JP2020186453A - 炭素鋼、放射性物質収納容器、遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法 - Google Patents

炭素鋼、放射性物質収納容器、遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法 Download PDF

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将司 大崎
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Abstract

【課題】中性子遮蔽性能を有する炭素鋼等を提供する。【解決手段】鉄Feと炭素Cと微量元素とを含む炭素鋼において、微量元素は、ケイ素Siと、マンガンMnとを含み、炭素Cの含有割合は、0.05wt%以上0.35wt%以下となっており、ケイ素Siの含有割合は、0.1wt%以上0.5wt%以下となっており、マンガンMnの含有割合は、0.5wt%以上1.5wt%以下となっている。より好ましくは、炭素Cの含有割合は、0.30wt%となっており、ケイ素Siの含有割合は、0.30wt%となっており、マンガンMnの含有割合は、1.30wt%となっている。【選択図】図2

Description

本発明は、炭素鋼、放射性物質収納容器、遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法
に関するものである。
従来、中性子を遮蔽する遮蔽材として、中性子を遮蔽する元素であるガドリニウムGdを含んだ放射線遮蔽材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−8656号公報
中性子を含む放射線を遮蔽する放射線遮蔽材は、炭素鋼等の鋼材に比べて高価なものとなっている。ところで、中性子を遮蔽する遮蔽構造として、炭素鋼と中性子遮蔽材とを組み合わせたものがある。一般的に、炭素鋼は、中性子を遮蔽する効果を期待されてはいないことから、中性子の遮蔽は、中性子遮蔽材にて行われるように、遮蔽構造が設計される。この場合、中性子遮蔽材の厚みが厚くなり、中性子遮蔽材の使用量が多くなってしまう。
そこで、本発明は、中性子遮蔽性能を有する炭素鋼、放射性物質収納容器、遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法を提供することを課題とする。
本発明の炭素鋼は、鉄Feと炭素Cと微量元素とを含む炭素鋼において、前記微量元素は、ケイ素Siと、マンガンMnとを含み、前記炭素Cの含有割合は、0.05wt%以上0.35wt%以下となっており、前記ケイ素Siの含有割合は、0.1wt%以上0.5wt%以下となっており、前記マンガンMnの含有割合は、0.5wt%以上1.5wt%以下となっている。
また、本発明の放射性物質収納容器は、上記の炭素鋼を用いて形成されると共に、内部に放射性物質を収容する容器本体と、前記容器本体の外側に設けられる中性子遮蔽材と、を備える。
また、本発明の遮蔽性能の解析方法は、炭素鋼の中性子遮蔽性能を解析する遮蔽性能の解析方法であって、中性子を放射する線源の解析モデルとなる線源モデルと、炭素鋼の解析モデルとなる鋼材モデルとを生成するステップと、前記鋼材モデルに対して、前記炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、前記元素の含有割合とを設定するステップと、中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、前記鋼材モデルにより前記線源モデルからの中性子を遮蔽する遮蔽性能を解析するステップと、を備える。
また、本発明の遮蔽構造の設計方法は、上記の中性子遮蔽性能の解析方法によって得られた、前記鋼材モデルの遮蔽性能に関する解析結果に基づいて、中性子の遮蔽構造を設計する遮蔽構造の設計方法であって、前記遮蔽構造は、炭素鋼を用いて形成される構造部材と、前記構造部材に設けられる中性子遮蔽材とを含み、前記線源モデルと、前記構造部材の解析モデルとなる構造モデルと、前記中性子遮蔽材の解析モデルとなる遮蔽材モデルとを生成するステップと、前記構造モデルに対して、前記解析結果に基づく前記炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、前記元素の含有割合とを設定するステップと、前記遮蔽材モデルに対して、前記中性子遮蔽材に含まれる元素の核データを設定するステップと、中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、前記構造モデル及び前記遮蔽材モデルにより前記線源モデルからの中性子を遮蔽する遮蔽性能を解析するステップと、を備える。
本発明によれば、中性子遮蔽性能を有するものとすることができる。
図1は、本実施形態に係るキャスクに関する概略構成図である。 図2は、炭素鋼に含まれる微量元素の含有割合と中性子遮蔽性能を示す図である。 図3は、炭素鋼の中性子遮蔽性能を示すグラフである。 図4は、本実施形態に係る遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法に用いられる解析装置に関する概略構成図である。 図5は、遮蔽性能の解析方法において用いられる解析モデルに関する説明図である。 図6は、本実施形態に係る遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法に関するフローチャートである。 図7は、遮蔽構造の設計方法において用いられる解析モデルに関する説明図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[本実施形態]
(キャスク)
図1は、本実施形態に係るキャスクに関する概略構成図である。放射性物質収納容器としてのキャスク11は、内部に放射性物質を収容する容器となっている。キャスク11は、胴部12と蓋部13とバスケット14とから構成されている。
胴部12は、胴本体(容器本体)21の一方、つまり、上部に開口部22が形成され、他方、つまり、下部に底部23が形成された有底の円筒形状をなしており、内部に放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を収納可能となっている。すなわち、胴本体21は、内部にキャビティ24が設けられ、このキャビティ24は、その内面がバスケット14の外周形状に合わせた形状となっている。
バスケット14は、複数の放射性物質(図示略)を個々に収納するセルを複数有している。バスケット14は、図1に示すようにバスケット本体14Aを有する。バスケット本体14Aは、互いに平行かつ所定間隔で配置されるセルとしての放射性物質収納部14Bが上下方向で連続して形成されている。上下方向とは、キャスク11において胴部12の円筒形状の中心軸に沿う方向であり、胴本体21の上下方向に相当する。そして、胴本体21は、下部に底部23が溶接により結合されており、この胴本体21および底部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっている。
胴部12は、胴本体21の外周側に所定の隙間を空けて外筒25が配設されており、胴本体21の外周面と外筒25の内周面との間に、熱伝達を行う図示しない銅製の伝熱フィンが周方向に等間隔で複数溶接されている。そして、胴部12は、胴本体21と外筒25との空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽材)26が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。
また、胴部12は、底部23の下側に複数の連結板43により所定の隙間を空けて底板28が連結されていてもよく、この連結板43と底板28との空間部にレジン(中性子遮蔽材)29が設けられている。更に、胴部12は、外周部における所定の位置にトラニオン41が固定されている。
胴部12における胴本体21の開口部22を閉塞する蓋部13は、一次蓋部31と二次蓋部32によって構成されている。また、三次蓋が設けられる場合もある。一次蓋部31は、γ線を遮蔽するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋部32も、ステンレス鋼製または炭素鋼製の円盤形状であるが、その内部にレジン(中性子遮蔽材)33が封入されている。この一次蓋部31および二次蓋部32は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボルト(図示略)により胴本体21の上端部に着脱自在に取付けられている。この場合、一次蓋部31および二次蓋部32と胴本体21との間に、それぞれ図示しない金属ガスケットが介装され、内部の密封性を確保している。なお、レジン33は、一次蓋部31の内部に設けられていてもよく、一次蓋部31にのみ設けられていてもよい。
ここで、図2及び図3を参照して、胴本体21等に用いられる炭素鋼について説明する。図2は、炭素鋼に含まれる微量元素の含有割合と中性子遮蔽性能を示す図である。図3は、炭素鋼の中性子遮蔽性能を示すグラフである。炭素鋼は、JSME規格材である低温用炭素鋼鍛鋼品となっている。なお、JSMEは、規格の一例であり、他にもASTM、ASME、AISI、JISなどが様々な規格が存在する。炭素鋼は、鉄Feと炭素Cと微量元素とを含むものとなっている。微量元素は、ケイ素Siと、マンガンMnとを含み、また、ケイ素Si及びマンガンMnの他、リンP、硫黄S、銅Cu、ニッケルNi、クロムCr、モリブデンMo等を含んでいる。
炭素鋼は、炭素C及び所定の微量元素が、下記する遮蔽性能の解析方法によって評価された含有割合となっている。具体的に、炭素鋼は、図2に示すように、炭素Cの含有割合が、0.05wt%以上0.35wt%以下となっており、ケイ素Siの含有割合が、0.1wt%以上0.5wt%以下となっており、マンガンMnの含有割合が、0.5wt%以上1.5wt%以下となっている。炭素鋼は、上記の含有割合とすることで、中性子遮蔽効果を期待できる鋼材として用いることが可能となる。つまり、図2に示すように、炭素鋼における炭素Cの含有割合が、0.05wt%以上0.35wt%以下となる場合、中性子遮蔽性能は、2.6%〜16.5%向上する。また、炭素鋼におけるケイ素Siの含有割合が、0.1wt%以上0.5wt%以下となる場合、中性子遮蔽性能は、1.3%〜5.8%向上する。また、炭素鋼におけるマンガンMnの含有割合が、0.5wt%以上1.5wt%以下となる場合、中性子遮蔽性能は、3.1%〜8.8%向上する。
また、図2に示すケースでは、炭素鋼における炭素Cの含有割合が0.11wt%以上0.13wt%以下となり、ケイ素Siの含有割合が、0.2wt%以上0.3wt%以下となり、マンガンMnの含有割合が、0.85wt%以上1.35wt%以下となる場合、中性子遮蔽性能は、約16%〜19.1%向上する。また、図2に示す他のケースでは、炭素鋼における炭素Cの含有割合が0.31wt%以下となり、ケイ素Siの含有割合が、0.15wt%以上0.4wt%以下となり、マンガンMnの含有割合が、0.85wt%以上1.20wt%以下となる場合、中性子遮蔽性能は、約20%〜24.9%向上する。なお、図2に示す他のケースでは、炭素C、ケイ素Si、マンガンMn以外の他の微量元素の含有割合を調整しても、中性子遮蔽性能の向上はほぼ見られないことが確認された。
ここで、炭素鋼は、炭素Cの含有割合とケイ素Siの含有割合とが、同等の含有割合としてもよい。ここで、同等とは、炭素Cの含有割合とケイ素Siの含有割合との差分が、±0.10wt%以下となるような範囲である。また、マンガンMnの含有割合は、炭素C及びケイ素Siの含有割合よりも多くなっている。例えば、炭素鋼は、炭素Cの含有割合が、0.30wt%となっており、ケイ素Siの含有割合が、0.30wt%となっており、マンガンMnの含有割合が、1.30wt%となっている。
上記のような含有割合とした炭素鋼は、図3に示すような中性子遮蔽性能となる。図3は、その縦軸が中性子線量率相対値であり、横軸が遮蔽厚となっている。中性子線量率相対値は、鋼材を1(100%)としたときの炭素鋼の中性子線量の割合である。図3に示すように、微量元素の組成を上記のように特定した炭素鋼は、鋼材に対して、遮蔽厚が厚くなるにつれて、中性子の線量を低減している。このため、上記のように特定した炭素鋼は、中性子の遮蔽性能を有することが確認された。
次に、図4から図7を参照して、炭素鋼の中性子遮蔽性能を解析する遮蔽性能の解析方法について説明する。図4は、本実施形態に係る遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法に用いられる解析装置に関する概略構成図である。図5は、遮蔽性能の解析方法において用いられる解析モデルに関する説明図である。図6は、本実施形態に係る遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法に関するフローチャートである。
(解析装置)
先ず、図4を参照して、遮蔽性能の解析方法及び遮蔽構造の設計方法に用いられる解析装置50について説明する。解析装置50は、解析処理を実行する処理部51と、各種データを記憶する記憶部52とを備えている。
処理部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の集積回路を含んでいる。記憶部52は、作業領域となるメモリ及び記録媒体としての半導体記憶デバイスまたは磁気記憶デバイス等を含んでいる。
記憶部52には、中性子の遮蔽解析を行うための解析モデル55と、炭素鋼に含まれる元素の核データ56とが記憶されている。処理部51は、中性子の遮蔽性能を解析する解析コードを用いて、記憶部52に記憶された解析モデル55及び核データ56に基づいて遮蔽解析を行うことで、炭素鋼の中性子の遮蔽性能を評価している。
(遮蔽性能の解析方法)
図6を参照して、遮蔽性能の解析方法について説明する。遮蔽性能の解析方法は、炭素鋼に含まれる各元素の含有割合を、所定の含有割合として解析を行うことで、所定の含有割合となる炭素鋼の遮蔽性能を評価している。
図6に示すように、解析装置50の処理部51は、先ず、中性子を放射する線源の解析モデルとなる線源モデルと、炭素鋼の解析モデルとなる鋼材モデルとを生成する(ステップS1)。ステップS1では、例えば、解析モデルとして、図5に示す解析モデルが生成される。図5に示す解析モデルは、円筒体系の解析モデルとなっており、中心から径方向外側に向かって線源、ボイド空間、炭素鋼が配置されるモデルとなっている。処理部51は、図5に示す解析モデルを生成すると、記憶部52に保存する。
続いて、処理部51は、鋼材モデルに対して、炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、元素の含有割合とを設定する(ステップS2)。元素の含有割合は、解析したい所定の含有割合とする。また、ステップS2では、炭素鋼に含まれる鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMn以外の他の微量元素の核データは未設定としている。同様に、ステップS2では、線源モデルに対して、線源に含まれる元素の核データを設定する。
次に、処理部51は、中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、線源モデルから放射される中性子を、鋼材モデルにより遮蔽する遮蔽性能を解析する(ステップS3)。ステップS3では、解析結果として、円筒体系となる解析モデルの径方向における位置での中性子の線量が算出され、径方向の外側に向かうにつれて低下する中性子線量の減衰率が導出される。
そして、処理部51は、鋼材モデルの遮蔽性能に関する解析結果に基づいて、炭素鋼の中性子の遮蔽性能を評価する(ステップS4)。ステップS4では、例えば、径方向の所定の位置における中性子線量の減衰率が、要求された所定の減衰率以下となっているか否かを判定することで、中性子遮蔽性能を有する炭素鋼であるか否かを評価する。
(遮蔽構造の設計方法)
次に、図7を参照して、遮蔽構造の設計方法について説明する。遮蔽構造の設計方法は、中性子遮蔽性能を有すると評価された炭素鋼を用いて、遮蔽構造としてのキャスク11を遮蔽解析して、所定の遮蔽性能を有するキャスク11を設計している。なお、遮蔽構造の設計方法は、図4に示す解析装置50を用いてキャスク11の遮蔽性能を評価することが可能となっている。また、遮蔽構造の設計方法は、使用する解析モデルが異なるものの、遮蔽性能の解析方法とほぼ同様のステップとなっているため、図6を用いて説明する。
図6に示すように、解析装置50の処理部51は、中性子を放射する線源の解析モデルとなる線源モデルと、構造部材としての胴本体21(または、蓋部13、底部23等)の解析モデルとなる構造モデルと、レジン26(または、レジン29、レジン33等)の解析モデルとなる遮蔽材モデルとを生成する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、解析モデルとして、図7に示す解析モデルが生成される。図7に示す解析モデルは、円筒体系の解析モデルとなっており、中心から径方向外側に向かって線源、ボイド空間、胴本体21に用いられる炭素鋼、レジン26が配置されるモデルとなっている。処理部51は、図7に示す解析モデルを生成すると、記憶部52に保存する。
続いて、処理部51は、構造モデルに対して、炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、元素の含有割合とを設定する(ステップS12)。元素の含有割合は、中性子遮蔽性能を有すると評価された所定の含有割合とする。また、ステップS12では、炭素鋼に含まれる鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMn以外の他の微量元素の核データは未設定としている。同様に、ステップS12では、線源モデルに対して、線源に含まれる元素の核データを設定し、遮蔽材モデルに対して、レジン26に含まれる元素の核データを設定する。
次に、処理部51は、中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、線源モデルから放射される中性子を、構造モデル及び遮蔽材モデルにより遮蔽する遮蔽性能を解析する(ステップS13)。ステップS13では、解析結果として、円筒体系となる解析モデルの径方向における位置での中性子の線量が算出され、径方向の外側に向かうにつれて低下する中性子線量の減衰率が導出される。
そして、処理部51は、構造モデル及び遮蔽材モデルの遮蔽性能に関する解析結果に基づいて、炭素鋼及びレジン26の中性子の遮蔽性能を評価する(ステップS14)。ステップS14では、例えば、径方向においてレジン26よりも外側の位置における中性子線量の減衰率が、要求された所定の減衰率以下となっているか否かを判定することで、中性子遮蔽性能を有するキャスク11であるか否かを評価する。
以上のように、本実施形態では、炭素Cの含有割合が0.05wt%以上0.35wt%以下となり、ケイ素Siの含有割合が0.1wt%以上0.5wt%以下となり、マンガンMnの含有割合が0.5wt%以上1.5wt%以下となる炭素鋼とすることができる。
この構成によれば、中性子遮蔽性能を有する炭素鋼とすることができる。このため、炭素鋼の中性子遮蔽性能を考慮して、中性子を遮蔽する遮蔽構造の設計を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、炭素Cの含有割合と、ケイ素Siの含有割合とを、同等の含有割合とすることができ、マンガンMnの含有割合を、炭素C及びケイ素Siの含有割合よりも多くすることができる。
また、本実施形態では、炭素Cの含有割合を、0.30wt%とし、ケイ素Siの含有割合を、0.30wt%とし、マンガンMnの含有割合を、1.30wt%とすることができる。
この構成によれば、炭素鋼の中性子遮蔽性能をより向上させることができる。
また、本実施形態では、上記の炭素鋼を用いて形成されると共に、内部に放射性物質を収容する胴本体21と、胴本体21の外側に設けられるレジン26と、を備えるキャスク11とすることができる。
この構成によれば、炭素鋼に対して中性子遮蔽性能を期待できる分、レジン26の中性子遮蔽性能を従来に比して低いものとすることができる。このため、キャスク11の径方向におけるレジン26の厚さを薄くすることができる。
また、本実施形態では、遮蔽性能の解析方法において、ステップS1と、ステップS2と、ステップS3と、ステップS4とを実行することができる。
この構成によれば、炭素鋼の中性子遮蔽性能を適切に解析し、評価することができる。このため、炭素鋼に含まれる炭素C、ケイ素Si、マンガンMnの含有割合を、中性子遮蔽性能を有する含有割合として適切に評価することができる。
また、本実施形態では、遮蔽構造の設計方法において、ステップS11と、ステップS12と、ステップS13と、ステップS14とを実行することができる。
この構成によれば、キャスク11等の遮蔽構造を適切に解析し、評価することができる。このため、中性子遮蔽性能を有する炭素鋼及びレジン26を用いたキャスク11が、中性子遮蔽性能を有するものとして適切に評価することができる。
11 キャスク
12 胴部
13 蓋部
14 バスケット
21 胴本体
22 開口部
23 底部
24 キャビティ
25 外筒
26 レジン
28 底板
29 レジン
31 一次蓋部
32 二次蓋部
33 レジン
41 トラニオン
43 連結板
50 解析装置
51 処理部
52 記憶部

Claims (7)

  1. 鉄Feと炭素Cと微量元素とを含む炭素鋼において、
    前記微量元素は、ケイ素Siと、マンガンMnとを含み、
    前記炭素Cの含有割合は、0.05wt%以上0.35wt%以下となっており、
    前記ケイ素Siの含有割合は、0.1wt%以上0.5wt%以下となっており、
    前記マンガンMnの含有割合は、0.5wt%以上1.5wt%以下となっている炭素鋼。
  2. 前記炭素Cの含有割合と、前記ケイ素Siの含有割合とは、同等の含有割合となっており、
    前記マンガンMnの含有割合は、前記炭素C及び前記ケイ素Siの含有割合よりも多くなっている請求項1に記載の炭素鋼。
  3. 前記炭素Cの含有割合は、0.30wt%となっており、
    前記ケイ素Siの含有割合は、0.30wt%となっており、
    前記マンガンMnの含有割合は、1.30wt%となっている請求項2に記載の炭素鋼。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の炭素鋼を用いて形成されると共に、内部に放射性物質を収容する容器本体と、
    前記容器本体の外側に設けられる中性子遮蔽材と、を備える放射性物質収納容器。
  5. 炭素鋼の中性子遮蔽性能を解析する遮蔽性能の解析方法であって、
    中性子を放射する線源の解析モデルとなる線源モデルと、炭素鋼の解析モデルとなる鋼材モデルとを生成するステップと、
    前記鋼材モデルに対して、前記炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、前記元素の含有割合とを設定するステップと、
    中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、前記鋼材モデルにより前記線源モデルからの中性子を遮蔽する遮蔽性能を解析するステップと、を備える遮蔽性能の解析方法。
  6. 前記鋼材モデルの遮蔽性能に関する解析結果に基づいて、前記炭素鋼の中性子の遮蔽性能を評価するステップを、さらに備える請求項5に記載の遮蔽性能の解析方法。
  7. 請求項5または6に記載の遮蔽性能の解析方法によって得られた、前記鋼材モデルの遮蔽性能に関する解析結果に基づいて、中性子の遮蔽構造を設計する遮蔽構造の設計方法であって、
    前記遮蔽構造は、炭素鋼を用いて形成される構造部材と、前記構造部材に設けられる中性子遮蔽材とを含み、
    前記線源モデルと、前記構造部材の解析モデルとなる構造モデルと、前記中性子遮蔽材の解析モデルとなる遮蔽材モデルとを生成するステップと、
    前記構造モデルに対して、前記解析結果に基づく前記炭素鋼に含まれる元素としての鉄Fe、炭素C、ケイ素Si及びマンガンMnの核データと、前記元素の含有割合とを設定するステップと、
    前記遮蔽材モデルに対して、前記中性子遮蔽材に含まれる元素の核データを設定するステップと、
    中性子の遮蔽解析を行う解析コードを用いて、前記構造モデル及び前記遮蔽材モデルにより前記線源モデルからの中性子を遮蔽する遮蔽性能を解析するステップと、を備える遮蔽構造の設計方法。
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