JP2020186659A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Sho Watanabe
翔 渡邉
小林 義雄
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
俊平 山崎
Shumpei Yamazaki
俊平 山崎
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Abstract

【課題】フェイスシールが熱膨張あるいは熱収縮どちらが発生した場合においても、合口部の端面同士が互いに押し合い、シール性を向上することができ、生産性を低下させることなく信頼性の高いスクロール式流体機械を提供する。【解決手段】固定スクロールと、固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、固定スクロールと旋回スクロールとにより形成される吸込側の作動室をシールするフェイスシールと、を有するスクロール式流体機械であって、フェイスシール26は、周方向の合口部28を全て曲面で構成し、該曲面の一方側の第1の端面と、第1の端面と対応する曲面で構成された第2の端面と、を有し、第1の端面と第2の端面とが対向している構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール式流体機械に関する。
スクロール式流体機械は、固定スクロールと固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールを有し、固定スクロールと旋回スクロールとにより形成される圧縮室により流体を圧縮する。そして、圧縮室内への粉塵等の混入を防止するために圧縮室外縁部にフェイスシールが設けられている。また、フェイスシールには熱による膨張および収縮を吸収するために合口部が設けられている。一方、周囲に粉塵が多く存在する環境で運転を行う場合には、粉塵がフェイスシールの合口部より圧縮室内に混入する。粉塵が圧縮室内に混入した場合、圧縮室内のシール部材の摩耗を増加させ低寿命化を引き起こすほか、故障の原因となる。従って、フェイスシールの合口部のシール性が重要となる。
本技術分野に関する背景技術として、例えば特許文献1、及び、特許文献2がある。特許文献1には、熱による収縮に対応するためにフェイスシールに合口部を形成したスクロール式流体機械が記載されている。また、特許文献2には、防塵シールの合口部を斜線で形成したスクロール式流体機械が記載されている。
特開2003−42077号公報 WO2018/066615号公報
特許文献1に開示されたスクロール式流体機械は、フェイスシールの合口部を直線と同心円弧で形成している。そのため、熱膨張あるいは熱収縮した際にフェイスシール端部は周方向に移動するだけであり、径方向及び幅方向には膨張を考慮して隙間を設けているので、合口部をシールするための径方向及び幅方向へのシール性が不足するという問題がある。
また、特許文献2については、防塵シールの合口部を斜線で形成した構造や直線で構成された拡幅部を設けた構造としている。すなわち、防塵シールの合口部を斜線で形成した場合、熱膨張した際には防塵シールの端部が互いに押圧しあうようになる構造となるが、寒冷環境下においては熱収縮が発生し、端部が互いに離れる方向に移動してしまい、シール性がなくなるという問題がある。また、合口部に拡幅部を設けた構造では、合口部の相対する面が異なる形状をしており、加工が困難であり生産コストが高くなる他、漏れ通路を長くすることによるシール性向上を図っているだけであり、特許文献1と同様に、合口部をシールするための径方向及び幅方向へのシール性が不足するという問題がある。
上記問題点に鑑み、本発明は、フェイスシールの熱膨張および熱収縮どちらが発生した場合においても合口部のシール性を向上することを可能とし、生産性を損なうことなく信頼性の高いスクロール式流体機械を提供することを目的とする。
本発明は、上記背景技術及び課題に鑑み、その一例を挙げるならば、固定スクロールと、固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、固定スクロールと旋回スクロールとにより形成される作動室をシールするフェイスシールと、を有するスクロール式流体機械であって、フェイスシールは、曲面で構成された第1の端面と、第1の端面と対応する曲面で構成された第2の端面と、を有し、第1の端面と第2の端面とが対向している構成とする。
本発明によれば、フェイスシールが熱膨張あるいは熱収縮どちらが発生した場合においても、合口部の端面同士が互いに押し合うためシール性を向上することができ、生産性を低下させることなく信頼性の高いスクロール式流体機械を提供できる。
実施例1におけるスクロール式流体機械の断面図である。 実施例1における固定スクロールの正面図である。 実施例1におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。 実施例1における熱膨張時の合口部の拡大図である。 実施例1における熱収縮時の合口部の拡大図である。 実施例2におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。 実施例3におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。 実施例4におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。 実施例5におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。 従来技術におけるフェイスシールの合口部の拡大図である。
以下、本発明の実施例におけるスクロール式流体機械として、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて、図面に従って詳細に説明する。なお、実施例を説明するための各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。なお、圧縮機の圧縮室に相当する作動室に吸い込まれる作動流体としては窒素や酸素などの特定の気体やその他の混合ガスなど空気以外であってもよいし、蒸気などの気体と液体との混合物など圧縮性流体であれば良い。また、機械の種類も圧縮機に限らず、ポンプや送風機、真空ポンプ、冷凍機、膨張機など流体機械一般に本発明は利用可能である。
図1は、本実施例におけるスクロール式空気圧縮機の断面図である。図1に示すように、スクロール式空気圧縮機のケーシング1は、筒状に形成されると共に、旋回スクロール8の外側に設けられ、その内部に駆動軸15を回転可能に支持している。
ケーシング1の開口側に設けられた固定スクロール2は、軸線O−Oを中心として略円板状に形成された鏡板3と、鏡板3の表面となる歯底面に軸方向に立設された渦巻状のラップ部4と、ラップ部4を取囲んで鏡板3の外径側に設けられた筒状の外周壁部5と、鏡板3の背面に突設された複数の冷却フィン6とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部4は、例えば最内径端を巻始め端として、最外径端を巻終り端としたときに、内径側から外径側に向けて例えば4巻前,後の渦巻状に巻回されている。そして、ラップ部4の歯先面は、相手方となる旋回スクロール8の鏡板9の歯底面から所定の軸方向寸法だけ離間している。
また、ラップ部4の歯先面には、ラップ部4の巻回方向に沿ってシール溝4A,4Bが設けられ、シール溝4A,4B内には、旋回スクロール8の鏡板9に摺接するシール部材としてのチップシール7A,7Bが設けられている。さらに、外周壁部5は、略円形状をなして固定スクロール2の端面に開口している。そして、外周壁部5は、旋回スクロール8のラップ部10との干渉を避けるため、ラップ部10の径方向外側に配置されている。
ケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロール8は、固定スクロール2の鏡板3と対向して配置された略円板状の鏡板9と、鏡板9の表面となる歯底面に立設された渦巻状のラップ部10と、鏡板9の背面に突設された複数の冷却フィン11とによって大略構成されている。冷却フィン11の先端側には、駆動軸15に接続される背面プレート12が設けられている。
ここで、ラップ部10は、固定スクロール2のラップ部4とほぼ同様に、例えば3巻前後の渦巻状をなしている。そして、ラップ部10の歯先面は、相手方となる固定スクロール2の鏡板3の歯底面から所定の軸方向寸法だけ離間している。また、ラップ部10の歯先面には、ラップ部10の巻回方向に沿ってシール溝10A,10Bが設けられ、シール溝10A,10B内には、固定スクロール2の鏡板3に摺接するシール部材としてのチップシール13A,13Bが設けられている。
また、背面プレート12の中央側には、旋回軸受14a、軸受ハウジング14bを介して駆動軸15のクランク部15Aと連結される筒状のボス部14が一体形成されている。このとき、駆動軸15の一端側には、ケーシング1の外部に位置してプーリ15Bが設けられ、このプーリ15Bは、例えば駆動源としての電動モータの出力側にベルト(いずれも図示せず)等を介して連結されている。これにより、駆動軸15は、電動モータ等によって回転駆動し、固定スクロール2に対して旋回スクロール8を旋回運動させる。
また、プーリ15Bにはボルト等を用いて冷却ファン16が取付けられ、冷却ファン16は、ファンケーシング17内で冷却風を発生させる。これにより冷却ファン16は、冷却風をファンケーシング17内のダクト等に沿ってケーシング1の内部や固定スクロール2、旋回スクロール8の背面側に送風し、ケーシング1、固定スクロール2、旋回スクロール8等を冷却する。
さらに、背面プレート12とケーシング1との間には、旋回スクロール8の自転を防止する例えば3個の自転防止機構としての補助クランク18(1個のみ図示)が設けられている。補助クランク18は、ケーシング1と背面プレート12にそれぞれ形成された補助クランクボス部18c、18d内に補助クランク軸受18a、18bを介して配置されている。
固定スクロール2と旋回スクロール8との間に設けられた複数の圧縮室19は、ラップ部4,10の間に位置して径方向外側から径方向内側にわたって順次形成され、チップシール7A,7B,13A,13Bによって気密に保持されている。そして、各圧縮室19は、旋回スクロール8が順方向に旋回運動するときに、ラップ部4,10の径方向外側から径方向内側に向けて移動しつつ、これらの間で連続的に縮小される。
これにより、各圧縮室19のうち径方向外側に位置する圧縮室19Aには、後述する吸込口20から外部の空気が吸込まれ、この空気は径方向内側に位置する圧縮室19Bに達するまでに圧縮されて圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は吐出口22から吐出され、外部の貯留タンク(図示せず)に貯えられる。
固定スクロール2の外径側に設けられた吸込口20は、鏡板3の外径側から外周壁部5にかけて開口し、径方向外側に位置する圧縮室19Aに連通している。また、吸込口20は、固定スクロール2の鏡板3のうち旋回スクロール8のラップ部10の径方向外側に位置して、チップシール13Bが摺接しない範囲(非摺動領域)に開口している。そして、吸込口20は、例えば大気圧の空気を吸込フィルタ21を通じて径方向外側に位置する圧縮室19A内に空気を吸込むものである。
なお、吸込口20は、加圧された空気を吸込む構成としてもよい。この場合、吸込フィルタ21を取外して、加圧空気が供給される配管に吸込口20を接続する構成としてもよい。
固定スクロール2の鏡板3の径方向内側(中心側)に設けられた吐出口22は、径方向内側に位置する圧縮室19Bに連通し、この圧縮室19B内の圧縮空気を外部に吐出させるものである。
固定スクロール2のラップ部4より径方向外側に位置するフランジ24は、固定スクロール2をケーシング1にケーシング1のフランジ1a部で固定するものである。固定スクロール2とケーシング1との位置合わせは位置決め穴27にて位置決め部材を挿通することにより行われる。
旋回スクロール8の鏡板9と対面する固定スクロール2の端面に設けられたフェイスシール溝25は、外周壁部5の径方向外側に位置し、外周壁部5を取囲む円環状に形成されている。また、フェイスシール溝25内には円環状のフェイスシール26が取付けられている。そして、フェイスシール26は、固定スクロール2の端面と旋回スクロール8の鏡板9との間を気密にシールし、これらの間から外周壁部5内に塵埃などが侵入するのを防止している。
次に、本実施例におけるスクロール式空気圧縮機の動作について説明する。まず、電動モータ等の駆動源(図示せず)により駆動軸15を回転駆動すると、旋回スクロール8は、自転防止機構によって自転が防止された状態で、駆動軸15の軸線O−Oを中心として旋回運動を行ない、固定スクロール2のラップ部4と旋回スクロール8のラップ部10間に画成される圧縮室19は連続的に縮小する。これにより、固定スクロール2の吸込口20から吸込んだ空気は各圧縮室19で順次圧縮しつつ、固定スクロール2の吐出口22から圧縮空気として外部のタンク(図示せず)に向け吐出することができる。
次に、本実施例におけるスクロール式空気圧縮機の冷却構造について説明する。冷却ファン16によって発生した冷却風は、ファンケーシング17内のダクト等に沿ってケーシング1の内部や各スクロール2、8の背面側に流通し、ケーシング1、固定スクロール2、旋回スクロール8等を冷却する。
従って、スクロール式圧縮機の周囲に粉塵が多く存在する粉塵環境下では、粉塵が冷却風に乗り固定スクロール2や旋回スクロール8に届くことになる。そのため、フェイスシール26により固定スクロール2の端面と旋回スクロール8の鏡板9との間をシールすることが重要となる。
図2は、本実施例における固定スクロール2の正面図である。図2において、フェイスシール26は、耐摩耗性や摺動性に優れた材質で形成する必要があるため、通常固定スクロール2よりも高い線膨張係数を有する。従って圧縮運転中や、あるいは氷点下などの寒冷環境下では、フェイスシール26と固定スクロール2に熱膨張差または熱収縮差が生じる。そのため、フェイスシール26には、熱による膨張や収縮を吸収するために合口部28が設けられている。合口部28を設けない場合、フェイスシール26とフェイスシール溝25の間で熱変形量差による突っ張りが生じ、フェイスシール26が歪み、シール性能が悪化する。
図3は、図2におけるフェイスシール26の合口部28の拡大図である。図3に示すように、本実施例においては、合口部28を全て曲面で構成している。すなわち、フェイスシール26の合口部28は曲線a1−a2で示される第1の端面EF1と、曲線b1−b2で示される第2の端面EF2で構成される。第1の端面EF1の曲線a1−a2は、フェイスシール26の径方向外側に突出した面c1を有し、第2の端面EF2の曲線b1−b2は、フェイスシール26の径方向内側に突出した面c2を有する。面c1と面c2の突出量wc1、wc2は、フェイスシール26の幅をwとしたとき、wc1>(w−wc2)およびwc2>(w−wc1)で示される。
なお、図3の構成を言い換えれば、第1の端面EF1は、円環状となる円環の径方向、すなわち半径方向、の厚さが、円環状となる円環の周方向で異なる。また、図3に示したように、第1の端面EF1は、円環状となる円環の径方向の内周側から外周側に向かう第1の領域R1と、円環状となる円環の径方向の外周側から内周側に向かう第2の領域R2と、円環状となる円環の径方向の内周側から外周側に向かう第3の領域R3がフェイスシール26の先端部から中央部に向かって存在する。さらには、フェイスシール26は、円環状となる円環の径方向と直行する方向から見た場合、曲線で構成された第1の端面と、第1の端面と対応する曲線で構成された第2の端面を有し、第1の端面と第2の端面とが対向して配置されている。
次に、本実施例における合口部28のシール機能の特徴を、図10に示す従来構造の合口部28と比較して説明する。従来の合口部28は、図10に示すように、直線e1−e2とフェイスシール26の外径あるいは内径と同心円弧の曲線e2−e3と直線e3−e4で構成される第1の端面EF1と、直線e5−e6と同心円弧曲線e6−e7と直線e7−e8で構成される第2の端面EF2とで形成される。従来構造において、圧縮運転により固定スクロール2とフェイスシール26に温度上昇が発生し熱膨張が生じた場合には、フェイスシール26の合口部28はフェイスシール26の外径あるいは内径の同心円弧に沿って伸長する(図10の矢印f1およびf2)。熱膨張により第1の端面EF1が第2の端面EF2まで到達するまでは、第1の端面EF1と第2の端面EF2の間は隙間がある状態となり、その隙間を通って粉塵が圧縮室内に到達してしまう。また、第1の端面EF1と第2の端面EF2の隙間は、スクロール式空気圧縮機が使用上の最高温度に到達した場合に隙間がなくなるように設計されるため、それまでの間は隙間が開いた状態となる。また、フェイスシール26の径方向内側は吸込み口に連通しているため、運転中には負圧となり第2の端面EF2が第1の端面EF1に引き寄せられて、それぞれの曲線e2−e3と曲線e6−e7間が接した状態となることが考えられるが、粉塵が多く存在する粉塵環境下ではシール性が不足する。
図4は、本実施例における熱膨張時の合口部28の拡大図である。図4に示すように、熱膨張により矢印f1およびf2の方向にフェイスシール26の外径あるいは内径の同心円弧に沿って伸長する。第1の端面EF1の端点a1は第2の端面EF2の端点b2に到達した後、更に熱膨張が進んだ場合に、フェイスシール26の内径26aとフェイスシール溝25の内壁25aとの間に潜り込んで挟まっていき、第1の端面と第2の端面が互いに押し合い強いシール性を発揮する。また、第2の端面EF2の端点b1は第1の端面EF1端点a2に到達した後、同様にフェイスシール26の外径26bとフェイスシール溝25の外壁25bとの間に潜り込んで挟まっていき、第2の端面EF2と第1の端面EF1が互いに押し合い強いシール性を発揮する。そして、熱膨張により第1の端面EF1が第2の端面EF1に到達し、それからそれぞれの端点a1、b1が内壁25aと外壁25bの間に挟まっていくため、従来構造より幅の広い温度範囲でシール性を発揮することができる。特に、第1の端面EF1および第2の端面EF2は曲面で構成されているため、接したまま滑らかに移動していくため、常にシール性を向上することができる。また、曲面で形成されているため合口部28の寸法変化が小さく応力集中が発生せず強度の面でも優れている。また、軸方向で見れば線接触となるのでシール性は面接触よりも高くなる。
次に、氷点下などの寒冷環境下における本実施例のシール機能の特徴を図10に示す従来構造の合口部28と比較して説明する。図10に示すように、従来構造においては、寒冷環境下の場合熱収縮が発生し、第1の端面EF1は矢印g1に示す方向へ、第2の端面EF2は矢印g2に示す方向へフェイスシール26の外径あるいは内径と同心円弧に沿って収縮する。従って、第1の端面EF1と第2の端面EF2の間の隙間は広がりシール性能が悪化する。
図5は、本実施例における熱収縮時の合口部28の拡大図である。図5に示すように、熱収縮により第1の端面EF1は矢印g1方向に、第2の端面EF2は矢印g2の方向へ収縮する。その際、それぞれの突出部c1とc2の裾野部分の接触点hで互いに強く接触する。第1の端面EF1と第2の端面EF2は曲面で形成されているため、この接触点hは熱収縮量により曲面を滑るようにg1あるいはg2方向へ移動したり、弾性変形により接触範囲が増えたりする。接触点hは熱収縮量により移動するが、常に接した状態であり移動中常にシール性を発揮することができる。
また、本実施例の第1の端面EF1と第2の端面EF2はお互いに対応する形状となっており、例えば端面と同様形状の刃物で円環状のフェイスシール26を切断するだけで容易に形成できるという効果もある。
以上のように、本実施例によれば、フェイスシールが熱膨張あるいは熱収縮したとき、どちらにおいても合口部のシール性を向上できることから圧縮機の信頼性向上を図ることができる。さらに、加工も容易なため生産性を悪化させることもない。
図6は、本実施例におけるフェイスシール26の合口部28の拡大図である。図6に示すように、本実施例においては、合口部28を全て曲面で構成し、第1の端面EF1は複数の径方向外側に突出した面i1、i2を有し、第2の端面EF2は複数の径方向内側に突出した面i3、i4を有している。
突出した面を複数備えることにより、熱膨張や熱収縮した際に接触する点が実施例1よりも増えシール性が向上する。また、漏れ通路が長くかつ複雑になるため粉塵の侵入が低減できる。
なお、図6においては、突出した面を2つとしたが、2つ以上でも構わない。2つ以上とした場合には、更にシール性を向上することができる。
以上のように、本実施例によれば、フェイスシール26が熱膨張あるいは熱収縮したときどちらにおいても合口部のシール性を更に向上することができ、スクロール式空気圧縮機の信頼性を更に向上させることができる。
図7は、本実施例におけるフェイスシール26の合口部28の拡大図である。図7に示すように、本実施例においては、合口部28を全て曲面で構成し、第1の端面EF1は径方向外側に突出した面c1を有し、第2の端面EF2は径方向内側に突出した面c2を有している。そして、第1の端面EF1の突出量wc1より第2の端面EF2の突出量wc2を小さくしている。なお、図7においては、wc1>wc2としたがwc1<wc2としても良い。すなわち、第1の端面EF1と第2の端面EF2の突出量に差を付けることで、突出量が少ない方の端面の強度を突出量が多い方の端面より低下させ変形しやすくしている。従って、本実施例においては合口部28のシール性が更に向上する。
図8は、本実施例におけるフェイスシール26の合口部28の拡大図である。図8に示すように、本実施例においては、合口部28を全て曲面で構成し、フェイスシール溝25の内壁25aの半径Rkiとフェイスシール26の内径26aの半径RfiをRki>Rfiとしている。
Rki>Rfiとすることで、フェイスシール溝25にフェイスシール26を組付ける際にフェイスシール26を引っ張りながら取り付ける必要があるので、圧縮運転などによってフェイスシール26が熱変形する前から合口部28において第1の端面と第2の端面が接触し、合口部28のシール性を向上することができる。
また、フェイスシール溝25の外壁25bの半径Rkoとフェイスシール26の外径26bの半径RfoをRko<Rfoとしても良い。Rko<Rfoとした場合においても、フェイスシール26が熱変形する前から合口部28において第1の端面と第2の端面が接触するので、合口部28のシール性を向上することができる。
以上のように、本実施例においては熱変形が無いか小さい場合においても合口部28のシール性を向上することができる。
図9は、本実施例におけるフェイスシール26の合口部28の拡大図である。図9に示すように、本実施例においては、固定スクロール2に第2のフェイスシール溝29を設け、第2のフェイスシール溝29の中に第2のフェイスシール30を設けた。
また、フェイスシール26と第2のフェイスシール30の合口部28は、それぞれ曲面で構成された第1の端面EF1とそれに対応する第2の端面EF2で構成されている。フェイスシール26の第1の端面EF1と第2の端面EF2の曲率と、第2のフェイスシール30の第1の端面EF1と第2の端面EF2の曲率は異なっている。
例えば、フェイスシール26の第1の端面EF1と第2の端面EF2の曲率を小さくし、温度上昇が小さい場合でも効果を発揮するように設計し、第2のフェイスシール30の第1の端面EF1と第2の端面EF2の曲率を大きくし、温度上昇が大きい場合に効果を発揮するように設計することで、本実施例においてはより幅の広い温度範囲においてシール性を向上することができる。
なお、本実施例の説明においては、フェイスシールを2本としたが複数本であっても構わない。複数本設置することにより、更に広い温度範囲においてシール性を向上することができる。
以上、実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加える事も可能である。
1:ケーシング、2:固定スクロール、8:旋回スクロール、19:圧縮室、20:吸込口、22:吐出口、25:フェイスシール溝、25a:フェイスシール溝の内壁、25b :フェイスシール溝の外壁、26:フェイスシール、26a :フェイスシールの内径、26b :フェイスシールの外径、28:合口部、29:第2のフェイスシール溝、30:第2のフェイスシール

Claims (10)

  1. 固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとにより形成される作動室をシールするフェイスシールと、を有し、
    前記フェイスシールは、曲面で構成された第1の端面と、前記第1の端面と対応する曲面で構成された第2の端面と、を有し、
    前記第1の端面と前記第2の端面とが対向していることを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 請求項1に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記フェイスシールが円環状に形成されており、前記第1の端面の曲面が前記円環状となる円環の径方向外側に突出した面を有し、前記第2の端面の曲面が前記円環状となる円環の径方向内側に突出した面を有することを特徴とするスクロール式流体機械。
  3. 請求項2に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記フェイスシールが、前記固定スクロールに設けられた円環状のフェイスシール溝に配置されており、
    前記フェイスシール溝の径方向の幅をw、前記第1の端面の径方向外側に突出した面の突出量をwc1、前記第2の端面の径方向内側に突出した面の突出量をwc2としたとき、wc1>(w−wc2)およびwc2>(w−wc1)の関係を有することを特徴とするスクロール式流体機械。
  4. 請求項2に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記第1の端面が前記径方向外側に突出した面を複数有し、
    前記第2の端面が前記径方向内側に突出した面を複数有することを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. 請求項2に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記第1の端面の前記径方向外側に突出した面の突出量と、前記第2の端面の前記径方向内側に突出した面の突出量とが異なることを特徴とするスクロール式流体機械。
  6. 請求項2に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記フェイスシールが、前記固定スクロールに設けられた円環状のフェイスシール溝に配置されており、
    前記フェイスシール溝の径方向内壁の半径をRki、前記フェイスシールの径方向内径の半径をRfi、前記フェイスシール溝の径方向外壁の半径をRko、前記フェイスシールの径方向外径の半径をRfoとしたとき、Rki>Rfi、または、Rko<Rfoの関係を有することを特徴とするスクロール式流体機械。
  7. 請求項1に記載のスクロール式流体機械であって、
    前記フェイスシールが、前記固定スクロールに設けられた円環状のフェイスシール溝に配置されており、
    前記フェイスシールと前記フェイスシール溝とを複数有することを特徴とするスクロール式流体機械。
  8. 固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとにより形成される作動室をシールするフェイスシールと、を有し、
    前記フェイスシールは、第1の端面と、前記第1の端面と対応する第2の端面とを有し、前記第1の端面と前記第2の端面とが対向して円環状に配置されており、
    前記第1の端面は、前記円環状となる円環の径方向の厚さが、前記円環状となる円環の周方向で異なることを特徴とするスクロール式流体機械。
  9. 固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとにより形成される作動室をシールするフェイスシールを有し、
    前記フェイスシールは、曲面で構成された第1の端面と、前記第1の端面と対応する曲面で構成された第2の端面を有し、前記第1の端面と前記第2の端面とが対向して配置されており、
    前記第1の端面は、前記円環状となる円環の径方向の内周側から外周側に向かう第1の領域と、前記円環状となる円環の径方向の外周側から内周側に向かう第2の領域が前記フェイスシールの先端部から中央部に向かって存在することを特徴とするスクロール式流体機械。
  10. 固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して配置される旋回スクロールと、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールとにより形成される作動室をシールするフェイスシールを有し、
    前記フェイスシールは、円環状に形成されており、前記円環状となる円環の径方向と直行する方向から見た場合、曲線で構成された第1の端面と、前記第1の端面と対応する曲線で構成された第2の端面を有し、
    前記第1の端面と前記第2の端面とが対向して配置されていることを特徴とするスクロール式流体機械。
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