JP2020174137A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給電電極のセラミックス部材の裏面からの剥離を抑制する。【解決手段】保持装置は、セラミックス部材の第1の表面に対象物を保持する装置である。保持装置は、発熱抵抗体と、導電性部材と、給電電極と、金属部材と、ろう付け部と、給電電極と導電性部材とを接続する第1の接続部材とを備える。給電電極は、実質的にタングステン(W)から構成される。第1の接続部材は、導電性材料を含む。当該導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(W2C)とからなり、第1の接続部材において、給電電極の近傍部分における炭素原子の濃度は、導電性部材の近傍部分における炭素原子の濃度より低い。【選択図】図3

Description

本明細書に開示される技術は、保持装置に関する。
例えば半導体を製造する際に対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持する保持装置が用いられる。保持装置は、所定の方向(以下、「第1の方向」という。)に略垂直な表面(以下、「保持面」という。)と、保持面とは反対の表面(以下、「裏面」という。)と、を有する、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された発熱抵抗体(以下、「ヒータ電極」という。)と、を備えている。また、保持装置は、セラミックス部材における、第1の方向においてヒータ電極とセラミックス部材の裏面との間に配置された導電性部材(以下、「ドライバ電極」という。)と、セラミックス部材の裏面側に配置された給電電極(以下、「給電パッド」という。)と、を備えている。上記セラミックス部材は、窒化アルミニウムを含み、上記ヒータ電極と上記ドライバ電極とは、導電性材料を含んでいる。
上記保持装置は、さらに、給電パッドに接続されている第1の接続部材(以下、「給電側ビア」という。)を備えており、給電側ビアは、導電性材料としてタングステン(W)を含んでいる。また、上記給電パッドには、ろう材を含むろう付け部により、金属部材(以下、「給電端子」という。)が接合されている。上記保持装置では、給電端子と、給電パッドと、給電側ビアと、ドライバ電極と、を介してヒータ電極に電圧が印加されると、ヒータ電極が発熱し、セラミックス部材の保持面に保持された対象物が加熱される(例えば、特許文献1参照)。
特開2018−120909号公報
セラミックス部材に窒化アルミニウムを含む上記保持装置は、例えば、対象物を保持しつつ比較的高温(例えば、400〜800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる。)として用いられることがある。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
加熱装置の製造の際には、内部にヒータ電極と、ドライバ電極と、給電側ビアとのそれぞれの材料が配置されたセラミックス部材の材料の成形体が高温(例えば、1700℃〜1900℃程度)で焼成されることにより、緻密なセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置されたヒータ電極と、ドライバ電極と、給電側ビアとが作製される。この焼成の際に、原料由来の不純物(例えば、炭素)が、緻密化する前のセラミックス部材の材料の成形体中に進入して、例えば、給電側ビアに含まれるタングステン(W)と反応(例えば、炭化)することにより、給電側ビア中に炭化タングステン(具体的には、炭化一タングステン(WC)、炭化二タングステン(WC))が形成されることがある。給電側ビア中に炭化タングステンが形成されると、給電側ビア中に形成された炭化タングステンにおける炭素原子に起因して、給電側ビアに接続する給電パッドに含まれるタングステン(W)が炭化し、炭化タングステンが形成されることがある。このようにして給電パッド中に形成された炭化タングステンは、給電パッドと給電端子とを接合するろう付け部中のろう材に浸出し、いわゆる「ろう材食われ」という現象を引き起こし、この結果、給電パッドとセラミックス部材の裏面との接合強度を低下させる原因となりうる。
なお、このような課題は、加熱装置に限らず、ヒータ電極が設けられたセラミックス部材を備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対の第2の表面と、を有し、かつ、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置され、かつ、導電性材料を含む発熱抵抗体と、前記セラミックス部材における、前記第1の方向において前記発熱抵抗体と前記第2の表面との間に配置され、かつ、前記発熱抵抗体と電気的に接続される、導電性材料を含む導電性部材と、前記セラミックス部材の前記第2の表面側に配置され、かつ、実質的にタングステン(W)から構成される給電電極と、金属部材と、ろう材を含み、かつ、前記給電電極と前記金属部材とを接合するろう付け部と、前記給電電極と前記導電性部材とを接続し、かつ、導電性材料を含む第1の接続部材と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記第1の接続部材に含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)とからなり、前記第1の接続部材において、前記給電電極の近傍部分における炭素原子の濃度は、前記導電性部材の近傍部分における炭素原子の濃度より低い。このように、本保持装置では、第1の接続部材において、給電電極の近傍部分は、導電性部材の近傍部分と比べ、炭素原子濃度が低いため、第1の接続部材に起因する給電電極の炭化を抑制することができる。従って、本保持装置によれば、給電電極とセラミックス部材の第2の表面との接合強度の低下を抑制し、ひいては、給電電極のセラミックス部材の第2の表面からの剥離を抑制することができる。
(2)上記保持装置において、前記導電性部材に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)である構成としてもよい。上述したように、第1の接続部材において、導電性部材の近傍部分における炭素原子の濃度が、給電電極の近傍部分における炭素原子の濃度より高い。そのため、第1の接続部材と接続される導電性部材は比較的炭化されやすく、炭化一タングステン(WC)を維持しやすい。換言すれば、導電性部材は炭化二タングステン(WC)となりにくい。炭化二タングステン(WC)は炭化一タングステン(WC)に比べ、電気抵抗が高く、異常発熱の原因となりやすい。すなわち、導電性部材に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていると、導電性部材が異常発熱し、セラミックス部材の第1の表面のうち、第1の方向視において、上記導電性部材が位置する領域の温度が上昇する原因となりやすい。従って、本保持装置によれば、炭化二タングステン(WC)で構成されることに起因する導電性部材の異常発熱を抑制し、ひいては、セラミックス部材の第1の表面の均熱性の低下を抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記保持装置は、さらに、前記発熱抵抗体における前記セラミックス部材の前記第2の表面側に接続され、かつ、導電性材料を含む第2の接続部材、を備え、前記発熱抵抗体に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)であり、前記第2の接続部材に含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成される構成としてもよい。換言すれば、本保持装置では、第2の接続部材に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていない。上述の通り、炭化二タングステン(WC)は、炭化一タングステン(WC)に比べ、電気抵抗が高く、異常発熱の原因となりやすい。すなわち、第2の接続部材に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていると、第2の接続部材が異常発熱し、セラミックス部材の第1の表面のうち、第1の方向視において、上記第2の接続部材が位置する領域の温度が上昇する原因となりやすい。また、第2の接続部材に含まれる導電性材料が、実質的に炭化一タングステン(WC)であり、炭化二タングステン(WC)よりも炭化されている材料で構成されている。このため、第2の接続部材と接続される発熱抵抗体は比較的炭化されやすく、炭化一タングステン(WC)を維持しやすい。換言すれば、発熱抵抗体は炭化二タングステン(WC)となりにくい。従って、本保持装置によれば、炭化二タングステン(WC)で構成されることに起因する第2の接続部材および発熱抵抗体の異常発熱を抑制し、ひいては、セラミックス部材の第1の表面の均熱性の低下を抑制することができる。
(4)上記保持装置において、前記第1の接続部材に含まれる導電性材料は、前記給電電極の近傍部分において、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物であり、前記導電性部材の近傍部分において、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成される、ことを特徴とする構成としてもよい。換言すれば、第1の接続部材中のタングステン原子は、給電電極の近傍部分では、炭化一タングステン(WC)に比べ、炭化度合いの低い、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物として構成されており、炭化一タングステン(WC)のみ、または、炭化二タングステン(WC)のみで構成されていない。このように、本保持装置では、第1の接続部材において、給電電極の近傍部分は、炭化一タングステン(WC)に比べ、炭化度合いの低い、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物として存在するため、給電電極の炭化を抑制することができる。従って、本保持装置によれば、給電電極とセラミックス部材の第2の表面との接合強度の低下をより効果的に抑制し、ひいては、給電電極におけるセラミックス部材の第2の表面からの剥離をより効果的に抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば加熱装置、静電チャック、保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100のヒータ側ビア51および第1の接続部材におけるX線回折パターンを示す説明図である。
A.本実施形態:
A−1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。また、図3は、本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を面方向というものとする。加熱装置100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。
加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持体10と柱状支持体20とを備える。
(保持体10の構成)
保持体10は、所定の方向(本実施形態ではZ軸方向)に略直交する略円形平面状の保持面S1および裏面S2を有する略円板状の部材である。保持体10は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、20mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲におけるセラミックス部材に相当し、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、裏面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図2に示すように、保持体10の内部には、保持体10を加熱する発熱抵抗体により構成されたヒータ電極50が配置されている。本実施形態では、ヒータ電極50一対の端部は、保持体10の周縁側に配置されている。また、保持体10の内部には、一対のヒータ側ビア51と、一対のドライバ電極53と、給電側ビア52とが設けられている。各ヒータ側ビア51は、上下方向に延びる柱状の導電体であり、保持体10の周縁側に位置している。各ヒータ側ビア51の上端は、保持体10の裏面S2側において、ヒータ電極50の各端部に接続されている。本実施形態において、各ヒータ側ビア51の下端は、保持体10の保持面S1側において、各ドライバ電極53に接続されている。本実施形態において、ヒータ電極50は、導電性材料としての炭化一タングステン(WC)により形成されている。なお、ヒータ電極50は、導電性材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、保持体10とヒータ電極50との熱膨張差の低減し、密着強度を向上させるため、ヒータ電極50は、保持体10の主成分であるセラミックスと同じセラミックスを含んでいることが好ましい。本実施形態において、ヒータ電極50には、保持体10の主成分であるAlNが共材として含まれている。ヒータ電極50は、特許請求の範囲における発熱抵抗体に相当し、ヒータ側ビア51は、特許請求の範囲における第2の接続部材に相当し、ドライバ電極53は、特許請求の範囲における導電性部材に相当する。なお、ヒータ側ビア51の構成については、後に詳述する。
各ドライバ電極53は、保持体10の面方向に延びる導電体であり、保持体10の内部において、Z軸方向において各ヒータ電極50と裏面S2との間に配置されている。本実施形態において、各ドライバ電極53には、各ヒータ側ビア51の下端と、各給電側ビア52の上端とが接続されている。給電側ビア52は、上下方向に延びる柱状の導電体であり、保持体10の中心側に位置している。本実施形態において、各ドライバ電極53は、導電性材料としての炭化一タングステン(WC)により形成されている。なお、各ドライバ電極53は、導電性材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、保持体10と各ドライバ電極53との熱膨張差の低減し、密着強度を向上させるため、各ドライバ電極53は、保持体10の主成分であるセラミックスと同じセラミックスを含んでいることが好ましい。本実施形態において、各ドライバ電極53には、保持体10の主成分であるAlNが共材として含まれている。ドライバ電極53は、特許請求の範囲における導電性部材に相当し、給電側ビア52は、特許請求の範囲における第1の接続部材に相当する。なお、給電側ビア52の構成については、後に更に詳述する。
また、保持体10の裏面S2の中央部付近には、一対の凹部12が形成されており、各凹部12内には給電パッド54が配置されている。各給電パッド54は、保持体10の裏面S2に露出するように配置されており、給電パッド54の露出部分はろう付け部56により覆われている。各給電側ビア52の下端は各給電パッド54に接続されている。その結果、ヒータ電極50と給電パッド54とが、ヒータ側ビア51とドライバ電極53と給電側ビア52とを介して電気的に接続された状態となっている。なお、各給電パッド54は、実質的にタングステン(W)から構成されている。ここで、「実質的にタングステン(W)から構成されている」とは、タングステン(W)以外の物質を全く含まなくてもよいし、タングステン(W)以外の物質を、本発明の加熱装置100の作用効果に影響を与えない程度の微量(例えば、不可避的不純物に相当する量)含んでいてもよいことを意味する。この「作用効果に影響を与えない程度の微量」とは、例えば、給電パッド54全体を100wt%としたとき、0.1wt%以下の量である。なお、給電パッド54は、タングステン(W)以外の成分を含んでいてもよい。例えば、保持体10と給電パッド54との熱膨張差の低減し、密着強度を向上させるため、給電パッド54は、保持体10の主成分であるセラミックスと同じセラミックスを含んでいることが好ましい。本実施形態において、給電パッド54には、保持体10の主成分であるAlNが共材として含まれている。なお、給電パッド54は、特許請求の範囲における給電電極に相当する。
(柱状支持体20)
柱状支持体20は、上記所定の方向(上下方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、例えばAlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
(接合部30)
保持体10と柱状支持体20とは、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とが上下方向に対向するように配置されている。柱状支持体20は、保持体10の裏面S2の中心部付近に、後述の接合材料により形成された接合部30を介して接合されている。
図2に示すように、柱状支持体20には、保持体10の裏面S2側に開口する貫通孔22が形成されている。貫通孔22は、上下方向と略同一方向に延び、延伸方向にわたって略一定の内径を有する断面略円形の孔である。貫通孔22には、複数(本実施形態では2つ)の給電端子70が収容されている。各給電端子70の上端部は、金属ろう材(例えば金ろう材)を含む、ろう付け部56を介して給電パッド54に接合されている。図示しない電源から各給電端子70、各給電パッド54、各給電側ビア52、各ドライバ電極53、および、各ヒータ側ビア51介してヒータ電極50に電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱し、保持体10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400〜650℃程度)に加熱される。給電端子70は、特許請求の範囲における金属部材に相当する。
A−2.ヒータ側ビア51の詳細構成:
ヒータ側ビア51の詳細構成について説明する。上述の通り、各ヒータ側ビア51は柱状の導電体である。すなわち、各ヒータ側ビア51は、導電性材料を含んでいる。各ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成されている。ここで、「実質的に炭化一タングステン(WC)から構成されている」とは、炭化一タングステン(WC)以外の物質を全く含まなくてもよいし、炭化一タングステン(WC)以外の物質を本発明の加熱装置100の作用効果に影響を与えない程度の微量(例えば、不可避的不純物に相当する量)含んでいてもよいことを意味する。この「作用効果に影響を与えない程度の微量」とは、例えば、各ヒータ側ビア51全体を100wt%としたとき、0.1wt%以下の量である。なお、各ヒータ側ビア51は、導電性材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、保持体10と各ヒータ側ビア51との熱膨張差の低減し、密着強度を向上させるため、各ヒータ側ビア51は、保持体10の主成分であるセラミックスと同じセラミックスを含んでいることが好ましい。本実施形態において、各ヒータ側ビア51には、保持体10の主成分であるAlNが共材として含まれている。各ヒータ側ビア51に含まれる材料の同定は、微小X線結晶構造解析(微小XRD)にて行うことができる。
図4(A)は、本実施形態における各ヒータ側ビア51の微小XRDの結果である。この結果から、炭化一タングステン(WC)に起因する3つのピークと、窒化アルミニウム(AlN)に起因する微小な3つのピークとが、確認された。すなわち、各ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)のみであることが確認された。
A−3.給電側ビア52の詳細構成:
給電側ビア52の詳細構成について説明する。上述の通り、各給電側ビア52は柱状の導電体である。すなわち、各給電側ビア52は、導電性材料を含んでいる。各給電側ビア52に含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)とからなる。なお、各給電側ビア52は、導電性材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、保持体10と各給電側ビア52との熱膨張差の低減し、密着強度を向上させるため、各給電側ビア52は、保持体10の主成分であるセラミックスと同じセラミックスを含んでいることが好ましい。本実施形態において、各給電側ビア52には、保持体10の主成分であるAlNが共材として含まれている。各給電側ビア52に含まれる材料の同定は、上記各ヒータ側ビア51と同様に、微小X線結晶構造解析(微小XRD)にて行うことができる。
図3に示すように、本実施形態において、各給電側ビア52は、それぞれ、上側部分Puと、中間部分Pmと、下側部分Plとから構成されている。上側部分Puは、給電側ビア52のうちのドライバ電極53の近傍に位置する部分(近傍部分)である。下側部分Plは、給電側ビア52のうちの給電パッド54の近傍に位置する部分(近傍部分)である。また、中間部分Pmは、給電側ビア52のうちの上側部分Puと下側部分Plとの間に位置する部分である。上側部分Puは、特許請求の範囲における導電性部材の近傍部分に相当し、下側部分Plは、特許請求の範囲における給電電極の近傍部分に相当する。
本実施形態において、各給電側ビア52のZ軸方向における全長Ltは、400μm以上、700μm以下である。また、給電側ビア52における上側部分Puの長さLuは、Z軸方向において、ドライバ電極53との接合面から50μm以上である。上側部分Puの長さLuが、50μm未満である場合、各給電側ビア52の内部の炭素原子の濃度が低下するため、ドライバ電極53との接続付近の電気抵抗が増加し、当該接続付近が局所発熱するという傾向がある。上側部分Puの長さLuは、好ましくは、100μm以上である。一方、給電側ビア52における下側部分Plの長さLlは、Z軸方向において、給電側ビア52の給電パッド54との接合面から50μm以上である。下側部分Plの長さLlが、50μm未満である場合、各給電側ビア52の内部の炭素原子の濃度が増加するため、給電パッド54の炭素原子の濃度もまた増加する可能性があり、ろう材食われが発生しやすいという傾向がある。下側部分Plの長さLlは、好ましくは、100μm以上である。
上述の通り、各給電側ビア52に含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)とからなる。本実施形態では、各給電側ビア52のうちの、上側部分Puに含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)であり、下側部分Plに含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)との混合物である。ここで、「実質的に炭化一タングステン(WC)から構成されている」とは、炭化一タングステン(WC)以外の物質を全く含まなくてもよいし、炭化一タングステン(WC)以外の物質を、本発明の加熱装置100の作用効果に影響を与えない程度の微量(例えば、不可避的不純物に相当する量)含んでいてもよいことを意味する。この「作用効果に影響を与えない程度の微量」とは、例えば、各給電側ビア52の上側部分Pu全体を100wt%としたとき、0.1wt%以下の量である。なお、各給電側ビア52に含まれる材料の同定は、各ヒータ側ビア51に含まれる材料の同定と同様に、微小XRDにて行うことができる。
図4(B)は、本実施形態における各給電側ビア52の上側部分Puの微小XRDの結果であり、図4(C)は、本実施形態における各給電側ビア52の下側部分Plの微小XRDの結果である。上側部分Puの微小XRDの結果から、炭化一タングステン(WC)に起因する3つのピークと、炭化二タングステン(WC)に起因する比較的小さい3つのピークと、窒化アルミニウム(AlN)に起因する微小な3つのピークとが、確認された。すなわち、各給電側ビア52の上側部分Puに含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)であることが確認された。また、下側部分Plの微小XRDの結果から、炭化二タングステン(WC)に起因する3つのピークと、炭化一タングステン(WC)に起因する比較的小さい3つのピークと、タングステン(W)に起因する非常に小さい1つのピークと、窒化アルミニウム(AlN)に起因する比較的小さい3つのピークとが、確認された。すなわち、各給電側ビア52の下側部分Plに含まれる導電性材料は、主に、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)との混合物であることが確認された。上記微小XRDの結果から、各給電側ビア52において、上側部分Puは、主に、炭化の度合いが高い炭化一タングステン(WC)で構成されており、下側部分Plは、主に、比較的炭化の度合いが低い炭化二タングステン(WC)と、炭化されていないタングステン(W)とを含んでいることが確認された。換言すれば、上側部分Puにおける炭素原子の濃度は、下側部分Plにおける炭素原子の濃度より低いと考えられる。なお、各給電側ビア52に含まれる材料の同定は、上記各ヒータ側ビア51に含まれる材料の同定と同様に、微小XRDにて行うことができる。また、上側部分Pu(下側部分Pl)における炭素原子の濃度は、EPMA(電子線マイクロアナライザー)でマッピング分析をすることにより測定することができる。
A−4.加熱装置100の製造方法:
加熱装置100の製造方法は、例えば以下の通りである。初めに、保持体10と柱状支持体20とを作製する。
保持体10の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、AlN粉末100重量部に、Y(酸化イットリウム)粉末1重量部と、アクリル系バインダ20重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、トルエン等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合し、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーをキャスティング装置でシート状に成形した後に乾燥させ、グリーンシートを複数枚作製する。所定のグリーンシートに、メカニカルパンチング等を用いてビア孔等の孔を形成する。
また、W粉末80重量部と、AlN粉末3.5重量部と、バインダ3重量部と、溶剤13.5重量部とを混合して混練することにより、電極用メタライズペーストを作製する。この電極用メタライズペーストを例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定のグリーンシートに、後にヒータ電極50やドライバ電極53や給電パッド54等となる未焼結導体層を形成する。
また、W粉末80重量部と、AlN粉末8.8重量部と、バインダ2.5重量部と、溶剤7.4重量部とを混合して混練することにより、ビア用メタライズペーストを作製する。上記ビア孔が設けられたグリーンシートに対して、スキージを使用して、当該グリーンシートに設けられたビア孔へと上記ビア用メタライズペーストを充填させることにより、後にヒータ側ビア51や給電側ビア52となる未焼結導体部を形成する。
次に、これらのグリーンシートを複数枚(例えば30枚)熱圧着し、必要に応じて外周を切断して、グリーンシート積層体を作製する。このグリーンシート積層体をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製し、この成形体を、窒素雰囲気において450℃で4時間脱脂して脱脂体を得る。得られた脱脂体を、熱処理用のカーボン炉内においてAlN製のサヤに入れて、窒素雰囲気、常圧、例えば1825℃で4時間焼成して焼成体を作製する。このように、窒素雰囲気で、1800℃以上、4時間以上、焼成することにより、炭化二タングステン(WC)が含まれず、炭化一タングステン(WC)と炭素(C)とを含むヒータ電極50およびドライバ電極53を生成することができる。また、炭化二タングステン(WC)がほとんど含まれず、実質的に炭化一タングステン(WC)を含む各ヒータ側ビア51を生成することができる。また、炭化二タングステン(WC)がほとんど含まれず、実質的に炭化一タングステン(WC)を含む上側部分Puと、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物からなる下側部分Plを含む各給電側ビア52を生成することができる。その後、この焼成体の表面を研磨加工する。以上の工程により、保持体10が作製される。なお、脱脂温度、脱脂時間等の脱脂条件を変更することにより、ヒータ電極50、ドライバ電極53、ヒータ側ビア51、給電側ビア52における炭素原子の濃度を調整することができる。
また、柱状支持体20の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム粉末1重量部と、PVAバインダ3重量部と、適量の分散剤および可塑剤と、を加えた混合物に、メタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒化し、原料粉末を作製する。次に、貫通孔22に対応する中子が配置されたゴム型に原料粉末を充填し、冷間静水圧プレスして成形体を得る。得られた成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成する。以上の工程により、柱状支持体20が作製される。
次に、保持体10と柱状支持体20とを接合する。保持体10の裏面S2および柱状支持体20の上面S3に対して必要によりラッピング加工を行った後、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3との少なくとも一方に、例えば希土類や有機溶剤等を混合してペースト状にした接合剤を均一に塗布した後、脱脂処理する。次いで、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とを重ね合わせ、ホットプレス焼成を行うことにより、保持体10と柱状支持体20とを接合する。
保持体10と柱状支持体20との接合の後、各給電端子70を各貫通孔22内に挿入し、各給電端子70の上端部を各給電パッド54に例えば金ろう材によりろう付けすることにより、ろう付け部56を形成した。以上の製造方法により、上述した構成の加熱装置100が製造される。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の加熱装置100は、Z軸方向に略直交する保持面S1と、保持面S1とは反対の裏面S2とを有し、かつ、窒化アルミニウムを主成分とするする保持体10を備え、保持体10の保持面S1上に半導体ウェハWを保持する装置である。加熱装置100は、さらに、ヒータ電極50と、ドライバ電極53と、給電パッド54と、給電端子70と、ろう付け部56と、給電側ビア52とを備える。ヒータ電極50は、保持体10の内部に配置され、かつ、導電性材料を含んでいる。ドライバ電極53は、導電性材料を含み、保持体10における、Z軸方向においてヒータ電極50と裏面S2との間に配置され、かつ、ヒータ電極50と電気的に接続されている。給電パッド54は、保持体10の裏面S2側に配置され、かつ、実質的にタングステン(W)から構成されている。ろう付け部56は、ろう材を含み、かつ、給電パッド54と給電端子70とを接合している。給電側ビア52は、導電性材料を含み、給電パッド54とドライバ電極53とを接続している。給電側ビア52に含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)とからなり、かつ、給電側ビア52において、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)における炭素原子の濃度は、ドライバ電極53の近傍部分(上側部分Pu)における炭素原子の濃度より低い。このように、本実施形態の加熱装置100では、給電側ビア52において、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)は、ドライバ電極53の近傍部分(上側部分Pu)と比べ、炭素原子濃度が低いため、給電側ビア52に起因する給電パッド54の炭化を抑制することができる。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、給電パッド54と保持体10の裏面S2との接合強度の低下を抑制し、ひいては、給電パッド54の保持体10の裏面S2からの剥離を抑制することができる。
また、本実施形態の加熱装置100では、ドライバ電極53に含まれる導電性材料が、炭化一タングステン(WC)である。上述したように、給電側ビア52において、ドライバ電極53の近傍部分(上側部分Pu)における炭素原子の濃度が、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)における炭素原子の濃度より高い。そのため、給電側ビア52と接続されるドライバ電極53は比較的炭化されやすく、炭化一タングステン(WC)を維持しやすい。換言すれば、ドライバ電極53は炭化二タングステン(WC)となりにくい。炭化二タングステン(WC)は炭化一タングステン(WC)に比べ、電気抵抗が高く、異常発熱の原因となりやすい。すなわち、ドライバ電極53に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていると、ドライバ電極53が異常発熱し、保持体10の保持面S1のうち、Z軸方向視において、上記ドライバ電極53が位置する領域の温度が上昇する原因となりやすい。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、炭化二タングステン(WC)で構成されることに起因するドライバ電極53の異常発熱を抑制し、ひいては、保持体10の保持面S1の均熱性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の加熱装置100は、さらに、ヒータ電極50における保持体10の裏面S2側に接続され、かつ、導電性材料を含むヒータ側ビア51を備える。また、本実施形態の加熱装置100では、ヒータ電極50に含まれる導電性材料が、炭化一タングステン(WC)であり、かつ、ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料が、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成されている。換言すれば、本実施形態の加熱装置100では、ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていない。上述の通り、炭化二タングステン(WC)は、炭化一タングステン(WC)に比べ、電気抵抗が高く、異常発熱の原因となりやすい。すなわち、ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料が、炭化二タングステン(WC)で構成されていると、ヒータ側ビア51が異常発熱し、保持体10の保持面S1のうち、Z軸方向視において、上記ヒータ側ビア51が位置する領域の温度が上昇する原因となりやすい。また、ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料が、実質的に炭化一タングステン(WC)であり、炭化二タングステン(WC)よりも炭化されている材料で構成されている。このため、ヒータ側ビア51と接続されるヒータ電極50は比較的炭化されやすく、炭化一タングステン(WC)を維持しやすい。換言すれば、ヒータ電極50は炭化二タングステン(WC)となりにくい。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、炭化二タングステン(WC)で構成されることに起因するヒータ側ビア51およびヒータ電極50の異常発熱を抑制し、ひいては、保持体10の保持面S1の均熱性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の加熱装置100では、給電側ビア52に含まれる導電性材料は、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)において、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)との混合物である。すなわち、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)は、比較的炭化の度合いが低い炭化二タングステン(WC)と、炭化されていないタングステン(W)とを含んでいる。一方、ドライバ電極53の近傍部分(上側部分Pu)は、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成されている。換言すれば、給電側ビア52中のタングステン原子は、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)では、炭化一タングステン(WC)に比べ、炭化度合いの低い、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)とを含んでおり、炭化一タングステン(WC)のみ、または、炭化二タングステン(WC)のみで構成されていない。このように、本実施形態の加熱装置100では、給電側ビア52において、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)は、炭化一タングステン(WC)に比べ、炭化度合いの低い、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)とを含んでいるため、給電パッド54の炭化を抑制することができる。従って、本実施形態の加熱装置100によれば、給電パッド54と保持体10の裏面S2との接合強度の低下をより効果的に抑制し、ひいては、給電パッド54における保持体10の裏面S2からの剥離をより効果的に抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、保持体10および柱状支持体20のZ軸方向視の外形が略円形であるとしているが、他の形状であってもよい。また、上記実施形態では、2つの給電端子70を含む構成を採用しているが、これに限定されず、3つ以上の給電端子70を含む構成を採用してもよい。また、柱状支持体20に形成された貫通孔22に収容される給電端子70は、ヒータ電極50に電気的に接続された端子に限らず、例えば、プラズマを発生させる高周波(RF)電極に電気的に接続された端子や、静電吸着のための吸着電極に電気的に接続された端子でもよい。
本実施形態では、全てのドライバ電極53、全てのヒータ側ビア51、全ての給電側ビア52に、本発明が適用された構成を採用しているが、これに限定されず、少なくとも1つのドライバ電極53、少なくとも1つのヒータ側ビア51、少なくとも1つの給電側ビア52に本発明が適用された構成を採用してもよい。
また、上記実施形態では、各ドライバ電極53は、Z軸方向において、単一の層に配置された構成であるが、これに限定されず、複数の層に配置された構成としてもよい。このような構成が採用される場合において、各ドライバ電極53に接続するビアのうち、給電パッド54に接続しているビアが、本実施形態における給電側ビア52に相当し、特許請求の範囲における第1の接続部材に相当する。
また、上記実施形態において、各ヒータ側ビア51、各給電側ビア52は、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。このような構成が採用される場合において、各ドライバ電極53に代えて、または、各ドライバ電極53とともに、ビア部分とビア部分との間のパッド部分に本発明が適用されていてもよい。このような構成が採用される場合において、パッド部分は、特許請求の範囲における導電性部材に相当する。
上記実施形態において、各ヒータ側ビア51、各給電側ビア52は、単数のビアにより構成されているが、これに限定されず、複数のビアのグループにより構成されていてもよい。このような構成が採用される場合において、複数のビアのグループのうちの少なくとも1つのビアに、本発明が適用されていればよい。
上記実施形態における各ドライバ電極53の形状は、面方向に延びる形状であれば特に限定されず、所定の面積を占める面状または線状とすることができる。
また、上記実施形態では、給電パッド54は、保持体10の裏面S2に形成された凹部12内に配置されているが、保持体10の裏面S2上に配置されているとしてもよい。すなわち、給電パッド54は、保持体10の第2の表面側に配置されていればよい。
上記実施形態では、各ドライバ電極53に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)である構成としたが、これに限定されない。すなわち、各ドライバ電極53は、炭化一タングステン(WC)に代えて、または、炭化一タングステン(WC)とともに、タングステン(W)、炭化二タングステン(WC)、モリブデン(Mo)等の他の導電性材料を含む構成であってもよい。
上記実施形態では、ヒータ電極50に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)である構成としたが、これに限定されない。すなわち、ヒータ電極50は、炭化一タングステン(WC)に代えて、または、炭化一タングステン(WC)とともに、タングステン(W)、炭化二タングステン(WC)、モリブデン(Mo)等の他の導電性材料を含む構成であってもよい。
上記実施形態では、ヒータ側ビア51に含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)である構成としたが、これに限定されない。すなわち、ヒータ側ビア51は、炭化一タングステン(WC)に代えて、または、炭化一タングステン(WC)とともに、タングステン(W)、炭化二タングステン(WC)を含む構成であってもよい。
上記実施形態では、各給電側ビア52に含まれる導電性材料は、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)において、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)との混合物であり、各ドライバ電極53の近傍部分(上側部分Pu)において、実質的に炭化一タングステン(WC)である構成としたが、これに限定されない。すなわち、各給電側ビア52は、下側部分Plにおける炭素原子の濃度が、上側部分Puにおける炭素原子の濃度より低い構成であればよい。より好ましくは、下側部分Plは、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物である。このような構成が採用された加熱装置100では、給電側ビア52において、給電パッド54の近傍部分(下側部分Pl)が、炭化一タングステン(WC)に比べ、炭化度合いの低い、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)の混合物として存在するため、給電パッド54の炭化をより効果的に抑制することができる。また、上側部分Puにタングステン(W)、炭化二タングステン(WC)が含まれる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、各給電側ビア52が、上側部分Puと、中間部分Pmと、下側部分Plとを含む構成を採用したが、これに限定されず、中間部分Pmを含まない構成であってもよい。
上記実施形態における加熱装置100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。
また、本発明は、加熱装置100に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された発熱抵抗体と、発熱抵抗体と電気的に接続された導電性部材と、実質的にタングステン(W)から構成される給電電極と、金属部材と、ろう材を含み、かつ、給電電極と金属部材とを接合するろう付け部と、給電電極と導電性部材とを接続し、かつ、導電性材料を含む第1の接続部材とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、静電チャック等)にも同様に適用可能である。
10:保持体 12:凹部 20:柱状支持体 22:貫通孔 30:接合部 50:ヒータ電極 51:ヒータ側ビア 52:給電側ビア 53:ドライバ電極 54:給電パッド 56:ろう付け部 70:給電端子 100:加熱装置 Pl:下側部分 Pm:中間部分 Pu:上側部分 S1:保持面 S2:裏面 S3:上面 W:半導体ウェハ

Claims (4)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対の第2の表面と、を有し、かつ、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置され、かつ、導電性材料を含む発熱抵抗体と、
    前記セラミックス部材における、前記第1の方向において前記発熱抵抗体と前記第2の表面との間に配置され、かつ、前記発熱抵抗体と電気的に接続される、導電性材料を含む導電性部材と、
    前記セラミックス部材の前記第2の表面側に配置され、かつ、実質的にタングステン(W)から構成される給電電極と、
    金属部材と、
    ろう材を含み、かつ、前記給電電極と前記金属部材とを接合するろう付け部と、
    前記給電電極と前記導電性部材とを接続し、かつ、導電性材料を含む第1の接続部材と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の接続部材に含まれる導電性材料は、タングステン(W)と炭化一タングステン(WC)と炭化二タングステン(WC)とからなり、
    前記第1の接続部材において、前記給電電極の近傍部分における炭素原子の濃度は、前記導電性部材の近傍部分における炭素原子の濃度より低い、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記導電性部材に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)である、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記保持装置は、さらに、前記発熱抵抗体における前記セラミックス部材の前記第2の表面側に接続され、かつ、導電性材料を含む第2の接続部材、を備え、
    前記発熱抵抗体に含まれる導電性材料は、炭化一タングステン(WC)であり、
    前記第2の接続部材に含まれる導電性材料は、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成される、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記第1の接続部材に含まれる導電性材料は、
    前記給電電極の近傍部分において、タングステン(W)と炭化二タングステン(WC)との混合物であり、
    前記導電性部材の近傍部分において、実質的に炭化一タングステン(WC)から構成される、
    ことを特徴とする保持装置。
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