JP2020187345A - 空間光位相変調用液晶配向部材、空間光変調素子及び立体表示装置 - Google Patents

空間光位相変調用液晶配向部材、空間光変調素子及び立体表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、容易に液晶の配向性を制御することができ、画素電極のピッチが3μm以下の空間光変調素子を得ることができる、空間光位相変調用液晶配向部材提供することを主目的とする。【解決手段】 本開示は、シリコン基板と、マトリクス状に3μm以下の周期で並んで配置された画素電極とを具備した基台部と、基台部上に配置され、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造と、液晶を充填するための複数の液晶充填用微細空間とを有し、格子状の壁構造は、少なくとも、隣接する前記画素電極が形成された画素領域間に配置され、液晶充填用微細空間は、基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有することを特徴とする、空間光位相変調用液晶配向部材を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、空間光位相変調用液晶配向部材、空間光変調素子及び立体表示装置に関するものである。
立体ディスプレイは、テレビ放送やテレビ電話といった放送・通信分野だけでなく、医療や製造業、教育をはじめとする様々な分野での応用が期待されている。近年では Augmented reality(AR)技術や Virtual reality(VR)技術の発達とともに、立体像や仮想空間を立体表示する立体ディスプレイが提案されている。中でもホログラフィックディスプレイは、立体視の生理的要因をすべて満たす自然な立体表示を可能とするため、次世代の立体ディスプレイとして実用化が期待されている。ホログラフィックディスプレイはレーザー光源などの干渉性の高い光を変調し、物体の光の波面を再現し、立体画像を表示するディスプレイである。光源の光はホログラムを表示した光変調素子により変調され、光が伝搬する過程で生じる干渉により物体の光の波面が再現される。光変調素子の変調方式としては、二次元的な光の振幅分布を再現する振幅方式と、光の位相分布を再現する位相方式(位相変調素子)が存在する。この中でも位相方式は前者に比べ光の利用効率が高く、また再生像の観察を妨害する1次回折光が抑制可能であるという利点を有しているため、実用化に向けて有用な方式と考えられている。
液晶を用いた空間光位相変調素子LCOS−SLM(Liquid Crystal on Silicon−Spatial Light Modulator)は、透明な共通電極を有するガラス基板と、シリコンバックプレーン上に並び反射板を兼ねた駆動電極で液晶を挟んだ構造をとる反射型の光デバイスである。液晶と基板の界面には配向膜と呼ばれる高分子薄膜が塗布形成されており、液晶分子は配向膜から受ける配向規制力により分子の長軸方向が面内で1方向に定められると同時に、長軸が基板に対して水平な方向になるように束縛される。このため、電界を印加していないときは、液晶は基板に水平に配向する。このとき、液晶分子の長軸方向に平行に振動する直線偏光を入射すると、入射光が感じる屈折率は高い状態となる。一方、電界を印加した場合、液晶分子は誘電率異方性により、電気力線の方向と長軸が平行に近づくように液晶分子が回転するため、入射した直線偏光が感じる屈折率は低い状態となる。この結果、ON状態の画素を反射する光と、OFF状態の画素を反射する光との間で位相に差が生じるため、各画素での電界の印加により位相の二次元分布を変調することが可能である。
Y. Isomae, Y. Shibata, T. Ishinabe, and H. Fujikake, "Design of 1−maikurom−pitch liquid crystal spatial light modulators having dielectric shield wall structure for holographic display with wide field of view," Opt. Rev., vol. 24, no. 2, pp. 165-176, Apr. 2017.DOI: 10.1007/s10043−017−0316−0
Y.Isomae et al., Experimental study of 1−μm−pitch light modulation of a liquid crystal separated by dielectric shield walls formed by nanoimprint technology for electronic holographic displays, Opt. Eng. 57(6), 061624 (2018).
ホログラフィックディスプレイは光の干渉により物体光を再現するため、再生像が観察可能な角度範囲(視域角)は空間光位相変調素子の画素ピッチによって決定される最大回折角に依存する。
本発明者らは、実用的なホログラフィックディスプレイを実現するために必要な画素ピッチについて調査を行った。具体的には、タブレットのような携帯端末を卓上に置いて使用する視聴環境を想定し、50cm離れた位置に一辺20cmの大きさの像を再生することを考える。この場合、理論的に30°の視域角が必要となる。30°の視域角を実現する場合、位相変調素子に要求される画素ピッチはおよそ1μmとなる計算結果を得ている。
しかし、現在、実現されている位相変調素子の最小の画素ピッチは3.74μmであり、光の波長を550nmとすると、視域角は8.4°となる。以上より、実用的なホログラフィックディスプレイを実現するためには空間光位相変調素子の画素の狭ピッチ化が必要である。
本発明者らは、更に、画素ピッチを1μmと仮定した場合の液晶配向方位のシミュレーションを行った。結果を図7に示す。図7(a)はON状態(5V)の画素とOFF状態(0V)の画素が交互に並んだ状態における等電位線分布および液晶配向分布であり、図中の実線は0.5Vきざみの等電位線を示したものである。71は液晶配向方位、72は共通電極(0V)、73は画素電極を示す。本結果からON状態の画素からOFF状態の画素に電界がもれ出していることがわかる。さらに、液晶の配向分布に注目すると、OFF状態の画素における一部の液晶が回転したことがわかる。しかし、OFF状態の画素内の等電位線分布に着目すると、液晶層の下部では、横方向にもれ出す電界が著しいが、液晶層の上部でのもれ出し電界の強度は液晶を回転させるには不十分である。このことは、電界のもれ出しだけでなく、液晶配向の弾性力がOFF状態の画素の液晶に伝搬されていることを示唆している。液晶配向の弾性力が配向変化に及ぼす効果を明確化するために、電界を印加せず、ON状態の画素を想定した垂直配向の液晶を配置した場合のシミュレーション結果を図7(b)に示した。電界を印加しない状態においても、液晶配向の弾性力の伝搬のみによりOFF状態の画素の液晶が回転した。このことから、1μmピッチ程度の微小な画素では、電界のもれ出しと液晶配向の弾性力の伝搬により画素ごとの独立した駆動が困難となり、コントラストが低下することが判明した。
また、連続弾性体理論に基づくシミュレーションによると、画素ピッチが3μm以下となると画素電極を駆動させた際の電界が隣接画素上まで伝播し、一部の液晶が回転してしまう事が明らかとなった(非特許文献1参照)。
また本発明者らは、このような背景から、画素構造として、誘電体シールド壁構造を提案してきた(非特許文献2)。誘電体シールド壁構造とは、画素と画素の間に誘電体の壁を形成したものである。図8では、くし歯電極81における隣接する画素領域間に、誘電体シールド壁構造82が形成されている。83は透明基板、84は配向膜、85は共通電極、86はガラス基板である。
ここで、液晶デバイスでは、画素電極側、対向電極(共通電極)側の双方に配向膜の形成が必要となるが、上記技術のような高アスペクト構造の誘電体シールド壁構造を形成した後に、画素電極側へ配向膜を形成する事は困難であることが判った。例えば液晶フラットパネルディスプレイの製造工程にて主流となっているラビング法や光配向法を用いる場合、高アスペクト構造体が形成された基板上へ配向膜材料を塗布する事が難しいという問題があった。従って、液晶の配向の制御が難しく、液晶の配向の向きを揃えることが難しいという問題があった。また、液晶配向膜は通常、ポリイミド等の有機材料を用いられるが、LCOSへ高照度の光を照射する場合等に耐光性が課題となるといった問題もあった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、容易に液晶の配向性を制御することができ、画素電極のピッチが3μm以下の空間光変調素子を得ることができる、空間光位相変調用液晶配向部材を提供することを主目的とする。
本開示は、シリコン基板と、上記シリコン基板表面に設けられた、マトリクス状に3μm以下の周期で並んで配置された画素電極とを具備した基台部と、上記基台部上に配置され、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造と、上記格子状の壁構造によって互いに区切られた、上記基台部上の、液晶を充填するための複数の液晶充填用微細空間とを有し、上記格子状の壁構造は、少なくとも、隣接する上記画素電極が形成された画素領域間に配置され、上記液晶充填用微細空間は、上記基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有することを特徴とする、空間光位相変調用液晶配向部材を提供する。
本開示の空間光位相変調用液晶配向部材であれば、液晶を充填し光変調素子とした際に、画素ピッチが3μm以下と狭い場合であっても、隣接画素からの電界漏れ及び液晶弾性力の伝播を遮断することができる。また、同時に、画素ピッチが3μm以下と狭い画素電極の各々に対応する1又は2以上の液晶充填用微細空間が、基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有していることで、その構造自体が液晶配向機能を持つため、液晶の配向を揃えることが可能となる。
本開示においては、上記マトリクス状に並んで配置された画素電極の、マトリクス方向と一致する方向に第1の軸をとり、上記基台部と平行な平面における前記第1の軸と直行する方向に第2の軸をとり、前記液晶充填用微細空間における、第1の軸方向の空間幅をA、第2の軸方向の空間幅をBとした場合に、Aが3μm以下となり、かつAがBよりも小さい値であることが好ましい。それぞれの空間幅がこのような値であれば、液晶配向部材として充分な液晶配向機能を持たせる事が可能となり、空間光変調素子として充分な位相変調の範囲を得る事ができる。
また、本開示では、上記格子状の壁構造が、隣接する上記画素領域間を区切る壁部、及び、上記各画素領域を2以上に区分する間仕切り部から構成されることが好ましい。
このように壁部及び間仕切り部から構成される格子状の壁構造であれば、容易に、液晶充填用微細空間を、基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有するものとすることができるために好ましい。
また、上記格子状の壁構造の厚みが、50nm以上400nm以下であることが好ましい。
このような厚みであれば、十分な液晶充填用微細空間を確保することができる。更に、液晶を充填し光変調素子とした際に、隣接画素からの電界漏れ及び液晶弾性力の伝播を確実に遮断することができ、また、基台部上に配向膜がない場合であっても、液晶の配向を揃えることが可能となる。
またこの場合、上記格子状の壁構造が、500nm〜3000nmの高さを有することが好ましい。
このような高さであれば、液晶を充填し光変調素子とした際に、隣接画素からの電界漏れ及び液晶弾性力の伝播を確実に遮断することができ、また、基台部上に配向膜がない場合であっても、液晶の配向を揃えることが可能となる。
本開示においては、上記マトリクス状に並んで配置された画素電極の、マトリクス方向と一致する方向に第1の軸をとり、上記基台部と平行な平面における上記第1の軸と直行する方向に第2の軸をとり、上記液晶充填用微細空間における、第1の軸方向の空間幅をA、第2の軸方向の空間幅をBとした場合に、Aに対するBの比(B/A)が2以上であることが好ましい。この範囲内であれば、基台部平面における互いに直交する方向での形状異方性が十分であるため、確実に、充填する液晶の弾性を活用して液晶の配向を制御することが可能となる。
本開示では、入射した光を反射しつつ、入射光および反射光の位相を制御する反射型空間光位相変調素子であって、透明基板と、上記透明基板の一方の主面に配置された共通電極と、上記共通電極の上記透明基板とは反対側の主面に配置される、上述した空間光位相変調用液晶配向部材と、上記空間光位相変調用液晶配向部材における上記液晶充填用微細空間に充填された液晶層と、を有することを特徴とする、空間光変調素子を提供する。
本開示においては、液晶配向機能を更に安定化させることを目的に、上記共通電極と、上述した空間光位相変調用液晶配向部材の間に配向膜を配置してもよい。
また、本開示では、上述した空間光変調素子と、上記画素電極を駆動するための駆動手段を具備することを特徴とする立体表示装置を提供する。
本開示の空間光変調素子及び立体表示装置であれば、画素電極のピッチが3μm以下といった狭ピッチの場合でも、各々の画素で独立して容易に液晶の配向性を制御することが可能となる。
本開示においては、各々の画素で独立して、容易に液晶の配向性を制御することができ、画素電極のピッチが3μm以下の空間光変調素子を得ることができる、といった作用効果を奏する。また、本開示により超高精細なプロジェクタや、光回折を用いたホログラフィックディスプレイなどに有用な空間光変調素子や立体表示装置を提供できる。
本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の一例を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の他の一例を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の他の一例を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の他の一例を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の他の一例を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調用液晶配向部材の他の一例を示す上面図及び概略断面図である。 画素ピッチを1μmと仮定した場合の液晶配向方位のシミュレーションを行った結果を示すグラフである。 (a)誘電体シールド壁構造を配置した位相変調素子の概略断面図、及び、(b)誘電体シールド壁構を設けた配向部材のSEM像である。 比較例1で製造した空間光位相変調用液晶配向部材を示す上面図及び概略断面図である。 本開示の空間光位相変調素子の一例を示す概略断面図である。 実施例及び比較例1における、偏光顕微鏡観察結果である。 実施例で使用した空間光位相変調素子サンプルの斜視図および平均透過率比の算出結果である。 実施例における平均透過率比Rの比の算出結果である。 参考例における平均透過率比Rの比の算出結果である。
以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
また、本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造を、少なくとも、隣接する上記画素電極が形成された画素領域間に配置することで、電界のもれ出しを抑制し、液晶を空間的に分断することにより、画素間で生じる液晶配向の弾性力の伝搬を遮断することができ、更に、この壁構造によって区切られた液晶充填用微細空間に、基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を持たせることによって、液晶の弾性を活用して配向を規制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
A.空間光位相変調用液晶配向部材
本開示の空間光位相変調用液晶配向部材は、シリコン基板と、上記シリコン基板表面に設けられた、マトリクス状に3μm以下の周期で並んで配置された画素電極とを具備した基台部と、上記基台部上に配置され、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造と、上記格子状の壁構造によって互いに区切られた、上記基台部上の、液晶を充填するための複数の液晶充填用微細空間とを有し、上記格子状の壁構造は、少なくとも、隣接する上記画素電極が形成された画素領域間に配置され、上記液晶充填用微細空間は、上記基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有することを特徴とするものである。
本開示の空間光位相変調用液晶配向部材であれば、格子状の壁構造が、少なくとも、隣接する上記画素電極が形成された画素領域間に配置され、液晶充填用微細空間が格子状の壁構造によって区分けされたものであるため、液晶を充填し光変調素子とした際に、画素ピッチが3μm以下と狭い場合であっても、隣接画素からの電界漏れ及び液晶弾性力の伝播を遮断することができる。また、同時に、画素ピッチが3μm以下と狭い画素電極の各々に対応する1又は2以上の液晶充填用微細空間が、基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有していることで、その構造自体に液晶配向機能を持たせることができるため、基台部上に配向膜がない場合であっても、液晶の配向を揃えることが可能となる。そのため、各々の画素で独立して、容易に液晶の配向性を制御することが可能となる。
このような本開示の空間光位相変調用液晶配向部材(以下、単に配向部材ともいう)について図を参照して説明する。図1(A)は、本開示の配向部材の一例を示す上面図、図1(B)は図1(A)のA−A’概略断面図である。図1に例示するように、本開示の配向部材100は、基板1と基板表面に設けられた、マトリクス状に3μm以下の周期で形成された画素電極2とを具備する基台部3と、上記基台部3上に配置され、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造4を有する。図1では、格子状の壁構造4は、壁部41と間仕切り部42とから構成されている。格子状の壁構造4は、少なくとも、隣接する上記画素電極2が形成された画素領域間に配置されている。格子状の壁構造4により区切られた各液晶充填用微細空間5は、基台部平面における互いに直交する方向(図1においてはX軸方向とY軸方向)で形状に異方性を有する。尚、図1では、1つの画素電極2上に、2つの液晶充填用微細空間5が形成されている。また、図1では、格子状の壁構造4と基台部3との間にベース層6が存在している。以下、本開示の配向部材について、詳細に説明する。
1.シリコン基板
本開示において、画素電極が設けられる基板はシリコン基板である。シリコン基板は、画素電極の周期が3μm以下といった微細なデバイスを作製することが可能である。
上記シリコン基板の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常280μm〜775μmの範囲内とされる。また、その平面視上の大きさは、通常50mmφ〜300mmφ程度とされる。
2.画素電極
本開示における表示画素を駆動するための画素電極は、シリコン基板表面に、マトリクス状に3μm以下の周期で配置されている。これらの画素電極によって、空間光変調素子の複数の画素が規定される。「マトリクス状」とは、X軸方向のみに配列されている一次元マトリクス状であってもよいし、X軸方向及びX軸方向に直交するY軸方向に配列されている二次元マトリクス状であってもよい。通常は、画素電極は二次元マトリクス状に配列されている。
本開示において、画素電極の周期とは、隣接する画素電極の中心間距離をいう。また、画素電極が一次元マトリクス状に配列されている場合には、隣接する画素電極の周期が3μm以下であり、画素電極がX軸方向及びY軸方向に二次元マトリクス状に配列されている場合には、X軸方向及びY軸方向の周期が同じ場合にはその周期が3μm以下であり、異なる場合には短い方の周期が3μm以下である。本開示においては、画素電極が二次元マトリクス状に配列されている場合にはX軸方向及びY軸方向の周期のいずれもが3μm以下であることが好ましい。
このように画素ピッチが3μm以下と狭い場合であっても、本開示の配向部材であれば、液晶を充填し光変調素子とした際に、液晶の制御を画素領域ごとに独立して行うことができる。
なお、本開示においては、上記周期は3μm以下(このとき視域角は10.5°以上となる)であればよいが、1μm以下であると実用的視域角30°が得られるため好ましい。
画素電極の表面は、通常、平坦かつ滑らかに加工されており、シリコン基板上の画素電極は、反射板としての機能を有する。
画素電極としては、導電性を有する材料からなるものであれば特に限定されないが、Al、Cr、Cu、Ag、Ta、Mo、Nd、及びこれらの合金等が挙げられる。更に表面に反射率の高い誘電体多層膜を積層してもよい。
画素電極の平面視形状は、特に限定されないが、通常、矩形、正方形のいずれかである。また、画素電極の大きさは、画素電極の周期が3μm以下となる大きさであれば特に限定されない。
画素電極の厚さとしては、導電性が確保できる厚さであれば特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。
また、画素電極の配置については、XY方向のマトリクス状であることが望ましいが、それに限るものではない。
画素電極の形成方法としては、所望の厚さおよびパターンとなるように形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な画素電極の成膜方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、導電ペーストを塗布する方法、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、メッキ法等が挙げられる。
3.基台部
本開示における基台部は、少なくとも、シリコン基板と、画素電極とを備える。シリコン基板と、画素電極は、それぞれ、上記「1.シリコン基板」、「2.画素電極」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
4.格子状の壁構造
本開示における格子状の壁構造は、基台部に形成され、誘電体材料からなり、線状凸部が組み合わされた構造を有する。
本開示において格子状の壁構造を構成する材料は、誘電体材料であり、かつ、ナノインプリント法、エッチング法等の微細加工が可能な材料であれば特に限定されない。誘電体材料の中でも、低誘電体材料で形成されていることが好ましく、特には、比誘電率が4.0以下、更に好ましくは2.0以下の材料で形成されていることが好ましい。
ナノインプリント加工が可能な材料としては、具体的には、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられるが、特には、光硬化性樹脂であることが好ましい。また、光硬化性樹脂である場合は透明樹脂であることが好ましい。
このような格子状の壁構造を構成する材料としては、中でも、アクリル系樹脂、塗布型ガラス、ガラス等が好ましい。
また、上記材料に黒色顔料を混入した材料を用いることで、変調されていない光を吸収することができる。このような黒色顔料としては、後述する「A.空間光位相変調用液晶配向部材 7.その他 (2)光吸収層」の項で説明するものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
格子状の壁構造は、複数の線状凸部が組み合わされた構造であり、好ましくは、互いに直交した線状凸部が組み合わされた構造である。
図1で示されるように、格子状の壁構造4と基台部3との間には、ベース層6があってもよい。このようなベース層6は、格子状壁構造4を配置する際の製造工程において通常形成されるものであるが、形成後に除去されていてもよい。図2に、本開示の配向部材がベース層を備えない場合の概略図を示す。
格子状の壁構造の厚さは、特に限定されないが、50nm以上400nm以下であることが好ましく、更には、200nm以下であることが好ましい。
ここで、格子状の壁構造の厚さとは、図1中(W41)(W42)で示すように、線状凸部の非交差部分における厚さをいう。
また、上記格子状の壁構造の高さは特に限定されないが、500nm以上3000nm以下の高さを有することが好ましく、更には、800nm以上1500nm以下であることが好ましい。
ここで、図1中(H)で示すように、配向部材100がベース層6を備える場合には、格子状の壁構造4の高さとは、ベース層6の面内方向に対して直交する方向におけるベース層6の第一面6Aから、壁構造4(線状凸部)の頂部4Aまでの長さをいう。また、図2に示されるように、配向部材100がベース層6を備えないものである場合、格子状の壁構造4の高さは、シリコン基板1の面内方向に対して直交する方向におけるシリコン基板1の第1面1Aから壁構造4(線状凸部)の頂部4Aまでの長さを意味するものとする。
本開示において、壁構造4に含まれるすべての線状凸部の高さHが上記数値範囲内であってもよいが、一部の線状凸部の高さが上記数値範囲外であってもよい。壁構造4の高さHは、例えば、走査型電子顕微鏡等を用いて測定され得る。
本開示においては、図1に示すように格子状の壁構造4は、隣接する画素領域間に設けられる壁部41と、1つの画素領域を2以上に区分する間仕切り部42に大別することができる。以下、壁部と間仕切り部についてそれぞれ詳述する。
(1)壁部
壁部は、隣接する画素領域間を区切るように、即ち、各画素領域を囲むように設けられる。図1のように画素領域が形状異方性を持たない場合には、後述する間仕切り部を設ける必要があるが、図3に示すように、画素領域自体が形状異方性を有する場合には、壁部41のみで格子状の壁構造4が構成されていてもよい。尚、図3(A)では、説明の便宜上ベース層6を省略した。
(a)厚み
壁部の厚さは、特に限定されないが、200nm以上400nm以下であることが好ましい。更に好ましくは、200nm以上250nm以下である。上記値以下であれば、十分な広さの液晶充填用微細空間を確保することができる。また、上記値以上であれば、確実に、隣接する画素からの電界の漏れ出し及び液晶配向の弾性力の伝播を遮断することができるため、充填する液晶の配向を制御することが可能となる。
(b)高さ
壁部の高さは、特に限定されないが、500nm以上3000nm以下であることが好ましく、更には、800nm以上1500nm以下であることが好ましい。
このような高さ(即ち液晶層の厚み)であれば、理想的な変調量である2πに対して充分な幅の位相変調が可能となる。
(2)間仕切り部
間仕切り部は画素領域を2以上に区分するものである。2以上に区分する場合には、液晶の配向が制御可能な限り、特に限定されないが、画素電極の配列方向であるX軸方向、Y軸方向のいずれか一方又は両方に設けられる。また、間仕切り部は、通常は、画素領域が完全に区分されるように、壁部との間に隙間ができないように壁部に連結して形成されることが望ましいが、連結しなくてもよい。なお、通常は上記間仕切り部は、画素領域を2以上に等区分するものである。
間仕切り部は、1つの画素領域を2以上に区分するように、即ち、1つの画素領域に対応する液相充填用微細空間が2以上形成されるように、設けられる。図4に、1つの画素領域を3つに等区分するように間仕切り部42が設けられている態様の上面図(A)及び概略断面図(B)を示す。尚、図4(A)では、便宜上ベース層6を省略した。
(a)厚み
間仕切り部の厚さは、特に限定されないが、50nm以上400nm以下であることが好ましく、更に好ましくは、50nm以上200nm以下である。この厚み以下であれば、充分な開口率を確保し、光利用効率を上げることが可能となる。
(b)高さ
間仕切り部の高さは、特に限定されないが、500nm〜3000nmであることが好ましく、更には、500nm以上1500nm以下であることが好ましい。
このような高さであれば、液晶充填用微細空間に液晶配向機能を持たせるのに十分である。
本開示において、図1に示すように、壁部41と間仕切り部42の高さは同一であってもよいし、図5に示すように、壁部41と間仕切り部42の高さは異なっていてもよい。
このように、間仕切り部と壁部との高さが異なる場合は、通常は壁部の高さより間仕切り部の高さが小さくなるように形成される。この場合、壁部の高さを100とした場合の間仕切り部の高さは、50以上であることが好ましく、特に80以上であることが好ましい。上記範囲より間仕切り部の高さが小さい場合は、液晶配向機能が十分では無くなる可能性があるからである。
5.液晶充填用微細空間
本開示における複数の液晶充填用微細空間は、格子状の壁構造によって互いに区切られており、即ち、各液晶充填用微細空間は線状凸部により囲まれた空間である。この液晶充填用微細空間は、液晶が配向する程度に、基台部平面における互いに直交する方向で形状に異方性を有する。このように異方性を有する空間であることにより、充填する液晶の配向性の制御が可能となる。
特には、各液晶充填用微細空間は、画素電極の配列方向であるX軸方向とY軸方向で形状に異方性を持つことが好ましく、中でも、X軸方向とY軸方向とで辺の長さが異なることが好ましい。このような液晶充填用微細空間のXY面形状としては、特に限定されないが、長方形や楕円、平行四辺形といった、長辺(長軸)と短辺(短軸)を有する形状が挙げられる。
本開示においては、上記マトリクス状に並んで配置された画素電極の、マトリクス方向と一致する方向、すなわち上記短辺(短軸)方向に第1の軸をとり、上記記基台部と平行な平面における上記第1の軸と直行する方向、すなわち上記長辺(長軸)方向に第2の軸をとり、上記液晶充填用微細空間における、第1の軸方向の空間幅をA、第2の軸方向の空間幅をBとした場合に、Aが3μm以下となり、かつAがBよりも小さい値であることが好ましい。第1の軸方向の空間幅Aは短い方が好ましく、0.6μm以下が好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
また、上記液晶充填用微細空間における上記短辺(短軸)方向に対する長辺(長軸)方向の長さの比(即ち、Aに対するBの比(B/A))は、おおよそ2以上であることが好ましく、特に2.5以上であると好ましい。なお、上限については、特に限定されるものではなく無限大であっても良いが、通常は、10以下とすることができる。この範囲内であれば、基台部平面における互いに直交する方向での形状異方性が十分であるため、確実に、充填する液晶の弾性を活用して液晶の配向を制御することが可能となる。
液晶充填用微細空間の底部は、図1に示されるように、上記凸状構造体を形成する過程において残った誘電体からなるベース層6があっても良いし、図2に示されるように、このようなベース層が除去され、画素電極2が露出していてもよい。
6.用途
本開示の空間光位相変調用液晶配向部材は、入射した光を反射しつつ、入射光および反射光の位相を制御する反射型空間光変調素子用の液晶配向部材として好適に使用される。
また、本開示の配向部材であれば、液晶の制御を画素領域ごとに独立して行うことができる、画素ピッチが3μm以下の光変調素子を得ることができる。従って、本開示の空間光位相変調用液晶配向部材を表示装置に使用した場合、再生像が観察可能な角度範囲を広く確保することができるため、超高精細なプロジェクタや、光回折を用いたホログラフィックディスプレイ、立体表示装置等に好適に使用することができる。
7.その他
(1)密着層
本開示においては、基台部と、凸状構造体との密着性を高めるために、密着層を形成することができる。密着層としては、基台部と、凸状構造体との密着性を高めることができるものであれば特に限定されず、密着層材料として公知の材料を使用することができ、シランカップリング材などが挙げられる。
(2)光吸収層
変調されていない光の出射防止の為に、画素電極が形成されている領域(画素領域)を除く基台部表面や、格子状の壁構造の表層に光吸収層を設けることが好ましい。光吸収層としては、例えば、バインダー樹脂および黒色顔料を含有することができる。黒色顔料としては、例えば、低次酸化チタンや酸窒化チタン等のチタンブラック、カーボンブラック等が挙げられる。また、光吸収剤の主成分となるバインダー樹脂は、感光性樹脂を含有することが好ましい。感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂をバインダー樹脂の樹脂成分として用いることができる。なお、バインダー樹脂は、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤等の、公知の各種添加剤を含むことができる。
(3)切り欠き、スペーサー
液晶の充填時の流動性を向上させるために、格子状の壁構造の頂部に、部分的に、スペーサーが形成されていてもよい。図6は、格子状の壁構造における線状凸部の交差部上に、スペーサー61が形成されている態様を示す概略図である。このようなスペーサーを設けることによって、スペーサー形成箇所の高さを他の壁構造の高さと異なるものとすることができ、液晶を流動性良く充填することができる。このスペーサーは、格子状の壁構造と同じ材料で一体に形成することができる。また、液晶の充填時の流動性を向上させるために、格子状の壁構造の頂部には、切り欠き部を部分的に設けても良い。
8.製造方法
次に、本開示の空間位相変換用液晶配向部材の製造方法の一例を示す。本開示の空間光位相変調用液晶配向部材は、画素電極を有するシリコン基板上に、格子状の壁構造を配置することで製造することができる。本開示における格子状の壁構造は、公知の様々な高精細パターンを形成するための加工技術を用いて製造することができ、例えば、ナノインプリント法やエッチング法等が挙げられ、特にナノインプリント法で形成することが好ましい。ナノインプリント法による製造方法としては、基台部上に、光硬化性樹脂等の誘電体材料で誘電体層を形成し、対応するパターンを有するモールドを押し付け、その後光照射等による硬化を行い、モールドを除去することで製造することができる。また、別途ナノインプリント法等により格子状の壁構造を準備し、この格子状の壁構造を基台部上に密着させることにより、製造することもできる。
B. 空間光変調素子
本開示の空間光変調素子の一例を示す概略断面図を図10に示す。図10に示すように、本開示の空間光変調素子101は、入射した光を反射しつつ、入射光および反射光の位相を制御する反射型空間光位相変調素子101であって、透明基板8と、上記透明基板に形成された共通電極9と、配向膜10と、上述した空間光位相変調用液晶配向部材100と、上記空間光位相変調用液晶配向部材における上記液晶充填用微細空間に充填された液晶層7と、を有することを特徴とする。以下、本開示の空間光変調素子について説明する。
1.透明基板
透明基板は、空間光変調素子の表面を構成しており、空間光変調素子の表面から入射した所定波長の光を、空間光変調素子の内部に透過する。透明基板としてはガラス材料や、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系をはじめ、既存のプラスチック基板を用いることができる。
2.共通電極
共通電極は透明基板の裏面上に形成されており、一般的な透明電極を使用することができる。具体的には、ITO、IZO等が挙げられる。
3.空間光位相変調用液晶配向部材
本開示の空間光変調素子に用いられる空間光位相変調用液晶配向部材は、上記「A.空間光位相変調用液晶配向部材」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
4.液晶層
本開示における液晶層は、通常、光変調素子に用いられる誘電率異方性を有する液晶であれば特に限定されず、例えば、応答性に優れたネマティック結晶が好ましく、特にシアノ系やフッ素系、ビフェニル系、ターフェニル系、トラン系の液晶が有用である。位相変調素子では短軸よりも長軸方向の誘電率が高い液晶材料のほうが、長軸方向と短軸方向の屈折率差が大きく、高い変調度を得やすい。そのため、分子の長軸方向のほうが高い誘電率を有する上記のネマティック液晶を用いることが好ましい。
液晶層は、各画素電極によって形成される電界に応じて光を変調する。すなわち、後述する駆動手段によって或る画素電極に電圧が印加されると、共通電極と画素電極との間に電界が形成される。そして、液晶層に印加された電界の大きさに応じて液晶分子の配列方向が変化する。光が透明基板及び共通電極を透過して液晶層に入射すると、この光は液晶層を通過する間に液晶配向構造によって変調され、画素電極において反射した後、再び液晶層により変調されてから取り出される。このとき、液晶分子は法面内でその配向方向が変化する。この結果、画素位置によって液晶層の屈折率が変化する。液晶層に入射した読み出し光はこの屈折率変化により位相変調され、画素電極により反射されて、入射面から再び出力される。
5.配向膜
液晶分子群を一定方向に配列させる為の規制力を強化し、プレチルト角を規定する為に、液晶層の共通電極側の端面に配向膜を形成しても良い。配向膜としては公知のものを用いることができるが、例えば、ポリイミド等の高分子材料からなり、液晶層との接触面にラビング処理等がされたもの、光照射により配向される光配向膜、SiOxの斜方蒸着膜等を適用することができる。
6.製造方法
本開示の空間光変調素子は、上述した空間光位相変調用液晶配向部材と、共通電極を有する透明基板との位置を合わせた状態で周辺をシール材などで固定し、液晶を真空下で注入、若しくは基板の貼り合わせ前に真空下で滴下することにより、製造することができる。
本開示においては、必要があれば、上記共通電極を有する透明基板上に予め配向部材を配置していてもよい。
また、透明基板側に、「A.空間光位相変調用液晶配向部材 4.格子状の壁構造」において説明した格子状の壁構造を配置し、液晶を注入した後に、これと「A.空間光位相変調用液晶配向部材 3.基台部」で説明した基台部とをシール材等で封止してもよい。
C.立体表示装置
本開示では、上述した空間光変調素子と、前記画素電極を駆動するための駆動手段を具備することを特徴とする立体表示装置を提供する。
1.空間光変調素子
本開示の立体表示装置に用いられる空間光変調素子は、上記「B.空間光変調素子」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.駆動手段
画素電極を駆動するための駆動手段は、空間光変調素子から出力しようとする光像に応じて各画素電極への印加電圧を制御する手段である。例えば、X軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第1のドライバ回路と、Y軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第2のドライバ回路とを有しており、双方のドライバ回路によって指定された画素の画素電極4と、共通電極との間に所定電圧が印加される。これにより、液晶層に電界が生じる。例えば、上記の空間光変調素子へ光を入射し、出射光の干渉を制御して三次元的な空間光画像を任意の位置へ形成する立体表示装置を構成することが出来る。若しくは、反射型の光学系を用いて眼鏡型の立体表示装置を構成することが出来る。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに具体的に説明する。尚、以下の実施例、比較例においては、偏向顕微鏡観察のため、シリコン基板の代わりにガラス基板を使用した。
(実施例1)
ガラス基板上に、平面形状が正方形(700nm×700nm)のCr画素電極をX軸及びY軸方向に二次元マトリクス状に1μmピッチで配置し、基台部とした。次いで、基台部上にアクリレートを主原料とした、光硬化性樹脂からなるアクリル樹脂層を形成し、ナノインプリント加工を施し、基台部に格子状の壁構造を設け、配向部材を製造した。格子状の壁構造は隣接する画素領域を区切る壁部、及び、各画素領域を2つに等区分する間仕切り部を有するものとした。壁部の幅が198nm、間仕切り部の幅が148nm、壁部及び間仕切り部の高さは共に812nm、ベース層の厚さは204nm、液晶充填用微細空間のX軸方向の長さは327nm、Y軸方向の長さは802nmであった。
(実施例2)
壁部の幅を198nm、間仕切り部の幅を169nm、壁部及び間仕切り部の高さを共に813nm、ベース層の厚さを204nm、液晶充填用微細空間のX軸方向の長さを320nm、Y軸方向の長さを808nmとした以外は、実施例1と同様の方法で、配向部材を製造した。
(実施例3)
壁部の幅を190nm、間仕切り部の幅を190nm、壁部及び間仕切り部の高さを共に810nm、ベース層の厚さを178nm、液晶充填用微細空間のX軸方向の長さを310nm、Y軸方向の長さを810nmとした以外は、実施例1と同様の方法で、配向部材を製造した。
(比較例1)
図9に示すように、ガラス基板91上に、平面形状が正方形(700nm×700nm)のCr画素電極92をX軸及びY軸方向に二次元マトリクス状に1μmピッチで配置し、基台部93とした。次いで、基台部上にアクリレートを主原料とした、光硬化性樹脂からなるアクリル樹脂層を形成し、ナノインプリント加工を施し、基台部に格子状の壁構造94を設け、配向部材90を製造した。格子状の壁構造は、隣接する画素領域を区切る壁部のみを有し、壁部の幅は196nm、壁部の高さは838nmであった。液晶充填用微細空間の基台部平面における形状は正方形であり、X軸方向、Y軸方向の長さは共に779nmであった。
(評価)
実施例1〜3、比較例1で製造した配向部材における液晶充填用微細空間に液晶材料を充填し、IZOからなる共通電極、配向膜が形成されたポリカーボネート基板を、ポリカーボネート基板が最表面となるように周辺をシール材で固定して重ねることにより、空間光変調素子を製造した。液晶材料としては、ネマティック液晶であるシアノビフェニル系E7(メルク社製)、配向膜として、ポリイミド系ラビング配向膜AL1254(JSR社製)を使用した。
なお、実施例1で製造した配向部材を使用した空間光変調素子の概略断面図を図10で示す。
2枚の偏光板を90°ずらしたクロスニコル状態に配置し、この偏光板の間に、実施例1で製造した配向部材を使用した空間光変調素子を配置し、明暗状態を観察した。図10で示すY軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が45°の時の偏向顕微鏡観察結果を図11(a)に、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が0°の時の偏向顕微鏡観察結果を図11(b)に示す。また、同様に、比較例1で製造した配向部材を使用した空間光変調素子についての、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が45°の時の偏向顕微鏡観察結果を図11(c)に、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が0°の時の偏向顕微鏡観察結果を図11(d)に示す。
実施例1では、図10で示すY軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が45°のとき、明状態となり(図11(a))、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が0°のとき、ほぼ完全に黒状態となった(図11(b))。また、実施例2、3も同様の結果となった。一方、比較例1では、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が45°のとき、実施例1〜3と比較すると透過率が低くなり(図11(c))、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が0°のとき、実施例1〜3と比較すると透過率が高くなり、黒状態とならなかった(図11(d))。以上により、実施例においては、本開示の格子状の壁構造によって、液晶の配向を揃えることができたと考えられる。
(実施例4−1〜4−7、比較例2)
格子状の壁構造によって区切られた液晶充填用微細空間のX軸方向の長さ(Lx(第一の軸方向の空間幅A))及び、Y軸方向の長さ(Ly)のアスペクト比([Ly/Lx])を変更して、下記方法で配向部材を製造し、液晶充填用微細空間の形状異方性が液晶の配向に与える影響を、後述する評価方法によって評価した。このとき、比較例2及び、実施例4−1〜4−6については概ねX軸方向の長さ(Lx)を小さくする事でアスペクト比を大きくしていったが、実施例4−7についてはY方向の長さ(Ly)を長くする事でアスペクト比を大きくし、実験を行なった。
ガラス基板上に、アクリレートを主原料とした、光硬化性樹脂からなるアクリル樹脂層を形成し、ナノインプリント加工を施し、ガラス基板上に、表1中のLxおよびLyを有する液晶充填用微細空間となるように格子状の壁構造を設け、配向部材サンプルを製造した。次いで、製造した配向部材における液晶充填用微細空間に液晶材料を充填し、配向膜が形成されたポリカーボネート基板を、ポリカーボネート基板が最表面となるように周辺をシール材で固定して重ね、空間光変調素子サンプルを作製した。液晶材料としては、ネマティック液晶であるシアノビフェニル系E7(メルク社製)、配向膜として、ポリイミド系ラビング配向膜AL1254(JSR社製)を使用した。尚、製造した空間光変調素子サンプルの概略斜視図を図12(a)に示す。51は基板、57は液晶、54は壁構造、60は配向膜を示す。
(評価方法)
2枚の偏光板を90°ずらしたクロスニコル状態に配置し、この偏光板の間に、製造した配向部材を使用した空間光変調素子サンプルを配置し、Y軸方向と偏光板の偏光方向の角度差が45°の時の明状態の平均透過率(T45°)と、角度差が0°の時の暗状態の平均透過率(T0°)との比(R)を以下の式で算出し、評価指標とした。
R=(T45°)/(T0°
液晶が均一に配向していると、偏光が液晶を通過する際に偏光軸が回転し、クロスニコルで配置した偏光板を透過する事となる。つまり、平均透過率の比Rが高いほど、均一に液晶が配向していることを示している。結果を表1、図12(b)に示す。
表1及び図12(b)の結果から、アスペクト比が1である比較例2に比べ、アスペクト比が1より大きい実施例は液晶の配向を揃えることができることが判った。特に、アスペクト比が2以上の場合(実施例4−4〜4−7)においては、平均透過率比が顕著に高くなった。ネマティック液晶は、液晶の弾性エネルギーが小さい状態に落ち着くように配向するが、比較例2のように格子壁のアスペクト比が小さい場合、液晶は格子を形成する4方向の高分子壁表面からいずれも同等程度の規制力を受け、その結果液晶配向は画素の内部で乱れて歪み不安定な状態となる。それに対し実施例4−4〜4−7のように、格子壁のアスペクト比を大きくすると、格子壁の長辺方向に平行な液晶配向状態が最も弾性エネルギーが小さくなり安定な状態となる為、長辺方向に均一な初期配向が実現されたと考えられる。
(実施例5−1〜実施例5−5)
格子状の壁構造によって区切られた液晶充填用微細空間のX軸方向の長さ(Lx)及び、Y軸方向の長さ(Ly)のアスペクト比を、実施例4において効果が実証された2以上(2.4〜2.7程度)にほぼ固定し、液晶充填用微細空間のサイズ(Lx、Ly)を変化させた以外は、実施例4と同様に配向部材を製造し、配向部材を使用した空間光変調素子サンプルを作製した。上記(評価方法)と同様の方法により平均透過率比Rを算出し、実施例5−1の平均透過率比を基準とした各実施例の平均透過率比Rの比を算出した。結果を表2、図13に示す。
表2により、Lx(第一の軸方向の空間幅A)の値が小さいほど平均透過率比が高いことが判った。特に、Lxが0.3μm以下(実施例5−3〜5−5)においては顕著に平均透過率比の比が高かった。実施例5−3〜5−5のように格子サイズが小さい場合、画素内に急な配向変形が強いられて弾性エネルギー密度が高まるため、長軸方向の配向がより支配的になり、その結果、配向分布の均一性が高まる結果となったと考えらえる。
(参考例1〜参考例5)
格子状の壁構造によって区切られた液晶充填用微細空間のX軸方向の長さ(Lx)の影響を調査するため、線状凸部が平行に配列した壁構造を形成し、Lxを変化させた以外は、実施例4と同様に配向部材を製造し、配向部材を使用した空間光変調素子サンプルを作製した。上記(評価方法)と同様の方法により平均透過率比Rを算出し、参考例1の平均透過率比を基準とした各参考例の平均透過率比Rの比を算出した。結果を表3、図14に示す。
表3から、Lxの幅が小さいほど平均透過率比は高く、例えば3μm以下であれば、平均透過率比がより高くなることが判った。これは、液晶充填用微細空間のX軸方向の長さ(Lx)が小さい、例えば3μm以下であれば、壁間にある液晶は強い規制力を受け、より確実に液晶の配向を揃えることができることが示唆されていると考えられる。
1 …シリコン基板
2 … 画素電極
3 … 基台部
4 … 格子状の壁構造
41… 壁部
42… 間仕切り部
5 …液晶充填用微細空間
6 …ベース層
7 …液晶層
8 …透明基板
9 …共通電極
10…配向層
100…空間光位相変調用液晶配向部材
101…空間光変調素子

Claims (9)

  1. シリコン基板と、前記シリコン基板表面に設けられた、マトリクス状に3μm以下の周期で並んで配置された画素電極とを具備した基台部と、
    前記基台部上に配置された、誘電体材料からなる、複数の線状凸部が組み合わされた格子状の壁構造と、
    前記格子状の壁構造によって互いに区切られた、前記基台部上の、液晶を充填するための複数の液晶充填用微細空間と、を有し、
    前記格子状の壁構造は、少なくとも、隣接する前記画素電極が形成された画素領域間に配置され、前記液晶充填用微細空間は、前記基台部平面における互いに直交する方向で形状異方性を有することを特徴とする、空間光位相変調用液晶配向部材。
  2. 前記マトリクス状に並んで配置された画素電極の、マトリクス方向と一致する方向に第1の軸をとり、前記基台部と平行な平面における前記第1の軸と直行する方向に第2の軸をとり、
    前記液晶充填用微細空間における、第1の軸方向の空間幅をA、第2の軸方向の空間幅をBとした場合に、Aが3μm以下となり、且つAがBよりも小さい値であることを特徴とする、請求項1に記載の空間光位相変調用液晶配向部材。
  3. 前記格子状の壁構造が、隣接する前記画素領域間を区切る壁部、及び、前記各画素領域を2以上に区分する間仕切り部から構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の空間光位相変調用液晶配向部材。
  4. 前記格子状の壁構造の厚みが、50nm以上400nm以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の空間光位相変調用液晶配向部材。
  5. 前記格子状の壁構造が、500〜3000nmの高さを有することを特徴とする、請求項4に記載の空間光位相変調用液晶配向部材。
  6. 前記マトリクス状に並んで配置された画素電極の、マトリクス方向と一致する方向に第1の軸をとり、前記基台部と平行な平面における前記第1の軸と直行する方向に第2の軸をとり、
    前記液晶充填用微細空間における、第1の軸方向の空間幅をA、第2の軸方向の空間幅をBとした場合に、Aに対するBの比(B/A)が2以上であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の空間光位相変調用液晶配向部材。
  7. 入射した光を反射しつつ、入射光および反射光の位相を制御する反射型空間光位相変調素子であって、
    透明基板と、前記透明基板における一方の面に配置された共通電極と、前記共通電極の前記透明基板とは反対側の面に配置される、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の空間光位相変調用液晶配向部材と、前記空間光位相変調用液晶配向部材における前記液晶充填用微細空間に充填された液晶層と、を有することを特徴とする、空間光変調素子。
  8. 前記共通電極と、前記空間光位相変調用液晶配向部材の間に、配向膜を配置することを特徴とする、請求項7に記載の空間光変調素子。
  9. 請求項7または請求項8に記載の空間光変調素子と、前記画素電極を駆動するための駆動手段を具備することを特徴とする立体表示装置。
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