JP2020503480A - 鋼板製弓形状クリアランスばねを備えた自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ - Google Patents

Abstract

【課題】より、保守に好ましく製造にふさわしい、接続部分の構成を可能にする、自動車用固定キャリパの区分けされたブレーキパッドディスクブレーキのための、より柔軟に適合可能なフローティングの、代替のクリアランスばねシステムを持つ、新規なブレーキを提供する。【解決手段】本発明のディスクブレーキパッド（２、３）のバックプレート（７）のピン型軸受構造を持つ自動車用固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）は、２つのばね脚部（２２、２３）を持つワンピースのクリアランスばね（２０、２１）を有する。ばね脚部（２２、２３）は、摩擦材のない軸受部分にてバックプレート（７）の間に弾性的に装着されている。ディスクブレーキライニング（２、３）を越えて覆うヨーク部分（２４）と、ほぼＵ字形で、塑性的に、互いに平行にずらされて曲げられ、摩擦材のない軸受部分にて、摩擦ライニングバックプレート（７）を伸縮自在に弾力的に裏側からつかむばね脚部（２２、２３）とを有する鋼板製弓形状ばねとして存在するクリアランスばね（２０、２１）により、目的が達成される。

Description

本発明は、ワンピースのクリアランスばねを備えた、新規で改良された、自動車の固定キャリパの部分的にライニングされたディスクブレーキに関する。構成部品は、適切なディスクブレーキライニング取り付けセット又は磨耗部キットに対して可能な限り好ましい方法で実装可能である。

検討された、このタイプの自動車の固定キャリパの部分的にライニングされたディスクブレーキは、隣り合う部分ライニングディスクブレーキのライニング用のピン軸受部を備え、その間には、摩擦材を持たないバックプレート部の間に、浮動的に、弾性的に装着されるばね脚部を持つワンピースのクリアランスばねを備える。そのような構成は、例えば、特許文献１に開示されていて、ブレーキディスクの出口側に（押圧されて）支持されたディスクブレーキライニング用の半径方向に開いたウェル受容部を備える。ディスクブレーキライニング用の保持ピンは、固定キャリパブレーキハウジングのウェル窓部に解放可能に支承されている。ブレーキディスク入口の方向にオフセットされた保持ピンに加えて、クリアランス機能を含むがたつきのないばねシステムが特に経済的であると認識されるように、オメガ（Ω）形状に曲げられた平らなワンピースのワイヤばねに、ディスクブレーキライニングとブレーキディスクの上方のブレーキハウジングとの間に複数方向に力がかかっている。

特許文献２は、特に効率的に設計された自動車用固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキのための個別のクリアランスばねシステムを開示している。それは、ブレーキディスクの入口側でハウジングに対して固定されて配置され、非対称に設計されたディスクのためにブレーキディスクの出口側でハウジングに対して固定されたガイドピンを備えた引き摩擦ライニング支持用の支持ピンを備える。ブレーキライニングワイヤで作られた４つのクリアランスばね装置が各摩擦ライニングバックプレート上のピン受容部の領域に固定され、それぞれのピンをしっかりつかみ、それによってそれぞれの場合において個々の摩擦ライニングにばね作用を加える。

独国特許出願公開第４３３２７１３号明細書 国際公開第２０１７／０３６８０２号

したがって、本発明は、より保守に好ましく、生産にふさわしい、接続部分の構成を可能にし、従来技術の不利な点を回避する、固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキのために、より柔軟に適応可能な、浮動的なクリアランスばねシステムである、クリアランスばねシステムを備えた新規なブレーキ又は代替を提供することに基づく。この目的は、独立請求項の特徴的事項と共に本発明によって達成される。本発明の適切な変更は、従属請求項のそれぞれの特徴から明らかになるであろう。

本発明による、自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキは、したがって、まず、単純な鋼板製の弓形状ばねとして存在し、ばね脚の間にブレーキディスクの周縁部を受容するのに適した、分離したクリアランスばねを備える。鋼板製の弓形状ばねは、隣り合う摩擦ライニングバックプレートの上方で半径方向外向きに係合するヨーク部分と、実質的にＵ字形になるようにヨーク部分から塑性的に離れるように曲げられた弾性ばね脚部とを有する。これにより、弓形状ばねは、互いに平行にオフセットされて、支承部分の摩擦ライニングバックプレートの裏側を、摩擦面に対して横方向でつかむ。したがって、本発明は、特にコンパクトな平らな鋼板の、生産にふさわしく、荷重に適した、そして保守容易に設計される鋼板の弓形状構造の、チップレスに製造される摩擦ライニング保持ばねを初めて利用することを可能にする。そして、製造者側の工場生産に適する場合には、付加価値機能を備えたサービスの円滑化の目的で、摩擦ライニング保持ばねは、「カセット」（すなわち設置セット）のように、摩耗部品市場で単独で利用し得る。

特に省スペースのコンパクト設計では、帯状のばね脚部は、ハウジング脚部に対して実質的に平行に、ブレーキピストン軸線に対してできるだけ直角に配向される。したがってばね脚部は、ブレーキディスクの摩擦面に対してできるだけ平行に存在する。平坦な中央ヨーク部分は、ブレーキディスクの円周にわたって係合するため、ハウジングブリッジ部分と実質的に平行に設けられ、そこで軸方向に向けられていて、ばね脚部は、ヨーク部分を介して浮動的に、ディスクブレーキライニングの摩擦ライニングバックプレートの間に、復元性を持って弾性的に配置される。

各自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキは、長さが異なるように設計され、ブレーキディスクの入口側又はブレーキディスクの出口側に適合されるばね脚部を持つ２つのクリアランスばねを正確に備えることで、混乱又は不適切な取り付けが建設的に除外される。そこでは、２つの異なるクリアランスばねは、可能な限り同一に調整された復元ばね力を有するものとされている。

２つの復元ばねのヨーク部分がそれぞれブレーキディスク入口側とブレーキディスク出口側とに別々のハウジングブリッジ窓内に配置されているという点で、特にコンパクトな設計が可能になる。

摩擦ライニングセットの摩擦ライニングは、クリアランスばねを介して所定の距離で互いに平行にかつ互いに対して固定されているにもかかわらず、固定キャリパブレーキハウジング内のピンガイドに弾性的に支承さらえていいて、そしてクリアランスばねが摩擦ライニングを介して固定キャリパブレーキハウジング内に形状を合わせて及び失われる（抜ける）ことなく支承されるので、クリアランスばねの別個のハウジング固定が合理化される。加えて、磨耗部品キットとして、特にサービスを考慮し、工場生産される販売展開が可能になる。

本発明による各クリアランスばねは、有利には細長く、さらに空気力学的に有利である。鋼板弓形状ばねとしてのワンピースにて、そして平鋼板の構造方式が存在する。この鋼板弓形状ばねは、帯状の平らなヨーク部を有し、ヨーク部分の端部側で互いに平行にずらしてほぼＵ字形に曲げられ、各端部片に摩擦ライニング保持クリップを形成する脚部を持つ。そこでは、摩擦ライニングバックプレートを、摩擦ライニング保持クリップが緊張することによって、各摩擦ライニング保持クリップはばね脚部と摩擦ライニングとの間に固定に用いられる。記載された手段は、摩擦ライニング保持クリップと摩擦ライニングバックプレートとの間の有利な形状及び／又は力嵌合固定を必ず可能にする。そこではクリアランスばねの別個の固定又は追加のインターフェースは不要である。

生産指向で解決されるそれらの都合のよい固定／装着のために、各クリアランスばねは、互いに反対向きに平行に存在し、所定距離だけ離間し、背中合わせに閉じられ、バックプレート軸受突起を受容するために少なくとも部分的に軸方向外向きに開く、ばね脚部を持つ。そこでは、摩擦ライニング保持クリップは、少なくとも３つの側面でバックプレート軸受突起の周りにカセットのように係合する。

例えば遊びを避けるために、ばね作用によるガタガタ音を避けるために、あるいは摩擦ライニングとピン支承部との間の騒音減衰対策としての簡単な仕立てで、各摩擦ライニング保持クリップが、保持ピン又はガイドピンの、弾力的に弾性収容するためのポケットを統合するならば有利である。

本発明による平らでコンパクトな鋼板の弓形状の構成におけるクリアランスばねの基本形状は、ばね脚部とヨーク部分とが共通の整列／長手方向軸に沿って互いに対称的に設けられるように規定される。ここでは、ばね脚の端部にある摩擦ライニング保持クリップは、互いに平行にかつ互いに距離を置いてオフセットされるように、均一な軸方向に整列して配置される。換言すると、各クリアランスばねの２つの摩擦ライニング保持クリップは、互いに平行にずらされ鏡像的に設けられている。

要約すると、本発明は、このように、より容易に交換可能なサービスキットの形態のコンパクトで高性能の設計を可能にし、復元ばねの必要な設置スペースがブレーキの性能能力に悪影響を及ぼすことは決してない。本発明のさらなる詳細は、図面を参照した説明から明らかになるであろう。

図面において、具体的には以下のとおりである。

本発明による自動車固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキの斜視的縮小基本図を示す。 図１に示された本発明による、自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキの平面図を示す。 図１及び図２に示された本発明による、自動車固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキの縦断面図を示す。 ２つのクリアランスばねを備えた交換可能な摩擦ライニングセットを備える、自動車用固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキの摩擦ライニング取り付けセットをほぼ一定の縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 出口側に配置された（短い脚部を持つ）クリアランスばねの投影展開を伴う鋼板半製品ストリップの画像をほぼ一定の縮尺で示す。 入口側に配置された（長い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 入口側に配置された（長い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。 入口側に配置された（長い脚部を持つ）クリアランスばねを異なる視点及び縮尺で示す。

効率的な、自動車固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ１は、図１から図３に示すように、ハウジングに対して固定されたピン支承部３（保持ピン４、ガイドピン５）内の摩擦ライニング２、３を備える。そこでは、各摩擦ライニング２、３の接線力（制動力）が、ディスクブレーキライニング２、３のバックプレート７から発するバックプレート軸受突起６，６’を介して、常に中央に画定された所定の固定軸受部８を介して（移動方向の変化後に導入された力の位置について）位置を変えることなくハウジングに相対的に固定された単一の保持ピン４に伝えられる。固定軸受の固定的な配置は、前進走行と後進走行の両方で行われる。バックプレート７は非対称形状であり、前面／前面側に焼結摩擦材料混合物９を担持する。

固定軸受部８は、端面上でかつ中心Ｚ／ピストン中心Ｋ１、Ｋ２についてはっきりと下方に配置されている。ブレーキディスク１０の優先回転方向（前進方向）Ｕのため、固定軸受部８がブレーキディスク入口側に配置されることが決定され、それに対応して逆に第２の回転方向（後進方向）について挙動する。主回転方向（前進方向）Ｕにおいて、バックプレート７は、従って、形成された固定軸受部８によって主に引張荷重を受けて支持されている。しかしながら、逆回転方向（逆方向移動）においては、バックプレート７は、主にバックプレート７の圧縮荷重下で同じ固定軸受部８を介して支持されている。ガイドピン５は、それゆえ、常にスラスト軸受として機能し、あるいはディスクブレーキライニング２、３の回転ロックとして広範囲で接線方向の制動力から自由である。したがって、基本的に、特に大きな構成が必要とされず、ガイドピン５の負荷は大幅に低減される。ガイドピン５の横断面ｄを保持ピン４の横断面よりも小さくし、材料の必要量を低減すると、その効率を、従って、高めることができる。自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ１を完成するために、各ハウジング脚部１１、１２上のピン４、５をハウジングと一体に、すなわち鋳造によって形成してもよい。

ジョー開口部とガイドピン５を受容するための受容ポケット１３とを有するフォークプロングの形態の開口構成のバックプレート軸受突起６′は、バックプレート７の反対側の端面で出口側、固定軸受に対向する端面であって、好ましくは中央／摩擦ライニング中心Ｚの半径方向の上部の端面に、配置される。開口構成が、ガイドピン５と共にハウジングとブレーキライニング２、３との間の、単純なピボットイン組立体を可能にする。

保持ピン４は、好ましくは断面において広範囲で円形のリング形状であって、バックプレート支持突起６の貫通開口１４を通って係合する。輪郭において垂直方向の相互接触応力を減少させるために、貫通開口１４の外面は、一方で、保持ピン４の広範囲で円形の環状表面曲率で曲げられぴったり適合されて形成され得る。保持ピン４とバックプレート軸受突起６との間に、可能な限り小さい摩擦の小さな接触が存在し、他方、ディスクブレーキライニング２、２／バックプレート７と保持ピン４との間に、できるだけ耐摩耗性及び耐候性で、手入れ不要の支承構造が存在する。

各バックプレート７の一方の側に非対称にオフセットされるようにそれぞれ設けられた保持又は案内突起６、６′は、機能の一貫した分離を通して冗長性を排除する。バックプレート７の摩擦ライニングキャリア、すなわち有用な摩擦領域としての利用が、改善される。これは、バックプレート７のサイズ、有用な摩擦領域、及び可能なピストン支持体／ピストン数の間の改善された拡張性を伴う。端面の半径方向に正反対の位置で、さらに斜め方向のオフセットを有する摩擦ライニング支持体によって、ＮＶＨ（騒音、振動、ハーシュネス）挙動が改善される。

固定キャリパハウジングは、ホイールブレーキシステムのより良好な通気及び冷却を可能にするために、好ましくは、ハウジングブリッジ窓１５、１５′、１５′′を有するブリッジ側で開放構成である。ここで、原則として、１つ以上のブリッジ窓１５、１５′、１５′′が、２つのハウジング脚部１１、１２を相互接続する対応するブリッジ部分１６、１６′、１６′′と交互に存在することが可能である。ブリッジ窓１５、１５′、１５′′は、ディスクブレーキライニング２、３のバックプレート７とブリッジ部１６、１６′、１６′′との間で半径方向に弾性的な予荷重の下でそれぞれ挟まれるばね手段（トップばね）を収容してもよい。そして、ブリッジ窓１５、１５′、１５′′はそれぞれ、ディスクブレーキライニング２、３とハウジングとの間に半径方向内向き又は半径方向外向きの弾性予荷重を許容する。

上記の基本的な説明及び動作原理に関連して、図１から図１３の以下の説明は、本発明による改善策の特に好ましい実施形態に関する。

ここで、鋼板の弓形状ばねとして定義されるクリアランスばね２０、２１は、隣合って対向配置する摩擦ライニングバックプレート７の間に、浮いているように、弾性的に装着されている。Ｕ字形状の鋼板の弓形状組み立て様式及び配置のため、一方では、純粋に象徴的に示されているブレーキディスク１０と互いに隣り合う摩擦ライニング２、３との両方が、ばね脚部２２、２３の間に収容されることが可能である。ばね脚部２２、２３は、互いに平行にオフセットされるように、離れて曲げられてある。そして、ばね脚部２２、２３を相互連結する軸方向のヨーク部分２４は、ブレーキディスク１０の上方と摩擦ライニング２、３の上方とを越えるように、半径方向外側に、スペースを非常に節約するように係合している。基本的に平らに保持されているばね脚部２２、２３の端部は、それらが摩擦ライニングバックプレート裏側の後ろに係合するという点で、スペース節約かつバックプレート支持突起６、６′のための平坦な境界面を形成する。その平坦な境界面では、ばね脚部２２、２３の端部は、ブレーキディスク１０の横方向、軸受部の領域において、摩擦ライニングバックプレートの裏側で係合している。ここでは、ばね脚部２２、２３は、それらのアクチュエータ（ブレーキピストン）を持つハウジング脚部１１、１２に対して実質的に平行に配置され、そしてこの点でアクチュエータ／ブレーキピストン軸線に対して広範囲に直角に向けられていて、また、ブレーキディスク１０の摩擦面に対して広範囲に平行に向けられている。

図１から図３に明らかなように、各自動車固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキは、特にスペースを節約するように形成され、スペースを節約するようにハウジング内に収容される２つのクリアランスばね２０、２１を有する。これらは、異なる長さを有するように形成されたばね脚部２２、２３を有し、両方のクリアランスばね２０、２１は、できる限り同じように調整された復元ばね力を有する。２つの復元ばね２０、２１のヨーク部分２４がそれぞれブレーキディスク入口側にもブレーキディスク出口側にも別々のハウジングブリッジ窓１５、１５′′内に配置されていることにより、さらなる省スペースの貢献が達成される。したがって、実質的に最大限利用されるディスク直径に関して、自動車用固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ１の自由設計は、ブリッジリム１６、１６′、１６′′の曲げ限界領域における限られたホイールリム設置スペースの場合に、肯定的に支持される。

割り当てられた摩擦ライニング２、３との相互作用における本発明によるクリアランスばね２０、２１の作用は、この摩擦ライニングセットが、互いに平行な復元ばね力Ｆ下でかつクリアランスばね２０、２１を介して互いに所定距離Ａで、固定キャリパブレーキハウジング内に弾性的に配置されるという事項にさらに基づく。クリアランスばね２０、２１は、別個の固定手段なしに、固定キャリパブレーキ内に、２つの摩擦ライニング２、３上の取り付けを介して、形状嵌合的かつ失われる（抜ける）ことのない状態に支承されている。クリアランスばね２０、２１は基本的にハウジングから切り離されているので、それらの復元効率は相応して高い。

解除可能な連結のために、各クリアランスばね２０、２１のばね脚部２２、２３は、端部片上に、摩擦ライニング保持クリップ２５、２６として形成された有利な摩擦ライニング接触面を有し、各摩擦ライニング保持クリップ２５、２６は、摩擦ライニング保持クリップ２５、２６が摩擦ライニングバックプレート７を装着するという点で、ばね脚部２２、２３と摩擦ライニング２、３との間の固定に役立つ。この目的のために、摩擦ライニング保持クリップ２５、２６はバックプレート７の周囲に、少なくとも部分的に形状一体的に係合するようにしてもよい。特に有利な好ましい実施形態は、各クリアランスばね２０、２１の摩擦ライニング保持クリップ２５、２６が互いに対向配置して平行に存在し、所定の距離だけ隔てられて背中合わせに閉じられ、軸方向外向きにバックプレート軸受突起６、６′を収容するように少なくとも部分的に開かれる。各摩擦ライニング保持クリップ２５、２６は、少なくとも３つの側面でバックプレート軸受突起６、６′をカセットのように係合する。

摩擦ライニング保持クリップ２５、２６が保持又はガイドピン４、５の一体化のためのポケット２７、２８を有するという点で、さらなる適合が、保持又はガイドピンの一体化にまで及ぶ。一体化が相互の弾性ばね作用を伴うという付加価値のある機能、及び摩擦ライニング２、３を含みピンとクリアランスばね２０、２１との間の遊び又はノイズ回避対策の意味でのクランプなどを、可能にする。これにより、摩擦ライニング取付領域のガタガタ音がなくなる。

さらに図面から分かるように、ばね脚部２２、２３及びヨーク部分２４は共通の整列／長手方向軸に沿って互いに対称的に設けられているか、あるいは摩擦ライニング保持クリップ２５、２６は、軸方向に共通の整列／長手方向軸に平行にオフセットされるように設けられている。したがって、各クリアランスばね２０、２１の２つの摩擦ライニング保持クリップ２５、２６は、互いに平行にずらして鏡像的に設けられている。

図１０による、鋼板半製品鋼帯２９上への投影において、初期の形態で部分的に示されたブランク部分の展開状態３０、３１の例によって、特に効率的な、本発明による鋼板弓形状設計を伴うクリアランスばね２０、２１の、生産指向の鋼板の無駄を省いた、すなわち材料節約の経済的な構成が、明らかである。これは、図１０による鋼帯の画像から直接明らかにされるように、鋼板打ち抜きの廃棄部分削減のため、長手方向軸Ｌにおいて非対称に分割される異なるばねブランクのためのばね展開が、コンパクトで相互に係合するようにオフセットされたブランク部分の配置を可能にするからである。例えば薄鋼板打ち抜き屑の低減のために、例えばコンパクトで相互係合的にオフセットされたブランク部品の配置を可能にする。この有利な効果は、無駄を減らす目的のために、２つの摩擦ライニング保持クリップ２５、２６の間で、比較的長く薄いヨーク部分２４が、他部品の領域の横方向にオフセットした配置に使用される基本的可能性、すなわち、他の摩擦ライニング保持クリップの製造の基礎を与えることにおいても、主に達成される。ヨーク部分と他の部品とを逆にした関係の製造の基礎を与えることにおいても、同様である。換言すると、展開部／鋼帯の画像内のヨーク部分２４の隣に設けられた横方向の自由空間は、例えば、他のクリアランスばねの摩擦ライニング保持クリップ２５、２６が形成される他のブランク部分の相補的領域の配置のために、確保／利用される。特に、全ての摩擦ライニング保持クリップを、原則として、バックプレート軸受突起部６、６′上の原則等しい（標準）寸法の境界に従って、できるだけ同一になるように構成することが可能である。その結果、異なるクリアランスばね２０、２１は、それらの脚部２２、２３又はヨーク部分２４に限って、実質的に互いに異なる。図１０は、同一サイズのクリアランスばね２０又は２１を形成するための２つの連続した同一の展開状態を象徴的に示すことが意図されているが、半製品の進行方向Ｖｒにおいて、それぞれの場合に大きなクリアランスばねが、交替及びその逆に、小さな寸法のクリアランスばねに追従することが可能である。

１ 自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ
２ 摩擦ライニング
３ 摩擦ライニング（ピン支承部）
４ 抜け止めピン
５ ガイドピン
６ バックプレート軸受突起
７ バックプレート
８ 固定軸受部
９ 摩擦材混合物
１０ ブレーキディスク
１１ ハウジング脚部
１２ ハウジング脚部
１３ 収納ポケット
１４ 貫通開口
１５、１５′、１５′′ ハウジングブリッジ窓
１６、１６′、１６′′、１６′′′ （ハウジング）ブリッジ部
２０ クリアランスばね
２１ クリアランスばね
２２ ばね脚部
２３ ばね脚部
２４ ヨーク部
２５ 摩擦ライニング固定クリップ
２６ 摩擦ライニング固定クリップ
２７ ポケット
２８ ポケット
２９ 鋼板半製品帯
３０ ばねブランクパーツ開発
３１ ばねブランクパーツ開発
Ａ 距離
ＡＸ 軸線方向
Ｆ ばね復元力アクション
Ｒ 半径方向
Ｔ 接線方向
Ｋ１、Ｋ２、アクチュエータ変位軸線／ピストン軸線
Ｕ ブレーキディスクの優先回転方向（前進時）
Ｚ 摩擦ライニングの中心

Claims (12)

1. バックプレート軸受突起部（６、６′）の間に弾性的に装着されている２本のばね脚（２２、２３）を持つ、ワンピースのクリアランスばね（２０、２１）を備える、隣り合う部分ライニングディスクブレーキライニング（２、３）用のピン軸受構造を持つ自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）であって、
   鋼板製弓形状ばねとしてのクリアランスばね（２０、２１）が、ブレーキディスクの周囲を受容するのに適して存在し、
   鋼板製弓形状ばねは、摩擦ライニングバックプレート（７）上を越えるように半径方向外向きにつながるヨーク部分（２４）を持っていて、
   実質的にＵ字形に、塑性的に、互いに平行にずらされて曲げられたばね脚部（２２、２３）にヨーク部分（２４）が設けられていて、ばね脚部（２２、２３）は、摩擦面の隣に、横方向で、バックプレート支持突起（６、６′）上の摩擦ライニングバックプレート裏側を後ろからつかむ
   ことを特徴とする、自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ。
2. ばね脚部（２２、２３）は、ハウジング脚部（１１、１２）に実質的に平行に存在し、ブレーキピストン軸線（Ｋ１、Ｋ２）にできるだけ直角に配向されていて、ブレーキディスク（１０）の摩擦面にできるだけ平行であり、
   ブレーキディスク（１０）の周囲を越えるように覆うためにブリッジ部分（１６、１６′、１６′′）に実質的に平行に、軸方向に配向されたヨーク部分（２４）を備え、
   ばね脚部（２２、２３）は、ヨーク部分（２４）によって伸縮性に富みかつ弾力的にディスクブレーキライニング（２、３）の摩擦ライニングバックプレート（７）の間に浮動的に装着されている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）。
3. 自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）の１つ１つが、
   異なる長さを有するように設計され、可能な限り同一に調整された復元ばね力Ｆを有するばね脚部（２０、２３）を持つばね脚部（２０、２３）を有する、２つのクリアランスばね（２０、２１）を有する
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載の自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）。
4. ２つの復元ばね（２０、２１）のヨーク部分（２４）がそれぞれ、別々のハウジングブリッジ窓部（１５、１５′、１５′′）に、ブレーキディスクの入口側及びブレーキディスク出口側に配置されている
   ことを特徴とする請求項３に記載の自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）。
5. 摩擦ライニング設備セットの摩擦ライニング（２、３）が、固定キャリパのブレーキハウジングに、クリアランスばね（２０、２１）を介して互いに平行に所定距離Ｂで離して、弾性的に配置されていて、
   クリアランスばね（２０、２１）は、摩擦ライニング（２、３）を介して固定キャリパのハウジング内に、形状係合的かつ失われることなく支承されている
   ことを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）。
6. 自動車の固定キャリパの部分ライニングディスクブレーキ（１）の、部分ライニングディスクブレーキライニング（２、３）の、２つの隣り合う摩擦ライニングバックプレート（７）の間に伸縮性に富みかつ弾力的に支承された装着のために、２つのばね脚部（２２、２３）を有するクリアランスばね（２０、２１）であって、
   鋼板製の弓形状ばねとしてクリアランスばね（２０、２１）が、
   ヨーク部分（２４）と、ヨーク部分（２４）の端部側で、実質的にＵ字形に、互いに平行にオフセットされて曲げられたばね脚部（２２、２３）とを備え、
   摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）を形成して、
   ワンピースで存在し、
   各摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、ばね脚部（２２、２３）と摩擦ライニング（２、３）との間で、摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）が摩擦ライニングバックプレート（７）を装着することにより、固定するために用いられる
   ことを特徴とする、クリアランスばね（２０、２１）。
7. 各摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、摩擦ライニングバックプレート（７）に形状嵌合的に固定できることを特徴とする請求項６に記載のクリアランスばね（２０、２１）。
8. 各クリアランスばね（２０、２１）の摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、互いに対向して平行に所定距離で離して、背中合わせで閉じ、バックプレート軸受突起（６、６′）を受容するため少なくとも部分的に軸方向外側に開かれて存在するものであって、そこで摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、バックプレート軸受突起（６、６′）の周りで少なくとの３つ側部上でカセットのようにつかむことを特徴とする請求項６又は７に記載のクリアランスばね（２０、２１）。
9. 各摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、保持ピン（４）又はガイドピン（５）を一体化するためのポケット（２７、２８）を有することを特徴とする請求項６から８のいずれか一項に記載のクリアランスばね（２０、２１）。
10. ばね脚部（２２、２３）及びヨーク部分（２４）は、共通の整列／長手方向軸線に沿って互いに対称的に設けられていることを特徴とする請求項６から９のいずれか一項に記載のクリアランスばね（２０、２１）。
11. 摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）は、共通の整列／長手方向軸線に関して、平行にオフセットされるように設けられることを特徴とする請求項６から１０のいずれか一項に記載のクリアランスばね（２０、２１）。
12. 各クリアランスばね（２０、２１）の２つの摩擦ライニング保持クリップ（２５、２６）が、互いに平行にオフセットされてあると共に鏡像的に設けられていることを特徴とする請求項６から１１のいずれか一項に記載のクリアランスばね（２０、２１）。

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