JP2020185699A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンチブロッキング剤の機能を維持しつつ、バリア性樹脂を厚くすることが可能な積層体およびその製造方法を提供する。【解決手段】フィルムまたはシートからなる基材11と、基材11の片面にポリ塩化ビニリデン樹脂からなるバリア性樹脂積層構造13を有する積層体10であって、バリア性樹脂積層構造13は、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cを少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bを少なくとも1層以上とを、含み、第1のバリア性樹脂層13A,13Cと、第2のバリア性樹脂層13Bと、が交互に積層され、かつ、バリア性樹脂積層構造13における基材11の側とは反対の側において、アンチブロッキング剤14がバリア性樹脂積層構造13の最表面15から突出するように、第1のバリア性樹脂層13Cが設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体およびその製造方法に関する。
ガス(水蒸気、酸素等)のバリア性を樹脂フィルムまたは樹脂シートの積層体に付与する構成としては、アルミニウム等の金属、シリカやアルミナ等の金属酸化物(無機化合物)、ポリ塩化ビニリデン等のバリア性樹脂が知られている。
例えば特許文献1には、ベースフィルム上にポリ塩化ビニリデンフィルムを張り合わせ、このポリ塩化ビニリデンフィルムの上に、スペーサーを形成する粒子を含有するポリ塩化ビニリデン被覆を積層した構成の複合フィルムが開示されている。
特表2008−504380号公報
バリア性樹脂は、金属や無機化合物等に比べて、基材上への形成が容易という利点はあるが、高いバリア性を積層体に付与するためには、バリア性樹脂の膜厚を厚くする必要がある。しかし、バリア性樹脂を厚くすると、ブロッキングを防止するための粒子(アンチブロッキング剤)がバリア性樹脂に沈み込み、バリア性樹脂の最表面における粒子の突出が解消されて、ブロッキングしやすくなる問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アンチブロッキング剤の機能を維持しつつ、バリア性樹脂を厚くすることが可能な積層体およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、フィルムまたはシートからなる基材と、前記基材の片面にポリ塩化ビニリデン樹脂からなるバリア性樹脂積層構造を有する積層体であって、前記バリア性樹脂積層構造は、アンチブロッキング剤を含有する第1のバリア性樹脂層を少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤を含有しない第2のバリア性樹脂層を少なくとも1層以上とを、含み、前記第1のバリア性樹脂層と、前記第2のバリア性樹脂層と、が交互に積層され、かつ、前記バリア性樹脂積層構造における前記基材の側とは反対の側において、前記アンチブロッキング剤が前記バリア性樹脂積層構造の最表面から突出するように、前記第1のバリア性樹脂層が設けられていることを特徴とする積層体を提供する。
前記積層体において、前記バリア性樹脂積層構造の最表面には、前記アンチブロッキング剤が、100〜100000個/mmの割合で配置されていてもよい。
前記積層体において、前記第1のバリア性樹脂層に含有される前記アンチブロッキング剤のメジアン径が、前記第1のバリア性樹脂層の膜厚の50〜130%の範囲内であることもできる。
また、本発明は、フィルムまたはシートからなる基材と、前記基材の片面にポリ塩化ビニリデン樹脂からなるバリア性樹脂積層構造を有する積層体の製造方法であって、前記基材に、アンチブロッキング剤を含有する第1のバリア性樹脂層を少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤を含有しない第2のバリア性樹脂層を少なくとも1層以上とを、含む前記バリア性樹脂積層構造を形成する積層工程を有し、前記積層工程では、前記第1のバリア性樹脂層と、前記第2のバリア性樹脂層と、を交互に積層し、かつ、前記バリア性樹脂積層構造における前記基材の側とは反対の側において、前記アンチブロッキング剤が前記バリア性樹脂積層構造の最表面から突出するように、前記第1のバリア性樹脂層を設けることを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
前記積層体の製造方法において、前記バリア性樹脂積層構造の最表面には、前記アンチブロッキング剤を、100〜100000個/mmの割合で配置してもよい。
前記積層体の製造方法において、前記第1のバリア性樹脂層に含有される前記アンチブロッキング剤のメジアン径が、前記第1のバリア性樹脂層の膜厚の50〜130%の範囲内であることもできる。
本発明によれば、アンチブロッキング剤の機能(耐ブロッキング性)を維持しつつ、バリア性樹脂を厚くすることができる。
実施形態による積層体の一例を示す断面図である。 実施形態による積層体の製造方法の一例を示す説明図である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
図1は、本実施形態の積層体の一例を示す断面図である。この積層体10は、基材11の片面にバリア性樹脂積層構造13を有する。
基材11は、厚みは特に限定されず、例えば、フィルムまたはシートから構成される。基材11は、巻回してロール体を構成することが可能な可撓性を有することが好ましい。基材11の厚みは、例えば10〜500μmであり、150〜400μmがより好ましく、200〜350μmがさらに好ましい。
基材11は、樹脂を主体とすることが好ましい。基材11を構成する樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の塩素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等のフッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などの1種または2種以上が挙げられる。これらの樹脂の少なくとも1種に、バイオマス由来の樹脂を選択してもよい。
基材11の厚さ方向のいずれかの面11A,11Bまたは基材11を構成する層間には、遮光層、着色層、印刷層、紫外線、赤外線、酸素、臭い成分等の吸収層等、各種の機能層を設けてもよい。これらの機能層は、基材11を構成する樹脂層に各機能成分を添加、塗布等することで、樹脂層が機能層を兼ねるようにしてもよい。基材11におけるバリア性樹脂積層構造13側の面11Aとは反対側の面11Bは、バリア性樹脂積層構造13に含まれるアンチブロッキング剤14の効果を高めるため、基材11に対してアンチブロッキング剤(図示せず)の添加、樹脂のマット加工(凹凸形成)等を施してもよい。マット加工としては、型押し、サンドブラスト処理等が挙げられる。
基材11とバリア性樹脂積層構造13との間は、特に限定されないが、例えば基材11とバリア性樹脂積層構造13との密着性を確保するため、例えばアンカーコート層12を設けてもよい。アンカーコート層12を構成するアンカーコート剤としては、特に限定されないが、ポリウレタン系、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の接着性樹脂が挙げられる。
バリア性樹脂積層構造13は、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cを少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bを少なくとも1層以上と、を含む。バリア性樹脂積層構造13および各バリア性樹脂層13A,13B,13Cは、バリア性樹脂として、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂を用いて構成されている。バリア性樹脂積層構造13における基材11の側とは反対の側においては、アンチブロッキング剤14がバリア性樹脂積層構造13の最表面15から突出するように、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13Cが設けられている。バリア性樹脂積層構造13の最表面15に配置されるアンチブロッキング剤14の割合は、例えば100〜100000個/mm、好ましくは、500〜20000個/mmの割合が挙げられる。
バリア性樹脂積層構造13の厚みは、各バリア性樹脂層13A,13B,13Cを合計した坪量(単位面積当たりの質量)として、例えば10〜120g/mが挙げられる。バリア性樹脂層13A,13B,13Cは、押出等により成形したフィルムを貼り合わせることも可能であるが、コート液の塗布により成膜すると、加工時のピンホールを抑制できる上、より薄膜の樹脂層を容易に積層できるので、好ましい。コート液としては、樹脂を有機溶剤に溶解させた溶液でもよいが、樹脂の微粒子を水系の溶媒に分散させた分散液とすると、有機溶剤を使用することなく作業を行うことができる。塗布液は、分散剤、接着成分、安定剤などの添加剤を含有してもよい。バリア性樹脂層13A,13B,13Cを構成する樹脂が同一または同様のPVDC樹脂であるため、異種の接着剤層、アンカーコート層などを介在させなくても、相互の密着性に優れたバリア性樹脂積層構造13を得ることができる。
さらに、バリア性樹脂積層構造13は、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cと、アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bと、が交互に積層された構造を有する。これにより、アンチブロッキング剤14の機能を維持しつつ、バリア性樹脂積層構造13を厚くすることができる。この理由は必ずしも明らかでなく、仮説を交えて説明すると、例えば各バリア性樹脂層13A,13B,13Cをコート液の塗布により形成する場合、ポリ塩化ビニリデン樹脂が柔らかいため、そのままではブロッキングがしやすいこと、最表面だけにアンチブロッキング剤14を配しても、アンチブロッキング剤14の沈み込みにより、ブロッキングが生じるおそれがあるのに対し、ポリ塩化ビニリデン樹脂よりも硬質なアンチブロッキング剤14を含有するバリア性樹脂層13A,13Cを複数設けることにより、アンチブロッキング剤14の沈み込みが抑制させることが考えられる。また、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cにもある程度のバリア性は期待できるが、アンチブロッキング剤14の周囲におけるバリア性の低下が懸念される。アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bを有することにより、バリア性樹脂積層構造13のバリア性を高めることができる。
第1のバリア性樹脂層13A,13Cに含有されるアンチブロッキング剤14としては、特に限定されず、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂等の有機(樹脂)粒子の1種または2種以上が挙げられる。粒子の形状は、例えば球状、多角柱状、不定形状などが挙げられる。バリア性樹脂積層構造13の最表面15に設けられるバリア性樹脂層13Cにおいては、ポリ塩化ビニリデン樹脂より低密度の樹脂、例えばポリオレフィン樹脂等の粒子からなるアンチブロッキング剤14が好ましい。これにより、アンチブロッキング剤14を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂を塗布してバリア性樹脂層13Cを形成する際に、アンチブロッキング剤14が密度差により浮き上がり、アンチブロッキング剤14が最表面15から突出した状態により、耐ブロッキング性を得やすくなる。バリア性樹脂積層構造13の最表面15以外の(内部における)バリア性樹脂層13Aに含有されるアンチブロッキング剤14は、ポリ塩化ビニリデン樹脂より低密度、同程度の密度、高密度のいずれでもよい。第1のバリア性樹脂層13A,13Cの各々に含有されるアンチブロッキング剤14が同一であると、コスト等の点で好ましい。内部におけるバリア性樹脂層13Aに含有されるアンチブロッキング剤14の一部は、その上に積層されるバリア性樹脂層13Bに向けて突出してもよく、バリア性樹脂層13Bがアンチブロッキング剤14を含有しない状態を損なうものではない。
第1のバリア性樹脂層13A,13Cに含有されるアンチブロッキング剤14のメジアン径は、第1のバリア性樹脂層13A,13Cの膜厚より小さくてもよく、前記膜厚と同程度でもよく、前記膜厚より大きくてもよい。アンチブロッキング剤14のメジアン径が、第1のバリア性樹脂層13A,13Cの膜厚より小さいと、アンチブロッキング剤14が第1のバリア性樹脂層13A,13Cから脱落しにくく、また、アンチブロッキング剤14の貫通による第1のバリア性樹脂層13A,13Cのバリア性の低下が起こりにくいので好ましい。アンチブロッキング剤14のメジアン径が、最表面15に設けられるバリア性樹脂層13Cの膜厚より大きいと、アンチブロッキング剤14が最表面15から突出した状態になりやすく、耐ブロッキング性を得やすいので好ましい。アンチブロッキング剤14のメジアン径が、バリア性樹脂積層構造13の内部におけるバリア性樹脂層13Aの膜厚より大きいと、アンチブロッキング剤14がアンチブロッキング剤14を含有しないバリア性樹脂層13Bに向けて若干、突出した状態になりやすく、第2のバリア性樹脂層13Bのバリア性を低下させることなく、バリア性樹脂層13A,13B間の密着性を向上することができる。アンチブロッキング剤14のメジアン径は、例えば第1のバリア性樹脂層13A,13Cの膜厚の50〜130%、好ましくは、90〜120%の範囲内であってもよい。アンチブロッキング剤14のメジアン径としては、例えば3〜10μmが挙げられる。各バリア性樹脂層13A,13B,13Cの厚みは、坪量(単位面積当たりの質量)として、例えば1〜10g/mが挙げられる。
本実施形態の積層体10の製造方法は、基材11上にバリア性樹脂積層構造13を形成する積層工程において、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cと、アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bと、を交互に積層してもよい。この製造方法においては、アンチブロッキング剤14を含有する樹脂を塗布することで、アンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13A,13Cを形成し、アンチブロッキング剤14を含有しない樹脂を塗布することで、アンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層13Bを形成することができる。なお、図1では、基材11上に最初に形成されるバリア性樹脂層がアンチブロッキング剤14を含有する第1のバリア性樹脂層13Aで、バリア性樹脂積層構造13に含まれるバリア性樹脂層13A,13B,13Cの層数が奇数(3層、5層等)である。特に図示しないが、基材11上に最初に形成されるバリア性樹脂層がアンチブロッキング剤14を含有しない第2のバリア性樹脂層で、バリア性樹脂積層構造13に含まれるバリア性樹脂層の層数が偶数(4層、6層等)であってもよい。また、特に限定されるものではないが、アンチブロッキング剤14の粒径は、例えば4μm、6μm、9.5μmであり、ポリ塩化ビニリデン樹脂のコート液に対するアンチブロッキング剤14の濃度は、例えば5%、10%である。バリア性樹脂層13A,13B,13Cの坪量は、例えば3層の合計で40g/mである。バリア性樹脂積層構造13の防湿性としては、例えば0.8g/(m・day)以下である。
図2は、本実施形態の製造方法の一例を示す説明図である。上述の基材11または基材11上に1以上の層が積層された積層体からなるウェブ23は、第1のロール体21から繰り出されて、第2のロール体22に巻き取られる、ロールtoロール方式の製造装置20により処理される。ロール体21,22の間でウェブ23が展開された領域には、コーター24,25が配置されている。
第1のコーター24は、上述のアンカーコート層12またはアンチブロッキング剤14を含有しないバリア性樹脂層13Bを塗布法により形成してもよい。第2のコーター25は、上述のアンチブロッキング剤14を含有するバリア性樹脂層13A,13Cを塗布法により形成してもよい。ロール体21,22の間に配置されるコーター24,25の個数を最小限にすることにより、塗布後になされる乾燥等の手段(図示略)も少なくし、処理時間およびコストを低減することができる。塗布後の乾燥工程は、各コーター24,25の塗布ごとに実施してもよく、各コーター24,25の塗布後でロール体22に巻き取られる前に一括して実施してもよい。ウェブ23上に各層を塗布形成して得られる積層体は、温度および湿度を所定条件としたエージング工程を経てもよい。エージング工程は、ロール体22に巻き取った状態で実施することが好ましい。
本実施形態によれば、得られた積層体におけるアンチブロッキング剤の機能が維持されるので、積層体の製造工程または使用工程においてロール体から積層体を繰り出す際のブロッキングが抑制される。ここで、積層体の使用工程としては、製造された積層体を用いた製品の製造、包装、充填、コーティング等の加工などが挙げられる。
本実施形態の積層体10は、バリア性樹脂積層構造13により優れたバリア性を有するので、例えば包装袋、PTP(プレス・スルー・パーケージ)等の包装用途に好適に使用することができる。包装袋をヒートシールで形成するときは、最内層側にポリオレフィン等のシーラント層を設けることが好ましい。包装容器には、幼児対策(チャイルドレジスタンス機能)、改ざん防止(ピルファープルーフ機能)、再封性(再シール機能)、イージーオープン(易開封機能)等の各種機能を付与してもよい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上述のバリア性樹脂積層構造は、アンチブロッキング剤を含有する第1のバリア性樹脂層と、アンチブロッキング剤を含有しない第2のバリア性樹脂層とを交互に積層する場合に、第1のバリア性樹脂層の上にさらに第1のバリア性樹脂層が積層される部分、あるいは、第2のバリア性樹脂層の上にさらに第2のバリア性樹脂層が積層される部分を有してもよい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
乳白色のポリ塩化ビニルシート(厚み300μm)を基材として、その上に、アンカーコート層を塗布法により形成した。アンカーコート層の上に、アンチブロッキング剤を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂、アンチブロッキング剤を含有しないポリ塩化ビニリデン樹脂、アンチブロッキング剤を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂を、順に塗布して、3層のバリア性樹脂層を有するバリア性樹脂積層構造を形成した。バリア性樹脂層の形成に用いたコート液は、アンチブロッキング剤を加える前の状態で、ポリ塩化ビニリデン樹脂の固形分濃度が60重量%である。アンチブロッキング剤のメジアン径は、9.5μmである。バリア性樹脂積層構造の厚みは25μmとし、3層のバリア性樹脂層の厚みを均等にした(1層当たり約8.3μm)。この場合、バリア性樹脂積層構造の最表面にはアンチブロッキング剤が5200個/mmの割合で配置されていた。また、アンチブロッキング剤を含有するバリア性樹脂層の膜厚に対するアンチブロッキング剤のメジアン径の割合(「メジアン径/膜厚」の比率)は、114%であった。これにより得られた積層体は、優れた耐ブロッキング性と、優れたバリア性とを両立するものであった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、基材上にアンカーコート層と、3層のバリア性樹脂層を有するバリア性樹脂積層構造とを順に形成した。ポリ塩化ビニリデン樹脂のコート液に対するアンチブロッキング剤の濃度を変更したところ、バリア性樹脂積層構造の最表面にはアンチブロッキング剤が3500個/mmの割合で配置されていた。また、アンチブロッキング剤を含有するバリア性樹脂層の膜厚に対するアンチブロッキング剤のメジアン径の割合(「メジアン径/膜厚」の比率)は、114%であった。これにより得られた積層体は、優れた耐ブロッキング性と、優れたバリア性とを両立するものであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして基材上に形成したアンカーコート層の上に、アンチブロッキング剤を含有しないポリ塩化ビニリデン樹脂、アンチブロッキング剤を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂を、順に塗布して、2層のバリア性樹脂層を有するバリア性樹脂積層構造を形成した。これにより得られた積層体は、バリア性樹脂の厚みが薄いとバリア性が十分でなく、バリア性樹脂の厚みが厚いと、巻き取った時の圧力でアンチブロッキング剤の粒子が沈み込むため、耐ブロッキング性が十分でなかった。
10…積層体、11…基材、11A…基材のバリア性樹脂積層構造側の面、11B…基材のバリア性樹脂積層構造とは反対側の面、12…アンカーコート層、13…バリア性樹脂積層構造、13A,13C…第1のバリア性樹脂層、13B…第2のバリア性樹脂層、14…アンチブロッキング剤、15…バリア性樹脂積層構造の最表面、20…製造装置、21,22…ロール体、23…ウェブ、24,25…コーター。

Claims (6)

  1. フィルムまたはシートからなる基材と、前記基材の片面にポリ塩化ビニリデン樹脂からなるバリア性樹脂積層構造を有する積層体であって、
    前記バリア性樹脂積層構造は、アンチブロッキング剤を含有する第1のバリア性樹脂層を少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤を含有しない第2のバリア性樹脂層を少なくとも1層以上とを、含み、
    前記第1のバリア性樹脂層と、前記第2のバリア性樹脂層と、が交互に積層され、かつ、前記バリア性樹脂積層構造における前記基材の側とは反対の側において、前記アンチブロッキング剤が前記バリア性樹脂積層構造の最表面から突出するように、前記第1のバリア性樹脂層が設けられていることを特徴とする積層体。
  2. 前記バリア性樹脂積層構造の最表面には、前記アンチブロッキング剤が、100〜100000個/mmの割合で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1のバリア性樹脂層に含有される前記アンチブロッキング剤のメジアン径が、前記第1のバリア性樹脂層の膜厚の50〜130%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. フィルムまたはシートからなる基材と、前記基材の片面にポリ塩化ビニリデン樹脂からなるバリア性樹脂積層構造を有する積層体の製造方法であって、
    前記基材に、アンチブロッキング剤を含有する第1のバリア性樹脂層を少なくとも2層以上と、アンチブロッキング剤を含有しない第2のバリア性樹脂層を少なくとも1層以上とを、含む前記バリア性樹脂積層構造を形成する積層工程を有し、
    前記積層工程では、前記第1のバリア性樹脂層と、前記第2のバリア性樹脂層と、を交互に積層し、かつ、前記バリア性樹脂積層構造における前記基材の側とは反対の側において、前記アンチブロッキング剤が前記バリア性樹脂積層構造の最表面から突出するように、前記第1のバリア性樹脂層を設けることを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 前記バリア性樹脂積層構造の最表面には、前記アンチブロッキング剤を、100〜100000個/mmの割合で配置することを特徴とする請求項4に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記第1のバリア性樹脂層に含有される前記アンチブロッキング剤のメジアン径が、前記第1のバリア性樹脂層の膜厚の50〜130%の範囲内であることを特徴とする請求項4または5に記載の積層体の製造方法。
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