JP2020177904A - 全固体電池用負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】全固体電池を製造する際に、負極活物質層及び負極集電体層を有する負極、又はこの負極を含む積層体を圧密化しても、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制することができる負極を提供する。【解決手段】負極集電体層及び負極活物質層を有する全固体電池用負極であって、負極集電体層が、ニッケル箔であり、負極活物質層が、負極活物質及びバインダーを含み、かつ負極活物質層及び負極集電体層が、下記式(1)〜(3)を満たす、負極。負極集電体層の破断伸び率≧負極活物質層の破断伸び率 …(1)負極活物質の平均一次粒子径≦負極集電体層の十点平均粗さ …(2)負極活物質層の空隙率≦25% …(3)【選択図】なし

Description

本開示は、全固体電池用負極に関する。
近年、携帯機器や自動車等の電源として、様々な全固体電池が開発されている。
例えば、特許文献1には、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有するリチウム固体電池が開示されている。また、特許文献1において、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましいと開示されている。
また、特許文献2には、負極活物質を有する負極、及び、正極活物質を有する正極と、これらの間に配置された固体電解質層と、負極に接続された負極集電体、及び、正極に接続された正極集電体と、を有し、負極と負極集電体との間、及び/又は、正極と正極集電体との間に、金属層が配置され、金属層が、負極と負極集電体との間に配置された負極側金属層である場合には、負極活物質に金属イオンが吸蔵放出される電位環境において金属イオンと電気化学反応せず、且つ、伸び率が22%以上である金属が、負極側金属層に用いられ、金属層が、正極と正極集電体との間に配置された正極側金属層である場合には、正極活物質に金属イオンが吸蔵放出される電位環境において金属イオンと電気化学反応せず、且つ、伸び率が22%以上である金属が、正極側金属層に用いられている、全固体電池が開示されている。また、負極側金属層について、負極活物質に応じて選択することができるものとし、例えば、負極活物質がグラファイトである場合、負極側金属層に用いることが可能な金属としては、Li、Cu、Au、Ti、Fe、Nb、Ni等が開示されており、また、負極活物質がLiTi12である場合、負極側金属層に用いることが可能な金属としては、Li、Cu、Au、Ti、Fe、Nb、Ni、In、Zn、Al、Ca、Ag、Zr、Sn、Pt等が開示されている。
特許文献3には、リチウムイオンを吸蔵および放出しうる物質を主体とする正極活物質と炭素材料を主体とする負極活物質とを備えたリチウム二次電池において、負極集電体として多孔性電解ニッケル箔を用いたことを特徴とするリチウム二次電池が開示されている。
特許文献4には、負極集電体の凹凸を有する面の最大高さRyが0.5μm〜5.0μmであり、かつ、負極集電体の凹凸を有する面の局部山頂の平均間隔Sが、負極活物質の平均粒子径の50〜500%であるリチウムイオン二次電池用負極が開示されている。
特許文献5には、活物質層に接触する接触凸部と、活物質層に接触しない非接触凹部とからなる凹凸形状の表面を有する集電体が開示されている。特許文献5においては、接触凸部の高さを0.1μm以上3μm以下とし、非接触凹部の底面に、温度上昇によって膨張する熱膨張樹脂を含む樹脂コート層を形成している。
特許文献6には、負極集電体の少なくとも一方の主面上の外周部と中心部の平均表面粗さの比((外周部の平均表面粗さa)/(中心部の平均表面粗さb))が、a/b<1、好ましくはa/b≦0.9であるリチウム電池が開示されている。
特開2014−035865号公報 特開2015−065029号公報 特開平08−213049号公報 特開2011−258407号公報 特開2016−126901号公報 特開2017−152214号公報
全固体電池のエネルギー密度を高めるために、通常、全固体電池を製造する工程では、正極活物質層、負極活物質層、及び固体電解質層の少なくとも一つを含む積層体を圧密化する操作が行われる。
しかしながら、負極活物質層と共に負極集電体層を含む積層体を圧密化すると、負極活物質層と負極集電体層との間で割れ又は剥がれが発生してしまうことがある。特に、高圧プレス(例えば、ロールプレス等)を用いて、負極活物質層及び負極集電体層を含む積層体を圧密化すると、この負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれが発生しやすくなる。
そこで、本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、負極活物質層及び負極集電体層を含む積層体を圧密化しても、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制できる負極を提供することを目的とする。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、以下の負極を開示する。
負極集電体層及び負極活物質層を有する全固体電池用負極であって、
前記負極集電体層が、ニッケル箔であり、
前記負極活物質層が、負極活物質及びバインダーを含み、かつ
前記負極活物質層及び前記負極集電体層が、下記式(1)〜(3)を満たす、負極。
前記負極集電体層の破断伸び率≧前記負極活物質層の破断伸び率 …(1)
前記負極活物質の平均一次粒子径≦前記負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
前記負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
本開示の負極において、前記負極集電体層の算術平均粗さRa(μm)と前記負極活物質の平均一次粒子径A(μm)とが、下記式(4)を満たしてもよい。
0.10≦Ra/A≦3.00 …(4)
本開示の負極によれば、全固体電池の製造において、負極活物質層及び負極集電体層を有する負極、又はこの負極を含む積層体を圧密化したときに、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制することができる。
以下、本開示を実施するための形態について、詳細に説明する。
〈負極〉
本開示の負極は、負極集電体層及び負極活物質層を有する全固体電池用負極であって、
負極集電体層が、ニッケル箔であり、
負極活物質層が、負極活物質及びバインダーを含み、かつ
負極活物質層及び負極集電体層が、下記式(1)〜(3)を満たす、負極である。
負極集電体層の破断伸び率≧負極活物質層の破断伸び率 …(1)
負極活物質の平均一次粒子径≦負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
ここで、負極集電体層及び負極活物質層はそれぞれ、本開示の負極に一層以上含まれてもよい。例えば、本開示の負極は、負極活物質層及び負極集電体層がこの順に積層されてなる構成を有していてもよく、負極活物質層、負極集電体層、及び負極活物質層がこの順に積層されてなる構成を有していてもよい。
上述したように、従来の全固体電池の製造においては、負極活物質層及び負極集電体層を有する負極、又はこの負極を含む積層体を圧密化すると、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれが発生してしまうことがあった。
これは、負極活物質層と負極集電体層とでは、圧力に対するヤング率(柔らかさの指標)が異なる場合が多いため、負極活物質及び負極集電体を有する負極に圧力をかけると、負極活物質層と負極集電体層との変形の程度が異なり、それによって負極活物質層と負極集電体層との間で割れ又は剥がれが発生してしまうことによると考えられる。
それに対して、本開示によれば、負極集電体層としてニッケル箔、すなわち比較的硬質な金属箔を用いる場合に、負極活物質層及び負極集電体層が、上述の式(1)〜(3)を満たすことによって、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制できる。
(式(1):負極集電体層の破断伸び率と負極活物質層の破断伸び率との関係)
式(1)は、下記のとおりである:
負極集電体層の破断伸び率≧負極活物質層の破断伸び率 …(1)
負極集電体層と負極活物質層とが式(1)を満たす場合、すなわち負極集電体層の破断伸び率が、負極活物質層の破断伸び率と同じ又はそれより大きい場合、ロールプレス等の高圧プレスの際に負極集電体が比較的変形しやすくなるので、プレスによる負極活物質層の変形に、負極集電体層が追従しやすくなり、それによって、得られる負極において、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制できると考えられる。
ここで、負極集電体層及び負極活物質層の破断伸び率は、例えばJIS Z 2241:2011に定められた方法に従って測定することができる。より具体的には、JIS Z 2241:2011に基づき、負極集電体層又は負極活物質層からなる試験片を作製し、この試験片を引っ張りながら高速度カメラ(株式会社キーエンス製、VW−9000)で撮影し、試験片に亀裂が入った時間から負極集電体層又は負極活物質層の破断伸び率を算出することができる。
負極集電体層及び負極活物質層の破断伸び率の測定のためには、負極集電体層及び負極活物質層を有する負極に対して製造工程で加えられる最大プレス圧に相当するプレス圧でのプレスを行った負極集電体層及び負極活物質層を、試験片として用いることができる。すなわち例えば、負極集電体層及び負極活物質層を有する負極に対して製造工程で加えられる最大プレス圧が2ton/cmの線圧である場合、予め2.0トン/cmの線圧でのプレスを行った負極集電体層及び負極活物質層を、試験片として用いることができる。なお、負極活物質層の試験サンプルの作成のためには、基材として、比較的軟質な金属箔、例えば銅箔を用いることができる。
本開示において、負極集電体層の破断伸び率の具体値は、特に限定されず、例えば、1.0%以上、1.5%以上、2.0%以上、2.5%以上、3.0%以上、3.5%以上、4.0%以上、4.5%以上、5.0%以上、5.5%以上、6.0%以上、6.5%以上、7.0%以上、7.5%以上、8.0%以上、8.5%以上、9.0%以上、9.5%以上、10.0%以上、10.5%以上、11.0%以上、又は15.0%以上であってよく、また20.0%以下、19.0%以下、18.0%以下、17.0%以下、16.0%以下、15.0%以下、14.0%以下、13.0%以下、12.0%以下、11.0%以下、10.0%以下、9.5%以下、9.0%以下、8.5%以下、8.0%以下、7.5%以下、7.0%以下、6.5%以下、6.0%以下、5.5%以下、又は5.0%以下であってよい。
負極集電体層の破断伸び率の調整は、特に限定されず、例えば用いる負極集電体層の厚さを変えることによって所望の破断伸び率を有する負極集電体層を選択してもよく、又は用いる負極集電体層をアニール処理することによって、所望の破断伸び率を有する負極集電体層を得てもよい。
(式(2):負極集電体層の十点平均粗さと負極活物質の平均一次粒子径との関係)
式(2)は、下記のとおりである:
負極活物質の平均一次粒子径≦負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
「負極集電体層の十点平均粗さ」とは、負極集電体層の表面のうち、少なくとも負極活物質層と接触する表面における十点平均粗さをいう。負極活物質の平均一次粒子径及び負極集電体層の十点平均粗さが式(2)を満たす場合、すなわち負極活物質の平均一次粒子径が、負極集電体層の十点平均粗さと同じ又はそれよりも小さい場合、ロールプレス等の高圧プレスの際に負極活物質層と負極集電体層との間で滑りが生じにくく、それによって得られる負極において、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制できると考えられる。
負極集電体層の十点平均粗さRzは、JIS B 0601:1994に準拠して、株式会社小坂研究所製SE−600を用いて、10mm×10mmサイズにニッケル箔を切り出し、測定長さ8mm、カットオフ値0.5mmの測定条件にて求める。
本開示において、負極集電体層の十点平均粗さの具体値は、特に限定されず、例えば0.5μm以上、0.6μm以上、0.7μm以上、0.8μm以上、0.9μm以上、1.0μm以上、1.5μm以上、2.0μm以上、2.5μm以上、3.0μm以上、3.5μm以上、4.0μm以上、4.5μm以上、5.0μm以上、5.5μm以上、6.0μm以上、6.5μm以上、7.0μm以上、7.5μm以上、8.0μm以上、8.5μm以上、9.0μm以上、又は10.0μm以上であってよく、また25.0μm以下、23.0μm以下、20.0μm以下、19.0μm以下、18.0μm以下、17.0μm以下、16.0μm以下、15.0μm以下、14.0μm以下、13.0μm以下、12.0μm以下、11.0μm以下、10.0μm以下、9.0μm以下、8.0μm以下、7.0μm以下、6.0μm以下、5.0μm以下、4.0μm以下、3.0μm以下、2.0μm以下、又は1.0μm以下であってよい。
(式(3):負極活物質層の空隙率)
式(3)は、下記のとおりである:
負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
負極活物質層の空隙率が式(3)を満たす場合、すなわち負極活物質層の空隙率が25%以下である場合、負極活物質層が密に形成されていることを意味しており、それによって負極活物質層での電子伝導性及びイオン伝導性が向上し、全固体電池の直流抵抗を低下させることができると考えられる。
負極活物質層の空隙率は、例えば以下の方法によって求めることができる。
すなわち、負極集電体層及び負極活物質層が一体となった負極を、直径11.28mm(面積1cm)で打ち抜いて、得られた負極の重量を測定する。この負極の上下をSUS板で挟み、2N・mトルクで拘束した状態で、この負極の厚みを算出する。得られた負極の重量及び厚みから、負極集電体層の重量及び厚みを引き、負極活物質層の体積重量密度を算出する。そして、負極活物質層に含まれる各材料の真密度及び体積分率から負極活物質層の真密度を算出する。最後に、算出された負極活物質層の体積重量密度を親密度で割り、得られた値を1から引くことによって、負極活物質層の空隙率を求めることができる。
この空隙率は、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、又は5%以下であってよく、また1%以上、3%以上、5%以上、又は10%以上であってよい。
(式(4):負極集電体層の算術平均粗さと負極活物質の平均一次粒子径との関係)
本開示の負極は、負極集電体層の算術平均粗さRa(μm)と上記負極活物質の平均一次粒子径A(μm)とが、下記式(4)を満たしてもよい。
0.10≦Ra/A≦3.00 …(4)
「負極集電体層の算術平均粗さ」とは、負極集電体層の表面のうち、少なくとも負極活物質層と接触する表面における算術平均粗さをいう。負極集電体層の十点平均粗さと算術平均粗さと負極活物質の平均一次粒子径とが式(2)及び(4)を満たす場合、負極集電体層の表面の凹凸間に負極活物質の一次粒子が入り込みやすくなり、且つ、負極集電体層と負極活物質との接触面積が増加するものと考えられる。結果として、負極の抵抗を低下させることができるものと考えられる。
負極集電体層の算術平均粗さRaは、JIS B 0601:1994に準拠して、株式会社小坂研究所製SE−600を用いて、10mm×10mmサイズにニッケル箔を切り出し、測定長さ8mm、カットオフ値0.5mmの測定条件にて求める。
本開示において、負極集電体層の算術平均粗さの具体値は、特に限定されず、例えば0.01μm以上、0.02μm以上、0.03μm以上、0.04μm以上、又は0.05μm以上であってよく、また6.0μm以下、5.0μm以下、4.0μm以下又は3.0μm以下であってよい。
〈負極集電体層、負極活物質層、正極集電体層、正極活物質層、及び固体電解質層〉
以下では、本開示の負極を構成する負極集電体層及び負極活物質層、並びに、それらと共に用いて全固体電池を形成することができる正極集電体層、正極活物質層、及び固体電解質層の例について説明する。
ここで、本開示の負極を用いた全固体電池は、正極集電体層及び正極活物質層を有する正極、固体電解質層、並びに本開示の負極がこの順に積層されてなる構成を有してよい。
(負極集電体層)
本開示にかかる負極集電体層は、ニッケル箔である。
ここで、ニッケル箔は、電解ニッケル箔、圧延ニッケル箔、又はニッケル合金箔であってよい。
また、ニッケル箔に含まれるニッケル原子の含有量は、36at%以上であることが好ましく、50at%以上であることがより好ましく、75at%以上であることが更に好ましく、100at%であることが特に好ましい。
また、ニッケル箔は、市販品をそのまま用いてもよく、市販品をアニール処理してから用いてもよい。
また、負極集電体層としてのニッケル箔は、その面方向において、突出している突出部を有していてもよい。この突出部には、負極集電タブが電気的に接続されていてもよい。
本開示にかかる負極集電体層の厚さは、特に限定されず、例えば5μm以上、8μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は35μm以上であってよく、また50μm以下、40μm以下、又は35μm以下であってよい。
(負極活物質層)
本開示にかかる負極活物質層は、負極活物質及びバインダーを含み、また必要に応じて、例えば固体電解質及び導電助剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。
また、負極活物質層において、負極活物質が及びバインダーの質量組成比(負極活物質:バインダー)は、特に限定されず、例えば99:1〜35:1、80:1〜40:1、又は55:1〜40:1であってよい。
負極活物質は、特に限定されず、リチウムイオン等の金属イオンを吸蔵及び放出可能であることが好ましい。例えば、負極活物質は、酸化物系負極活物質、Si系負極活物質、Sn系負極活物質又は炭素材料等であってよいが、これらに限定されない。
酸化物系負極活物質としては、特に限定されず、例えばリチウムチタン酸化物(LTO)等が挙げられる。より具体的には、リチウムチタン酸化物として、例えばスピネル構造のリチウムチタン酸化物(Li4+xTi12(0≦x≦3))であってもよく、ラムスデライト構造のリチウムチタン酸化物(Li2+xTi(0≦x≦3))であってもよい。これらのうち、スピネル構造のリチウムチタン酸化物が好ましい。
Si系負極活物質には、ケイ素、ケイ素酸化物、ケイ素炭化物、ケイ素窒化物、又はこれらの固溶体等がある。また、Si系負極活物質には、ケイ素以外の元素、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Ti等を含むことができる。Sn系負極活物質には、スズ、スズ酸化物、スズ窒化物、又はこれらの固溶体等がある。また、Sn系負極活物質には、スズ以外の元素、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Ti、Si等を含むことができる。
炭素材料としては、特に限定されず、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、又はグラファイト等が挙げられる。
なお、負極活物質の平均一次粒子径は、上述した式(2)を満たせば、すなわち、負極集電体層の十点平均粗さの値よりも小さければ、特に限定されない。
本開示において、負極活物質の平均一次粒子径の具体値は、特に限定されず、例えば0.1μm以上、0.2μm以上、0.3μm以上、0.4μm以上、0.5μm以上、0.6μm以上、0.7μm以上、0.8μm以上、0.9μm以上、又は2.0μm以上であってよく、また5.0μm以下、4.0μm以下、3.0μm以下、2.0μm以下、又は1.0μm以下であってよい。
ここで、負極活物質の平均一次粒子径は、形成された負極活物質層のみ、又は形成された負極活物質層を有する負極若しくは全固体電池の側面をArイオンで加工するCP処理を実施し、FE−SEM等で撮影された反射電子像に基づいて算出することができる。当該反射電子像に含まれる負極活物質と固体電解質の比率を参考に二値化閾値を決定し二値化画像を作成した。当該二値化画像中の負極活物質について、ランダムに50個の一次粒子を選択し、定方向最大径(クラムバイン径)の平均値を算出することによって、負極活物質の平均一次粒子径を特定した。
バインダーとしては、特に限定されない。例えば、バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ブタジエンゴム(BR)又はスチレンブタジエンゴム(SBR)等の材料、又はこれらの組合せであってよい。
固体電解質としては、特に限定されず、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。
固体電解質としては、例えばLiS−P系(Li11、LiPS、Li等)、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiBr−LiS−P、LiS−P−GeS(Li13GeP16、Li10GeP12等)、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、及びLi7−xPS6−xCl等の硫化物固体電解質、LiLaZr12、Li7−xLaZr1−xNb12、Li7−3xLaZrAl12、Li3xLa2/3−xTiO、Li1+xAlTi2−x(PO、Li1+xAlGe2−x(PO、LiPO、又はLi3+xPO4−x(LiPON)等の酸化物固体電解質、並びにポリエチレンオキシド(PEO)、及びポリプロピレンオキシド(PPO)等のポリマー電解質が挙げられるが、これらに限定されない。
また、負極活物質層が固体電解質を更に含む場合、含まれる固体電解質の量は、特に限定されず、例えば負極活物質及びバインダーの合計に対する質量組成比(固体電解質:(負極活物質及びバインダーの合計))は、40:60〜60:40、又は43:57〜59:41であってよい。
導電助剤としては、特に限定されない。例えば、導電助剤は、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)及びカーボンナノ繊維等の炭素材並びに金属材等であってよい。
負極活物質層の厚さは、特に限定されず、例えば1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよく、また150μm以下、120μm以下、100μm以下、又は50μm以下であてよい。
(正極集電体層)
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、例えば固体電解質、導電助剤、及びバインダーの少なくとも一つを含むことが好ましい。
正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、及びLiCo1/3Ni1/3Mn1/3、Li1+xMn2−x−y(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル等が挙げられるが、これらに限定されない。
正極活物質層に含み得る固体電解質、導電助剤、及びバインダーについては、上述した「固体電解質」、「導電助剤」、及び「バインダー」の項目で列挙したものを参照できる。
正極活物質層の厚さは、特に限定されず、例えば1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよく、また150μm以下、120μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってよい。
(正極集電体層)
正極集電体層に用いられる導電性材料は、特に限定されず、全固体電池に使用できるものを適宜採用されうる。例えば、正極集電体層に用いられる導電性材料は、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
正極集電体層の形状として、特に限定されず、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。これらの中で、箔状が好ましい。
正極集電体層は、その面方向において、突出している突出部を有していてもよい。この突出部には、正極集電タブが電気的に接続されていてもよい。
(固体電解質層)
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有する層であり、必要に応じて、例えば固体電解質、導電助剤、及びバインダーの少なくとも一つを含むことが好ましい。なお、固体電解質層に含まれる固体電解質、並びに必要に応じて含み得る導電助剤及びバインダーについては、上述した「固体電解質」、「導電助剤」、及び「バインダー」の項目で列挙したものを参照できる。
固体電解質層の厚さは、特に限定されず、例えば0.1μ以上、0.5μm以上、1μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよく、また300μm以下、200μm以下、150μm以下、120μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってよい。
〈負極の製造方法〉
本開示の技術は、全固体電池用負極の製造方法としての側面も有する。すなわち、本開示の全固体電池用負極の製造方法は、
負極集電体層の表面に負極活物質層を形成することを含み、
前記負極集電体層が、ニッケル箔であり、
前記負極活物質層が、負極活物質及びバインダーを含み、
前記負極活物質層及び前記負極集電体層が、下記式(1)〜(3)を満たす、製造方法である。
前記負極集電体層の破断伸び率≧前記負極活物質層の破断伸び率 …(1)
前記負極活物質の平均一次粒子径≦前記負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
前記負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
本開示の製造方法において、負極集電体層の算術平均粗さRa(μm)と負極活物質の平均一次粒子径A(μm)とが、下記式(4)を満たしてもよい。
0.10≦Ra/A≦3.00 …(4)
本開示の製造方法において、負極集電体層や負極活物質層の詳細については上述した通りである。負極集電体層の表面に負極活物質層を形成する方法は特に限定されない。例えば、湿式法によって負極集電体層の表面に負極合材を塗工・乾燥し、任意にプレスして負極集電体層の表面に負極活物質層を形成してもよいし、或いは、負極集電体層の表面において負極合材を圧粉成形して一体化して負極集電体層の表面に負極活物質層を形成してもよい。本開示の製造方法によれば、負極を圧密化した場合でも、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれを抑制できる。
以下、本開示について実施例の形式で詳細に説明する。以下の実施例は、本開示の用途を何ら限定するものではない。
《実施例1〜7及び比較例1〜4》
以下の全固体電池の作製の手順に従い、各実施例及び比較例の全固体電池サンプルを作製した。なお、各実施例及び比較例の負極の構成上の相異点、並びに評価結果は、後述する表1に示す。
1.固体電解質の合成
LiS 0.550g、P 0.887g、LiI 0.285g、及びLiBr 0.277gを秤量し、メノウ乳鉢で5分間混合し、その後脱水ヘプタン4gを入れ、遊星型ボールミルを用いて、40時間メカニカルミリングすることで、固体電解質を得た。
2.負極活物質層用ペーストの調製
負極活物質としての平均一次粒子径0.7μmのLiTi12粒子1.0g、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)0.018g、導電助剤としての気相成長法炭素繊維(VGCF)0.02g、固体電解質0.763g、及び酪酸ブチル2gを秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH−50)を用いて混合したものを負極活物質層用ペーストとして調製した。
3.正極活物質層用ペーストの調製
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を使用した。また、正極活物質にはLiNbOで表面処理を施している。この正極活物質2.2g、導電助剤としてのVGCF0.033g、固体電解質又は固体電解質に対し上記添加剤を0.5〜33wt%添加し混合したもの0.349g、バインダーとしてのPvdF0.017g、及び酪酸ブチル0.8gを秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH−50)を用いて混合したものを正極活物質層用ペーストとして調製した。
4.固体電解質層用ペーストの調製
ポリプロピレン製容器に、ヘプタンとブタジエンゴム系バインダーを5質量%含んだヘプタン溶液、及び固体電解質としての平均粒子径2.5μmのLiI−LiBr−LiS−P系ガラスセラミックを加え、超音波分散装置で、30秒間攪拌した。次に、容器を振とう器で3分間振とうさせて、固体電解質層用ペーストを調製した。
5.正極及び負極の作製
アプリケーターを使用してブレード法にて正極集電体層としてのアルミニウム箔上に正極活物質層用ペーストを塗工した。塗工後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させて、アルミニウム箔(正極集電体層)の表面に正極活物質層を有する正極を得た。
また、上記と同様な方法により、ニッケル箔(負極集電体層)の表面に負極活物質層を有する負極を得た。
6.固体電解質層の作製
上記「5」で得た正極をプレスし、プレス後の正極の正極活物質層の表面にダイコーターにより固体電解質層用ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で、30分間乾燥させた。その後、2ton/cmでロールプレスを行って、正極の表面に固体電解質層を備える正極側積層体を得た。
一方で、上記「5」で得た負極をプレスし、プレス後の負極の負極活物質層の表面にダイコーターにより固体電解質層用ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で、30分間乾燥させた。その後、2ton/cmでロールプレスを行って、負極の表面に固体電解質層を備える負極側積層体を得た。
7.全固体電池の作製
正極側積層体及び負極側積層体をそれぞれ打ち抜き加工し、固体電解質層同士を張り合わせるようにして重ね合わせた。この際、正極側積層体の固体電解質層と、負極側積層体の固体電解質層との間に、未プレスの固体電解質層(固体電解質層用ペースト)を転写した状態で重ね合わせた。その後、130℃にて、2ton/cmでプレスし、正極、固体電解質層、及び負極をこの順に有する発電要素を得た。得られた発電要素をラミネート封入し、5MPaの圧力で拘束することで、全固体電池を作製した。
《測定》
〈負極活物質層の破断伸び率の測定〉
上記「5」で作製した負極と同様な方法により、銅箔の表面に負極活物質層を形成して、2ton/cmでロールプレスを行って、銅箔の表面に負極活物質層の破断伸び率測定用サンプルを得た。
JIS Z 2241:2011に基づき、得られた負極活物質層の破断伸び率測定用サンプルを引っ張りながら高速度カメラ(株式会社キーエンス製、VW−9000)で撮影し、試験片に亀裂が入った時間から負極活物質層の破断伸び率を算出した。
〈負極集電体層の破断伸び率の測定〉
用いる負極集電体層を、2ton/cmでロールプレスしてから、上記負極活物質層の破断伸び率の測定方法と同様にして、負極集電体層の破断伸び率を算出した。
〈負極活物質の平均一次粒子径の測定〉
上記で形成された負極活物質層のみ、又は形成された負極活物質層を有する負極若しくは全固体電池の側面をArイオンで加工するCP処理を実施し、FE−SEMで撮影することで反射電子像を取得した。当該反射電子像に含まれる負極活物質と固体電解質の比率を参考に二値化閾値を決定し二値化画像を作成した。当該二値化画像中の負極活物質について、ランダムに50個の一次粒子を選択し、定方向最大径(クラムバイン径)の平均値を算出することによって、負極活物質の平均一次粒子径を特定した。
〈負極集電体層の十点平均粗さの測定〉
用いる負極集電体層に対して、JIS B 0601:1994に準拠して、株式会社小坂研究所製SE−600を用いて、10mm×10mmサイズにニッケル箔を切り出し、測定長さ8mm、カットオフ値0.5mmの測定条件によって、十点平均粗さ(Rz)を求めた。尚、本発明者が確認したところによれば、電池作成前後において負極集電体層のRzやRaは実質的に変化しない。電池作成後に負極集電体層のRzやRaを測定する場合は、負極集電体層上に成形された負極活物質層を除去したうえで測定すればよい。この場合、エタノールやヘプタン等を使用して負極集電体層上の負極活物質層を除去することができる。
〈負極集電体層の空隙率の測定〉
負極集電体層及び負極活物質層が一体となった負極を、直径11.28mm(面積1cm)で打ち抜いて、得られた負極の重量を測定した。この負極の上下をSUS板で挟み、2N・mトルクで拘束した状態で、この負極の厚みを算出した。得られた負極の重量及び厚みから負極集電体層の重量及び厚みを引き、負極活物質層の体積重量密度を算出した。そして、負極活物質層に含まれる各材料の真密度及び体積分率から負極活物質層の真密度を算出した。最後に、算出された負極活物質層の体積重量密度を親密度で割り、得られた値を1から引くことによって、負極活物質層の空隙率を得た。
〈負極活物質層と負極集電体層との間で割れ又は剥がれの確認〉
全固体電池の側面を、目視にて5mm程度以上の亀裂などが負極活物質層もしくは負極集電体に発生しているものを割れ又は剥がれと判断し、確認した。
〈抵抗の測定〉
各全固体電池サンプルに対して以下のように充放電を行った:
充電:0.1C相当電流で定電流充電し、セル電圧4.55V到達後、定電圧充電し、充電電流が0.01C相当に到達した時点で終了した。
放電:0.1C相当電流で定電流放電し、3.0Vになった時点で終了した。
上記放電の際の放電容量(mAh)を、上記充電の際の充電容量(mAh)で割ることによって、初回充放電効率を算出した。
Figure 2020177904
表1から明らかなように、下記式(1)〜(3)を満たす実施例1〜7の全固体電池では、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ及び剥がれがなかった。
負極集電体層の破断伸び率≧負極活物質層の破断伸び率 …(1)
負極活物質の平均一次粒子径≦負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
一方、式(1)を満たしていない比較例1の全固体電池、並びに式(2)を満たしていない比較例2及び3の全固体電池では、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ又は剥がれが見られた。
この結果から、式(1)及び(2)の関係、すなわち、負極集電体層の破断伸び率と負極活物質層の破断伸び率との関係、及び負極活物質の平均一次粒子径と負極集電体層の十点平均粗さとの関係は、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ及び剥がれに影響を与えることが示唆された。
式(3)を満たしていない比較例4の全固体電池では、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ及び剥がれが見られていないものの、電池抵抗が高かったため、全固体電池としての性能として十分ではないと考えられる。また、この結果からは、式3の関係、すなわち負極活物質層の空隙率は、電池の性能に影響を与えることが示唆された。
また、この負極活物質層の空隙率に関して、実施例1〜7及び比較例1〜4の結果から、空隙率が小さければ小さいほど電池の抵抗が小さくなり、すなわち電池性能がよくなることが示唆された。
《参考例1〜4》
参考のため、固体電解質を添加しなかったこと以外は、上述した「全固体電池の作製の手順」と同様にして、参考例1〜3の全固体電池サンプルを作製し、また負極活物質を添加しなかったこと以外は、上述した「全固体電池の作製の手順」と同様にして、参考例4の全固体電池サンプルを作製した。
なお、参考例1〜4の全固体電池サンプルに対しては、抵抗の測定を行わなかった。
Figure 2020177904
表2に示されている評価結果からは、少なくとも式(1)及び(2)を満たす参考例2及び3の全固体電池において、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ及び剥がれが抑制されたことが理解される。
《追加実施例1〜5及び追加比較例1〜7》
上記と同様の手順で、各追加実施例及び追加比較例の全固体電池サンプルを作製した。各追加実施例及び追加比較例の負極の構成上の相異点、並びに評価結果は、後述する表3に示す。
《測定》
各追加実施例及び追加比較例について、上記と同様の測定条件で、「負極活物質層の破断伸び率の測定」、「負極集電体層の破断伸び率の測定」、「負極活物質の平均一次粒子径の測定」、「負極集電体層の十点平均粗さの測定」、「負極集電体層の空隙率の測定」、「負極活物質層と負極集電体層との間で割れ又は剥がれの確認」及び「抵抗の測定」を行った。
〈負極集電体層の算術平均粗さの測定〉
用いる負極集電体層に対して、JIS B 0601:1994に準拠して、株式会社小坂研究所製SE−600を用いて、10mm×10mmサイズにニッケル箔を切り出し、測定長さ8mm、カットオフ値0.5mmの測定条件によって、算術平均粗さ(Ra)を求めた。
Figure 2020177904
表3から明らかなように、上記式(1)〜(3)に加えて、下記式(4)を満たす全固体電池においては、負極活物質層と負極集電体層との間の割れ及び剥がれを防止できることに加えて、充電抵抗を顕著に低下させることができる。負極集電体層の十点平均粗さと算術平均粗さと負極活物質の平均一次粒子径とが式(2)及び(4)を満たす場合、負極集電体層の表面の凹凸間に負極活物質の一次粒子が入り込みやすくなり、且つ、負極集電体層と負極活物質との接触面積が増加するものと考えられ、結果として、負極の抵抗を低下させることができたものと考えられる。

Claims (2)

  1. 負極集電体層及び負極活物質層を有する全固体電池用負極であって、
    前記負極集電体層が、ニッケル箔であり、
    前記負極活物質層が、負極活物質及びバインダーを含み、かつ
    前記負極活物質層及び前記負極集電体層が、下記式(1)〜(3)を満たす、負極。
    前記負極集電体層の破断伸び率≧前記負極活物質層の破断伸び率 …(1)
    前記負極活物質の平均一次粒子径≦前記負極集電体層の十点平均粗さ …(2)
    前記負極活物質層の空隙率≦25% …(3)
  2. 前記負極集電体層の算術平均粗さRa(μm)と前記負極活物質の平均一次粒子径A(μm)とが、下記式(4)を満たす、
    請求項1に記載の負極。
    0.10≦Ra/A≦3.00 …(4)
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