JP2020204371A - 動圧型軸受ユニット、およびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】動圧力の逃げを防止できるため、動圧力の損失を低減でき、且つ、十分な締結強度を確保することが可能となるので信頼性の高い動圧型軸受ユニット、およびモータを提供する。【解決手段】シール部材は、リング状の第1部とこの第1部の外周縁部から垂下される円筒形状の第2部とからなる。第2部がハウジングの開口部に内嵌される。軸受部材が、軸受部材の外径面とハウジングの内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤層を介してハウジングの内周に固定される。軸受部材が、軸受部材の外径面と第2部の内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤層を介して軸受部材の外径面をシール部材の内周に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、動圧型軸受ユニット、およびモータに関する。
動圧型軸受ユニットは、高回転精度、高速安定性、耐久性、低騒音性等に優れた特性を有する。従来の動圧型軸受ユニットには、特許文献1に記載されるように、ハウジング内での油とシール部材との接触を防止することにより、油漏れを防止しようとするものがある。すなわち、特許文献1に記載の動圧型軸受ユニットは、図6に示すように、含油焼結金属からなる軸受部材51と、軸受部材51が収容され、一端が開口で他端が閉じられたハウジング52と、ハウジング52の開口部をシールするシール部材53とを備える。軸受部材51は、支持すべき軸(図示省略)との間に軸受隙間を有し、軸との相対回転で軸受隙間に生じた油の動圧により軸を非接触支持する。
軸受部材51の内周面(内径面)には、ラジアル動圧発生部として、へリングボーン形状の動圧溝61が形成される。クロスハッチングで示す領域は、動圧溝61よりも内径側に盛り上がった丘部である。図示例では、ヘリングボーン形状の動圧溝61が、内周面の軸方向に隣接した2箇所の領域60,60に形成される。上下の動圧溝61は同一形状であり、各動圧溝61は軸方向で対称な形状を成している。丘部の内径面は、同一円筒面上に連続して設けられる。
また、軸、軸受部材51、およびハウジング52の底部で囲まれた密閉空間55を外気に開放する通気路56を形成している。この通気路56には、ハウジング52の内周と軸受部材51の外周との間に形成される第一通路56aを備える。そして、ハウジング52の内周と軸受部材51の外周間のハウジング開口側端部に、通気路56の第一通路56aと連通する油溜まり部57を設けている。
油溜まり部57等を設けることによって、「ハウジングの開口側に溜まった油とシール部材との接触を回避し、これにより油漏れを確実に防止できるので、長期間安定した軸受機能が得られる。また、シール部材と軸受部材の端面との間の隙間を小さくできるので、軸方向寸法のコンパクト化が容易であり、しかも組立コストの抑制も可能である。」というものである。
特許第4481475号公報
図6に示す動圧型軸受ユニットでは、ハウジング52と軸受部材51とは接着や圧入の手段で固定される。接着固定する場合、特に、嫌気性接着剤を用いて、油溜まり部57に接着剤が残ると、油溜まり部57の隙間が広いので、この油溜まり部57内の接着剤が硬化せず、未硬化の接着剤が残るおそれがある。このように、油溜まり部57内に未硬化の接着剤が残れば、油面範囲内に未硬化の接着剤が存在することになって、潤滑油に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、軸受部材51の内径面の動圧溝61に対向する軸受部材51の外径面が他部材により保持(当接)されていないため、軸受部材51の外径部に油溜まり部57があることで、軸受部材51の内径面の動圧溝61により発生した動圧力が、軸受部材51の内部を通って、軸受部材51の外径部より外部へ逃げるおそれがある。さらに、軸受部材51とハウジング52との締結強度を接着や圧入により確保する場合、油溜まり部57があると、締結強度アップが困難であった。
なお、このような油溜まり部57をなくすことで、このような油溜まり部57を有することによる前記問題点は解決できるが、その場合、軸受部材51の端面付近に接着剤を塗布することになり、軸受部材51の内径面に接着剤が飛散するおそれがある。
そこで、本発明は、動圧力の逃げを防止できるため、動圧力の損失を低減でき、且つ、十分な締結強度を確保することが可能となるので信頼性の高い動圧型軸受ユニットやモータを提供することである。
本発明の動圧型軸受ユニットは、含油焼結金属からなり、支持すべき軸との間に軸受隙間を有し、軸との相対回転で軸受隙間に生じた油の動圧により軸を非接触支持する軸受部材と、軸受部材が収容され、一端が開口で他端が閉じられたハウジングと、ハウジングの開口部をシールするシール部材とを備えた動圧型軸受ユニットであって、前記シール部材は、リング状の第1部とこの第1部の外周縁部から垂下される円筒形状の第2部とからなり、第2部がハウジングの開口部に内嵌され、軸受部材が、軸受部材の外径面とハウジングの内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤を介してハウジングの内周に固定されるとともに、軸受部材が、軸受部材の外径面と第2部の内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤を介して軸受部材の外径面をシール部材の内周に固定されるものである。
本発明によれば、軸受部材の外径面をハウジングの内径面及びシール部材の第2部の内径面により保持することで、ハウジングの内径面と軸受部材の外径面との空間がなくなる。
ハウジングの開口部の内径面と、この内径面に対向する軸受部材の外径面との間に、シール部材の第2部材が嵌入する空間を設けるのが好ましい。このように空間を設けることにより、組立時には、接着剤を塗布する塗布溜り空間を有することになり、接着剤塗布時に接着剤が軸受部材の内径面に飛散することを防止できる。さらに、接着剤塗布後に挿入するシール部材により、前記空間を塞ぐことで、未硬化接着剤が残ることを防止できる。
ハウジングの開口部が上方に開口している状態で注油された潤滑油の油面は、軸受部材のハウジングの開口側の端面である上端面未満とされるのが好ましい。このように構成することによって、潤滑油の油面と軸受上端面に対向するシール端面との間に一定の空間を設けることで、オイル漏れを防止する効果が期待できる。
前記接着剤に、嫌気性接着剤を用いるのが好ましい。嫌気性接着剤とは、空気(酸素)が遮断されるとともに、金属と接触することによって、硬化する接着剤である。ハウジングの開口部の内径面と、この内径面に対向する軸受部材の外径面との間に空間を設けることにより、組立時には、接着剤を塗布する塗布溜り空間に未硬化接着剤が残ることを防止でき、このため、接着剤として、嫌気性接着剤を用いることによって軸受部材を強固にハウジングに固定でき、高品質の動圧型軸受ユニットを提供できる。
本発明のモータは、前記動圧型軸受ユニットを用いたものである。
本発明では、軸受部材の外径面をハウジングの内径面、シール部材の内径面により保持することで、動圧力の逃げを防止できるため、動圧力の損失を低減でき、且つ、十分な締結強度を確保することが可能となるので信頼性の高い動圧型軸受ユニットやモータが得られる。
本発明に係る動圧型軸受ユニットを用いたLBPポリゴンスキャナモータの断面図である。 動圧型軸受ユニットの断面図である。 動圧型軸受ユニットで使用される軸受部材の断面図である。 動圧型軸受ユニットの要部拡大断面図である。 動圧型軸受ユニットの組立方法を示す断面図である。 従来の動圧型軸受ユニットの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、情報機器の一種であるレーザビームプリンタ(LBP)に装備されるポリゴンスキャナモータの断面図である。このモータは、垂直姿勢の軸1を回転自在に支持する軸受部材2を有する軸受ユニット(動圧型軸受ユニット)Uと、軸1の上端に取付けられたポリゴンミラーPと、軸方向のギャップを介して対向させたステータmSおよびロータmRを主体とするモータ部Mとで構成される。軸受部材2はベース4に取付けたハウジング3の内周に固定される。6はロータハブ、7はポリゴンミラーPをロータハブ6に押付けるための予圧バネである。ステータmSに通電すると、ロータハブ6に取付けられたロータmRとの間の励磁力でロータmRが回転し、この回転に伴って軸1およびポリゴンミラーPが回転する。レーザ光源から所定の光学系を経てポリゴンミラーPに入射したレーザ光は、ポリゴンミラーPにより反射されて図示しない感光ドラム面を走査する。
軸受ユニットUを他の情報機器用スピンドルモータ、例えばディスク装置のスピンドルモータに用いる場合は、ディスク(光ディスク、磁気ディスク、あるいは光磁気ディスク等)が軸1に支持される。
図2に示すように、軸受ユニットUは、軸1と、軸1を支持する軸受部材2と、軸受部材2を内周に固定したハウジング3とを主要構成要素とする。
ハウジング3は一端を開口すると共に、他端を閉じた有底円筒型をなし、一端側の開口部を上にしてベース4(図1参照)に固定されている[以下の説明では、ハウジングの開口側(図面上方)を「開口側」と称し、その軸方向反対側(図面下方)を反開口側と称する]。ハウジング3の他端側には底壁3aが設けられる。この底壁3aは図示のようにハウジング3の筒状部分と一体形成する他、別部材で製作してから筒状部分の他端開口部に固定してもよい。なお、図2においては、ベース4に取り付けるための外鍔部を省略している。
ハウジング3内部の反開口側には、軸1をスラスト方向で支持するスラスト軸受部9が設けられる。スラスト軸受部9は、例えば底壁3aに装着したスラストワッシャ10に軸1の球面状の軸端を接触させて構成することができるが、その構造は任意である。この場合、底壁3aの内面13(ハウジング3の内底面)に凹部13aを形成し、この凹部13aにスラストワッシャ10を収容している。
軸受部材2は、焼結金属に潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて細孔内に油を保有させた含油焼結金属で円筒状に形成される。焼結金属としては、例えば、銅鉄系の焼結金属の多孔質体からなる。軸受部材2の内周には、図3に示すように、軸1の外径面と微小な軸受隙間C(図2参照)を介して対向する軸受面14が軸方向に離隔して二箇所に形成される。双方の軸受面14には、軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝15(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。動圧溝15は軸方向に対して傾斜して形成されていれば、この条件を満たす限りへリングボーン型以外の他の形状、例えばスパイラル型でもよい。なお、図3において、クロスハッチングで示す領域は、動圧溝15よりも内径側に盛り上がった丘部である。
この動圧型軸受ユニットUでは、軸1の回転に伴う圧力の発生と昇温による油の熱膨張によって軸受部材2の内部の油(潤滑油、または潤滑グリースの基油)が軸受部材2の表面からにじみ出し、動圧溝15の作用により軸受面14と軸1の外径面との間の軸受隙間Cに引き込まれる。軸受隙間Cに引き込まれた油は軸受面14で潤滑油膜を形成して軸1を非接触支持する。軸受面14に正圧が発生すると、軸受面14の表面に孔(開孔部:多孔質体組織の細孔が外表面に開口した部分をいう)があるため、油は軸受部材2の内部に還流するが、次々と新たな油が軸受面14に押し込まれ続けるので油膜力および剛性は高い状態で維持される。この場合、連続して安定した油膜が形成されるので、高回転精度が得られ、軸振れやNRRO、ジッタ等が低減される。また、軸1と軸受部材2が非接触で回転するために低騒音であり、しかも低コストである。
ところで、ハウジング3は軸受部材2を保持する部材であり、例えば真ちゅう等で円筒状に形成される。ハウジング3の内径面3bには、軸受部材2の外径面2aが接着によって固定される。接着としては、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bとを隙間嵌めの状態で接着した、いわゆる隙間接着が採用される。隙間接着は、ハウジング3の内周に軸受部材2をすきまばめ(JIS B 0401−1参照)することで互いに対向するハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aとの間に径方向隙間15(図4参照)を形成し、この径方向隙間15に介在させた接着剤17を硬化させることで両者を固定する方法であり、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面2bを隙間嵌めで嵌合させた状態で、両面間の隙間に接着剤17を注入し、毛細管力で隙間の奥に引き込むことにより行われる。この他、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面2bのどちらか一方に接着剤を塗布した上で、両者を隙間嵌めで嵌合させてもよい。
隙間接着により、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bの間に、硬化した接着剤17からなる接着剤層18(図4参照)が形成される。接着剤層18は、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bの間の隙間の全域にわたって形成する他、当該隙間の一部領域(軸方向の一部領域、あるいは円周方向の一部領域等)に限って形成してもよい。
また、ハウジング3の開口部には、図2と図3に示すように、樹脂あるいは金属製のシール部材20が装着されている。シール部材20は、リング状の第1部20aとこの第1部の外周縁部から垂下される円筒形状の第2部20bとからなる。この場合、ハウジング3の孔部の開口部側には、大径部21が形成され、この大径部21にシール部材20が内嵌される。
そして、シール部材20の第2部20bの内径面20b1には、軸受部材2の外径面2aが接着によって固定される。接着としては、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bと同様、隙間接着が採用される。軸受部材2の開口側外径面2a1とシール部材20の第2部20bの内径面20b1を隙間嵌めで嵌合させた状態で、両面間の隙間に接着剤17を注入し、毛細管力で隙間の奥に引き込むことにより行われる。
すなわち、図5に示すように、ハウジング23の開口部の内径面21a(大径部の内径面)と、この内径面21aに対向する軸受部材2の開口側外径面2a1との間に空間30を設け、この空間30にシール部材20の第2部材20bを嵌入させている。
この他、軸受部材2の外径面2a1とシール部材20の第2部20bの内径面20b1のどちらか一方に接着剤を塗布した上で、両者を隙間嵌めで嵌合させてもよい。このように隙間接着することにより、軸受部材2の外径面2a1とシール部材20の第2部20bの内径面20b1との間に、硬化した接着剤17からなる接着剤層18(図4参照)が形成される。また、シール部材20の第2部20bの外径面20b2とハウジング3の大径部21の内径面21aとは、圧入もしくはルーズな嵌合とする。
軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bとの接着および軸受部材2の外径面2a1とシール部材20の第2部20bの内径面20b1との接着に用いる接着剤17としては、空気との遮断により硬化する嫌気性の接着剤、エポキシ系等のような加熱硬化型の接着剤、紫外線の照射で硬化する紫外線硬化型の接着剤等が知られている。本実施形態では、公知の接着剤を任意に使用することができる。
また、シール部材20が、大径部21に嵌着された際には、第1部20aの表面(上面20a1)がハウジング3の開口端面3cと同一平面上に形成される。この場合、第2部20bのハウジング奥側の端面20b3が大径部21の端面21bに当接した状態となっている。そして、第1部20aと軸受部材2の開口側(ハウジング3の開口側)の端面2cとの間に空間25が設けられる。
また、ハウジング3の内部には、軸方向に延びる軸方向通油路11および径方向に延びる径方向通路12が形成される。図2に示す実施形態において、軸方向通油路11は、軸受部材2の外径面2aとハウジング3の内径面3bとの間に形成される。この場合、軸受部材2の外径面に軸方向に延びる軸方向溝2a1を設け、軸方向溝2a1とハウジング3の内径面3bとで画成された隙間により、軸受部材2の外径面に沿う軸方向通油路11が形成されている。軸受部材2の下側端面には、環状溝2b1と環状溝2b1の内径側に位置する複数の半径方向溝2b2とが設けられ、環状溝2b1および半径方向溝2b2と、ハウジング3の底面(底壁3aの内面)とで形成される隙間により、軸受部材2の下側端面に沿う半径方向通油路12が形成されている。また、軸受部材2の上端面には、径方向溝2cが形成されている。
なお、軸方向通油路11および半径方向通油路12は、図2および図3に示す形態には限定されない。例えば軸方向溝をハウジング3の内径面に形成してもよい。
ところで、軸受部材2は、金属粉末を含む原料粉を金属内で圧縮成形することによって圧粉体を形成し、この圧粉体を所定条件で焼結することによって焼結体を形成し、この焼結体に、サイジング(再圧縮)、洗浄等を施した後、潤滑剤(潤滑油)を含油させることになる。すなわち、軸受部材2の内部に潤滑油を含油するが、通常、軸受部材2の内部が密封された流体動圧軸受装置に潤滑油を含浸する際、一度、軸受部材2の内部を減圧して、圧力差により軸受部材2の内部に潤滑油を含浸する。
次に前記のように構成される動圧型軸受ユニットの組立方法を説明する。まず、ハウジング3の底壁3aの凹部13aにスラストワッシャ10を配置して、軸受部材2をハウジング3に挿入する。このとき、ハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aとはすきまばめとする。その後、ハウジング3の開口部の内径面21a(大径部21の内径面)と、この内径面21aに対向する軸受部材2の開口側外径面3b1との間に形成される空間30に接着剤17を塗布(供給)する。このため、ハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aのすきまの毛細管現象により、接着剤17が前記すきまに満たされるが、軸受部材2の内径面から吸引することで、接着剤17を前記すきま内に満たすこともでき、ハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aとが接着剤層18を介して接着される。
その後、シール部材20を挿入する。この際、シール部材20の第2部20bの内径面20b1と軸受部材2の外径面2a1とはすきまばめとし、シール部材20の第2部20bの外径面20b2とハウジング3の開口側内径面21aとは圧入もしくはルーズとする。これによって、シール部材20の内径面20b1と軸受部材2の外径面2a1のすきまの毛細管現象により、接着剤17がこのすきまに満たされ、シール部材20の内径面20b1と軸受部材2の外径面2a1とが接着剤層18を介して接着される。
次に、軸受部材2の内径に潤滑油を注油し、軸1を挿入すると、軸受ユニットの組立を完了する。その際、潤滑油の油面は、軸受部材2の上端面未満となるような注油量とする。
本発明によれば、ハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aとの空間がなくなるので、動圧力の逃げが無くなり、さらに軸受部材2とハウジング3間の十分な締結強度を確保することができる。
すなわち、本発明では、軸受部材2の外径面2aをハウジング3の内径面3b及びシール部材20の第2部20bの内径面20b1により保持することで、ハウジング3の内径面3bと軸受部材2の外径面2aとの空間がなくなる。このため、動圧力の逃げを防止できるため、動圧力の損失を低減でき、且つ、十分な締結強度を確保することが可能となるので信頼性の高い動圧型軸受ユニットが得られる。
前記実施形態では、ハウジング3の開口部の内径面21aと、この内径面21aに対向する軸受部材2の外径面2a1との間に、シール部材20の第2部材20bが嵌入する空間30を設けることができる。このように空間30を設けることにより、組立時には、接着剤17を塗布する塗布溜り空間を有することになり、接着剤塗布時に接着剤17が軸受部材2の内径面2bに飛散することを防止できる。さらに、接着剤塗布後に挿入するシール部材20により、前記空間30を塞ぐことで、未硬化接着剤が残ることを防止できる。ハウジング3と軸受部材2とを接着剤17を使用して固定する場合においても、未硬化接着剤が潤滑油と触れることが無いので、潤滑油を劣化させることが無い。
ハウジング3の開口部が上方に開口している状態で注油された潤滑油の油面は、軸受部材2のハウジング3の開口側の端面である上端面未満とされるのが好ましい。このように構成することによって、潤滑油の油面と軸受部材2の上端面2cに対向するシール端面との間に一定の空間を設けることで、オイル漏れを防止する効果が期待できる。
前記接着剤17に、嫌気性接着剤を用いるのが好ましい。嫌気性接着剤とは、空気(酸素)が遮断されるとともに、金属と接触することによって、硬化する接着剤である。すきまはめによる固定を可能にし、組立作業の簡素化と精度緩和による機械加工費低減に貢献する。特に、空間30にシール部材20の第2部が嵌入されるので、接着剤17が空気(酸素)から遮断されて、軸受部材2が強固にハウジング3に固定でき、高品質の動圧型軸受ユニットを提供できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、動圧型軸受ユニットとして、情報機器用スピンドルモータのスピンドル支持用に用いることができる。ここで、情報機器用スピンドルモータには、例えば、CD−R/RW、DVD−ROM/RAMなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、HDDなどの磁気ディスクを駆動するスピンドルモータ、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)や複写機のポリゴンスキャナモータなどが含まれる。
銅鉄系の焼結金属の多孔質体からなる軸受部材2を使用したが、銅を含むその他の焼結金属(例えば、銅−ステンレス鋼系の焼結金属や、銅−鉄−ステンレス鋼系の焼結金属)で形成された軸受部材2を使用する場合や、焼結金属以外の多孔質体、例えば多孔質樹脂で形成された軸受部材2を使用する場合にも好ましく適用することができる。また、本発明は、黄銅等の軟質金属や樹脂材料等、非多孔質材料で形成された軸受部材2を使用する場合にも適用することができる。
また、本発明は、軸1を回転側、軸受部材2を静止側とした動圧型軸受ユニットのみならず、軸1を静止側、軸受部材2を回転側とした動圧型軸受ユニットにも好ましく適用することができる。
1 軸
2 軸受部材
2a 外径面
2c 端面
3 ハウジング
17 接着剤
18 接着剤層
20 シール部材
20a 第1部
20b 第2部
20b1 内径面

Claims (5)

  1. 含油焼結金属からなり、支持すべき軸との間に軸受隙間を有し、軸との相対回転で軸受隙間に生じた油の動圧により軸を非接触支持する軸受部材と、軸受部材が収容され、一端が開口で他端が閉じられたハウジングと、ハウジングの開口部をシールするシール部材とを備えた動圧型軸受ユニットであって、
    前記シール部材は、リング状の第1部とこの第1部の外周縁部から垂下される円筒形状の第2部とからなり、第2部がハウジングの開口部に内嵌され、軸受部材が、軸受部材の外径面とハウジングの内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤層を介してハウジングの内周に固定されるとともに、軸受部材が、軸受部材の外径面と第2部の内径面との間の径方向隙間に形成された接着剤層を介して軸受部材の外径面をシール部材の内周に固定されることを特徴とする動圧型軸受ユニット。
  2. ハウジングの開口部の内径面と、この内径面に対向する軸受部材の外径面との間に、シール部材の第2部材が嵌入する空間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の動圧型軸受ユニット。
  3. ハウジングの開口部が上方に開口している状態での注油された潤滑油の油面は、軸受部材のハウジングの開口側の端面である上端面未満とされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動圧型軸受ユニット。
  4. 前記接着剤に、嫌気性接着剤を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の動圧型軸受ユニット。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の動圧型軸受ユニットを用いたことを特徴とするモータ。
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JP2009180294A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Mitsumi Electric Co Ltd 動圧軸受式モータ
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