JP2020530443A - 突然変異体イソクエン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、及びその組成物、並びに方法 - Google Patents

突然変異体イソクエン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、及びその組成物、並びに方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置するのに有用な新規な化学化合物、及び該化合物を含む医薬組成物、並びに該化合物の調製及び使用の方法を提供する。【選択図】なし

Description

優先権主張及び関連特許出願
本出願は、2017年7月24日出願の米国仮特許出願第62/536,371号の優先権の利益を主張するものであり、その中身は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は一般的に、特定の疾患及び疾病に対する治療及び処置の方法に関する。より具体的に、本発明は、新規な化合物、及び癌の処置に有用な前記化合物を含む組成物、並びに前記化合物の調製と使用の方法を提供する。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)は、イソクエン酸塩の酸化的脱カルボキシル化を触媒して、アルファ−ケトグルタル酸塩(α−ケトグルタル酸塩)及びCOをもたらす酵素である。IDHは、ヒトにおける3つのアイソフォームに存在する:IDH3はクエン酸サイクルの第3の工程を触媒し、一方でNAD+をNADHへとミトコンドリアにおいて変換する。アイソフォームIDH1及びIDH2は、クエン酸サイクル以外での同じ反応を触媒し、NAD+の代わりに補助因子としてNADP+を使用する。IDHはサイトゾルの他、ミトコンドリア及びペルオキシソームにも局在化する。
正常な野生型IDH酵素は、栄養素を分解して細胞に対するエネルギーを生成することを補助する。突然変異時に、IDHは、細胞の遺伝的プログラミングを変更する分子を作成し、且つ、成熟する代わりに、前記細胞は原始的なままであり且つ迅速に増殖する。非突然変異IDH1/2は、イソクエン酸塩のa−ケトグルタル酸塩(a−KG)への酸化的脱カルボキシル化を触媒し、それによりNAD+(NADP+)をNADPへと、例えば正反応において還元する。
IDH1及びIDH2は、広範囲の血液悪性病変及び固形腫瘍悪性病変において変異する。特定の癌細胞に存在するIDH1/2の突然変異は、野生型IDH 1/2により形成されないR(−)−2−ヒドロキシグルタラート(2HG)への−ケトグルタル酸塩のNAPH依存性還元を、酵素が触媒する新たな能力をもたらす。ヒトIDH2遺伝子は、452のアミノ酸のタンパク質をコードする(GenBank entries M_002168.2 and P_002159.2; The MGC Project Team 2004, Genome Res. 14:2121−2127)。ヒトIDH1遺伝子は414のアミノ酸のタンパク質をコードする(GenBank entries M_005896.2 and P_005887.2; Nekrutenko et al, 1998 Mol. Biol. Evol. 15: 1674−1684; Geisbrecht et al, 1999 J Biol. Chem. 274:30527−30533; Wiemann et al, 2001 Genome Res. 11 :422−435; The MGC Project Team 2004 Genome Res. 14:2121−2127; Sjoeblom et al. 2006 Science 314:268−274)。2HG産生は、癌の形成と進行に起因すると考えられている(Dang, et al. 2009 Nature 462:739−44.)。
癌の治療と処置方法を、例えば突然変異体IDH1/2及びそのアルファヒドロキシル新規活性(neoactivity)の有効な阻害を介して改善する必要性が緊急に増えつつある。
本発明は、突然変異したIDH1及び/又はIDH2タンパク質の新規で、経口利用可能で、選択的で、且つ強力な阻害剤を提供する。本明細書に開示される化合物は可逆的に、不可逆共有結合を突然変異体IDH1タンパク質及び/又はIDH2タンパク質と共に結合させる又は形成し、且つ、効果的にそれぞれのアルファヒドロキシル活性を阻害する。
一態様において、本発明は一般的に、(I)の構造式を持つ化合物、或いはその薬学的に許容可能な形態に関し:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である。
別の態様において、本発明は一般的に、(II)の構造式を有する化合物、或いはその薬学的に許容可能な形態に関し:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する。
また別の態様において、本発明は一般的に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(I)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物に関し:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である。
また別の態様において、本発明は一般的に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物に関し:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、及びNHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する。
また別の態様において、本発明は一般的に、本明細書に開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
また別の態様において、本発明は一般的に、癌或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、減少、又は予防するための方法に関し、該方法は、必要とする被験体に医薬組成物を投与する工程を含み、該医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(I)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含み:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である。
また別の態様において、本発明は一般的に、癌或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、減少、又は予防するための方法に関し、該方法は、必要とする被験体に医薬組成物を投与する工程を含み、該医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含み:
式中、
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl、F基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、及びNHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する。
定義
別段の定めのない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。有機化学の一般的な原理の他、特異的な官能性部分及び反応性も、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 2006に記載されている。
本発明の特定の化合物は、特定の幾何学的又は立体異性の形態で存在し得る。本発明は、そのような全ての化合物、例えば、本発明の範囲内にあるような、シス異性体及びトランス異性体、R及びS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物などを企図する。追加の不斉炭素原子はアルキル基などの置換基に存在し得る。そのような全ての化合物の他、それらの混合物も、本発明に含まれることが意図される。
様々な異性体比率の何れかを含む異性体混合物が、本発明に従って活用され得る。例えば、2つの異性体のみが組み合わせられる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、又は100:0の異性体比率を含む混合物が、本発明によって企図される。当業者は、同様の比率が更に複雑な異性体混合物に対して企図されることを容易に認識する。
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーは、望まれる場合、不斉合成、又はキラル補助基による派生によって調製される場合があり、ここで、結果として生じるジアステレオ異性混合物は分離され、純粋な望ましいエナンチオマーを得るために補助基が切断される。代替的に、分子が、アミノなどの塩基性官能基、或いはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性の酸又は塩基で形成され、その後、従って当該技術分野で周知の分別結晶又はクロマトグラフィー法によって形成されたジアステレオマーの分解が行われて、続いて純粋なエナンチオマーの回収が行われる。
本明細書で使用されるように、開示された化合物の「投与」は、本明細書で説明されるように、適切な製剤又は投与経路を使用した、本明細書に記載されるような化合物、プロドラッグ、又は他のその薬学的に許容可能な誘導体の、被験体への送達を包含する。
本明細書で使用されるように、用語「求電子基」又は「求電子試薬」は、新たな共有結合を形成するべく1対の電子へと引きつけられ且つそれらを受け入れ可能な基又は部分を指す。典型的な親電子基はアクリルアミド基を含む。
本明細書で使用されるように、用語「有効な量」又は「治療上有効な量」は、以下に示されるように、疾患の処置を含むがこれに限定されない意図した用途を達成するのに十分な、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物の量を指す。幾つかの実施形態において、量は、癌細胞の増殖又は拡散の検出可能な死滅又は阻害に有効な量;腫瘍のサイズ又は数;或いは癌のレベル、段階、進行、又は重症度の測定値である。治療上有効な量は、意図した用途、或いは処置される被験体及び疾患状態、例えば、望ましい生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される疾患、投与の形態、及び患者の体重と年齢によって変動する場合があり、これらは当業者により容易に決定可能である。この用語はまた、標的細胞における特定の反応、例えば細胞移動の減少を引き起こす投与量に適用される。特異的な投与量は、例えば、選択された特定の化合物、被験体の種及びそれらの年齢/既存の健康状態或いは健康状態に対するリスク、従われる投与レジメン、疾患の重症度、他の薬剤と組み合わせるかどうか、投与のタイミング、投与される組織、及び運ばれる身体送達系に依存して変動する。
本明細書で使用されるように、疾患又は障害を「処置」又は「処置すること」は、それらが生じる前又は後にそのような状態を減らし、遅延し、又は改善する方法を指す。処置は、疾患及び/又は根本的な病状の1つ以上の効果又は症状を対象とし得る。処置は、治療効果及び/又は予防効果を含むがこれらに限定されない有益な又は望ましい結果を得ることを目的とする。治療効果は、処置されている根本的な障害の根絶又は改善を意味する。同様に、治療効果は、患者が依然として基礎疾患による影響を受け得るにもかかわらず、患者の改善が観察されるように、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶又は寛解により達成される。予防効果に関して、医薬化合物及び/又は組成物は、疾患の診断が行われなくとも、特定の疾患を進行する危険のある患者に、又は、疾患の1以上の生理学的な症状を報告する患者に投与され得る。処置は何らかの減少であり、疾患或いはその症状の完全な除去であり得るが、これに限定されない。同等の未処置の対照と比較して、標準技術によって測定されるように、そのような減少又は予防の程度は、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、又は100%である。
本明細書で使用されるように、用語「治療効力」は、本明細書に記載されるような治療効果及び/又は予防効果を指す。予防効果は、疾患又は疾病の出現を遅らせるか排除すること、疾患又は疾病の症状の発症を遅らせるか排除すること、疾患又は疾病の進行を遅らせるか、停止させるか、或いは逆転させること、又はこれらの任意の組み合わせを含んでいる。
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容可能なエステル」は、インビボで加水分解するエステルを指し、ヒトの身体において容易に分解して親化合物又はその塩を残すものを含む。そのようなエステルは本明細書で定義されるようなプロドラッグとして作用し得る。薬学的に許容可能なエステルは、限定されないが、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、スルフィン酸、スルホン酸、及びボロン酸を含むがこれらに限定されない酸性基の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及びシクロアルキルのエステルを含む。エステルの例は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、アクリル酸塩、及びエチルコハク酸塩を含む。エステルは、親化合物のヒドロキシ又はカルボン酸の基で形成され得る。
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容可能なエノールエーテル」は、限定されないが、式−C=C(OR)の誘導体を含み、ここで、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及びシクロアルキルから選択され得る。薬学的に許容可能なエノールエステルは、限定されないが、式−C=C(OC(O)R)の誘導体を含み、ここで、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及びシクロアルキルから選択され得る。
本明細書で使用されるように、開示された化合物の「薬学的に許容可能な形態」は、限定されないが、開示された化合物の薬学的に許容可能な塩、エステル、水和物、エステル、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識された誘導体を含む。一実施形態において、「薬学的に許容可能な形態」は、限定されないが、開示された化合物の薬学的に許容可能な塩、エステル、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識された誘導体を含む。幾つかの実施形態において、「薬学的に許容可能な形態」は、限定されないが、開示された化合物の薬学的に許容可能な塩、エステル、立体異性体、プロドラッグ、及び同位体標識された誘導体を含む。
特定の実施形態において、薬学的に許容可能な形態は、薬学的に許容可能な塩である。本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容可能な塩」は、適切な医学良識の範囲内で、不適当な毒性、炎症、アレルギー反応等なしに被験体の組織に接触させて使用するのに適切であり、且つ合理的なベネフィット・リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容可能な塩は当該技術分野で周知である。例えば、Berge et al.は、J.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1−19において薬学的に許容可能な塩を詳述している。本明細書で提供される化合物の薬学的に許容可能な塩は、適切な無機及び有機の酸及び塩に由来するものを含む。薬学的に許容可能で無毒な付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸か、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸などの有機酸か、或いは、イオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。幾つかの実施形態において、塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含んでいる。
塩は、親化合物の遊離塩基又は遊離酸をそれぞれ適切な塩基又は酸と反応させることなどによって、開示された化合物の単離及び精製中にインサイツで、或いは別個に調製することができる。適切な塩基に由来した薬学的に許容可能な塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(C1−4アルキル)の塩を含む。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属の塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等を含む。更なる薬学的に許容可能な塩は、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成された、無毒なアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンのカチオンを含む。塩が由来し得る有機塩基は、例えば、一級アミン、二級アミン、及び三級アミン、自然発生の置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む置換されたアミン、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩から選択され得る。
特定の実施形態において、薬学的に許容可能な形態は「溶媒和物」(例えば水和物)である。本明細書で使用されるように、用語「溶媒和物」は、非共有結合の分子間力によって結合された溶媒の化学量論又は非化学量を更に含む、化合物を指す。溶媒和物は、開示された化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり得る。溶媒が水である場合、溶媒和物は「水和物」である。薬学的に許容可能な溶媒和物及び水和物は、例えば、1〜約100、1〜約10、又は1〜約2、3、又は4の溶媒或いは水分子を含み得る、複合体である。本明細書で使用されるような用語「化合物」は、化合物及びその溶媒和物の他、その混合物を含むことが理解されるだろう。
特定の実施形態において、薬学的に許容可能な形態は、プロドラッグである。本明細書で使用されるように、用語「プロドラッグ」(又は「プロ−ドラッグ」)は、開示された化合物又はその薬学的に許容可能な形態をもたらすためにインビボで形質転換される化合物を指す。プロドラッグは、被験体に投与される時は不活性であり得るが、例えば、加水分解(例えば血液中での加水分解)により活性化合物へとインビボで変換される。特定の場合、プロドラッグは、親化合物よりも物理的及び/又は送達の特性が改善されている。プロドラッグは、(例えば、経口投与後に血液への吸収の増強を可能にすることにより)被験体に投与された時の化合物の生物学的利用能を増加させることができ、或いは、親化合物に比べて対象の生物学的区画(例えば脳又はリンパ系)への送達を増強する。典型的なプロドラッグは、親化合物に比べて、水溶解度又は腸膜を介した能動輸送を増大させた、開示された化合物の誘導体を含む。
プロドラッグ化合物は大抵、哺乳動物の生物体において溶解度、組織適合性、又は遅延放出といった利点を有する(例えば、Bundgard, H. , Design of Prodrugs (1985), pp. 7− 9, 21−24 (Elsevier, Amsterdam)を参照)。プロドラッグの議論は、Higuchi, T., et al., “Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S. Symposium Series, Vol. 14, and in Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において提供され、文献は両方とも参照により完全に本明細書に組み込まれる。プロドラッグの典型的な利点は、限定されないが、親化合物に比べて生理的pHでの非経口投与に対して増強された水溶解度などの物理的性質を含み、或いは、消化器官からの吸収を増強し、又は長期保管のために薬物安定性を増強することができる。
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容可能な」賦形剤、担体、又は希釈剤は、薬学的に許容可能な物質、組成物、又はビヒクルを指し、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入物質などが挙げられ、これらは主題の医薬品を、1つの臓器又は身体部分から、別の臓器又は身体部分へと運ぶ又は輸送することに関与する。担体はそれぞれ、製剤の他の成分に適合可能であり、且つ患者に有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として機能し得る物質の幾つかの例は、以下を含む:ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンとジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターと座剤用ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルとラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬製剤中で利用される他の非毒性の適合性の物質。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及びポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドのコポリマーなどの湿潤剤、乳化剤、及び潤滑剤の他、着色料、剥離剤、コーティング剤、甘味料、香味料及び芳香剤、防腐剤、及び抗酸化剤も、組成物中に存在し得る。
本明細書で使用されるように、用語「被験体」は、特定の処置のレシピエントである、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを含むがこれらに限定されない任意の動物(例えば哺乳動物)を指す。典型的に、「被験体」及び「患者」という用語は、ヒト被験体に関して本明細書で交換可能に使用される。
本発明の化合物は、それらの調製後、好ましくは95%以上(「実質的に純粋」)の重量を含む組成物を得るために単離され且つ精製され、その後、本明細書で記載されるように使用又は製剤される。特定の実施形態において、本発明の化合物は99%を超える純度である。
本発明の化合物の溶媒和物及び多形体も本明細書で企図される。本発明の化合物の溶媒和物は、例えば水和物を含む。
特異的な官能基及び化学用語の定義は、以下により詳しく記載される。値の範囲が表記されると、その範囲内の各値及びサブ範囲を含むように意図される。例えば、「C1−6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1−6、C1−5、C1−4、C1−3、C1−2、C2−6、C2−5、C2−4、C2−3、C3−6、C3−5、C3−4、C4−6、C4−5、及びC5−6アルキルを含むように意図される。
本明細書で使用されるように、用語「アルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1〜10の炭素原子(例えば、C−C10アルキル)を有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。本明細書中に現れる場合は常に、「1〜10」などの数的範囲は、指定された範囲の各々の整数を指し、例えば「1〜10個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、及び最大10個の炭素原子から成り得ることを意味するが、本定義はまた、数の範囲が指定されない用語「アルキル」の出現を包含する。幾つかの実施形態において、「アルキル」はC1−6アルキル基であり得る。幾つかの実施形態において、アルキル基は、1〜10、1〜8、1〜6、又は1〜3の炭素原子を有する。代表的な飽和した直鎖アルキルは、限定されないが、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、及び−n−ヘキシルを含み;一方で飽和した分子鎖アルキルは、限定されないが、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2,3−ジメチルブチルなどを含む。アルキルは、単結合によって親分子に結合する。本明細書において別段の定めのない限り、アルキル基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホン酸塩、尿素、−Si(R、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)N(R(ここでtは1又は2である)、−P(=O)(R)(R)、又は−OP(=O)(OR、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これら部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。非限定的な実施形態において、置換されたアルキルは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、及びフェネチルから選択され得る。
本明細書で使用されるように、用語「アルコキシ」は、酸素を介して親分子の構造に結合される、直鎖の、分子鎖の、飽和した環状の構成及びその組み合わせの、1〜10の炭素原子(C1−10)を含む基−O−アルキルを指す。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンタオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどを含む。「低級アルコキシ」は、1〜6の炭素を含むアルコキシ基を指す。幾つかの実施形態において、C1−3アルコキシは、1〜3つの炭素原子の直鎖アルキルと分子鎖アルキル両方を含むアルコキシ基である。本明細書において別段の定めのない限り、アルコキシ基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホン酸塩、尿素、−Si(R)、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)N(R(ここでtは1又は2である)、−P(=O)(R)(R)、又は−OP(=O)(OR、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これら部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
本明細書で使用されるように、用語「芳香族」又は「アリール」は、6〜14の環原子(例えばC6−14芳香族、又はC6−14アリール)を持つラジカルを指し、これは、炭素環式である抱合π電子系を有する少なくとも1つの環を持つ(例えばフェニル、フルオレニル、及びナフチル)。幾つかの実施形態において、アリールはC6−10アリール基である。例えば、置換されたベンゼン誘導体から形成され、且つ環原子にて自由原子価を持つ二価のラジカルは、置換されたフェニレン基を含むラジカルとして命名される。他の実施形態において、自由原子価を持つ炭素原子からの1つの水素原子の除去により「−イル」で名称が終わる、一価の多環式炭化水素ラジカルに由来する二価のラジカルは、対応する一価のラジカルの名称に「−イデン(idene)」を加えることにより命名され、例えば、2つの結合点を持つナフチル基はナフチリデンと命名される。本明細書中に現れる場合は常に、「6〜14のアリール」などの数の範囲は、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「6〜14の環原子」は、アリール基が、最大14の環原子を含む、6つや7つなどの環原子から成り得ることを意味する。この用語は、単環式又は縮合環の多環式(つまり、隣接する環原子対を共有する環)の基を含む。多環式アリール基は、二環、三環、四環などを含む。多環基において、1つの環のみが芳香族であることを求められ、そのため、インダニルなどの基はアリールの定義によって包含される。アリール基の非限定的な例は、フェニル、フェナレニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、インドリル、インダニルなどを含む。本明細書において別段の定めのない限り、アリール部分は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホン酸塩、尿素、−Si(R、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)N(R(ここでtは1又は2である)、−P(=O)(R)(R)、又は−OP(=O)(OR、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これら部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
本明細書で使用されるように、用語「シクロアルキル」及び「カルボシクリル」は各々、炭素及び水素しか含まない単環式又は多環式ラジカルを指し、飽和されているか、又は部分的に不飽和であり得る。部分的に不飽和のシクロアルキルは、炭素環が少なくとも1つの二重結合を含む場合は「シクロアルケニル」、又は炭素環が少なくとも1つの三重結合を含む場合は「シクロアルキニル」と命名され得る。シクロアルキル基は、3〜13の環原子(即ち、C3−13シクロアルキル)を持つ基を含む。「3〜10」などの数の範囲は、本明細書で出てくるときは常に、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「3〜13の炭素原子」は、シクロアルキル基が最大13の炭素原子を含む3つ、4つ、5つなどの炭素原子から成り得ることを意味する。用語「シクロアルキル」はまた、ヘテロ原子を含まない、架橋された及びスピロ縮合された環式構造を含む。この用語は、単環式又は縮合環の多環式(つまり、隣接する環原子対を共有する環)の基も含む。多環式アリール基は、二環、三環、四環などを含む。幾つかの実施形態において、「シクロアルキル」はC3−8シクロアルキルラジカルであり得る。幾つかの実施形態において、「シクロアルキル」はC3−5シクロアルキルラジカルであり得る。シクロアルキル基の例示的な例は、以下の部分を含むがこれらに限定されない:C3−6カルボシクリル基は、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などを含む。C3−7カルボシクリル基の例はノルボルニル(C)を含む。C3−8カルボシクリル基の例は、前述のC3−7カルボシクリル基の他、シクロヘプチル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルなども含む。C3−13カルボシクリル基の例は、前記のC3−8カルボシクリル基の他、オクタヒドロ−1Hインデニル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[4.5]デカニルなども含む。本明細書において別段の定めのない限り、シクロアルキル基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホン酸塩、尿素、−Si(R、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)N(R(ここでtは1又は2である)、−P(=O)(R)(R)、又は−OP(=O)(OR、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これら部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。用語「シクロアルケニル」及び「シクロアルキニル」は、「シクロアルキル」の上述の記載を映し、ここで、接頭辞「alk」は「alken」又は「alkyn」それぞれと置換され、親「アルケニル」又は「アルキニル」との用語は本明細書に記載される通りである。例えば、シクロアルケニル基には5〜8つの環原子などの3〜13の環原子を有し得る。幾つかの実施形態において、シクロアルキニル基は、5〜13の環原子を有し得る。
本明細書で使用されるように、用語「ハロゲン化物」、「ハロ」、又は代替的に「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ(chioro)、ブロモ、又はヨードを意味する。用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、及び「ハロアルコキシ」は、1以上のハロ基又はそれらの組み合わせによって置換される、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシの構造を含む。例えば、用語「フルオロアルキル」及び「フルオロアルコキシ」はハロアルキル基及びハロアルコキシ基それぞれを含み、そこにおいて、ハロは、限定されないがトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどのフッ素である。アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシ基の各々は、本明細書で定義される通りであり、随意に本明細書で定義されるように更に置換され得る。
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアルキル」は、炭素以外の原子、例えば酸素、窒素、硫黄、リン、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の骨格鎖原子を有する、アルキルラジカルを指す。数的な範囲が与えられ、例えば、C1−4ヘテロアルキルは、この例では4つの原子長である合計の鎖長を指す。例えば、−CHOCHCHラジカルは、「C」ヘテロアルキルと呼ばれ、これは原子鎖長の記載においてヘテロ原子中心を含む。親分子構造への接続は、ヘテロアルキル鎖中のヘテロ原子又は炭素の何れかを介して行われ得る。例えば、N含有ヘテロアルキル部分は、骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である基を指す。ヘテロアルキルラジカル中の1つ以上のヘテロ原子は随意に酸化され得る。1つ以上の窒素原子はまた、存在する場合、随意に四級化され得る。例えば、ヘテロアルキルは、1つ以上の窒素酸化物(−O−)置換基で置換された骨格鎖も含む。典型的なヘテロアルキル基は、限定されないが、メトキシエタニル(−CHCHOCH)、エトキシメタニル(−CHOCHCH)、(メトキシメトキシ)エタニル(−CHCHOCHOCH)、(メトキシメトキシ)メタニル(−CHOCHOCH)、及び(メトキシエトキシ)メタニル(−CHOCHCHOCH)などのエーテル;(−CHCHNHCH、−CHCHN(CH、−CHNHCHCH、−CHN(CHCH)(CH))などのアミンを含む。
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアリール」、又は代替的に「ヘテロ芳香族」は、芳香族環系中に環炭素原子及び1−6の環ヘテロ原子が提供される、5−18員の単環式又は多環式(例えば、二環式、三環、四環式など)の芳香族環系のラジカル系(例えば、環状の配置に6、10、又は14のπ電子が共有されている)を指し、ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、及び硫黄(「5−18員のヘテロアリール」)から選択される。ヘテロアリールの多環式環系は、1つ又は両方の環において1つ以上のヘテロ原子を含み得る。本明細書中に現れる場合は常に、「5〜18」などの数の範囲は、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「5〜18の環原子」は、ヘテロアリール基が、最大18の環原子を含む5つや6つなどの環原子から成り得ることを意味する。幾つかの例において、ヘテロアリールは、5〜14の環原子を有し得る。他の実施形態において、ヘテロアリールは、例えば、自由原子価を持つ原子からの1つの水素原子の除去により「−イル」で名称が終わる、一価のヘテロアリールラジカルに由来する二価のラジカルを有し、これは、対応する一価のラジカルの名称に「−エン(ene)」を加えることにより命名され、例えば、2つの結合点を持つピリジル基はピリジレンと命名される。
例えば、N含有「ヘテロ芳香族」又は「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を指す。ヘテロアリールラジカル中の1つ以上のヘテロ原子は随意に酸化され得る。1つ以上の窒素原子はまた、存在する場合、随意に四級化され得る。ヘテロアリールはまた、ピリジニルN−オキシドなどの1つ以上の窒素酸化物(−O−)置換基で置換された環系を含む。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して親分子構造に結合する。
「ヘテロアリール」はまた、ヘテロアリール環が、上記で定義されるように、親分子構造の結合点がアリール環又はヘテロアリール環の何れかの上にある1つ以上のアリール基と縮合される環系を含み、或いは、ヘテロアリール環が、上記で定義されるように、親分子構造の結合点がヘテロアリール環の上にある1つ以上のシクロアルキル又はヘテロシクリル基と縮合される環系を含む。1つの環がヘテロ原子(例えばインドリル、キノリニル、カルバゾイル等)を含まない多環式ヘテロアリール基に関して、親分子構造の結合点は何れかの環の上にあり、即ち、ヘテロ原子を有する環(例えば2−インドリル)又はヘテロ原子を含まない環(例えば5−インドリル)の何れかの上にあり得る。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環族系中に環炭素原子と1−4の環ヘテロ原子が提供された5−10員の芳香環族系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択される(「5−10員のヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環族系中に環炭素原子と1−4の環ヘテロ原子が提供された5−8員の芳香環族系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択される(「5−8員のヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香環族系中に環炭素原子と1−4の環ヘテロ原子が提供された5−6員の芳香環族系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択される(「5−6員のヘテロアリール」)。幾つかの実施形態において、5−6員のヘテロアリールには、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択された1−3の環ヘテロ原子がある。幾つかの実施形態において、5−6員のヘテロアリールには、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択された1−2の環ヘテロ原子がある。幾つかの実施形態において、5−6員のヘテロアリールには、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択された1つの環ヘテロ原子がある。
ヘテロアリールの例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7−ジヒドロ−5Hベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−キサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1、6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアニジル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]プリジニル、及びチオフェニル(即ちチエニル)を含む。本明細書において別段の定めのない限り、ヘテロアリール部分は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホン酸塩、尿素、−Si(R)、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)N(R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(NR)N(R、−N(R)S(O)N(R(ここでtは1又は2である)、−P(=O)(R)(R)、又は−OP(=O)(OR、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これら部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
本発明は、突然変異したIDH 1および/またはIDH 2タンパク質の新奇な、経口で使用できる、選択的で強力な阻害剤の予想外の発見に基づく。本明細書で開示された化合物は、突然変異体IDH 1および/またはIDH 2タンパク質と不可逆的に結合するか、あるいは、不可逆的な共有結合を形成し、および、それぞれのαヒドロキシル新活性を有効に阻害する。
GSK321およびAG−221を含む複数のIDH阻害剤が現在研究されている。これらの化合物は可逆的な手法でIDH1、IDH2、あるいはIDH1とIDH2の両方に結合すると報告されている。
報告された可逆的な阻害剤は、最適ではない効能、選択性、および暴露時間を示した。
対照的に、本発明は、おそらくは共有結合形成および長期間の薬力学により、著しく改善された効能、選択性、および暴露時間をもたらす、可逆的あるいは不可逆な阻害戦略を提供する。
本明細書で開示される新規性のある化合物のうち、いくつかは、不可逆的な共有結合を形成するためにIDH1、IDH2、あるいはIDH1とIDH2の両方との反応に適した求電子基を保持する。本発明の可逆的な阻害剤については、化合物は非共有結合的に、IDH1、IDH2、あるいはIDH1とIDH2の両方に結合する。
本明細書で開示されるアプローチの利点は、保持された標的阻害を含み、これは阻害剤への標的の一時的な曝露のみで達成され得る。このアプローチは、インビボでの保持された薬物レベルを可能にする薬理学的特性を達成する必要性を減らす。
一態様では、本発明は、(I)の構造式を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な形態に関し:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
Zは、随意にNまたはOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環またはアリル環であり、および5〜7員の脂肪族環または芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;および、
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)で随意に置換されたアリール基であり、ここで、nは0、1、または2である。
ある実施形態では、化合物は式(I−A)の構造式を有し:
ここで、XはCH、N、あるいはOであり、ここで、XがOである場合、Rは存在せず;
は、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基からなる群から選択され;
および、
とRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択され、あるいはRとRは一緒になって5〜7員の環を形成する。
ある実施形態では、化合物は式(I−B)の構造式を有し:
ここで、RとRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択され、あるいはRとRは一緒になって5〜7員の環を形成する。
ある実施形態では、化合物は式(I−C)の構造式を有し:
ここで、R10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択される。
ある実施形態では、化合物は式(I−D)の構造式を有し:
ここで、XはCH、N、あるいはOであり、ここで、XがOである場合、Rは存在せず;
は、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基からなる群から選択され;および、
10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択される。
他の態様では、本発明は、(II)の構造式を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な形態に関し:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基からなる群から選択され;あるいは、
とRは、一緒になって4〜6員の環を形成し;および、
とRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択され、あるいは、RとRは一緒になって5〜7員の環を形成する。
ある実施形態では、化合物は式(II−A)の構造式を有する:
ある実施形態では、化合物は式(II−B)の構造式を有する:
ある実施形態では、化合物は式(II−C)の構造式を有する:
ある実施形態では、R=R=Hである。
ある実施形態では、RとRの1つはHであり、もう一方はCHである。
ある実施形態では、R=R=CHである。
ある実施形態では、RとRの1つはOH、Cl、あるいはFである。
ある実施形態では、RとRの1つはアミノ基、アミド基、あるいはアルコキシル基である。
ある実施形態では、RとRの1つはC−Cアルキル基であり、もう一方はHである。
ある実施形態では、RとRの1つはCHである。
ある実施形態では、RとRの1つはCH(OH)CHである。
ある実施形態では、RとRの1つはC−Cアルコキシ基であり、もう一方はHである。
ある実施形態では、RとRの1つはOCHである。
ある実施形態では、RとRの1つはH−(C=O)−Rであり、ここで、Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、もう一方はHである。
ある実施形態では、RとRの1つはH−(C=O)−Rであり、ここで、Rは、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、もう一方はCHである。
ある実施形態では、RはC−Cアルキレン基である。
ある実施形態では、RはC−Cアルキル基である。
ある実施形態では、R7はCH、F、NHCOCH=CH、およびNHCOCHからなる群から選択される。
特定の実施形態では、化合物は、以下からなる群から選択される。
さらに別の態様では、本発明は一般に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、あるいはそれに関連する疾患または障害を処置、予防、または減少するのに有効な、(I)の構造式を有する化合物あるいはその薬学的に許容可能な形態、および、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む医薬組成物に関し:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
Zは、随意にNまたはOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環またはアリル環であり、および、5〜7員の脂肪族環または芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;および、
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、または2である。
さらに別の態様では、本発明は一般に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、あるいはそれに関連する疾患または障害を処置、予防、または減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物あるいはその薬学的に許容可能な形態、および、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む医薬組成物に関し:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、およびNHCHCHN(Me)基からなる群から選択され;あるいは、
とRは、一緒になって4〜6員の環を形成し;および、
とRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択され、あるいは、RとRは一緒になって5〜7員の環を形成する。
ある実施形態では、医薬組成物は本明細書で開示される化合物を含む。
また別の態様において、本発明は一般的に、本明細書に開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
さらに別の態様では、本発明は一般に、癌、あるいは関連する疾患または障害を処置し、減らし、あるいは予防するための方法に関し、上記方法は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、あるいはそれに関連する疾患または障害を処置、予防、または減少するのに有効な、(I)の構造式を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な形態、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物を、必要としている被験体に投与する工程を含み:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
Zは、随意にNまたはOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環またはアリール環であり、および5〜7員の脂肪族環または芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;および、
Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、または2である。
さらに別の態様では、本発明は一般に、癌、あるいは関連する疾患または障害を処置し、減らし、あるいは予防するための方法に関し、上記方法は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、あるいはそれに関連する疾患または障害を処置、予防、または減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な形態、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物を、必要としている被験体に投与する工程を含み:
式中、
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、および尿素基からなる群から選択され;
とRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、およびNHCHCHN(Me)基からなる群から選択され;あるいは、
とRは、一緒になって4〜6員の環を形成し;および、
とRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、およびNHCOCH(アセトアミド)からなる群から選択され、あるいは、RとRは一緒になって5〜7員の環を形成する。
ある実施形態では、1つ以上の癌は、B急性リンパ芽球性白血病、B急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および骨髄増殖性新生物から選択される。
ある実施形態では、1つ以上の癌は血液の癌あるいは血液悪性腫瘍を含む。ある実施形態では、1つ以上の癌は、B急性リンパ芽球性白血病、B急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および骨髄増殖性新生物から選択される。
いかなる適切な投与経路、例えば、非経口、静脈内、皮下、筋肉内、脳室内、体内、腹腔内、直腸、あるいは経口の投与も使用することができる。特別の患者に対する最も適切な投与手段は、処置されている疾患または疾病の性質と重症度、あるいは使用されている治療の性質、および活性化合物の性質に依存する。
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末、および果粒を含む。そのような固形剤形では、本明細書に記載される化合物あるいはその誘導体は、少なくとも1つの不活性な普通の賦形剤(あるいは担体)、例えば、クエン酸ナトリウムあるいはリン酸二カルシウム、または、(i)充填剤あるいは増量剤、例えば、でんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、(ii)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア、(iii)保湿剤、例えば、グリセロール、(iv)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモあるいはタピオカのデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(v)溶解遅延剤(solution retarder)、例えば、パラフィン、(vi)吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物、(vii)湿潤剤、例えば、セチルアルコールとモノステアリン酸グリセロール、(viii)吸着剤、例えば、カオリンとベントナイトおよび、(ix)潤滑剤、例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固形組成物は、高分子量ポリエチレングリコールなどと同様に、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤を使用する、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用され得る。錠剤、ドラゼー、カプセル剤、丸剤、および果粒剤の固形剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングや当該技術分野で知られているそれ以外のものを用いて調製され得る。
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、とりわけ、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、あるいはこれらの物質の混合物などを含み得る。そのような不活性な希釈液に加えて、組成物はさらに、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、調味料、あるいは芳香剤などの追加の薬剤を含み得る。
本明細書で開示される材料、組成物、および化合物は、開示された方法および組成物の生成物のために使用され得、上記生成物で使用され得、上記生成物の調製で使用され得、あるいは上記生成物である。これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物のそれぞれの様々な個体的および集合的な組み合わせや並び替えは明示的に開示されないこともあり得、各々は特異的に企図され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、方法が開示され議論され、そして、上記方法で多くの分子数を含めるために行われ得る多くの修正が議論される場合、特に反対の指示がない限り、上記方法のそれぞれのおよびあらゆる組み合わせや並び替え、および可能な修正は具体的に企図される。同様に、これらの任意の部分集合あるいは組み合わせは具体的に企図および開示される。この概念は、限定されないが、開示された組成物を使用する方法の工程を含む本開示のすべての態様に当てはまる。したがって、実施することができる様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程の各々は、開示された方法の任意の特定の方法工程あるいは方法工程の組み合わせを用いて実施され得ること、および、各々のそうした組み合わせあるいは組み合わせの部分集合は、具体的に企図され、かつ、開示されたものと解釈されなければならない。
本発明の特定の化合物は、とりわけ、幾何学的形態あるいは立体異性形態で存在し得る。本発明は、そのシス異性体およびトランス異性体、RエナンチオマーおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、ラセミ体混合物、ならびにこれらの他の混合物を含む、こうしたすべての化合物を、本発明の範囲内に属するものとみなす。追加の不斉炭素原子はアルキル基などの置換基に存在し得る。そのような全ての化合物の他、それらの混合物も、本発明に含まれることが意図される。
様々な異性体比率のいずれかを含む異性体混合物が、本発明に従って活用され得る。例えば、2つの異性体のみが組み合わせられる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0の異性体比率を含む混合物が、本発明によって企図される。当業者は、同様の比率が更に複雑な異性体混合物に対して企図されることを容易に認識する。
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましい場合、それは不整合成またはキラル補助基による誘導によって調製され得、このとき、結果として生じるジアステレオ異性混合物は分離され、純粋な望ましいエナンチオマーを得るために補助基が切断される。代替的に、分子が、アミノなどの塩基性官能基、あるいはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性の酸または塩基で形成され、その後、従って当該技術分野で周知の分別結晶またはクロマトグラフィー法によって形成されたジアステレオマーの分解が行われて、続いて純粋なエナンチオマーの回収が行われる。
5−1の合成の反応スキーム:
メチル5−(ジエトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(3)。−20°Cの40mLの無水ジグリム中の30−35%KH(0.13g)撹拌懸濁液に、25mLの無水ジグリム中のジエトキシアセトニトリル(15.5g、0.12mol)とイソシアノ酢酸メチル(17g、0.17mol)の溶液を加えた。結果として生じた混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。混合物を室温に冷まし、NHCl溶液でクエンチした。溶液をジクロロメタン(1L)で抽出した。組み合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮することで、褐色油を得た。冷たいエーテルを残留物に加え、結果として生じた白色沈殿物を濾過して乾燥させることで、白色固形物として所望の生成物を得た。(13g、50%)。m/z 229[M+H]
メチル5−ホルミル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(4)。水(30mL)中のメチル5−(ジエトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(11g、49.5mmol)の撹拌懸濁液に、酢酸(100mL)を加えた。結果として生じた混合物を6時間、窒素下で撹拌した。溶液を乾燥させることで、白色固形物としてメチル5−ホルミル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(7.2g、85%)を得た。
メチル5−((ベンジル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(6)。無水THF(300mL)中のメチル5−ホルミル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(6.5g、41mmol)の撹拌懸濁液に、無水のNaSO(35g、420mmol)と2−(ベンジルアミノ)エタノ−1−オール(8g、52mmol)を加えた。結果として生じた混合物を、2時間窒素下にて室温で撹拌した。トリ酢酸水素化ホウ素ナトリウム(30g、140mmol)を加え、結果として生じた混合物を2日間窒素下で撹拌し、飽和したNaHCO溶液でクエンチした。混合物をジクロロメタン(500mL)でさらに抽出した。組み合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマドグラフィーによって精製することで、白色固形物(6g、35%)として化合物を得た。MS m/z290[M+H]
メチル5−((ベンジル(2−クロロエチル)アミノ)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(7)。無水ジクロロメタン(300mL)中のメチル5−((ベンジル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(6g、20mmol)の撹拌懸濁液に、塩化チオニル(10g、85mmol)を加えた。結果として生じた混合物を3時間40℃で撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物をそれ以上精製することなく次の工程で使用した(6.5g、100%)。
メチル7−ベンジル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸塩(8)。メチル5−((ベンジル(2−クロロエチル)アミノ)メチル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸塩(6.5g)を、アセトニトリル(200mL)に溶かして、TEA(15mL)を加えた。結果として生じた混合物を、窒素下にて6時間80℃で撹拌した。混合物を飽和したNaHCO溶液でクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、MgSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマドグラフィーによって精製することで、褐色固形物として化合物を得た(4g、65%)。MS m/z272[M+H]
7−(tert−ブチル)1−メチル5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸塩(9)。メチル7−ベンジル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸塩(4g、0.15mol)をエタノール(120mL)に溶かし、ジtertブチルジカーボネート(5g、0.17mol)を加え、その後、DIEA(8mL)および20%水酸化パラジウム炭素(2g)を加えた。結果として生じた混合物を、3時間水素雰囲気(90psi)下で撹拌した。混合物をセライトのパッドを介してろ過し、メタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマドグラフィーによって精製することで、白色固形物として化合物を得た(3.2g、80%)。MS m/z282 [M+H]
7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(10)。7−(tert−ブチル)1−メチル 5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(3.2g、11mmol)を、アセトニトリル(120mL)において溶解し、およびBS(2.4g、13mmol)を加えた。結果として生じる混合物を窒素下で4時間撹拌した。上記混合物を水でクエンチし、ジクロロメタン(100mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマドグラフィーによって精製し、白色固形物として化合物(3g、80%)を得た。MSm/z360[M+H]
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(11)。7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(1g、2.6mmol)を、メタノール(200mL)において溶解し、LiOH(5M、5mL)を加えた。結果として生じる混合物を40℃で2時間撹拌した。上記混合物を減圧下で濃縮し、氷上で冷却し、1N HC1により処理してpH=3にした。上記混合物をろ過し、水で洗浄し、乾燥させて、白色固形物として所望の生成物(0.8g、75%)を得た。MS m/z346[M+H]
tert−ブチル 3−ブロモ−1−(m−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(13)。DMF(2mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(0.3g、0.87mmol)の溶液に、化合物(12)(0.12g、0.9mmol)、HATU(0.5g、1.125mmol)、およびDIEA(0.23g、1.5mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。10分後に、反応混合物に水を加え、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、乾燥させることにより、白色固形物として化合物(13)(0.25g、70%)を得た。MS m/z435[M+H]
tert−ブチル 3−ベンジル−1−(m−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(15)。化合物(13)(0.2g、0.46mmol)を、1,4−ジオキサン(5mL)および水(2mL)において溶解した。化合物(14)(0.2g、0.6mmol)を加え、その後、PdCl(dppf)(0.01g、0.012mmol)、炭酸セシウム(0.3g、0.75mmol)を加えた。結果として生じる混合物を90°Cで2時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、Mg2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマドグラフィーによって精製し、白色固形物として化合物(0.15g、76%)を得た。MS m/z447[M+H]
3−ベンジル−N−(m−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(16)。化合物(15)(0.15g、0.34mmol)を、酢酸エチル(5mL)において溶解し、その後HC1(EA中4N、5mL)において溶解した。結果として生じる明な溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じる残基を高真空下に一定の重量まで乾燥させて、黄色固形物として化合物(16)(0.11g、100%)を得た。
3−ベンジル−7−(lH−ピロール−2−カルボニル)−N−(m−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−1)。ジクロロメタン(10mL)中の化合物(16)(0.11g、0.32mmol)の溶液に、DIEA(0.06g、0.47mmol)およびlH−ピロール−2−カルボニルクロリド (0.04g、0.3mmol)を、0°Cで2分間加えた。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(30mL)で抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、黄色固形物として化合物(30mg、29%)を得た。MS m/z440[M+H]H NMR (400 MHz, OMSO−d) δ 11.57(s,1H), 9.59(s,1H), 7.70(s,1H), 7.60−7.54 (m,1H), 7.37−7.29(m,2H), 7.25 (d,J=7.4 Hz, 3H), 7.18(t,J=7.8 Hz,1H), 6.94(m,J=2.7, 1.3 Hz,1H), 6.87(m,J=7.6, 1.8, 0.9 Hz,1H), 6.62(m,J=3.8, 2.5, 1.4 Hz,1H), 6.18(m,J=3.7, 2.4 Hz,1H), 5.21(s,2H), 4.16(s,2H), 4.08−3.90(m,4H), 2.29(s,3H).
5−2の合成の反応スキーム:
tert−ブチル(R)−3−ブロモ−1−((3−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)カルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩[00106](3)。DMF(2mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(0.3g、0.87mmol)の溶液に、化合物(12)(0.15g、0.9mmol)、HATU(0.5g、1.125mmol)、およびDIEA(0.23g、1.5mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。10分後に、反応混合物に水を加え、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、乾燥させることにより、白色固形物として化合物(13)(0.20g、54%)を得た。MSm/z465[M+H]
tert−ブチル(S)−3−ベンジル−1−((3−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)カルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(5)。化合物(13)(0.2g、0.43mmol)を、1,4−ジオキサン(5mL)および水(2mL)において溶解した。化合物(14)(0.2g、0.6mmol)を加え、その後、PdCl(dppf)(0.01g、0.012mmol)、炭酸セシウム(0.3g、0.75mmol)を加えた。結果として生じる混合物を90°Cで2時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、MgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固形物として化合物(0.15g、70%)を得た。MS m/z477[M+H]
(S)−3−ベンジル−N−(3−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(6)。化合物(15)(0.15g、0.34mmol)を、酢酸エチル(5mL)において溶解し、その後、HC1(EA中の4N、5mL)において溶解した。結果として生じる透明な溶液を3時間室温でさせた。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じる残基を高真空下で一定の重量まで乾燥させて、黄色固形物として化合物(16)(0.10g、93%)を得た。
(S)−3−ベンジル−N−(3−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−2)。ジクロロメタン(10mL)中の化合物(16)(0.10g、0.31mmol)の溶液に、0°CのDIEA(0.06g、0.46mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド (0.04g、0.3mmol)を2分間加えた。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(30mL)で抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮させ、および残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、黄色固形物として化合物(28mg、26%)を得た。MS m/z470[M+H]H NMR (400 MHz, OMSO−d) δ 11.59(s,1H), 9.62(s,1H), 7.84(s,1H), 7.66−7.52(m,2H), 7.37−7.29(m,2H), 7.28−7.19(m,4H), 7.03 (d,J=7.6 Hz,1H), 6.94 (m,1H), 6.62 (m,1H), 6.18 (m,1H), 5.21(s,2H), 5.13 (d,J=4.2 Hz,1H), 4.74−4.63 (m,1H), 4.16(s,2H), 4.03 (d,J=5.6 Hz, 2H), 3.97 (d,J=5.5 Hz, 2H), 1.32 (d,J=6.4 Hz, 3H).
5−3の合成の反応スキーム:
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)。MeOH(370mL)中の7−(tert−ブチル)1−メチル3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸の溶液に、5N LiOH(29mL)(1)(6.55g、18.2mmol)を加えた。透明な溶液を40℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1N HClによりpHを〜6に調整した。混合物をDCMにより抽出し、有機質層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、白色固形物として3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(5.7g、90%)を得た。MS m/z347[M+H]
tert−ブチル 3−ブロモ−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(4)。DMF(10mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(0.69g、2mmol)の溶液に、p−トルイジン(3)(0.32g、3mmol)、HATU(1.14g、3mmol)、およびDIEA(0.39g、3mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。1時間後に、反応混合物に水を加え、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、凍結乾燥装置上で夜通し乾燥さることで、白色固形物として化合物(4)(0.84g、96%)を得た。MS m/z436[M+H]
tert−ブチル3−(ナフタレン−1−イル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)。化合物(4)(0.2g、4.6mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(5mL)および水(1mL)において溶解した。4、4、5、5−テトラメチル−2−(ナフタレン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5)(0.16g、0.92mmol)を加え、その後、Pd(PPh(0.1g)およびNa2CO(0.16g、1.52mmol)を加えた。結果として生じる混合物を80°Cで3時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として化合物(6)(0.2g、90%)を得た。MS m/z483 [M+H]
3−(ナフタレン−1−イル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)。EtOAc(2mL)中のtert−ブチル 3−(ナフタレン−1−イル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)(0.2g)の溶液に、開始物質4N HCl/EtOAc(10mL)を氷浴において液滴で加えた。および、結果として生じる混合物を室温で1.5時間撹拌した。ならびに、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を液滴で加え、pHを8−9に調整し、その後、EtOAcで希釈し、NaSO上で乾燥させ、および濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(ナフタレン−1−イル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.16g、98%)を得た。
3−(ナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−3)。DCM(10mL)中の3−(ナフタレン−1−イル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[l,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.2g、0.48mmol)の溶液に、0°CのTEA(0.15g、1.44mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド (8)(75mg、0.58mmol)を10分間加えた。反応混合物を水および飽和水性NaHCOで希釈し、2回分のDCMで抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、固形物として化合物(5−3)(0.14g、60%)を得た。MSm/z476[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO) δ 1 1.63(s,1H), 9.74(s,1H), 8.13 (d,J=8.2 Hz,1H), 8.10−8.01 (m,1H), 7.88 (m,1H), 7.82−7.53(m,6H), 7.1 1 (d,J=8.4 Hz, 2H), 6.96 (m,1H), 6.67(s,1H), 6.19 (d,J=3.0 Hz,1H), 5.36(s,2H), 4.05(m,2H), 3.93(m,2H), 2.27(s,3H).
5−4の合成の反応スキーム:
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)。MeOH(370mL)中の7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(1)(6.55g、18.2mmol)の溶液に、5N LiOH(29mL)を加えた。透明な溶液を40°Cで3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1N HClによりpHを〜6に調整した。その混合物をDCMにより抽出し、有機質層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮することで、白色固形物として3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(5.7g、90%)を得た。MS m/z347[M+H]
tert−ブチル3−ブロモ−1−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)カルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(4)。DMF(10mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(0.69g、2mmol)の溶液に、N1、N1−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン(3)(0.41g、3mmol)、HATU(1.14g、3mmol)およびDIEA(0.39g、3mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。1時間後に反応混合物に水を加え、および、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、凍結乾燥装置上で夜通し乾燥させることで、白色固形物として化合物(4)(0.82g、88%)を得た。MS m/z465[M+H]
tert−ブチル 1−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)カルバモイル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6−(ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)。化合物(4)(0.4g、0.86mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(5mL)および水(1mL)において溶解した。4、4、5、5−テトラメチル−2−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5)(0.31g、1.03mmol)を加え、続いて、Pd(PPh(0.05g)およびNa2CO(0.18g、1.72mmol)を加えた。結果として生じる混合物を80°Cで3時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として化合物(6)(0.32g、66%)を得た。MS m/z557[M+H]
N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)。EtOAc(2mL)中のtert−ブチル 1−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)カルバモイル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)(0.25g)の溶液に、開始物質4N HCl/EtOAc(5mL)を氷浴において滴下で加えた。および、結果として生じる混合物を室温で1.5時間撹拌した。ならびに、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を液滴で加え、pHを8−9に調整し、その後、EtOAcで希釈し、NaSO上で乾燥させ、および濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.19g、95%)を得た。
N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)。DCM(10mL)中のN−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.4g、0.87mmol)の溶液に、0°CのTEA(0.26g、2.61mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(8)(0.14g、1.04mmol)を10分間加えた。反応混合物を水および飽和水性NaHCOで希釈し、2回分のDCMで抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、固形物として化合物(9)(0.25g、52%)を得た。MS m/z550[M+H]
3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)。MeOH(5mL)中のN−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)(0.25g、0.455mmol)および10%のPd−C(0.1g)の混合物を、1大気圧の水素の下で12時間撹拌する。混合物をろ過して濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.2g、85%)を得た。MS m/z520[M+H]
3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−4)。乾燥アセトニトリル(4mL)中の3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.2g、0.38mmol)の溶液に、DIEA(98mg、0.76mmol)を加えた。結果として生じる混合物を−20°Cに下げ、その後、塩化アクリロイル(34mg、0.38mmol)を加え、5分間撹拌した。その後、それをDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させて、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−N−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−4)(63mg、29%)を得た。MS m/z574[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.64(s,1H), 10.55(s,1H), 9.56(s,1H), 8.33 (d,J=8.5 Hz,1H), 7.84 (d,J=7.3 Hz,1H), 7.78 (m,1H), 7.67(m,4H), 7.60−7.52 (m,1H), 6.96 (m,1H), 6.87 (m,1H), 6.68(m,3H), 6.33 (m,1H), 6.18 (m,1H), 5.82 (m,1H), 5.34(s,2H), 4.05(m,2H), 3.91(m,2H), 2.86(s,6H).
5−5の合成の反応スキーム:
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)。MeOH(370mL)中の7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(1)(6.55g、18.2mmol)の溶液に、5N LiOH(29mL)を加えた。透明な溶液を40°Cで3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1N HClによりpHを〜6に調整した。混合物をDCMにより抽出し、有機質層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、白色固形物として3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(5.7g、90%)を得た。MS m/z347[M+H]
tert−ブチル 3−ブロモ−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)カルボン酸塩(4)。DMF(10mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(0.69g、2mmol)の溶液に、p−トルイジン(3)(0.32g、3mmol)、HATU(1.14g、3mmol)およびDIEA(0.39g、3mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。1時間後に、反応混合物に水を加え、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、凍結乾燥装置上で夜通し乾燥さることで、白色固形物として化合物(4)(0.84g、96%)を得た。MS m/z436[M+H]
tert−ブチル3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)。化合物(4)(lg、2.3mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)において溶解した。4、4、5、5−テトラメチル−2−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5)(0.83g、2.76mmol)を加え、その後、Pd(PPh(0.1g)およびNa2CO(0.49g、4.6mmol)を加えた。結果として生じる混合物を80°Cで3時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として化合物(6)(0.89g、73%)を得た。MS m/z528[M+H]
3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)。EtOAc(4mL)中のtert−ブチル 3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)(0.89g)の溶液に、開始物質4N HCl/EtOAc(15mL)を氷浴において滴下で加えた。および、結果として生じる混合物を室温で1.5時間撹拌した。ならびに、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を液滴で加え、pHを8−9に調整し、その後、EtOAcで希釈し、NaSO上で乾燥させ、および濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物としてN−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.66g、91%)を得た。
3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)。DCM(10mL)3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.46g、1mmol)の溶液に、TEA(0.31g、3mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(8)(0.16g、1.2mmol)を、0°Cで10分間加えた。反応混合物を水および飽和水性NaHCOで希釈し、2回分のDCMで抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、固形物として化合物(9)(0.4g、77%)を得た。MSm/z521 [M+H]
3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)。MeOH(5mL)中の3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)(0.4g、0.77mmol)および10%のPdC(O.1g)の混合物を、1大気圧の水素の下で12時間撹拌した。混合物をろ過して濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5、6、7、8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.36g、95%)を得た。MS m/z491 [M+H]
3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−5)。乾燥アセトニトリル(5mL)中の3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.36g、0.38mmol)の溶液に、DIEA(0.14g、1.1mmol)を加えた。結果として生じる混合物を−20°Cに下げ、その後、塩化アクリロイル(66mg、0.73mmol)を加え、5分間撹拌した。その後、それをDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−5)(68mg、33%)を得た。MSm/z545[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.64(s,1H), 10.51(s,1H), 9.74(s,1H), 8.33 (d,J=8.5 Hz,1H), 7.84 (d,J=7.3 Hz,1H), 7.79 (m,1H), 7.76−7.63(m,4H), 7.63−7.51 (m,1H), 7.11 (d,J=8.4 Hz, 2H), 6.96(s,1H), 6.85 (m,1H), 6.66 (m,1H), 6.33 (m,1H), 6.18 (m,1H), 5.83 (m,1H), 5.35(s,2H), 4.06(m,2H), 3.91(m,2H), 2.26(s,3H).
5−6の合成の反応スキーム:
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)。MeOH(370mL)中の7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(1)(6.55g、18.2mmol)の溶液に、5N LiOH(29mL)を加えた。透明な溶液を40°Cで3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1N HClによりpHを〜6に調整した。混合物をDCMにより抽出し、有機質層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮することで、白色固形物として3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(5.7g、90%)を得た。MS m/z347[M+H]
tert−ブチル 3−ブロモ−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(4)。DMF(10mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(0.69g、2mmol)の溶液に、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(3)(0.3g、3mmol)、HATU(1.14g、3mmol)およびDIEA(0.39g、3mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。1時間後に反応混合物に水を加え、および、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、凍結乾燥装置上で夜通し乾燥させることで、白色固形物として化合物(4)(0.78g、91%)を得た。MS m/z430[M+H]
tert−ブチル 3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバモイル)−5,6−(ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)。化合物(4)(0.86g、2mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(10mL)および水(2mL)において溶解した。4、4、5、5−テトラメチル−2−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5)(0.97g、2.4mmol)を加え、続いて、Pd(PPh(0.1g)およびNa2CO(0.42g、4mmol)を加えた。結果として生じる混合物を80°Cで3時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として化合物(6)(0.8g、77%)を得た。MS m/z522[M+H]
3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)。EtOAc(4mL)中のtert−ブチル 3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)カルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)(0.8g)の溶液に、開始物質4N HCl/EtOAc(15mL)を氷浴において滴下で加えた。および、結果として生じる混合物を室温で1.5時間撹拌した。ならびに、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を液滴で加え、pHを8−9に調整し、その後、EtOAcで希釈し、NaSO上で乾燥させ、および濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.63g、98%)を得た。
3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)。DCM(20mL)中の3−(5−ニトロナフタレン −1−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.63g、1.5mmol)の溶液に、TEA(0.46g、4.5mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(8)(0.23g、1.8mmol)を0°Cで10分間加えた。反応混合物を水および飽和水性NaHCOで希釈し、2回分のDCMで抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、固形物として化合物(9)(0.3g、39%)を得た。MS m/z515[M+H]
3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)。MeOH(5mL)中の3−(5−ニトロナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)(0.3g、0.58mmol)および10%のPd−C(0.1g)の混合物を、1大気圧の水素下で12時間撹拌する。混合物をろ過して濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.26g、92%)を得た。MS m/z485 [M+H]
3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−6)。乾燥アセトニトリル(5mL)中の3−(5−アミノナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.16g、0.33mmol)の溶液に、DIEA(65mg、0.5mmol)を加えた。結果として生じる混合物を−20°Cに下げ、その後、塩化アクリロイル(30mg、0.33mmol)を加え、5分間撹拌した。その後、それをDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(5−アクリルアミドナフタレン−1−イル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−6)(71mg、40%)を得た。MS m/z539[M+H]
5−7の合成の反応スキーム:
3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)。MeOH(370mL)中の7−(tert−ブチル)1−メチル 3−ブロモ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1,7(8H)−ジカルボン酸(1)(6.55g、18.2mmol)の溶液に、5N LiOH(29mL)を加えた。透明な溶液を40°Cで3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、1N HClによりpHを〜6に調整した。混合物をDCMにより抽出し、有機質層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮することで、白色固形物として3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(5.7g、90%)を得た。MS m/z347[M+H]
tert−ブチル 3−ブロモ−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(4)。DMF(10mL)中の3−ブロモ−7−(tert−ブトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボン酸(2)(0.69g、2mmol)の溶液に、p−トルイジン(3)(0.32g、3mmol)、HATU(1.14g、3mmol)およびDIEA(0.39g、3mmol)を加えた。混合物を窒素下で、室温で撹拌した。1時間後に、反応混合物に水を加え、および、結果として生じる沈殿物をろ過によって収集し、凍結乾燥装置上で夜通し乾燥さることで、白色固形物として化合物(4)(0.84g、96%)を得た。MS m/z436[M+H]
tert−ブチル 3−(3−ニトロフェニル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)。化合物(4)(0.4g、0.92mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(5mL)および水(1mL)において溶解した。4、4、5、5−テトラメチル−2−(3−ニトロフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(5)(0.18g、1mmol)を加え、その後、Pd(PPh(50mg)およびNa2CO(0.2g、1.84mmol)を加えた。結果として生じる混合物を80°Cで3時間撹拌し、酢酸エチルを加えた。組み合わせた有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固形物として化合物(6)(0.25g、57%)を得た。MS m/z478[M+H]
3−(3−ニトロフェニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)。EtOAc(2mL)中のtert−ブチル3−(3−ニトロフェニル)−1−(p−トリルカルバモイル)−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−7(8H)−カルボン酸塩(6)(0.25g)の溶液に、開始物質4N HCl/EtOAc(10mL)を氷浴において液滴で加えた。および、結果として生じる混合物を室温で1.5時間撹拌した。ならびに、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を液滴で加え、pHを8−9に調整し、その後、EtOAcで希釈し、NaSO上で乾燥させ、および濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(3−ニトロフェニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.2g、100%)を得た。
3−(3−ニトロフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)。DCM(5mL)中の3−(3−ニトロフェニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(7)(0.2g、0.52mmol)の溶液に、TEA(0.16g、1.6mmol)および1H−ピロール−2−カルボニルクロリド(8)(82mg、0.63mmol)を0°Cで10分間加えた。反応混合物を水および飽和水性NaHCOで希釈し、2回分のDCMで抽出した。有機質層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、および、残基をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製することで、固形物として化合物(9)(0.2g、82%)を得た。MSm/z471 [M+H]
3−(3−アミノフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)。MeOH(5mL)中の3−(3−ニトロフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(9)(0.2g、0.42mmol)および10%のPd−C(0.1g)の混合物を、1大気圧の水素下で12時間撹拌する。混合物をろ過して濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、3−(3−アミノフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.18g、96%))を得た。MS m/z441 [M+H]
3−(3−アクリルアミドフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−7)。乾燥アセトニトリル(3mL)中の3−(3−アミノフェニル)−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(10)(0.1g、0.23mmol)の溶液に、DIEA(46mg、0.35mmol)を加えた。結果として生じる混合物を−20°Cに下げ、その後、塩化アクリロイル(20mg、0.23mmol)を加え、5分間撹拌した。その後、それをDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、固形物として3−(3−アクリルアミドフェニル−7−(1H−ピロール−2−カルボニル)−N−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−1−カルボキサミド(5−7)(68mg、33%)を得た。MS m/z495[M+H]H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.64(s,1H), 10.82(s,1H), 9.65(s,1H), 8.18 (m,1H), 7.89 (m,1H), 7.72(m,1H), 7.55−7.44(m,2H), 7.38(m,1H), 7.12(m,2H), 7.00−6.91(m,1H), 6.69(m,1H), 6.61(m,1H), 6.29(m,1H), 6.22 −6.15(m,1H), 5.77(m,1H), 5.30(m,2H), 4.32(m,2H), 4.08(m,2H), 2.26(s,3H).
<生物活性の試験>
化合物を2つの酵素に対して試験した。
アッセイフォーマット:IDH酵素によるNADPHの産生または枯渇は、ジアホラーゼ/レサズリンの組み合わせた検出によって測定された。
結果を表1に示す。
出願人の開示は、図を参照して好ましい実施形態において本明細書に記載されており、同様の数字は同一または類似の要素を表す。本明細書を通じて「一実施形態(one embodiment)」「実施形態(an embodiment)」、あるいは同様の用語への言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる「一実施形態では(in one embodiment)」、「一実施形態では(in an embodiment)」、および、同様の用語のフレーズの出現は、必ずしもそうではないが、すべて同じ実施形態を指す場合がある。
本出願の開示の記載される機能、構造、または特徴は、1以上の実施形態における任意の適切な様式で組み合わせられてもよい。本明細書の記載において、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が詳述される。しかし、当業者ならば、特定の詳細の1つ以上なしに、あるいは他の方法、構成要素、物質などを用いて、出願人の組成物および/または方法が実施され得ることを認識するだろう。他の例では、本開示の態様を不明瞭にするのを避けるために、周知の構造、物質、または操作は示されないか、あるいは詳細に記載されない。
本明細書と添付の請求項において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数の参照を含む。
他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。好ましい方法と物質が本明細書に記載されるが、本明細書に記載されるものに類似または同等である任意の方法および物質も本開示の実施または試験において使用され得る。本明細書に詳述される方法は、開示された特定の順序に加えて、論理上可能な任意の順序で実施されてもよい。
<引用による組み込み>
特許、特許出願、特許第公報、雑誌、本、論文、ウェブコンテンツなどの他の文献への言及あるいは引用が本開示で行われる。これらの全ての文献は、あらゆる目的のために、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって本明細書に組み込まれると言われているが、明示的に本明細書に記載される既存の定義、陳述または他の開示の資料と矛盾する任意の資料あるいはその一部は、その組み込まれた資料と本開示の資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。矛盾が生じる場合、その矛盾は、本開示を好ましい開示として支持して、解決されることとなっている。
<同等物>
代表的な実施例は、本発明を例示するのを助けるように意図されるものであって、本発明の範囲を限定するように意図されるものではなく、そのように解釈されるべきではない。実際に、本明細書に示され記載されるものに加えて、本発明の様々な変更ならびにその多くのさらなる実施形態が、実施例および本明細書に含まれる科学的文献および特許文献への参照を含む本明細書の全内容から当業者に明らかになるだろう。その実施例は、その様々な実施形態およびその同等物における本発明の実施に適し得る重要な付加的情報、例証、およびガイダンスを含んでいる。

Claims (32)

  1. (I)の構造式を有する化合物、或いはその薬学的に許容可能な形態であって、
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
    Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である、ことを特徴とする化合物。
  2. (I−A)の構造式を有しており:
    式中、
    XはCH、N、又はOであり、XがOであるとき、Rは存在せず;
    は、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基から成る群から選択され;及び
    及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する、請求項1に記載の化合物。
  3. (I−B)の構造式を有しており:
    式中、
    及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する、請求項1に記載の化合物。
  4. (I−C)の構造式を有しており:
    式中、
    10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択される、請求項3に記載の化合物。
  5. (I−D)の構造式を有しており:
    式中、
    XはCH、N、又はOであり、XがOであるとき、Rは存在せず;
    は、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基から成る群から選択され;及び
    10は、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. (II)の構造式を有する化合物、或いはその薬学的に許容可能な形態であって、
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
    及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する、ことを特徴とする化合物。
  7. (II−A)の構造式を有する、請求項6に記載の化合物。
  8. (II−B)の構造式を有する、請求項6に記載の化合物。
  9. (II−C)の構造式を有する、請求項6に記載の化合物。
  10. =R=Hである、請求項6乃至9の何れか1つに記載の化合物。
  11. 及びRのうち1つはHであり、他方がCHである、請求項6乃至9の何れか1つに記載の化合物。
  12. =R=CHである、請求項6乃至9の何れか1つに記載の化合物。
  13. 及びRのうち1つはOH、Cl、又はFである、請求項6乃至12の何れか1つに記載の化合物。
  14. 及びRのうち1つはアミノ基、アミド基、又はアルコキシル基である、請求項6乃至12の何れか1つに記載の化合物。
  15. 及びRのうち1つはC−Cアルキル基であり、他方がHである、請求項6乃至14の何れか1つに記載の化合物。
  16. 及びRのうち1つはCHである、請求項15に記載の化合物。
  17. 及びRのうち1つはCH(OH)CHである、請求項6乃至14の何れか1つに記載の化合物。
  18. 及びRのうち1つはC−Cアルコキシ基であり、他方がHである、請求項6乃至14の何れか1つに記載の化合物。
  19. 及びRのうち1つはOCHである、請求項18に記載の化合物。
  20. 及びRのうち1つはNH−(C=O)−Rであり、R8は飽和又は不飽和のヒドロカルビル基であり、他方がHである、請求項6乃至14の何れか1つに記載の化合物。
  21. 及びRのうち1つはNH−(C=O)−Rであり、R8は飽和又は不飽和のヒドロカルビル基であり、他方がCHである、請求項6乃至14の何れか1つに記載の化合物。
  22. はC−Cアルキレン基である、請求項20又は21に記載の化合物。
  23. はC−Cアルキル基である、請求項20又は21に記載の化合物。
  24. はCH、F、NHCOCH=CH、及びNHCOCHから成る群から選択される、請求項9乃至23の何れか1つに記載の化合物。
  25. 以下から成る群から選択される、請求項6に記載の化合物。
  26. ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(I)の構造式或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を有する化合物を含む医薬組成物であって、
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
    Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である、ことを特徴とする医薬組成物。
  27. ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物であって、
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、F基、Cl基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、及びNHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
    及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する、ことを特徴とする医薬組成物。
  28. 請求項1乃至25の何れか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
  29. 請求項27又は28に記載の医薬組成物を含む単位剤形。
  30. 癌或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するための方法であって、該方法は被験体に医薬組成物を投与する工程を含み、該医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(I)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含み:
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    Zは、随意にN又はOにより置換された1〜2の環炭素原子を有する5〜7員の脂肪族環又はアリール環であり、及び5〜7員の脂肪族環又は芳香環は随意に、C−Cアルキル基、Cl基、F基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、NHCHCHN(Me)基により置換され;及び
    Yは−(CH−Qであり、ここで、Qは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)により随意に置換されたアリール基であり、nは0、1、又は2である、ことを特徴とする方法。
  31. 癌或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するための方法であって、該方法は被験体に医薬組成物を投与する工程を含み、該医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の癌、或いはそれに関連する疾患又は障害を処置、予防、又は減少するのに有効な、(II)の構造式を有する化合物或いはその薬学的に許容可能な形態、及び薬学的に許容可能な賦形剤、担体、又は希釈剤を含み:
    式中、
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、Cl基、F基、OH基、アミノ基、アミド基、及び尿素基から成る群から選択され;
    及びRの各々は独立して、H基、C−Cアルキル基、F基、Cl基、CN(シアノ)基、CF基、CH(OH)CH基、OCH基、NH(Me)基、NHCOCH(アセトアミド)基、NHCOCH=CH(アクリルアミド)基、NHCOCHCH(プロピオンアミド)基、及びNHCHCHN(Me)基から成る群から選択され、或いはR及びRは共に4〜6員の環を形成し;及び
    及びRの各々は独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシル、F、Cl、CN(シアノ)、NHCOCH=CH(アクリルアミド)、及びNHCOCH(アセトアミド)から成る群から選択され、或いはR及びRは共に5〜7員の環を形成する、ことを特徴とする方法。
  32. 前記1つ以上の癌は、B急性リンパ芽球性白血病、B急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、及び骨髄増殖性新生物から選択される、請求項30又は31に記載の方法。
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