JP2020181096A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tatsuyuki Sasaki
龍之 佐々木
春日 昭夫
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昭夫 春日
真二 柳瀬
Shinji Yanase
真二 柳瀬
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Abstract

【課題】搬送ローラーの周面の清掃性をより向上できる画像形成装置を提供する。【解決手段】熱定着を行う定着部を通過後の用紙を機外に排出する排出ローラー対の下側ローラー362の周面に、樹脂製の薄板からなる櫛歯状の清掃部材の櫛歯を構成する複数の歯431の先端を当接させて、下側ローラー362の周面上のトナーの粒子やワックス成分などの付着物を掻き取る。そして、所定のタイミングに至ると、清掃部材を駆動アクチュエーター44の駆動力によりローラー軸方向(Y軸方向)に歯431のピッチ(W1+W2)の半分相当の距離だけスライド移動させる。移動前に隣り合う2つの歯431と歯431の間の間隔W2の領域に存していたトナーの粒子やワックス成分などの付着物が移動後の各歯431で掻き取られる。【選択図】図2

Description

本発明は、搬送されるシート上に形成されたトナー像を熱定着する定着部を通過した後のシートを、さらに搬送ローラーで搬送方向下流側に搬送する画像形成装置に関する。
プリンターなどの電子写真方式の画像形成装置では、給紙部から1枚のシートを搬送路に繰り出して搬送し、搬送されるシートが感光体などの像担持体の転写位置を通過する際に像担持体上のトナー像をシートに転写する。その後、トナー像が転写されたシートが定着部を通過する際に定着部の加熱部材によりシート上のトナー像を熱定着し、定着部を通過後のシートをさらに搬送ローラーで下流側に搬送して排出する構成になっている。
定着部を通過後のシートの温度は、シートが搬送ローラーを経て排出されるまでの間に徐々に下がっていく。しかし、定着部を通過後、搬送ローラーを通過する時点では、ある程度高い温度のままになっており、トナー粒子が完全に固化していないことが多い。一方で、搬送ローラーは、シートから熱を受けるまでは、それほど高い温度になっていない。
このため、シートのトナー像がこれよりも低温の搬送ローラーの周面に接したときに搬送ローラーに熱を奪われて冷え、トナーの粒子やトナーに含まれるワックス成分などが付着物として搬送ローラーの周面上で固化した状態で付着する現象が生じることがある。
累積プリント枚数が多くなり、搬送ローラーの周面への付着物の堆積量が徐々に増えてくると、搬送ローラーの周面の摩擦係数が本来の値から下がることが生じ、やがてシートのスリップや紙詰まり(ジャム)を生じさせるおそれがある。
特許文献1には、搬送ローラーの周面にシート状の清掃部材を押し当てて、ローラー周面に付着している付着物を清掃する技術が開示されている。この技術を用いれば、搬送ローラーの周面の摩擦係数が低下することの抑制を図れる。
特許第4726745号公報
しかしながら、上記の特許文献1の構成では、搬送ローラーの周面に清掃部材を押し当てているだけであり、やがて清掃部材が付着物を取り込めなくなると、搬送ローラーの周面と清掃部材の表面との間に付着物が溜まったままになり、やがて付着物をそれ以上清掃できない飽和状態に至る。
本発明は、上記した課題に鑑み、搬送ローラーの周面の清掃性をより向上できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明に係る画像形成装置は、トナー像が形成されたシートを、熱定着を行う定着部を通過させた後、さらに搬送ローラーで搬送する画像形成装置であって、前記搬送ローラーの軸方向に長尺な本体部に前記軸方向に一定の幅を有する凸部が複数個、前記軸方向に並設されてなり、前記複数の凸部の先端が前記搬送ローラーの周面に当接して、当該搬送ローラーの周面部分を清掃する清掃部材と、前記清掃部材を前記搬送ローラーに対してその軸方向に相対的に移動させて、前記各凸部を前記搬送ローラーの新たな周面部分に当接させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記清掃部材は、櫛歯状の薄板であり、前記凸部は、前記櫛歯を構成する歯であるとしても良い。
ここで、前記薄板は、樹脂または金属からなるとしても良い。
また、前記薄板は、前記搬送ローラーの周面よりも硬度が低い素材からなるとしても良い。
また、前記凸部が連続気泡を有するゴム発泡体またはスポンジからなるとしても良い。
さらに、前記凸部の幅が隣り合う2つの凸部との間隔より長く、前記移動手段は、前記清掃部材を前記間隔以上かつ前記凸部の幅以下の範囲で往復運動させるとしても良い。
また、前記移動手段は、累積画像形成枚数が第1閾値以上の場合に、前記清掃部材を移動させるとしても良い。
ここで、前記移動手段は、累積画像形成枚数が前記第1閾値より小さい場合でも、前記搬送ローラーの周面に付着している付着物の付着量推定値が第2閾値以上の場合に、前記清掃部材を移動させるとしても良い。
また、前記移動手段は、前記搬送ローラーが回転中に前記清掃部材を移動させるとしても良い。
ここで、前記搬送ローラーを回転駆動する駆動手段を備え、前記移動手段は、画像形成ジョブの受け付けにより前記搬送ローラーの回転駆動を開始した後、前記搬送ローラーの回転中に前記清掃部材を移動させるとしても良い。
また、前記移動手段は、画像形成ジョブの実行により前記搬送ローラーが回転中であり、N(整数)枚目のシートの搬送方向後端が前記搬送ローラーを通過後、(N+1)枚目のシートの搬送方向先端が前記搬送ローラーに至るまでの紙間に、前記清掃部材を移動させるとしても良い。
さらに、前記移動手段は、前記搬送ローラーが停止中に前記清掃部材を移動させるとしても良い。
また、前記移動手段は、前記清掃部材を前記軸方向に移動させることに加えて、この移動に先立ってまたはこの移動の直後に、前記清掃部材を前記凸部が当接している前記搬送ローラーの周面部分の接線方向に移動させるとしても良い。
さらに、前記搬送ローラーは、駆動ローラーと従動ローラーからなるローラー対のうち前記従動ローラーであるとしても良い。
ここで、前記駆動ローラーは、周面がゴムまたはスポンジからなり、前記従動ローラーは、金属製であるとしても良い。
上記の構成をとれば、清掃部材の各凸部が搬送ローラーの周面に当接し、隣り合う凸部と凸部の間の領域が搬送ローラーの周面に接触しないので、軸方向の一方端から他方端までの全体が搬送ローラーの周面に接触する構成よりも、搬送ローラーの周面に当接する各凸部の先端に当接圧が集中し易くなって、それだけ当接圧を高めることができる。
そして、清掃部材が搬送ローラーの軸方向に移動中に、各凸部が搬送ローラーの新たな周面部分に堆積している付着物に搬送ローラーの軸方向のせん断力を作用させることで、その付着物を搬送ローラーの周面から剥離させることができる。
これにより、従来のように単に清掃部材を搬送ローラーの周面に押し当てるだけの構成よりも、長期間に亘って搬送ローラーの周面に付着物が溜まったままになることを防止して、搬送ローラーの周面の清掃性をより向上できる。
実施の形態1に係るプリンターの全体の構成を示す図である。 排出ローラー対と清掃部を用紙排出側から見たときの斜視図である。 図2に示すB−B線における矢視断面図である。 第1位置に位置している清掃部材が第2位置へ移動したときの様子を示す図である。 全体制御部の構成を示すブロック図である。 対応テーブルの内容例を示す図である。 ジョブを受け付けたときの清掃部材移動制御の処理内容を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例に係るラック・アンド・ピニオン機構の例を示す斜視図である。 (a)は、実施の形態2に係る清掃部材の構成例を示す一部分解概略斜視図であり、(b)は、清掃部材の平面図である。 変形例に係る清掃部材の移動機構を説明するための横断面図である。 変形例に係る清掃部材の移動機構を説明するための概略分解斜視図である。 連泡ゴムの表面の拡大模式平面図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型のカラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)に適用した場合を例にして説明する。
<実施の形態1>
〔1〕全体構成
図1は、プリンター10の全体の構成を示す図である。同図では、プリンター10を正面視したときの左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、X軸とY軸の双方に直交する方向をZ軸方向としている。Z軸方向は、装置前後方向(奥行)に相当する。
同図に示すようにプリンター10は、画像形成部11と、給紙部12と、搬送部13と、定着部14と、全体制御部15を備えており、LAN等のネットワークに接続されて、外部端末(不図示)からのジョブの実行指示に基づいてプリントを実行する。
画像形成部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のそれぞれに対応する作像部20Y、20M、20C、20Kと、中間転写ベルト21などを備えている。
作像部20Y〜20Kは、中間転写ベルト21に沿って所定間隔で直列に配置されている。作像部20Yは、感光体ドラム1と、その周囲に帯電部2、露光部3、現像部4、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム1と対向する一次転写ローラー5および感光体ドラム1の表面を清掃するクリーナー6などが配設されてなり、感光体ドラム1にY色のトナー像を作像する。他の作像部20M〜20Kは、基本的に作像部20Yと同じ構成であり、対応する色のトナー像を作像する。同図では、符号を省略している。
中間転写ベルト21は、無端状のベルトであり、駆動ローラー22と従動ローラー23に張架されて同図の矢印A方向に周回駆動される。
給紙部12は、給紙カセット31と、繰り出しローラー32と、搬送ローラー対33を含み、搬送部13は、レジストローラー対34と、中間転写ベルト21を介して二次転写位置37で駆動ローラー22に圧接される二次転写ローラー35と、排出ローラー対36を含む。
給紙カセット31は、記録用のシートとしての用紙Sを多数枚、例えば最大で500枚を収容可能なシート収容部である。
繰り出しローラー32は、給紙カセット31にセットされた用紙Sを搬送路38に向けて繰り出す。搬送ローラー対33は、繰り出しローラー32により繰り出された用紙Sをレジストローラー対34に向けて搬送する。
レジストローラー対34は、搬送ローラー対33から搬送されて来る用紙Sを二次転写位置37に送り出すタイミングをとる。
定着部14は、定着ローラー141と加圧ローラー142を圧接させて定着ニップ145を形成し、ヒーター143により定着ローラー142を加熱して、定着に必要な温度(定着温度:例えば150℃)を維持する。定着ローラー141の温度は、定着部温度検出センサー144により検出される。この検出結果は、全体制御部15に送られる。
全体制御部15は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、作像部20Y〜20Kの露光部3の光源を駆動させるための駆動信号を生成する。生成された駆動信号により、作像部20Y〜20K毎に、露光部3の光源が駆動されて光ビームが出射され、感光体ドラム1が露光走査される(画像書込)。
この露光走査を受ける前に、作像部20Y〜20K毎に、感光体ドラム1が帯電器2により一様に帯電されており、光ビームの露光により、感光体ドラム1上に、形成すべき画像の静電潜像が作像され、作像された静電潜像が現像部4によりトナーで現像される。このトナーは、低融点の重合トナーが用いられるが、これに限られず、例えば粉砕によるトナーを用いるとしても良い。
各色のトナー像は、一次転写ローラー5と感光体ドラム1間に生じる電界による静電力の作用を受けて中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト21上に重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により二次転写位置37に向けて移動する。この作像動作に並行して、レジストローラー対34から用紙Sが二次転写位置37に向けて搬送される。
用紙Sの先端が二次転写位置37に到達すると、用紙Sは、周回走行される中間転写ベルト21と二次転写ローラー35により挟持搬送されつつ、二次転写ローラー35に生じる電界による静電力の作用を受けて、中間転写ベルト21上のトナー像が一括して用紙Sに二次転写される。
二次転写位置37を通過した用紙Sは、定着部14に搬送される。用紙Sが定着ローラー141と加圧ローラー142による定着ニップ145を通過する際にトナー像が加熱と加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラー対36に送られる。
排出ローラー対36は、定着部14を通過した後の用紙Sを、さらに用紙搬送方向下流側に搬送して、排出口38aから機外に排出させる。排出された用紙Sは、収容トレイ39に収容される。排出ローラー対36の直下には、排出ローラー対36を清掃するための清掃部40が設けられている。
〔2〕清掃部の構成
清掃部40は、排出ローラー対36の下側のローラーにトナーの粒子やトナーに含まれるワックス成分などの付着物が堆積するのを防止する。
図2は、排出ローラー対36と清掃部40を用紙排出側から見たときの斜視図であり、図3は、図2に示すB−B線における矢視断面図である。
図2と図3に示すように排出ローラー対36は、上側ローラー361とこれに接する下側ローラー362とからなる。
上側ローラー361は、鉄などの金属製の回転軸330の周囲にゴム製のローラー本体331が設けられてなり、下側ローラー362は、鉄などの金属製の回転軸350の周囲にアルミ鋼などの金属製のローラー本体351が設けられてなる。上側ローラー361と下側ローラー362のそれぞれは、その回転軸330、350の両端部が装置本体の筐体(不図示)に軸受部材を介して回転自在に軸支されている。
ここでは、上側ローラー361が駆動側、下側ローラー362が従動側であり、上側ローラー361がローラー駆動モーター18(図1)により矢印P方向に回転駆動されると、下側ローラー362が矢印Q方向に従動回転する。上側ローラー361は、用紙Sに接する周面を有するローラー本体をゴム製に代えて例えばスポンジを用いることもできる。
清掃部40は、基台41と、支持部材42と、清掃部材43と、駆動アクチュエーター44を含む。基台41と支持部材42と清掃部材43は、下側ローラー362の軸方向(以下、「ローラー軸方向」という。)に長尺である。
基台41は、一定の厚みを有する平行平板であり、装置本体の筐体のフレーム19に動かないように固着されている。
支持部材42は、厚みが例えば1mm程度の薄い平行平板を折り曲げてなる断面L字状の部材であり、底面部421と、これの一端から下側ローラー362に近づく方向に立ち上がる側面部422とを有する。
底面部421には、ローラー軸方向に沿った2つの長孔423がローラー軸方向に間隔をあけて穿設されており、各長孔423には、基台41の上面411に立設されたピン412が嵌め込まれている。この長孔423とピン412の係合により、支持部材42の底面部421が基台41の上面411に面接触した状態で、支持部材42が基台41に対して長孔423の長さ相当分、ローラー軸方向にスライド移動が自在なように支持される。
清掃部材43は、樹脂、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂からなる薄板であり、支持部材42の側面部422にネジまたは接着剤などで固着されている固定端側の本体部430とは幅方向に反対側の自由端側が櫛歯状になっており、櫛歯を構成する各歯431(凸部)の先端438が下側ローラー362の周面352に当接している。それぞれの歯431は、ローラー軸方向に一定の長さ(幅)を有し、一定のピッチで並設されている。
ここでは、一例として、清掃部材43の厚みが0.3mmであり、歯431は、吹き出しの拡大図に示すように幅W1が5mm、高さHが5mmであり、隣り合う2つの歯431と歯431の間(歯間)の間隔W2(<W1)が3mm、複数の歯431のピッチが8mmになっており、歯431の圧接力が2N以下になっている。
このような櫛歯状にすると、隣り合う2つの歯431と歯431の間に空間(歯間)ができ、各歯431が下側ローラー362の周面352に当接する。仮に、櫛歯の凹凸状ではなく、ローラー軸方向に平行な直線状の薄板を用いれば、ローラー軸方向の一方端から他方端までの全体が下側ローラー362の周面352に当接する構成になり、ローラー軸方向の単位長さ当たりの圧力が低くなり易い。
これに対し、櫛歯状にすると、歯間が下側ローラー362の周面352に接していない分、清掃部材43の、下側ローラー362の周面352へのローラー軸方向における接触域が少なくなり、下側ローラー362の周面352に当接する各歯431の先端438に当接圧が集中し易くなって、それだけ当接圧が高まって掻き取り性を向上できる。
この当接位置は、下側ローラー362の軸線302よりも用紙搬送方向下流側で、上側ローラー361の軸線301と下側ローラー362の軸線302を含む仮想平面303(図3)に直交し且つ軸線302を含む仮想平面50を基準に、下側ローラー362の回転方向に角度θだけ回転した位置であり、角度θは、例えば10°以上80°以下の範囲内とすることができる。
この当接位置では、歯431の先端の向きが下側ローラー362の回転方向(矢印Q方向)に対して逆向き(カウンター)になる。これをカウンター当接という。
このカウンター当接では、薄板からなる清掃部材43をやや撓ませた姿勢で維持して、板ばねによる復元力で各歯431の先端438が下側ローラー362の周面352に一定の圧力(圧接力)で押圧した状態になっている。
なお、清掃部材43のローラー軸方向長さは、下側ローラー362のローラー本体351の長さに略等しいが、これに限られない。ローラー本体351よりも長い構成や多少短い構成などをとることもできる。また、搬送対象の異なるサイズの用紙Sのうち、最大サイズの用紙Sの幅(搬送方向とは直交する方向の長さ)と同じまたは少し長い構成をとることもできる。
駆動アクチュエーター44は、コイル部を含む本体441とプランジャー442を有するソレノイドからなり、支持部材42に対して装置正面側に位置する。プランジャー442の先端に設けられたピン443が支持部材42の底面部421の装置正面側の端部に設けられた孔424に嵌め込まれることで、支持部材42と接続される。
駆動アクチュエーター44がオフのときには、本体441のコイル部に通電されず、プランジャー442に遊嵌された圧縮コイルバネからなる戻りバネ(不図示)の復元力により、プランジャー442の先端部が本体441から飛び出した状態(実線)になる。
駆動アクチュエーター44がオンになると、コイル部への通電による電磁力の作用でプランジャー442がローラー軸方向に平行な姿勢のまま実線で示す位置から矢印G方向に破線で示す位置まで戻りバネの復元力に抗して本体441の中に引き込まれる。
これにより、プランジャー442に接続されている支持部材42がプランジャー442と一体でローラー軸方向に沿って矢印G方向に移動する。
支持部材42が矢印G方向に移動すると、これと一体の清掃部材43も、櫛歯の各歯431の先端438が下側ローラー362の周面352に当接したままの状態で同時に同方向に移動する。移動前の清掃部材43のローラー軸方向における位置を第1位置といい、移動後の位置を第2位置という。
駆動アクチュエーター44がオンからオフに切り換わると、コイル部への通電が遮断されて電磁力が作用しなくなるので、プランジャー442は戻りバネの復元力でプランジャー442の先端部が本体441から飛び出した実線の位置まで戻る。これにより、清掃部材43も第2位置から第1位置に戻る。清掃部材43がローラー軸方向に移動することにより、下側ローラー362の周面352上では、移動前と移動後とで各歯431と当接する周面部分がローラー軸方向にずれる。
このように駆動アクチュエーター44のオンとオフの切り換えにより、清掃部材43の各歯431の先端438を下側ローラー362の周面352に当接したままの状態で、清掃部材43を下側ローラー362に対してその軸方向に相対的に第1位置から第2位置へ、および第2位置から第1位置へスライド移動(往復運動)させることができる。このスライド移動は、下側ローラー362の周面352に付着した付着物の清掃性をより向上するために行われる。このことを図4により具体的に説明する。
図4は、第1位置に位置している清掃部材43が第2位置へ移動したときの様子を示す図である。同図に示すように清掃部材43が第1位置に位置しているとき、下側ローラー362の周面352は、ローラー軸方向(Y軸方向)に清掃部材43の各歯431の先端438が当接している周面領域J1(周面部分)と、隣り合う2つの歯431の間の周面領域J2(周面部分)とが交互に存在する。周面領域J1のローラー軸方向の幅は、歯431の幅W1に等しく、周面領域J2のローラー軸方向の幅は、歯間W2に等しい。
下側ローラー362の回転中にトナー粒子やワックス成分などが周面領域J1に付着してもカウンター当接している歯431の先端438で掻き取られて落下する。なお、落下せずに歯431の先端438と下側ローラー362の周面352との当接部分に付着物Tmが溜まることがあるが、周面領域J1の全周に亘って堆積することはない。
周面領域J2は、歯431が当接してない領域なので、トナー粒子やワックス成分などが付着すれば、それが付着物Tnになる。付着物Tnの堆積量が少なければ、周面領域J2の摩擦係数の低下による用紙Sのスリップやジャムが生じることはないが、付着物Tnの堆積量が増えすぎると、用紙Sのスリップやジャムが生じるおそれがある。
そこで、付着物Tnの堆積量が用紙Sのスリップやジャムが生じる程度に増えるよりも前に、清掃部材43を第2位置へ移動させる。移動距離δ1は、ローラー軸方向に並ぶ各歯431のピッチPaの半分である(Pa/2)である。上記の例では、Paが8mmになるので、移動距離δ1は4mmになる。
この清掃部材43の移動、つまり歯431の移動により、歯431の先端438と下側ローラー362の周面352との当接部分に存している付着物Tmにローラー軸方向のせん断力が作用することで、その付着物が砕かれて、歯431と下側ローラー362の周面352とから離脱した後、自重で落下する。落下した付着物を受け止めて収容する容器を清掃部材43よりも下に設けておくことが望ましい。
また、清掃部材43の第1位置から第2位置への移動中に、移動方向上流側に位置する歯431(同図では左端の歯431)の先端438と側縁439が周面領域J2に堆積している付着物Tnに当たり、付着物Tnにローラー軸方向のせん断力を作用させることで、付着物Tnを周面領域J2から剥離させる。剥離された付着物Tnは、自重落下する。
清掃部材43が第2位置に移ると、下側ローラー362の周面352では、清掃部材43の各歯431の先端438が当接している周面領域J3が移動前の第1位置のときの周面領域J1からローラー軸方向にずれる。周面領域J3が清掃部材43の移動後に歯431が当接する下側ローラー362の新たな周面部分になり、周面領域J4が歯間になる。
周面領域J1の幅が周面領域J2の幅よりも大きく、移動距離δ1がPa/2という条件から、第2位置での周面領域J3が第1位置での周面領域J2をそのまま含むので、移動前の領域J2の全周に亘って付着物が堆積していても、清掃部材43が第2位置に位置している状態で下側ローラー362が回転することで、その付着物を領域J3に対応する歯431で掻き取ることができる。なお、上記では、左端の歯431について説明したが、他の歯431についても同様に、清掃部材43の第1位置から第2位置への移動により領域J2の付着物をローラー軸方向に剥離させて除去することができる。
〔3〕全体制御部の構成
図5は、全体制御部15の構成を示すブロック図である。
同図に示すように全体制御部15は、通信インターフェース(I/F)部151と、CPU152と、ROM153と、RAM154と、累積プリント枚数記憶部155と、累積付着量推定部156と、清掃部材移動制御部157を備え、それぞれがバス159を介して相互に通信可能になっている。
通信I/F部151は、ネットワーク、ここではLANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、LANを介して外部(不図示)からのプリントジョブのデータを受信する。
CPU(Central Processing Unit)152は、ユーザーによる操作部(不図示)の入力情報などに基づき、ROM(Read Only Memory)153から必要なプログラムを読み出して、画像形成部11、給送部12、搬送部13、定着部14を統括的に制御して、プリントジョブを円滑に実行させる。また、CPU152は、定着部温度検出センサー144の検出結果から定着ローラー141の温度を随時監視して、定着ローラー141の温度が目標の定着温度に維持されるようにヒーター143の熱量を制御する。RAM(Random Access Memory)154は、CPU152のワークエリアを提供する。
累積プリント枚数記憶部155は、過去に実行されたプリントジョブにおける累積プリント枚数Uaを記憶している不揮発性の記憶部である。1枚の用紙Sに対するプリントが実行される度に現在の累積プリント枚数Uaに「1」をインクリメントした値が新たな累積プリント枚数Uaとして更新されて記憶されるようになっている。
累積付着量推定部156は、排出ローラー対36の下側ローラー362に現に付着していると想定されるトナーの粒子やワックス成分などの付着量の累積値(累積付着量推定値)Ubを求める。これは、次のようにして行われる。
まず、(a)1枚の用紙Sに対するプリントが実行される度に、プリントされるべき画像の印字率Cvを取得する。印字率Cvは、用紙Sの表面の面積に対するトナー像の形成領域の割合(百分率)で示される。印字率Cvは、プリントジョブのデータに印字率Cvの情報が含まれている場合にはそのデータから読み出すことで取得でき、含まれていない場合には、1枚の用紙Sに形成すべき画像の画素数とその用紙Sの全面にトナー像を形成する場合の全画素数との比を計算することで取得できる。
次に、(b)取得した印字率Cvに対応する付着物の量Uvを図6に示す対応テーブル158から求める。対応テーブル158は、印字率Cv(1%、2%、3%・・)と、その印字率のトナー像をプリントした場合に下側ローラー362に付着すると推定される付着物の量U1、U2、U3・・とを対応付けた情報が書き込まれているテーブルであり、予め実験などから求められる。
(c)求めた付着物の量Uvを現在の累積付着量推定値Ubに加算して得られる値を新たな累積付着量推定値Ubとして更新して記憶する。この記憶されている累積付着量推定値Ubが現在の累積付着量推定値Ubになる。
なお、累積プリント枚数Uaと累積付着量推定値Ubは、次に説明する清掃部材移動制御が実行される度に0にリセットされるようになっている。
清掃部材移動制御部157は、累積プリント枚数Uaと累積付着量推定値Ubの大きさに基づき駆動アクチュエーター44を制御して、清掃部材43を第1位置から第2位置、第2位置から第1位置に移動させる清掃部材移動制御を行う。この意味で、清掃部材移動制御部157と駆動アクチュエーター44は、清掃部材43をローラー軸方向に移動させる移動手段を構成する。
〔4〕清掃部材移動制御の処理内容
図7は、ジョブを受け付けたときの清掃部材移動制御部157による清掃部材移動制御の処理内容を示すフローチャートである。この移動制御は、一つのプリントジョブを受け付ける度に実行され、排出ローラー対36の回転が停止された状態で開始されるが、ジョブの受け付けと同時にローラー駆動モーター18を駆動させて排出ローラー対36の回転を開始してその回転中に実行するとしても良い。
同図に示すように累積プリント枚数Uaが閾値Th1(第1閾値)以上であるか否かを判断する(ステップS1)。累積プリント枚数Uaは、累積プリント枚数記憶部155から読み出される。閾値Th1は、累積プリント枚数Uaが閾値Th1以上になると、下側ローラー362の周面352(実質、図4に示す領域J2またはJ4)に付着した付着物の堆積量が増えすぎて、排出ローラー対36により搬送される用紙Sがスリップするなどの用紙搬送性の低下を招くと想定される値であり、実験などにより予め求められる。
付着物の堆積量がある程度、大きくなるまでは用紙Sのスリップなどは生じないので、閾値Th1は、ある程度大きい枚数、例えば装置構成によって5000枚、1万枚、5万枚、10万枚などとすることができる。
累積プリント枚数Uaが閾値Th1よりも小さいことを判断すると(ステップS1で「No」)、累積付着量推定値Ubが閾値Th2(第2閾値)以上であるか否かを判断する(ステップS2)。累積付着量推定値Ubは、累積付着量推定部156により求められる。閾値Th2は、累積付着量推定値Ubが閾値Th2以上になると、排出ローラー対36の用紙搬送性の低下を招くと想定される値であり、実験などにより予め求められる。
累積付着量推定値Ubが閾値Th2よりも小さいことを判断すると(ステップS2で「No」)、CPU152にプリントジョブの開始を指示して(ステップS3)、当該処理を終了する。
一方、累積プリント枚数Uaが閾値Th1以上であることを判断すると(ステップS1で「Yes」)、清掃部材43の現在の位置が第1位置であるか否かを判断する(ステップS4)。第1位置と判断すると(ステップS4で「Yes」)、駆動アクチュエーター44をオンにして、清掃部材43を第1位置から第2位置へスライド移動させて(ステップS5)、ステップS7に進む。
清掃部材43の現在の位置が第1位置ではない、つまり第2位置と判断すると(ステップS4で「No」)、駆動アクチュエーター44をオフにして、清掃部材43を第2位置から第1位置へスライド移動させて(ステップS6)、ステップS7に進む。
ステップS7では、累積プリント枚数Uaと累積付着量推定値Ubが0にリセットされ、その後、ステップS3でプリントジョブの開始が指示される。この指示により、プリント動作の開始に伴い、ローラー駆動モーター18の回転駆動が開始され、排出ローラー対36の回転駆動が開始される。
ジョブを受け付ける度に上記の移動制御を繰り返し実行して、清掃部材43を第1位置と第2位置との間を往復運動させることにより、下側ローラー362の周面352上をローラー軸方向に漏れなく清掃することができる。
なお、清掃部材移動制御を累積プリント枚数Uaだけではなく累積付着量推定値Ubをも用いて行うようにしているのは、次の理由による。すなわち、プリンター1が写真画像などの印字率の大きいプリントを実行する頻度が多い環境に設置されていると、累積プリント枚数Uaが閾値Th1に至る前に、下側ローラー362の周面352への付着物の堆積量が用紙Sのスリップを生じさせる程度まで増えている場合が生じ得る。このような場合でも累積付着量推定値Ubを考慮することで、清掃部材移動制御をより適切なタイミングで実行できるからである。
累積付着量推定値Ubを用いる必要のないような場合には、累積プリント枚数Uaだけを用いる構成とすることもできる。また、清掃部材移動制御を排出ローラー対36が停止状態で実行するとしたが、これに限られず、例えば下側ローラー362の回転中、具体的には排出ローラー対36の回転駆動を開始してからプリント動作の開始までの間やプリントジョブ実行中などに行うとしても良い。
以上説明したように本実施の形態では、櫛歯状の清掃部材43の各歯431(凸部)が下側ローラー362の周面352(周面領域J1またはJ3)に当接し、隣り合う2つの歯431の間の領域(周面領域J2またはJ4)が下側ローラー362の周面352(以下、「ローラー周面」という。)に接触しないので、ローラー軸方向の一方端から他方端までの全体がローラー周面に接触する構成よりも、ローラー周面に当接する各歯431の先端438に当接圧が集中し易くなって、それだけ当接圧を高めることができる。
そして、清掃部材43が第1位置から第2位置へ、または第2位置から第1位置へのローラー軸方向の移動中に、(a)歯431の先端438とローラー周面との当接部分に存していたトナー粒子などの付着物にローラー軸方向のせん断力を作用させてローラー周面から離脱させ、(b)下側ローラー362の新たな周面部分(移動前に歯431が当接していなかった周面部分:領域J2またはJ4)に堆積している付着物に、移動中の歯431からローラー軸方向のせん断力を作用させることで、その付着物をローラー周面から剥離させて除去することができる。
そして、清掃部材43の移動後は、下側ローラー362の周面領域J1またはJ3に当接している歯431により、その周面領域に付着物が堆積するのを防止できる。
これにより、従来のように単に清掃部材をローラー周面に押し当てるだけの構成よりも、長期間に亘ってローラー周面に付着物が溜まったままになることを防止して、ローラー周面の清掃性をより向上できる。
なお、上記では清掃部材43を樹脂製としたが、ローラー周面を清掃可能な素材であれば、これに限られず、例えば金属製、具体的にはステンレス鋼などからなる薄板を清掃部材に用いることもできる。清掃部材43の素材は、清掃対象であるローラー周面(下側ローラー362の周面)よりも柔らかい(硬度が低い)素材が望ましい。ローラー周面が清掃部材43との摩擦により長期間に亘り徐々に削れる場合があり、これを抑制できるからであるが、搬送性に影響を及ぼさないような場合には、清掃部材43の素材をローラー周面と同じ素材またはローラー周面よりも硬い(硬度が高い)素材とすることもできる。
なお、駆動アクチュエーター44の一例としてのソレノイドに、本体441に引き込まれたプランジャー442に吸引力を作用させ続ける永久磁石を有するいわゆる自己保持型のソレノイドを用いれば、コイル部への通電を継続しなくても、清掃部材43を第2位置で静止させ続けることができる。また、コイル部に流れる電流の向きを、清掃部材43の第1位置から第2位置への移動時とは戻向きにして、永久磁石の吸引力よりも強い復帰力をプランジャー442に作用させて、プランジャー442を本体441から飛び出させることで、清掃部材43を第2位置から第1位置に戻すことができる。
また、駆動アクチュエーター44は、清掃部材43をローラー軸方向に直線移動させるための駆動力を清掃部材43に作用させることができるものであれば、ソレノイドに限られない。例えば、回転力を直線運動に変換するラック・アンド・ピニオン機構を用いることもできる。図8は、ラック・アンド・ピニオン機構440の例を示す斜視図である。
同図に示すようにラック・アンド・ピニオン機構440は、支持部材42の側面部422のローラー軸方向端部を延長した部分にラック425を形成し、ラック425に噛み合うピニオン447を駆動モーター445の回転軸446に嵌め込んだ構成になっている。
駆動モーター445の回転軸446の回転方向を正方向とこれの反対の逆方向に切り換えることで、清掃部材43をローラー軸方向に第1位置から第2位置への移動と第2位置から第1位置への移動とを実行することができる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、清掃部材43に樹脂製の薄板を用いる構成例を説明したが、本実施の形態2では、連続気泡を有するゴム発泡体を用いるとしており、この点で実施の形態1と異なっている。
図9(a)は、本実施の形態2に係る清掃部材53の構成例を示す一部分解概略斜視図であり、排出ローラー対36と清掃部材53を用紙搬送方向上流側から見たときの図であり、図9(b)は、清掃部材53平面図を示している。
図9(a)、(b)に示すように清掃部材53は、ローラー軸方向(Y軸方向)に長尺な棒状の支持体(本体部)530に、多孔質の連続気泡体からなる円筒状のゴム発泡体(以下、「連泡ゴム」という。)531が複数個、ローラー軸方向に一定の間隔を開けて嵌め込まれてなり、各連泡ゴム531の周面535の一部538が下側ローラー362の周面352に接触している。
支持体530は、ローラー軸方向両端部が装置本体の筐体の一部を構成する側板191、192のそれぞれの矩形の貫通孔196に回転不可に嵌め込まれており、各連泡ゴム531が本体部530に接着剤等で固着されている。これにより、下側ローラー362が回転しても、下側ローラー362の周面352に当接している各連泡ゴム531が下側ローラー362と一緒に従動回転することはない。
従って、各連泡ゴム531について、下側ローラー362の周面352と当接している部分538が、本体部530から下側ローラー362の周面352に向かって突出する凸部の先端、つまり実施の形態1における歯431の先端438に相当するといえる。
ローラー軸方向に隣り合う2つの連泡ゴム531の間に空間(上記の歯間に相当)ができるので、一つの連泡ゴム531をローラー軸方向に長尺したものを用いる構成よりも、下側ローラー362の周面352とのローラー軸方向の接触域が少なくなる分、各連泡ゴム531の下側ローラー362の周面352への当接圧を高めることができる。
連泡ゴム531の表面は、気泡による凹凸が生じており、下側ローラー362の周面352と当接している部分538の表面の一部を下側ローラー362側から拡大して平面視すると、図12に示すように凸部591と凹部592とがローラー軸方向とローラー周方向に並ぶように設けられている。
凸部591のローラー軸方向長さ(幅)W5は、凹部592の間隔W6よりも大きくなっており、例えば数十μm程度のオーダーになっている。複数の凸部591がローラー軸方向に一定のピッチ(=W5+W6)で列状に並び、各列581、582、583・・がローラー周方向に配列されている。ローラー周方向に隣り合う列581と582とは、凸部591のローラー軸方向の位置が相互にローラー軸方向に半ピッチずれた千鳥状になっている。
この半ピッチずれた位置関係とW5>W6の大小関係とから、例えば付着物Tnが列581に属する隣り合う2つの凸部591の間をすり抜けても、次の隣の列582の凸部594で掻き取ることができる。これにより、連泡ゴム531による付着物の清掃性が向上する。
図9に戻って、支持体530の装置正面側の端部536は、側板191の貫通孔196を通じて装置正面側に飛び出しており、端部536に設けられた孔539に、ソレノイドからなる駆動アクチェーター44のプランジャー442に立設されたピン443が嵌め込まれている。
駆動アクチェーター44のオンとオフの切り換えにより、プランジャー442が本体441に対してローラー軸方向に飛び出したり引き込まれたりする。これにより、プランジャー442に連結されている清掃部材53がプランジャー442と一体で各連泡ゴム531が下側ローラー362の周面352に当接した状態でローラー軸方向に第1位置から第2位置へ、第2位置から第1位置へそれぞれスライド移動(往復運動)する。
連泡ゴム531が下側ローラー362の周面352に当接することで、下側ローラー362の周面352の付着物を多孔質の連泡ゴム531の気泡内部に取り込んで除去しつつ、ローラー軸方向への移動により、連泡ゴム531の周面のうち下側ローラー362の周面352と接触している部分538に付着物が溜まり気味になっても、その付着物にローラー軸方向のせん断力が作用して除去することができ、連泡ゴム531の内部への付着物の取り込み効果を維持して清掃性を向上することができる。
連泡ゴム531のローラー軸方向の幅W1とローラー軸方向に隣り合う2つの連泡ゴム531の間隔W2は、実施の形態1と同じとすることができるが、これに限られない。また、連泡ゴム531の下側ローラー362の周面352への圧接力は、下側ローラー362の周面352の付着物を清掃するのに適した値が予め決められる。
なお、上記では、清掃部材53に連続気泡体のゴム発泡体を用いるとしたが、下側ローラー362の周面352上の付着物を清掃可能なものであれば、これに限られない。例えば、下側ローラー362の周面352に当接する先端部分538の素材を単独気泡体の発泡ゴム、多孔質のスポンジまたはフェルトなどとする構成をとることもできる。
本発明は、画像形成装置に限られず、清掃部材の移動方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態1では、樹脂製の薄板からなる清掃部材43を下側ローラー362のローラー軸方向に移動させる構成例を説明したが、このローラー軸方向の移動に加えて、図10に示すように清掃部材43を矢印D方向に微小距離、例えば0.1〜0.2mm程度、移動させる構成をとることもできる。矢印D方向は、下側ローラー362の周面352上で清掃部材43の歯431の先端438が当接している周面部分の接線方向であり、下側ローラー362の周方向(ローラー軸方向に対して直交する方向)に相当する。
このように清掃部材43を矢印D方向にも移動させれば、歯431の先端438を下側ローラー362に対して周方向にもずらすことができ、歯431の先端438と下側ローラー362の周面352との間に介在するトナー粒子やワックス成分などの付着物に周方向の力を作用させて掻き取ることができ、清掃性のさらなる向上を図ることができる。
図11は、本変形例に係る清掃部材の移動機構を説明するための概略分解斜視図であり、実施の形態1と同じ機能を有する部材については、形状が異なっていても同じ符号を付している。
同図に示すように基台411に立設されたピン412が清掃部材43を支持する支持部材42の長孔423に係合されており、支持部材42が基台411上に長孔423の長さ相当分、ローラー軸方向(Y軸方向)にスライド移動自在に支持されている。
支持部材42の装置正面側の端部に設けられた孔424に、ソレノイドからなる駆動アクチュエーター44のプランジャー442に立設されたピン443が係合しており、駆動アクチュエーター44のオンとオフの切り換えにより、支持部材42に支持されている清掃部材43が下側ローラー362の周面352に当接した状態でローラー軸方向にスライド移動することができる。
基台411の長さ方向の両端部41a、41bは、装置筐体の側板191、192に設けられ、基台411の幅よりも幅方向(矢印D方向)に長い貫通孔199に挿通されている。ここで矢印D方向は、上記の接線方向に相当する。
装置筐体の底板191上であり、基台411に対して矢印D方向とは反対側の位置には、2つのカム駆動モーター545が装着されている。2つのカム駆動モーター545は、同じ性能のものであり、清掃部材移動制御部157により同時並行で同じ速度で回転駆動制御される。カム駆動モーター545の回転軸には、板カム546が嵌め込まれている。
2つの板カム546は同じ大きさ、形状のものであり、それぞれが同図に示す基準位置において駆動モーター545の回転軸から最も距離の短い周面部分が基台411の側面41dに当接するようにカム駆動モーター545の回転軸に固着されている。そして、底板191に立設された突片195と基台411の側面41dとが引っ張りばね197に接続され、引っ張りばね197の張力により、基台411の側面41dが常時、板カム543の周面に当接した状態になっている。
このような構成において、2つのカム駆動モーター545が同時並行で同じ速度で回転することで、2つの板カム546の同期した回転により、支持部材41とこれに一体の清掃部材43とが矢印D方向とこれとは反対方向に往復運動する。この往復運動が下側ローラー362の周面352に対する清掃部材43の接線方向へのスライド移動になる。
この接線方向のスライド移動は、清掃部材移動制御において清掃部材43のローラー軸方向への移動の直後に実行するとしても良いし、またはローラー軸方向への移動に先立って実行するとしても良い。また、薄板に限られず、連泡ゴムを用いる実施の形態2に係る構成にも接線方向のスライド移動を適用することもできる。
(2)上記実施の形態では、清掃部材43のローラー軸方向への移動を累積プリント枚数Uaと累積付着量推定値Ubを用いて制御するとしたが、これに限られない。例えば、1回のプリントジョブの実行の度に、そのジョブの開始前または完了後に行うことができる。この場合、排出ローラー対36が停止中または回転中に行うとしても良い。
また、複数枚の用紙Sを1枚ずつ搬送してプリントを行う画像形成ジョブ実行中において、排出ローラー対36が回転中であり、N(整数)枚目の用紙Sの搬送方向後端が排出ローラー対36を通過後、(N+1)枚目の用紙Sの搬送方向先端が排出ローラー対36に至るまでの間の間隔(紙間)に、清掃部材43のローラー軸方向への移動を実行することもできる。
(3)上記実施の形態では、排出ローラー対36を構成する上側ローラー361と下側ローラー362のうち、従動側である下側ローラー362を清掃部材43の清掃対象とする構成例を説明したが、これに限られない。例えば、駆動側である上側ローラー361を清掃対象とするとしても良い。
また、下側ローラー362を金属製としたが、これに限られず、例えばポリアセタールやABS樹脂などからなる高硬度プラスチック製のローラーを清掃対象とする構成にも適用できる。
(4)上記実施の形態では、排出ローラー対36を清掃対象とする構成例を説明したが、これに限られない。熱定着を行う定着部14よりも用紙搬送方向下流側に存し、定着部14を通過後の用紙Sをさらに搬送方向下流側に搬送する搬送ローラーであれば良く、例えば搬送路38上において定着部14と排出ローラー対36との間に別の搬送ローラーが存する構成では、その搬送ローラーを清掃対象とすることができる。
なお、定着部14よりも用紙搬送方向下流側に搬送路38に沿って複数の搬送ローラーが間隔を開けて配される構成では、複数の搬送ローラーのうち用紙搬送方向最上流の搬送ローラーを清掃対象とすることが望ましい。定着部14に近い搬送ローラーの方が遠い搬送ローラーよりも定着部14を通過後の用紙Sの温度がより高い状態になっていることが多いからである。
(5)上記実施の形態では、画像形成装置の一例としてのタンデム型のプリンターの構成例を説明したが、これに限られない。電子写真方式によりトナー像をシート上に形成し、トナー像が形成されたシートを、熱定着を行う定着部を通過させた後、さらに搬送ローラーで搬送する画像形成装置であれば、カラー画像形成可能な構成、モノクロ画像形成のみの構成にいずれにも関わりなく、例えば複写機やファクシミリ装置、複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)等などに適用できる。
さらに、清掃部材の素材、形状、大きさ、歯や連泡ゴムの形状、大きさ、厚み、幅、ピッチなどが上記の値などに限られないことはいうまでもなく、予め実験などにより適した値などが決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、トナー像が形成されたシートを、熱定着を行う定着部を通過させた後、さらに搬送ローラーで搬送する画像形成装置に好適に利用可能である。
10 プリンター
14 定着部
15 制御部
18 ローラー駆動モーター
36 排出ローラー対
40 清掃部
41 基台
42 支持部材
43、53 清掃部材
44 駆動アクチュエーター
155 累積プリント枚数記憶部
156 累積付着量推定部
157 清掃部材移動制御部
158 対応テーブル
352 下側ローラーの周面
362 下側ローラー(搬送ローラー)
430、530 本体部
431 櫛歯の歯(凸部)
438 歯の先端
440 ラック・アンド・ピニオン機構
445 駆動モーター
531 連泡ゴム(凸部)
545 カム駆動モーター
546 板カム
S 用紙

Claims (15)

  1. トナー像が形成されたシートを、熱定着を行う定着部を通過させた後、さらに搬送ローラーで搬送する画像形成装置であって、
    前記搬送ローラーの軸方向に長尺な本体部に前記軸方向に一定の幅を有する凸部が複数個、前記軸方向に並設されてなり、前記複数の凸部の先端が前記搬送ローラーの周面に当接して、当該搬送ローラーの周面部分を清掃する清掃部材と、
    前記清掃部材を前記搬送ローラーに対してその軸方向に相対的に移動させて、前記各凸部を前記搬送ローラーの新たな周面部分に当接させる移動手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記清掃部材は、櫛歯状の薄板であり、前記凸部は、前記櫛歯を構成する歯であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記薄板は、
    樹脂または金属からなることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記薄板は、前記搬送ローラーの周面よりも硬度が低い素材からなることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記凸部が連続気泡を有するゴム発泡体またはスポンジからなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記凸部の幅が隣り合う2つの凸部との間隔より長く、
    前記移動手段は、前記清掃部材を前記間隔以上かつ前記凸部の幅以下の範囲で往復運動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記移動手段は、累積画像形成枚数が第1閾値以上の場合に、前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記移動手段は、累積画像形成枚数が前記第1閾値より小さい場合でも、前記搬送ローラーの周面に付着している付着物の付着量推定値が第2閾値以上の場合に、前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記移動手段は、前記搬送ローラーが回転中に前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記搬送ローラーを回転駆動する駆動手段を備え、
    前記移動手段は、画像形成ジョブの受け付けにより前記搬送ローラーの回転駆動を開始した後、前記搬送ローラーの回転中に前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記移動手段は、画像形成ジョブの実行により前記搬送ローラーが回転中であり、N(整数)枚目のシートの搬送方向後端が前記搬送ローラーを通過後、(N+1)枚目のシートの搬送方向先端が前記搬送ローラーに至るまでの紙間に、前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記移動手段は、前記搬送ローラーが停止中に前記清掃部材を移動させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記移動手段は、前記清掃部材を前記軸方向に移動させることに加えて、この移動に先立ってまたはこの移動の直後に、前記清掃部材を前記凸部が当接している前記搬送ローラーの周面部分の接線方向に移動させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記搬送ローラーは、駆動ローラーと従動ローラーからなるローラー対のうち前記従動ローラーであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記駆動ローラーは、周面がゴムまたはスポンジからなり、前記従動ローラーは、金属製であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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