JP2020520405A - ポリエステルコポリマー - Google Patents

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Abstract

4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有し、以下を含むポリエステルコポリマー:(a)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45モル%以上50モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオールモノマー単位であって、ここでそのような1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオールから誘導される単位;(b)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25モル%以上49.9モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位;(c)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位;並びに(d)任意選択で、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0モル%以上5モル%以下の1つ以上の追加のモノマー単位。そのようなポリエステルコポリマーの製造方法、そのようなポリエステルコポリマーを含む組成物、そのようなポリエステルコポリマーの1つ以上の使用を含む物品の製造方法及びそのような方法により得られる又は得ることができる物品。

Description

本発明は、新規ポリエステルコポリマー、ポリエステルコポリマーの製造方法、ポリエステルコポリマーを含む組成物、ポリエステルコポリマーを使用する物品の製造方法及びそのような方法により得られる又は得ることができる物品に関する。
最近では、持続可能な資源から様々な化学製品を得る傾向が高まっている。ポリマー及びモノマーは、現在世界で製造されている化学製品の重要な部分を構成しており、バルクケミカルの約80%はモノマー又はモノマー前駆体である。したがって、それらは持続可能な化学産業への移行において中心的な役割を果たす。現在、ポリマーの大部分は化石燃料原料から製造されており、使用後(焼却又は分解による)地球規模での温室効果ガスの大量排出を引き起こす。いわゆる持続可能な、好ましくは部分的又は全体的にバイオベースのポリマーの開発は、より持続可能な化学産業の発展に大きく貢献する可能性がある。
過去には、(部分的に)バイオベースのポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を開発するための作業が行われてきた。例えば、WO2013/034743には、バイオPETポリマーの製造方法が記載されている。しかし、バイオベースのテレフタル酸又はバイオベースのテレフタル酸エステルを使用するこのような方法は、商業的に成功するには今日まで依然として高額である。
WO2015/142181には、少なくとも1つのフランジカルボキシレート単位、2〜10個の炭素原子を含む少なくとも1つの飽和、直鎖又は分岐ジオール単位、並びにイソソルビド、イソイジド、イソマンニド、1,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールから選択される少なくとも1つの二環式ジオール単位を含むポリエステルが記載されており、このポリエステルのガラス転移温度は90℃以上であることを特徴とする。良い結果が得られるが、このポリエステルの調製も依然として高額であり、さらに経済的により魅力のある代替品があれば有利となる。
Fenouillot et al,titled「Polymers from renewable 1,4:3,6−dianhydrohexitols(isosorbide,isomannide and isoidide):A review」,published in Progress in Polymer Science Vol.35(2010)pages 578 to 622の記事には、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール、例えばイソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシドール)、イソマンニド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール)及びイソイジド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール)は、穀物ベースの多糖類からの再生可能な資源から誘導できることが示されている。ポリマー材料の分野では、これらのジオールは重縮合物を合成又は修飾するために本質的に使用されることが示されている。モノマーとしてのそれらの魅力的な特徴は、それらの剛性、キラリティー、非毒性及び石油から誘導されないという事実に関連している。
US2003/0204029は、イソソルビド含有ポリエステル及びイソソルビド含有ポリエステルを製造する方法を記載している。US2003/0204029に記載されているポリエステルの製造方法は:45.0〜50.0モル%のジカルボン酸成分;5.0〜50.0モル%のイソソルビド;0〜45.0モル%の、エチレングリコール又はジ(エチレングリコール)以外のジオール成分;及び0〜5.0モル%の多官能性分岐剤成分で本質的に構成されるイソソルビドを組み込む第1のポリエステルと;45.0〜50.0モル%のジカルボン酸成分、45.0〜50.0モル%の、イソソルビド以外のジオール成分;及び0〜5.0モル%の多官能性分岐剤成分で本質的に構成される第2のポリエステルとを、エステル交換を行うのに十分な温度及び時間で溶融混合し、任意選択で仕上げ工程が続くことを含む。また、45〜50モル%のジカルボン酸成分、0.1〜40モル%のイソソルビド、10〜49.9モル%の別のジオール成分及び0〜5.0モル%の多官能性分岐剤成分で本質的に構成されるポリエステルについても記載している。その記載において、US2003/0204029は、イソソルビド含有ポリエステルの製造に使用できると考えられる50を超えるジカルボン酸成分の長いリストについて述べている。付随的に、US2003/0204029はまた、可能なジカルボン酸成分としてシュウ酸及びジメチルオキサレートも言及しているが、US2003/0204029は、そのようなシュウ酸及び/又はジメチルオキサレートを用いてポリエステルを製造できる方法の実施可能な開示を提供していない。US2003/0204029は、好ましくはイソソルビドを組み込む第1のポリエステルが溶融重合法により製造されることを述べている。しかし、以下で説明し、本事例の実施例で示すように、出発成分としてUS2003/0204029に述べられているようにシュウ酸又はジメチルオキサレートを使用する場合、溶融重合によって商業的に興味深い分子量のイソソルビド含有ポリエステルを得ることができない。したがって、US2003/0204029は、イソソルビド及びオキサレートを含有する任意のポリエステルを調製する知識を社会に提供せず、したがって、そのようなポリエステルを社会に開示できない。
US2010/0160548は、イソイジド及びジカルボン酸又はジカルボン酸無水物を含む混合物の重縮合によるポリエステルの製造方法を記載しており、ここで反応はモノマーの溶融物中で行われ、これらのモノマーは活性化されていない。ジカルボン酸としては、4〜20個の炭素原子を有する脂肪族の二価又は多価カルボン酸が挙げられている。シュウ酸又はオキサレートについては述べられていない。
JP2006161017(WO2005/103111の対応特許)は、大幅に改善された耐熱性を有し、160℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有するイソソルビドタイプポリオキサレートを記載するイソソルビドタイプ生分解性ポリマーの提供を対象としている。ポリオキサレートは、追加の繰り返し単位が160℃以上のガラス転移温度を損なわない限り、そのような追加の繰り返し単位を含んでもよいことが示されている。
JP2006161017は、記載のポリオキサレートが、イソソルビド、シュウ酸又はその誘導体、例えばシュウ酸ジエステル又はシュウ酸ジクロリドとの重縮合反応によって製造できることを示している。ポリオキサレートが追加の繰り返し単位として追加のエステル単位を含む場合、シュウ酸又はそれらの誘導体の一部は、重縮合反応で追加の酸成分で置き換えられる。また、ポリオキサレートが追加の繰り返し単位として追加のエステル単位を含む場合、イソソルビドの一部は追加のアルコール成分で置き換えられる。
JP2006161017の例では、シュウ酸ジフェニルエステルは、ブチルスズヒドロキシオキシド水和物触媒の存在下でイソソルビドと反応して、160℃を超えるガラス転移温度を有するポリイソソルビドオキサレートポリマーを調製する。追加の繰り返し単位を有するポリオキサレートの製造は開示されておらず、追加の繰り返し単位を有するそのようなポリオキサレートは例示されていなかった。
160℃を超える高いTgを有するJP2006161017のポリマーは、商業的に興味深い方法で処理するのが非常に難しい。
国際公開第2013/034743号 国際公開第2015/142181号 米国特許出願公開第2003/0204029号明細書 米国特許出願公開第2010/0160548号明細書 特開2006−161017号公報 国際公開第2005/103111号
Fenouillot et al,titled「Polymers from renewable 1,4:3,6−dianhydrohexitols(isosorbide,isomannide and isoidide):A review」,published in Progress in Polymer Science Vol.35(2010)pages 578 to 622
経済的に魅力のあるモノマーから部分的又は完全に誘導された商業的に許容可能な分子量及びガラス転移温度を有する新規ポリエステルコポリマーを提供すること及び/又はそのようなポリエステルコポリマーの製造のために経済的に魅力のある新規方法を提供することは、当該技術分野における進歩になる。そのようなポリエステルコポリマーが、所望により、持続可能に供給されたモノマーから部分的に又は完全に誘導できれば、さらなる進歩にさえなり得る。
そのようなポリエステルコポリマーは、本発明によるポリエステルコポリマーで得られた。したがって、本発明は、4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有する以下を含むポリエステルコポリマーを提供する:
(a)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45モルパーセント(モル%)以上50モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオールモノマー単位(1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオールから誘導される);
(b)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25モル%以上49.9モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位;
(c)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位;並びに
(d)任意選択で、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0モル%以上5モル%以下の1つ以上の追加のモノマー単位。
適切には、ポリエステルコポリマー中のモノマー単位の総モル量は、本質的に100モル%に至るまで、より好ましくは100.0モル%になる。
オキサレートモノマー単位は、上述のフランジカルボキシレート単位及びテレフタレート単位の経済的に魅力的な代替品を形成する。さらに、ポリエステルコポリマーは、以下に記載するように経済的に魅力的な方法で製造できる。有利には、例に示されるように、新規ポリエステルコポリマーは商業的に許容可能な分子量及びガラス転移温度を有する。加えて、所望により、オキサレートモノマー単位及び/又は二環式ジオールモノマー単位及び/又は直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、以下に記載されるように、持続可能な供給源から得られる及び/又は誘導されることができる。
驚くべきことに、オキサレートモノマー単位の量並びに直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位のタイプ及び量を変えることにより、ポリエステルコポリマーのガラス転移温度(Tg)をマイナス60℃(−60℃)以上、好ましくは20℃以上160℃未満、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下の範囲において所望の値に有利に目標設定できる。オキサレートモノマー単位及び直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、相乗的方法で適切に一緒に機能し、そのようにして目的のTgを好都合なことに得ることができる。
本発明による新規なポリエステルコポリマーは、フィルム、繊維、射出成形部品及び包装材料などの工業用途に有利に使用することができる。例えば、ポリエステルコポリマーが、100℃以上160℃未満、好ましくは140℃以下の範囲のガラス転移温度を目標とする場合、ポリエステルコポリマーは、製品、例えばフィルム、繊維、射出成形部品又は包装材料が耐熱性を必要とする用途、例えばコーヒーカップ、電子レンジ用途及び特定の医療用途で使用する場合、非常に適している可能性がある。ポリエステルコポリマーが、−60℃以上100℃以下又は80℃以下の範囲のガラス転移温度を目標とする場合、ポリエステルコポリマーは、製品が低温で弾力性を維持する必要がある及び/又は破損することなく若しくは脆すぎることもなく耐寒性が必要な用途、例えば自動車のバンパー又は屋外用家具の場合における使用に非常に適している可能性がある。ポリエステルコポリマーが、60℃以上120℃以下又は100℃以下の範囲のガラス転移温度を目標とする場合、ポリエステルコポリマーは、ボトル及び/又は容器などの用途でのポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の置き換えに非常に適している可能性がある。
いかなる種類の理論にも束縛されることを望まないが、本発明によるポリエステルコポリマーは、例えばPETと比較した場合、商業的に興味深い酸素透過度を有し得、及び/又は改善された(生)分解性を有し得るとさらに考えられる。
加えて、本発明は、好都合なことにこのようなポリエステルコポリマーの製造方法を提供する。したがって、本発明は、以下のモノマーを重合することを含むポリエステルコポリマーの製造方法を提供する:
(i)モノマーの総モル量に基づいて45モルパーセント(モル%)以上50モル%以下の範囲の、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール;
(ii)モノマーの総モル量に基づいて25モル%以上49.9モル%以下の範囲の、式(VI)の化学構造を有する1つ以上のシュウ酸ジエステル:
Figure 2020520405
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基であり);
(iii)モノマーの総モル量に基づいて0.1モル%以上25モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体;並びに
(iv)任意選択で、モノマーの総モル量に基づいて0モル%以上5モル%以下の1つ以上の追加のモノマー。
好適には、方法におけるモノマーの総モル量は、本質的に100モル%に至るまで、より好ましくは100.0モル%になる。
US2003/0204029に記載されている方法とは対照的に、本発明による方法の使用により、数平均分子量が4000グラム/モル以上のオキサレート含有ポリエステルコポリマーを有利に提供することが可能になる。
好都合なことに、製造されたポリエステルコポリマーのTgは、方法中に1つ以上のシュウ酸ジエステルの量並びに1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体のタイプ及び量を調整することにより、所望の値を目標とすることができる。有利には、商業的に許容可能な数平均分子量を有するポリエステルコポリマーが、商業的に許容可能な反応時間内に得られることができる。いかなる種類の理論にも拘束されることを望まないが、主に又は単独で二環式ジオールをモノマーとして使用し、反応混合物に他のジオールをほとんど又はまったく使用しないことにより、有利には上記方法の反応速度が、二環式ジオールの反応速度によって本質的に測定され得、使用されるシュウ酸ジエステルの量及び1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸(又はそれらの誘導体)のタイプ及び量から本質的に独立のままである。これにより、有利には、ポリエステルコポリマーの数平均分子量(Mn)とは無関係に、製造されたポリエステルコポリマーのガラス転移温度(Tg)を目標にできると考えられる。
以下により詳細に記載されるように、好ましくは、1つ以上のシュウ酸ジエステルは、シュウ酸と1つ以上のアルカノールとのジエステルであり、アルカノールは、20.0以下、より好ましくは15.0以下の酸解離定数(pKa)を有する。
本発明はさらに、好ましくは上記の方法により得られる又は得ることができる、4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有し、以下の繰り返し単位を含むポリエステルコポリマーを提供する:
−ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、45.0モル%以上99.9モル%以下の範囲の、イソソルビド−オキサレート、イソイジド−オキサレート、イソマンニド−オキサレート、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール−オキサレート及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトール−オキサレートからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位;
−ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上50.0モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオール−直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位;
−任意選択で、ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の範囲の1つ以上の追加の繰り返し単位;
ここで、二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位と二環式ジオール直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位とのモル比は1:1以上、より好ましくは1.5:1以上である。
適切には、ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量は、本質的に100モル%に至るまで、より好ましくは100.0モル%になる。
加えて、本発明は、上記で記載のポリエステルコポリマーのいずれか1つ並びにさらに1つ以上の添加剤及び/又は1つ以上の追加のポリマーを含む組成物を提供する。
さらに、本発明は、本発明による1つ以上のポリエステルコポリマーの使用を含む、物品の製造方法を提供する。
なおさらに、本発明は、上記で記載のような物品を製造するためのそのような方法によって得られる又は得ることができる物品を提供する。
「ポリエステル」とは、本明細書では、その主鎖中のエステル官能基を介して連結された複数のモノマー単位を含むポリマーと理解される。エステル官能基は、ヒドロキシル基(−OH)(アルカノール基とも呼ばれることがある)とカルボキシル基(−C(=O)OH)(カルボン酸基とも呼ばれることがある)とを反応させることによって形成できる。本明細書では、ポリエステルコポリマーとは、3つ以上のタイプのモノマー単位が同じポリマー主鎖に結合しているポリエステルと理解される。
請求項及び本明細書の以下でより詳細に記載されるように、本発明によるポリエステルコポリマーは、好適には、1つ以上の二環式ジオールモノマー単位((a)で述べたように)、オキサレートモノマー単位((b)で述べたように)及び1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位((c)で述べたように)を含む。さらに、ポリエステルコポリマーは、1つ以上の別個の追加のモノマー単位((d)で述べたように)を任意で含むことができる。しかし、以下で述べるように、本発明によるポリエステルコポリマーは、1つ以上の二環式ジオールモノマー単位((a)で述べたように)、オキサレートモノマー単位((b)で述べたように)及び1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位((c)で述べたように)から本質的に又は単独でなることもできる。すなわち、ポリエステルコポリマーが他の追加のモノマー単位を含まない可能性がある。
本明細書において「モノマー単位」とは、ポリエステルコポリマーに含まれる単位と理解され、その単位はモノマーの重合後に得られることができる、すなわち、「モノマー単位」は、単一のモノマー又はモノマー化合物によってポリマーの構造に寄与される構成単位である。
「モノマー」又は「モノマー化合物」とは、本明細書では、重合される出発化合物と理解される。
特に明記しない限り、「Cx」化合物は、本明細書では「x」個の炭素原子を有する化合物であると理解される。同様に、「Cy」化合物とは、本明細書では、「y」個の炭素原子を有する化合物であると理解される。したがって、特に明記しない限り、本明細書では、「Cx−Cy」化合物とは、「x」個以上「y」個以下の範囲の炭素原子を有する化合物であると理解される。したがって、誤解を避けるために、Cx−Cy化合物が「x」個より多い又は「y」個より少ない炭素原子を含むことは十分に可能である。
本明細書において以下、モノマー単位について一つずつ記載する。
第1のモノマー単位((a)にて記載)は、適切には1つ以上の二環式ジオールモノマー単位を含んでいてもよく、ここでそのような1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、以下からなる群から選択される1つ以上の二環式ジオールから適切に誘導される
Figure 2020520405
そのような誘導モノマー単位は、本明細書では「二環式ジオール誘導モノマー単位」又は単に「二環式ジオール単位」と呼ばれることもあり得る。より好ましくは、1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位であり、ここでそのような1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールから誘導される。1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールから誘導されるそのような二環式ジオールモノマー単位は、本明細書では「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位」又は単に「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位」とも呼ばれることができる。より適切には、用語「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位」、「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位」又は「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位」は、式(IIA)、(IIB)及び/又は(IIC)のモノマー単位の群から選択されるモノマー単位を指してもよい:
Figure 2020520405
式(IIA)に例示されるイソソルビドモノマー単位は、ポリエステルコポリマー内で、JP2006161017の段落[0021]及び[0022]に例示される2つの三次元構造で存在することができ、両方の構造は参照により本明細書に含まれる。
適切な1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの例には、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシドール)、イソマンニド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール)、イソイジド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール)及びそれらの混合物が含まれる。1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール異性体間の最も重要な違いは、2つの「ヒドロキシル」基の配向であり得る。この配向の違いにより、ポリマー内においてエステル基の異なる配向を生じる可能性があり、ポリマーの空間的配置並びに物理的及び化学的特性のいくつかの変形形態が可能になる。上記で示したように、ポリエステルコポリマーは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位の1つの異性体のみを含むか、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位の2つ以上の異性体の混合物、例えばイソソルビド及び/又はイソマンニド及び/又はイソイジドから誘導されるモノマー単位(本明細書では、それぞれイソソルビド単位、イソマンニド単位及び/又はイソイジド単位とも呼ばれることがある)の混合物を含むことが可能である。
好ましくは、1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位は、イソソルビド及び/又はイソイジドから誘導される。しかしながら、より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位の1つの異性体のみを含む。より好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位は、イソソルビド又はイソイジドから誘導されるモノマー単位である。なおより好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位は、イソソルビドから誘導されるモノマー単位(本明細書ではイソソルビド単位とも呼ばれることがある)である。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは、イソソルビドから誘導されるモノマー単位のみを含み、イソマンニド及び/又はイソイジドから誘導されるモノマー単位を本質的に含まない。
二環式ジオール、特に1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、好ましくは、持続可能なバイオマス材料から得られる及び/又は誘導される。本明細書において、バイオマス材料とは、石油、天然ガス又は石炭から得られる及び/又は誘導される物質の組成とは対照的に、生物源から得られる及び/又は誘導される物質の組成であると理解される。
バイオマス材料は、例えば多糖類、例えばデンプン、又はセルロース及び/又はリグノセルロース材料であることができる。本明細書では、持続可能とは、環境が枯渇せず、又は永久的に損傷しないような方法で材料が収穫される及び/又は得られることが理解される。持続可能なバイオマス材料は、例えば森林廃棄物、農業廃棄物、古紙及び/又は糖処理残渣から供給されてもよい。
イソソルビド、イソマンニド及びイソイジドは、それぞれソルビトール、マンニトール及びイジトールを脱水することにより適切に得ることができる。
これらの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの合成はよく知られており:異なる経路は、例えば、Fletcher et al.による(1,4,3,6−Hexitol dianhydride,l−isoidide,J.Am.Chem.Soc.,1945,67,1042−3及びさらに1,4,3,6−dianhydro−l−iditol and the structure of isomannide and isosorbide,J.Am.Chem.Soc.,1946,68,939−41)、Montgomery et al.による(Anhydrides of polyhydric alcohols.IV.Constitution of dianhydrosorbitol,J.Chem.Soc.,1946,390−3及びAnhydrides of polyhydric alcohols.IX.Derivatives of 1,4−anhydrosorbitol from 1,4,3,6−dianhydrosorbitol,J.Chem.Soc.,1948,237−41)、Fleche et al.による(Isosorbide.Preparation,properties and chemistry,Starch/Staerke,1986,38,26−30)及びFukuoka et al.による(Catalytic conversion of cellulose into sugar alcohols,Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,5161−3)論文及びUS3,023,223に記載されている。
その部分について、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトールは、Lavilla et al.によるBio−based poly(butylene terephthalate) copolyesters containing bicyclic diacetalized galactitol and galactaric acid:Influence of composition on properties,Polymer,2012,53(16),3432−3445に記載されているように、アセタール化及び次いでガラクタル酸の還元によって得ることができる。その部分について、2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールは、Lavilla et al.によるBio−Based Aromatic Polyesters from a Novel Bicyclic Diol Derived from D−Mannitol,Macromolecules,2012,45,8257−8266に記載されているように、ホルムアルデヒドによるD−マンニトールのアセタール化によって得ることができる。
ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオール誘導モノマー単位、好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール誘導モノマー単位を含む。より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、49.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の二環式ジオールモノマー単位、好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位を含む。ここでのパーセンテージは、単位パーセンテージであり、モル単位パーセンテージとも呼ばれることがある。すなわち、パーセンテージはモノマー単位の「モル」で計算される。
二環式ジオールモノマー単位、好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位に加えて、1つ以上の他のジカルボキシレートモノマー単位は、以下でより詳細に記載されるように、例えば0.1モル%以上5.0モル%以下の量で、任意の追加のモノマー単位として存在してもよい。しかし好ましくは、ポリエステルコポリマーは本質的にそのような他のジオールモノマー単位を含まない。すなわち、好ましくは、ポリエステルコポリマーは、二環式ジオールモノマー単位以外のジオールモノマー単位を含まず、より好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位以外のジオールモノマー単位を含まない。
第2のモノマー単位((b)にて記載)は、適切にはオキサレートモノマー単位を含む。そのようなオキサレートモノマー単位は、式(III)による化学構造を有し得る:
Figure 2020520405
そのようなオキサレートモノマー単位は、本明細書では単に「オキサレート単位」とも呼ばれることがある。
オキサレートモノマー単位は、好ましくは、持続可能な供給源から得られる及び/又は誘導される。例えば、オキサレートモノマーは、持続可能なバイオマス材料から得られてもよい及び/又は誘導されてもよい。例えばLiaud et al.,titled「Exploring fungal biodiversity:organic acid production by 66 strains of filamentous fungi」,published in Fungal Biology and Biotechnology(2014)(オンライン刊行)に記載されるような真菌の使用により、シュウ酸が生成され得、これは従来の手段によりシュウ酸ジエステルに転化され得る。しかしながら、オキサレートモノマーは、例えば電気化学的転化により、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素(CO)から得られる及び/又は誘導されることも可能である。例えば、WO2014/100828及びWO2015184388は、COのオキサレート及びシュウ酸への電気化学的転化を記載しており、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。そのようなCOは持続可能な供給源と考えられる。
ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位を含む。
オキサレートモノマー単位及び直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の量は、所望のTgを有利に目標とすることができる。いくつかの用途では、ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25.0モル%以上45.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位を含むポリエステルコポリマーである。他の用途では、ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、35.0モル%以上49.9モル%以下、より好ましくは45.0モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位を含むポリエステルコポリマーである。上記で示したように、ここでのパーセンテージは単位パーセンテージであり、モル単位パーセンテージとも呼ばれることがある。
好ましくは、オキサレートモノマー単位と直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位とのモル比は、1:1以上、好ましくは1.5:1以上である。
第3のモノマー単位((c)にて記載)は、適切には、直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含む。そのような直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、例えば、式(IV)による化学構造を有し得る:
Figure 2020520405
式中、Rは直鎖有機基である。好ましくは、Rは、二価の直鎖脂肪族、それぞれオレフィンの炭化水素基である。より好ましくは、Rは二価の直鎖脂肪族炭化水素基である。そのような二価脂肪族基は、「アルキレン」基と呼ばれることもある。
は、骨格炭素鎖内に酸素(O)、硫黄(S)及びそれらの組み合わせなどの1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく又は含まなくてもよい。ヘテロ原子が骨格炭素鎖に存在する場合、そのようなヘテロ原子は酸素であることが好ましい。
好ましくは、Rは、置換基を有さない直鎖骨格炭素鎖を含む。
そのような直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、本明細書では単に「直鎖C3−C12ジカルボキシレート単位」とも呼ばれることがある。
上述のように、ポリエステルコポリマーが1つの別個のタイプの直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位のみを含むことは可能であるが、ポリエステルコポリマーが2つ以上の別個のタイプの直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の混合物を含むことも可能である。
上記で説明したように、C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位とは、3個以上12個以下の範囲の炭素原子を有するジカルボキシレートモノマー単位と理解される。直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の例として、ポリエステルコポリマーは、例えば直鎖C3−C10ジカルボキシレートモノマー単位(すなわち、3個以上10個以下の範囲の炭素原子を有する直鎖ジカルボキシレートモノマー単位)も含むことができる。
本明細書において、直鎖ジカルボキシレートとは、好ましくは、非環状の本質的に直鎖のジカルボキシレートであると理解される。
直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、偶数又は奇数の炭素原子、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の炭素原子を有する直鎖ジカルボキシレートモノマー単位であることができる。好ましくは、直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、式(IV)による化学構造を有する直鎖ジカルボキシレートモノマー単位であり、ここでRは構造−[CH−を有するアルキレン基であり、ここでnは適切には−[CH]−単位の数を表し、nは1〜10の範囲の数字である。数字nは偶数又は奇数であることができ、適切にはnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であることができる。適切な直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の例には、マロネート(プロパンジオエート)、スクシネート(ブタンジオエート)、グルタレート(ペンタンジオエート)、アジペート(ヘキサンジオエート)、ピメレート(ヘプタンジオエート)、スベレート(オクタンジオエート)、アゼレート(ノナンジオエート)、セバケート(デカンジオエート)、ウンデカンジオエート、ドデカンジオエート、2−ブテンジオエート、2−ヘキセンジオエート、2,4−ヘキサジエンジオエート及びそれらの2つ以上の混合物が含まれる。
より好ましくは、直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、スクシネートモノマー単位、アジペートモノマー単位、スベレートモノマー単位、セバケートモノマー単位、又はこれらの1つ以上の混合物を含む。さらにより好ましくは、直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、スクシネートモノマー単位、アジペートモノマー単位又はそれらの混合物を含む。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは、1種類のみの直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含み、最も好ましくはそのような直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、スクシネートモノマー単位又はアジペートモノマー単位である。
直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、直鎖C3−C12カルボン二酸又はそれらの誘導体(例えば、酸エステル又はジエステルなど)から適切に誘導され得る。
直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、好ましくは、持続可能な供給源から得られる及び/又は誘導される。例えば、C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位は、持続可能なバイオマス材料から得られてもよい及び/又は誘導されてもよい。例えば、WO2009/065778は、真核細胞におけるコハク酸の産生を記載している。
ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含む。より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、1モル%以上、より好ましくは3モル%以上、最も好ましくは5モル%以上25モル%以下、より好ましくは25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含む。上記で示したように、ここでのパーセンテージは単位パーセンテージであり、モル単位パーセンテージとも呼ばれることがある。すなわち、パーセンテージはモノマー単位の「モル」で計算される。
上記で示したように、オキサレートモノマー単位の量並びに直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の量及びタイプは、所望のTg値を都合良く目標とすることができる。いくつかの用途では、ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、5.0モル%以上、より好ましくは15.0モル%以上25.0モル%以下の範囲の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含むポリエステルコポリマーである。他の用途では、ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上、より好ましくは5.0モル%以上15.0モル%以下の範囲の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含むポリエステルコポリマーである。
1つ以上の二環式ジオールモノマー単位、オキサレートモノマー単位及び1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位に加えて、ポリエステルコポリマーは、1つ以上の追加のモノマー単位((d)にて記載)を任意選択で含んでもよい。そのような追加のモノマー単位は、「追加の単位」とも呼ばれることがある。
任意選択で、ポリエステルコポリマーは、例えばポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下のそのような1つ以上の追加のモノマー単位を含んでいてもよい。
例えば、ポリエステルコポリマーは、1つ以上の架橋モノマー単位を適切に含んでいてもよい。そのような任意の架橋モノマー単位は、ポリエステルコポリマーのポリマー溶融粘度を増加させるのに有利であり得る。より高いポリマー溶融粘度は、場合によっては、例えば、ポリマーが溶融押出される場合、及び/又はフィルム、繊維、射出成形部品及び/又は包装材料、例えば容器の調製のために、有利であり得る。そのような任意の架橋モノマー単位の例には、3つ以上のカルボン酸官能基、ヒドロキシル官能基又はそれらの混合物を有する架橋化合物から誘導されるモノマー単位、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、クエン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、ペンタエリスリトール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が含まれる。
1つ以上の任意の架橋モノマー単位が存在する場合、ポリエステルコポリマーは、好ましくは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上5.0モル%以下の範囲の架橋モノマー単位を含む。より好ましくはポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上2.0モル%以下の範囲の架橋モノマー単位を含む。好ましい実施形態では、本質的に架橋モノマー単位は存在しない。
追加のモノマー単位はまた、1つ以上のヒドロキシ酸化合物から誘導される1つ以上のヒドロキシ酸モノマー単位を含むことができる。
例えば、ポリエステルコポリマーは、ヒドロキシル酸化合物、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ吉草酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸、9−ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシメチルフランカルボン酸又はヒドロキシ安息香酸単位、又はこれらのヒドロキシ酸の混合物から誘導されるヒドロキシ酸モノマー単位を含んでいてもよい。存在する場合、ポリエステルコポリマーのモノマー単位の総モル量に基づくヒドロキシ酸モノマー単位の割合は、好ましくは5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下である。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは本質的にヒドロキシ酸モノマー単位を含まない。すなわち、本発明によるポリエステルコポリマーは、ヒドロキシ酸モノマー単位を含まない可能性がある。
上記で示されるように、追加のモノマー単位は、二環式ジオール以外の1つ以上のジオールを任意選択で含んでいてもよい。存在する場合、追加のモノマー単位は、例えば1つ以上の直鎖C2−C12ジオールから誘導される1つ以上の直鎖C2−C12ジオールモノマー単位、例えばエチレングリコール(エタン−1,2−ジオール)、ジエチレングリコール(2,2’−オキシジ(エタン−1−オール)、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ジプロピレングリコール(4−オキサ−2,6−ヘプタンジオール)又はそれらの混合物を含むことができる。存在する場合、ポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、好ましくは0.0モル%以上5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C2−C12ジオールモノマー単位を含む。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは本質的にそのような直鎖C2−C12ジオールモノマー単位を含まない。すなわち、本発明によるポリエステルコポリマーは、直鎖C2−C12ジオールモノマー単位を含まない可能性がある。さらにより好ましくは、ポリエステルコポリマーは、二環式ジオールモノマー単位以外のジオールモノマー単位を含まない。
追加のモノマー単位は、オキサレートモノマー単位又は直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位以外の1つ以上のジカルボキシレートモノマー単位を任意選択で含んでいてもよい。存在する場合、追加のモノマー単位はまた、例えば、フランジカルボキシレートモノマー単位、テレフタレートモノマー単位、又はこれらの1つ以上の混合物も含むことができる。存在する場合、ポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、好ましくは0.0モル%以上5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下の範囲の1つ以上の他のジカルボキシレートモノマー単位を含む。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは、本質的にそのような他のジカルボキシレートモノマー単位を含まない。すなわち、本発明によるポリエステルコポリマーは、好ましくは、オキサレートモノマー単位((b)にて記載)及び/又は直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位((c)にて記載)以外のジカルボキシレートモノマー単位を含まない。
追加のモノマー単位はまた、1つ以上の鎖延長モノマー単位を含むことができる。本明細書では、「鎖延長」モノマー単位とは、ヒドロキシル、カルボン酸及び/又はエステル以外の官能基を含むモノマー単位と理解され、その官能基は別のタイプのポリマーのこれらの同じ官能基と反応することができる。例には、例えば、イソシアネート及び/又はイミド官能基などの官能基が含まれる。ポリエステルコポリマーは、そのような鎖延長モノマー単位を含んでもよく又は含まなくてもよい。存在する場合、ポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、好ましくは0.0モル%以上5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下の範囲の1つ以上の鎖延長モノマー単位を含む。おそらく、ポリエステルコポリマーは、そのような鎖延長モノマー単位を本質的に含まない。
好ましくは、任意の追加のモノマー単位の総重量パーセンテージは、ポリエステルコポリマーの総重量の1重量パーセント(重量%)以下、より好ましくは0.1重量%以下、さらにより好ましくは0.01重量%以下である。最も好ましくは、ポリエステルコポリマーは追加のモノマー単位を本質的に含まない。
すなわち、好ましくはポリエステルコポリマーは、以下から本質的になる又は以下から単独でなる、4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーである:
(a)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45.0モルパーセント(モル%)以上50.0モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオールモノマー単位であって、ここでそのような1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオールから誘導される単位;
(b)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位;及び
(c)ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位。
適切には、ポリエステルコポリマー中のモノマー単位の総モル量は、本質的に100モル%に至るまで、より好ましくは100.0モル%になる。
好ましくは、オキサレートモノマー単位((b)にて記載)のモルと直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位((c)にて記載)のモルとの比、すなわちオキサレートモノマー単位:直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位のモル比は、1:1以上、より好ましくは1.5:1以上である。
オキサレートモノマー単位及び直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位の量は、所望のTgを有利に目標とすることができる。一部の用途(例えば、より高いTgが所望され得る場合)では、ポリエステルコポリマーが、オキサレートモノマー単位と直鎖C3−C12ジカルボキシレートモモノマー単位とのモル比は、好ましくは2:1以上20:1以下又は10:1以下であるポリエステルコポリマーであるのが有利であり得る。他の用途(例えば、より低いTgが所望され得る場合)では、ポリエステルコポリマーが、オキサレートモノマー単位と直鎖C3−C12ジカルボキシレートモモノマー単位とのモル比は、1:1以上又は1.5:1以上及び2:1以下であるポリエステルコポリマーであるのが有利であり得る。
ポリエステルコポリマー中の異なるモノマー単位のそれぞれの量は、プロトン核磁気共鳴(H NMR)によって測定できる。当業者は、ポリエステルコポリマー中の異なるモノマー単位のそれぞれの量を測定するための分析条件を容易に見つける。
ポリエステルコポリマーは、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーであることができる。
ポリエステルコポリマーの数平均分子量(Mn)は広範囲に変動し得、例えば、触媒、反応時間、反応温度に依存し得る。
本発明によるポリエステルコポリマーは、好ましくは8000グラム/モル以上、より好ましくは9000グラム/モル以上、さらにより好ましくは10000グラム/モル以上、なおより好ましくは15000グラム/モル以上、さらにより好ましくは17000グラム/モル以上、なおさらにより好ましくは20000グラム/モル以上、好ましくは150000グラム/モル以下、さらにより好ましくは100000グラム/モル以下である数平均分子量を有する。重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレン標準を使用し、溶離液としてクロロホルム及び2−クロロフェノールの混合物を体積比6:4(クロロホルム:2−クロロフェノール)で使用して25℃にてゲル透過クロマトグラフィ(GPC)により好都合に測定できる。本明細書のすべての分子量は、実施例の分析方法のセクションで記載されているように測定される。
好適には、本発明によるポリエステルコポリマーは、1.6以上2.6以下の範囲の分子量分布指数(すなわち、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、すなわちMw/Mn)を有し得る。
本発明によるポリエステルコポリマーは、好ましくはマイナス60℃(−60℃)以上、より好ましくはマイナス20℃(−20℃)以上、なおより好ましくは20℃以上及び/又は160℃未満、好ましくは150℃以下、なおより好ましくは140℃以下、なおさらにより好ましくは135℃以下、可能性としては130℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する。
一部の用途、例えば接着剤、車のバンパー、屋外用家具又は一部のフィルムでは、ポリエステルコポリマーが、マイナス60℃(−60℃)以上、好ましくはマイナス20℃(−20℃)以上、可能性としてはさらに20℃以上100℃以下、より好ましくは80℃以下の範囲のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーであることが有利であり得る。他の用途、例えば、射出成形部品又は(他の)耐熱性を必要とする用途では、ポリエステルコポリマーは、60℃以上、より好ましくは80℃以上、なおより好ましくは100℃以上160℃未満、より好ましくは140℃以下、なおより好ましくは130℃以下、又はなおさらにより好ましくは120℃以下の範囲のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーであるのが有利であり得る。例えばPETボトルの置き換えなどのさらに他の用途では、ポリエステルコポリマーが、60℃以上120℃以下又は100℃以下の範囲のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーであることが有利であり得る。有利には、本発明によるポリエステルコポリマーのガラス転移温度(Tg)は、固定する必要がなく、例えば、異なるタイプのモノマー単位(a)、(b)、(c)及び任意選択で(d)の量を変動させることによって、上記で詳細に記載したように、特定の望ましいTgを目標にできる。有利には、ガラス転移温度(Tg)は、所望であれば、分子量を本質的に不変に、好ましくは商業的に興味深い高い数平均分子量(Mn)に維持できると同時に変動させることさえ可能である。
ポリエステルコポリマーのガラス転移温度は、従来の方法、特に窒素雰囲気中、10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定(DSC)を使用することにより、好都合に測定できる。本明細書におけるすべてのガラス転移温度は、実施例の分析方法のセクションで記載されているように測定される。
好ましくは、ポリエステルコポリマーは、全体として(そのモノマーを介して)部分的又は完全に、1つ以上の持続可能な供給源、好ましくは持続可能なバイオマス材料及び/又は一酸化炭素及び/又は二酸化炭素から得られる及び/又は誘導される。より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、そのような1つ以上の持続可能な供給源から完全に得られる及び/又は誘導される。好ましくは、ポリエステルコポリマーは、石炭、ガス又は石油以外の供給源から部分的又は全体的に得られる及び/又は誘導される。
ポリエステルコポリマーは、本発明の「発明の概要」の下で本明細書において上記で記載したようなポリエステルコポリマーの製造方法により有利に製造することができる。より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、好ましくは以下のモノマーを重合することを含むポリエステルコポリマーの製造方法により製造することができる:
(i)モノマーの総モル量に基づいて、45.0モルパーセント(モル%)以上50.0モル%以下の範囲の、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール;
(ii)モノマーの総モル量に基づいて25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲の、式(VI)の化学構造を有する1つ以上のシュウ酸ジエステル:
Figure 2020520405
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である);
(iii)モノマーの総モル量に基づいて、0.1モル%以上25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体;並びに
(iv)任意選択で、モノマーの総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の1つ以上の追加のモノマー。
ポリエステルコポリマーの製造方法は、溶融重合及び/又は固相重合を含むことができる。
例えば、方法は、金属含有触媒の存在下でのモノマーの溶融混合(本明細書では溶融重合とも呼ばれる)を含むことができる。
本発明によるポリエステルコポリマーは、例えば、金属含有触媒の存在下、175℃以上、より好ましくは180℃以上、さらにより好ましくは190℃以上300℃以下、より好ましくは275℃以下、さらにより好ましくは250℃以下の範囲の温度で、モノマーの溶融混合を含むポリエステルコポリマーの製造方法により製造することができる。溶融混合は、反応器内で適切に実施されることができる。したがって、溶融混合は、適切には、モノマーが反応器に導入される導入段階が先行し、ここでポリエステルコポリマーが反応器から回収される回収段階が後続してもよい。
ポリエステルコポリマーの製造方法はまた、溶融重合と固相重合との組み合わせを含むこともでき、溶融重合工程のポリエステルコポリマー生成物の後に固相重合工程が続く。
1つ以上の二環式ジオール((i)にて記載)の好ましい選択は、上記の二環式ジオールモノマー単位に関して本文で述べられている通りである。好ましくは、1つ以上の二環式ジオールは、1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールである。例えば、二環式ジオールは、式(V)による化学構造を有する1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールであってもよい。
Figure 2020520405
上述のように、適切な1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの例には、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシドール)、イソイジド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール)、イソマンニド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール)及びそれらの混合物が含まれる。これらは、上記で記載の式(IA)、(IB)及び(IC)による構造を有してもよい。1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの2つ以上の異性体の混合物、例えばイソソルビド及び/又はイソマンニド及び/又はイソイジドの混合物を含めることが可能である。しかしながら、好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの1つの異性体のみが使用される。より好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールはイソソルビド及び/又はイソイジドである。なおより好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールはイソソルビドである。
1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、好ましくは持続可能な供給源、好ましくは持続可能なバイオマス材料から得られる及び/又は誘導される。さらに好ましい選択は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位に関して本文で記載されている通りである。
本発明による方法において、モノマーの総モル量に基づいて、好ましくは45.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の二環式ジオール、それぞれ1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールが使用される。より好ましくは、モノマーの総モル量に基づいて、49.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の二環式ジオール、好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールが使用されてもよい。
上記で示したように、1つ以上の二環式ジオールに加えて、1つ以上の他のジオールを少量、例えばモノマーの総モル量に基づいて0.1モル%以上5.0モル%以下の量で使用してもよい。しかしながら、好ましくは、本発明による方法は、他のジオールの本質的不存在下で実施される、すなわち1つ以上の二環式ジオール又は(好ましい場合では)1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール以外のジオールの本質的非存在下で実施される。
シュウ酸ジエステル((ii)にて記載)は、式(VI)による化学構造を適切に有し得る:
Figure 2020520405
式中、R及びRは、それぞれ独立して、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である。
好ましくは、R及びRは、それぞれ独立して、C2−C20アルケニル基である。
好ましくは、R及びRは、それぞれ独立して、式(X)による化学構造を有する基である:
Figure 2020520405
式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−C6アルキル基を表すか、又はR及びRが一緒に、又はR及びRが一緒にC4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基を形成する。
例えば、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−C4アルキル基を表すことができる。R及びRが一緒に、又はR及びRが一緒になってC5−C10シクロアルキル基、C5−C10アリール基又はC5−C10アルキルアリール基を形成することも可能である。
より好ましくは、R及びRの少なくとも一方、好ましくはR及びRの両方は、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビニル(エテニル)、アリル(2−プロペニル)及び/又は1−プロペニルからなる群から選択される。最も好ましくは、R及びRの少なくとも一方、好ましくはR及びRの両方は、フェニル、メチルフェニル、アリル及び/又はビニルである。
好ましくは、シュウ酸ジエステルはシュウ酸とアルカノールとのジエステルであり、ここでアルカノールは20.0以下、より好ましくは16.0以下、さらにより好ましくは15.0以下、なおより好ましくは12.0以下のpKaを有し、例えばフェノール(pKa10.0)、2−メチルフェノール(pKa10.3)、3−メチルフェノール(pKa10.1)、4−メチルフェノール(pKa10.3)、ビニルアルコール(エテノール、pKa10.5)及び/又はアリルアルコール(プロパ−2−エン−1−オール)である。実用上の最小値として、pKaは7.0以上であることが好ましい。
最も好ましくは、シュウ酸ジエステルは、ジ(フェニル)オキサレート、ジ(メチルフェニル)オキサレート、ジ(アリル)オキサレート、ジ(ビニル)オキサレート、モノメチルモノフェニルオキサレート又はそれらの1つ以上の混合物である。
2つ以上のシュウ酸ジエステルの混合物、例えば、ジ(フェニル)オキサレート、ジ(メチルフェニル)オキサレート、ジ(アリル)オキサレート及び/又はジ(ビニル)オキサレートの混合物を含むことが可能である。しかしながら、好ましくは、1つのシュウ酸ジエステルのみが使用され、最も好ましくは、ジ(フェニル)オキサレートのみ、ジ(メチルフェニル)オキサレートのみ、ジ(アリル)オキサレートのみ、又はジ(ビニル)オキサレートのみが使用される。
1つ以上のシュウ酸ジエステルは、好ましくは持続可能な供給源、好ましくは持続可能なバイオマス材料から得られる及び/又は誘導される。好ましい選択は、上記のオキサレートモノマー単位に関して本文で記載されている通りである。
シュウ酸ジエステルモノマーは、例えば電気化学的転化の助けを借りて、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素(CO)から得られる及び/又は誘導されるシュウ酸ジエステルであることが特に好ましい。例えば、WO2014/100828及びWO2015184388は、COのオキサレート及びシュウ酸への電気化学的転化を記載しており、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。その中で述べられているオキサレート及びシュウ酸は、従来の手段によってシュウ酸ジエステルに転化されることができる。
本発明による方法において、モノマーの総モル量に基づいて、好ましくは25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲のシュウ酸ジエステルが使用できる。好ましい選択は上記で説明されている通りである。一部の用途では、モノマーの総モル量に基づいて、25.0モル%以上45.0モル%以下、より好ましくは35.0モル%以下のシュウ酸ジエステルの範囲が好ましい。他の用途では、モノマーの総モル量に基づいて、35.0モル%以上49.9モル%以下、より好ましくは45.0モル%以下のシュウ酸ジエステルの範囲が好ましい。
1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体((iii)に列挙)の好ましい選択は、上記の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマーに関して本文に記載されている通りである。本明細書では直鎖C3−C12カルボン二酸は、単に「C3−C12二酸」とも呼ばれ得る。直鎖C3−C12カルボン二酸とは、3個以上12個以下の範囲の炭素原子を有する直鎖カルボン二酸であると本明細書では理解される。直鎖C3−C12カルボン二酸の例として、例えば、直鎖C3−C10カルボン二酸(すなわち、3個以上10個以下の範囲の炭素原子を有する直鎖カルボン二酸)を使用することができる。
本明細書において、カルボン二酸とは、2つのカルボキシル基を有する有機化合物と適切に理解される。誘導体の例には、例えば、それらの酸エステル及びジエステルが含まれる。酸エステル誘導体とは、本明細書では、1つのカルボキシル基がエステル基で置換されている直鎖C3−C12カルボン二酸の誘導体と適切に理解される。ジエステル誘導体とは、本明細書では、両方のカルボキシル基がエステル基で置換されている直鎖C3−C12カルボン二酸の誘導体と適切に理解される。本明細書では、直鎖C3−C12カルボン二酸とは、好ましくは非環状の本質的に直鎖のC3−C12カルボン二酸と理解される。しかしながら、それらの酸エステル又はジエステル誘導体が使用される場合、そのようなエステル基は、以下により詳細に説明されるように、環状、芳香族、非直鎖及び/又は嵩高いものであり得る。
1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体は、好ましくは式(VII)による化学構造を有し得る:
Figure 2020520405
式中、Rは式(IV)について上述した直鎖有機基であり、R及びRはそれぞれ独立して水素又はC1−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である。
の好ましい選択は、式(IV)について上記で記載した通りである。好ましくは、直鎖C3−C12カルボン二酸又はそれらの誘導体は、式(VII)による化学構造を有する直鎖ジオールであり、ここで、Rは構造−[CH−(ここで、nは−[CH]−単位の数を適切に表す、ここでnは1〜10の範囲の数字である)を有するアルキレン基である。数字nは偶数又は奇数であることができ、適切にはnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であることができる。
好ましくは、R及びRの少なくとも一方、より好ましくはR及びRの両方は、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である。さらにより好ましくは、R及びRの少なくとも一方、好ましくはR及びRの両方は、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビニル(エテニル)、アリル(2−プロペニル)及び/又は1−プロペニルからなる群から選択される。
おそらくR及びRは、それぞれ独立して、上記の式(X)による化学構造を有する基であり得る。
最も好ましくは、R及びRの少なくとも一方、好ましくはR及びRの両方は、フェニル、メチルフェニル、アリル及び/又はビニルである。
直鎖C3−C12カルボン二酸、例えばコハク酸、アジピン酸又はマレイン酸を使用することができるが、好ましくはそのような直鎖C3−C12カルボン二酸の酸エステル又はジエステルが使用される。すなわち、本発明による方法において(iii)にて記載モノマーは、好ましくは直鎖C3−C12カルボン二酸の酸エステル又はジエステル(酸エステル誘導体、それぞれジエステル誘導体とも呼ばれる)である。より好ましくは、(iii)にて記載モノマーは、直鎖C3−C12カルボン二酸のジエステルである。
このような直鎖C3−C12カルボン二酸の適切なジエステルの例には、ジプロピルマロネート、ジブチルマロネート、ジフェニルマロネート、ジ(メチルフェニル)マロネート、ジ(エチルフェニル)マロネート、ジ(ビニル)マロネート、メチルプロピルマロネート、メチルブチルマロネート、メチルフェニルマロネート、エチルプロピルマロネート、エチルブチルマロネート、エチルフェニルマロネート、ジプロピルスクシネート、ジブチルスクシネート、ジフェニルスクシネート、ジ(メチルフェニル)スクシネート、ジ(エチルフェニル)スクシネート、ジ(ビニル)スクシネート、メチルプロピルスクシネート、メチルブチルスクシネート、メチルフェニルスクシネート、エチルプロピルスクシネート、エチルブチルスクシネート、エチルフェニルスクシネート、ジプロピルグルタレート、ジブチルグルタレート、ジフェニルグルタレート、ジ(メチルフェニル)グルタレート、ジ(エチルフェニル)グルタレート、ジ(ビニル)グルタレート、メチルプロピルグルタレート、メチルブチルグルタレート、メチルフェニルグルタレート、エチルプロピルグルタレート、エチルブチルグルタレート、エチルフェニルグルタレート、ジプロピルアジペート、ジブチルアジペート、ジフェニルアジペート、ジ(メチルフェニル)アジペート、ジ(エチルフェニル)アジペート、ジ(ビニル)アジペート、メチルプロピルアジペート、メチルブチルアジペート、メチルフェニルアジペート、エチルプロピルアジペート、エチルブチルアジペート、エチルフェニルアジペート、ジプロピルピメレート、ジブチルピメレート、ジフェニルピメレート、ジ(メチルフェニル)ピメレート、ジ(エチルフェニル)ピメレート、ジ(ビニル)ピメレート、メチルプロピルピメレート、メチルブチルピメレート、メチルフェニルピメレート、エチルプロピルピメレート、エチルブチルピメレート、エチルフェニルピメレート、ジプロピルスベレート、ジブチルスベレート、ジフェニルスベレート、ジ(メチルフェニル)スベレート、ジ(エチルフェニル)スベレート、ジ(ビニル)スベレート、メチルプロピルスベレート、メチルブチルスベレート、メチルフェニルスベレート、エチルプロピルスベレート、エチルブチルスベレート、エチルフェニルスベレート、ジプロピルアゼレート、ジブチルアゼレート、ジフェニルアゼレート、ジ(メチルフェニル)アゼレート、ジ(エチルフェニル)アゼレート、ジ(ビニル)アゼレート、メチルプロピルアゼレート、メチルブチルアゼレート、メチルフェニルアゼレート、エチルプロピルアゼレート、エチルブチルアゼレート、エチルフェニルアゼレート、ジプロピルセバケート、ジブチルセバケート、ジフェニルセバケート、ジ(メチルフェニル)セバケート、ジ(エチルフェニル)セバケート、ジ(ビニル)セバケート、メチルプロピルセバケート、メチルブチルセバケート、メチルフェニルセバケート、エチルプロピルセバケート、エチルブチルセバケート、エチルフェニルセバケート、ジプロピルウンデカノエート、ジブチルウンデカノエート、ジフェニルウンデカノエート、ジ(メチルフェニル)ウンデカノエート、ジ(エチルフェニル)ウンデカノエート、ジ(ビニル)ウンデカノエート、メチルプロピルウンデカノエート、メチルブチルウンデカノエート、メチルフェニルウンデカノエート、エチルプロピルウンデカノエート、エチルブチルウンデカノエート、エチルフェニルウンデカノエート、ジプロピルドデカノエート、ジブチルドデカノエート、ジフェニルドデカノエート、ジ(メチルフェニル)ドデカノエート、ジ(エチルフェニル)ドデカノエート、ジ(ビニル)ドデカノエート、メチルプロピルドデカノエート、メチルブチルドデカノエート、メチルフェニルドデカノエート、エチルプロピルドデカノエート、エチルブチルドデカノエート、エチルフェニルドデカノエート、ジプロピル−2−ブテンジオエート、ジブチル−2−ブデンジオエート、ジフェニル−2−ブデンジオエート、ジ(メチルフェニル)−2−ブデンジオエート、ジ(エチルフェニル)−2−ブテンジオエート、ジ(ビニル)−2−ブテンジオエート、メチルプロピル−2−ブテンジオエート、メチルブチル−2−ブテンジオエート、メチルフェニル−2−ブテンジオエート、エチルプロピル−2−ブテンジオエート、エチルブチル−2−ブテンジオエート、エチルフェニル−2−ブテンジオエート、ジプロピル−2−ヘキセンジオエート、ジブチル−2−ヘキセンジオエート、ジフェニル−2−ヘキセンジオエート、ジ(メチルフェニル)−2−ヘキセンジオエート、ジ(エチルフェニル)−2−ヘキセンジオエート、ジ(ビニル)−2−ヘキセンジオエート、メチルプロピル−2−ヘキセンジオエート、メチルブチル−2−ヘキセンジオエート、メチルフェニル−2−ヘキセンジオエート、エチルプロピル−2−ヘキセンジオエート、エチルブチル−2−ヘキセンジオエート、エチルフェニル−2−ヘキセンジオエート、ジプロピル−2,4−ヘキサジエンジオエート、ジブチル−2,4−ヘキサジエンジオエート、ジフェニル−2,4−ヘキサジエンジオエート、ジ(メチルフェニル)−2,4−ヘキサジエンジオエート、ジ(エチルフェニル)−2,4−ヘキサジエンジオエート、ジ(ビニル)−2,4−ヘキサジエンジオエート、メチルプロピル−2,4−ヘキサジエンジオエート、メチルブチル−2,4−ヘキサジエンジオエート、メチルフェニル−2,4−ヘキサジエンジオエート、エチルプロピル−2,4−ヘキサジエンジオエート、エチルブチル−2,4−ヘキサジエンジオエート、エチルフェニル−2,4−ヘキサジエンジオエート及びそれらの混合物が含まれる。
より好ましくは、このような直鎖C3−C12カルボン二酸のジエステルは、スクシネートジエステル、アジペートジエステル、アジペートジエステル、スベレートジエステル又はセバケートジエステル又はこれらの1つ以上の混合物である。さらにより好ましくは、そのような直鎖C3−C12カルボン二酸のジエステルは、スクシネートジエステル又はアジペートジエステル又はそれらの混合物である。より好ましくは、本発明の方法では、直鎖C3−C12カルボン二酸のこのような1つのジエステルのみを使用し、さらにより好ましくは、直鎖C3−C12カルボン二酸のこのような1つのジエステルはスクシネートジエステル又はアジペートジエステルである。最も好ましくは、直鎖C3−C12カルボン二酸のジエステルは、ジ(フェニル)スクシネート、ジ(フェニル)アジペート、ジ(メチルフェニル)スクシネート、ジ(メチルフェニル)アジペート、ジ(アリル)スクシネート、ジ(アリル)アジペート、ジ(ビニル)スクシネート及び/又はジ(ビニル)アジペートである。
上述のように、本発明による方法では、直鎖C3−C12カルボン二酸のこのような1つのジエステルのみを使用することが好ましいが、1つ以上のC3−C12カルボン二酸の2つ以上の別個のジエステルの混合物を方法において使用することも可能である。
1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体は、好ましくは持続可能な供給源から、好ましくは持続可能なバイオマス材料から得られる及び/又は誘導される。好ましい選択は、上記で記載の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位に関して本文で記載されている通りである。
本発明による方法では、モノマーの総モル量に基づいて、好ましくは0.1モル%以上25モル%以下、より好ましくは25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体が使用される。モノマーの総モル量に基づいて、より好ましくは1モル%以上、なおより好ましくは3モル%以上、さらにより好ましくは5モル%以上、又は10モル%以上25モル%以下、より好ましくは25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボン二酸及び/又はそれらの誘導体が使用される。しかしながら、モノマーの総モル量に基づいて、1.0モル%以上15.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体を使用することも可能である。
さらなる好ましい選択は、直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位について上記で説明した通りである。一部の用途では、モノマーの総モル量に基づいて、5.0モル%以上、より好ましくは15.0モル%以上25.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体が好ましい。他の用途では、モノマーの総モル量に基づいて、0.1モル%以上、より好ましくは5.0モル%以上15.0モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体が好ましい。
1つ以上の二環式ジオール、1つ以上のシュウ酸ジエステル及び1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体に加えて、任意の1つ以上の追加のモノマーを本発明の方法で使用することができる。
例えば、追加のモノマーとして、1つ以上の架橋化合物、上述の架橋モノマー単位の前駆体を任意選択で添加することができる。そのような架橋化合物のタイプの好ましい選択は上記で記載した通りである。1つ以上の任意の架橋化合物が存在する場合、それらは、モノマーの総モル量に基づいて、好ましくは0.1モル%以上5.0モル%以下の範囲の架橋化合物、より好ましくは、モノマーの総モル量に基づいて、0.1モル%以上2.0モル%以下の範囲の架橋化合物で存在する。好ましい実施形態では、本質的に架橋化合物は存在しない。すなわち、好ましくは、本発明による方法は、そのような架橋化合物の本質的な非存在下で実施される。
追加のモノマーはまた、1つ以上のヒドロキシ酸化合物を含むことができる。そのようなヒドロキシ酸化合物のタイプの好ましい選択は上記で記載した通りである。存在する場合、モノマーの総量に基づいたヒドロキシ酸化合物の量は、好ましくは5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下である。より好ましくは、本質的にヒドロキシ酸化合物は存在しない。
追加のモノマーはまた、1つ以上の直鎖C2−C12脂肪族又はオレフィンジオールも含むことができる。適切な直鎖C2−C12脂肪族又はオレフィン性ジオールの例には、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はこれらの1つ以上の混合物が含まれる。存在する場合、モノマーの総量に基づいて、直鎖C2−C12脂肪族又はオレフィン性ジオールの量は、好ましくは0.0モル%以上5.0モル%以下、より好ましくは1.0モル%以下の範囲である。より好ましくは、直鎖C2−C12脂肪族又はオレフィン性ジオールは本質的に存在しない。さらにより好ましくは、二環式ジオールモノマー以外のジオールモノマーは本質的に存在しない。
本発明による方法は、1つ以上の添加剤、例えば安定剤、例えば光安定剤、UV安定剤及び熱安定剤、流動化剤、難燃剤及び帯電防止剤などの存在下で行われてもよい。他の添加剤には、一次及び/又は二次酸化防止剤が含まれる。一次酸化防止剤は、例えば立体障害フェノール、例えば化合物Hostanox(R)0 3、Hostanox(R)0 10、Hostanox(R)0 16、Ultranox(R)210、Ultranox(R)276、Dovernox(R)10、Dovernox(R)76、Dovernox(R)3114、Irganox(R)1010又はIrganox(R)1076であることができる。二次酸化防止剤は、例えば、三価のリンを含む化合物、例えばUltranox(R)626、Doverphos(R)S−9228又はSandostab(R)P−EPQであることができる。
本発明による方法は、いくつかの段階を含み得る。適切には、本発明による方法は、エステル交換段階及び重縮合段階を含んでいてもよく、ここでエステル交換段階は重縮合段階の前に実施される。エステル交換段階の前に導入段階が適切に行われてもよく、ここで上記のモノマー、例えば二環式ジオールモノマー、シュウ酸ジエステルモノマー、直鎖C3−C12カルボン二酸、酸エステル又はジエステルモノマー及び任意の追加のモノマーが反応器に導入される。重縮合段階の後に、ポリエステルコポリマーが反応器から回収される回収段階が適切に続いてもよい。
本発明による方法は、バッチ式、半バッチ式又は連続式で実施されることができる。エステル交換段階及び重縮合段階は、1つの同じ反応器で都合良く行われてもよいが、例えばエステル交換段階が第1のエステル交換反応器で行われ、重縮合段階が第2の重縮合反応器で実施されるように、2つの別個の反応器で行われてもよい。
したがって、本発明による方法は、以下の段階を適切に含み得る:
−二環式ジオールモノマー、シュウ酸ジエステルモノマー、直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体モノマー並びに任意の追加のモノマーを反応器に導入する導入段階;
−モノマーがエステル交換反応及び任意選択で予備重縮合反応で反応し、それによりオリゴマーが生成されるエステル交換段階;
−オリゴマーが重縮合反応でさらに反応し、それによりポリエステルコポリマーが生成する重縮合段階;及び
−ポリエステルコポリマーが反応器から回収される回収段階。
重縮合段階は、エステル交換段階が実施される温度以上の温度で適切に行われ得る。エステル交換段階は、例えば、165℃以上、より好ましくは180℃以上、さらにより好ましくは190℃以上200℃以下の範囲の温度で行われてもよい。重縮合段階は、エステル交換段階の後に適切に続き得、重縮合段階は、例えば、195℃以上、より好ましくは200℃以上275℃以下、より好ましくは255℃以下、最も好ましくは235℃以下の範囲の温度で行うことができる。
エステル交換段階は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1.0時間以上6.0時間以下、より好ましくは4.0時間以下の範囲の反応時間で実施される。エステル交換段階では、温度を段階的に又は徐々に上昇させてもよい。
任意の重縮合段階は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1.0時間以上8.0時間以下、より好ましくは6.0時間以下の範囲の反応時間にわたって実施される。重縮合段階中、温度は段階的又は徐々に上昇させてもよい。
任意の導入段階で、モノマーは、例えばフィード混合物の形態で同時に、又は別々の部分で、反応器に導入することができる。モノマーは、溶融相で反応器に導入することができ、又はそれらは反応器に導入した後に溶融及び混合することができる。
重縮合段階の後には、回収段階が続いてもよく、ここで上記で記載のポリエステルコポリマーが反応器から回収される。ポリエステルは、例えば、溶融ポリマーのストリングの形態で反応器からポリエステルを抽出することにより回収することができる。このストリングは、従来の造粒技術を使用して顆粒に変換できる。
エステル交換段階及び/又は重縮合段階は、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施される。
より好ましくは、エステル交換段階及び/又は重縮合段階は減圧下で実施される。
エステル交換段階及び/又は任意の予備重合反応は、例えば10.0mbar(10.0ミリバール、1.00キロパスカルに対応)以上、より好ましくは100mbar(10.0キロパスカルに対応)以上1.00bar(100キロパスカルに対応)以下、より好ましくは400mbar(40.0キロパスカルに対応)以下の範囲の圧力で行われてもよい。重縮合段階は、例えば0.01mbar(1パスカルに対応)以上、より好ましくは0.1mbar(10パスカルに対応)以上10.0mbar(1.0キロパスカルに対応)以下、より好ましくは5.0mbar(500パスカルに対応)以下の範囲の圧力にて行われてもよい。
本発明による方法は、金属含有触媒の存在下で適切に実施される。そのような金属含有触媒は、例えば、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、セリウム(Ce)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)、鉛(Pb)、カリウム(K)、アルミニウム(Al)及び/又はリチウム(Li)の誘導体を含んでいてもよい。適切な金属含有触媒の例には、Li、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、Ge及びTiの塩、例えばグリコール付加物を含む酢酸塩及び酸化物、並びにTiアルコキシドが含まれる。そのような化合物の例は、例えば、US2011282020A1のセクション[0026]〜[0029]及びWO2013/062408A1の5ページに記載されているものであることができる。好ましくは、金属含有触媒は、スズ含有触媒、例えばスズ(IV)含有又はスズ(II)含有触媒である。より好ましくは、金属含有触媒は、アルキルスズ(IV)塩及び/又はアルキルスズ(II)塩である。例には、アルキルスズ(IV)塩、アルキルスズ(II)塩、ジアルキルスズ(IV)塩、ジアルキルスズ(II)塩、トリアルキルスズ(IV)塩、トリアルキルスズ(II)塩、又はこれらの1つ以上の混合物が含まれる。これらのスズ(IV)及び/又はスズ(II)触媒は、代替又は追加の金属含有触媒とともに使用されてもよい。使用されてもよい代替又は追加の金属含有触媒の例には、チタン(IV)アルコキシド又はチタン(IV)キレート、ジルコニウム(IV)キレート、又はジルコニウム(IV)塩(例えばアルコキシド);ハフニウム(IV)キレート又はハフニウム(IV)塩(例えば、アルコキシド);イットリウム(III)アルコキシド又はイットリウム(III)キレート;ランタン(III)アルコキシド又はランタンキレート;スカンジウム(III)アルコキシド又はキレート;セリウム(III)アルコキシド又はセリウムキレートの1つ以上が含まれる。例示的な金属含有触媒は、n−ブチルスズヒドロキシドオキシドである。
好ましい方法において、1つ以上の二環式ジオールは、重合条件(例えば、150℃〜210℃の範囲の温度を含む)下、金属含有触媒の存在下で1つ以上のシュウ酸ジエステルと最初に反応して、二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を生成し、その後、二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を、さらなる重合条件(例えば、200℃〜255℃の範囲の温度を含む)下、金属含有触媒の存在下で1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体と続いて反応させてポリエステルコポリマーを製造する。金属含有触媒は、適切には前述の通りであってもよい。
例えば、方法には以下が含まれ得る:
−金属含有触媒の存在下、重合条件(例えば150℃から210℃の範囲の温度を含む)下で1つ以上の二環式ジオールを、式(VI)による化学構造を有する1つ以上のシュウ酸ジエステルと反応させて、二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を得ること:
Figure 2020520405
式中、R及びRは、それぞれ独立して、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である;及び
−続いて、二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を、金属含有触媒の存在下、さらなる重合条件(例えば、200℃〜255℃の範囲の温度を含む)下で、1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボン二酸及び/又はそれらの誘導体と反応させて、ポリエステルコポリマーを製造すること。
さらなる好ましい選択は上記で記載されている通りである。
代替方法では、1つ以上の二環式ジオールは、適切には第1の反応器において、金属含有触媒の存在下、重合条件(例えば、150℃〜210℃の範囲の温度を含む)下で1つ以上のシュウ酸ジエステルと最初に反応し、第1のエステル生成物を形成する。それと並行して、適切には第2の反応器において、1つ以上の二環式ジオールは、金属含有触媒の存在下、重合条件(例えば、150℃〜210℃の範囲の温度を含む)下で1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸と反応し、第2のエステル生成物を形成する。金属含有触媒は、適切には前述の通りであってもよい。後続工程において、第1のエステル生成物と第2のエステル生成物とを組み合わせ、金属含有触媒の存在下で(例えば、200℃〜255℃の範囲の温度で)さらなる重合及び/又はエステル交換に供され、ポリエステルコポリマーを製造する。
本発明による方法は、上記で記載の回収段階(すなわち、ポリエステルコポリマーが反応器から回収される)の後、固体状態での重合段階をさらに含むことができる。すなわち、上記で記載のように回収されたポリエステルコポリマーは、固体状態でさらに重合することができ、それにより鎖長が増加する。固体状態でのそのような重合は、固相重合(SSP)とも呼ばれる。そのような固相重合は、有利には、ポリエステルコポリマーの数平均分子量をさらに増加させることができる。さらに有利には、射出ブロー成形又は押出の前に、ポリエステルコポリマーの機械的及びレオロジー特性を向上させることができる。固相重合は、好ましくは、例えば真空又は不活性ガスでのパージにより、酸素及び水の本質的又は完全な非存在下でポリエステルコポリマーを加熱することを含む。
したがって、有利には、本発明による方法は以下を含むことができる:
−上記で記載のモノマーを溶融状態で重合させてポリエステルコポリマー溶融生成物を製造する溶融重合;
−ポリエステルコポリマー溶融生成物がペレットに変換される任意のペレット化及び真空下又は不活性ガスパージの助けによるペレットの任意の乾燥;
−ポリエステルコポリマー溶融生成物のTgより高く、ポリエステルコポリマー溶融生成物の溶融温度より低い温度での、任意選択でペレットの形態のポリエステルコポリマー溶融生成物の固相重合。
本発明では、固相重合は、150℃以上220℃以下の範囲の温度で適切に行われてもよい。固相重合は、不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴンなど)の流れでパージしながら周囲圧力(すなわち、0.1メガパスカルに対応する1.0bar気圧)で適切に行われてもよく、又は真空、例えば100ミリバール以下の圧力(0.01メガパスカルに対応)で行われてもよい。
固相重合は、好適には、最大120時間の期間、より好適には2時間以上60時間以下の範囲の期間行われてもよい。固相重合の持続時間は、ポリエステルコポリマーの所望の最終的な数平均分子量に達するように調整され得る。
本発明はさらに、好ましくは上記で記載の本発明の方法により得られる又は得ることができる、以下の繰り返し単位を含む又はそれらからなるポリエステルコポリマーを提供する:
−ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、45.0モル%以上99.9モル%以下の範囲の、イソソルビド−オキサレート、イソイジド−オキサレート、イソマンニド−オキサレート、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール−オキサレート及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトール−オキサレートからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位;
−ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上50.0モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオール−直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位;
−任意選択で、ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の範囲の1つ以上の追加の繰り返し単位、
ここで、二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位と二環式ジオール−直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位とのモル比は1:1以上、より好ましくは1.5:1以上である。そのようなポリエステルコポリマーは、好ましくは4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、好ましくは160℃未満、好ましくは140℃以下のガラス転移温度を有する。
より好ましくは、そのようなポリエステルコポリマーは追加の繰り返し単位を含まず、好ましくはそのようなポリエステルコポリマーは、1つ以上の二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位及び1つ以上の二環式ジオール−直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位から本質的になる、又は完全になる。より好ましくは、1つ以上の二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール−オキサレート繰り返し単位である。したがって、より好ましくは、ポリエステルコポリマーは、以下から本質的になる、又は単独でなるポリエステルコポリマーである:
A)繰り返し単位の総量に基づいて50.0%〜99.9%の範囲の、構造式(VIII)を有する1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール−オキサレート繰り返し単位:
Figure 2020520405
B)繰り返し単位の総量に基づいて0.1%〜50.0%の範囲の、構造式(IX)を有する1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール−直鎖C3−C12−ジカルボキシレート繰り返し単位:
Figure 2020520405
式中、nは適切には−[CH]−単位の数を表し、nは1〜10の範囲の数字であり、好ましい選択は先のnに関する記載通りである;及び
式(VIII)の繰り返し単位と式(IX)の繰り返し単位との比(すなわち、式(VIII)の繰り返し単位:式(IX)の繰り返し単位の比)は1:1以上、より好ましくは1.5:1以上である。
適切には、繰り返し単位のパーセンテージはモルパーセンテージであり、適切には繰り返し単位の量はモル量であり、適切には比はモル比である。
一部の用途では、ポリエステルコポリマーが、式(VIII)を有する繰り返し単位と式(IX)を有する繰り返し単位との比が2:1以上20:1以下の範囲であることが有利であり得る。他の用途では、ポリエステルコポリマーが、式(VIII)を有する繰り返し単位と式(IX)を有する繰り返し単位との比が1.5:1以上2:1以下の範囲であることが有利であり得る。
上記の指示に沿って、繰り返し単位は、交互に、ランダムに、又はブロックで、ポリエステルコポリマーに沿って分布していてもよい。
そのようなポリエステルコポリマーは、好ましくは4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、好ましくは160℃未満のガラス転移温度を有する。上記のポリエステルコポリマー(例えば、二環式ジオール及び/又は直鎖C3−C12ジカルボキシレート、数平均分子量及びガラス転移温度)のさらなる好ましい選択は、ポリエステルコポリマーについて本明細書で前述した通りである。
本発明によるポリエステルコポリマーの例には、ポリ(イソソルビド−オキサレート/マロネート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/スクシネート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/グルタレート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/アジペート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/ピメレート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/スベレート)、ポリ(イソソルビド−オキサレート/アゼレート)及びポリ(イソソルビド−オキサレート/セバケート)が含まれる。
そのようなポリエステルコポリマーは、好ましくは4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、好ましくは160℃未満、より好ましくは140℃以下のガラス転移温度を有する。数平均分子量及びガラス転移温度のさらなる好ましい選択は、ポリエステルコポリマーについて本明細書で前述した通りである。
ポリエステルコポリマーは、添加剤及び他のポリマーを適切に組み合わせることができ、したがって、本発明は、本発明によるポリエステルコポリマー及びさらに1つ以上の添加剤及び/又は追加の(他の)ポリマーを含む組成物をさらに提供する。
そのような組成物は、例えば、添加剤として、核形成剤を含むことができる。これらの核形成剤は、本質的に有機又は無機であることができる。核形成剤の例は、タルク、ケイ酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、チタン酸カルシウム、窒化ホウ素、亜鉛塩、ポルフィリン、クロリン及びフロリンである。
本発明による組成物はまた、添加剤として、ナノメートル(すなわち、ナノメートルサイズの粒子を有する)又は非ナノメートルであり、有機又は無機性質の官能化又は非官能化充填剤又は繊維を含むこともできる。それらは、シリカ、ゼオライト、ガラス繊維又はビーズ、粘土、雲母、チタネート、シリケート、グラファイト、炭酸カルシウム、カーボンナノチューブ、木材繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、タンパク質、セルロース繊維、リグノセルロース繊維及び非構造破壊(nondestructured)粒状デンプンであることができる。これらの充填剤又は繊維は、硬度、剛性又は水若しくは気体に対する透過性を改善することを可能にし得る。組成物は、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜75重量%、例えば0.5重量%〜50重量%の充填剤及び/又は繊維を含むことができる。組成物はまた複合タイプであってもよく、すなわち、これらの充填剤及び/又は繊維を大量に含むことができる。
組成物はまた、添加剤として、乳白剤、染料及び顔料も含むことができる。それらは、酢酸コバルト及び以下の化合物から選択することができる:HS−325 Sandoplast(R)Red BB(これは、Solvent Red 195という名称でも知られる、アゾ官能基を保持する化合物である)、HS−510 Sandoplast(R)Blue 2B(これは、アントラキノンである)、Polysynthren(R)Blue R及びClariant(R)RSB Violetである。
組成物はまた、添加剤として、処理装置内の圧力を低下させるための処理助剤も含むことができる。モールド又はカレンダ加工装置のローラーなどの、ポリエステルを成形するための装置への接着を減らすことを可能にする離型剤も使用できる。これらの試剤は、脂肪酸エステル及びアミド、金属塩、石鹸、パラフィン又は炭化水素ワックスから選択できる。これらの試剤の具体例は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアラミド、エルカ酸アミド、ベヘンアミド、蜜蝋又はカンデリラワックスである。
組成物はまた、他の添加剤、例えば安定剤、例えば光安定剤、UV安定剤及び熱安定剤、流動化剤、難燃剤及び帯電防止剤を含むことができる。また、一次及び/又は二次酸化防止剤を含むことができる。一次酸化防止剤は、立体障害フェノール、例えば化合物Hostanox(R)0 3、Hostanox(R)0 10、Hostanox(R)0 16、Ultranox(R)210、Ultranox(R)276、Dovernox(R)10、Dovernox(R)76、Dovernox(R)3114、Irganox(R)1010又はIrganox(R)1076であることができる。二次酸化防止剤は、三価のリンを含む化合物、例えばUltranox(R)626、Doverphos(R)S−9228又はSandostab(R)P−EPQであることができる。
加えて、組成物は、本発明によるポリエステルコポリマー以外の1つ以上の追加のポリマーを含むことができる。そのような追加のポリマーは、ポリアミド、ポリスチレン、スチレンコポリマー、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、スチレン/アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、アクリルコポリマー、ポリ(エーテル/イミド)、ポリフェニレンオキシド、例えばポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(エステル/カーボネート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、ポリエーテルケトン及びこれらのポリマーのブレンドからなる群から適切に選択されることができる。
組成物はまた、追加のポリマーとして、ポリマーの衝撃特性を改善できるポリマー、特に官能性ポリオレフィン、例えば官能化ポリマー及びエチレン又はプロピレンのコポリマー、コア/シェルコポリマー又はブロックコポリマーも含むことができる。
本発明による組成物はまた、追加のポリマーとして、デンプン、セルロース、キトサン、アルギネート、タンパク質、例えばグルテン、エンドウタンパク、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン又はリグニンなどの天然由来のポリマーを含むこともでき、天然由来のこれらのポリマーを物理的又は化学的に修飾することは可能である又は不可能である。デンプンは、構造破壊(destructured)又は可塑化された形態で使用できる。後者の場合、可塑剤は水又はポリオール、特にグリセロール、ポリグリセロール、イソソルビド、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール又は尿素でもあることができる。特に、組成物を調製するために、文書WO2010/0102822A1に記載されている方法を使用してもよい。
組成物は、熱可塑性プラスチックの変換のための従来の方法によって適切に製造することができる。これらの従来の方法は、ポリマーの溶融又は軟化ブレンド化の少なくとも1段階及び組成物の回収の1段階を含んでいてもよい。そのようなブレンド化は、例えば、内部ブレード又はローターミキサー、外部ミキサー、又は単軸スクリュー又は同方向回転若しくは逆方向回転の二軸スクリュー押出機で実施されることができる。しかしながら、押出により、特に同方向回転押出機を使用することにより、このブレンド化を行うことが好ましい。組成物の構成要素のブレンド化は、220〜300℃の範囲の温度で、好ましくは不活性雰囲気下で適切に行うことができる。押出機の場合、組成物の様々な構成要素は、押出機に沿って位置する導入ホッパーを使用して適切に導入することができる。
本発明はまた、ポリエステルコポリマー又はポリエステルコポリマー及び1つ以上の添加剤及び/又は追加のポリマーを含む組成物を含む物品に関する。ポリエステルコポリマーは、フィルム、繊維、射出成形部品及び包装材料、例えば容器の製造に好都合に使用されてもよい。上記で説明したように、ポリエステルコポリマーの使用は、そのようなフィルム、繊維、射出成形部品又は包装材料が耐熱性又は耐寒性である必要がある場合に特に有利である。
物品はまた、繊維産業で使用するための繊維であることもできる。これらの繊維は、織物を形成するために織ることができ、又は不織布にすることもできる。
物品はまた、フィルム又はシートであることもできる。これらのフィルム又はシートは、カレンダ加工、キャストフィルム押出、又はフィルムブロー押出技術によって製造することができる。これらのフィルムは、ラベル又は絶縁体の製造に使用できる。
この物品はまた容器であることができ、この容器を高温充填に使用することが可能である。この物品は、従来の変換技術を使用して、ポリエステルコポリマー、又はポリエステルコポリマー及び1つ以上の添加剤及び/又は追加のポリマーを含む組成物から製造することができる。物品はまた、気体、液体及び/又は固体を輸送するための容器であることができる。関係する容器は、哺乳瓶、フラスコ、ボトル、例えばスパークリング若しくはスティルウォーターボトル、ジュースボトル、ソーダボトル、カーボイ、アルコール飲料ボトル、薬瓶又は化粧品用のボトル、皿、例えば既成の食事又は電子レンジ用の皿、又は蓋であってもよい。これらの容器は、任意のサイズにすることができる。
物品は、例えば、押出ブロー成形、熱成形又は射出ブロー成形によって適切に製造され得る。
したがって、本発明は、好都合なことに以下の工程を含む物品の製造方法を提供する:1)上記のポリエステルコポリマーの提供工程;2)ポリエステルコポリマー、並びに任意の1つ以上の添加剤及び/又は1つ以上の追加のポリマーを溶融し、それによりポリマー溶融物を製造する工程;及び3)ポリマー溶融物を物品に押出ブロー成形、熱成形及び/又は射出ブロー成形する工程。
物品はまた、溶融状態のポリエステルの層を、固体状態の有機ポリマー、金属又は接着剤組成物に基づく層に適用する段階を含む方法に従って製造することができる。この段階は、プレス、オーバーモールド、積層、押出積層、コーティング、又は押出コーティングによって実施されることができる。
分析方法:
以下の実施例において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定されている。GPC測定は25℃で実施した。計算にはポリスチレン標準を使用した。溶離液として、クロロホルム:2−クロロフェノール6:4(vol/vol)の溶媒混合物を使用した。GPC測定は、2つのPLgel5マイクロメートル(μm)MIXED−C(300×7.5mm)カラムを備えたMerck−Hitachi LaChrom HPLCシステムにおいて、これらの条件下で行われた。分子量の計算は、Cirrus(商標)PL DataStreamソフトウェアを使用して行われた。
以下の実施例のポリエステルポリマー及びコポリマーのガラス転移温度は、窒素雰囲気下で加熱速度10℃/分の示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定した。最初の加熱サイクルでは、ガラス転移(Tg)が観察された。
以下の実施例のポリエステルポリマー及びコポリマー中のモノマー単位の含有量は、プロトン核磁気共鳴(H NMR)によって測定された。
以下の実施例のポリエステルポリマー及びコポリマー中のモノマー単位の含有量は、プロトン核磁気共鳴(H NMR)によって測定された。ポリマー中の二酸モノマー単位の含有量は、溶媒として1,2−ジデュウテロ−1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE−d2)及び参照として少量の1,1,2,2−テトラクロロエタンを使用して測定された。ピーク帰属は、6.04ppmの化学シフトでTCEピークを使用して設定される。化学シフト5.29〜5.43ppmでのオキサレートに結合されたイソソルビドのC2及びC6のプロトンピークが積分され、この積分はイソソルビドのC2及びC6の2つのプロトンについて1.000に設定される。直鎖ジカルボキシレートに結合されたイソソルビドのC2及びC6のプロトンピークは5.11〜5.26ppmの化学シフトで積分され、その積分はイソソルビドのC2及びC6の2つのプロトンについてxである。
ポリエステルポリマー及びコポリマー中の直鎖C3−C12カルボン二酸の含有量は、次のように計算できる:
直鎖C3−C12カルボン二酸含有量(モル%)=100*x/(x+1)
[比較例1]
イソソルビド及びジフェニルオキサレートの重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルポリマーの調製
14.62グラム(g)のイソソルビド(以下ISOと略す、100.05ミリモル(mmol))、24.82gのジフェニルオキサレート(以下DPOと略す、102.45mmol)、8.3ミリグラム(mg)のIrganox1010及び9.2mgのHostanox PEPQを、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、ガラス製反応器を冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100ミリリットル(mL)のガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
エステル交換及び予備重縮合段階:
反応器の内容物は、溶融するまで窒素雰囲気中で加熱された(正確な溶融温度は、モノマーの正確なタイプ及び量に応じて、実施例ごとに異なるが、すべての実施例で120℃を超える温度で透明な溶液が形成された)。混合物の溶融物が得られたらすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を195℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物の温度は油浴の温度に等しいと仮定した)、そのような温度で120分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400ミリバール(mbar)に調整した。
重縮合段階:
温度を10℃/10分の速度で250℃に上げ、圧力を2時間かけて1ミリバール(mbar)未満に低下させた。フェノール及び未反応のジオールを蒸留により除去して、ポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルポリマーを得た。
得られたポリエステルポリマーは、表Iに示されるように、Tg、Mw、Mn及び分子量分布指数(PDI)を有していた。
[比較例2]
イソソルビド及びジエチルオキサレートの重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルポリマーの調製
14.66グラム(g)のイソソルビド(以下ISOと略す、100.21ミリモル(mmol))、15.83gのジエチルオキサレート(以下DEOと略す、108.25mmol)、14.3ミリグラム(mg)のIrganox1010及び9.2mgのHostanox PEPQを、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、ガラス製反応器を冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100ミリリットル(mL)のガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
エステル交換及び予備重縮合段階:
反応器の内容物は、溶解するまで窒素雰囲気中で加熱された。透明な溶液が得られたらすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を180℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物の温度は油浴の温度に等しいと仮定した)、そのような温度で480分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400ミリバール(mbar)に調整した。
重縮合段階:
温度を10℃/10分の速度で250℃に上げ、圧力を2時間かけて1ミリバール(mbar)未満に低下させ、次いでさらに4時間続けて暗色のポリ(イソソルビドオキサレート)ポリエステルポリマーを得た。
得られたポリエステルポリマーは、表Iに示されるように、3200の重量平均分子量(Mw)、1700の数平均分子量(Mn)及び分子量分布指数(PDI=1.88)を有していた。
[比較例3]
イソソルビド及びシュウ酸の重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルポリマーの調製
14.61グラム(g)のイソソルビド(以下ISOと略す、99.91ミリモル(mmol))、9.03gのシュウ酸(以下OAと略す、100.03mmol)を、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、ガラス製反応器を冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100ミリリットル(mL)のガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
エステル交換及び予備重縮合段階:
反応器の内容物は、100℃で溶融するまで窒素雰囲気中で加熱された。透明な溶液が得られたらすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を150℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物の温度は油浴の温度より10℃低いと仮定した)、そのような温度で360分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400ミリバール(mbar)に調整した。
重縮合段階:
温度を10℃/10分の速度で230℃に上げ、圧力を2時間かけて1ミリバール(mbar)未満に低下させ、次いでさらに3時間続けて、ごく非常に低い分子量のポリマーを含有する暗色の粘性液体を得たが、この分子量は測定できなかった。
比較例2及び3は、シュウ酸又はジエチルオキサレートを使用する場合、商業的に興味深い分子量を有するポリエステルポリマーを得ることは不可能であることを示している。
[比較例4]
イソソルビド及びアジペートの重合によるポリ(イソソルビド−アジペート)ポリエステルコポリマーの調製
7.69グラム(g)のイソソルビド(以下ISOと略す、49.05ミリモル(mmol);16.00gのジ(4−メチルフェニル)アジペート(以下DMPAと略す、49.06mmol);及び12.1ミリグラム(mg)のIrganox1010(酸化防止剤)及び11.0mgのHostanox PEPQ(別の酸化防止剤)を、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、ガラス製反応器を冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100ミリリットル(mL)のガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
反応器の内容物は、溶融するまで窒素雰囲気中で加熱された。混合物の溶融物が得られたらすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を195℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物の温度は油浴の温度に等しいと仮定した)、そのような温度で120分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400ミリバール(mbar)に調整した。温度を1℃/分の速度で225℃に上げ、圧力を1.5時間かけて1ミリバール(mbar)未満に低下させた。フェノール及び未反応のジオールを蒸留により除去して、ポリ(イソソルビドオキサレート)ポリエステルコポリマーを得た。得られたポリエステルコポリマーは、表Iに示されるように、ガラス転移温度(Tg)、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布指数を有していた。
[実施例5]
オキサレート、イソソルビド及びアジペートの重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート/アジペート)ポリエステルコポリマーの調製
実施例2は、実施例1と同様に行ったが、ただし11.46gのイソソルビド(以下ISOと略す、78.37mmol)、15.03gのジフェニルオキサレート(以下DPOと略す、62.03mmol)、4.99gのジ(4−メチルフェニル)アジペート(以下、DMPAと略す、15.28mmol)、7.5mgのIrganox1010(酸化防止剤)及び7.3mgのHostanox PEPQ(別の酸化防止剤)を100mLのガラス製反応器に計量した。
得られたポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー中に19.1モル%のアジペートモノマーを含み、表Iに示されるように、Tg、Mw、Mn及び分子量分布指数を有していた。
[比較例6]
イソソルビド及びオキサレートの重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルコポリマーの調製
14.62gのイソソルビド(以下ISOと略す、100.05mmol)、24.82gのジフェニルオキサレート(以下DPOと略す、102.45mmol)、8.3mgのIrganox1010及び9.2mgのHostanox PEPQを、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、ガラス製反応器を冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100ミリリットル(mL)のガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
反応器の内容物は、溶融するまで窒素雰囲気中で加熱された。混合物の溶融物が得られたらすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を195℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物の温度は油浴の温度に等しいと仮定した)、そのような温度で120分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400ミリバール(mbar)に調整した。温度を10℃/10分の速度で250℃に上げ、圧力を2時間かけて1ミリバール(mbar)未満に低下させた。フェノール及び未反応のジオールを蒸留により除去して、ポリ(イソソルビド−オキサレート)ポリエステルコポリマーを得た。ポリエステルコポリマーは、表Iに示されるように、Tg、Mw、Mn及び分子量分布指数を有していた。
[実施例7]
オキサレート、イソソルビド及びアジペートの重合によるポリ(イソソルビド−オキサレート/アジペート)ポリエステルコポリマーの調製
14.69グラム(g)のイソソルビド(以下ISOと略す、100.48mmol)、15.11gのジフェニルオキサレート(以下DPOと略す、62.36mmol)、7.55gのジ(ビニル)アジペート(以下DVAと略す、38.10mmol)、9.2mgのIrganox1010(酸化防止剤)及び11.4mgのHostanox PEPQ(別の酸化防止剤)を、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100mLのガラス製反応器に計量した。ガラス製反応器を油浴で加熱した。
反応器の内容物は、溶融するまで窒素雰囲気中で加熱された。155℃で透明な混合物が得られたらすぐに、トルエン混合物中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加した。続いて、反応器の内容物を195℃の温度が得られるまでさらに加熱し(ここでは、反応器の内容物は油浴の温度に等しいと仮定した)、そのような温度で180分間保持した。その後、真空度を2時間かけて400mbarに調整した。温度を1℃/分で225℃に上げ、圧力を1.5時間かけて1mbar未満に低下させた。フェノールを蒸留により除去して、イソソルビドオキサレート/アジペートポリエステルコポリマーを得た。得られたポリエステルコポリマーは、ポリエステルコポリマー中に19.2モル%のアジペートモノマーを含み、85℃のガラス転移温度(Tg)値、4100g/molの数平均分子量(Mn)及び8300g/molの重量平均分子量(Mw)を有していた。
[比較例8]
イソソルビド及びアジペートの重合によるポリ(イソソルビド−アジペート)ポリエステルコポリマーの調製
14.69gのイソソルビド(以下ISOと略す、100.54mmol)、20.03gのジビニルアジペート(以下DVAと略す、101.04mmol)、8.6mgのIrganox1010及び8.7mgのHostanox PEPQを、メカニカルスターラー、窒素ガス注入口、冷却器に接続する蒸留ヘッド及び凝集生成物を回収するための受容器を装備した100mLのガラス製反応器に計量した。反応器は窒素雰囲気中で加熱を開始し、混合物が溶解するとすぐに、トルエン溶液中の2.1mgのn−ブチルスズヒドロキシドオキシド(0.01mmol)を触媒として添加し、195℃の油温に加熱し、180分間維持した。その後、真空度を2時間かけて400mbarに調整し、温度を10℃/10分で235℃に上げ、2時間かけて1mbar未満に減圧し、さらに6時間235℃で真空を続けて、ポリ(イソソルビドアジペート)を得た。得られたポリエステルポリマーは、26℃のTg値、3800g/molのMn、9100g/molのMwを有していた。
以下の表Iにおいて:
ISO=イソソルビド
DEO=ジエチルオキサレート
OA=シュウ酸
DPO=ジフェニルオキサレート
DMPA=ジ(4−メチルフェニル)アジペート
DVA=ジ(ビニル)アジペートPDI=分子量分布指数
Mw=重量平均分子量
Mn=数平均分子量
Tg=ガラス転移温度
DPO:直鎖C3−C12二酸又は誘導体のモル比=DPOモノマー:直鎖C3−C12カルボン二酸又はそれらの誘導体のモノマーモル比。このモル比は、得られるポリエステルコポリマー中のイソソルビドオキサレート繰り返し単位とイソソルビド−直鎖C3−C12ジカルボキシレートオキサレート繰り返し単位とのモル比を表すと予想される。
ポリマー中のモル%直鎖ポリマー中のC3−C12ジカルボキシレート=得られるポリマー中の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位モルパーセンテージ(モル%)。
Figure 2020520405

Claims (20)

  1. 4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーであって、
    (a)前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45モル%以上50モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオールモノマー単位(当該1つ以上の二環式ジオールモノマー単位は、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオールから誘導される)、
    (b)前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25モル%以上49.9モル%以下の範囲のオキサレートモノマー単位、
    (c)前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位、並びに
    (d)任意選択で、前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0モル%以上5モル%以下の1つ以上の追加のモノマー単位
    を含む、ポリエステルコポリマー。
  2. 前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、45.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の前記1つ以上の二環式ジオール誘導モノマー単位、及び/又は
    前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲の前記オキサレートモノマー単位、及び/又は
    前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上25.0モル%以下の範囲の前記1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位、及び/又は
    任意選択で、前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の前記1つ以上の追加モノマー単位
    を含む、請求項1に記載のポリエステルコポリマー。
  3. 前記ポリエステルコポリマー内のモノマー単位の総モル量に基づいて、1モル%以上、より好ましくは3モル%以上、最も好ましくは5モル%以上25モル%以下、より好ましくは25.0モル%以下の範囲の前記1つ以上の直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位を含む、請求項1又は2に記載のポリエステルコポリマー。
  4. 前記1つ以上の二環式ジオールモノマー単位が、1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位であり、好ましくは1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位と直鎖C3−C12ジカルボキシレートモノマー単位とのモル比が、1:1以上、好ましくは1.5:1以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー。
  5. 前記1つ以上の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールモノマー単位が、イソソルビド及び/又はイソイジドから誘導される、請求項4に記載のポリエステルコポリマー。
  6. 4000グラム/モル以上の数平均分子量を有し、160℃未満のガラス転移温度を有するポリエステルコポリマーであって、以下の繰り返し単位:
    前記ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、45.0モル%以上99.9モル%以下の範囲の、イソソルビド−オキサレート、イソイジド−オキサレート、イソマンニド−オキサレート、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール−オキサレート及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトール−オキサレートからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位;
    前記ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.1モル%以上50.0モル%以下の範囲の1つ以上の二環式ジオール−直鎖C3−C12−ジカルボキシレート繰り返し単位;
    任意選択で、前記ポリエステルコポリマー内の繰り返し単位の総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の範囲の1つ以上の追加の繰り返し単位;
    を含み、
    二環式ジオール−オキサレート繰り返し単位と二環式ジオール−直鎖C3−C12ジカルボキシレート繰り返し単位とのモル比が、1:1以上、より好ましくは1.5:1以上である、
    ポリエステルコポリマー。
  7. 前記ポリエステルコポリマーが、マイナス20℃(−20℃)以上、より好ましくは20℃以上100℃以下、より好ましく80℃以下の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー。
  8. 前記ポリエステルコポリマーが、80℃以上、より好ましく100℃以上160℃未満、140℃以下、又は120℃以下の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー。
  9. 前記ポリエステルコポリマーが、140℃以下のガラス転移温度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー。
  10. 前記ポリエステルコポリマーが、8000グラム/モル以上150000グラム/モル以下の範囲の数平均分子量を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー。
  11. ポリエステルコポリマーの製造方法であって、以下のモノマー:
    (i)モノマーの総モル量に基づいて45モル%以上50モル%以下の範囲の、イソソルビド、イソイジド、イソマンニド、2,3:4,5−ジ−O−メチレン−ガラクチトール及び2,4:3,5−ジ−O−メチレン−D−マンニトールからなる群から選択される1つ以上の二環式ジオール;
    (ii)モノマーの総モル量に基づいて25モル%以上49.9モル%以下の範囲の、式(VI)の化学構造を有する1つ以上のシュウ酸ジエステル:
    Figure 2020520405
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、C3−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基又はC5−C20アルキルアリール基である);
    (iii)モノマーの総モル量に基づいて0.1モル%以上25モル%以下の範囲の1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体;並びに
    (iv)任意選択で、モノマーの総モル量に基づいて0モル%以上5モル%以下の1つ以上の追加のモノマー
    を重合することを含む、ポリエステルコポリマーの製造方法。
  12. モノマーの総モル量に基づいて、45.0モル%以上50.0モル%以下の範囲の前記1つ以上の二環式ジオール、
    モノマーの総モル量に基づいて、25.0モル%以上49.9モル%以下の範囲の前記1つ以上のシュウ酸ジエステル、
    モノマーの総モル量に基づいて、0.1モル%以上25.0モル%以下の範囲の前記1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体、及び/又は
    任意選択で、モノマーの総モル量に基づいて、0.0モル%以上5.0モル%以下の前記1つ以上の追加モノマー
    を重合することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記1つ以上の二環式ジオールが、重合条件下、金属含有触媒の存在下で前記1つ以上のシュウ酸ジエステルと最初に反応して二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を生成し、その後、該二環式ジオール−オキサレートエステル生成物を、さらなる重合条件下、金属含有触媒の存在下で前記1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体と続いて反応させて前記ポリエステルコポリマーを製造する、請求項11又は12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記1つ以上のシュウ酸ジエステルが、式(VI):
    Figure 2020520405
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、C2−C20アルケニル基である)
    による化学構造を有する1つ以上のシュウ酸ジエステルである、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 及びRの少なくとも一方、好ましくはR及びRの両方が、ビニル、アリル及び1−プロペニルからなる群から選択される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記1つ以上の直鎖C3−C12カルボン二酸及び/又はそれらの誘導体が、式(VII):
    Figure 2020520405
    (式中、Rは直鎖有機基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C4−C20シクロアルキル基、C4−C20アリール基若しくはC5−C20アルキルアリール基である)
    による化学構造を有する、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマー、並びにさらに1つ以上の添加剤及び/又は1つ以上の追加のポリマーを含む組成物。
  18. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の1つ以上のポリエステルコポリマーの使用を含む、物品の製造方法。
  19. 以下の工程:
    1)請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリエステルコポリマーの提供工程;
    2)前記ポリエステルコポリマー、並びに任意の1つ以上の添加剤及び/又は1つ以上の追加のポリマーを溶融し、それによりポリマー溶融物を製造する工程;並びに
    3)前記ポリマー溶融物を物品に押出ブロー成形、熱成形及び/又は射出ブロー成形する工程
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項18又は19に記載の方法により得られる又は得ることができる物品。
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