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−((7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(14mg、58%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm8.51(s、1H)、7.91(s、1H)、7.27(d、1H、J=4Hz)、6.77(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.71(d、1H、J=8Hz)、4.06(s、2H)、3.80(s、3H)、2.53(s、3H);ESI−MS:m/z345.04(M+H)+。
N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物19):5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−チオール(20mg、0.101mmol)、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(23.93mg、0.111mmol)及びヨウ化ナトリウム(15.02mg、0.101mmol)のMeCN(1mL)中混合物に、トリエチルアミン(0.021mL、0.151mmol)を加え、65℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物を、0−10%MeOH−DCMを用いてcombiflashクロマトグラフィー精製して、N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(23mg、60%)を淡橙赤色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm9.56(brs、1H)、7.98(d、1H、J=12Hz)、7.05(dd、1H、J=1.2Hz、J=4Hz)、6.92(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.83(d、1H、J=8Hz)、6.74(d、1H、J=12Hz)、4.00(s、2H)、3.96(s、3H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z378.02(M+H)+。
N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物20):2−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.093mmol)、5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−チオール(20.23mg、0.102mmol)及びヨウ化ナトリウム(13.81mg、0.093mmol)のMeCN中混合物にトリエチルアミン(0.019mL、0.139mmol)を加え、65℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物を、0−10%MeOH−DCMを用いてクロマトグラフィー精製して、N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−((5−メトキシチアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(22mg、63%)を淡橙赤色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm7.88(d、1H、J=12Hz)、7.22(d、1H、J=2Hz)、6.73(d、1H、J=12Hz)、6.65(d、1H、J=8Hz)、6.61(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、3.97(s、2H)、3.85(s、3H)、3.72(s、3H);ESI−MS:m/z378.04(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物21):2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.070mmol)、6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.50mg、0.083mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.43mg、0.070mmol)及びトリエチルアミン(0.015mL、0.104mmol)のMeCN中混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。粗取得物について、combiflashシリカゲルクロマトグラフィー(0−10%MeOH−DCM)を行って、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、59%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm8.49(s、1H)、7.48(s、1H)、7.11(d、1H、J=2.4Hz)、6.94(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.83(d、1H、J=8Hz)、4.18(s、2H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z365.02(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物20):2−クロロ−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(17.42mg、0.081mmol)、6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15mg、0.081mmol)、ヨウ化ナトリウム(12.11mg、0.081mmol)及びトリエチルアミン(0.011mL、0.081mmol)のMeCN中混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。粗取得物をcombiflashシリカゲルクロマトグラフィー(0−10%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(17mg、58%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD/CDCl3)δppm8.49(s、1H)、7.45(s、1H)、7.28(d、1H、J=2.4Hz)、6.84(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.73(d、1H、J=8Hz)、4.15(s、2H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z365.01(M+H)+。
2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンアミド(化合物23):3,4−ジメトキシアニリン(100mg、0.653mmol)及びトリエチルアミン(0.136mL、0.979mmol)のDCM中溶液を冷却し、それに2−クロロプロパノイルクロライド(0.076mL、0.783mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflashクロマトグラフィー(0−50%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパンアミド(140mg、88%)を毛羽状白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.19(brs、1H)、7.33(d、1H、J=4Hz)、6.93(dd、1H、J=4Hz、J=8Hz)、6.83(d、1H、J=8Hz)、4.55(q、1H、J=8Hz)、3.90(s、3H)、3.87(s、3H)、1.83(d、3H、J=8Hz);ESI−MS:m/z243.90(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物25)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.00mg、0.081mmol)、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.081mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.034mL、0.242mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(5mg、0.015mmol、収率18.48%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.49(s、1H)、7.47(s、1H)、7.13(m、2H)、6.96(s、J=8Hz、1H)、6.53(d、J=8Hz、1H)、4.19(s、1H)、ESI−MS:m/z334.96(M+H)+。
2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物26)
3−フルオロ−4−メトキシアニリン(200mg、1.417mmol)及びTEA(0.593mL、4.25mmol)のDCM(5mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.135mL、1.700mmol)を加えた。1時間後、反応混合物を濃縮し、combiflash(12g、DCM/MeOH)で精製して、2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(208mg、0.956mmol、収率67.5%)を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.14(s、1H)、7.46(d、J=12.4Hz、1H)、7.16(d、J=8.4Hz、1H)、6.93(m、1H)、4.18(s、2H)、3.88(s、3H)、ESI−MS:m/z217.88(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物27)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(17.06mg、0.092mmol)、2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.092mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.038mL、0.276mmol)のCH3CN中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(16mg、0.044mmol、収率47.5%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.50(s、1H)、7.48(m、2H)、7.18(d、J=8Hz、1H)、7.03(t、J=8.8Hz、1H)、4.22(s、2H)、3.84(s、3H)、ESI−MS:m/z366.97(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物28)
4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシアニリン(150mg、0.793mmol),TEA(0.334mL、2.379mmol)のDCM(4mL)中反応混合物に、2−クロロアセチルクロライド(0.076mL、0.952mmol)を滴下した。室温で1時間後、混合物を濃縮し、combiflash(12g、DCM/MeOH)で精製して、2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル)アセトアミド(134mg、0.504mmol、収率63.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.23(s、1H)、7.51(s、1H)、7.13(d、J=8.4Hz、1H)、6.92(m、1H)、6.7、6.51(d、J=75Hz、1H)、4.2(s、2H)、3.89(s、3H)。ESI−MS:m/z、265.92(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物29)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(13.98mg、0.075mmol)、2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル)アセトアミド(20mg、0.075mmol)、ヨウ化ナトリウム(11.29mg、0.075mmol)、トリエチルアミン(0.031mL、0.226mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル)アセトアミド(24mg、0.058mmol、収率77%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.50(s、1H)、7.56(s、1H)、7.38(s、1H)、7.02(d、J=8.4Hz、1H)、6.81(d、J=8.4Hz、1H)、6.43(t、J=76Hz、1H)、3.99(s、1H)、3.80(s、1H)ESI−MS:m/z414.97(M+H)+。
6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(化合物30)
6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3,4−ジアミン(100mg、0.565mmol)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(101mg、0.565mmol)のテトラヒドロフラン(4mL、0.565mmol)中反応混合物。終夜、沈澱を濾過して、6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(70mg、0.319mmol、収率56.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δ8.36(s、1H)、7.42(s、1H)、ESI:m/z219.8(M+H)+。
N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物31)
6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.25mg、0.070mmol)、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.070mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.43mg、0.070mmol)、トリエチルアミン(0.029mL、0.209mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(24mg、0.060mmol、収率87%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ9.03(s、1H)、8.00(s、1H)、7.50(d、J=8.4Hz、1H)、7.29(s、1H)、7.14(s、1H)、6.96(s、1H)、4.22(s、2H)、4.03(m、3H)。ESI−MS:m/z399.06(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物32)
4−アミノフェノール(200mg、1.833mmol)、TEA(0.772mL、5.50mmol)のDCM(4mL)中反応混合物に、2−クロロアセチルクロライド(0.146mL、1.833mmol)を滴下した。室温で1時間後、混合物を濃縮し、combiflash(12g、DCM/MeOH)で精製して、2−クロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(134mg、0.722mmol、収率39.4%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.32(d、J=8.8Hz、2H)、7.79(d、J=8.4Hz、2H)、4.15(s、2H)ESI−MS:m/z185.84(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物33)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.00mg、0.081mmol)、2−クロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.081mmol)、ヨウ化ナトリウム(12.11mg、0.081mmol)、トリエチルアミン(0.034mL、0.242mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(24mg、0.072mmol、収率89%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.48(s、1H)、7.38(s、1H)、7.30(d、J=8.8Hz、2H)7.19(s、1H)、6.71(d、J=8.8Hz、2H)、3.98(s、2H)、ESI−MS:m/z334.99(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物34)
4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)アニリン(200mg、0.965mmol)、TEA(0.407mL、2.90mmol)のDCM(4mL)中反応混合物に2−クロロアセチルクロライド(0.092mL、1.159mmol)を滴下した。室温で1時間後、混合物を濃縮し、combiflash(12g、DCM/MeOH)で精製して、2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(212mg、0.747mmol、収率77%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.16(s、1H)、7.51(s、1H)、7.43(d、J=6.4Hz、1H)、6.97(d、J=8.8Hz、1H)4.19(s、2H)、3.88(s、3H)。ESI−MS:m/z283.87(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物35)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(9.82mg、0.053mmol)、2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(15mg、0.053mmol)、ヨウ化ナトリウム(7.93mg、0.053mmol)、トリエチルアミン(0.022mL、0.159mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(25mg、0.058mmol、収率100%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.50(s、1H)、7.65(s、1H)、7.49(s、1H)、7.43(d、J=6.8Hz、1H)、7.10(d、J=8.8Hz、1H)、4.23(s、2H)、3.85(s、3H)。ESI−MS:m/z432.97(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物36)
5−アミノ−2−フルオロフェノール(200mg、1.573mmol)、TEA(0.663mL、4.72mmol)のDCM(4mL)中反応混合物に2−クロロアセチルクロライド(0.125mL、1.573mmol)を滴下した。室温で1時間後、混合物を濃縮し、combiflash(12g、DCM/MeOH)で精製して、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(169mg、0.830mmol、収率52.8%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.22(m、1H)、6.93(m、1H)、6.83(m、1H)、4.07(s、2H)ESI−MS:m/z203.79(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物37)
6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(13.68mg、0.074mmol)、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.074mmol)、ヨウ化ナトリウム(11.04mg、0.074mmol)、トリエチルアミン(0.031mL、0.221mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(24mg、0.068mmol、収率92%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.50(s、1H)、7.5(s、1H)、7.28(m、1H)6.95(m、2H)、4.21(s、2H)。ESI−MS:m/z352.93(M+H)+。
N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物38)
6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(15.11mg、0.069mmol)、2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(15mg、0.069mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.029mL、0.207mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(23mg、0.057mmol、収率83%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.81(s、1H)、7.89(s、1H)、7.51(m、1H)、7.20(m、1H)、7.02(t、J=8.8Hz、1H)、4.26(s、2H)、3.33(s、3H)。ESI−MS:m/z400.99(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物39):4−(ジフルオロメトキシ)アニリン(0.078mL、0.628mmol)及びトリエチルアミン(0.131mL、0.943mmol)のDCM中溶液に0℃で、2−クロロアセチルクロライド(0.060mL、0.754mmol)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflashクロマトグラフィー(0−30%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(110mg、0.467mmol、74.3%収率)を淡橙赤色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.24(brs、1H)、7.55(dd、2H、J=2Hz、J=4Hz)、7.13(d、2H、J=8Hz)、6.48(t、1H、J=71.5Hz)、4.20(s、2H);ESI−MS:m/z235.86(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物40):2−クロロ−N−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(15mg、0.064mmol)、6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(13.00mg、0.070mmol)及びヨウ化ナトリウム(9.55mg、0.064mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(0.013mL、0.095mmol)を加え、混合物を65℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−100%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(21mg、0.055mmol、収率86%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD−CDCl3)δppm8.48(s、1H)、7.52(d、2H、J=8Hz)、7.42(s、1H)、7.05(d、1H、J=8Hz)、6.53(t、1H、J=76Hz)、4.12(s、2H);ESI−MS:m/z384.97(M+H)+。
2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパンアミド(化合物41):5−アミノ−2−メトキシフェノール(100mg、0.719mmol)及び炭酸カリウム(109mg、0.791mmol)のアセトン/水中溶液を冷却し、2−クロロプロパノイルクロライド(0.084mL、0.862mmol)を加えた。混合物を−10℃で1時間攪拌した。反応液をEtOAcで希釈し、0.5M HCl、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水した。溶媒を除去し、粗褐色固体である2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパンアミド(130mg、0.566mmol、収率79%)を、精製せずに次で使用した。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm7.09(d、1H、J=2.4Hz)、6.96(dd、1H、J=2.4Hz及びJ=8.8Hz)、6.77(d、1H、J=8.8Hz)、4.47(q、1H、J=6.8Hz)、3.81(s、3H)、1.68(d、3H、J=6.8Hz);ESI−MS:m/z229.89(M+H)+。
N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)プロパンアミド(化合物42):2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパンアミド(12mg、0.052mmol)、6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(13.74mg、0.063mmol)、ヨウ化ナトリウム(3.92mg、0.026mmol)及びトリエチルアミン(10.92μL、0.078mmol)のアセトニトリル(1mL)中混合物を65℃で4時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflashクロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)プロパンアミド(10mg、0.024mmol、収率46.4%)を橙赤色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.84(s、1H)、7.91(s、1H)、7.12(d、1H、J=2.4Hz)、6.94(dd、1H、J=2.4Hz、J=8.8Hz)、6.84(d、1H、J=8.4Hz)、4.78(q、1H、J=7.2)、3.81(s、3H)、1.72(d、3H、J=7.2Hz);ESI−MS:m/z413.02(M+H)+。
2−クロロ−N−(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物43):3,5−ジフルオロ−4−メトキシアニリン(100mg、0.628mmol)及びトリエチルアミン(131μL、0.943mmol)のDCM中溶液を冷却し、2−クロロアセチルクロライド(60.0μL、0.754mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応液をDCMで希釈し、0.5M HCl、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。粗褐色固体である2−クロロ−N−(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(120mg、0.509mmol、収率81%)を、精製せずに次のステップに用いた。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.15(s、1H)、7.21(d、1H、J=8Hz)、4.18(s、1H)、3.97(s、3H);ESI−MS:m/z235.82(M+H)+。
N−(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物44):2−クロロ−N−(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(14.19mg、0.060mmol)、6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(12mg、0.055mmol)、ヨウ化ナトリウム(4.10mg、0.027mmol)及びトリエチルアミン(0.011mL、0.082mmol)のMeCN中混合物を65℃で1時間攪拌した。粗取得物をcombiflashクロマトグラフィー(0−100%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、N−(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(20mg、0.048mmol、収率87%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.81(s、1H)、7.89(s、1H)、7.27(d、2H、J=8Hz),4.27(s、2H)、3.89(s、3H);ESI−MS:m/z419.00(M+H)+。
N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物45)
6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(12mg、0.055mmol)、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(12.26mg、0.060mmol)、ヨウ化ナトリウム(8.21mg、0.055mmol)、トリエチルアミン(0.023mL、0.164mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)による精製によって、N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(15mg、0.039mmol、収率70.9%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.82(s、1H)、7.90(s、1H)、7.28(dd、J1=2.4Hz、J2=8Hz、1H)、6.94(m、2H)、4.25(s、2H)、ESI−MS:m/z387.03(M+H)+。
2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(化合物46)
2−クロロ−3−メチルピリジン−4−アミン(250mg、1.753mmol)の硫酸(2.63mL、49.3mmol)中溶液に、硝酸カリウム(355mg、3.51mmol)を0℃で加えた。混合物を昇温させて室温とし、攪拌を終夜維持した。混合物を氷水に投入し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で脱水し、濃縮した。combiflash(12g、ヘキサン/EtOAc)での精製によって、2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(157mg、0.837mmol、収率47.7%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)、δ8.96(s、1H)、2.32(s、3H)ESI−MS:m/z187.84(M+H)+。
6−クロロ−5−メチルピリジン−3,4−ジアミン(化合物47)
2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(10mg、0.053mmol)、鉄(14.89mg、0.267mmol)、NH4Cl(14.26mg、0.267mmol)の水(0.5mL)及びエタノール(0.5mL)中反応混合物を加熱して70℃として1.5時間経過させた。分取TLC(ヘキサン/EtOAc)による精製によって、6−クロロ−5−メチルピリジン−3,4−ジアミン(8mg、0.051mmol、収率95%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.644(s、1H)、2.22(s、3H)ESI−MS:m/z157.83(M+H)+。
6−クロロ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(化合物48)
6−クロロ−5−メチルピリジン−3,4−ジアミン(8mg、0.051mmol)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(9.05mg、0.051mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL、0.051mmol)中反応混合物。終夜。分取TLCによって、6−クロロ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(6mg、0.030mmol、収率59.2%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ7.996(s、1H)。2.44(s、3H)ESI−MS:m/z199.79(M+H)+。
2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物49)
6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(6mg、0.030mmol)、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(6.48mg、0.030mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.013mL、0.090mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及び分取TLC(10%、DCM/MeOH)による精製によって、2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(7mg、0.018mmol、収率61.5%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.36(s、1H)、7.11(d、J=2Hz、1H)、6.95(dd、J1=2Hz、J2=8.8Hz、1H)、6.84(8.8Hz、1H)、4.19(s、2H)、3.011(s、3H)、2.54(s、3H)。ESI−MS:m/z379.00(M+H)+。
2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物50)
6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.050mmol)、2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(10.90mg、0.050mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.021mL、0.150mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及び分取TLC(15%、MeOH/DCM)での精製によって、2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(3.1mg、8.14μmol、収率16.25%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.36(s、1H)、7.50(d、J=13.4Hz、1H)、7.18(d、J=8.4Hz、1H)、7.03(t、J=9.2Hz、1H)、4.21(s、2H)、3.84(s、3H)2.53(s、3H)、ESI−MS:m/z381.05(M+H)+。
2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物51)
6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.050mmol)、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(10.20mg、0.050mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.021mL、0.150mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及び分取TLC(15%MeOH/DCM)による精製によって、2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(14.5mg、0.040mmol、収率79%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)、8.36(s、1H)、7.28(m、1H)、6.97(m、2H)、4.20(s、2H)、2.54(s、3H)、ESI−MS:m/z367.00(M+H)+。
2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物52)
6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.050mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(11.50mg、0.050mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.021mL、0.150mmol)のアセトニトリル(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濾過によって、2−((6−クロロ−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(7.4mg、0.019mmol、収率37.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.37(s、1H)、7.30(d、J=2.4Hz、1H)、7.01(m、1H)、6.88(d、J=8.8Hz、1H)、4.22(s、2H)、3.79(s、6H)、2.54(s、3H)ESI−MS:m/z393.05(M+H)+。
2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アセトアミド(化合物53)
5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−アミン(50mg、0.238mmol)、TEA(0.100mL、0.713mmol)のDCM(1mL)中反応混合物に2−クロロアセチルクロライド(0.023mL、0.285mmol)を室温で加えた。終夜後、濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アセトアミド(15mg、0.052mmol、収率22.00%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)、9.73(s、1H)、7.26(s、1H)、7.25(s、1H)、4.30(s、2H)、3.969s、6H)ESI−MS:m/z286.94(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アセトアミド(化合物54)
6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(6.47mg、0.035mmol)、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アセトアミド(10mg、0.035mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.015mL、0.105mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濃縮及びcombiflash(4g、DCM/MeOH)によって、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)アセトアミド(8mg、0.018mmol、収率52.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.12(s、H)、7.41(s、1H)、7.33(s、2H)、4.38(s、2H)、3.89(s、3H)、3.88(s、3H)、ESI−MS:m/z436.00(M+H)+。
メチル(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(化合物55)
2−(トリフルオロメトキシ)フェノール(0.51mL、3.93mmol)及びトリエチルアミン(1.1mL、7.86mmol)のDCM中溶液を冷却し、それにクロルギ酸メチル(0.36mL、4.72mmol)をゆっくり加え、反応液を25℃で2時間攪拌した。反応液をDCMで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。濁った粗油状物(750mg、81%)を、それ以上精製せずに次のステップで用いた。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm7.30(m、4H)、3.93(s、3H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−58.10(s、3F)。
メチル(5−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(化合物57)
メチル(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(750mg、3.18mmol)の硫酸(2.0mL、37.5mmol)中懸濁液を冷却し、固体硝酸カリウム(250mg、2.473mmol)を少量ずつ加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を氷水に投入し、DCMで抽出した。合わせた抽出液を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、メチル(4−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(250mg、28%)及びメチル(5−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(553mg、62%)を黄褐色固体として得た。
メチル(5−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(極性が低い方):1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.23(m、1H)、8.21(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、7.52(dd、1H、J=1.2、9.2Hz)、3.98(s、3H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−57.77(s、3F)。
メチル(4−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(化合物56)(極性):1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.25(m、2H)、7.52(dd、1H、J=4.4、5.2Hz)、3.97(s、3H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−58.23(s、3F)。
5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニルメチルカーボネート(化合物58)
メチル(5−ニトロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)カーボネート(190mg、0.676mmol)及び塩化アンモニウム(108mg、2.027mmol)のEtOH−水(1:1)中溶液に鉄(113mg、2.027mmol)を加え、混合物を、マイクロ波リアクター中、100℃で30分間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−30%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニルメチルカーボネート(66mg、39%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm7.09(dd、1H、J=0.8、8.4Hz)、6.54(d、1H、J=2.8Hz)、6.51(dd、1H、J=2.8、8.8Hz)、3.91(s、3H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−58.82(s、3F)。
5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェノール(化合物59)
5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニルメチルカーボネート(66mg、0.263mmol)及び炭酸カリウム(73mg、0.526mmol)のMeOH−水(2:1)中溶液を室温で1時間攪拌した。MeOHを除去し、反応液を0.5M HClで中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。粗褐色固体である5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェノール(40mg、79%)を、精製せずに次のステップで用いた。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm6.88(dd、1H、J=0.8、8.8Hz)、6.29(d、1H、J=2.8Hz)、6.17(dd、1H、J=2.4、8.8Hz);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−59.92(s、3F);ESI−MS:m/z193.85(M+H)+。
2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物60)
5−アミノ−2−(トリフルオロメトキシ)フェノール(90mg、0.466mmol)及び炭酸カリウム(77mg、0.559mmol)のアセトン−水(3:1)中溶液を冷却し、それに2−クロロアセチルクロライド(0.044mL、0.559mmol)をゆっくり加え、0℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−50%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロ−メトキシ)フェニル)アセトアミド(98mg、78%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm7.40(d、1H、J=2.4Hz)、7.10(d、1H、J=8.8Hz)、6.95(dd、1H、J=2.0、8.8Hz、4.12(s、2H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−59.92(s、3F);ESI−MS:m/z269.92(M+H)+。
N−(3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物61)
2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド(12mg、0.045mmol)、6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(11.71mg、0.053mmol)、トリエチルアミン(9.31μL、0.067mmol)及びヨウ化ナトリウム(3.34mg、0.022mmol)のMeCN中混合物を65℃で1時間攪拌した。粗取得物を、combiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、N−(3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2−((6−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(11mg、55%)をオフホワイト固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.79(s、1H)、7.87(s、1H)、7.39(d、1H、J=2.4Hz)、7.12(dd、1H、J=1.2、8.8Hz)、6.97(dd、1H、J=2.8、8.8Hz)、4.23(s、2H);19F−NMR(376.5MHz、CDCl3)δppm−60.12(s、3F)、−67.41(s、3F);ESI−MS:m/z453.01(M+H)+。
N−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物62)
6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.054mmol)、N−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−クロロアセトアミド(14.7mg、0.065mmol)及びヨウ化ナトリウム(4.0mg、0.027mmol)のMeCN中混合物にトリエチルアミン(11μL、0.081mmol)を加え、反応液を65℃で1時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、N−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(16mg、79%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.50(s、1H)、7.95(d、1H、J=8Hz)、7.75(d、1H、J=8Hz)、7.51(s、1H)、7.43(t、1H、J=7.2Hz)、7.29(t、1H、J=7.2Hz)、4.46(s、2H);ESI−MS:m/z375.98(M)+、377.99(M+2H)+。
2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−アミン(化合物63)
2,4−ジブロモ−5−ニトロピリジン(200mg、0.709mmol)及びトリエチルアミン(0.2mL、1.419mmol)のTHF中溶液に、7Mアンモニア(0.2mL、1.419mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−50%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−アミン(135mg、87%)を黄褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.82(s、1H)、7.11(s、1H);ESI−MS:m/z219.69(M+H)+。
4−アミノ−5−ニトロピコリノニトリル(化合物64)
2−ブロモ−5−ニトロピリジン−4−アミン(135mg、0.619mmol)及びシアン化銅(67mg、0.743mmol)のDMA中溶液を、マイクロ波リアクターを用いて加熱して200℃として1時間経過させた。反応混合物を、水とEtOAcとの間で分配し、セライトで濾過した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗取得物を、(0−50%EtOAc−ヘキサン)を用いるcombiflash SiO2クロマトグラフィーによって精製して、4−アミノ−5−ニトロピコリノニトリル(70mg、69%)を淡褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm9.07(s、1H)、7.37(s、1H);ESI−MS:m/z164.77(M+H)+。
4,5−ジアミノピコリノニトリル(化合物65)
4−アミノ−5−ニトロピコリノニトリル(70mg、0.427mmol)及び鉄(72mg、1.280mmol)のEtOH中スラリーに、塩化アンモニウム(68mg、1.280mmol)/水を加え、混合物を加熱して65℃として1時間経過させた。反応混合物をセライトで濾過し、溶媒を除去した。粗取得物を、combiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、4,5−ジアミノピコリノニトリル(32mg、56%)を淡褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm7.72(s、1H)、6.92(s、1H);ESI−MS:m/z134.85(M+H)+。
2−メルカプト−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(化合物66)
4,5−ジアミノピコリノニトリル(32mg、0.239mmol)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(51mg、0.286mmol)及びN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(29mg、0.239mmol)のMeCN中溶液を室温で16時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−メルカプト−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(30mg、71%)を黄褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.43(s、1H)、7.64(s、1H);ESI−MS:m/z176.91(M+H)+。
2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物67)
2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(3.3mg、0.015mmol)、2−メルカプト−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(3mg、0.017mmol)及びヨウ化ナトリウム(1.2mg、7.74μmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(2.6μL、0.019mmol)を加え、溶液を65℃で1時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(5mg、91%)をオフホワイト固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD−CDCl3)δppm8.77(s、1H)、7.93(s、1H)、7.10(d、1H、J=2.8Hz)、6.94(dd、1H、J=2.8、8.8Hz)、6.79(d、1H、J=8.8Hz)、4.15(s、2H)、3.80(s、3H);ESI−MS:m/z375.98(M)+、356.04(M+2H)+。
2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物68)
2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(14mg、0.062mmol)、2−メルカプト−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(10mg、0.057mmol)及びヨウ化ナトリウム(4.3mg、0.028mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(12μL、0.085mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシ−フェニル)アセトアミド(15mg、72%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD−CDCl3)δppm8.80(s、1H)、7.98(s、1H)、7.33(d、1H、J=2.4Hz)、7.01(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、6.87(d、1H、J=8.8Hz)、4.24(s、2H)、3.81(s、3H)、3.30(s、3H);ESI−MS:m/z370.05(M+H)+。
2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物69)
2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(13mg、0.062mmol)、2−メルカプト−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(10mg、0.057mmol)及びヨウ化ナトリウム(4.3mg、0.028mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(12μL、0.085mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(11mg、57%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD−CDCl3)δppm8.79(s、1H)、7.95(s、1H)、7.25(dd、1H、J=2.4、7.6Hz)、6.95(d、1H、J=8.8Hz)、6.91(m、1H)、4.19(s、2H);ESI−MS:m/z344.01(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)スルホニル)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物27)
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(5mg、0.014mmol)のメタノール(1mL、0.014mmol)中溶液にオキソン(20.95mg、0.068mmol)を加えた。終夜後、生成物を分取TLC(MeOH/DCM)で精製して、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)スルホニル)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(2.1mg、5.27μmol、収率38.6%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.72(s、1H)、7.62(s、1H)、7.40(M、1H)、7.13(d、J=7.6Hz、1H)、7.00(m、1H)、3.83(s、3H)ESI−MS:m/z399.0(M+H)+。
2−クロロ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(化合物71)
6−メトキシピリジン−3−アミン(53mg、0.427mmol)、TEA(0.179mL、1.281mmol)のDCM(2mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.037mL、0.470mmol)を室温で加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(51mg、0.254mmol、収率59.5%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.30(d、J=2.4Hz、1H)、7.88(m、1H)、6.79(d、J=8.8Hz、1H)、4.18(s、2H)。ESI−MS:m/z200.98(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(化合物72)
6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(9.25mg、0.050mmol)、2−クロロ−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(10mg、0.050mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.021mL、0.150mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を65℃で2時間加熱した。濾過によって、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(12mg、0.034mmol、収率68.8%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ8.63(s、1H)、8.43(d、J=2.4Hz、1H)、8.01(m、1H)、7.62(s、1H)、6.90(d、J=8.8Hz、1H)、4.38(s、2H)、4.00(s、3H)。
ESI−MS:m/z349.95(M+H)+。
2−ブロモ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(化合物73):2−ブロモ−3−メチルピリジン−4−アミン(100mg、0.535mmol)の硫酸(849μL、16.04mmol)中混合物を冷却して0℃とし、硝酸カリウム(162mg、1.604mmol)を加えた。混合物を0℃でさらに1時間及び室温で16時間攪拌した。反応混合物を氷水に投入し、飽和NaHCO3で塩基性とし、EtOAcで抽出した。合わせたEtOAc層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−20%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、2−ブロモ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(54mg、44%)を黄色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.69(s、1H)、2.22(s、3H);ESI−MS:m/z231.86(M+)233.85(M+2H)+。
4−アミノ−3−メチル−5−ニトロピコリノニトリル(化合物74):2−ブロモ−3−メチル−5−ニトロピリジン−4−アミン(52mg、0.224mmol)及びシアノ銅(24.09mg、0.269mmol)のDMA中溶液を、マイクロ波リアクターにおいて加熱して200℃として1時間経過させた。反応混合物を水に投入し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−30%EtOAc−ヘキサン)によって精製して、4−アミノ−3−メチル−5−ニトロピコリノニトリル(30mg、75%)を淡黄色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.99(s、1H)、2.44(s、3H);ESI−MS:m/z178.93(M+H)+。
4,5−ジアミノ−3−メチルピコリノニトリル(化合物75):4−アミノ−3−メチル−5−ニトロピコリノニトリル(30mg、0.168mmol)のEtOH中溶液に、鉄(9.40mg、0.168mmol)、次に塩化アンモニウム(9.01mg、0.168mmol)の水中溶液を加え、65℃で1時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、溶媒留去した。粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、4,5−ジアミノ−3−メチルピコリノニトリル(15mg、60%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm7.77(s、1H)、2.29(s、3H)。ESI−MS:m/z148.97(M+H)+。
2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(化合物76):4,5−ジアミノ−3−メチルピコリノニトリル(15mg、0.101mmol)、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(27.1mg、0.152mmol)及びN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(14.84mg、0.121mmol)のMeCN中混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(17mg、88%)を淡褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.31(s、1H)、2.59(s、3H);ESI−MS:m/z190.93(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(化合物77):2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(3mg、0.016mmol)、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(4.35mg、0.019mmol)及びヨウ化ナトリウム(1.182mg、7.89μmol)のMeCN中混合物にトリエチルアミン(3.30μL、0.024mmol)を加え、加熱して65℃として1時間経過させた。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−10%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド(4mg、66%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.64(s、1H)、7.32(s、1H)、6.98(d、1H、J=7.6Hz)、6.84(dd、1H、J=3.2、8.8Hz)、4.20(s、2H)、3.82(s、3H)、3.81(s、3H)、2.71(s、3H);ESI−MS:m/z384.06(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物78):2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(7mg、0.037mmol)、2−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(8.73mg、0.040mmol)、ヨウ化ナトリウム(2.76mg、0.018mmol)のMeCN中混合物にトリエチルアミン(7.69μL、0.055mmol)を加え、加熱して65℃として1時間経過させた。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−10%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(7mg、52%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.64(s、1H)、7.10(d、1H、J=2.4Hz)、6.94(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、6.84(d、1H、J=8.8Hz)、4.18(s、2H)、3.82(s、3H)、3.81(s、3H)、2.71(s、3H);ESI−MS:m/z370.05(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物79):2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(11.21mg、0.059mmol)、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(10mg、0.049mmol)及びヨウ化ナトリウム(3.68mg、0.025mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(10.27μL、0.074mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(10mg、57%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.22(s、1H)、6.82(dd、1H、J=2.4、8.0Hz)、6.49(m、2H)、3.76(s、2H)、2.29(s、3H);ESI−MS:m/z358.03(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)アセトアミド(化合物80):4−メトキシ−3−ニトロアニリン(100mg、0.595mmol)のアセトン中溶液を炭酸カリウム(123mg、0.892mmol)の水中溶液と混合し、冷却してから、2−クロロアセチルクロライド(0.061mL、0.773mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1M HCl、飽和NaHCO3、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水した。溶媒を除去し、黄色固体としての粗取得物である2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)アセトアミド(120mg、82%)を、それ以上精製せずに次のステップで用いた。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.25(brs、1H)、8.06(d、1H、J=2.4Hz)、7.80(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、7.09(d、1H、J=8.8Hz)、4.21(s、2H)、3.96(s、3H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z244.98(M+H)+、266.94(M+Na)+。
N−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2−クロロアセトアミド(化合物81):2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)アセトアミド(50mg、0.204mmol)及び鉄(34.2mg、0.613mmol)のEtOH中混合物に、塩化アンモニウムの溶液(32.8mg、0.613mmol)を加え、混合物を65℃で1時間攪拌した。反応液をセライトで濾過し、溶媒を除去した。粗褐色固体であるN−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2−クロロアセトアミド(30mg、68%)を、それ以上精製せずに次のステップで用いた。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm7.08(s、1H)、6.89(d、1H、J=8Hz)、6.79(d、1H、J=8.8Hz)、4.15(s、2H)、3.82(s、3H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z214.99(M+H)+。
N−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(化合物82):N−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2−クロロアセトアミド(15mg、0.070mmol),6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10.81mg、0.058mmol)及びヨウ化ナトリウム(4.36mg、0.029mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(12.18μL、0.087mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、N−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)アセトアミド(5.5mg、26%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.51(s、1H)、7.50(s、1H)、7.01(d、1H、J=2.4Hz)、6.83(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、6.76(d、1H、J=8.8Hz)、4.19(s、2H)、3.82(s、3H)、3.81(s、3H);ESI−MS:m/z363.97(M+H)+。
2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)アセトアミド(化合物83):2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)アセトアミド(15.8mg、0.065mmol)、6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.054mmol)及びヨウ化ナトリウム(8.07mg、0.054mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(11μL、0.081mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)アセトアミド(17mg、80%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.72(s、1H)、8.51(s、1H)、8.22(d、1H、J=2.4Hz)、7.72(dd、1H、J=2.4、8.8Hz)、7.52(s、1H)、7.35(d、1H、J=8.8Hz)、4.32(s、2H)、3.87(s、3H);ESI−MS:m/z393.98(M+)。
2−クロロ−N−(4,5−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物84):4,5−ジメトキシピリジン−2−アミン(50mg、0.324mmol)、TEA(0.113mL、0.811mmol)のDCM(2mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.028mL、0.357mmol)を室温で加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(4,5−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(19mg、0.082mmol、収率25.4%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.72(s、1H)、7.87(s、1H)、7.8(s、1H)、4.18(s、2H)、3.97(s、3H)、3.92(s、3H)ESI−MS:m/z230.91(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4,5−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物85):6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(7.24mg、0.039mmol)、2−クロロ−N−(4,5−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(9mg、0.039mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)、トリエチルアミン(0.016mL、0.117mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として2時間経過させた。濃縮及びcombiflash(4g、MeOH/DCM)での精製によって、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4,5−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(9mg、0.024mmol、収率60.7%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.52(s、1H)、7.82(s、1H)、7.78(s、1H)、7.51(s、1H)、4.26(s、2H)、3.88(s、3H)、3.85(s、3H)。ESI−MS:m/z379.96(M+H)+。
2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物86):5,6−ジメトキシピリジン−2−アミン(100mg、0.649mmol)、TEA(0.226mL、1.622mmol)のDCM(3mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.057mL、0.714mmol)を室温で加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(85mg、0.369mmol、収率56.8%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.75(s、1H)、7.95(d、J=8Hz、1H)、7.54(s、1H)、7.37(d、J=8Hz、1H)、4.46(s、2H)、4.25(s、3H)、4.20(s、3H)。ESI−MS:m/z231.12(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物87):6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(8.05mg、0.043mmol)、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(10mg、0.043mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)及びトリエチルアミン(0.018mL、0.130mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として終夜経過させた。二つの新たなスポットを分取TLC(MeOH/DCM)によって精製して、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(9mg、0.024mmol、収率54.7%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.51(s、1H)、7.58(d、J=8.4Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.22(d、J=8.4Hz、1H)、4.23(s、2H)、3.89(s、3H)、3.80(s、3H)。ESI−MSm/z、380.09(M+H)+。
2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物88):4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アニリン(50mg、0.226mmol)、TEA(0.079mL、0.565mmol)のDCM(2mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.020mL、0.249mmol)を室温で加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)アセトアミド(49mg、0.165mmol、収率72.8%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.13(s、1H)、7.36(s、1H)、7.26(s、1H)、7.13(d、J=8.8Hz、1H)、6.89(d、J=8.8Hz、1H)、4.39(m、2H)、4.18(s、2H)、3.87(s、3H)ESI−MS:m/z297.92(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)アセトアミド(化合物89):6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(10mg、0.054mmol)、2−クロロ−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)アセトアミド(16.04mg、0.054mmol),ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)及びトリエチルアミン(0.023mL、0.162mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を加熱して65℃とした。二つの新たなスポットを分取TLC(MeOH/DCM)によって精製して、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)アセトアミド(9mg、0.020mmol、収率37.4%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.50(s、1H)、7.50(s、1H)、7.37(s、1H)、7.16(d、J=8.8Hz、1H)、6.97(d、J=8.8Hz、1H)、4.47(m、2H)、4.22(s、2H)、3.83(s、3H)。ESI−MSm/z、447.01(M+H)+。
2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(化合物90):5,6−ジメトキシピリジン−3−アミン(50mg、0.324mmol)、TEA(0.113mL、0.811mmol)のDCM(3mL)中溶液に、2−クロロアセチルクロライド(0.028mL、0.357mmol)を室温で加えた。1時間後、濃縮及びcombiflash(4g、EtOAc/ヘキサン)での精製によって、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(56mg、0.243mmol、収率74.9%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.16(s、1H)、7.71(s、J=2Hz、1H)、7.62(d、J=2Hz、1H)、4.21(s、2H)、4.01(s、3H)、3.90(s、3H)ESI−MS:m/z230.99(M+H)+。
2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(化合物91):6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−チオール(8.05mg、0.043mmol)、2−クロロ−N−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(10mg、0.043mmol)、ヨウ化ナトリウム(1mg、6.67μmol)及びトリエチルアミン(0.018mL、0.130mmol)のCH3CN(1mL)中反応混合物を加熱して65℃として終夜経過させた。二つの新たなスポットを分取TLC(MeOH/DCM)によって精製して、2−((6−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)アセトアミド(13mg、0.034mmol、収率79%)を得た。1H NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.50(s、1H)、7.82(d、J=2Hz、1H)、7.58(d、J=2Hz、1H)、7.50(s、1H)、4.25(s、2H)、3.91(s、3H)、3.82(s、3H)、ESI−MSm/z、380.04(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(化合物92):2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(11.21mg、0.059mmol)、2−クロロ−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(10mg、0.049mmol)及びヨウ化ナトリウム(3.68mg、0.025mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(10.27μL、0.074mmol)を加え、65℃で1時間攪拌した。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(10mg、57%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.22(s、1H)、6.82(dd、1H、J=2.4、8.0Hz)、6.49(m、2H)、3.76(s、2H)、2.29(s、3H);ESI−MS:m/z358.03(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(化合物93):2−クロロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(13.73mg、0.063mmol)、2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(10mg、0.053mmol)、ヨウ化ナトリウム(3.94mg、0.026mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(10.99μL、0.079mmol)を加え、加熱して65℃として1時間経過させた。MeCNを除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)アセトアミド(11mg、56%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3−CD3OD)δppm8.65(s、1H)、7.49(dd、1H、J=2.8、13.2Hz)、7.18(d、1H、J=8.4Hz)、7.01(t、1H、J=9.2Hz)、4.24(s、2H)、3.83(s、3H)、2.70(s、3H);ESI−MS:m/z372.02(M+H)+。
6−アミノ−2−メトキシピリジン−3−オール(化合物94):5,6−ジメトキシピリジン−2−アミン(70mg、0.454mmol)のDCM中溶液を冷却し、それに、トリブロモボラン(1.362mL、1.362mmol)(1M DCM中溶液)をゆっくり加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、飽和Na2CO3で反応停止し、次に水を加えた。水層をDCMで抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィーによって精製して、6−アミノ−2−メトキシピリジン−3−オール(24mg、38%)を褐色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm6.91(d、1H、J=8Hz)、6.03(d、1H、J=8.4Hz)、3.87(s、3H);ESI−MSm/z141.17(M+H)+。
2−クロロ−N−(5−ヒドロキシ−6−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物95):6−アミノ−2−メトキシピリジン−3−オール(24mg、0.171mmol)及び炭酸カリウム(28.4mg、0.206mmol)のアセトン−水中混合物を冷却し、それに、2−クロロアセチルクロライド(0.015mL、0.188mmol)を0℃でゆっくり加え、1時間攪拌した。反応液をEtOAcで希釈し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、溶媒留去した。褐色固体としての粗取得物2−クロロ−N−(5−ヒドロキシ−6−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(33mg、89%)をそれ以上精製せずに次のステップで用いた。1H−NMR(400MHz、CD3OD)δppm7.50(d、1H、J=8.4Hz)、7.07(d、1H、J=8.4Hz)、4.19(s、2H)、3.93(s、3H);ESI−MS:m/z217.00(M+H)+。
2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5−ヒドロキシ−6−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(化合物96):2−クロロ−N−(5−ヒドロキシ−6−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(10mg、0.046mmol)、2−メルカプト−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(10.54mg、0.055mmol)及びヨウ化ナトリウム(3.46mg、0.023mmol)のMeCN中混合物に、トリエチルアミン(9.65μL、0.069mmol)を加え、反応液を65℃で1時間攪拌した。溶媒を除去し、粗取得物をcombiflash SiO2クロマトグラフィー(0−5%MeOH−DCM)によって精製して、2−((6−シアノ−7−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)チオ)−N−(5−ヒドロキシ−6−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(13mg、76%)を白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm13.69(s、1H)、10.43(s、1H)、9.22(s、1H)、8.70(s、1H)、7.40(d、1H、J=8.4Hz)、7.05(d、1H、J=8.0Hz)、4.34(s、2H)、3.84(s、3H)、2.62(s、3H);ESI−MS:m/z371.07(M+H)+。
実験生物学:
1.ENPP1阻害アッセイ
材料:
アッセイ緩衝液:1mM CaCl2、0.2mM ZnCl2、50mM Tris、pH9.0
基質:8mMチミジン5′−モノリン酸p−ニトロフェノールエステルナトリウム塩(Sigmaカタログ番号T4510)
酵素:5ng/μL組換えヒトENPP−1タンパク質(R&Dカタログ番号6136−EN−010)
DMSO
96ウェル透明アッセイプレート。
方法:
薬剤の8点連続希釈液を、アッセイ緩衝液中10×で調製し、最終アッセイ濃度は10μMから開始して、3μM、1μM、0.3μM・・・0μMとした。DMSOの希釈液を対照として含めた。アッセイプレートを、次のように設定し(アッセイ緩衝液81μL+ENPP1阻害剤若しくはDMSO 10μL+基質5μL+酵素4μL)、各ウェルは二連とした。酵素及び基質の両方をウェルの反対側に加えて、全てのウェルが両方の成分を有するまで相互作用が全くないようにした。次に、プレートを10秒間やさしく遠心し、次に37℃で45分間インキュベートした。Envisionを用いて405nmでの吸光度を測定することで、反応を定量した。
IC50計算:IC50値は、GraphPad Prism5ソフトウェアを用いて求められる。データは、各濃度の薬剤についての阻害パーセントとして、ソフトウェアにX−Yプロットとして入力した。薬剤の濃度値を対数変換し、GraphPadソフトウェア内の「シグモイド用量−応答(可変勾配)」オプションを用いて非線形回帰を行って、データをモデル化し、IC50値を計算した。報告されているIC50値は、50%阻害に達した薬剤濃度である。
この実験の結果を図1に示している。図1は、化合物21、68及び78がENPP1の活性阻害において有効であったことを示している。
2.ENPP2阻害アッセイ
材料:
アッセイ緩衝液:10mM CaCl2、10mM CaCl2、5mM MgCl2、50mM Tris、0.02%Brij−35、pH8.5
基質:2mMビス(p−ニトロフェニル)リン酸ナトリウム塩(Sigmaカタログ番号N3002)
酵素:0.2ng/μL組換えヒトENPP−2/オートタキシンタンパク質(R&Dカタログ番号5255−EN)
PF−3080
DMSO
96ウェル透明アッセイプレート。
方法:
薬剤の8点連続希釈液を、アッセイ緩衝液中10×で調製し、最終アッセイ濃度は10μMから開始して、3μM、1μM、0.3μM・・・0μMとした。DMSOの希釈液を対照として含めた。アッセイプレートを、次のように設定し(アッセイ緩衝液15μL+ENPP1阻害剤若しくはDMSO 10μL+基質50μL+酵素25μL)、各ウェルは二連とした。酵素及び基質の両方をウェルの反対側に加えて、全てのウェルが両方の成分を有するまで相互作用が全くないようにした。次に、プレートを10秒間やさしく遠心し、次に37℃で45分間インキュベートした。Envisionを用いて405nmでの吸光度を測定することで、反応を定量した。
IC50計算:IC50値は、GraphPad Prism5ソフトウェアを用いて求められる。データは、各濃度の薬剤についての阻害パーセントとして、ソフトウェアにX−Yプロットとして入力した。薬剤の濃度値を対数変換し、GraphPadソフトウェア内の「シグモイド用量−応答(可変勾配)」オプションを用いて非線形回帰を行って、データをモデル化し、IC50値を計算した。報告されているIC50値は、50%阻害に達した薬剤濃度である。
この実験の結果を図2A及び2Bに示している。図2A及び2Bは、化合物21及び78及びそれらの個々のナトリウム塩が、ENPP2の活性の阻害において有効ではなかったことを示している。これらの結果は、化合物21及び78がENPP1の阻害では選択的であったが、ENPP2ではそうではなかったことを示している。
3.ENPP1サーマルシフトアッセイ
材料:
組換えヒトENPP−1タンパク質(R&Dカタログ番号6136−EN−010)
アッセイ緩衝液(1mM CaCl2、0.2mM ZnCl2、50mM Tris、pH9.0)
5000× SYPRO Orange(ThermoFisherカタログ番号S6651)
384ウェルPCRプレート。
方法:
各薬剤を、アッセイ緩衝液中の10倍溶液として調製し、SYPRO Orangeを希釈して10倍濃度水溶液とした。ウェルを、次のように384ウェルPCRプレートにおいて二連で設定した(アッセイ緩衝液14μL、ENPP1阻害剤又はDMSO2μL、ENPP1タンパク質2μL(0.5μg))。各ウェルを混和し、氷上で5分間インキュベートした。インキュベーション後、SYPRO Orange 2μLを各ウェルに混合し、次に優しく遠心した。ViiA7ソフトウェアを用い、温度を25℃から開始し、0.05℃/秒ずつ上昇させて最高温度99℃として、タンパク質融解反応を行った。
この実験の結果を図3に示している。図3は、化合物21が、組換えENPP1タンパク質の安定性を高める上で有効であったことを示している。ENPP1のTm(タンパク質変性転移の中間点)は64.2℃であり、これは化合物21の存在下で67.84℃まで上昇した。これらの結果は、化合物21がENPP1と直接結合し、それの活性を調節することを示唆している。
4.ENPP1石灰化アッセイ
材料:
Saos−2細胞(ATCCカタログ番号HTB−85)
培地
24ウェル組織培養プレート
アスコルビン酸、5mg/mL(100×)
β−グリセロリン酸、1M(100×)
リン酸緩衝生理食塩水
アリザリンレッド、40mM pH4.2
70%エタノール
色素抽出試薬、10%メタノール+10%酢酸。
方法:
Saos−2細胞を、密度1.5×106細胞/ウェルで蒔き、それに続く1〜2日かけて100%集密度まで増殖させた。完全に集密となったら、培地を、1×アスコルビン酸、1×β−グリセロリン酸、及び変動濃度のENPP1阻害剤(適用可能な場合)を補充した新鮮な培地に置き換えた。石灰化成分の添加を第1日と見なした。第3日に、培地を洗浄せずに優しく吸引し、次に新鮮な培地,石灰化成分及びENPP1阻害剤(適用可能な場合)を加えた。第5日に、培地を優しく吸引し、細胞をPBSで2回洗浄した。次に、細胞を氷冷70%エタノールで4℃で1時間にわたり固定した。細胞をPBSで1回洗浄し、優しく回転させながら、室温で30分間にわたりアリザリンレッドで染色した。染色した細胞を、優しく回転させながら、室温で10分間にわたり水で3回洗浄した。細胞のイメージング後、色素抽出試薬を各ウェルに加え、室温で30分間インキュベートした。Envisionを用い、波長405nmでの吸光度を測定することで、アリザリンレッドを定量した。
この実験の結果を図4に示している。図4は、化合物21及び68がENPP1の石灰化結節を作る能力を阻害する上で有効であったことを示している。これらの結果は、ENPP1の阻害が、細胞の基質石灰化を制御することが既報であるピロリン酸/リン酸比を変えた可能性があることを示唆している。
代表的な開示化合物が各種の生化学活性及び細胞活性を調節する能力を、上記のENPP1及びENPP2阻害アッセイ、ENPP1タンパク質安定性アッセイ及びENPP1ミネラルアッセイを用いて求めた。
いずれかのENPP1活性の阻害のIC50(μM)を表1及び2に示してある。
IC50又は別のアッセイ結果を「ND」として示す場合、それは示したアッセイでは求めなかった。
予想される医薬組成物例
これらの例を通じて使用される「有効成分」は、1以上の本発明の化合物、又はそれの薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、水和物及び立体化学的異性体型に関する。錠剤、懸濁液、注射剤及び軟膏での本発明の化合物の製剤の下記の例は予想されるものである。
本発明の製剤の処方の代表例を下記に提供する。本明細書において、本発明に従って所望の用量で開示化合物を用いる充填ゼラチンカプセル、乳濁液/懸濁液、軟膏、坐剤又は咀嚼錠型などの各種の他の製剤を用いることができる。本明細書で開示されており、標準的な参考文献、例えば英国及び米国薬局方、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)及びMartindale The Extra Pharmacopoeia(London The Pharmaceutical Press)に記載の技術などの好適な剤形を調製するための各種従来技術を用いて、予想的な医薬組成物を調製することができる。この参考文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
a.経口投与用医薬組成物
錠剤は下記のように調製することができる。
或いは、1錠当たり、開示化合物約100mg、乳糖(1水和物)50mg、トウモロコシデンプン(国産)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(例えば、BASF、Ludwigshafen、ドイツから)10mg及びステアリン酸マグネシウム2mgを用いる。活性成分、乳糖及びデンプンの混合物を5%(質量比)PVP水溶液とともに造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混和する。この混合物を、一般的な打錠プレス(例えば、錠剤フォーマット:直径8mm、曲率半径12mm)を用いて成形する。加える成形力は、代表的には約15kNである。
或いは、開示化合物は、経口用に製剤された懸濁液で投与することができる。例えば、所望の開示化合物約100〜5000mg、エタノール(96%)1000mg、キサンタンガム400mg、及び水99gを、攪拌しながら合わせる。本発明による所望の開示化合物約10〜500mgの単一用量を、経口懸濁液10mLによって提供することができる。
これらの例において、有効成分は、同じ量の本発明による化合物で、特に同じ量の例示の化合物によって置き換わっていることができる。状況により、例えば、錠剤型に代えて、カプセル、例えば充填ゼラチンカプセルを用いるのが望ましい場合がある。錠剤又はカプセルの選択は、部分的に、使用される特定の開示化合物の生理化学的特徴によって決まる。
経口製剤を作るのに有用な代替の担体の例は、乳糖、ショ糖、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガムなどである。これらの代替の担体を、所望の溶解、吸収、及び製造上の特徴に必要な場合、上記で提供のものに代えて用いることができる。
ヒト用の医薬組成物で使用される錠剤当たりの開示化合物の量は、好適な動物モデル、例えばラット及び少なくとも一つの非齧歯類で得られた毒性データ及び薬物動態データの両方から求められ、ヒト臨床試験データに基づいて調節される。例えば、開示化合物が約10〜1000mg/錠剤用量単位のレベルで存在することが適切であると考えられる。
b. 注射用の医薬組成物
非経口組成物は、下記のように調製することができる。
或いは、静脈注射用の医薬組成物を用いることができ、任意に最大約15%のCremophor EL、及び任意に最大15%のエチルアルコール、及び任意に最大2当量の薬学的に好適な酸、例えばクエン酸又は塩酸とともに生理食塩中の開示化合物約100〜5000mg、ポリエチレングリコール400 15g及び水250gを含む組成物を用いる。そのような注射組成物の調製は、次のように行うことができる。開示化合物及びポリエチレングリコール400を、攪拌しながら水に溶かす。溶液を滅菌濾過し(孔径0.22μm)、無菌条件下で加熱滅菌点滴瓶に充填する。点滴瓶をゴムシールで密閉する。
さらなる例において、静脈注射用の医薬組成物を用いることができ、組成物は、任意に最大15重量%のCremophor EL、及び任意に最大15重量%のエチルアルコール、及び任意に最大2当量の薬学的に好適な酸、例えばクエン酸若しくは塩酸とともに開示化合物約10〜500mg、標準生理食塩水を含む。製剤は次のように行うことができる。所望の開示化合物を、攪拌しながら生理食塩水に溶かす。任意に、Cremophor EL、エチルアルコール又は酸を加える。溶液を滅菌濾過し(孔径0.22μm)、無菌条件下で加熱滅菌点滴瓶に充填する。点滴瓶をゴムシールで密閉する。
本例では、有効成分は、同じ量の本発明による化合物で、特に同じ量の例示の化合物によって置き換わっていることができる。
ヒト用の医薬組成物で使用されるアンプル当たりの開示化合物の量は、好適な動物モデル、例えばラット及び少なくとも一つの非齧歯類で得られた毒性データ及び薬物動態データの両方から求められ、ヒト臨床試験データに基づいて調節される。例えば、開示化合物が約10〜1000mg/錠剤用量単位のレベルで存在することが適切であると考えられる。
非経口製剤に好適な担体は、例えば、水、生理食塩水などであり、それは可溶化剤又はpH調節剤として働くトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどとともに用いることができる。非経口製剤は、好ましくは用量単位当たり開示化合物50〜1000mgを含む。
本発明の範囲や精神を逸脱しない限りにおいて、本発明において各種の変更及び改変を行うことが可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、本明細書及び本明細書で開示の本発明の実務を考慮すれば、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は例示のみと見なされるものであり、本発明の真の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲によって示される。