JP2020162778A - ステントデリバリーシステムの製造方法 - Google Patents

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彩加 大西
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【課題】ステントが配置されるバルーンにピンホールが発生することを抑制するとともに、プロファイルの細径化及びステントのリテンションの向上を図ることができるステントデリバリーシステムの製造方法を提供する。【解決手段】ステントデリバリーシステムの製造方法は、折り畳まれたバルーンをステントの内腔に配置する配置工程(S1)と、ステントの径方向外側から圧力を印加して、ステントを縮径する第1縮径工程(S2)と、バルーンの内部を第1圧力に加圧して、ステントの径方向内側からステントに対して圧力を印加しつつ前記ステントを縮径する第2縮径工程(S3)と、を有し、第1圧力は、ステントが拡張を開始する第2圧力よりも小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、ステントデリバリーシステムの製造方法に関する。
患者の生体管腔(例えば、血管)内に生じた狭窄部等の病変部にステントを留置して、管腔を確保するステント留置術が行われている。ステント留置術に使用されるステントとして、例えば、バルーン拡張型ステント(特許文献1を参照)や自己拡張型ステントが開発されている。
バルーン拡張型ステントでは、折り畳まれたバルーンの外表面にステントがクリンプ(保持)される。特許文献1に記載のステントデリバリーシステムでは、バルーンに対するステントの保持力(リテンション)を高めるために、ステントの隙間部内にバルーンの一部を挟み込んでいる。
特許文献1に記載されたステントデリバリーシステムの製造方法では、次のような作業手順を採用している。まず、作業者は、ステントの内腔に折り畳まれたバルーンを配置する。次に、バルーンの内部を加圧しつつステントを縮径することにより、ステントの隙間部内へバルーンの膜材を突出させる。作業者は、ステントの外径が目標外径に至った後、縮径工程を終える。ステントは、縮径工程を終えた後においてもバルーンの一部を隙間部内に挟み込んだ状態に維持する。これにより、バルーンに対するステントのリテンションが高められる。
特表2009−540928号公報
上記の製造方法によりステントデリバリーシステムを製造した場合、バルーンに対するステントのリテンションを高めることは可能になるが、次のような課題が発生し得る。
バルーンにおいてステントの隙間部内に挟み込まれた部分は、ステントから応力を受け、応力が集中した場所にバルーンにピンホール(孔)が発生する可能性がある。バルーンにピンホールが発生することを抑制する方法として、例えば、ステントの縮径工程において、目標外径を大きく設定することが考えられる。作業者は、ステントの目標外径を大きく設定することにより、ステントが目標外径に至った際のステントの隙間を広げることができる。それにより、作業者は、ステントの隙間部内に挟み込まれたバルーンの一部に応力が集中することを避けることができる。
しかしながら、ステントの縮径工程における目標外径を大きく設定した場合、ステントデリバリーシステムは、縮径工程後のステント外径(プロファイル)が大きくなり、病変部の通過性が低下する。また、ステントの縮径工程における目標外径を大きく設定した場合、ステントデリバリーシステムは、ステントの隙間部内へのバルーンの膜材の突出量(ステントの隙間部内にバルーンの膜材が挟み込まれる量)が少なくなり、ステントのリテンションが低下してしまう。
本発明は、上記のような課題を鑑み、ステントが配置されるバルーンにピンホールが発生することを抑制するとともに、プロファイルの細径化及びステントのリテンションの向上を図ることができるステントデリバリーシステムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るステントデリバリーシステムの製造方法は、ステントと、前記ステントが配置されたバルーンを備えるバルーンカテーテルと、を有するステントデリバリーシステムの製造方法であって、折り畳まれた前記バルーンを前記ステントの内腔に配置する配置工程と、前記ステントの径方向外側から前記ステントに対して圧力を印加して、前記ステントを縮径する第1縮径工程と、前記バルーンの内部を第1圧力に加圧して、前記ステントの径方向内側から前記ステントに対して圧力を印加しつつ前記ステントを縮径する第2縮径工程と、を有し、前記第1圧力は、前記ステントが拡張を開始する第2圧力よりも小さい。
上記のステントデリバリーシステムの製造方法では、第2縮径工程を実施している間、バルーンの内部への加圧を継続することにより、バルーンの少なくとも一部をステントの隙間部に挟み込むことができる。それにより、上記のステントデリバリーシステムの製造方法は、ステントのリテンションを向上させることができる。また、上記のステントデリバリーシステムの製造方法では、ステントの外径が目標外径に至るまで、バルーンの内部は、ステントが拡張を開始する第2圧力よりも小さな第1圧力に維持される。そのため、上記のステントデリバリーシステムの製造方法は、第2縮径工程を実施している間、ステントの隙間部に挟み込まれたバルーンの一部に応力が集中することを避けることができる。それにより、上記のステントデリバリーシステムの製造方法は、バルーンにピンホールが発生することを抑制できる。さらに、上記のステントデリバリーシステムの製造方法は、第1圧力を第2圧力よりも小さく設定することにより、第2縮径工程を実施している間にステントが拡張することを抑制できる。そのため、上記のステントデリバリーシステムの製造方法は、第1圧力を第2圧力より大きく設定した場合と比較して、プロファイルを細径化することができる。
実施形態に係るステントデリバリーシステムの全体概略図である。 実施形態に係るステントの展開図である。 図1に示す破線部分3Aの拡大断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図であって、ステント及びバルーンの一部を拡大して示す図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図であって、ステント及びバルーンの一部を拡大して示す図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、本明細書において示す範囲「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。
図1は、実施形態に係るステントデリバリーシステム10を示す図、図2は、実施形態に係るステント200を示す図、図3は、実施形態に係るステントデリバリーシステム10の一部を拡大して示す断面図である。図4〜図13は、実施形態に係るステントデリバリーシステム10の製造方法の説明に供する図である。図4は、ステントデリバリーシステムの製造方法の各工程を示すフローチャート、図5〜図13は、ステントデリーシステムの製造方法を説明するための概略断面図である。なお、図3は、図1に示す破線部分3Aの軸方向に沿う拡大断面図であり、図5〜図13は、図3に示す矢印5A−5Aに沿う軸直交断面を簡略化して示す図である。
本明細書の説明において、ステントデリバリーシステム10の先端側は、血管内へ挿入される端部側(図3の下側)を意味し、ステントデリバリーシステム10の基端側は、ハブ180が配置された端部側(図3の上側)を意味する。「先端」は、部材の最先端を意味し、「先端部」は、先端及び先端から基端側に向かう所定の範囲を意味する。「基端」は、部材の最基端を意味し、「基端部」は、基端及び基端から先端側に向かう所定の範囲を意味する。「軸方向」は、シャフト110の延伸方向(図3の上下方向)を意味する。「周方向」は、シャフト110(内管120)の軸心O周りの方向(図5の矢印R1−R2で示す方向)を意味する。
実施形態に係るステント200の説明において、「径方向」は、シャフト110(内管120)の軸心Oに対して接近−離間する方向(図5の矢印A1−A2方向)を意味する。なお、ステント200の先端、基端、軸方向、周方向についての定義は上記のステントデリバリーシステム10の定義と同様のものとする。図2に示すステント200の展開図では、ステント200の軸方向を矢印X1−X2で示し、ステント200の周方向を矢印Y1−Y2で示す。
本実施形態に係るステントデリバリーシステムの製造方法(以下、単に「製造方法」とも記載する)は、図1〜図3に示すステントデリバリーシステム10の製造に用いることができる。以下、ステントデリバリーシステム10の各部の構成について説明した後、本実施形態に係る製造方法を説明する。
<ステントデリバリーシステム>
図1及び図3に示すように、ステントデリバリーシステム10は、バルーンカテーテル100と、バルーンカテーテル100のバルーン150に配置されたステント200と、を有している。
ステントデリバリーシステム10は、血管等の生体管腔内に生じた狭窄部を押し広げる手技(例えば、PCI)に使用される医療デバイスである。術者は、ステントデリバリーシステム10を使用した手技において、シャフト110の先端部に配置されたバルーン150とともに、バルーン150にクリンプされたステント200を生体管腔内に挿入する。術者は、生体管腔内に生じた狭窄部の内周側でバルーン150を拡張させ、バルーン150とともにステント200を拡張させる。術者は、拡張させたステント200を狭窄部の内周側に留置することにより、狭窄部を押し広げた状態に維持することができる。
<バルーンカテーテル>
図1及び図3に示すように、バルーンカテーテル100は、可撓性を備える長尺状のシャフト110と、シャフト110の先端部に配置されたバルーン150と、シャフト110の基端部に配置されたハブ180と、を有している。
図3に示すように、シャフト110は、内管120と外管130で構成することができる。内管120は、外管130の内腔を挿通している。内管120の先端側の一定の範囲は、外管130よりも先端側に突出している。内管120には、図1に示すガイドワイヤWを挿通可能なガイドワイヤルーメン123が形成されている。外管130の内周側には、外管130と内管120の間に区画された加圧媒体用ルーメン133が形成されている。
図3に示すように、内管120の先端には先端開口部122aが形成されている。また、内管120の先端側には柔軟性を備える先端部材(先端チップ)160が配置されている。先端部材160は、先端開口部161と、中空状の内腔162と、基端開口部163と、を有している。内管120のガイドワイヤルーメン123は、先端部材160の内腔162と連通している。
先端部材160は、例えば、先端側に向けて湾曲したテーパー形状の断面を有するように構成することができる。先端部材160は、例えば、シャフト110(内管120及び外管130)よりも柔軟な物性を備えるように構成することができる。先端部材160の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物を用いることができる。
図1に示すように、シャフト110には、ガイドワイヤルーメン123と連通するガイドワイヤポート113が形成されている。
本実施形態に係るステントデリバリーシステム10は、シャフト110の軸方向の途中部分にガイドワイヤWを導出させることが可能なガイドワイヤポート113が形成された、いわゆる「ラピッドエクスチェンジタイプ」のカテーテルとして構成している。なお、ステントデリバリーシステム10は、ガイドワイヤルーメン123がシャフト110の全長に亘って形成され、ガイドワイヤWがハブ180の基端から導出される「オーバーザワイヤタイプ」のカテーテルとして構成してもよい。
図3に示すように、内管120には、ステント200の軸方向の両端の位置を示すための造影マーカー171、172を配置することができる。造影マーカー171は、ステント200の先端よりもシャフト110の軸方向の先端側に配置することができる。また、造影マーカー172は、ステント200の基端よりもシャフト110の軸方向の基端側に配置することができる。このように、各造影マーカー171、172は、シャフト110の軸方向においてステント200と重ならない位置に配置することができる。造影マーカー171、172の構成材料としては、例えば、公知の金属材料を用いることができる。
図3に示すように、外管130の先端には先端開口部132aが形成されている。外管130の先端開口部132aは、バルーン150の空間部155と連通している。術者は、ハブ180に接続される流体供給装置(図示省略)を操作して、加圧媒体用ルーメン133を介してバルーン150の空間部155内へ加圧媒体を供給することにより、バルーン150を拡張させることができる。また、術者は、流体供給装置を操作して、バルーン150の空間部155から流体を排出することにより、バルーン150を収縮させることができる。加圧媒体の種類は特に限定されないが、例えば、空気等の気体、生理食塩水等の液体を用いることができる。
内管120の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴム類、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン等の結晶性プラスチックを用いることができる。
外管130の構成材料としては、例えば、内管120の構成材料として例示したものと同様の材料を用いることができる。
シャフト110の外表面(外管130の外表面)には、膨潤性ポリマーからなるコート層を設けてもよい。膨潤性ポリマーとしては、体液や水性溶媒との接触時に膨潤性を発揮するものであれば特に限定されない。例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、グリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミドのブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。膨潤性ポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。コート層は、例えば、バルーン150の基端よりも基端側に設けることができる。
図3に示すように、バルーン150は、略直線状に拡張可能な胴部151と、胴部151の先端側に配置され先端側へ向けてシャフト110の軸心O側に傾斜する先端側傾斜部152a及び先端側傾斜部152aの先端側に配置されシャフト110と固定された先端側固定部152bを備える先端領域152と、胴部151の基端側に配置され基端側へ向けてシャフト110の軸心O側に傾斜する基端側傾斜部153a及び基端側傾斜部153aの基端側に配置されシャフト110と固定された基端側固定部153bを備える基端領域153と、を有している。
ステント200は、バルーン150の胴部151の外表面に配置されている。なお、図3では、図示の都合上、拡張した状態のバルーン150を示しているが、ステント200は、バルーン150が折り畳まれた未拡張の状態(ラッピングされた状態)で、バルーン150の胴部151の外表面にクリンプされる。
バルーン150の先端側固定部152bは、シャフト110を構成する内管120の先端部122に固定されている。バルーン150の基端側固定部153bは、シャフト110を構成する外管130の先端部132に固定されている。バルーン150の内周側には加圧媒体の流入が可能な空間部155が形成されている。バルーン150は、拡張及び収縮が可能な可撓性を備える膜材150aで構成されている。
バルーン150の膜材150aの構成材料としては、例えば、有機高分子材料を用いることができる。具体的には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料、あるいはこれらの混合物、あるいは上記2種以上の高分子材料の多層チューブ等を用いることができる。
膜材150aの厚みは、例えば、1μm〜100μm、好ましくは15μm〜40μmで形成することができる。膜材150aの厚みをこのような大きさで形成することにより、後述する縮径工程(S3)及び加圧工程(S4)を実施した際、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部をステント200の第2の隙間部g2内に好適に挟み込むことが可能になる(図10を参照)。
<ステント>
ステント200は、バルーン150の拡張力により塑性変形を伴って拡張する、いわゆるバルーン拡張型ステントである。
ステント200は、図2に示すように、矢印Y1−Y2で示す周方向に波状に延在し、かつ、矢印X1−X2で示す軸方向に所定の間隔を空けて配置された複数の環状部211と、隣接する環状部211同士を軸方向に連結する複数のリンク部212と、を有する。なお、図2は、ステント200の展開図を示している。
ステント200は、筒状(円筒状)を呈するように構成されている。ステント200の内周側には、バルーン150を挿入可能な内腔230が形成されている(図5を参照)。
ステント200の環状部211は、ステント200の軸方向に沿って延び周方向の異なる位置に配置された複数の線状要素211a、211b、211c、211dと、各線状要素を繋ぐ湾曲部と、を有している。環状部211は、ステント200の周方向に沿って、第1の線状要素211a、第2の線状要素211b、第3の線状要素211c、及び第4の線状要素211dを一単位とする周期構造を含む。なお、図2では、図示の都合上、一部の線状要素のみに符号を付している。また、線状要素は、軸方向に沿って略真っすぐに延びる形態だけでなく、一部または全体が蛇行しながら軸方向に沿って延びる形態も含む。
ステント200は、ステント200の線状要素間に隙間部gを有する。隙間部gは、ステント200の周方向に隣接する線状要素211a(以下、「第1の線状要素211a」とする)と線状要素211b(以下、「第2の線状要素211b」とする)との間に形成された第1の隙間部g1と、ステント200の周方向に隣接する線状要素211c(以下、「第3の線状要素211c」とする)と線状要素211d(以下、「第4の線状要素211d」とする)との間に形成された第2の隙間部g2と、を少なくとも有している。
第2の隙間部g2は、ステント200の周方向において第1の隙間部g1とは異なる位置に形成されている。また、第2の隙間部g2は、第1の隙間部g1よりもステント200の周方向に沿う長さが長い。
第1の隙間部g1の周方向に沿う長さL1と第2の隙間部g2の周方向に沿う長さL2は、各隙間部g1、g2のステント200の周方向における最大長で比較することができる。なお、各長さL1、L2は、ステント200がバルーン150にクリンプされる前の状態での長さである。
バルーン150の膜材150aは、バルーン150にステント200がクリンプされた状態で、第1の隙間部g1内に挟み込まれていないことが好ましい。また、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部は、バルーン150にステント200がクリンプされた状態で、第2の隙間部g2内に挟み込まれていることが好ましい。これは次のような理由による。
ステント200の第1の隙間部g1のステント200の周方向に沿う長さL1は、第2の隙間部g2のステント200の周方向に沿う長さL2と比較して短い。そのため、隙間部gに挟み込まれるバルーン150の膜材150aの量は、第2の隙間部g2よりも第1の隙間部g1の方が少ない。図9に示すように、ステント200を縮径していくと、第1の線状要素211aと第2の線状要素211bとがバルーン150の膜材150aを介して接触し、ステント200の第1の隙間部g1内に挟み込まれたバルーン150の膜材150aは、ステント200から応力を受ける。第1の隙間部g1内に挟み込まれたバルーン150の膜材150aは、第1の線状要素211aと第2の線状要素211bとでつままれたような状態となり、径方向外側に伸長することができない。このため、ステント200の線状要素の内表面側とバルーン150の膜材150aの外表面側との接点tにおいて、膜材150aを伸長させる応力は、隙間部g2内に挟み込まれたバルーン150の膜材150aに分散することができず、接点tに集中する。その結果、バルーン150は、ピンホールが発生しやすくなる。したがって、バルーン150の膜材150aは、バルーン150にステント200がクリンプされた状態で、第1の隙間部g1内に挟み込まれていないことが好ましい。一方で、ステント200の第2の隙間部g2のステント200の周方向に沿う長さL2は、第1の隙間部g1のステント200の周方向に沿う長さL1と比較して長い。そのため、図10に示すように、バルーン150の内部を第1圧力に加圧しつつステント200を縮径していくと、第2の隙間部g2付近に位置するバルーン150の膜材150aの少なくとも一部が第2の隙間部g2内に容易に挟み込まれる。これにより、ステント200のリテンションが高められる。したがって、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部は、バルーン150にステント200がクリンプされた状態で、第2の隙間部g2内に挟み込まれていることが好ましい。このとき、隙間部gに挟み込まれるバルーン150の膜材150aの量は、第1の隙間部g1よりも第2の隙間部g2の方が多い。そのため、第2の隙間部g2内に挟み込まれたバルーン150の膜材150a同士の間には、加圧媒体である空気が入り込むことができるため、圧力をかけることで第3の線状要素211cと第4の線状要素211dとがバルーン150の膜材150aを介して接触することが避けられる。これにより、第2の隙間部g2内に挟み込まれたバルーン150の膜材150aは、第2の隙間部g2内で径方向外側に伸長することができる。その結果、バルーン150の膜材150aを伸長させる応力がステント200の線状要素の内表面側とバルーン150の膜材150aの外表面側との接点tに集中することが避けられるので、第2の隙間部g2付近に位置するバルーン150は、ピンホールが発生し難くなる。
バルーン150を構成する膜材150aが第1の隙間部g1内に挟み込まれておらず、第2の隙間部g2内に挟み込まれた状態は、ステント200の縮径工程において、バルーン150の内部の加圧圧力をステント200が拡張を開始する圧力(ステント拡張開始圧)より小さく設定し、かつ、ステント200の外径が目標外径に至るまで加圧を継続することにより達成できる。バルーン150の内部の加圧圧力がステント拡張開始圧より大きい場合、ステント200の隙間部gが押し広げられるので、加圧を継続しつつステント200を目標外径まで縮径することが難しい。また、ステント200の周方向に沿う長さL1が短く形成された第1の隙間部g1も押し広げられるので、バルーン150の膜材150aが第1の隙間部g1に挟み込まれてつままれたような状態となり、バルーン150は、ピンホールが発生しやすくなる。ステント200の縮径工程において、バルーン150の内部の加圧圧力をステント拡張開始圧より小さく設定し、かつ、ステント200の外径が目標外径に至るまで加圧を継続することにより、バルーン150を構成する膜材150aが第1の隙間部g1内に挟み込まれるのを抑制しつつ、第2の隙間部g2内に挟み込まれた状態とすることができる。その結果、バルーン150は、ステント200の縮径工程を終えるまでピンホールを発生させることなく、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部をステント200の隙間部gに挟み込むことができる。
第1の隙間部g1の周方向に沿う長さL1は、例えば、100μm〜300μmとすることができる。また、第2の隙間部g2の周方向に沿う長さL2は、例えば、500μm〜1000μmとすることができる。
なお、ステント200の構造(線状要素の形状、隙間部の形状等)は、図2に示すものに限定されない。例えば、ステント200としては、多数の隙間が形成されたメッシュで形成された筒状の周壁を備えるものを用いることもできる。
ステント200の構成材料としては、例えば、生体適合性を有する金属や、生体吸収性を有する生分解性ポリマー等を用いることができる。なお、一つのステント200において、生体適合性を有する金属で形成された部分と生体吸収性を有する生分解性ポリマーで形成された部分が設けられていてもよい。
生体適合性を有する金属としては、例えば、ステンレス鋼等の鉄ベース合金、タンタル(タンタル合金)、プラチナ(プラチナ合金)、金(金合金)、コバルトベース合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ニオブ合金等を用いることができる。
生分解性ポリマーとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシブチレイト吉草酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−アミノ酸、ポリオルソエステル、セルロース、コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、柱皮酸、及び柱皮酸誘導体からなる群れから選択される少なくとも一つの重合体、重合体を構成する単量体が任意に共重合されてなる共重合体、並びに重合体と共重合体の混合物であることが好ましい。
図3に示すように、ステント200の外表面には薬剤を含む薬剤コート層220を設けることができる。薬剤コート層220は、ステント200の外表面の全体に形成してもよいし、ステント200の外表面の一部のみに形成してもよい。
薬剤コート層220に含まれる薬剤としては、特に限定されないが、例えば、抗がん剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、抗高脂血症薬、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症剤、生体由来材料、インターフェロン、NO産生促進物質等を用いることができる。
<ステントデリバリーシステムの製造方法>
次に、図4〜図13を参照して、本実施形態に係るステントデリバリーシステム10の製造方法を説明する。ここでは、バルーン150にステント200をクリンプするまでの各手順を説明する。
図5〜図13に示す説明用の各断面図では、バルーン150、ステント200、製造方法に使用される製造装置の一部(クリンプヘッド)300を概略的に示している。
図4に示すように、製造方法は、概説すると、配置工程(S1)と、第1縮径工程(S2)と、第2縮径工程(S3)と、継続工程(S4)と、解除工程(S5)と、を有している。以下、製造方法の各工程について説明する。
作業者は、ステントデリバリーシステム10の製造を開始するに際し、バルーンカテーテル100と、ステント200と、クリンプ装置を準備する。バルーンカテーテル100は、バルーン150が折り畳まれた状態のものを準備する。ステント200としては、バルーン150に配置されておらず、かつ、縮径する前の状態のもの(縮径する前の初期外径が、例えば、1mm〜6mmのもの)を準備する。また、ステント200の外表面には薬剤コート層220を設けておくことができる。クリンプ装置としては、ステント200をバルーン150にクリンプするためのクリンプヘッド300を備える公知のものを準備することができる。
作業者は、まず、配置工程(S1)を実施する。配置工程(S1)では、作業者は、ステント200をクリンプ装置のクリンプヘッド300にセットする。また、作業者は、図5に示すように、バルーン150をステント200の内腔230に配置する。ステント200は、バルーン150の胴部151に配置する。
次に、作業者は、第1縮径工程(S2)を実施する。第1縮径工程(S2)では、作業者は、ステント200の径方向外側からステント200に対して圧力を印加して、ステント200を所定の外径まで縮径させる。図6には、第1縮径工程(S2)を開始した際の様子を示している。作業者は、ステント200の径方向外側に配置したクリンプヘッド300を径方向内側へ縮径させることにより、ステント200に対して径方向外側から圧力を印加する。なお、第1縮径工程(S2)では、バルーン150の加圧は、実施していない。したがって、第1縮径工程(S2)では、バルーン150は、ステント200の隙間部gに挟み込まれない。
次に、作業者は、第2縮径工程(S3)を実施する。第2縮径工程(S3)では、作業者は、バルーン150の内部(空間部155)を所定の第1圧力に加圧して、ステント200の径方向内側からステント200に対して圧力を印加する。バルーン150の内部への圧力の印加は、バルーン150内へ空気等の流体を供給することにより行うことができる。図7には、第2縮径工程(S3)を開始した際の様子を示している。なお、バルーン150の内部への圧力の印加は、第2縮径工程(S3)の縮径と同時に実施してもよいし、第2縮径工程(S3)を開始する前でもよい。
第2縮径工程(S3)は、第1縮径工程(S2)により、ステント200が所定の外径まで縮径した後、開始することができる。ステント200が所定の外径まで縮径した後に第2縮径工程(S3)を開始する場合、例えば、ステント200の外径が0.8mm〜4mm、好ましくは0.9mm〜1.7mmに至った際にバルーン150の加圧を開始することができる。なお、作業者は、第1縮径工程(S2)を行わずに第2縮径工程(S3)を開始してもよい。
作業者は、第2縮径工程(S3)においてバルーン150の内部を加圧する第1圧力を所定の第2圧力よりも小さくする。「第2圧力」は、ステントが周方向に拡張し始める圧力(ステント拡張開始圧)である。なお、「第2圧力よりも小さい」とは「第2圧力未満」を意味する。
第2圧力は、ステント200の形状や構造に基づいて決定される。第2圧力は、例えば、0.3MPa〜1MPaである。第1圧力は、第2圧力が0.4MPa〜0.5MPaである場合、例えば、0.1MPa〜0.3MPaに設定することができる。ただし、第1圧力は、第2圧力よりも小さい限り、特に限定されない。
作業者は、第2縮径工程(S3)においてバルーン150の内部の圧力を第2圧力よりも小さい第1圧力に設定することにより、第2縮径工程(S3)を実施している間、ステント200が拡張することを防止できる。
図8には、バルーン150の内部に圧力を印加しつつ、ステント200を縮径させる第2縮径工程(S3)の様子を示している。本実施形態に係る製造方法では、作業者は、ステント200の外径が目標外径に至るまで第2縮径工程(S3)を継続する。つまり、作業者は、ステント200の外径が目標外径に至るまでバルーン150の加圧を継続する。
図9には、第2縮径工程(S3)を実施している際の第1の隙間部g1付近に位置するバルーン150の膜材150aの様子を示している。
ステント200の第1の隙間部g1のステント200の周方向の長さL1は、第2の隙間部g2のステント200の周方向の長さL2と比較して短い(図2を参照)。そのため、図9に示すように、バルーン150の内部の圧力が第1圧力に加圧された際、第1の隙間部g1付近に位置するバルーン150の膜材150aは、第1の隙間部g1内に挟み込まれ難い。さらに、バルーン150の内部を加圧する第1圧力は、ステント拡張開始圧である第2圧力よりも小さく設定されている。それにより、第2縮径工程(S3)を実施している間、ステント200が拡張して第1の隙間部g1内にバルーン150の膜材150aが挟み込まれることを抑制できる。したがって、作業者は、ステント200の周方向の長さL1が短く形成された第1の隙間部g1付近に位置するバルーン150の膜材150aにピンホールが発生することを抑制できる。
図10には、第2縮径工程(S3)を実施している際の第2の隙間部g2付近に位置するバルーン150の膜材150aの様子を示している。
ステント200の第2の隙間部g2のステント200の周方向の長さL2は、第1の隙間部g1のステント200の周方向の長さL1と比較して長い(図2を参照)。そのため、図10に示すように、バルーン150の内部の圧力が第1圧力に加圧された際、第2の隙間部g2付近に位置するバルーン150の膜材150aの少なくとも一部が第2の隙間部g2内に容易に挟み込まれる。そして、バルーン150の内部への加圧は、ステント200の外径が目標外径に至るまで継続する。これにより、第2縮径工程(S3)を実施している間、第2の隙間部g2を形成する第3の線状要素211cと第4の線状要素211dとのバルーン150の膜材150aを介した接触を避けることができる。したがって、作業者は、ステント200の周方向の長さL2が長く形成された第2の隙間部g2付近に位置するバルーン150の膜材150aにピンホールが発生することを抑制できる。バルーン150の膜材150aにおいて第2の隙間部g2内に挟み込まれた部分は、バルーン150に対するステント200のクリンプが終了した後においても、第2の隙間部g2内で挟み込まれた状態を維持する。作業者は、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部を第2の隙間部g2内に挟み込ませることにより、バルーン150に対するステント200のリテンションを高めることができる。
上記のように本実施形態に係る製造方法によれば、ステントデリバリーシステム10は、バルーン150の膜材150aが第1の隙間部g1内に挟み込まれることを抑制する一方で、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部を第2の隙間部g2内に挟み込ませる。これにより、ステントデリバリーシステム10は、ピンホールの発生を抑制しつつ、ステント200のリテンションを高めることができる。
図11は、ステント200の外径が目標外径に至った際の様子を示している。目標外径は、例えば、0.4mm〜1.5mmに設定することができる。バルーン150の膜材150aの少なくとも一部は、第2縮径工程(S3)終了後において、ステント200の第2の隙間部g2内に挟み込まれた状態を維持する。
第2縮径工程(S3)においてバルーン150の内部を加圧する第1圧力は、ステント拡張開始圧である第2圧力よりも小さく設定されている。第1圧力を第2圧力よりも小さく設定することにより、第2縮径工程(S3)を実施している間にステント200が拡張することを抑制できる。そのため、ステントデリバリーシステム10は、第1圧力を第2圧力より大きく設定した場合と比較して、プロファイルを細径化することができる。
第2縮径工程(S3)においてバルーン150の内部を加圧する第1圧力は、ステント200の外径が目標外径に至るまで、一定に維持することができる。第1圧力を一定に維持することにより、第2縮径工程(S3)を実施している間、第1の隙間部g1内にバルーン150の膜材150aが挟み込まれることを抑制しつつ、第2の隙間部g2内にバルーン150の膜材150aの少なくとも一部が挟み込まれた状態を安定的に維持することができる。なお、第1圧力は、加圧工程を実施している間、第2圧力よりも小さい圧力となる範囲内で増減させてもよい。
作業者は、第2縮径工程(S3)を実施することにより、ステント200の外径が目標外径まで至った後、継続工程(S4)を開始する。
継続工程(S4)では、作業者は、ステント200に対する径方向外側からの圧力の印加と、ステント200に対する径方向内側からの圧力の印加を所定時間継続する。つまり、作業者は、ステント200の外径が目標外径に至った後、バルーン150の内部の加圧と、クリンプヘッド300からステント200に対する圧力の印加を即座に解除せずに、所定時間に亘ってバルーン150からステント200に対する圧力の印加及びクリンプヘッド300からステント200に対する圧力の印加を継続する。作業者は、継続工程(S5)を実施することにより、次のような効果を得ることができる。
ステント200の外径が目標外径まで至った直後にバルーン150からステント200に対する圧力の印加及びクリンプヘッド300からステント200に対する圧力の印加を解除すると、ステント200にスプリングバックが生じる。ステント200は、スプリングバックが生じると、拡径してしまう。作業者は、第2縮径工程(S3)に続いて、継続工程(S4)を実施することにより、バルーン150及びクリンプヘッド300からステント200に対する圧力の印加を解除した後に、ステント200に生じるスプリングバックの程度を減少させることができる。
継続工程(S4)では、例えば、バルーン150の内部を第1圧力で加圧することができる。クリンプヘッド300からステント200に対して印加する圧力は、例えば、30N〜500Nに設定することができる。また、継続工程(S4)は、例えば、15秒〜20秒の間、継続することができる。
次に、作業者は、解除工程(S5)を実施する。
解除工程(S5)では、作業者は、バルーン150からステント200に対する径方向内側からの圧力の印加と、クリンプヘッド300からステント200に対する径方向外側からの圧力の印加を解除する。具体的には、作業者は、バルーン150の内部の加圧を解除するとともに、クリンプヘッド300をステント200の径方向外側へ向けて広げる。図12には、解除工程(S5)の様子を示している。
以上の作業手順により、バルーンカテーテル100のバルーン150にステント200がクリンプされたステントデリバリーシステム10を製造することができる。
なお、本実施形態に係る製造方法では、第2縮径工程(S3)でステント200及びバルーン150に印加する圧力を調整することにより、ピンホールの発生の抑制、リテンションの向上、及びプロファイルの細径化を図っている。そのため、各製造工程を実施している間、バルーン150やステント200を加熱または冷却する必要がない。
以上のように、本実施形態は、ステント200と、ステント200が配置されたバルーン150を備えるバルーンカテーテル100と、を有するステントデリバリーシステム10の製造方法を提供する。当該製造方法は、折り畳まれたバルーン150をステント200の内腔230に配置する配置工程(S1)と、ステント200の径方向外側からステント200に対して圧力を印加して、ステント200を縮径する第1縮径工程(S2)と、バルーン150の内部を第1圧力に加圧して、ステント200の径方向内側からステント200に対して圧力を印加しつつステント200を縮径する第2縮径工程(S3)と、を有している。第2縮径工程(S3)における第1圧力は、ステント200が拡張を開始する第2圧力よりも小さい。
上記のステントデリバリーシステム10の製造方法では、第2縮径工程(S3)を実施している間、バルーンの内部への加圧を継続することにより、バルーン150の少なくとも一部をステント200の第2の隙間部g2(第3の線状要素211cと第4の線状要素211dとの間)に挟み込むことができる。それにより、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法は、ステント200のリテンションを向上させることができる。また、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法では、ステント200の外径が目標外径に至るまで、バルーン150の内部は、ステント200が拡張を開始する第2圧力よりも小さな第1圧力に維持される。そのため、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法は、第2縮径工程(S3)を実施している間、ステント200の第1の隙間部g1(第1の線状要素211aと第2の線状要素211bとの間)にバルーン150が挟み込まれ、バルーン150の一部に応力が集中することを避けることができる。それにより、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法は、バルーン150にピンホールが発生することを抑制できる。さらに、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法は、第1圧力を第2圧力よりも小さく設定することにより、第2縮径工程(S3)を実施している間にステント200が拡張することを抑制できる。そのため、上記のステントデリバリーシステム10の製造方法は、第1圧力を第2圧力より大きく設定した場合と比較して、プロファイルを細径化することができる。
また、ステント200は、第1の隙間部g1と、第1の隙間部g1とはステント200の周方向の異なる位置に形成され第1の隙間部g1よりもステント200の周方向に沿う長さが長い第2の隙間部g2と、を備える。本実施形態に係る製造方法では、第2縮径工程(S3)において、第1の隙間部g1内にバルーン150を構成する膜材150aが挟み込まれるのを抑制しつつ、第2の隙間部g2内にバルーン150の膜材150aの少なくとも一部を挟み込む。そのため、バルーン150の膜材150aが第1の隙間部g1内に挟み込まれることを要因とするピンホールの発生を抑制できる。また、バルーン150の膜材150aの少なくとも一部が第2の隙間部g2内に挟み込まれることにより、バルーン150に対するステント200のリテンションを向上させることができる。
また、上記の製造方法では、ステント200が目標外径に至るまで、第1圧力は一定に維持される。そのため、第2縮径工程(S3)を実施している間、第1の隙間部g1内にバルーン150の膜材150aが挟み込まれるのを抑制しつつ、第2の隙間部g2内にバルーン150の膜材150aを挟み込んだ状態を安定的に維持することができる。
また、上記の製造方法は、ステント200が目標外径に至った後、ステント200に対する径方向外側からの圧力の印加と、ステント200に対する径方向内側からの圧力の印加を所定時間継続する継続工程(S4)を有する。そのため、作業者は、第2縮径工程(S3)を終えた後、ステント200に対する圧力の印加が解除された際に、ステント200にスプリングバックが生じてステント200が拡径することを抑制できる。
また、ステント200は、薬剤コート層220が設けられた薬剤溶出型ステントである。本実施形態に係る製造方法では、第2縮径工程(S3)でステント200及びバルーン150に印加する圧力を調整することにより、ピンホールの発生の抑制、リテンションの向上、及びプロファイルの細径化を図っている。そのため、各製造工程を実施している間、バルーン150やステント200を加熱または冷却する必要がない。したがって、製造作業を開始する前にステント200の外表面に設けた薬剤コート層220は、製造作業の各工程を通じて温度変化の影響を受けない。そのため、ステント200に設けた薬剤コート層220は、薬剤コート層220に含まれる薬剤の薬効を適切に維持することができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明する。実施例の説明では、前述した実施形態で示した一部の図面を部材番号とともに引用して説明する。ただし、本発明は、各図面に表された内容及び以下に説明する実施例の内容のみに限定されることはない。
表1、表2には、実施例に係る製造方法で採用した各条件及び試験結果を示している。また、表1、表2には、実施例の実施結果との比較検討に用いる参考例1〜6に係る製造方法で採用した各条件及び試験結果も示している。
表1、表2中に示す各条件は以下の通りである。
1.「加圧開始径」は、第2縮径工程(S3)を開始した際のステント200の外径である。
2.「目標外径までの加圧の有無」は、第2縮径工程(S3)を終えるまで、つまり、ステント200が目標外径に至るまで第2縮径工程(S3)を継続したか否かを示している。
3.「目標外径」は、第2縮径工程(S3)後のステント200の外径の目標値である。
4.「加圧圧力」は、第2縮径工程(S3)でバルーン150の内部を加圧する圧力(第1圧力)である。なお、実施例及び各参考例で使用したステント200の第2圧力(ステント拡張開始圧)は、0.5MPaである。
5.「リテンション」は、バルーン150にクリンプされた状態のステント200の保持力である。リテンションの計測値は、バルーン150に対してステント200を軸方向に引っ張った場合、ステント200がバルーン150から脱落したときの引っ張り力(ASTM F2394−07(Reapprpved 2017)に記載のInitial peak displacement force)である。表2に記載の各条件におけるリテンションの計測値は、複数のサンプルについて計測した各計測値の全体の平均値である。
6.「ピンホールの有無」は、ステント200の外径が目標外径に至った際に、バルーン150にピンホールが発生しているか否かである。
7.「プロファイル」は、バルーン150にクリンプされた状態のステント200のステント外径である。プロファイルは、ステント200の先端の外径、ステント200の軸方向の略中心位置の外径、及びステント200の基端の外径を測定して得られた各数値の平均値である。表2に記載の各条件におけるプロファイルの計測値は、複数のサンプルについて計測した各計測値の全体の平均値である。
表1、2に示すように、実施例に係る製造方法では、(i)ステント200が目標外径に至るまで第2縮径工程(S3)を実施し、かつ、(ii)第2縮径工程(S3)時のバルーン150の内部の圧力を第2圧力(0.5MPa)未満とした。実施例に係る製造方法は、各参考例と比較して、ステント200の目標外径が最も小さいにもかかわらず、バルーン150にピンホールが生じなかった。また、実施例に係る製造方法で製造されたステントデリバリーシステム10は、各参考例と比較して、ステント200のリテンションが最も大きかった。さらに、実施例に係る製造方法で製造されたステントデリバリーシステム10は、各参考例と比較して、プロファイルが最も小さかった。以上のように、実施例に係る製造方法は、ピンホールの発生の抑制、リテンションの向上、及びプロファイルの細径化が図られたステントデリバリーシステム10の製造が可能であることを確認できた。なお、参考例1、2を比較すると、目標外径を小さくした参考例2では、プロファイルは小さくすることができたが、バルーンへのピンホールの発生率が高くなった。参考例3、4を比較すると、加圧圧力(第1圧力)を低くしてステント拡張圧(第2圧力)未満とした参考例4では、プロファイルは小さくすることができたがステントのリテンションは低下した。参考例5、6を比較すると、目標外径まで第1圧力での加圧を継続した参考例6では、プロファイルが小さくステントのリテンションも向上した。
実施形態及び実施例を通じて本発明に係るステントデリバリーシステムの製造方法を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
本発明に係るステントデリバリーシステムの製造方法は、配置工程(S1)と、第1縮径工程(S2)と、第2縮径工程(S3)と、を少なくとも有し、第2縮径工程(S3)が、ステントが目標外径に至るまで継続される内容を含む限り、適宜変更することができる。明細書内において説明した付加的な工程や作業等は適宜省略することが可能であるし、明細書内において説明のなかった付加的な工程や作業等は適宜追加することが可能である。例えば、配置工程(S1)を開始する前や解除工程(S5)を終了した後に、バルーンへのステントのクリンプ作業を容易にするための作業や表面処理等の工程を実施してもよい。
また、本発明に係るステントデリバリーシステムの製造方法により製造されるステントデリバリーシステムの各部の構造、形状、材質等は、明細書内において説明した内容に限定されることはない。
10 ステントデリバリーシステム、
100 バルーンカテーテル、
110 シャフト、
120 内管、
130 外管、
150 バルーン、
150a 膜材、
151 バルーンの胴部、
200 ステント、
211 環状部、
211a 第1の線状要素(線状要素)、
211b 第2の線状要素(線状要素)、
211c 第3の線状要素(線状要素)、
211d 第4の線状要素(線状要素)、
212 リンク部、
220 薬剤コート層、
230 ステントの内腔、
300 クリンプヘッド、
O シャフトの軸心、
g 隙間部、
g1 第1の隙間部、
g2 第2の隙間部。

Claims (5)

  1. ステントと、前記ステントが配置されたバルーンを備えるバルーンカテーテルと、を有するステントデリバリーシステムの製造方法であって、
    折り畳まれた前記バルーンを前記ステントの内腔に配置する配置工程と、
    前記ステントの径方向外側から前記ステントに対して圧力を印加して、前記ステントを縮径する第1縮径工程と、
    前記バルーンの内部を第1圧力に加圧して、前記ステントの径方向内側から前記ステントに対して圧力を印加しつつ前記ステントを目標外径に至るまで縮径する第2縮径工程と、を有し、
    前記第1圧力は、前記ステントが拡張を開始する第2圧力よりも小さい、ステントデリバリーシステムの製造方法。
  2. 前記ステントは、第1の隙間部と、前記第1の隙間部とは前記ステントの周方向の異なる位置に形成され、前記第1の隙間部よりも前記ステントの周方向に沿う長さが長い第2の隙間部と、を備え、
    前記第2縮径工程は、前記第1の隙間部内に前記バルーンを構成する膜材が挟み込まれるのを抑制しつつ、前記第2の隙間部内に前記膜材の少なくとも一部を挟み込む、請求項1に記載のステントデリバリーシステムの製造方法。
  3. 前記ステントが前記目標外径に至るまで、前記第1圧力を一定に維持する、請求項1または請求項2に記載のステントデリバリーシステムの製造方法。
  4. 前記ステントが前記目標外径に至った後、前記ステントに対する前記径方向外側からの圧力の印加と、前記ステントに対する前記径方向内側からの圧力の印加を所定時間継続する継続工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステントデリバリーシステムの製造方法。
  5. 前記ステントは、薬剤コート層が設けられた薬剤溶出型ステントである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステントデリバリーシステムの製造方法。
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