JP2020518562A - アルツハイマー病のイダロピルジン系組合せ療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセートに基づき、イダロピルジンが準最適用量で提供される、アルツハイマー病又はアルツハイマー病関連障害の処置のための組合せ療法及び方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、アルツハイマー病及び関連障害の処置のための新規の組合せ及び方法に関する。より具体的には、本発明は、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセートの組合せに基づくアルツハイマー病及び関連障害の新規の組合せ療法に関する。
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease、AD)は、皮質連合野の関与に起因する不全失語症(発話及び発話理解における機能障害がある言語障害)、協調運動障害(運動又は知覚機能の欠失により、特定の目的を持った動作と身ぶりとを調和させおこなう能力の欠如)、並びに失認(もの、ひと、音、かたち、又は匂いを認識する能力の欠如)とともに記憶欠損を特徴とする原型的皮質性認知症である。痙性対麻痺(下肢におこる衰弱)などの特別な症状も関与し得る(参考文献1〜4)。
アルツハイマー病(AD)の発症率は年齢とともに急増する。ADは、現在、認知症の最も一般的な原因となっている。ADは、臨床的には、徐々に進行して、末期患者は寝たきりになったり失禁するようになり、療護が必要になるという、認知機能の全体的な低下によって特徴づけられる。診断後、平均して9年で死に至る(参考文献5)。国際連合の人口予測では、80歳を超える人口は2050年までに3.7億人近くになると推定されている。現在のところ、85歳を超える人口の50%がADに罹患していると推定される。つまり、50年以内に、全世界で1億人を超える人々が認知症に罹患すると考えられる。継続的な療護や他のサービスを必要とする非常に多数の人々が、医療的、経済的、及び人的資源に深刻な影響を与えることが考えられる(参考文献6)。
記憶障害は疾患の初期の特徴であり、エピソード記憶(日々の出来事の記憶)に関連する。意味記憶(言語や視覚的意味についての記憶)は疾患の後期に関わる。一方で、作業記憶(情報を一時的に保存し利用するために用いられる構造やプロセスに関わる短期記憶)と手続記憶(技術や手段の長期記憶である無意識記憶)は後期まで保持される。疾患が進行すると、言語障害、視知覚や空間障害、失認や失行のさらなる特徴が現れる。
ADの標準的な徴候は十分に特徴を示しており、約80%の症例において特定が可能である(参考文献7)。しかしながら臨床的な不均質性は生じ、これは臨床的管理のために重要であるだけでなく、機能的に異なる症状に対する特定の薬剤処置のさらなる関与も示すものである(参考文献8)。
ADの病理学的特徴は、ベータアミロイドペプチド(Aベータ)を含む細胞外アミロイド斑の蓄積、主にタウタンパク質からなる細胞内神経原線維変化、並びに進行的なニューロンやシナプスの機能障害や欠失を含む(参考文献9〜11)。アルツハイマー病(AD)の病因論は依然として特定困難であり、過去10年で、ADの病因についてのいくつかの主要な仮説が提示されており、これらは、ADの発症においてアセチルコリン作動性シグナル伝達の減少の特定の役割に起因する「コリン作動性仮説」と、神経変性プロセスがアミロイド前駆体タンパク質(APP)の異常プロセスにより引き起される一連のイベントであることを示す「アミロイド・カスケード仮説」(参考文献12)と、細胞骨格の変化が病的イベントを引き起こすことを提案する改変された「タウ仮説」(参考文献13)と、近年における、ADの病因論及び進行において免疫シグナル伝達の変化を優先する神経免疫調節仮説とである。AD進行の解釈として最も広く受け入れられている説は、依然として「アミロイド・カスケード仮説」であり(参考文献14〜16)、AD研究者らは、アミロイド形成的Aベータペプチドに関連する毒性をもたらすメカニズムを特定することに主に注力している。重要なことは、ADにおける血管新生の異常及び血液脳関門の機能停止として表れる微小血管透過性及び血管リモデリングの変化がAPP毒性に関与する主要なイベントとして特定されている(参考文献17)。
シナプス密度の変化は、APPの蓄積及びタウ凝集よりも認知障害に関係の深い病理学的な病変である。アミロイドの病理学は、コリン作動性末端が最も脆弱であり、続いてグルタミン酸作動性末端、最後はGABA作動性末端であるという神経伝達物質特異的に進行するようであるということが研究において明らかになった(参考文献11)。グルタミン酸は、哺乳動物の神経系において最も豊富な興奮性神経伝達物質であり、その機能作用は、GABA作動抑制性ニューロン受容体によって十分に均衡する。病的状態のもとでは、シナプス間隙のグルタミン酸異常蓄積がグルタミン酸受容体の過剰活性を引き起し(参考文献18)、認知機能障害そして最終的にニューロン細胞死という結果を招く。このプロセスは興奮毒性と名付けられ、一般に急性及び慢性的神経障害時のニューロン組織に見受けられるものであり、現在ではADの主要な病理学的誘因の1つとして認識されている。さらに、ADに見受けられる抑制性GABA仲介ニューロン回路の機能障害は、ニューロン細胞における調節不全グルタミン酸シグナル伝達において負の影響を増大させ得る。
現在のところ、多くの国で認可された5つの薬剤のみからなる2種の薬剤がADの症状を改善又は遅延するために使用されており、これらはいくつかのアセチルコリンエステラーゼ調節因子とNMDAグルタミン酸受容体(NMDAR)阻害剤とを含む(参考文献20〜22)。
ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、及びガランタミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、現在市販で入手可能であり、認知的、機能的、及び挙動的症状に有効な作用で症状緩和に効果的である(参考文献23)。
この受容体の種々の部位を標的にするNMDARアンタゴニストは、興奮毒性を弱めるために試験が行われている。不競合NMDARアンタゴニストはイオンチャネル孔を標的として、シナプス後ニューロンへのカルシウム侵入を減少させる。そのうちの1つのみ、つまりメマンチンは、中程度から重度のADにおける承認ステータスを取得した。しかしながら、この分子は、適度な対症的作用しか有さず、さらに軽度のアルツハイマー病には有意な作用を示さないため、多くのAD患者にとって有効性は限定的である(参考文献24、25)。さらに、他の多くのNMDARアンタゴニストは、いくつかの神経変性障害の後期の臨床試験に通らなかった(参考文献21、26、27)。興奮毒性を抑える他の手法はグルタミン酸のシナプス前放出の抑制を含むものである。
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5は、AD処置における使用に適した薬剤の組合せを公開している。特に、特許文献5は、グルタミン酸毒性及び/又はAベータ毒性からの防護を含む、ADにおけるバクロフェンとアカンプロセートと組合せの治療的有効性を公開している。また、特許文献5に基づく特許文献6は、ADの処置におけるバクロフェンとアカンプロセートと組合せの使用を公開している。また、基づく特許文献6は、バクロフェン及びアカンプロセートとさらに組み合わせられ得る化合物のリストを記載している。しかしながら、基づく特許文献6は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが、相乗作用をもたらし得るということは言うまでもなく、準最適用量のイダロピルジンで作用を示し得る、ということを教示していない。
イダロピルジンは、AD処置においていくらかの有効性を示しているとともに、ドネペジルのアドオン療法として臨床試験が行われている、選択的5−HT6受容体アンタゴニストである(参考文献55、NCT02079246)。
国際公開第2009/133128号 国際公開第2009/133141号 国際公開第2009/133142号 国際公開第2011/054759号 国際公開第2012/117076号 米国特許第9144558号
この分野における活発な研究にもかかわらず、アルツハイマー病及びアルツハイマー関連障害の代替の又は改善された効果的な治療が依然として求められている。
本発明は、特にAベータオリゴマー毒性及び認知低下に関連するアルツハイマー病及びアルツハイマー関連障害の処置に適した新規の治療方法及び組成物を提供する。より具体的には、本発明は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含む組成物と、アルツハイマー病又はアルツハイマー関連障害の処置のためのその使用とに関する。
本発明は、なかでも、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが、特に、アルツハイマー病及びアルツハイマー関連障害において示される症状である、認知障害から強力に防護するという、本発明者等による予期せぬ発見に起因する。
したがって、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せは、アルツハイマー病又はアルツハイマー関連障害に罹患する、その素因がある、又はその罹患が疑われる患者の効果的かつより安全な処置をなすものである。
ゆえに、本発明の目的は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供される、組成物又は組合せに関する。好ましくは、本発明は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及び/又はアカンプロセートが準最適用量で提供される、組成物に関する。より好ましくは、本発明は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが準最適用量で提供される、組成物に関する。
また、本発明は、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセート、又はそれらの塩、プロドラッグ、若しくは誘導体の相乗作用量を含む組成物又は組合せに関する。
また、本発明は、(i)0.05mg〜100mgのイダロピルジン又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、(ii)0.005mg〜50mgのバクロフェン又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、及び(iii)0.0005mg〜100mgのアカンプロセート又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体を含む組成物又は組合せに関する。
また、本発明のさらなる目的は、
−イダロピルジン、又は任意の化学純度の、薬学的に許容されるその塩、水和物、誘導体、異性体、ラセミ体、若しくはプロドラッグ、
−バクロフェン、又は任意の化学純度の、薬学的に許容されるその塩、水和物、誘導体、異性体、ラセミ体、若しくはプロドラッグ、及び
−アカンプロセート、又は任意の化学純度の、薬学的に許容されるその塩、水和物、誘導体、異性体、ラセミ体、若しくはプロドラッグ、を含む、実質的にそれらからなる、又はそれらからなる組成物又は組合せにある。
本願にさらに開示されるように、本発明の組合せ又は組成物における化合物は個別又は共に製剤化することができる。また、化合物は、共に、個別に、連続して、又は追って、対象に投与することができる。また、化合物は繰り返して対象に投与することができる。
本発明の組成物は、典型的には1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は担体をさらに含む。また、本発明に使用されるような化合物は、塩、水和物、エステル、エーテル、酸、アミド、ラセミ体、異性体、鏡像異性的に純粋な組成物、又はコンジュゲートの形態であってもよい。また、化合物は徐放性製剤の形態であってもよい。化合物のプロドラッグ又は誘導体が使用されてもよい。
好ましい実施形態において、化合物は、それ自体で、又はその塩、水和物、エステル、エーテルの形態、又は徐放性形態において使用される。
他の好ましい実施形態において、プロドラッグ又は誘導体が使用される。
本発明のさらなる目的は医薬組成物を調製する方法であって、該方法は、薬学的に許容される賦形剤又は担体において、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを混合するステップを含む。
本発明のさらなる目的は、アルツハイマー病(AD)又はAD関連障害の処置に使用するための上述で規定するような組成物又は組合せに関する。
本発明のさらなる目的は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする哺乳動物対象、好ましくはヒト対象におけるAD又はAD関連障害を処置するための方法に関し、該方法は、上述で規定されるような組成物又は組合せの有効量を対象に投与するステップを含む。
本発明の好ましい目的は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする哺乳動物対象、好ましくはヒト対象におけるAD又はAD関連障害を処置するための方法に関し、該方法は、イダロピルジンが準最適用量で投与されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの有効量を対象に共に、個別に、連続して、又は追って投与するステップを含む。好ましくは、イダロピルジンは準最適用量で投与され、バクロフェン及び/又はアカンプロセートは準最適用量で投与される。さらにより好ましくは、イダロピルジンは準最適用量で投与され、バクロフェンとアカンプロセートとの組合せは準最適用量で投与される。
本発明は、疾患の任意の段階にある任意の哺乳動物対象における、好ましくは任意のヒト対象におけるアルツハイマー病又はアルツハイマー病関連障害の処置に使用することができる。実施例に開示されるように、本発明の組成物は対象の病的状態を改善可能である。
図1A−Bは、Aβ25−35毒性誘発認知障害のモデルにおけるインビボでのイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せの作用を示す。認知障害を空間作業記憶に関して評価した(Y迷路試験)。図1Aにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/アカンプロセート(0.032mg/Kg);(4)Aβ25−35/バクロフェン(0.480mg/Kg);(5)Aβ25−35/イダロピルジン(4.5mg/Kg)、及び(6)バクロフェン、アカンプロセート、及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。図1Bにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/バクロフェン及びアカンプロセート(それぞれ0.480mg/Kg及び0.032mg/Kg);(4)Aβ25−35/アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.032mg/Kg及び4.5mg/Kg);(5)Aβ25−35/バクロフェン及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg及び4.5mg/Kg)、及び(6)Aβ25−35/バクロフェン、アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。データは、平均値及び標準誤差として表す。分散分析とその後のダネット検定(対Aβ25−35)を行った(*p値<0.5;**p値<0.01;***p値<0.001;****p値<0.0001)。作用は、2つの化合物の任意の組成物又は単独の薬剤に対して3つの化合物の組合せにおいて有意に相乗的(S)であった。 図2A−Bは、Aβ25−35毒性誘発認知障害のモデルにおけるインビボでのイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せの作用を示す。ステップスルー待ち時間(図2A−図2C)及び脱出待ち時間(図2B−図2D)の測定によって受動的回避能力を評価することで、認知障害を文脈長期記憶に関して評価した。図2A及び図2Cにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/アカンプロセート(0.032mg/Kg);(4)Aβ25−35/バクロフェン(0.480mg/Kg);(5)Aβ25−35/イダロピルジン(4.5mg/Kg)、及び(6)Aβ25−35/バクロフェン、アカンプロセート、及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。図2B及び図2Dにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/バクロフェン及びアカンプロセート(それぞれ0.480mg/Kg及び0.032mg/Kg);(5)Aβ25−35/アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.032mg/Kg及び4.5mg/Kg);(6)バクロフェン及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg及び4.5mg/Kg)、及び(7)バクロフェン、アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。データは、平均値及び標準誤差として表す。クラスカル−ウォリスとその後のダネット検定(対Aβ25−35)を行った(*p値<0.5;**p値<0.01;***p値<0.001;****p値<0.0001)。作用は、2つの化合物の任意の組成物又は単独の薬剤に対して3つの化合物の組合せにおいて有意に相乗的(S)であった。 図2C−Dは、Aβ25−35毒性誘発認知障害のモデルにおけるインビボでのイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せの作用を示す。ステップスルー待ち時間(図2A−図2C)及び脱出待ち時間(図2B−図2D)の測定によって受動的回避能力を評価することで、認知障害を文脈長期記憶に関して評価した。図2A及び図2Cにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/アカンプロセート(0.032mg/Kg);(4)Aβ25−35/バクロフェン(0.480mg/Kg);(5)Aβ25−35/イダロピルジン(4.5mg/Kg)、及び(6)Aβ25−35/バクロフェン、アカンプロセート、及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。図2B及び図2Dにおいて、グループは、(1)Sc.Aβ25−35;(2)Aβ25−35;(3)Aβ25−35/バクロフェン及びアカンプロセート(それぞれ0.480mg/Kg及び0.032mg/Kg);(5)Aβ25−35/アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.032mg/Kg及び4.5mg/Kg);(6)バクロフェン及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg及び4.5mg/Kg)、及び(7)バクロフェン、アカンプロセート及びイダロピルジン(それぞれ0.480mg/Kg、0.032mg/Kg、及び4.5mg/Kg)とした。データは、平均値及び標準誤差として表す。クラスカル−ウォリスとその後のダネット検定(対Aβ25−35)を行った(*p値<0.5;**p値<0.01;***p値<0.001;****p値<0.0001)。作用は、2つの化合物の任意の組成物又は単独の薬剤に対して3つの化合物の組合せにおいて有意に相乗的(S)であった。
本発明は、アルツハイマー病(AD)又はAD関連障害を処置するための新規の方法及び組成物を提供する。本発明は、そうした疾患を有効に改善することができるとともに任意の哺乳動物対象に使用することができる新規の活性化合物の組合せを開示する。
より具体的には、本発明は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供され、好ましくはイダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及び/又はアカンプロセートが準最適用量で提供され、さらにより好ましくはイダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが準最適である用量でバクロフェンとアカンプロセートとが提供される、新規の組成物を提供する。
実施例に示されるように、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの存在は、驚くべきことにAベータオリゴマー毒性及び認知障害に対する相乗的神経防護作用をもたらす。ゆえに、本発明はAD又はAD関連障害の処置に適する。
[定義]
「AD関連障害」という用語は、Aベータオリゴマー毒性及び/又は認知障害に関連する障害を指し、特に、アルツハイマー型老年性認知症(SDAT)、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia、FTD)、血管性認知症、軽度認知障害(MCI)、及び加齢性記憶障害(AAMI)を含む。
本明細書で使用されるとき「処置」という用語は、上述の疾患又は障害によって引き起された症状又は上述の疾患若しくは障害の原因の、治療、抑止、予防、遅延、又は低減を含む。処置という用語は、病気の進行及び関連症状のコントロールを特に含む。処置という用語は、特に、ベータアミロイド(Aベータ若しくはAβとしても言及される)を原因とする毒性に対する防護、又は、該毒性、酸化ストレス、神経炎症、及び/若しくはニューロン細胞死の低減若しくは遅延、を含む。処置という用語は、特に、認知症状の改善若しくは軽減又はAベータ毒性に対する防護を指す。
本発明の格別に顕著な一利点は、各化合物が、組合せで患者に実質的な臨床的有効性をもたらしながら、組合せ療法において低用量又は準最適用量で使用できることである。したがって、本発明の特定の利点は各化合物の準最適用量を使用できることにある。本明細書で使用されるとき、化合物又は化合物の組合せの「準最適用量」という用語は、化合物又は組合せが小さい作用を有する又は実質的に作用を有しない用量を指す。例えば、イダロピルジンの準最適用量は、単独の該化合物が小さい作用を有する又は実質的に作用を有しない用量である。バクロフェンの準最適用量は、単独の該化合物が小さい作用を有する又は実質的に作用を有しない用量である。バクロフェンとアカンプロセートとの組合せの準最適用量は、バクロフェンとアカンプロセートとからなる組合せで使用されるとき、バクロフェンとアカンプロセートとが試験実験条件において小さい作用を有する又は実質的に作用を有しない用量である。作用は、認知障害の動物モデルにおいてなどで、インビトロ又はインビボで測定することができる。実施例として、そうした試験は、Aβペプチドを脳室内に注射したマウスにおける、挙動試験、自発的交替能力、又は受動的回避試験を含むことができる。これらの試験は実施例においてさらに詳細に記載される。準最適用量は、より具体的には、臨床試験を考慮した若しくは臨床試験に使用される、又は通常処方される投与量などの、一般に使用されるものよりも低い用量を指し、好ましくは一般に使用される用量若しくは治療用量の1/2、一般に使用される用量若しくは治療用量の1/3、一般に使用される用量若しくは治療用量の1/4、1/5、又はさらにより好ましくは1/10を指す。特定の実施例において、一般に使用される治療用量の1/20、1/30、1/50、1/100ほどの低用量、又はさらに低い用量が使用される。好ましい投与量は、長期維持的処置に通常処方される量の1%〜50%の量に相当する。最も好ましい投与量は、長期維持的処置に通常処方される量の1%〜10%の量に相当するとよい。「準最適用量」という用語は、1つの化合物、化合物の任意の組合せ、又は化合物の組合せ内の任意の化合物に関して使用することができる。このような準最適投与量では、化合物又は化合物の組合せは副作用がより少ないか副作用を示さない一方で、本発明の組合せはAD又はAD関連障害の処置に十分に有効である。処置の副作用を少なくすることは、処置が長期間行われるAD又はAD関連障害などの慢性神経疾患において特に関心が高いことである。
「組合せ又は併用処置/療法」という用語は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとが対象に共に投与されて生物学的作用を引き起こすという処置を指す。本発明における組合せの療法では、化合物が一緒に若しくは個別に、共に、連続して、又は追って投与することができる。
特定の実施形態において、組合せ療法はイダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセートのそれぞれの個別の投与を含む。
他の特定の実施形態では、組合せ療法は、一方でイダロピルジン、他方でバクロフェン及びアカンプロセートの個別の投与を含む。
他の特定の実施形態では、組合せ療法は、一方でバクロフェン、他方でイダロピルジン及びアカンプロセートの個別の投与を含む。
さらなる特定の実施形態では、組合せ療法は、一方でアカンプロセート、他方でイダロピルジン及びバクロフェンの個別の投与を含む。
また、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセートのそれぞれは、種々の経路及びプロトコルによって投与することができる。
また、本発明の組合せ療法は「アドオン」療法も含み、該療法では、対象が既に本発明の組合せにおけるいくつか(1つ以上)の化合物による処置を受けており、処置には他の化合物を投与することを含む。例えば、本発明の組合せ処置は、イダロピルジンによる処置を受けている対象において、バクロフェン及びアカンプロセートを対象に投与することを含む。
他の実施形態において、組合せ療法は単一の製剤としてイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを共に投与することを含む。
本発明の文脈において、特定の薬剤又は化合物の指定は、具体的に名前を挙げた分子だけでなく、任意の化学純度の、任意のそれらの薬学的に許容される塩、水和物、誘導体、異性体、ラセミ体、鏡像異性的に純粋な組成物、コンジュゲート、又はプロドラッグも含むことを意味する。
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」という用語は本発明の化合物の任意の機能性誘導体(又は前駆体)に関し、生体系へ投与されると、例えば自然化学反応、酵素触媒化学反応、及び/又は、代謝化学反応などの結果として前述の化合物が生成されるものである。プロドラッグは典型的にX−薬剤構造を有し、式中、Xは不活性担体部分であり、薬剤は活性化合物である。通常、プロドラッグは活性を欠失しているか又は薬剤よりも低活性であり、薬剤はインビボにおいて担体から放出される。プロドラッグは、通常、不活性であるか又は生じる薬剤より低活性であり、例えば、薬剤の物理化学的特性の改善、特定組織への薬剤の標的化、薬剤の薬剤動態及び薬力学的特性の改善、並びに/又は、望ましくない副作用を少なくすることなどに使用可能である。プロドラッグの設計に適する一般的官能基の一部として、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミン基、ホスフェート/ホスホネート基及びカルボニル基が含まれるが、これらに限定されない。典型的にこれらの基の修飾によって製造されるプロドラッグは、エステル類、カーボネート類、カルバメート類、アミド類及びホスフェート類を含むが、これらに限定されない。適切なプロドラッグを選択するための詳細な技術ガイダンスは技術常識とされる(参考文献28〜32)。さらに、プロドラッグの調製は当業者には既知の従来の方法によって行うことができる。その他のプロドラッグを合成するために使用可能な方法は、本主題の数多くの先行文献に記載されている(参考文献28〜35)。例として、アルバクロフェン・プラカルビルは、ChemID plusアドバンスデータベース(ウェブサイトchem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/)に掲載されており、アルバクロフェン・プラカルビルはバクロフェンの既知のプロドラッグである(参考文献36及び37)。
化合物の「誘導体」という用語は、そのような化合物の酸、アミド、エステル、エーテル、アセチル化変異体、ヒドロキシル化変異体、又はアルキル化(C1−C6)変異体などの、その化合物に機能上及び/又は構造上関連する任意の分子を含む。また、誘導体という用語は、先に挙げたような1つ以上の置換基を失った状態の構造上関連する化合物も含む。例として、ホモタウリンはアカンプロセートの脱アセチル化誘導体である。化合物の好ましい誘導体は、既知の方法で測定するとき、その化合物にある程度の類似性を有する分子である。類似化合物や、親分子とのその類似性指標は、PubChem(http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/search/)又はDrugBank(http://www.drugbank.ca/)などの数多くのデータベースに見受けられる(参考文献38)。より好ましい実施形態では、誘導体は、親薬剤に対して、0.4を超える、好ましくは0.5を超える、より好ましくは0.6を超える、さらにより好ましくは0.7を超える谷本類似性指標(Tanimoto similarity index)を有する必要がある。谷本類似性指標は、2分子間の構造的類似の程度を測定するために広く使用されている。また谷本類似性指標は、インターネット上で使用可能なthe Small Molecule Subgraph Detector(http://www.ebi.ac.uk/thornton-srv/software/SMSD/)(参考文献39、40)などのソフトウェアにより解析可能である。好ましい誘導体は構造上及び機能上の両面において親化合物に関連する必要がある、言い換えると、誘導体はまた親薬剤の活性の少なくとも一部を保持する、より好ましくは、誘導体はAベータ毒性及び/又は認知機能障害に対する防護活性を有する必要がある。
また、「誘導体」という用語は薬剤の代謝物も含み、これは例えば、生体への投与後、通常は特殊な酵素系を介したその薬剤の(生化学的)改変又は作用からもたらされて、その薬剤の生物活性を示す又は保持する分子などである。代謝物は親薬剤の治療的作用の多くを担っていることが開示されている。特定の実施形態では、本明細書で使用されるとき「代謝物」は、親薬剤の活性の少なくとも一部を保持し、好ましくはAベータ毒性及び/又は認知機能障害に対する防護活性を有する、改変又は作用後の薬剤を指す。
「塩」という用語は、薬学的に許容され且つ比較的非毒性である、本発明における化合物の無機又は有機酸付加塩に関する。医薬塩の形成では、酸性、塩基性、又は双性イオン性の薬剤分子を対イオンとペアリングさせて薬剤の塩型を生成することを含む。中和反応に多種多様な化学種を使用することができる。このように、本発明の薬学的に許容される塩は、塩基として機能する主化合物を無機又は有機酸と反応させて塩を形成することにより得られる塩を含み、例として、酢酸、硝酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、又はクエン酸の塩が挙げられる。また、本発明の薬学的に許容される塩は、主化合物が酸として機能し、適切な塩基と反応させて、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩又はコリン塩などを形成する塩も含む。所定の活性原理の塩の大部分は生物学的に同等であるが、なかでも、溶解性又は生物学的利用能が増加するものもある。現在、塩の選択は、Stahl及びWermuthのハンドブックによる教示のように、薬剤開発過程において一般的な標準作業になっている(参考文献41)。本発明に使用される特に好ましい塩はアカンプロセートカルシウム塩である。
好ましい実施形態において、化合物の指定は、化合物自体だけでなく、任意の薬学的に許容されるその塩、水和物、異性体、ラセミ体、異性体、鏡像異性的に純粋な組成物、エステル、又はエーテルも指定することを意味する。
さらに好ましい実施形態において、化合物の指定は、それ自体を特に指定する化合物だけでなく、任意の薬学的に許容されるその塩も指定することを意味する。
特定の実施形態において、化合物の徐放性製剤が使用される。
イダロピルジン、バクロフェン、アカンプロセートの例示のCAS番号を以下の表1に提示する。また、表1は、本発明の化合物の一般的な塩、ラセミ体、異性体、鏡像異性的に純粋な組成物、プロドラッグ、代謝物、又は誘導体も非限定的に示す。
NA:該当なし
バクロフェンのプロドラッグの具体例は、Hanafiによる文献(参考文献42)に記載されており、特に、中枢神経系標的に特定の指向性を持つバクロフェンエステル及びバクロフェンエステルカルバメートが挙げられる。つまり、そうしたプロドラッグは本発明の組成物に特に適している。前述したアルバクロフェン・プラカルビルも既知のプロドラッグであり、本発明の組成物においてバクロフェンの代わりに使用することができる。バクロフェンの他のプロドラッグは、国際公開第2010102071号、米国特許出願公開第2009197958号、国際公開第2009096985号、国際公開第2009061934号、国際公開第2008086492号、米国特許出願公開第2009216037号、国際公開第2005066122号、米国特許出願公開第2011021571号、国際公開第2003077902号、及び国際公開第2010120370号の特許出願に見受けられ、これらは本発明の組成物においてバクロフェンの代わりに使用され得る。
アカンプロセートのパントイン酸エステルネオペンチルスルホニルエステル、ネオペンチルスルホニルエステルプロドラッグ、又は潜在性カルボキシレートネオペンチルスルホニルエステルプロドラッグなどの、アカンプロセートの有用なプロドラッグは、特に、国際公開第2009033069号、国際公開第2009033061号、国際公開第2009033054号、国際公開第2009052191号、国際公開第2009033079号、米国特許出願公開第2009/0099253号、米国特許出願公開第2009/0069419号、米国特許出願公開第2009/0082464号、米国特許出願公開第2009/0082440号、及び米国特許出願公開第2009/0076147号に挙げられ、これらは本発明の組成物においてアカンプロセートの代わりに使用され得る。
また、イダロピルジンはLUAE58054としても既知である。
[本発明の説明]
本発明の好ましい組合せは、組み合わせて、個別に、連続して、又は追って投与される、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを含む。
上述したように、本発明の薬剤の組合せは、神経障害に関与するいくつかの生物学的プロセスにおいて強力な予想外の作用を有する。本発明者らは、驚くべきことに、これらの新規の組成物が共に、相乗的に、Aベータ毒性を軽減し、及び/又は認知機能障害を軽減若しくは回復できるということを見いだした。本発明の組合せ療法は、各化合物が準最適用量で使用され、ゆえに副作用の可能性を退けるときでも、Aベータ毒性及び/又は認知障害に対してインビボにおいて細胞を効果的に防護する、ということを実施例は示す。
特に、認知障害のインビボモデルにおいて、実施例は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが、Aβ(25−35)毒性誘発認知機能障害を効果的且つ相乗的に回復させたということを示している。
ゆえに、これらの薬剤の組合せは、AD及びAD関連障害を処置する新規の手法に相当する。
ゆえに、本発明は、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せに基づき、イダロピルジンが準最適用量で提供される、AD又はAD関連障害の新規の療法を提案するものである。
さらに特定の実施形態において、本発明は、AD又はAD関連障害の処置に使用するための、イダロピルジンとアカンプロセートとバクロフェンとを含む、実質的にそれらからなる、又はそれらからなり、イダロピルジンが準最適用量で提供される、組成物に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、共に、個別に、又は連続して投与されることでAD又はAD関連障害を処置する薬剤の製造のための、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの使用に関する。
特定の実施形態において、本発明は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする対象におけるAD又はAD関連障害の処置のためのこれらの組合せ又は組成物の使用に関する。
実験の項において、本発明の組成物がまたアルツハイマー病又はAD関連障害の根底にある上述のストレスからニューロン細胞をインビボにおいて相乗的に防護することに有効であり、既知の認知機能不全マウスモデルにおいて認知障害などの臨床症状を改善するということがさらに示される。
相乗性は、例えば、それぞれの化合物単独とそれらの組合せとの用量作用曲線から組合せ指標を算出する(参考文献43〜45)ことで、及び/又は処置を要因として要因分散分析試験を用いて要因間の相互作用が有意であるかどうかを示す(参考文献46)ことで、種々の方法で明らかにされ得る。相乗性は当業者に既知の方法によって評価することができる。
示される結果は、特に、上述の組合せ療法が酸化ストレス、神経炎症、及び/又はニューロン細胞死にも関連する神経細胞におけるAベータ毒性に対する重大な相乗作用を有して、認知障害の改善又は軽減をもたらすことを示すものである。ゆえに、これらの組合せ療法はAD又はAD関連障害を処置する新規の強力な方法に相当する。
上述のように、本発明は、酸化ストレス、神経炎症、及び/又はニューロン細胞死にも関連するAベータオリゴマー毒性に関連する結果によって実験の項に示されるされるように、AD及びAD関連障害の処置に特に適して、認知障害を回復、改善、又は軽減させる。
特定の実施形態において、本発明は、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及び/又はアカンプロセートが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及びアカンプロセートが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、を含む、実質的にそれらからなる、又はそれらからなる組成物それ自体の1つに関する。
また、本発明は、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセート、又はそれらの塩、プロドラッグ、若しくは誘導体の相乗作用量を含む組成物に関する。
また、本発明は、(i)0.05mg〜100mgのイダロピルジン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、(ii)0.005mg〜50mgのバクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、及び(iii)0.0005mg〜100mgのアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体を含む組成物に関する。好ましくは、本発明は、(i)0.05mg〜30mgのイダロピルジン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、(ii)6mg〜15mgのバクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、及び(iii)0.4mg〜50mgのアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体を含む組成物に関する。あるいは、本発明は、好ましくは、(i)0.05mg〜30mgのイダロピルジン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、(ii)0.005mg〜5mgのバクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、及び(iii)0.05mg〜0.3mgのアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体を含む組成物に関する。
さらなる特定の実施形態において、本発明は、AD又はAD関連障害の処置に使用するための、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及び/又はアカンプロセートが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェン及びアカンプロセートが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、
−イダロピルジンが準最適用量で提供されるとともにバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセート、を含む、実質的にそれらからなる、又はそれらからなる組成物の1つに関する。
前述のように、本発明の組合せ療法において、化合物又は薬剤は、共に又は個別に製剤化されることができ、共に、個別に、連続して、又は追って投与することができる。
本発明のさらなる目的は、AD又はAD関連障害を処置する薬剤を製造するための上述で規定するような組成物又は組合せの使用にある。
本発明は、AD又はAD関連障害を処置する方法をさらに提供し、該方法は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする対象に上述で開示されるような組成物又は組合せの有効量を投与することを含む。
本発明のさらなる目的は、AD又はAD関連障害を処置する方法であり、該方法は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする対象に上述で開示されるような組合せの有効量を共に、個別に、連続して、又は追って投与することを含む。
本発明のさらなる目的は、AD又はAD関連障害を処置する方法であり、該方法は、AD又はAD関連障害の処置を必要とするとともにイダロピルジンの準最適量で既に処置した対象に、バクロフェン及びアカンプロセートを追って投与することを含む。本発明のさらなる目的は、AD又はAD関連障害を処置する方法であり、該方法は、AD又はAD関連障害の処置を必要とするとともにバクロフェン及びアカンプロセートで既に処置した対象に、イダロピルジンの準最適量を追って投与することを含む。
本発明の好ましい実施形態において、本発明は、AD又はAD関連障害の処置を必要とする対象におけるAD又はAD関連障害を処置する方法に関し、該方法は、イダロピルジンが準最適用量で提供されるイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの有効量を対象に共に、個別に、連続して、又は追って投与することを含む。
本発明の組成物は、典型的に、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む。また、本発明の使用において、薬剤又は化合物は、通常、薬学的に許容される賦形剤又は担体と混合される。
これに関して、本発明のさらなる目的は医薬組成物を調製する方法であって、該方法は、上述の化合物を適切な賦形剤又は担体に混合することを含む。
特定の実施形態において、この方法は、適切な賦形剤又は担体にイダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとを混合することを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述したように、化合物はそれ自体で、又は薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、誘導体、若しくは徐放性(sustained release)/放出制御性(controlled release)製剤の形態で使用される。
本発明における治療は、自宅、医師のオフィス、クリニック、病院の外来部門、又は病院で行われ、医師は治療の効果を綿密に観察し、必要な任意の調整を行うことができる。
治療の継続期間は、処置される疾患の段階、患者の年齢及び状態、並びに患者の処置に対する反応の様子に依拠する。組合せの各成分の投与量、投与頻度及び投与モードは独立してコントロールすることができる。例として、1つの化合物が経口で投与される一方で、第2の化合物が筋肉内に投与することができる。組合せ療法は、患者の身体が任意の予期せぬ副作用から回復する時間がとれるように休止期間をはさんだ断続的周期で行うことができる。また、化合物は、1回の投与ですべての薬剤を送達するように共に製剤化することができる。
組合せの各化合物の投与は、他の成分と組み合せて、患者の状態を改善することができる及び/又は疾患若しくは障害を効果的に処置できる化合物の濃度をもたらす任意の適切な手段で行うことができる。
組合せの化合物が純粋な化学物質として投与されることは可能であるが、それらを医薬組成物(この文脈では医薬製剤としても言及される)として提供することが好ましい。可能な組成物は、経口投与、経直腸投与、局所投与(経皮、経口腔及び舌下投与を含む)、又は非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内投与を含む)に適切なものを含む。
より一般的には、これらの医薬製剤は、所定の処置期間に単一包装(通常はブリスターパック)において使用される番号付きの単位用量又は計量単位用量を投与するための他の手段を含む「患者用パック」で、患者に処方される。患者用パックは、患者が患者用パックに含まれる添付文書を常に利用できる(従来処方では普通は紛失している)という点で、薬剤師が医薬の患者供給分をバルク供給分から分ける従来の処方よりも利点がある。この添付文書の封入により、医師の指示に対する患者コンプライアンスが改善されることが示されている。したがって、本発明は、製剤に適切な包装材料を組み合わせた、本明細書に前述するような医薬製剤をさらに含む。このような患者用パックにおいて、組合せ処置のための意図される製剤の使用は、その処置に最も適切に製剤を使用することを補助する指示、使いやすさ、提供性、適合性及び/又は他の手段によって推察することができる。患者用パックは、このような評価基準により、本発明の組合せを用いる処置への使用に特に適切であり適合するものである。
化合物は、任意の適切な担体物質において任意の適量で含有することができる。化合物は、組成物の総重量の99重量%までの量にすることができる。組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、経直腸、経皮、経鼻、経膣、吸入、皮膚(パッチ)、又は経眼の投与経路に適する投与剤形として提供されるとよい。したがって、組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤、液剤、ヒドロゲルを含むゲル剤、泥膏剤、軟膏剤、クリーム剤、硬膏剤、飲薬、浸透圧送達装置、坐剤、浣腸剤、注射剤、インプラント、噴霧剤、又はエアゾル剤の剤形を取ることができる。
医薬組成物は、従来の製薬の実施法に従い製剤化することができる(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(参考文献47)、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology(参考文献48)を参照)。
本発明における医薬組成物は、投与の際に実質的に直ちに、又は投与後の任意の所定の時間若しくは期間に、活性化合物を放出するように製剤化することができる。
徐放性/放出制御製剤は、(i)長時間にわたり体内で実質的に一定濃度の化合物をもたらす製剤、(ii)所定の遅延時間後に長時間にわたり体内で実質的に一定濃度の化合物をもたらす製剤、(iii)活性薬剤物質の血漿レベルの変動に関連する望ましくない副作用を最小限に抑えながら、体内で比較的一定の有効薬剤レベルを維持することにより、所定の期間、化合物作用を持続させる製剤、(iv)例えば患部組織若しくは臓器の近く、又はその中に放出制御組成物を空間配置することにより、化合物作用を局在化させる製剤、及び(v)薬剤を特定の標的細胞型に送達するために担体又は化学的誘導体を使用することにより、化合物作用を標的化させる製剤、を含む。
徐放性/放出制御製剤の形態における薬剤の投与は、その薬剤が、(i)低い治療指数(即ち、有害な副作用又は毒性反応をもたらす血漿濃度と治療効果をもたらす血漿濃度との間の差が小さい。一般に、治療指数(TI)は、50%有効量(ED50)に対する50%致死量(LD50)の比として規定される)、(ii)狭い消化管吸収域、又は(iii)非常に短い生物学的半減期(これにより、血漿レベルを治療レベルに維持するために1日に頻回の投与が必要となる)を有する場合に特に好ましい。
対象の化合物の放出速度が代謝速度を上回る徐放性/放出制御を得るために、多数の方策のいずれも追求することができる。放出制御は、例えば様々なタイプの放出制御組成物やコーティングを含む、種々の製剤パラメータ及び成分を適切に選択することにより得られる。したがって、化合物は、適切な賦形剤で、投与により薬剤を制御放出する医薬組成物に製剤化される(単一又は複数単位の錠剤又はカプセル剤組成物、油性液剤、懸濁剤、乳剤、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノ粒子、パッチ、及びリポソーム)。
<経口使用のための固体投与剤形>
経口使用のための製剤は、薬学的に許容される非毒性の賦形剤との混合物中に本発明の組成物を含む錠剤を含む。これらの賦形剤は、例として、不活性希釈剤又は充填剤(例えばショ糖、微結晶性セルロース、バレイショデンプンを包むデンプン、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム)、顆粒剤及び崩壊剤(例えば微結晶性セルロースを含むセルロース誘導体、バレイショデンプンを含むデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギネート、又はアルギン酸)、結合剤(例えばアカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール)、並びに潤滑剤、滑剤、及び粘着防止剤(例えばステアリン酸、シリカ、又はタルク)であるとよい。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、香料、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤などであり得る。
錠剤は、素錠であるか、又は任意的に消化管での崩壊や吸収を遅延させることにより長時間にわたる持続作用を得るために、既知の手法によりコーティングすることができる。コーティングは、化合物活性物質を所定のパターンで放出するようにつくる(例えば、放出制御製剤を得るため)、又は胃の通過後まで化合物活性物質を放出しないようにつくる(腸溶性コーティング)ことができる。コーティングは、糖衣、フィルムコーティング(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリレート共重合体、ポリエチレングリコール及び/若しくはポリビニルピロリドンに基づく)、又は腸溶コーティング(例えば、メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、セラック、及び/若しくはエチルセルロースに基づく)であってもよい。また、例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を利用することができる。
固体の錠剤組成物は、不要な化学変化(例えば活性薬剤物質の放出前の化学分解)から組成物を保護するように構成したコーティングを含むことができる。コーティングは、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology(参考文献51)に記載されるものと同様の方法で固体投与剤形に施すことができる。
薬剤/化合物は、錠剤において混合されている、又は仕切られていることができる。例として、第1の化合物の放出前に第2の化合物の大部分が放出されるように、第1の化合物は錠剤の内側に、そして第2の化合物は外側に含まれる。
また、経口使用のための製剤は、チュアブル錠として、又は活性成分が不活性固体希釈剤(例えばバレイショデンプン、微結晶性セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリン)と混合された硬ゼラチンカプセル剤として、又は活性成分が水性媒体又は流動パラフィン若しくはオリーブ油などの油性媒体と混合された軟ゼラチンカプセル剤として提供されることもできる。散剤、顆粒剤、マイクロ粒子又はナノ粒子は、錠剤及びカプセル剤について上記で述べた成分を用いて、従来法で調製することができる。
経口使用のための放出制御組成物は、例えば、活性薬剤物質の溶解及び/又は拡散をコントロールすることにより活性薬剤を放出するように構成されるとよい。
溶解制御放出又は拡散制御放出は、薬剤の錠剤製剤、カプセル剤製剤、ペレット製剤、若しくは顆粒製剤に適切なコーティングを施すことにより、又は薬剤を適切なマトリックスに組み込むことにより得ることができる。放出制御コーティングは、上記のコーティング物質のうちの1種以上、並びに/又は、例えば、セラック、ミツロウ、グリコワックス(glycowax)、ヒマシ油、カルナウバロウ、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl−ポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、メタクリレートヒドロゲル、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールメタクリレート、及び/若しくは、ポリエチレングリコールを含むことができる。また、放出制御マトリックス製剤において、マトリックス物質は、例えば水和メチルセルロース、カルナウバロウ及びステアリルアルコール、カーボポール934(carbopol 934)、シリコン、トリステアリン酸グリセリル、メチルアクリレート−メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、及び/又は、ハロゲン化フルオロカーボンを含むことができる。
また、本願に記載の組合せにおける1種以上の薬剤を含む放出制御組成物は、浮揚性錠剤又はカプセル剤(即ち、経口投与されると、所定の時間、胃の内容物上に浮いている錠剤又はカプセル剤)の剤形であってもよい。薬剤の浮揚性錠剤の製剤は、賦形剤及び20〜75%(w/w)の親水コロイド(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)と薬剤との混合物を顆粒化することにより調製されることができる。そして、得られた顆粒は次に錠剤へと圧縮することができる。この錠剤は、胃液と接触すると、その表面周囲に実質上水不透過性のゲルバリアを形成する。このゲルバリアは1未満の密度を維持することに関与し、それによって錠剤が胃液中で浮揚性を保持できる。
<経口投与用液剤>
水の添加による水性懸濁液の調製に適する散剤、分散性散剤、又は顆粒剤は、経口投与に適した投与剤形である。懸濁液としての製剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び1種以上の保存剤との混合物において活性成分を提供する。適切な懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどである。
<非経口投与用組成物>
また、医薬組成物は、薬学的に許容される従来の非毒性の担体及びアジュバントを含む、投与剤形、製剤で、又は適切な送達装置若しくはインプラントを介して、注射、点滴、又はインプラント(静脈内、筋肉内、皮下など)によって非経口投与することができる。このような組成物の製剤及び調製は医薬品製剤における当業者には周知である。
非経口使用の組成物は、適切な保存剤が添加され得る(以下を参照のこと)単位投与剤形として(例えば、単回投与用アンプルとして)、又は数回の用量を含むバイアルとして提供することができる。組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、点滴装置、若しくはインプラント用の送達装置の形態をとることができ、又は使用前に水若しくは別の適切なビヒクルで再構成されるドライパウダーとして提供することができる。組成物は、活性化合物の他に、非経口投与に許容される適切な担体及び/又は賦形剤を含むことができる。活性化合物は、制御放出のためにマイクロスフェア、マイクロカプセル、ナノ粒子、リポソームなどに組み込まれることができる。組成物は、懸濁化剤、可溶化剤、安定化剤、pH調整剤、及び/又は分散化剤を含むことができる。
本発明における医薬組成物は滅菌注射に適した剤形であり得る。このような組成物を調製するため、適切な活性化合物を非経口投与に許容される液体ビヒクルに溶解又は懸濁する。利用され得る許容可能なビヒクル及び溶媒は、水、適切なpHに調整するために適量の塩酸、水酸化ナトリウムを添加した水、又は適切な緩衝剤、1,3−ブタンジオール、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液である。また、水性製剤は1種以上の保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)を含むことができる。化合物の1つが水にあまり溶けないか又はわずかに溶ける場合に、溶解増強剤もしくは可溶化剤を添加することができ、或いはこの溶媒に10〜60%(w/w)のプロピレングリコールなどを含ませるとよい。
非経口放出制御組成物は、水性懸濁剤、マイクロスフェア、マイクロカプセル、磁性マイクロスフェア、油性液剤、油性懸濁剤、又は乳剤の剤形であるとよい。或いは、活性化合物は、生体適合性の担体、リポソーム、ナノ粒子、インプラント、又は点滴装置に組み込むことができる。マイクロスフェア及び/又はマイクロカプセルの調製に使用される物質は、例えば、ポリグラクチン、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−L−グルタミン)などの、生分解性/生浸食性(bioerodible)ポリマーである。非経口放出制御製剤を製剤化するときに使用され得る生体適合性担体は、炭水化物(例えばデキストラン)、タンパク質(例えばアルブミン)、リポタンパク質、又は抗体である。インプラントに使用される物質は、非生分解性(例えばポリジメチルシロキサン)、又は生分解性(例えばポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸)、若しくはポリ(オルトエステル))であり得る。
<その他の経路>
好ましさや便利さには欠けるが、他の投与経路やそのための他の製剤が考慮され得る。これに関して、直腸用途では、組成物に適する投与剤形は、坐剤(乳剤又は懸濁剤型)、及び直腸用ゼラチンカプセル剤(液剤又は懸濁剤)を含む。典型的な坐剤製剤では、活性化合物は、カカオバター、エステル化脂肪酸、グリセリンゼラチンなどの薬学的に許容される適切な坐剤基剤、及びポリエチレングリコールなど種々の水溶性又は分散性基剤と組み合わせられる。種々の添加剤、増強剤、又は界面活性剤を組み込むことができる。
また、医薬組成物は、マイクロスフェアやリポソームを含む薬学的に許容される従来の非毒性の担体及び賦形剤を含有する投与剤形又は製剤として、経皮吸収するように皮膚に局所投与することができる。製剤は、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、リニメント剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、液剤、懸濁剤、スティック剤、噴霧剤、泥膏剤、硬膏剤、及び他の種類の経皮薬物送達システムを含む。薬学的に許容される担体又は賦形剤は、乳化剤、酸化防止剤、緩衝化剤、保存剤、保湿剤、浸透促進剤、キレート化剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、香料、及び皮膚保護剤を含むことができる。
保存剤、保湿剤、浸透促進剤は、p−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルなどのパラベン、及び塩化ベンザルコニウム、グリセリン、プロピレングリコール、尿素などであってもよい。
また、皮膚への局所投与ついて前述された医薬組成物は、処置される身体の箇所又はその近傍への局所投与に関連して使用することができる。組成物は、直接的な塗布か、又は、包帯あるいは硬膏、パッド、スポンジ、ストリップなどの特別な薬物送達手段、又は他の形態の可撓性の適切な材料による塗布に適応させることができる。
<徐放性(Slow release)製剤>
本発明の組合せ療法のいずれの化合物も、徐放性製剤として使用されるか、及び/又は、組織分布若しくは生物学的利用能を改変する薬剤と共に製剤化されることができる。より具体的には、本発明の療法の1つ以上の化合物は、適用可能な場合に、経口又は非経口又は髄腔内投与用に、薬剤溶出ポリマー又は生体分子又はミセル又はリポソーム形成脂質又は水中油型エマルジョン、又はPEG化若しくは固体ナノ粒子若しくはマイクロ粒子で製剤化されて、組織分布若しくは生物学的利用能を改変する。そのような製剤化薬剤の具体的な例は、PGA、PLGA、シクロデキストリン、アルブミン又はタンパク質担体、ナノ及びマイクロ粒子、リポソーム、乳剤、並びにPEGを含む。
<コンジュゲート>
本発明の組合せ療法では、化合物は医薬組成物において種々の方法で会合することができる。化合物は個別の成分として共に混合することができる。化合物は個別に製剤化することができる。また、化合物は、リンカーあり又はなしで、共有的又は非共有的に結合することができる。特定の実施形態において、少なくとも2つの化合物が、好ましくは切断可能又は不可能なリンカーを介して結合される。
<投与量及び処置の期間>
組合せの薬剤/化合物は、同一若しくは異なる医薬製剤のいずれかで共に、連続して、又は追って投与することができるということが理解される。連続して又は追って投与する場合、第2の(又は追加の)活性成分の投与における遅延時間は、活性成分の組合せにおける有効な作用の恩恵を失わないようにする必要がある。本記載の組合せにとって最小限の要件は、組合せでは、活性成分の組合せにおける有効な作用の恩恵のある組合せでの使用を意図する必要があるということである。意図される組合せでの使用は、本発明の組合せの使用を補助する使いやすさ、提供性、適合性及び/又は他の手段によって推察することができる。
本発明の組合せにおける化合物の治療有効量は、例えば、AD、又はAD関連障害、症状を軽減するか、臨床的に疾患の進行が明らかになるとそれを停止若しくは遅延させるか、又は疾患発症のリスクを回避若しくは低減するために有効である量を含む。
本発明の活性薬剤は、分割用量で、例えば1日2回又は3回投与されることができる。さらに、各化合物に対して種々の投与頻度が用いられることができ、例えば、1つの化合物が1日1回投与される一方で、他の化合物が1日2回投与することができる。バクロフェン及びアカンプロセートの組成物の1日2回投与を伴う、イダロピルジン組成物の1日につき単回の投与が好ましい。その他の実施形態として、組合せにおける各化合物の1日単回用量が好ましく、単一医薬組成物(単位投与剤形)における全ての薬剤の1日単回用量が最も好ましい。さらに好ましいその他の実施形態として、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートの組成物は1日2回投与される。
投与は、数日から数年間にわたって繰り返すことができ、患者の生涯にわたることすらあり得る。長期にわたる投与又は少なくとも定期的に繰り返される長期投与が多くの症例において提示される。
同様に、投与は、2日に1回、1週に3〜2日、又は1週に1回とすることもできる。また、各化合物に対して種々の投与頻度が用いられ得る。
「単位投与剤形」という用語は、ヒト対象用の単位投与量として適した物理的に個別のユニット(カプセル剤、錠剤、充填済み注射シリンジ、シェイカーカップ、アンプルなど)に関し、各ユニットは、必要とされる製剤担体を伴って、所望の治療的作用を生じるように算出された所定量の活性物質を含む。
好ましい単位投与組成物における各薬剤の量は、投与方法、患者の体重及び年齢、疾患の段階、処置される個人の一般的健康状態を考慮した潜在的な副作用のリスクを含む複数の要因に対応するものである。さらに、特定の患者についての薬理遺伝学(治療薬の薬物動態、薬力学又は有効性プロファイルにおける遺伝子型の影響)情報が、使用投与量に影響し得る。
高投与量が必要とされ得る特に障害性の症例の対応時を除いて、組合せにおける各薬剤の好ましい投与量は、通例、長期維持的処置に通常処方されるか又は第3相臨床試験において安全が証明された投与量を超えない用量の範囲内である。
前述で強調したように、本発明の格別に顕著な一利点は、イダロピルジン、並びにバクロフェン及び/又はアカンプロセート、及びバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが、組合せで患者に実質的な臨床的有効性をもたらしながら、組合せ療法において準最適用量で使用できることである。したがって、本発明の特定の利点は、各化合物の準最適用量、すなわち、通常処方される又は一般に使用される治療用量より低い用量、好ましくは治療用量の1/2、より好ましくは治療用量又は一般に使用される用量の1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9又はさらにより好ましくは治療用量又は一般に使用される用量の1/10である用量を使用できることにある。特定の実施例において、治療用量の1/20、1/30、1/50、1/100ほどの低用量が、又はさらに低い用量が使用される。
このような準最適投与量では、化合物は副作用がより少ないか副作用を示さない一方で、本発明の組合せは神経障害の処置に十分に有効である。
好ましい投与量は、長期維持的処置に通常処方される又は使用される量の1%〜50%の量に相当する。
最も好ましい投与量は、長期維持的処置に通常処方される又は使用される量の1%〜10%の量に相当することができる。
本発明に使用される化合物の投与量の具体例は、
− 0.0005mg〜100mg/day、好ましくは50mg/day未満、好ましくは40mg/day未満、好ましくは10mg/day未満、好ましくは1mg/day未満、好ましくは0.8mg/day未満、好ましくは0.75mg/day未満、より好ましくは0.6mg/day未満、さらにより好ましくは0.5mg/day未満、好ましくは0.3mg/day未満、好ましくは0.2mg/day未満、好ましくは0.1mg/day未満、より好ましくは0.05mg/day未満、さらにより好ましくは0.001mg/day未満のアカンプロセート(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− 0.005mg〜100mg/day、好ましくは50mg/day未満、好ましくは30mg/day未満、好ましくは20mg/day未満、好ましくは15mg/day未満、より好ましくは10mg/day未満、さらにより好ましくは7mg/day未満、好ましくは5mg/day未満、好ましくは4mg/day未満、好ましくは3mg/day未満、好ましくは2mg/day未満、好ましくは1mg/day未満、より好ましくは0.1mg/day未満、さらにより好ましくは0.01mg/day未満のバクロフェン(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− 0.05mg〜100mg/day、好ましくは70mg/day未満、より好ましくは50mg/day未満、さらにより好ましくは40mg/day未満、好ましくは30mg/day未満、好ましくは20mg/day未満、好ましくは15mg/day未満、好ましくは10mg/day未満、好ましくは5mg/day未満、より好ましくは1mg/day未満、さらにより好ましくは0.1mg/day未満のイダロピルジン(このような投与量は経口投与に特に適する)、である。
医薬組成物は、典型的には単位投与剤形で、
− 0.0005mg〜100mg、好ましくは50mg未満、好ましくは40mg未満、好ましくは10mg未満、好ましくは1mg未満、好ましくは0.8mg未満、好ましくは0.75mg未満、より好ましくは0.6mg未満、さらにより好ましくは0.5mg未満、好ましくは0.3mg未満、好ましくは0.2mg未満、好ましくは0.1mg未満、より好ましくは0.05mg未満、さらにより好ましくは0.001mg未満のアカンプロセート(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− 0.005mg〜100mg、好ましくは50mg未満、好ましくは30mg未満、好ましくは20mg未満、好ましくは15mg未満、より好ましくは10mg未満、さらにより好ましくは7mg未満、好ましくは5mg未満、好ましくは4mg未満、好ましくは3mg未満、好ましくは2mg未満、好ましくは1mg未満、より好ましくは0.1mg未満、さらにより好ましくは0.01mg未満のバクロフェン(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− 0.05mg〜100mg、好ましくは70mg未満、より好ましくは50mg未満、さらにより好ましくは40mg未満、好ましくは30mg未満、好ましくは20mg未満、好ましくは15mg未満、好ましくは10mg未満、好ましくは5mg未満、より好ましくは1mg未満、さらにより好ましくは0.1mg未満のイダロピルジン(このような投与量は経口投与に特に適する)を、含むように製剤化することができる。
さらに、本発明の医薬組成物は、活性成分として、
− ヒト対象に対して0.00001μg/kg〜2mg/kg、好ましくはヒト対象に対して1mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.5mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.1mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.05mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.01mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.007mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.006mg/kg未満、より好ましくはヒト対象に対して0.005mg/kg未満、さらにより好ましくはヒト対象に対して0.003mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.0025mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.002mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.001mg/kg未満、より好ましくはヒト対象に対して0.001mg/kg未満の量のアカンプロセート(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− ヒト対象に対して0.0001mg/kg〜2mg/kg、好ましくはヒト対象に対して1mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.8mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.6mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.4mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.2mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.1mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.09mg/kg未満、より好ましくはヒト対象に対して0.05mg/kg未満、さらにより好ましくはヒト対象に対して0.04mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.035mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.02mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.015mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.01mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.001mg/kg未満の量のバクロフェン(このような投与量は経口投与に特に適する)、
− ヒト対象に対して0.001mg/kg〜1mg/kg、好ましくはヒト対象に対して0.8mg/kg未満、より好ましくはヒト対象に対して0.5mg/kg未満、さらにより好ましくはヒト対象に対して0.4mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.35mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.3mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.2mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.1mg/kg未満、好ましくはヒト対象に対して0.01mg/kg未満の量のイダロピルジン(このような投与量は経口投与に特に適する)を、含むように製剤化することができる。
本発明の文脈において、ヒト対象の体重は、好ましくは40kg〜120kg、より好ましくは50kg〜100kg、さらにより好ましくは60kg〜80kgである。
特に好ましいものは、化合物が相乗作用量である上述のような医薬組成物である。
本発明の組成物において、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセートは種々の比、より好ましくは約140/15/1の重量比において使用することができる。
実際に投与される化合物の量は、処置される疾患、投与されるその組成物、患者の年齢、体重及び反応、患者の症状の重症度、並びに選択される投与経路を含む関連する状況に照らして、医師により決定されるということが理解される。したがって、上述の投与量範囲は、本明細書における教示の一般的なガイダンス及びサポートを提供するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例は例示の目的で提供され、限定するものではない。
<A− インビボにおいてAβ25−42毒性誘発認知障害を抑制する本発明の組合せ療法>
ペプチドアミロイド−β25−35(Aβ25−35)は、全長アミロイドペプチドの疎水性部分である。げっ歯動物の脳室にこのペプチドを注射することで、認知障害をもたらす進行性の神経変性プロセスを誘発することが知られている。このモデルは、認知障害症状に関与する疾患に一般的に使用される(参考文献49〜53)。この実施例の結果において、準最適用量のイダロピルジンと、バクロフェンと、アカンプロセートとの組合せが、有毒なペプチドの注射による神経変性プロセスから処置動物を防御することに有効であるだけでなく、相乗効果を有することを示した。
<<処置プロトコル>>
オスのスイスマウスに0日目〜10日目まで
− 対照物(1群及び2群)、
− それぞれ0.480mg/kg、0.032mg/kg、及び4.5mg/kgのバクロフェンとアカンプロセートとイダロピルジン(6群)を投与した。
図1A、図2A及び図2Cの実験
− アカンプロセート 0.032mg/kg(3群)
− バクロフェン 0.480mg/kg(4群)
− イダロピルジン 4.5mg/kg(5群)
図1B、図2B及び図2Dの実験
− それぞれ0.480mg/kg及び0.032mg/kgのバクロフェンとアカンプロセート(3群)
− それぞれ0.032mg/kg及び4.5mg/kgのアカンプロセートとイダロピルジン(4群)
− それぞれ0.480mg/kg及び4.5mg/kgのバクロフェンとイダロピルジン(5群)
各群に1日2回の強制経口投与を行った。
1日目に、オリゴマーAβ25−35ペプチドをICV(脳室内)に注射してアミロイド毒性を引き起こした(2群、3群、4群、5群及び6群)。Sc.Aβ25−35ペプチド(スクランブルAβ25−35ペプチド)をオリゴマーAβ25−35ペプチドのICV注射の陰性対照としてICVに注射した(1群)。オスのスイスマウスは、イソフルラン2.5%で麻酔され、以前に記載の方法に従って(参考文献49〜53)、Aβ25−35ペプチド(9nmol/mouse)又はSc.Aβペプチド(9nmol/mouse)を3μl/mouseの最終量でICVに注射した。AMYLGEN所有の方法(37℃で96時間再蒸留水に希釈)に従って、Aβ25−35ペプチドの均質オリゴマー調製を行った。
8〜10日目に、2つの異なる挙動試験(8日目のY迷路における自発的交替方法(空間作業記憶の評価)、並びに9日目(訓練セッション)及び10日目(記憶セッション)のステップスルー受動的回避試験)を行って、試験化合物の効果をモニターした。
<<挙動分析−自発的交替能力>>
空間作業記憶の指標であるY迷路における自発的交替能力について、動物を試験した。Y迷路は灰色のポリ塩化ビニル製である。各アーム部は、長さ40cm、高さ13cm、底部幅3cm、上部幅10cmであり、等しい角度で連結する。各マウスは1つのアーム部の端部に配置され、8分のセッション時に迷路を自由に動き回ることができた。同一のアーム部に戻る可能性を含む一連のアーム部進入を目視で確認した。交替は3つのアーム部すべてに連続的に進入する場合と定めた。従って、最大の交替回数はアーム部への総進入回数引く2であり、交替率は(実際の交替数/最大の交替数)×100で算出された。パラメータは交替率(記憶指標)及びアーム部への総進入回数(探査指標)を含むものであった(参考文献49〜53)。
極端な挙動を示す動物(交替率<20%、若しくは>90%、又はアーム部への進入回数<8)は除かれた。これは通常、動物のうち0〜5%を占める。
<<挙動分析−受動的回避試験>>
文脈長期記憶の指標である受動的回避能力について、すべての動物を試験した。装置は2つの区画(15cm×20cm×高さ15cm)の箱であり、1区画は白色ポリ塩化ビニルの壁で明るく、もう1区画は黒色ポリ塩化ビニルの壁で暗くなっており、格子状の床を有するものであった。各区画はギロチン戸で隔てられた。装置の40cm上に配置された60Wの照明が実験時に白色の区画を照らした。格子状の床には、ショック発生スクランブラ(shock generator scrambler)(MedAssociates、米国)を使用して、無作為のフットショック(3秒間の0.3mA)が行われた。訓練セッション時、最初にギロチン戸を閉じておいた。各マウスを白色の区画に配置した。5秒後に戸を上昇させた。マウスが暗い区画に入り四肢を格子状の床に着けたとき、戸を閉じ、フットショックを3秒間行った。ステップスルー待ち時間、つまり暗い区画に入るのにかかる待ち時間、及び発声回数を記録した。記憶テストを訓練の24時間後に行った。各マウスを再び白色の区画に配置した。5秒後に戸を上昇させた。ステップスルー待ち時間(STL)を300秒上限で記録した。実験の終わりに、動物を暗い区画に配置し(自身で行かない場合)、白色の区画に戻る時間を脱出待ち時間(EL)として測定する(参考文献49〜53)。
<<結果−イダロピルジン/バクロフェン/アカンプロセートの組合せの有意な作用>>
すべての値を平均値±標準誤差として表した。一元配置分散分析(F値)、その後にダネット事後多重比較検定を用いて、統計分析を種々の条件において行った。上限時間を設定したので、受動的回避待ち時間はガウス分布に従うものではなかった。したがって、これらは、ノンパラメトリック法のクラスカル−ウォリスH検定(順位の一元配置分散分析)を使用して分析され、その後にダン多重比較検定を行った。p<0.05を統計的に有意であるとした。
図1に示すように、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せは、化合物単独(図1A)又は2成分の組成物(図1B)と対照的に「自発的交替能力」試験においてAβ25−35ペプチド作用により誘発された認知欠損を有意に改善した。
同様に、図2において、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せは、化合物単独(図2A、図2C)又は2成分の組成物(図2B、図2D)と対照的に「受動的回避」試験においてAβ25−35ペプチド作用により誘発される認知欠損を有意に改善した。
<<結果−イダロピルジン/バクロフェン/アカンプロセートの組合せの相乗作用>>
反応相加分析(Response Additivity analysis)及びブリス独立性モデルである薬剤組合せ分析の2つの手法を使用して相乗性を評価した。
反応相加分析は、観察された組合せ作用を予想される相加作用と比較するものである(参考文献54)。
ブリス独立性モデルは、薬剤作用が確率的プロセスの結果であるという原理に従う、作用に基づく手法である。これは、観察された組合せ作用を、0〜1の平均薬剤作用を必要とする確立的独立性の一般式によって与えられる予想される相加作用と比較可能にする。したがって、データを対照群(1)及びビヒクル処置マウス(0)に対して正規化した。平均薬剤作用が<0のとき、t検定を行って有意に0と異なるかを確認した。そうでなければ、平均薬剤作用を0に置換して、ブリスのCIを計算することができた(改変ブリス)(表2参照)。この手法において、組合せ指標(CI)を計算した。簡潔に述べると、CIは、所定の組合せの投与量を、簡単な相加想定において同じ組合せ作用を得ると予想されるものと比較し、薬剤組合せにおける相加作用(CI=1)、相乗作用(CI<1)、又は拮抗作用(CI>1)の定量的定義を得る(Loewe)。
3つの薬剤の組合せ(トリオと呼称)が、2つの薬剤の組合せ(デュオと呼称)又はトリオを構成する単独の薬剤と比較して相乗作用を示すかを測定するために、4つの連続的なCIを計算した。相乗作用は、これらの4つのCIが<1であるときのみ認定した。
反応相加分析から開始して、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せが、表2に示すように2つの化合物の任意の組成物、及び第3の化合物に対して3つすべての挙動試験においてマウス挙動の相乗的改善をもたらした。
ACPはアカンプロセート、BCLはバクロフェン、IDAはイダロピルジン、STLはステップスルー待ち時間、及びELは脱出待ち時間を意味する。
ブリス独立性モデルに関して、イダロピルジンとバクロフェンとアカンプロセートとの組合せはまた、3つすべての挙動試験においてマウス挙動の相乗的改善をもたらした。特に、CI改変ブリスは、それぞれ(i)Y迷路試験では0.163、(ii)ステップスルー待ち時間試験では0.152、(iii)脱出待ち時間試験では0.303であった。
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Claims (11)

  1. アルツハイマー病(AD)又はAD関連障害の処置に使用するための、イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供される、化合物の組合せ。
  2. バクロフェン及び/又はアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグは準最適用量で提供される、請求項1に記載の使用のための組合せ。
  3. バクロフェン及びアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグは準最適用量で提供される、請求項2に記載の使用のための組合せ。
  4. イダロピルジン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体は0.05mg〜30mgの用量で提供され、及び/又はバクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体は、0.005mg〜5mgの用量で提供され、及び/又はアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体は0.0005mg〜0.3mgの用量で提供される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  5. 前記化合物は個別に、共に、又は連続して投与されるように製剤化される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  6. 前記化合物は共に製剤化される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  7. イダロピルジン、バクロフェン、及びアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグを含み、イダロピルジンが準最適用量で提供される、医薬組成物。
  8. バクロフェン及び/又はアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグは準最適用量で提供される、請求項7に記載の組成物。
  9. バクロフェン及びアカンプロセート、又はそれらの塩、誘導体、若しくはプロドラッグは準最適用量で提供される、請求項8に記載の組成物。
  10. (i)0.05mg〜30mgのイダロピルジン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、(ii)0.005mg〜5mgのバクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体、及び(iii)0.0005mg〜0.3mgのアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、若しくは誘導体を含む医薬組成物。
  11. アルツハイマー病(AD)又はAD関連障害の処置に使用するための、請求項7〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。

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