JP2020166072A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学部材の回転、及び/又は移動を減少させつつ、表示画像を視認できる視域を広く確保する。【解決手段】 表示画像の光を生成する表示器10と、表示画像の光を入射し、表示画像の光を異なる複数の方向に向けて回折し、表示画像の第1の虚像を視認可能な第1の領域201に第1回折光101を配光し、表示画像の第2の虚像を視認可能であり、第1の領域201より上側に配置される第2の領域202に第2回折光102を配光するホログラフィック光学系20と、を備える。【選択図】 図3
Description
本開示は、車両などの移動体に用いられるヘッドアップディスプレイ装置に関する。
特許文献1には、表示画像の光を反射するミラーをアクチュエータなどで回転、及び/又は移動させることで、表示画像の光が投影される位置を変化させることで、目の位置(高さ)が異なる観察者に対して表示画像の虚像を視認させることができるヘッドアップディスプレイ装置が開示されている。
光学部材(例えば、特許文献1のミラー)を回転、又は移動させるためのアクチュエータが必要とされていた。また、目の位置が異なる観察者に対して表示画像の光を向かせるための光学部材の回転、及び/又は移動させるためのスペースを大きく設ける必要があり、アクチュエータの削減、又は光学部材の回転、及び/又は移動を減少させる観点で改善の余地があった。
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない種々の態様を包含し得る。
本開示の概要は、光学部材の回転、及び/又は移動を減少させつつ、表示画像を視認できる視域を広く確保する。より具体的には、光学部材の回転、及び/又は移動させるアクチュエータを削減することに関する。
したがって、本明細書に記載されるヘッドアップディスプレイ装置は、表示画像の光を生成する表示器(10)と、前記表示画像の光を入射し、前記表示画像の光を異なる複数の方向に向けて回折し、前記表示画像の第1の虚像を視認可能な第1の領域(201)に第1回折光(101)を配光し、前記表示画像の第2の虚像を視認可能であり、前記第1の領域(201)より上側に配置される第2の領域(202)に第2回折光(102)を配光するホログラフィック光学系(20)と、を備える。これによれば、表示器からの画像光を受け、反射する(回折する)方向の異なる複数の回折光を生成し、被投影部に投射するホログラフィック光学系を用いることで、目の高さが異なる観察者に対して、画像を視認させることができる。従来では、目の高さが異なる観察者に対しては、HUD装置内での光学系をアクチュエータなどで移動、及び/又は回転させることで、表示光の方向を変えていたが、このような光学系を駆動するアクチュエータを廃止することも可能であり、また、アクチュエータを設けた場合でも可動範囲を小さく抑えることができる。
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態(図面の内容も含む)によって限定されるものではない。以下の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
以下、図1、図3では、例示的なHUD装置の構成と、HUD装置から出射される表示光の光路の説明を提供する。図2では、例示的な表示器の構成の説明を提供する。図4、図5、図6では、ホログラフィック光学系の構成の例を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の一部を示す図であって、自動車に採用された場合が示されている。なお、本発明のヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置とも記載する。)は、自動車に限らず、移動体における表示装置に採用することが可能である。
図1のHUD装置1は、観察者(典型的には、自車両の運転席に着座する運転者)2の正面(前方、自車両の進行方向とも言える。)に配置される自車両のフロントウインドシールド(被投影部材の一例。)3に向けて表示光100を投影する。HUD装置1が出射する表示光100を、自車両のフロントウインドシールド3で観察者2側へ反射され、所定の領域であるアイボックス200に配光される。観察者2は、アイボックス200内に目を配置することで、フロントウインドシールド3より遠方側に、HUD装置1が表示する表示画像の虚像300を視認することができる。なお、本実施形態に用いる図面において、自車両の左右方向をX軸方向(自車両の前方を向いた際の左側がX軸正方向)とし、上下方向をY軸方向(路面を走行する自車両の上側がY軸正方向)とし、自車両の前後方向をZ軸方向(自車両の前方がZ軸正方向)とする。
本実施形態の説明で用いる「アイボックス」とは、(1)領域内では表示画像の少なくとも一部が視認でき、領域外では表示画像の一部分も視認されない領域、又は(2)領域内では表示画像の少なくとも一部が所定の輝度以上で視認でき、領域外では表示画像の全体が前記所定の輝度未満である領域である。すなわち、観察者2が目(両目)をアイボックス200外に配置すると、観察者2は、表示画像の全体が視認できない、又は表示画像の全体の視認性が非常に低く知覚しづらい。前記所定の輝度とは、例えば、アイボックスの中心での表示画像の輝度に対して1/50程度である。
HUD装置1は、表示画像の光を出射する表示器10と、表示器10が出射する表示光100を、フロントウインドシールド(被投影部材の一例)3に向けて反射するホログラフィック光学系20と、で少なくとも構成される。すなわち、HUD装置1は、これら以外に、レンズなどの屈折光学系、平面鏡、凹面鏡などの反射光学系、回折光学系、及び/又はこれらの機能を組み合わせた光学系などを追加してもよい。
表示器10は、例えば、レーザー走査型表示装置であり、光源部11と、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーからなるスキャナ12と、スクリーン13と、を備え、スクリーン13に表示画像を表示する(表示画像の光を出射する。)。なお、表示画像は、ホログラフィック光学系20と、被投影部材(フロントウインドシールド3)により生じる歪み(湾曲)を打ち消すように、予め歪ませてスクリーン13に表示されてもよい。この表示画像の歪みは、表示器10の図示しない制御部によるワーピング処理と、前記レーザー走査型表示装置における光学部材の各構成の配置と、により生じてもよい。
光源部11は、例えば、赤色、緑色、青色などの異なる複数色の光ビームを合成した合成光ビーム15を出射する。光源部11は、例えば、単色の光ビームを出射する図示しない半導体レーザー光源と、該半導体レーザー光源から出射された単色の光ビームの光路上に位置し、単色の光ビームを集光する図示しない集光レンズと、単色の光ビームの進行方向を揃えるダイクロイックミラーなどからなる図示しない光合成部などからなる。なお、光源部11から出射された合成光ビーム15の光路上に配置され、該合成光ビーム15をスキャナ12に向けて反射する折り返しミラー11aを有していてもよい。なお、折り返しミラー11aは、省略されてもよい。また、折り返しミラー11aは、曲面状に形成され、受光した合成光ビーム15を光学的に調整した後、スキャナ12に反射するようにしてもよい。
スキャナ12は、例えば圧電駆動型の2軸レーザー光走査ミラーから構成される。スキャナ12は、表示器10の前記制御部から入力される制御信号に応じて反射面が2軸方向に揺動する。具体的には、スキャナ12は、合成光ビーム15を受光し、この合成光ビーム15を反射させた反射光である走査ビーム17をスクリーン13に向ける。
スクリーン13は、入射した走査ビーム17を受光し、射出瞳を拡大する射出瞳拡大素子(EPE)として機能し、例えば、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。本実施形態では、スクリーン13は、平板状であるが、一部または全体が湾曲していてもよい。また、スキャナ12とスクリーン13との間の走査ビーム17の光路上のスクリーン13の近傍に、図示しないフィールドレンズを配置してもよい。
他の例として、表示器10は、液晶プロジェクタ、DLPプロジェクタ、LCOSプロジェクタと、これらのプロジェクタの投影光を受光し、表示画像を表示するスクリーンと、で構成されてもよい。また、上記レーザー走査型表示装置を含むプロジェクタは、スクリーンを有さず、後述するホログラフィック光学系20に表示画像を投影してもよい。また、表示器10は、LEDなどのバックライトの光を透過するLCDパネル、又は有機ELディスプレイパネルなどであってもよい。
ホログラフィック光学系20は、表示器10と、HUD装置1の外部の被投影部材(フロントウインドシールド3)と、の間の表示光100の光路上に配置され、表示器10からの表示光100をフロントウインドシールド3に向けて反射する反射性を有する。また、本実施形態のホログラフィック光学系20は、表示器10が生成した表示画像を拡大した虚像300として結像させるための画像拡大機能(光学機能の一例)と、歪みのない(歪の少ない)虚像300として結像させるための画像歪み補正機能(光学機能の一例)と、を有していてもよい。ホログラフィック光学系20に凹面鏡の機能(画像拡大機能、及び/又は画像歪み補正機能)を持たせることで、観察者2に、大きな表示画像(虚像)、歪の少ない表示画像を提供することができるとともに、HUD装置1内の表示器10や他の光学系(ホログラフィック光学系20も含んでもよい)の小型化を図り、延いてはHUD装置1全体の小型化を図ることも可能となる。
図3は、本実施形態に係るHUD装置1の表示光100(第1回折光101,第2回折光102)の光路を示した図である。図3のホログラフィック光学系20は、表示器10から表示画像の光(以下では、入射光10Lとも表記する。)を入射し、これを回折することで、異なる2方向の第1回折光101と第2回折光102とを含む表示光100を、フロントウインドシールド3に投射する。ホログラフィック光学系20は、フロントウインドシールド3で反射された第1回折光101が、所定の領域(第1アイボックス201)に配光されるように、第1回折光101の回折方向を設定し、かつ、フロントウインドシールド3で反射された第2回折光102が、第1アイボックス201より上側(Y軸正方向)の領域(第2アイボックス202)に配光されるように、第2回折光102の回折方向を設定する。第1アイボックス201に目を配置した観察者2は、前記表示画像の第1の虚像301を視認し、前記表示画像の第2の虚像302を視認しない(視認しづらい程度に輝度が低い第2の虚像302を視認する。)。他方、第2アイボックス202に目を配置した観察者2は、第2の虚像302を視認し、第1の虚像301を視認しない(視認しづらい程度に輝度が低い第1の虚像301を視認する。)。これらは、ホログラフィック光学系の角度選択性(光学機能の一例)を利用して設定される。
図4は、本実施形態に係るホログラフィック光学系20の構成の一例と、これに入射する表示器10からの入射光10L、この入射光10Lの第1回折光101、第2回折光102の光路を説明する図である。図4のホログラフィック光学系20は、例えば、ガラスなどの硬質の基材21と、基材21上に設けられたホログラフィック層22と、で構成される。図4のホログラフィック層22は、基材21側から第1ホログラム23、第2ホログラム24の順で積層されて形成される。第1ホログラム23、第2ホログラム24は、例えば、フォトポリマーや重クロム酸ゼラチンなどのホログラム材料などからなり、入射した光を所望の方向へ向けて反射する角度選択性を備えた光学部材であり、物体光と参照光の干渉パターンを記録することで作成される。積層方法は、まず基材21上に、第1ホログラム23の材料を塗布し、所望の光学機能を記録し定着させた後、第1ホログラム23の上に、第2ホログラム24の材料を塗布し、所望の光学機能を記録してもよい。また、予め光学機能を記録した第1ホログラム23、第2ホログラム24を順に基材21に貼り合わせて形成してもよい。また、ホログラフィック層22は、複数方向の回折方向を記録した1枚のホログラフィック光学系でもよい。換言すると、ホログラフィック層22は、複数のホログラムを積層したものでなくてもよい。
第1ホログラム23、第2ホログラム24は、ホログラム材料の変更、及び/又はホログラム材料の厚さや屈折率変調を変更することで、回折率(透過率、反射率)を変えることができる。ホログラフィック層22の表面側の層のホログラム(図4では、第2ホログラム24)は、ホログラフィック層22の裏面側の層のホログラム(図4では、第1ホログラム23)よりも透過率が高くなるように設定される。理想的には、第2ホログラム24は、透過率50%(反射率50%)である部分反射型ホログラムであり、第1ホログラム23は、透過率0%(反射率100%)である全反射型ホログラム(反射型ホログラム)とされることが好ましい。また、第1ホログラム23、第2ホログラム24ぞれぞれは、凹面鏡の機能を記録することで、画像拡大機能、及び/又は画像歪み補正機能を有してもよい。
引き続き、図4を用いて、ホログラフィック光学系の角度選択性を利用した回折方向の設定の一例について説明する。ここで、表示器10からの入射光10Lのホログラフィック光学系20(最も表面側の第2ホログラム24)への入射角をθi2とし、第2ホログラム24で回折された第2回折光102の反射角(回折角)をθr2とし、第2ホログラム24を透過した入射光10Lの第1ホログラム23への入射角をθi1とし、第1ホログラム23で回折された第1回折光101の反射角(回折角)をθr1とする。第1ホログラム23に入射する入射光10Lは、第1ホログラム23で屈折するため、典型的には、第1ホログラム23への入射角θi1と第2ホログラム24への入射角θi2とは異なるが、図4では等しいものとして示してある。図4では、第1ホログラム23,及び第2ホログラム24は、入射角に対して反射角を大きくする角度選択性を有する。すなわち、第1ホログラム23で回折した第1回折光101のホログラフィック光学系20(第1ホログラム23)に対する反射角θr1は、入射角θi1より大きくなり、他方、第2ホログラム24で回折した第2回折光102のホログラフィック光学系20(第2ホログラム24)に対する反射角θr2は、入射角θi2より大きく、かつ第1回折光101の反射角θr1より小さくなる(θr1<θr2)ように、第1ホログラム23及び第2ホログラム24の角度選択性は、設定される。これにより、第1回折光101と第2回折光102とが、それぞれ異なる方向に回折し、第1回折光101は、目の高さが比較的低い観察者2が第1の虚像301を視認可能な第1アイボックス201に配光され、第2回折光102は、目の高さが比較的高い観察者2が第2の虚像302を視認可能な第2アイボックス202に配光される。
本実施形態では、ホログラフィック光学系20で回折された第1回折光101及び第2回折光102のいずれも反射角が入射角より大きくなるように、回折角度を設定している。これにより、入射光10Lに対して、大きく離れた方向に回折光を向けることが可能となる。比較例として、表示器10からの入射光10Lの入射角を大きくし、これにより反射角を大きくすることで、ホログラフィック光学系20による回折光が表示器10に当たらないようにすることもできるが、これでは、表示器10からの入射光10Lのホログラフィック光学系20に対する入射角が大きくなってしまう。これに比べて、本実施形態のホログラフィック光学系20では、回折された回折光のいずれも反射角が入射角より大きくなるように回折角度を設定しているので、表示器10からの入射光10Lのホログラフィック光学系20に対する入射角を小さく抑えつつも回折光が表示器10に当たらないようにすることができる。表示器10からの入射光10Lのホログラフィック光学系20に対する入射角を小さく抑えることで、ホログラフィック光学系20に付与する光学機能(画像拡大機能、画像歪み補正機能、角度選択機能)が、増強して実行される、迷光を抑えつつ実行される、又は設計難易度の上昇を抑えつつ実行され得る。
ホログラフィック光学系20における積層された複数のホログラム(第1ホログラム23,第2ホログラム24)の回折率(入射した光の強度に対する解説した光の強度の比率)は、それぞれの回折光が配光される領域(第1アイボックス201、第2アイボックス202)で視認されるそれぞれの虚像(第1の虚像301、第2の虚像302)の輝度が同等になるようにそれぞれ設定されることが好ましい。具体的には、ホログラフィック層22の表面側に近いホログラム(上記実施形態では、第2ホログラム24)の回折率を、ホログラフィック層22の裏側に近いホログラム(上記実施形態では、第1ホログラム23)の回折率より低く設定しておくことが好ましい。
また、ホログラフィック光学系20における積層された複数のホログラム(第1ホログラム23,第2ホログラム24)での表示画像の拡大率は、それぞれの回折光が配光される領域(第1アイボックス201、第2アイボックス202)で視認されるそれぞれの虚像(第1の虚像301、第2の虚像302)の大きさが同等になるようにそれぞれ設定されることが好ましい。
以上のとおり、本実施形態では、表示器からの画像光を受け、反射する(回折する)方向の異なる複数の回折光を生成し、被投影部(フロントウインドシールド3)に投射するホログラフィック光学系を用いることで、目の高さが異なる観察者に対して、表示画像を視認させることができる。また、従来では、目の高さが異なる観察者に対しては、HUD装置内での光学系をアクチュエータなどで移動、及び/又は回転させることで、表示光の方向を変えていたが、このような光学系を駆動するアクチュエータを廃止することも可能であり、また、アクチュエータを設けた場合でも可動範囲を小さく抑えることができる。
また、いくつかの実施形態では、ホログラフィック光学系20の最表面側に保護層を設けてもよい。保護層は、ホログラフィック光学系20の保存安定性の劣化等の影響を防止する、及び/又は汚れや傷がつくことを防止することが可能である。保護層の具体的構成に制限はなく、公知のものを任意に適用することが可能であり、例えば、水溶性ポリマー、樹脂などの有機材料、無機ガラスなどの無機材料により形成することができる。保護層の具体的形成方法に制限はなく、公知のものを任意に適用することが可能であり、例えば、保護層は、フィルム材であり、ホログラフィック光学系20の最表面側に貼り付けられて形成されてもよく、保護材料を表面に塗布して形成されてもよい。この場合、ホログラフィック光学系20の最表面側の保護層で表示器10からの光10Lが表面反射する(図5の表面反射光103を参照)。この表面反射光103が、観察者2の目の位置に到達すると、表示画像ではないノイズとなる迷光として視認されてしまう。そこで、この表面反射光103が、ホログラフィック光学系20の回折光が配光されるアイボックスに向かわないようにする。表面反射光103は、入射角θi3と反射角θr3とが等しくなる。したがって、具体的には、表面反射光103がアイボックスに向かわないように、すなわち、ホログラフィック光学系20による複数の回折光がそれぞれ配光される複数のアイボックスのうち最も上側のアイボックスよい上側に向かうように(又は最も下側のアイボックスより下側に向かうように)、表示器10とホログラフィック光学系20との相対的な角度(入射角θi3)を調整して反射角θr3を調整してもよい。
また、いくつかの本実施形態では、ホログラフィック光学系の回折方向を増やして、3以上の領域(アイボックス)に配光してもよい。
また、上記実施形態では、第1ホログラム23と第2ホログラム24とを平行に設けていたが、これに制限されない。第1ホログラム23と第2ホログラム24とは、非平行に配置されてもよい。図6は、第1ホログラム23と第2ホログラム24とを非平行に配置した例を示す図である。ホログラフィック層22の裏面側の層のホログラム(図6では、第1ホログラム23)への入射角θi1aが、ホログラフィック層22の表面側の層のホログラム(図6では、第2ホログラム24)への入射角θi1aよりも大きくなるように配置されてもよい。図6の例では、第1ホログラム23と第2ホログラム24とを非平行に配置するため、第1ホログラム23と第2ホログラム24との間に楔形状の中間層26を設けている。
図6に示す中間層26は、光透過性を有しており、典型的には透明である。中間層26は、例えば樹脂を含んでいる。中間層26は、第1ホログラム23と第2ホログラム24との密着を向上させる機能を有していてもよい。中間層26の材料に制限はなく、公知のものを任意に適用することが可能であり、例えば、熱可塑性樹脂などの樹脂を使用することができる。中間層26は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、又はこれらを複合した材料を含んでいてもよい。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…HUD装置、2…観察者、3…フロントウインドシールド、10…表示器、10L…入射光、11…光源部、11a…折り返しミラー、12…スキャナ、13…スクリーン、15…合成光ビーム、17…走査ビーム、20…ホログラフィック光学系、21…基材、22…ホログラフィック層、23…第1ホログラム、24…第2ホログラム、26…中間層、100…表示光、101…第1回折光、102…第2回折光、103…表面反射光、200…アイボックス、201…第1アイボックス、202…第2アイボックス、301…第1の虚像、302…第2の虚像、θi1…入射角、θi1a…入射角、θi2…入射角、θi3…入射角、θr1…反射角、θr2…反射角、θr3…反射角
Claims (6)
- 表示画像の光を生成する表示器(10)と、
前記表示画像の光を入射し、前記表示画像の光を異なる複数の方向に向けて回折し、前記表示画像の第1の虚像を視認可能な第1の領域(201)に第1回折光(101)を配光し、前記表示画像の第2の虚像を視認可能であり、前記第1の領域(201)より上側に配置される第2の領域(202)に第2回折光(102)を配光するホログラフィック光学系(20)と、を備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記ホログラフィック光学系(20)は、前記表示画像の光を回折して前記第1回折光(101)を生成する反射型の第1ホログラム(23)と、前記第1ホログラム(23)より表面側に重ねて配置され、前記表示画像の光の一部を回折して前記第2回折光(102)を生成し、前記表示画像の光の一部を透過する部分反射型の第2ホログラム(24)と、を含む、
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記第1ホログラム(23)は、前記表示画像の光の入射角(θi1、θi1a)より大きい回折角(θr1、θr1a)を有し、
前記第2ホログラム(24)は、前記表示画像の光の入射角(θi2)より大きく、かつ前記第1ホログラム(23)の前記回折角(θr1、θr1a)より小さい回折角(θr2)を有する、
請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記第1ホログラム(23)は、前記第2ホログラム(24)と平行に配置される、
請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記第1ホログラム(23)は、前記表示画像の光の入射角(θi1a)が、前記第2ホログラム(24)への前記表示画像の光の入射角(θi2)より大きくなるように配置される
請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記ホログラフィック光学系(20)は、
回折する機能層よりも表面側に保護層(25)をさらに設け、
前記保護層(25)における表面反射光(103)が、前記第1の領域(201)の下側、又は前記第2の領域(202)の上側に向くように、配置される、
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019065113A JP2020166072A (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019065113A JP2020166072A (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020166072A true JP2020166072A (ja) | 2020-10-08 |
Family
ID=72716241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019065113A Pending JP2020166072A (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020166072A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022158115A1 (ja) * | 2021-01-20 | 2022-07-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 画像表示装置 |
-
2019
- 2019-03-28 JP JP2019065113A patent/JP2020166072A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022158115A1 (ja) * | 2021-01-20 | 2022-07-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 画像表示装置 |
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