JP2020525842A - トポロジーに基づいた眼用レンズの設計 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2017年6月27日付出願の同時係属中の米国特許出願第15/634,631号である“TOPOPLOGY GUIDED OCULAR LENS DESIGN(トポロジーに基づいた眼用レンズの設計)”の優先権を主張する。同出願の全内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
強膜レンズは、負傷又は病変した角膜を有する患者の視力を回復させたりドライアイ障害に起因する不快感を緩和させたりするのに用いられてきた。人口におけるドライアイの発症率は15%と推定され、そのうちの10人中2人程度は、生活の質に大きく影響するほど症状が深刻である。地球規模で見るとこれは世界人口の3%に相当し、米国単独で見ると約924万人のドライアイ患者に相当する。
ほかにも、普段はドライアイでないが、一般的なコンタクトレンズを長時間装着した後にドライ感を覚える人が何百万人も存在する。
現在、強膜の形状を正確に測定する方法は残念ながらない。結果として、快適にフィットするレンズを探し出すには、患者の強膜表面に好適に合ったレンズを、最大2000種類ものトライアルレンズのセットから自力で選び出すことになる。これは、反復的かつ高コストな、何週間も要し得る時間のかかるプロセスとなる。良くフィットするトライアルレンズを見つけることができたとしても、そのフィット性を最適化するためのさらなる改造を当該トライアルレンズに対して施す必要性がしばしば有る。
また、強膜と角膜の最外側領域とに跨る角膜縁(limbus)の両側に対して載置面が載せられる、より小さな直径の強膜レンズの分野が存在する。負傷した眼の場合、このようなレンズは、図2cや図2dに示すように支承面の角膜領域と強膜領域との両方の負傷に追従しなければならない場合があるため、フィットさせることがなお一層困難となり得る。
屈折検査が完了すると、要求される光学的パワーおよび最良にフィットするトライアルレンズの支承面形状が判明したことになり、各患者に特化したカスタム強膜レンズを製造することが可能となる。
図2a〜図2dの負傷した眼の場合のように、眼の形状や良くフィットする最適化されたレンズの形状を定義するのに4つのベースカーブでは足りないとなると、Svochakの方法は適用できない。
結果として、患者の眼の表面に合った形状を有するカスタムフィットの強膜レンズを設計(design)・製造するための、非侵襲性の方法が所望される。
従来、強膜レンズの支承面の三次元形状は、前述したようにトライアルレンズを使用して得られてきた。しかし、眼のトポロジー走査装置の最新の進歩により、強膜の三次元形状を直接測定する方法がもたらされた。例えば米国特許第9,398,845号や米国特許第9,489,753号(いずれも参照をもって本明細書に取り入れたものとする)に開示されている、Bishop達により開発されているような形状解析装置(Topographer)により、まぶたで覆われている領域も含めた強膜の全ての領域を三次元走査することが可能である。図4に、Bishop型形状解析装置を示す。Bishop型形状解析装置の動作に関する技術的詳細は、上記の引用文献に含まれている。Bishop型形状解析装置は、さらに、あらゆる走査処理時の眼の動きも補正する。図5に、Bishop型形状解析装置を用いて得られたヒトの眼の三次元トポロジー走査画像を示す。眼の走査時には、強膜の上部領域及び下部領域を露出させるために、開瞼器(speculum)を用いて瞼を開いた状態に維持した。図5aは結果として得られた正面視であり、図5bは結果として得られた側面視であり、図5cは結果として得られたコンターマップ(contour map)[強度(intensity)は高さに比例]である。図5a、図5b及び図5cは全て、眼の一回の3秒間走査から生成したものである。
1. Bishop型形状解析装置などの眼形状解析装置を用いて、患者の眼のうちの、レンズの後面を設計するのに使われる領域の三次元トポロジーを測定する。図8a及び図8bは強膜における支承領域の一例であり、図8aでは矢印801、図8bでは矢印802で指し示されている。もたらされるトポロジー情報は、データ点の集合として得られるところ、眼の実際の形状を表すように動きブレ(motion blur)を含まないものである必要がある。図8a及び図8bに示すように、各データ点は、眼の表面上の互いに独立したx,y,z測定位置を表している。
2. 眼におけるレンズ支承面の位置、幅及びサイズを定義する。一例として図9a及び図9bには、強膜に位置した支承面が示されている。この支承面は、図9aでは矢印901、図9bでは矢印902、図10では矢印1001で指し示されている。しかしながら、支承面は、角膜と強膜とに跨ぐものであってもよいし、眼のどの場所と接触するものであってもよい。支承面の情報から、レンズの後面を、眼の実際の三次元トポロジーに沿ったものとなるように且つ図9a及び図9bに示すように支承領域内の360°全体にわたって高密度のサンプル点が存在するようにして生成する。この設計手法により、眼の型取りで得た印象(molded impression)のような形状を有する後面がもたらされる。当該後面は、支承面上の負傷領域および/またはイレギュラー領域を含むものとなり得る。
3. レンズが角膜中央領域を覆設する(vault over)ものである場合、前記形状解析装置から得られた三次元モデル又は三次元トポロジーマップから、当該強膜レンズの支承面から角膜中央表面までの瞳孔上方の最大高さ(例えば、図10cの矢印1002で指し示される高さH1)を抽出する。
4. 図11の矢印1101で指し示される強膜レンズ光学部分の後面を、角膜上にクリアランス距離(clearance distance)1107を形成しながら覆設するように設計する。これにより、強膜レンズの後面が角膜に接触することが確実になくなる。角膜に覆設される強膜レンズの場合、クリアランス距離は典型的に100〜300ミクロンの範囲内とされる。
5. レンズが眼に対して適切に及び/又は快適に着座するのを妨げかねない、強膜領域及び/又は角膜領域内の図2a〜図2dに示すような瘢痕や負傷を特定する。必要に応じて、レンズの裏面を、図11の矢印1102で指し示す負傷部を覆設するように高める(elevate)。重要なのは、そのような異常部を検出するのに十分な空間分解能を形状解析装置が確実に有しているということである。このような瘢痕や負傷は、作業従事者が図2a〜図2dや図3bに示すようなビデオカメラ画像(当該ビデオカメラ画像も前記形状解析装置により提供される)を確認することによって且つ/或いは前記三次元トポロジー・データを調べることによって識別され得る。
6. 角膜とレンズの後面中央との間に流体を含むように覆設される強膜レンズの場合、レンズ支承面下に自然発生した前記眼のトポロジーにおける矢印1103で指し示す低くなった谷部又は谷部群を利用することにより、かつ/あるいは、矢印1104,1105で指し示す少なくとも1つの又は複数の小さな盛上りギャップ(raised gaps)をレンズ後面下に形成することにより、当該レンズにより覆われる領域へと涙が自由に流出入できるようにする。このような隙間は、さらに、レンズと眼との間に当該レンズの取外しを困難にし得る過剰な吸引部(excessive suction)が形成されるのも防ぐ。上記のような谷部は、前記三次元トポロジーマップ及び/又はモデル及び/又は前記ビデオ画像を操作したり検査したりすることによって特定され得る。
● 眼のレンズ支承領域全体が、眼形状解析装置により提供された複数の互いに独立した測定データ点の三次元配列により記述される。
● データ点間の空間的関係は、走査時の眼の動きが補正されており且つ/或いは動きブレに起因したアーチファクトを含んでいない。
● 支承領域における眼のトポロジーを抽出して、レンズの後面を生成する。
● レンズの後面の各データ点は、眼の表面上のそれぞれ互いに独立したx,y,z測定位置を表している。
以下では、眼に一連のトライアルレンズを装着することなく、上記のようにして設計されたレンズ後面をもとに強膜レンズ光学部分を設計する方法について説明する。
患者がドライアイを又はコンタクトレンズによるドライアイ症状を緩和するために、強膜レンズを装着したいと考えている一方で、当該患者が眼鏡や矯正レンズを必要としなくても網膜に鮮明な像を生成できるほどの十分な視力を有している場合の強膜レンズは、眼に適用されたときに、視力が当該強膜レンズの適用前と変わらないレベルに維持されるように設計されていなければならない。
Iisinαi=Irsinαr
により与えられる。
(式中、Iiは入射ビーム側材料の屈折率であり、αiは入射ビームの、入射面と直交に引かれた直線に対する入射角であり、Irは屈折ビーム側材料の屈折率であり、αrは屈折ビームの、出射面と直交に引かれた直線に対する入射角である。)
強膜レンズを設計するのに先立って、まず、良好な視力をもたらす上で光線が矯正レンズ(眼鏡又は屈折レンズ)により角膜内のどの位置に配されるのかを決定する必要がある。これは、光源(図14aで言えば蝋燭1401a)からの光線を、矯正レンズ1402および角膜1403aの前面を通って、眼内に位置した三次元参照面1404aまでトレースすることによって達成される。
1. 光源から矯正レンズまでの光線1410a
2. 矯正レンズから角膜までの光線1411a
3. 角膜から参照面までの光線1412a
1. 参照光線セットの各光線を、角膜内側の参照面1404bを起点として眼の外部へと後戻りさせ(retrace)、角膜−生理食塩水(saline fluid)の境界1403bにて停止する。図14bの参照面1404bは、図14aの符号1404aと共通の参照面であり、便宜上再び描画している。角膜1403bは、符号1403aと共通の角膜であり、便宜上再び描画している。
2. 次に、スネルの法則を角膜(1403b)−生理食塩水(1405)の境界に対して適用することにより、この境界にて各光線がどの程度曲げられるかを算出する。角膜−生理食塩水の境界での光屈折の度合いは、スネルの法則、角膜の屈折率(T=1.376)、および三次元形状解析装置により提供された角膜1404bの形状を用いることで算出される。これにより、各光線は、新たな入射角(projected angle)で生理食塩水(1405)中から強膜レンズ1406の後面へと引続き進行する。
3. 次に、スネルの法則を、強膜レンズ(1406)の後面−生理食塩水(1405)の境界および強膜レンズ(1406)の前面−空気の境界に対して適用する。強膜レンズ(1406)の前面を出射した光線が、スネルの法則の制約内で、前記参照光線セットのうちの光源1401aと矯正レンズ1402との間に存在する図14aの矢印1410aで指し示す対応光線(equivalent rays)の逆トレースに最大限に近付く(retraces, as close as possible)ように、強膜レンズの前面及び後面の三次元形状(The shape of the three-dimensional front and back scleral lens surfaces)を調節する。スネルの法則は、生理食塩水の屈折率(I=1.335)を用いて適用される。この設計が完了したときの目標は、図14a及び図14bに示すように眼内の光線1412a,1412b同士を一致させると共に眼外の光線1410a,1410b同士を一致させることである。
a. 光源1901a(典型的には、無限遠に配置される)、患者の眼の前部に配置されることで当該患者の視力を上げる矯正レンズ1902、患者の角膜前面1903aの三次元モデル、および眼内の角膜後方に配置された参照面1904aを含む、第1のコンピュータモデル(図19a)を生成する。
b. スネルの法則を用いて、光源(1901a)からの光線を、空気中を通って、矯正レンズ1902の前面1902Fまでトレースする。
c. 矯正レンズの前面(光線入射面)1902Fの三次元形状を把握したうえで、スネルの法則を前面の空気−レンズの境界に対して適用することにより、矯正レンズ1902を通る光線の経路を決定する。
d. 矯正レンズの後面(光線出射面)1902Bの三次元形状を把握したうえで、スネルの法則を後面−空気の境界に対して適用することにより、矯正レンズ1902の後面から角膜の前面1903aまでの光線の経路を決定する。
e. 角膜の前面1903aから眼内に配置された参照面1904aまでの光線の経路を決定する。角膜の前面の三次元形状を把握したうえで、スネルの法則を前面の空気―角膜の境界および眼内の角膜と参照面との間に位置するあらゆる材料境界に対して適用する。参照面は、平面状又は曲面状であり得る。図19aで描画されているように参照面を角膜内に配置すると、遭遇する境界は空気−角膜の境界だけになる。
f. 光源1901aから参照面1904aへと進行する光線の経路を記憶し、光線のこのセットを参照光線セット(Reference Ray Set)と称する。
g. 第1のコンピュータモデルと同じ光源1901b、眼1903b、および参照面(1904b)を含む、第2のコンピュータモデルを生成する(光源1901bは光源1901aと同一であり、眼1903bは眼1903aと同一であり、参照面1904bは参照面1904aと同一である)。光源1901bを、眼から第1のコンピュータモデルと同じ距離のところに配置する。参照面を、眼内における第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する。
h. 第2のコンピュータモデル(図19b)において、眼に強膜レンズ1906を装着させて、角膜と当該強膜レンズの後面との間の隙間を流体(典型的には、生理食塩水)1905で満たす。
i. 第1のコンピュータモデル(図19a)における参照光線セットから、眼内で角膜1903aと参照面1904aとの間に位置する三次元光線を、第2のコンピュータモデル(図19b)に挿入して、当該光線を眼1903b内における第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する。強膜レンズを設計する目的上、ここでは、光線が参照面1904bを起点として、眼1903b外へと流体1905中および強膜レンズ1906を通って、当該強膜レンズの前部から光源1901bに向かって進行しているものと仮定する。
j. 角膜の前面1903bの三次元形状、角膜−流体の境界の三次元形状、角膜の屈折率(典型的には1.376)、および流体の屈折率(生理食塩水であれば典型的に1.336)を把握したうえで、角膜−流体(生理食塩水)の境界に対してスネルの法則を適用することにより、光線が角膜の前面から流体1905中を通って強膜レンズ1906の後面に達するまでの経路を決定する。
k. 強膜レンズの後面の高さ[図11の符号H2(1107)]を、角膜に覆設(vault over)するように調節する。覆設高さ(Vaulting height)は重要でないが、典型的には300ミクロン(マイクロメートル)未満とされる。
l. 第2のコンピュータモデルにおいて、スネルの法則を強膜レンズの前面(図20で拡大図示した表面2006F)及び後面(図20で拡大図示した表面2006B)に対して適用し、図19bに示す強膜レンズ光線1908bの角度及び位置が、第1のコンピュータモデルにおける参照光線セット(1907a)のうちの光源と矯正レンズとの間の図19aの矢印1908aで指し示す進行経路(the path traveled)に対してスネルの法則が課す制約内で最大限に近い近似となるように、強膜レンズ光学部分の前面及び後面の三次元形状を調節する。つまり、1908b≒1908aになるようにする。
上記では、強膜レンズに矯正レンズ光学部分を組み込んで眼鏡を不要にする方法について述べたが、以下では、網膜に鮮明な像を生成するのに矯正レンズ光学部分や眼鏡を必要としないものの、ドライアイ症状を緩和する目的や他の何らかの理由で強膜レンズを装着したいと考えている患者用の強膜レンズを設計する方法について説明する。
図23aには、対象(object)2301a(典型的には、無限に離れた場所に配置される)に焦点を合わせた患者の眼が描かれている。患者には、その対象がはっきり見えていると仮定する。図23bには、眼に強膜レンズ2304aを装着した場合が描かれている。この強膜レンズは、眼に適用されたときに、視力が当該強膜レンズの適用前と変わらないレベルに維持されるように設計されていなければならない。目標は、スネルの法則の制約内で、図23aと同じ像を図23bの網膜に投影することである。図24a及び図24bを参照して、これは、前述したように眼内のうちの参照面までの光線同士(2412aと2412b)を一致させることによって達成することができる。参照面は、眼内のうちの角膜表面後方にある任意の場所(水晶体の前方、内部又は後方)に配置され得る。眼内の光線同士を一致させるのに加えて、強膜レンズの適用前と適用後の光線同士を眼外でも一致させる。光線同士を眼外で一致させるとは、参照光線2410aと光線2410bとを一致させることに相当する。つまり、スネルの法則および強膜レンズの製造プロセスが課す制約内で、光線2410a≒光線2410b、光線2412a≒光線2412bとなるようにする。次の第2の設計例で、そのような強膜レンズを設計するのに要求される詳細なステップについて説明する。
a. 光源2501a(好ましくは、無限に離れた場所に配置される)、形状解析装置から得られた患者の角膜2503a前面の三次元モデルによる当該患者の眼(2502a)、および眼内の角膜後方に配置された参照面2504aを含む、第1のコンピュータモデル(図25a)を生成する。
b. 光源(2501a)からの光線を、空気中を通って、角膜の前面2503Faまでトレースする。
c. 角膜の前面2503Faから眼内に配置された参照面2504aまでの光線の経路を決定する。前記形状解析装置により供給された角膜の前面2503Faの三次元形状を把握したうえで、スネルの法則を前面の空気―角膜の境界および眼内の角膜と参照面2504aとの間に位置するあらゆる材料境界に対して適用する。参照面は、平面状又は曲面状であり得る。
d. 光源2501aから参照面2504aへと進行する光線の三次元経路を記憶し、光線のこのセットを参照光線セット2507aと称する。
e. 第1のコンピュータモデルと同じ光源2501b、眼2502b、および参照面(2504b)を含む、第2のコンピュータモデル(図25b)を生成する(光源2501bは光源2501aと同一であり、眼2502bは眼2502aと同一であり、角膜2503aは角膜2503bと同一であり、参照面2504bは参照面2504aと同一である)。光源2501bを、眼から第1のコンピュータモデルと同じ距離のところに配置する。参照面2504bを、眼内における第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する。
f. 第2のコンピュータモデル(図25b)において、眼に強膜レンズ2506を装着させて、角膜と当該強膜レンズの後面との間の隙間を流体(典型的には、生理食塩水)2505で満たす。
g. 第1のコンピュータモデル(図25a)における参照光線セットのうち、眼内で角膜2503aと参照面2504aとの間に位置する三次元光線を、第2のコンピュータモデル(図25b)に挿入して、当該光線を眼2503b内における第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する。強膜レンズを設計する目的上、ここでは、光線が参照面2504bを起点として、眼2502b外へと角膜の前面2503Fb、流体2505b中および強膜レンズ2506を通って、当該強膜レンズの前部から進行しているものと仮定する。
h. 角膜2503bの前面の三次元形状、角膜−流体の境界の三次元形状、角膜の屈折率(典型的には1.376)、および流体の屈折率(生理食塩水であれば典型的に1.336)を把握したうえで、角膜−流体(生理食塩水)の境界に対してスネルの法則を適用することにより、光線が角膜の前面2503Fbから流体2505b中を通って強膜レンズ2506の後面に達するまでの経路を決定する。
i. 強膜レンズの後面の高さ[ 図11の符号H2(1107)]を、角膜を覆設(vault over)するように調節する。覆設高さ(Vaulting height)は重要でないが、典型的には300ミクロン(マイクロメートル)未満とされる。
j. 第2のコンピュータモデルにおいて、スネルの法則を強膜レンズの前面(図26で拡大図示した表面2606F)及び後面(図26で拡大図示した表面2606B)に対して適用する。これは、強膜レンズの前面と光源との間の図25bに示す光線2508bが、第1のコンピュータモデルにおける参照光線セットのうちの光源と角膜との間の図25aの光線2508aが指し示す進行経路(the path traveled)に対してスネルの法則が課す制約内で最大限に近い近似となるように、強膜レンズ光学部分の前面及び後面の三次元形状を調節することを伴う。光線2508aへの光線2508bの一致作業は、強膜レンズの前部でストップする。
強膜レンズ光学部分、支承面の形状、および覆設高さ(vaulting height)が定まると、上述のような強膜レンズを、精密旋盤を用いて又は3Dプリンタを用いて製造することが可能となる。精密旋盤の一例は、Ametek Precitech,Inc.社(米国ニューハンプシャー州キーン)製の「Nanoform X」である。精密3Dプリンタの一例は、Nanoscribe GmBH社(独国エッゲンシュタイン=レオポルトシュハーフェン)製の「Photonic Professional GT」である。
図28は、本明細書で説明した方法を実施するのに使用され得るシステム2800の好適な一実施形態のブロック図である。
この実施例では、形状解析装置(topographer)2810、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)/コンピュータ2820、ディスプレイ2830、およびデータストレージ2840を用いて、眼及び/又は得られるレンズの少なくとも1つの三次元モデル2850を処理及び/又は生み出さす。そして、レンズの当該少なくとも1つのモデルが、精密旋盤2860および/または3Dプリンタ2870へと供給され得る。これにより、実物のレンズ(physical lens)が作製される。
DSP/コンピュータ2820は、プログラムコードを実行することで、レンズの設計を決めるための本明細書で説明した方法のステップの一部又は全てを実行する。
そして、レンズの設計を定めた少なくとも1つの三次元モデル2850が、精密旋盤2860、3Dプリンタ2870などのレンズ製造機械(又はプロセス)へと、出力データファイルとして供給され得る。
以上から、レンズ設計の少なくとも1つの特性を決定する方法は、眼形状解析装置から、複数のデータ点の配列を受け取る工程であって、当該配列からは、各データ点の少なくとも三次元位置が抽出されることが可能である工程を備え得るものと理解されたい。前記データ点は、各データ点が眼の表面上の互いに独立したx,y,z測定位置を表すように、かつ、当該データ点間の空間的関係が前記眼の実際のトポロジーを、当該データ点の取得時に生じる動きブレのアーチファクトを含むことなく、正確に反映するように、かつ、当該データ点のサンプリング密度が、前記眼における異常を特徴付けるのに十分な高密度となるように設定されている。次に、前記方法は、前記データ点を分析し、前記レンズの後面を定義するための複数の互いに独立したデータ点の配列を決定する工程へと進む。得られるレンズは、眼における前記異常に追従するか又は当該異常を覆設するコンタクトレンズとなる。
前記形状解析装置から利用された前記データ点から、多数の独立したデータ点によって定義された象限又は象限内領域(sub-division)の境界を有するレンズ後面を決定し、象限又は象限内領域内には前記境界を定義するのに用いられていない追加の互いに独立したデータ点が存在しており、各象限又は象限内領域内における互いに独立したデータ点の密度が、レンズの快適性やフィット性を低下させ得る当該象限又は象限内領域におけるあらゆる箇所の異常を特徴付けるのに十分な高密度であり、得られる前記レンズは、前記眼における前記異常に追従するか又は当該異常を覆設するコンタクトレンズである。
眼形状解析装置から、複数のデータ点の配列を受け取る工程であって、
当該配列からは、眼の各データ点の少なくとも三次元位置が抽出されることが可能である工程;と、
前記レンズの特性を決定する工程であって、当該特性は、光学領域、移行領域及び支承面を含む、工程;と、を備え得て、
前記光学領域は、入射光を眼内へと結像させる領域であり、前記移行領域は、前記光学領域を前記支承面へと繋ぐ領域であり、前記支承面は、前記レンズのうちの眼の表面に載置される領域を含み、前記支承面は、さらに、前記形状解析装置から抽出された前記眼の前記三次元データ点の位置と合致する複数の互いに独立したデータ点の配列として定義されて、得られる前記レンズは、前記眼におけるあらゆる箇所の前記異常に追従するか又は当該異常を覆設する(vaults over)強膜レンズであり、前記光学領域内のレンズ光学部分は、当該光学部分の後面と角膜との間に流体溜まりを形成するように前記眼の当該角膜に覆設され、前記支承面は、強膜のみに載置されて当該強膜の三次元形状に追従するか、あるいは、強膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従すると共に前記角膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従するように角膜縁を跨ぎ、前記支承面は、前記レンズにより覆われる領域へと涙が自由に流出入できるように、当該レンズ支承面下に自然発生した前記眼のトポロジーにおける低くなった少なくとも1つの谷部および/または当該支承面に形成された少なくとも1つの盛上り隙間を含んでおり、当該谷部又は隙間は、レンズと眼との間に当該レンズの取外しを困難にする過剰な吸着部(excessive suction)が形成されるのも防ぐ。
網膜上に鮮明な像を生成するのに前記患者が矯正レンズ又は眼鏡を必要とする場合に、前記第1のコンピュータモデルにおいて、前記光源と眼との間に、対応する矯正レンズを挿入する工程、
前記光源からの光線を、空気中を通って、前記矯正レンズの前面までトレースする工程、
前記矯正レンズの前記前面の三次元形状を用いると共に前面の空気−レンズの境界に対してスネルの法則を適用することにより、前記矯正レンズ内での前記光線の経路を決定する工程、および、
前記矯正レンズの後面の三次元形状を用いると共に後面のレンズ−空気の境界に対してスネルの法則を適用することにより、前記光線が前記矯正レンズの前記後面から前記角膜の前記前面まで進行する際の前記光線の経路を決定する工程と、
網膜上に鮮明な像を生成するのに前記患者が矯正レンズも眼鏡も必要としない場合に、前記光源からの光線を、空気中を通って、前記角膜の前記前面まで、前記第1のコンピュータモデルに矯正レンズを挿入することなく直接トレースする工程と、
前記角膜の前記前面から前記眼内に配置された参照面までの前記光線の経路を決定し、前記角膜の前記前面の及び前記参照面の三次元形状を用いると共に前面の空気−角膜の境界および前記眼内の前記角膜と前記参照面との間に位置するあらゆる材料境界に対してスネルの法則を適用する工程と、
前記光源から前記参照面まで進行する前記光線の経路を、参照光線セットとして記憶する工程と、
前記第1のコンピュータモデルと同じ光源、眼および参照面を含む第2のコンピュータモデルを、当該光源を前記眼から前記第1のコンピュータモデルと同じ距離のところに配置し、当該参照面を前記眼内における前記第1のコンピュータモデルと同じ位置及び更に第2コンピュータモデル内に配置することによって生成する工程と、
前記第2のコンピュータモデルにおいて、前記眼に強膜レンズを装着させて、前記角膜と当該強膜レンズの後面との間の隙間を流体のモデルで満たす工程と、
前記第1のコンピュータモデルにおける前記参照光線セットのうち、前記眼内で前記角膜と参照面との間に位置する光線部分を前記第2のコンピュータモデルに挿入して、この光線部分を前記眼内における前記第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する工程と、を備え得る。
前記第1のコンピュータモデルが矯正レンズを含むものである場合には、強膜レンズ光学部分の前面及び後面に対してスネルの法則を適用し、前記第1のコンピュータモデル内の前記参照光線セットが特定する前記光源と矯正レンズとの間の共通領域にかけて、前記第2のコンピュータモデルにおける前記光線と前記第1のコンピュータモデルにおける前記光線とが、スネルの法則が定める制約内で最大限に近い近似となるように、前記レンズの前記前面及び後面の前記三次元形状を調節する工程と、
前記第1のコンピュータモデルが矯正レンズを含まないものである場合には、前記強膜レンズ光学部分の前記前面及び後面に対してスネルの法則を適用し、前記第2のコンピュータモデル内の前記強膜レンズの前記前面と光源との間の距離で定まる共通領域にかけて、前記第2のコンピュータモデルにおける前記光線と前記第1のコンピュータモデルにおける参照光線部分とが、スネルの法則が定める制約内で近似となるように、前記レンズの前記前面及び後面の前記三次元形状を調節する工程と、を備え得る。
Claims (7)
- 前面及び後面を有するレンズを設計・製造する方法であって、
a.画素データ点の配列として指定され、当該画素データ点の配列は各画素データ点の少なくとも三次元(3D)位置を含んでいる、眼の三次元モデルを提供する眼形状解析装置を動作させる工程を備え、
b. 各画素データ点は、眼の表面上のx,y,z位置および各画素データ点の対応する強度値を表しており、
c. 前記眼における臨床的に視認可能な異常を前記画素データ点の取得時に起こる衝動性の眼球運動及びランダムな眼球運動により生じるアーチファクトを補正したうえで、前記3Dモデル内の前記画素データ点間の空間的関係を、正確に反映しており、
d. 前記形状解析装置から用いられた前記画素データ点のサンプリング密度は、前記眼における少なくとも1つの前記臨床的に視認可能な異常を特徴付けるほか、瞳孔、虹彩及び血管のうちの少なくとも一つを特徴付けるのに十分な高密度であり、
当該方法が、さらに、
e. 前記形状解析装置から用いられた前記データ点から、前記レンズの前記後面を定義するための複数の互いに独立したデータ点の配列を決定する工程を備えており、
前記レンズの前記後面を定義するこれらの互いに独立したデータ点の密度は、前記眼における前記異常に応じて前記レンズの前記後面を調節することが可能になるほど十分な高密度であり、
f. 得られる前記レンズが、前記眼における前記異常に順応するか又は当該異常を覆設するコンタクトレンズとなる、方法。 - 請求項1に記載の方法において、さらに、
g. 前記設計を用いて前記コンタクトレンズを3D印刷又は機械加工する工程、
を備え、当該工程は、
光学領域、移行領域及び支承面を含む前記レンズの特性を決定する副工程を含み、
前記光学領域は、入射光を眼内へと結像させる領域であり、前記移行領域は、前記光学領域を前記支承面へと繋ぐ領域であり、前記支承面は、前記レンズのうちの眼の表面に載置される領域を含み、
得られる前記レンズは、前記異常に順応するか又は当該異常を覆設する強膜レンズであり、前記光学領域内のレンズ光学部分は、当該レンズ光学部分の後面と角膜との間に流体溜まりを形成するように前記眼の当該角膜に覆設され、前記支承面は、(i)強膜のみに載置されて当該強膜の三次元形状に追従するか、あるいは、(ii)強膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従すると共に前記角膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従するように角膜縁を跨ぎ、前記支承面は、前記レンズにより覆われる領域へと涙が自由に流出入できるように、前記眼のトポロジーのうちの当該レンズ支承面下の少なくとも一箇所から意図的に引き上げられて且つ/或いは少なくとも1つの盛上り隙間が当該支承面に形成される、方法。 - 請求項2に記載の方法において、さらに、
前記形状解析装置から用いられた前記データ点からレンズ後面を決定する工程であって、当該レンズ後面の象限又は象限内領域の境界が複数の互いに独立したデータ点により定義されて、各象限又は象限内領域内には前記境界を定義するのに用いられていない追加の互いに独立したデータ点が存在しており、各象限又は象限内領域内における互いに独立したデータ点の密度が、当該象限又は象限内領域におけるあらゆる箇所の異常を特徴付けるのに十分な高密度である、工程、
を備える、方法。 - 請求項1に記載の方法において、前記3Dモデルは、衝動性の眼球運動及びランダムな眼球運動により生じるアーチファクトが、追加の複数の工程によってさらに補正されるものであり、当該追加の複数の工程は、
3Dスキャナの複数回の走査処理から前記3D位置の情報を提供する工程、
前記3Dスキャナの各走査処理に撮像されて前記3Dモデルへと変換される2Dカメラ画像から、前記対応する強度値を提供する工程、ならびに
前記2D画像からの強度値を前記3Dモデル内の位置に対して正確にマッピング(mapping)することが可能になるように、前記3Dスキャナと前記2Dカメラとの空間的関係を一定に維持する工程であって、前記2Dカメラにより提供される前記2D画像の前記強度値は、前記眼における少なくとも1つの前記臨床的に視認可能な異常を表現しているほか、瞳孔、虹彩及び血管のうちの少なくとも一つを特徴付けている、工程、
である、方法。 - 請求項1に記載の方法において、前記眼の前記3Dモデルが、さらなる複数の工程で得られたものであり、当該複数の工程は、
2つ以上の各視線方向の複数の3Dモデルを生成する工程であって、当該複数の3Dモデルは画素データ点の配列をそれぞれ含み、各画素データ点は、x,y,z位置および対応する2Dビデオカメラ画像から導き出された対応する強度値を含んでいる、工程、
前記3Dモデルのうちの少なくとも二つに共通する少なくとも1つの視覚的特徴を特定する工程、ならびに
前記3Dモデル同士を前記x,y,z位置で互いに継ぎ合わせる工程、
である、方法。 - 患者の眼にトライアルレンズを適用することなく、レンズ光学部分の少なくとも1つの特性を含むレンズを設計製造する方法であって、
a. 光源、形状解析装置により提供された前記患者の眼の角膜前面の三次元モデルを有する眼、および前記眼内の前記角膜前面後方に配置された参照面を含む第1のコンピュータモデルを創出する工程であって、
前記三次元モデルでは前記眼の三次元データ点の位置が前記形状解析装置から抽出されたものであり、前記眼内の角膜前面後方に配置された参照面、前記参照面は平面状又は曲面状であり得る、工程と、
i.網膜上に鮮明な像を生成するのに前記患者が矯正レンズ又は眼鏡を必要とする場合に、
前記第1のコンピュータモデルにおいて、前記光源と眼との間に、対応する矯正レンズを挿入する工程、
前記光源からの光線を、空気中を通って、前記矯正レンズの前面までトレースする工程、
前記矯正レンズの前記前面の三次元形状を用いると共に前面の空気−レンズの境界に対してスネルの法則を適用することにより、前記矯正レンズ内での前記光線の経路を決定する工程、および、
前記矯正レンズの後面の三次元形状を用いると共に後面のレンズ−空気の境界に対してスネルの法則を適用することにより、前記光線が前記矯正レンズの前記後面から前記角膜の前記前面まで進行する際の前記光線の経路を決定する工程と、
ii.網膜上に鮮明な像を生成するのに前記患者が矯正レンズも眼鏡も必要としない場合に、前記光源からの光線を、空気中を通って、前記角膜の前記前面まで、前記第1のコンピュータモデルに矯正レンズを挿入することなく直接トレースする工程と、
iii.前記角膜の前記前面から前記眼内に配置された参照面までの前記光線の経路を決定し、前記角膜の前記前面の及び前記参照面の三次元形状を用いると共に前面の空気−角膜の境界および前記眼内の前記角膜と前記参照面との間に位置するあらゆる材料境界に対してスネルの法則を適用する工程と、
iv.前記光源から前記参照面まで進行する前記光線の経路を、参照光線セットとして記憶する工程と、
b. 前記第1のコンピュータモデルと同じ光源、眼および参照面を含む第2のコンピュータモデルを、当該光源を前記眼から前記第1のコンピュータモデルと同じ距離のところに配置し、当該参照面を前記眼内における前記第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置することによって、作り出す工程と、第2のコンピュータモデル内に
i. 前記第2のコンピュータモデルにおいて、前記眼に強膜レンズを装着させて、前記角膜と当該強膜レンズの後面との間の隙間を流体のモデルで満たす工程と、
ii. 前記第1のコンピュータモデルにおける前記参照光線セットのうち、前記眼内で前記角膜と参照面との間に位置する光線部分を前記第2のコンピュータモデルに挿入して、この光線部分を前記眼内における前記第1のコンピュータモデルと同じ位置に配置する工程と、
iii. 前記第2のコンピュータモデルでは前記光線が前記参照面を起点として前記眼外へと進行しているものと仮定し、前記角膜の前記前面の前記三次元形状、前記角膜の屈折率及び前記流体の屈折率を用いると共に角膜−流体の境界に対してスネルの法則を適用することにより、前記光線が前記角膜の前記前面から前記流体中を通って前記強膜レンズの前記後面まで進行する際の前記光線の経路を決定する工程と、
iv. 前記第1のコンピュータモデルが矯正レンズを含むものである場合には、強膜レンズ光学部分の前面及び後面に対してスネルの法則を適用し、前記第1のコンピュータモデル内の前記参照光線セットが特定する前記光源と矯正レンズとの間の共通領域にかけて、前記第2のコンピュータモデルにおける前記光線と前記第1のコンピュータモデルにおける前記光線とが、スネルの法則が定める制約内で最大限に近い近似となるように、前記レンズの前記前面及び後面の前記三次元形状を調節する工程と、
v. 前記第1のコンピュータモデルが矯正レンズを含まないものである場合には、前記強膜レンズ光学部分の前記前面及び後面に対してスネルの法則を適用し、前記第2のコンピュータモデル内の前記強膜レンズの前記前面と光源との間の距離で定まる共通領域にかけて、前記第2のコンピュータモデルにおける前記光線と前記第1のコンピュータモデルにおける参照光線部分とが、スネルの法則が定める制約内で近似となるように、前記レンズの前記前面及び後面の前記三次元形状を調節する工程と、
を備え、前記レンズ光学部分は、強膜レンズの光学領域に組み込まれているものであり、当該方法が、さらに、
前記強膜レンズの特性を決定する工程であって、当該特性は、光学領域、移行領域及び支承面を含み、前記光学領域は、入射光を前記眼内へと結像させる領域であり、前記移行領域は、前記光学領域を前記支承面へと繋ぐ領域であり、前記支承面は、前記レンズのうちの眼の表面に載置される領域を含み、前記支承面は、さらに、前記形状解析装置から抽出された前記眼の前記三次元データ点の位置と合致する複数の互いに独立したデータ点の配列として定義されて、前記形状解析装置から利用した各データ点は、前記眼の表面上の互いに独立したx,y,z測定位置を表しており、前記形状解析装置から利用した前記データ点間の空間的関係は、前記眼の実際のトポロジーを、前記データ点の取得時に起こる衝動性のアーチファクト又は動きブレのアーチファクトを補正したうえで正確に反映しており、前記形状解析装置から利用した前記データ点のサンプリング密度および前記レンズの前記支承面上の前記データ点のサンプリング密度が、前記眼におけるあらゆる箇所の異常を特徴付けるのに十分な高密度であり、得られる前記レンズは、前記眼におけるあらゆる箇所の前記異常に追従するか又は当該異常を覆設する強膜レンズであり、前記光学領域内のレンズ光学部分は、当該光学部分の後面と角膜との間に流体溜まりを形成するように前記眼の当該角膜に覆設され、前記支承面は、(i)強膜のみに載置されて当該強膜の三次元形状に追従するか、あるいは、(ii)強膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従すると共に前記角膜の三次元形状に部分的に載置されて当該三次元形状に追従するように角膜縁を跨ぎ、前記支承面は、前記レンズにより覆われる領域へと涙が自由に流出入できるように、前記眼のトポロジーのうちの当該レンズ支承面下の少なくとも一箇所から意図的に引き上げられて且つ/或いは少なくとも1つの盛上り隙間が当該支承面に形成される、工程と、
前記設計を用いて前記コンタクトレンズを3D印刷又は機械加工する工程と、
を備える、方法。 - 請求項6に記載の方法において、前記参照面が前記角膜後方に配置される、方法。
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