JP2020505391A - ウイルスタンパク質阻害薬vx−787の結晶形及びその製造方法並びに用途 - Google Patents

ウイルスタンパク質阻害薬vx−787の結晶形及びその製造方法並びに用途 Download PDF

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Abstract

ウイルスタンパク質阻害薬VX−787の塩酸塩の結晶形、遊離形態の結晶形及びその製造方法並びに用途に関する。前記式(I)で表される化合物の結晶形は、塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS2、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4と、結晶形CS3、結晶形CS9とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は医薬結晶技術の分野に関する。具体的には、ウイルスタンパク質阻害薬VX−787の結晶形及びその製造方法並びに用途に関する。
A型インフルエンザウイルスは、よく見られるインフルエンザウイルスであり、ヒトに対して非常に病原性で、世界的なパンデミックを何回も引き起こした。A型インフルエンザウイルスの亜型は「鳥インフルエンザ」と呼ばれている。鳥インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症で、ウイルスの遺伝子変異後に人に感染する可能性がある。感染後の症状は主に高熱、咳、鼻水、筋肉痛などであり、多くの場合は重症肺炎を伴う。重症の場合、心臓、腎臓などの臓器不全により死亡することもあり、死亡率が高い。
VX−787、又はJNJ−872は、Vertex社によって最初に開発され、後にJanssen社にライセンスして共同開発されたウイルスタンパク質阻害剤である。この化合物は現在、臨床段階にあり、A型インフルエンザの治療に用いられる。初期の臨床評価はVX−787が非常に有望であることを示した。第I相試験において、VX−787は良好な忍容性を有することが実証されている。完了した第IIa相試験によれば、VX−787はインフルエンザウイルス感染のウイルス学及び臨床評価において統計的に有意な改善を示した。VX−787の化学名は、(2S,3S)−3−((2−(5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸であり、構造式は式(I)のとおりである。
固体の化学薬物は、結晶形によって、溶解性、安定性、流動性及び圧縮性などが異なる可能性があり、その違いは、この化合物を含有する医薬品の安全性及び有効性に影響を及ぼし(K.Knapman,Modern Drug Discovery,3,53−54,57,2000.参照)、臨床上の薬効の差につながる。医薬的に有効な成分の新しい結晶形(無水物、水和物、溶媒和物などを含む)は、例えば、より良い生物学的利用能、貯蔵安定性、加工容易性、精製容易性、または他の結晶形態への変換を促進する中間結晶形態としての利用など、より多くの加工上の利点またはより優れた物理化学的特性を有し得る。薬学的に有用な化合物の新しい結晶形は、薬物性能の改善にも役立ち得る。さらに、溶出性の改善、貯蔵寿命の改善、より容易な加工などの観点で、製剤に使用され得る原材料のタイプも拡張される。
CN105849100Aには、式(I)で表される化合物の塩酸塩の半水和物である結晶形A、三水和物である結晶形F及び結晶形Dが記載されている。結晶形Aは、0.05〜0.85の水分活性の条件下で調製されたものである。結晶形Dは結晶形Aの脱水によって得られたものである。結晶形Fは0.9以上の水分活性の条件下で調製されたものであり、貯蔵の環境条件への要求は高すぎて、貯蔵の観点から好適ではない。また、結晶形Aが好ましい形態であるとの記載もある。さらに、CN105849100Aには、式(I)で表される化合物の遊離形態の結晶形A及び結晶形Bも記載されている。同公報によれば、遊離塩基化合物(I)の水和物である結晶形Bは、遊離塩基化合物(I)の結晶形Aと同形であるが、製造方法がより複雑である。
したがって、当業界において、式(I)で表される化合物の薬理学上の発展を達成させ、その可能性を解放させるとともに、活性医薬成分のより良い製剤の製造を促進するために、式(I)で表される化合物の別の結晶形及び塩形態を系統的かつ全般的に開発することは依然として望まれている。本発明は、式(I)で表される化合物の、塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS2、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4と、式(I)で表される化合物の結晶形CS3と、式(I)で表される化合物の結晶形CS9とを提供する。これらの結晶形は製造方法が簡単で、安定性、機械的安定性、吸湿性、溶解度、精製効果などに利点を有するものであり、式(I)で表される化合物の医薬製剤の製造に新しい、より良い選択を提供でき、医薬開発において非常に重要である。
上述した課題を解決すべく、本発明は式(I)で表される化合物の塩酸塩の新規な結晶形及びその製造方法並びに用途を提供する。
本発明の1つの目的は、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形を提供することである。
前記塩酸塩結晶形は、7.1°±0.2°、27.0°±0.2°、15.7°±0.2°の回折角2θ値に、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形は、25.8°±0.2°、14.7°±0.2°、23.9°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記塩酸塩結晶形は、25.8°±0.2°、14.7°±0.2°、23.9°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形は、17.5°±0.2°、13.5°±0.2°、28.7°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記塩酸塩結晶形は、17.5°±0.2°、13.5°±0.2°、28.7°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
好ましい実施形態において、前記塩酸塩結晶形は、7.1°±0.2°、27.0°±0.2°、15.7°±0.2°、25.8°±0.2°、14.7°±0.2°、23.9°±0.2°、17.5°±0.2°、13.5°±0.2°、28.7°±0.2°、6.7°±0.2°、7.6°±0.2°、9.8°±0.2°、10.7°±0.2°、18.6°±0.2°与21.6°±0.2°の回折角2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形は類質同形である。
一側面において、前記塩酸塩結晶形は結晶形CS3である。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、塩酸塩結晶形CS3の粉末X線回折パターンは図1のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS3は、示差走査熱量測定において、54℃付近に加熱した際に第1の吸熱ピークが現れ、200℃付近に1つの放熱ピークが現れ、DSCパターンは図2のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS3は、熱重量分析において、120℃に加熱した際に約4.8%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に7.5%の質量損失があり、TGAは図3のとおりである。
特に限定するものではないが、前記塩酸塩結晶形CS3は水和物である。
本発明の目的によれば、本発明はさらに、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS1を不活性ガスの雰囲気下で100〜200℃に昇温させ、5〜20分間保持して、室温下に移すことで、塩酸塩結晶形CS3である固体を得ることを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS3の製造方法を提供する。
さらに、前記昇温の速度は1〜20℃/分であり、好ましくは10℃/分である。前記不活性ガスの雰囲気は、好ましくが窒素ガスである。前記昇温の温度は、好ましくが150℃である。
本発明の塩酸塩結晶形CS3は以下の有利な性質を有する。
1)溶解度が高い。水で調製した飽和溶液において、本発明の塩酸塩結晶形CS3は1時間後、4時間後及び24時間後の溶解度がいずれも、CN105849100Aの結晶形Aより高く、6〜51倍も高い。塩酸塩結晶形CS3は高い溶解度により、薬物の有効性を確保するとともに、医薬品の投与量を低減し、医薬品の副作用を低減させて医薬品の安全性を向上させることができる。さらに、塩酸塩結晶形CS3の溶解度向上により、溶出度の向上に寄与し、製剤化プロセス開発の難しさを低減させる。
2)安定性が良好である。本発明の塩酸塩結晶形CS3は25℃/60%RH、40℃/75%RH、60℃/75%RHの条件下で、少なくとも2週間安定して保存でき、好ましくは1ヶ月安定して保存でき、好ましくは7ヶ月安定して保存でき、結晶形及び純度の変化はない。塩酸塩結晶形CS3の良好な安定性により、薬物の結晶形の変化により薬物の溶出速度や生物学的利用能が変わるというリスクを低減でき、薬物の有効性及び安全性を保証し、有害な薬物反応の発生を防ぐ上で重要である。さらに、塩酸塩結晶形CS3の良好な安定性により、結晶化プロセス、製剤化プロセス及び貯蔵中においてより制御しやすく、混合結晶が生じにくく、工業生産を実現する上で高い価値がある。
別の側面において、前記塩酸塩結晶形は結晶形CS1である。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、塩酸塩結晶形CS1の粉末X線回折パターンは図4のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS1は、示差走査熱量測定において、40℃付近に加熱した際に第1の吸熱ピークが現れ、202℃付近に第2の吸熱ピークが現れ、DSCパターンは図5のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS1は、熱重量分析において、160℃に加熱した際に約11.2%の質量損失があり、さらに220℃に加熱した際に6.7%の質量損失があり、TGAは図6のとおりである。
特に限定するものではないが、前記塩酸塩結晶形CS1は醋酸溶媒和物である。
本発明の目的によれば、本発明はさらに、下記の方法1又は方法2を含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS1の製造方法を提供する。
(方法1)
式(I)で表される化合物を酢酸に加え、5〜30℃の条件下で10〜100分間撹拌し、一定の量の塩酸を加え、さらに6〜48時間撹拌し、ろ過して乾燥させることで固体を得る。
(方法2)
式(I)で表される化合物の塩酸塩を酢酸に加え、5〜30℃の条件下で6〜48時間撹拌し、ろ過して乾燥させることで、塩酸塩結晶形CS1である固体を得る。
さらに、方法1において、前記式(I)で表される化合物と塩酸との投入モル比は5/1〜1/5である。前記撹拌温度は好ましくは25℃である。
さらに、方法2において、前記撹拌温度は好ましくは25℃である。
本発明の塩酸塩結晶形CS1は以下の有利な性質を有する。
1)安定性が良好である。本発明の塩酸塩結晶形CS1は25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件下で、少なくとも1ヶ月安定して保存でき、結晶形の変化はなく、純度はほとんど変化がない。塩酸塩結晶形CS1の良好な安定性により、薬物の結晶形の変化により薬物の溶出速度や生物学的利用能が変わるというリスクを低減でき、薬物の有効性及び安全性を保証し、有害な薬物反応の発生を防ぐ上で重要である。さらに、塩酸塩結晶形CS1は良好な安定性により、結晶化プロセス、製剤化プロセス及び貯蔵中においてより制御しやすく、混合結晶が生じにくく、工業生産において高い価値がある。
2)機械的安定性が良好である。塩酸塩結晶形CS1は研磨前後で結晶形の変化はない。塩酸塩結晶形CS1は良好な機械的安定性を有するため、この結晶形の薬物は結晶化装置への要求が低く、特別な後処理条件を求めず、製剤製造中においてより安定する。よって、医薬開発のコストを削減させるとともに薬の品質を向上させることができる。
本発明の別の目的は、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS2を提供することである。
前記塩酸塩結晶形CS2は、25.0°±0.2°、22.2°±0.2°、17.0°±0.2°の回折角2θ値に、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形CS2は、25.9°±0.2°、16.1°±0.2°、8.0°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記塩酸塩結晶形CS2は、25.9°±0.2°、16.1°±0.2°、8.0°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形CS2は、29.2°±0.2°、15.1°±0.2°、21.1°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記塩酸塩結晶形CS2は、29.2°±0.2°、15.1°±0.2°、21.1°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
好ましい実施形態において、前記塩酸塩結晶形CS2は、25.0°±0.2°、22.2°±0.2°、17.0°±0.2°、25.9°±0.2°、16.1°±0.2°、8.0°±0.2°、29.2°±0.2°、15.1°±0.2°、21.1°±0.2°の回折角2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、塩酸塩結晶形CS2の粉末X線回折パターンは図7のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS2は、示差走査熱量測定において、51℃付近に加熱した際に第1の吸熱ピークが現れ、196℃付近に第2の吸熱ピークが現れ、DSCパターンは図8のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS2は、熱重量分析において、140℃に加熱した際に約9.4%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に16.7%の質量損失があり、TGAは図9のとおりである。
本発明の目的に基づき、本発明はさらに、式(I)で表される化合物をクロロホルム溶媒に加え、5〜30℃の条件下で10〜100分間撹拌し、一定の量の塩酸を加え、さらに6〜48時間撹拌し、ろ過して乾燥させることで、結晶形CS2である固体を得ることを含む、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS2の製造方法を提供する。
さらに、前記撹拌温度は好ましくは25℃である。前記式(I)で表される化合物と塩酸のモル比は5/1〜1/5の範囲にあり、好ましくは1/1である。
本発明の別の目的は、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS4を提供することである。
前記塩酸塩結晶形CS4は、8.0°±0.2°、4.7°±0.2°、20.6°±0.2°、11.6°±0.2°の回折角2θ値に、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記塩酸塩結晶形CS4は、16.4°±0.2°、17.1°±0.2°、12.7°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記塩酸塩結晶形CS4は、16.4°±0.2°、17.1°±0.2°、12.7°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
好ましい実施形態において、前記塩酸塩結晶形CS4は、8.0°±0.2°、4.7°±0.2°、20.6°±0.2°、11.6°±0.2°、16.4°±0.2°、17.1°±0.2°、12.7°±0.2°の回折角2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、塩酸塩結晶形CS4の粉末X線回折パターンは図10のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS4は、示差走査熱量測定において、48℃付近に加熱した際に第1の吸熱ピークが現れ、186℃付近に1つの放熱ピークが現れ、DSCパターンは図11のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による塩酸塩結晶形CS4は、熱重量分析において、120℃に加熱した際に約9.6%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に4.8%の質量損失があり、TGAは図12のとおりである。
本発明の目的によれば、本発明はさらに、式(I)で表される化合物の塩酸塩をアルコールと水との混合系に加え、5〜30℃の条件下で、1〜7日間撹拌し、ろ過して乾燥させることで、結晶形CS4である固体を得ることを含む、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS4の製造方法を提供する。
さらに、前記アルコール溶媒と水との体積比は19/1〜1/19の範囲にあり、好ましくは3/1である。前記撹拌温度は好ましくが25℃である。
さらに、前記アルコール溶媒は好ましくがイソプロパノールである。
本発明の塩酸塩結晶形CS4は以下の有利な性質を有する。
1)安定性が良好である。塩酸塩結晶形CS4は25℃/60%相対湿度、40℃/75%相対湿度、60℃/75%相対湿度において、少なくとも2週間安定して保存でき、好ましくは少なくとも1ヶ月安定して保存でき、好ましくは少なくとも6ヶ月安定して保存できる。塩酸塩結晶形CS4の良好な安定性により、薬物の結晶形の変化により薬物の溶出速度や生物学的利用能が変わるというリスクを低減でき、薬物の有効性及び安全性を保証し、有害な薬物反応の発生を防ぐ上で重要である。さらに、塩酸塩結晶形CS4の良好な安定性により、結晶化プロセス、製剤化プロセス及び貯蔵中においてより制御しやすく、混合結晶が生じにくく、工業生産において高い価値がある。
2)精製効果に優れる。CN105849100Aの塩酸塩結晶形Aの純度は97.91%であるのに対して、本発明の塩酸塩結晶形CS4の純度は99.70%であり、結晶形CS4がより高純度のものである。薬物の純度は、薬物の有効性及び安全性を保証し、有害な薬物反応の発生を防ぐ上で重要である。さらに、薬物の純度が高いほど、収率が安定し、工業生産がより容易になる。
3)溶解度が高い。水で調製した飽和溶液において、本発明の塩酸塩結晶形CS4はCN105849100AのA形より溶解度が高く、38〜283倍も高い。塩酸塩結晶形CS4の高い溶解度により、投与量を低減し、医薬品の副作用を低減させて医薬品の安全性を向上させることができる。さらに、塩酸塩結晶形CS4の溶解度向上により、溶出度の向上に寄与し、製剤化プロセス開発の難しさを低減させる。
さらに、本発明は治療及び/又は予防有効量の、本発明の塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4、又はこれらの任意の混合物と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
さらに、本発明はウイルスタンパク質阻害薬の製剤を製造するための、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4、又はこれらの任意の混合物の使用を提供する。
さらに、本発明はA型インフルエンザ治療薬の製剤を製造するための、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4、又はこれらの任意の混合物の使用を提供する。
本発明の別の目的は、式(I)で表される化合物の結晶形CS9を提供することである。
前記結晶形CS9は、16.4°±0.2°、7.7°±0.2°、8.6°±0.2°の回折角2θ値に、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記結晶形CS9は、5.4°±0.2°、18.4°±0.2°、19.7°±0.2°、12.6°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所以上に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記結晶形CS9は、5.4°±0.2°、18.4°±0.2°、19.7°±0.2°、12.6°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
好ましい実施形態において、前記結晶形CS9は、16.4°±0.2°、7.7°±0.2°、8.6°±0.2°、5.4°±0.2°、18.4°±0.2°、19.7°±0.2°、12.6°±0.2°の回折角2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、結晶形CS9の粉末X線回折パターンは図19のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による結晶形CS9は、示差走査熱量測定において、119℃付近に加熱した際に1つの吸熱ピークが現れ、191℃付近に加熱した際に1つの放熱ピークが現れ、278℃付近に別の吸熱ピークが現れ、DSCパターンは図20のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による結晶形CS9は、熱重量分析において、167℃に加熱した際に約10.1%の質量損失があり、TGAは図21のとおりである。
本発明の目的によれば、本発明はさらに、式(I)で表される化合物の固体をアルコールとトルエンとの混合溶媒に入れ、室温下で撹拌し、固体を分離して乾燥させることで、結晶形CS9を得ることを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形CS9の製造方法を提供する。
好ましくは、前記アルコール溶媒はメタノールを含む。
本発明の別の目的は、式(I)で表される化合物の結晶形CS3を提供することである。
前記結晶形CS3は、6.4°±0.2°、15.0°±0.2°、8.7°±0.2°の回折角2θ値に、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記結晶形CS3は、13.1°±0.2°、8.1°±0.2°、の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記結晶形CS3は、13.1°±0.2°、8.1°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
さらに、前記結晶形CS3は、7.2°±0.2°、16.3°±0.2°、10.4°±0.2°の回折角2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。好ましくは、前記結晶形CS3は、7.2°±0.2°、16.3°±0.2°、10.4°±0.2°の回折角2θ値にいずれも、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
好ましい実施形態において、前記結晶形CS3は、6.4°±0.2°、15.0°±0.2°、8.7°±0.2°、13.1°±0.2°、8.1°±0.2°、7.2°±0.2°、16.3°±0.2°、10.4°±0.2°の回折角2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有する。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、結晶形CS3の粉末X線回折パターンは図22のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による結晶形CS3は、示差走査熱量測定において、178℃付近に加熱した際に1つの放熱ピークが現れ、276℃付近に加熱した際に1つの吸熱ピークが現れ、DSCパターンは図23のとおりである。
特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、本発明による結晶形CS3は、熱重量分析において、197℃に加熱した際に約5.5%の質量損失があり、TGAは図24のとおりである。
本発明の目的によれば、本発明はさらに、式(I)で表される化合物の固体をエーテル系とハロゲン化炭化水素系との混合溶媒に入れ、50℃の温度において撹拌し、固体を分離して乾燥させることで、結晶形CS3を得ることを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の結晶形CS3の製造方法を提供する。
好ましくは、前記エーテル系溶媒はテトラヒドロフランである。前記ハロゲン化炭化水素溶媒はジクロロメタンである。
本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3は以下の有利な性質を有する。
1)安定性が良好である。25℃/60%相対湿度(RH)と40℃/75%相対湿度の条件下で、少なくとも5ヶ月安定して保存でき、結晶形及び純度の変化はない。式(I)で表される化合物の結晶形CS3の良好な安定性により、薬物の結晶形の変化により薬物の溶出速度や生物学的利用能が変わるというリスクを低減でき、薬物の有効性及び安全性を保証し、有害な薬物反応の発生を防ぐ上で重要である。さらに、式(I)で表される化合物の結晶形CS3の良好な安定性により、結晶化プロセス、製剤化プロセス及び貯蔵中においてより制御しやすく、混合結晶が生じにくく、工業生産を実現する上で高い価値がある。
2)溶解度が高い。本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3は、pH=5.0 FeSSIF(摂食状態の模擬腸液)とpH=6.5 FaSSIF(空腹状態の模擬腸液)で調製した飽和溶液における1時間後、4時間後、24時間後の溶解度がいずれも、CN105849100Aの遊離形態の結晶形Aより高く、FeSSIFでの溶解度が4〜11倍も高く、FaSSIFでの溶解度が6〜16倍も高い。高い動的溶解度により、ヒトの胃、腸における式(I)で表される化合物の結晶形CS3の崩壊及び吸収を確保し、投与効果を改善し、生体内での薬の血中濃度を向上させることで、当該薬物の生物学的利用能を効果的に向上させることができる。
さらに、本発明は治療及び/又は予防有効量の、本発明による式(I)で表される化合物の結晶形CS3と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
さらに、本発明はウイルスタンパク質阻害薬の製剤を製造するための、式(I)で表される化合物の結晶形CS3の使用を提供する。
さらに、本発明はA型インフルエンザ治療薬の製剤を製造するための、式(I)で表される化合物の結晶形CS3の使用を提供する。
本発明における「室温」とは通常、10℃〜30℃の温度範囲を指す。
前記「類質同形」とは、類似する又は近い化学組成で、同じ熱力学的条件下で形成された結晶が、同じ構造を有する現象をいい、異質同形ともいう。
本発明において、「結晶」又は「結晶形」とは、示されるX線回折パターンの特徴によって確認されるものを指す。当業者なら、本発明において言及する物理化学的性質は特定可能なものであり、その実験誤差は機器の条件、試料の準備および試料の純度に依存することを理解できる。特に、X線回折パターンが一般に装置の条件によって変化することは、当業者には周知である。特に、X線回折パターンの相対強度も実験条件によって変化し得るため、ピーク強度の順番は唯一のまたは決定的な要素として考えるべきではない。また、ピーク角度の実験誤差は通常5%以下であり、これらの角度の誤差も考慮に入れなければならず、通常±0.2°の誤差が許容される。さらに、試料の高さなどの実験的要素のために、ピーク角度の全体的なオフセットが生じる可能性があり、通常はある程度のオフセットを許容する。したがって、本発明における結晶形のX線回折パターンは、本明細書で言及する例のX線回折パターンと必ずしも一致しないことは、当業者には理解できる。これらのスペクトルにおける特徴ピークと同一または類似のパターンを有する結晶形であれば、本発明の範囲に属する。当業者は、本発明のスペクトルと未知の結晶形のスペクトルを比較することにより、2組のスペクトルにより表されるものが同じ結晶形か、異なる結晶形かを確認することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の塩酸塩結晶形CS1、塩酸塩結晶形CS2、塩酸塩結晶形CS3、塩酸塩結晶形CS4、および、式(I)で表される化合物の結晶形CS3、式(I)で表される化合物の結晶形CS9は、純粋で単一なものであり、他の結晶形を実質的に含まないものである。本発明において、新規な結晶形に関して「実質的に含まない」とは、この結晶形に含まれる他の結晶形が20%(重量)未満であること、特に10%(重量)未満であること、さらに5%(重量)未満であること、さらに1%(重量)未満であることを意味する。
なお、本発明に記載の数値及び数値範囲は、数値又は数値範囲そのものとして狭義に解釈されるべきではなく、具体的な技術の環境に応じて、本発明の趣旨及び原則から逸脱しない限り、かかる数値付近で若干変動してもよいことは、当業者には理解されるところである。本発明では、当業者が予見できるこのような変動の範囲は、「約」という用語によって表現されることが多い。
図1は本発明の実施例10で得られた塩酸塩結晶形CS3の粉末X線回折パターンである。 図2は本発明の実施例10で得られた塩酸塩結晶形CS3のDSCパターンである。 図3は本発明の実施例10で得られた塩酸塩結晶形CS3のTGAパターンである。 図4は本発明の実施例1で得られた塩酸塩結晶形CS1の粉末X線回折パターンである。 図5は本発明の実施例1で得られた塩酸塩結晶形CS1のDSCパターンである。 図6は本発明の実施例1で得られた塩酸塩結晶形CS1のTGAパターンである。 図7は本発明の実施例9で得られた塩酸塩結晶形CS2の粉末X線回折パターンである。 図8は本発明の実施例9で得られた塩酸塩結晶形CS2のDSCパターンである。 図9は本発明の実施例9で得られた塩酸塩結晶形CS2のTGAパターンである。 図10は本発明の実施例13で得られた塩酸塩結晶形CS4の粉末X線回折パターンである。 図11は本発明の実施例13で得られた塩酸塩結晶形CS4のDSCパターンである。 図12は本発明の実施例13で得られた塩酸塩結晶形CS4のTGAパターンである。 図13は塩酸塩結晶形CS3のH NMRスペクトルである。 図14は塩酸塩結晶形CS1のH NMRスペクトルである。 図15は塩酸塩結晶形CS2のH NMRスペクトルである。 図16は塩酸塩結晶形CS4のH NMRスペクトルである。 図17は本発明の実施例6で得られた塩酸塩結晶形CS1の粉末X線回折パターンである。 図18は本発明の実施例14で得られた塩酸塩結晶形CS4の粉末X線回折パターンである。 図19は本発明の実施例18で得られた結晶形CS9の粉末X線回折パターンである。 図20は本発明の実施例18で得られた結晶形CS9のDSCパターンである。 図21は本発明の実施例18で得られた結晶形CS9のTGAパターンである。 図22は本発明の実施例19で得られた結晶形CS3の粉末X線回折パターンである。 図23は本発明の実施例19で得られた結晶形CS3のDSCパターンである。 図24は本発明の実施例19で得られた結晶形CS3のTGAパターンである。 図25は塩酸塩結晶形CS1の研磨前後のXRPDの比較を示すもの(上図は研磨前、下図は研磨後)である。
本発明をさらに以下の実施例により説明する。下記の実施例は本発明の結晶形の製造及び使用方法を詳細に説明するものである。本発明の範囲から逸脱しない限り、材料及び方法の両方を適宜変更して実施し得ることは当業者には明白である。
データの収集に使用する装置及び方法は下記のとおりである。
本発明における粉末X線回折パターンは、Bruker D2 PHASER粉末X線回折装置により測定したものである。本発明における粉末X線回折の測定条件は下記のとおりである。
X線回折条件:Cu、Kα
Kα1(Å):1.54060、Kα2(Å):1.54439
Kα2/Kα1強度比:0.50
電圧:30千ボルト(kV)
電流:10ミリアンペア(mA)
走査範囲:3.0〜40.0度
示差走査熱量測定(DSC)データは、TA Instruments Q2000 DSCにより収集したものである。装置制御ソフトウェアはThermal Advantageで、解析ソフトウェアはUniversal Analysisであった。通常、1〜10mgの試料を、(特に記載のない限り)蓋付きアルミニウム坩堝に入れ、乾燥Nのパージを維持しながら、試料を10℃/minの昇温速度で室温から所定の温度に加熱する。同時に、TAソフトウェアは、試料の昇温中の熱量変化を記録する。本願において、融点は初期温度に基づいて報告する。
熱重量分析(TGA)データはTA Instruments Q500TGAにより収集したものである。装置制御ソフトウェアはThermal AdVantageで、解析ソフトウェアはUniversal Analysisであった。通常、5〜15mgの試料をプラチナ坩堝に入れ、高分解能で段階的な測定により、50mL/minで乾燥Nのパージを維持しながら、試料を10℃/minの昇温速度で室温から所定の温度に加熱する。同時に、TAソフトウェアは、試料の昇温中の重量変化を記録する。本発明の結晶形の含水量は、TGA重量損失から推定して算出したものである。当業者に知られているように、TGA重量損失は、結晶形の含水量の参考であるが、結晶形に含まれる水分子数を絶対的に表すものではない。
本発明における動的水分吸着(DVS)パターンは、SMS社(Surface Measurement Systems Ltd.)製Intrinsic動的水分吸着装置により測定したものである。上記動的水分吸着装置の測定条件は下記のとおりである。
温度:25℃
キャリアガス、流量:N、200ml/分
単位時間あたりの質量変化:0.002%/分
相対湿度の範囲:0%RH〜95%RH
水素核磁気共鳴スペクトルデータ(H NMR)は、Bruker AvanceII DMX 400MHZ核磁気共鳴分光計により測定したものである。1〜5mgの試料を量って、0.5mLの重水素化ジメチルスルホキシドで溶解させ、2〜10mg/mLの溶液とする。
以下の実施例は、特に記載のない限り、室温下で操作したものである。
下記実施例に使用する式(I)で表される化合物及び/又はその塩は、従来の技術により得られるものであり、例えば公報CN105849100Aに記載の方法に従って作製したものである。
〔実施例1〜5〕塩酸塩結晶形CS1の製造方法
一定の質量のVX−787固体を量り取って、一定の体積の酢酸溶媒に加え、室温下で30〜60分間撹拌して、さらに濃度が約12mol/Lの濃塩酸溶液を一定の量加え、さらに室温下で1〜2日間撹拌し、遠心して室温下で真空乾燥させることで、固体を得た。表1において、実施例で得られたられた固体を試料1〜5と記す。
XRPD分析した結果、試料1〜5はいずれも塩酸塩結晶形CS1である。
試料1を測定した結果、粉末X線回折データは図4、表2のとおりである。DSCは図5に示すように、2つの吸熱ピークがあり、40℃付近に第1の吸熱ピークが現れ、202℃付近に第2の吸熱ピークが現れた。TGAは図6に示すように、160℃に加熱した際に約11.2%の質量損失がある。これに基づいて計算した結果、1モルのVX−787塩酸塩結晶形CS1は約1モルの酢酸を含有する。さらに220℃に加熱した際に約6.7%の質量損失がある。
H NMRスペクトルにおいて、塩酸塩結晶形CS1は1.91の化学シフトに、酢酸(CHCOOH)分子のメチル水素に対応する1つのシングレットを有する。核磁気データから計算した結果、酢酸分子とAPIとのモル比は1:1であり、H NMRは図14のとおりである。データは、{H NMR(400MHz、DMSO)δ8.88(s,1H)、8.53-8.43(m,2H)、8.41(m,1H)、4.89(m,1H)、2.99(d,J=6.2Hz、1H)、2.08(d,J=5.9Hz、1H)、1.98(d,J=8.6Hz、1H)、1.91(s,3H)、1.86-1.61(m,4H)、1.48(dd,J=54.1、17.6Hz、4H)、1.23(s,1H).}であった。
〔実施例6〕塩酸塩結晶形CS1の製造方法
149.6mgのVX−787塩酸塩固体を5mLのガラス瓶に量り取り、約1mLの酢酸溶媒を加え、室温下(約25℃)で1日間撹拌し、遠心して室温下で真空乾燥させた。分析した結果、本実施例で得られた固体は結晶形CS1であり、粉末X線回折データは図17、表3のとおりである。
〔実施例7〕塩酸塩結晶形CS1の安定性
本発明で得られた塩酸塩結晶形CS1を25℃/60%相対湿度(RH)、40℃/75%相対湿度(RH)の条件下で1ヶ月保存し、保存前と保存後のXRPDをそれぞれ測定し、実験結果を表4に示す。
結果によれば、結晶形CS1を25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件下で少なくとも1ヶ月保存した結果、結晶形の変化はなく、純度の変化もほとんどなく、98%以上の純度を維持した。本発明による結晶形CS1は良好な安定性を有する。
〔実施例8〕塩酸塩結晶形CS1の機械的安定性
本発明の塩酸塩結晶形CS1約10mgをメノウ乳鉢に入れて約2min研磨した後、XRPD測定を行い、結果を図25に示す。結果によれば、塩酸塩結晶形CS1は研磨前後で結晶形の変化はなかった。
〔実施例9〕塩酸塩結晶形CS2の製造方法
99.7mgのVX−787固体を5mLのガラス瓶に量り取り、約1.5mLのクロロホルム溶媒を加え、室温下(約25℃)で30分間撹拌して、さらに濃度が約12mol/Lの濃塩酸0.02mLを加え、さらに室温下で12時間撹拌し、遠心して室温下で真空乾燥させた。分析した結果、本実施例で得られた固体は塩酸塩結晶形CS2であり、粉末X線回折データは図7、表5のとおりである。
H NMRスペクトルにおいて、塩酸塩結晶形CS2は8.32の化学シフトに、クロロホルム(CHCl)の水素に対応する1つのシングレットを有する。核磁気データから計算した結果、クロロホルムと式(I)で表される化合物とのモル比は0.75:1であり、NMRは図15のとおりである。データは、{H NMR(400MHz、DMSO)δ8.77(s,1H)、8.46(dd,J=9.5、3.1Hz、2H)、8.40(m,1H)、8.32(s,0.75H)、4.88(m,1H)、2.98(d,J=6.3Hz、1H)、2.06(d,1H)、1.97(d,1H)、1.72(dd,J=41.6、7.4Hz、4H)、1.47(dd,J=54.7、17.4Hz、4H)、1.23(s,1H).}であった。
当該結晶形のDSCは図8に示すように、2つの吸熱ピークがあり、51℃付近に、クロロホルム(H NMRデータによれば、化合物中にクロロホルムが存在する。図15参照。)をこの温度付近で失ったことによる第1の吸熱ピークが現れ、196℃付近に第2の吸熱ピークが現れた。
当該結晶形のTGAは図9に示すように、140℃に加熱した際に約9.4%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に約16.7%の質量損失がある。これに基づいて推算した結果、1モルのVX−787塩酸塩結晶形CS2は、約0.75モルのクロロホルムを含有する。
〔実施例10〕塩酸塩結晶形CS3の製造方法
約10mgのVX−787塩酸塩結晶形CS1を量り取ってTGAにより加熱し、窒素ガスの雰囲気下で、10℃/分で室温(約25℃)から150℃に上昇させ、150℃で10分間平衡した後、室温下に移した。分析した結果、本実施例で得られた固体は塩酸塩結晶形CS3であり、粉末X線回折データは図1、表6のとおりである。
塩酸塩結晶形CS3のH NMRは図13のとおりである。データは、{H NMR(400MHz、DMSO)δ8.75(s,1H)、8.46(dd,J=9.4、2.8Hz、2H)、8.40(m,1H)、4.87(m,1H)、2.97(d,J=6.7Hz、1H)、2.09-2.02(m,1H)、1.98(d,J=8.6Hz、1H)、1.91(s,0.17H)、1.72(dd,J=41.1、9.0Hz、4H)、1.47(dd,J=55.8、16.5Hz、4H)、1.23(s,1H).}であった。
当該結晶形のDSCは図2に示すように、吸熱ピークと放熱ピークがそれぞれ1つあり、54℃付近に吸熱ピークが現れ、200℃付近に放熱ピークが現れた。
当該結晶形のTGAは図3に示すように、120℃に加熱した際に約4.8%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に約7.5%の質量損失がある。
〔実施例11〕塩酸塩結晶形CS3とCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aとの動的溶解度の比較
本発明で得られた塩酸塩の結晶形CS3とCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aを、それぞれ12mg精密に量り、それぞれバイアルに入れ、水1.2mLを加えて混合した。回転台の上に載せて30rpmの速度で回転させ、それぞれ1時間後、4時間後、24時間後にサンプリングし、0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ろ過装置で遠心分離した後、ろ液を採集してHPLC分析した。実験結果を表7に示す。
上記比較結果によれば、水中に1時間、4時間、24時間置いた後、本発明の塩酸塩結晶形CS3はCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aより6〜51倍も高い溶解度を示した。
〔実施例12〕塩酸塩結晶形CS3の安定性
本発明の塩酸塩結晶形CS3を取って、3つの試料とした。開放状態で25℃/60%相対湿度、40℃/75%相対湿度の条件下で1ヶ月保存し、60℃/75%相対湿度の条件下で2週間保存した。HPLC及びXRPD法により保存前と保存後の結晶形及び純度の変化を測定した。実験結果を表8に示す。
結果によれば、本発明の塩酸塩結晶形CS3を25℃/60%RHの条件下で少なくとも7ヶ月、40℃/75%RHの条件下で少なくとも1ヶ月、60℃/75%RHの条件下で少なくとも2週間保存した結果、結晶形及び純度の変化はなく、純度はいずれも98%以上であった。このように、塩酸塩結晶形CS3は安定性が良好である。
〔実施例13〕塩酸塩結晶形CS4の製造方法
9.7mgのVX−787塩酸塩結晶形CS3を1.5mLのガラス瓶に量り取り、体積比が3:1であるイソプロパノールと水との混合溶媒0.4mLを加え、室温下(約25℃)で30分間撹拌して、さらに10.5mgのVX−787塩酸塩結晶形A(CN105849100A)を加え、さらに室温下で1週間撹拌し、遠心して室温下で真空乾燥させた。分析した結果、本実施例で得られた固体は塩酸塩結晶形CS4であり、粉末X線回折データは図10、表9のとおりである。
塩酸塩結晶形CS4の液体水素核磁気共鳴スペクトルでは、溶媒ピークの存在は観測されなかった。H NMRは図16のとおりである。データは、{H NMR(400MHz、DMSO)δ8.75(s,1H)、8.51-8.43(m,2H)、8.40(m,1H)、4.87(m,1H)、2.97(d,J=6.4Hz、1H)、2.06(m,1H)、1.97(m,1H)、1.72(dd,J=41.7、7.4Hz、4H)、1.47(dd,J=55.6、16.2Hz、4H)、1.23(s,1H).}であった。結果によれば、塩酸塩結晶形CS4には水以外の溶媒は存在しない。
当該結晶形のDSCは図11に示すように、吸熱ピークと放熱ピークがそれぞれ1つあり、48℃付近に、水をこの温度付近で失ったことによる吸熱ピークが現れ、186℃付近に放熱ピークが現れた。
当該結晶形のTGAは図12に示すように、120℃に加熱した際に約9.6%の質量損失があり、さらに230℃に加熱した際に約4.8%の質量損失がある。
〔実施例14〕塩酸塩結晶形CS4の製造方法
200mgのVX−787塩酸塩の固体を20mLのガラス瓶に量り取り、体積比が3:1であるイソプロパノールと水との混合溶媒約8mLを加え、室温下(約25℃)で5日間撹拌し、遠心分離することで固体を得た。分析した結果、本実施例で得られた固体は結晶形CS4であり、粉末X線回折データは図18、表10のとおりである。
〔実施例15〕塩酸塩結晶形CS4の安定性
本発明の塩酸塩結晶形CS4を取って、3つの試料とした、開放状態で25℃/60%相対湿度で2週間、40℃/75%相対湿度の条件下で1ヶ月、60℃/75%相対湿度の条件下で2週間保存し、HPLC及びXRPD法により保存前と保存後の結晶形及び純度の変化を測定した。実験結果を表11に示す。
結果によれば、結晶形CS4を25℃/60%RHの条件下で少なくとも2週間、40℃/75%RHの条件下で少なくとも1ヶ月、60℃/75%RHの条件下で少なくとも2週間保存した結果、結晶形の変化はなく、純度もほとんど変化がなく、いずれも98%より高かった。本発明による結晶形CS4は良好な安定性を有する。
〔実施例16〕塩酸塩結晶形CS4の精製効果
HPLCにより、同じ原料で作製したCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aと本発明の塩酸塩結晶形CS4とを測定し、純度を計算した。
HPLC純度測定結果によれば、本発明の塩酸塩結晶形CS4は顕著な精製効果を有する。CN105849100A塩酸塩結晶形Aの純度は97.91%であり、本発明の塩酸塩結晶形CS4の純度は99.70%であった。本発明の純度はCN105849100A塩酸塩結晶形Aの純度より高い。
〔実施例17〕塩酸塩結晶形CS4とCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aとの動的溶解度の比較
本発明の塩酸塩結晶形CS4及びCN105849100Aの結晶形Aを純水で飽和溶液とし、1時間後、4時間後、24時間後に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により飽和溶液中の試料の含有量を測定した。本発明の塩酸塩結晶形CS4及びCN105849100Aの結晶形Aの溶解度データを表12に示す。
上記比較結果によれば、水中に1時間、4時間、24時間置いた後、本発明の塩酸塩結晶形CS4はCN105849100Aの塩酸塩結晶形Aより38〜283倍も高い溶解度を示した。
〔実施例18〕式(I)で表される化合物の結晶形CS9の製造方法
308.3mgのVX−787固体を20mLガラス瓶に入れ、体積比が1:3であるメタノールとトルエンとの混合溶媒10mLを加え、室温下で72時間撹拌し、固体を遠心分離により取り出し、室温で真空乾燥させることで、目的物を得た。
本実施例で得られた結晶形の粉末X線回折データを表13に示す。XRPDパターンを図19に示し、DSCパターンを図20に示し、TGAパターンを図21に示す。
〔実施例19〕式(I)で表される化合物の結晶形CS3の製造方法
29.0mg結晶形CS9固体を1.5mLガラス瓶に入れ、体積比が1:4であるテトラヒドロフランとジクロロメタンとの混合溶媒1mLを加え、50℃の温度で72時間撹拌し、固体を遠心分離により取り出し、室温で真空乾燥させることで、目的物を得た。
本実施例で得られた結晶形の粉末X線回折データを表14に示す。分析した結果、得られた試料は結晶形CS3である。XRPDパターンを図22に示し、DSCパターンを図23に示し、TGAパターンを図24に示す。
〔実施例20〕式(I)で表される化合物の結晶形CS3の安定性
本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3を取って、2つの試料(初期純度99.24%)とした。開放状態でそれぞれ25℃/60%相対湿度(RH)と40℃/75%相対湿度で5ヶ月保存し、HPLC及びXRPD法により保存前と保存後の結晶形及び純度の変化を測定した。実験結果を表15に示す。
結果によれば、本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3を25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件下で5ヶ月保存した結果、結晶形及び純度は特に変化が観測されなかった。つまり、本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3は良好な安定性を有する。
〔実施例22〕式(I)で表される化合物の結晶形CS3とCN105849100Aの遊離形態結晶形Aとの動的溶解度の比較
本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3及びCN105849100Aの遊離形態結晶形AをそれぞれpH=5.0のFeSSIF(摂食状態の模擬腸液)とpH=6.5のFaSSIF(空腹状態の模擬腸液)で飽和溶液とし、1時間後、4時間後、24時間後に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により飽和溶液中の試料の含有量を測定した。溶解度の結果を表16に示す。
結果によれば、FaSSIF及びFeSSIF中に1時間、4時間、24時間置いた後、本発明の式(I)で表される化合物の結晶形CS3は、CN105849100Aの遊離形態結晶形Aよりも高い溶解度を示し、FeSSIFでの溶解度が4〜11倍も高く、FaSSIFでの溶解度が6〜16倍も高かった。
以上の実施例は、当業者が本発明を理解して実施することができるように、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で行われる同等の変形や改善はすべて、本発明の権利範囲に含まれる。

Claims (20)

  1. 7.1°±0.2°、27.0°±0.2°、15.7°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形。
  2. 25.8°±0.2°、14.7°±0.2°、23.9°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の塩酸塩結晶形。
  3. 17.5°±0.2°、13.5°±0.2°、28.7°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塩酸塩結晶形。
  4. 前記塩酸塩結晶形は、塩酸塩の水和物の結晶形CS3、又は塩酸塩の酢酸溶媒和物の結晶形CS1であることを特徴とする請求項1に記載の塩酸塩結晶形。
  5. 請求項4に記載の塩酸塩水和物の結晶形CS3であって、その製造方法は、式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS1を不活性ガスの雰囲気下で100〜200℃に昇温させ、5〜20分間保持して、室温下に移すことで、塩酸塩結晶形CS3である固体を得ることを含むことを特徴とする請求項4に記載の塩酸塩水和物の結晶形CS3。
  6. 請求項4に記載の塩酸塩酢酸溶媒和物の結晶形CS1であって、その製造方法は、式(I)で表される化合物を酢酸に加え、5〜30℃の条件下で10〜100分間撹拌し、前記式(I)で表される化合物と塩酸との投入モル比が5/1〜1/5となるように、一定の量の塩酸を加え、さらに6〜48時間撹拌し、ろ過して乾燥させることで固体を得る方法1、又は、
    式(I)で表される化合物の塩酸塩を酢酸に加え、5〜30℃の一定条件下で6〜48時間撹拌し、ろ過して乾燥させることで、塩酸塩結晶形CS1である固体を得る方法2、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の塩酸塩酢酸溶媒和物の結晶形CS1。
  7. 8.0°±0.2°、4.7°±0.2°、20.6°±0.2°、11.6°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形CS4。
  8. 16.4°±0.2°、17.1°±0.2°、12.7°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする請求項7に記載の塩酸塩結晶形。
  9. 請求項7に記載の塩酸塩結晶形CS4であって、その製造方法は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を、体積比が19/1〜1/19の範囲にあるアルコールと水との混合系に加え、5〜30℃の条件下で1〜7日間撹拌し、ろ過して乾燥させることで、塩酸塩結晶形CS4である固体を得ることを含むことを特徴とする請求項7に記載の塩酸塩結晶形CS4の製造方法。
  10. 治療有効量の請求項1に記載の塩酸塩結晶形、請求項7に記載の塩酸塩結晶形CS4、又はこれらの結晶形の任意の混合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物。
  11. ウイルスタンパク質阻害薬の製剤を製造するための、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形、請求項7に記載の塩酸塩結晶形CS4、又はこれらの結晶形の任意の混合物の使用。
  12. A型インフルエンザ治療薬の製剤を製造するための、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の塩酸塩結晶形、請求項7に記載の塩酸塩結晶形CS4又はこれらの結晶形の任意の混合物の使用。
  13. 6.4°±0.2°、15.0°±0.2°、8.7°±0.2°の2θ値に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする式(I)で表される化合物の結晶形CS3。
  14. 13.1°±0.2°、8.1°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする請求項13に記載の結晶形CS3。
  15. 7.2°±0.2°、16.3°±0.2°、10.4°±0.2°の2θ値のうちの1箇所又は2箇所又は3箇所に、粉末X線回折パターンにおける特徴ピークを有することを特徴とする請求項13に記載の結晶形CS3。
  16. 請求項13に記載の結晶形CS3であって、その製造方法は、式(I)で表される化合物の固体をエーテル系とハロゲン化炭化水素系との混合溶媒に入れ、50℃の温度において撹拌し、固体を分離して乾燥させることで、結晶形CS3を得ることを含むことを特徴とする請求項13に記載の結晶形CS3。
  17. 前記エーテル系溶媒はテトラヒドロフランであり、前記ハロゲン化炭化水素溶媒はジクロロメタンであることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
  18. 治療有効量の請求項13に記載の結晶形CS3と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物。
  19. ウイルスタンパク質阻害薬の製剤を製造するための請求項13に記載の結晶形CS3の使用。
  20. A型インフルエンザ治療薬の製剤を製造するための請求項13に記載の結晶形CS3の使用。
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