JP2020162600A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なビールテイスト飲料(例えば、強いボディ感(濃い味わい)を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが低減されたビールテイスト飲料)が求められている。【解決手段】麦芽比率が50質量%以上100質量%以下であり、下記式(I)から算出されるΔEが0.09以下である、ビールテイスト飲料。・式(I):ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5(上記式中、Ehは、前記ビールテイスト飲料、リン酸緩衝液、及びヨード液を含むEh測定用試料の吸光度であり、Ejは、リン酸緩衝液及びヨード液を含むEj測定用試料の吸光度であり、Ezは、前記ビールテイスト飲料及びリン酸緩衝液を含むEz測定用試料の吸光度である。なお、吸光度は、各試料を4cmのキュベットに入れて578nmにて測定した値である。)【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
従来から、最近の消費者の多様化した好みに応じて、様々なビールテイスト飲料が検討され、提供されている。
例えば、特許文献1には、ビールらしい苦味と後キレを有するビールテイスト飲料の提供を目的として、0.3〜5ppmのクワシンおよび/または0.5〜5ppmのキニーネを含んでなるビールテイスト飲料が記載されている。
特開2017−6077号公報
このような状況において、新規なビールテイスト飲料(例えば、強いボディ感(濃い味わい)を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが低減されたビールテイスト飲料)が求められている。
本発明は、麦芽比率及び下記式から算出されるΔEを所定値以下に調製したビールテイスト飲料を提供する。
すなわち、本発明には、以下の態様の発明が含まれる。
[1]麦芽比率が50質量%以上100質量%以下であり、
下記式(I)から算出されるΔEが0.09以下である、ビールテイスト飲料。
・式(I):ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5
(上記式中、Ehは、前記ビールテイスト飲料、リン酸緩衝液、及びヨード液を含むEh測定用試料の吸光度であり、Ejは、リン酸緩衝液及びヨード液を含むEj測定用試料の吸光度であり、Ezは、前記ビールテイスト飲料及びリン酸緩衝液を含むEz測定用試料の吸光度である。なお、吸光度は、各試料を4cmのキュベットに入れて578nmにて測定した値である。)
[2]前記ビールテイスト飲料が、ビールである、上記[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]原麦汁エキス濃度が、6.0質量%以上である、上記[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]アルコール度数が4.5(v/v)%以上である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[5]総ポリフェノールの含有量が、前記ビールテイスト飲料の全量基準で、60質量ppm以上である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[6]上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
下記工程(1)〜(2)を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
・工程(1):水及び麦芽を含む混合物を糖化処理して発酵原料液を調製する工程。
・工程(2):前記発酵原料液に酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程。
[7]穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有しない、上記[6]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
本発明の好適な一態様のビールテイスト飲料は、強いボディ感を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが抑制された飲料となり得る。
1.ビールテイスト飲料
本発明のビールテイスト飲料は、麦芽比率が50質量%以上100質量%以下であり、式(I)から算出されるΔEが0.09以下との要件を満たす飲料である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有又はノンアルコールの炭酸飲料をいう。そのため、「ビールテイスト飲料」には、麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料であるビールだけでなく、エステルや高級アルコール等を含むビール香料が添加され、ビール風味を有する炭酸飲料をも包含する。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
さらに、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール度数が1(v/v)%以上のアルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1(v/v)%未満のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。
なお、上記のノンアルコールビールテイスト飲料は、発酵工程を経た後、当該発酵工程で生じたアルコールを除去して製造されたノンアルコール発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ずにビール様の風味をもつように調製したノンアルコール非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
これらの中でも、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、発酵ビールテイスト飲料であることが好ましく、アルコール含有発酵ビールテイスト飲料であることがより好ましく、ビールであることが更に好ましい。
上記のとおり、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、50質量%以上100質量%以下であるが、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってもよく、また、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%未満であってもよい。
つまり、本発明のビールテイスト飲料の麦芽比率は、例えば、55質量%以上100質量%以下、60質量%以上100質量%以下、65質量%以上100質量%以下、又は70質量%以上100質量%以下であってもよく、また、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上70質量%未満であってもよい。
本明細書において、「麦芽比率」とは、平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
上記のように、麦芽比率が50質量%以上の高麦芽比率のビールテイスト飲料は、濃厚な味わいがし、強いボディ感を有する飲料であるが、それと同時に、重たさや雑味残りが際立ち、飲みにくい飲料となり易い。
そこで、強いボディ感を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが抑制された飲料とすべく、本発明のビールテイスト飲料では、下記式(I)から算出されるΔEが0.09以下となるように調整している。
・式(I):ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5
上記式中、Ehは、前記ビールテイスト飲料、リン酸緩衝液、及びヨード液を含むEh測定用試料の吸光度であり、Ejは、リン酸緩衝液及びヨード液を含むEj測定用試料の吸光度であり、Ezは、前記ビールテイスト飲料及びリン酸緩衝液を含むEz測定用試料の吸光度である。なお、吸光度は、各試料を4cmのキュベットに入れて578nmにて測定した値である。
より具体的には、Ehは、下記操作(i)〜(viii)を経て調製されたEh測定用試料の578nmでの吸光度であり、Ejは、リン酸緩衝液4.0mLに、0.02Nヨード液200μLを加えて調製したEj測定用試料の578nmでの吸光度であり、Ezは、下記操作(vii)で調製したEz測定用試料の578nmでの吸光度である。
・操作(i):前記ビールテイスト飲料を脱気する。
・操作(ii):遠心管にエタノール20mLを分注し、操作(i)後の溶液5mLを加え、振とう機にて10分間振とうさせる。
・操作(iii):操作(ii)後の溶液に対し、遠心分離装置を用いて、20℃にて、2500rpm、5分間の遠心分離処理を行う。
・操作(iv):操作(iii)後の溶液の液層を除去し、沈殿物を得る。
・操作(v):操作(iv)後の前記沈殿物にリン酸緩衝液10mLを加えて、振とう機にて10分間振とうさせる。
・操作(vi):操作(v)後の溶液に対し、遠心分離装置を用いて、20℃にて、2500rpmで、5分間の遠心分離処理を行う。
・操作(vii):操作(vi)後の遠心上澄み液0.8mLに、リン酸緩衝液3.2mLを加えて、前記Ez測定用試料を調製する。
・操作(viii):操作(vii)後の前記Ez測定用試料に対し、0.02Nヨード液200μLを加えて、前記Eh測定用試料を調製する。
上記式(I)から算出されるΔEは、ビールテイスト飲料中に存在する未分解のデンプンやデキストリンの量を示す指標となる。つまり、ΔEが小さいほど、未分解のデンプンやデキストリンが少ない飲料であるといえる。
デンプンやデキストリンは、ヨード液(1−ビニル−2−ピロリドンの重合物(ポリビニルピロリドン)とヨウ素の複合体であるポビドンヨードを含む溶液)に含まれるヨウ素と反応して青色に変色する。Eh測定用試料中に存在するビールテイスト飲料に由来のデンプンやデキストリンの量が多いほど、当該Eh測定用試料は青色に変色するため、上記式(I)中の吸光度Ehは大きい値となる。つまり、吸光度Ehの値と、ヨード液を含むEj測定用試料の吸光度Ejの値及びヨード液を加える前のEz測定用試料の吸光度Ezの値との値の差であるΔEは、デンプンやデキストリンとヨウ素との反応に伴う変色に起因した値であるといえる。なお、式(I)中の「0.952」は、Eh測定用試料及びEj測定用試料と、Ez測定用試料との容量差を考慮した因子である。また、式(I)中の「×5」は、遠心上澄み液0.8mLにリン酸緩衝液を3.2mL加えて「5倍」に希釈したことを考慮した因子である。
なお、上記操作(i)〜(viii)は、後述の実施例の記載や、MEBAK Wort Beer Beer-based Beverages (Published by the Chairman Dr. Fritz Jacob, 2013)の53〜55頁の記載や、この文献に記載された参考文献の記載を適宜参照して、各操作を行ってもよい。
本発明者は、麦芽比率が50質量%以上のビールテイスト飲料において、重たさや雑味残りを強く感じてしまう要因が、飲料中に存在する未分解のデンプンやデキストリンであると推測した。そして、その推測に基づき、麦芽比率が50質量%以上のビールテイスト飲料において、ΔEの値を0.09以下に調整して未分解のデンプンやデキストリンを低減した飲料とすることで、強いボディ感を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが抑制された飲料となり得るとの知見を得た。つまり、本発明のビールテイスト飲料は、当該知見に基づき、完成させた飲料である。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、上記式(I)から算出されるΔEは、0.09以下であるが、重たさや雑味残りがより抑制された飲料とする観点から、0.08以下、0.07以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下、0.03以下、又は0.02以下としてもよい。
また、強いボディ感をより有する飲料とする観点から、上記式(I)から算出されるΔEは、0.001以上、0.005以上、0.01以上、0.015以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、又は0.05以上としてもよい。
なお、上記式(I)から算出されるΔEの範囲は、上述の上限値及び下限値のそれぞれの選択肢の中から適宜選択して、任意の組み合わせで規定することができる。
なお、上記式(I)から算出されるΔEは、原料である麦芽の前処理の有無及び当該前処理の種類、糖化液を調製する際の設定温度及び保持時間、使用する酵素の種類、添加量及び添加のタイミング、並びに、発酵温度や発酵時間等の発酵条件を適宜設定することで、所望のΔEに調整することができる。
また、上記式(I)から算出されるΔEを所望の値とするために、発酵前の麦汁等の製造途中の半製品のΔEを測定して、その値に応じて、次工程以降の各種条件を適宜設定してもよい。
なお、発酵前の麦汁等の製造途中の半製品のΔEを測定する際には、上記操作(i)において、溶液の脱気後に、遠心分離装置を用いて、0℃にて、7000rpm、30分間の遠心分離処理を行った上で、操作(ii)以降の操作を行うことが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、原麦汁エキス(O−Ex)濃度は、飲料に軽快な飲み口を付与し、飲みやすさをより良好とする観点から、好ましくは6.0〜20.0質量%、より好ましくは7.0〜18.0質量%、更に好ましくは8.0〜16.0質量%、より更に好ましくは9.0〜15.0質量%、特に好ましくは9.5〜13.5質量%である。
なお、本明細書における「原麦汁エキス濃度」は、アルコール度数が1(v/v)%以上であるアルコール含有飲料においては、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15℃の時において原容量100cm中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。また、アルコール度数が1(v/v)%未満のノンアルコール飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める分析法(BOCJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2013年増補改訂版))に従い測定したエキス値(質量%)をいう。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、総ポリフェノールの含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、良質な味わいを有し、よりビールらしいビールテイスト飲料とする観点から、好ましくは60質量ppm以上、より好ましくは70質量ppm以上、更に好ましくは80質量ppm以上、より更に好ましくは90質量ppm以上であり、また、飲料の混濁安定性を良好とし、飲み口が軽く、飲みやすい飲料とする観点から、好ましくは200質量ppm以下、より好ましくは170質量ppm以下、更に好ましくは150質量ppm以下、より更に好ましくは130質量ppm以下である。
本明細書において、「総ポリフェノールの含有量」とは、ビールテイスト飲料の全量(100質量%)に含まれるポリフェノールの総量を意味する。
ポリフェノールとは、芳香族炭化水素の2個以上の水素がヒドロキシル基で置換された化合物を意味し、具体的には、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニン等が挙げられる。
なお、本明細書において、総ポリフェノールの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
総ポリフェノールの含有量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)等のポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。
一般的に、ハスク(穀皮)がある麦芽等は、ポリフェノールの含有量が多く、大豆、酵母エキス、小麦、小麦麦芽等はポリフェノールの含有量が少ない。このような原材料を適宜選択し、使用量を調整することで、ポリフェノールの含有量を所望の範囲に調整することは可能である。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、上述のとおり、アルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、ノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。
アルコール含有ビールテイスト飲料である場合における、本発明の一態様のビールテイスト飲料のアルコール度数としては、爽快な刺激を感じることができる飲料とする観点から、好ましくは4.5(v/v)%以上、より好ましくは4.7(v/v)%以上、更に好ましくは5.1(v/v)%以上、より更に好ましくは5.4(v/v)%以上、特に好ましくは5.7(v/v)%以上である。
また、飲みやすいビールテイスト飲料とする観点から、アルコール度数は、好ましくは20.0(v/v)%以下、より好ましくは15.0(v/v)%以下、更に好ましくは10.0(v/v)%以下である。
なお、本明細書において、アルコール度数は、体積/体積基準の百分率((v/v)%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料において、アルコール度数を調製するために、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを含有し、調整することも考えられる。
ここで、スピリッツとは、麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽又は必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類を意味する。
ただし、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、良質な味わいを有し、ビールらしいビールテイスト飲料とする観点から、スピリッツを含有しないことが好ましい。
また、上記と同様の観点から、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、ビールであることが好ましい。
本明細書において、「ビール」とは、麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる飲料をいい、具体的には、平成30年4月1日が施工日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達で定義されたものを意味する。
つまり、本発明の一態様のビールテイスト飲料がビールである場合、上述のアルコール度数は、酵母を用いた発酵工程によって調整されている。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、又は、無色透明であってもよく、あるいは着色料などを添加して、所望の色を付けてもよい。ビールテイスト飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくは2.0〜4.5、より好ましくは2.5〜4.2、更に好ましくは3.0〜4.0である。ビールテイスト飲料のpHが4.5以下であれば、微生物の発生を抑制でき、pHが2.0以上であれば飲料の香味が向上し易い。
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、飲料が容器に詰められた態様であればよく、容器の例としては、例えば、ビン、ペットボトル、缶、又は樽が挙げられるが、特に持ち運びが容易であるとの観点から、缶、ビン、ペットボトルが好ましい。
2.1 原材料
本発明の一態様のビールテイスト飲料の主な原材料は、水及び麦芽であるが、ホップを用いることが好ましく、その他に、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料等を用いてもよい。
麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。
本発明の一態様においては、大麦麦芽を用いることが好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
また、麦芽と共に、麦芽以外の穀物を用いてもよい。
そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、及びそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。
本発明の一態様で用いるホップの形態としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス等が挙げられる。また、用いるホップは、イソ化ホップ、還元ホップ等のホップ加工品を用いてもよい。
ホップの添加量としては、適宜調製されるが、飲料全量に対して、好ましくは0.0001〜1質量%である。
また、原材料としてホップを用いたビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分であるイソα酸を含有した飲料となる。ホップを用いたビールテイスト飲料のイソα酸の含有量としては、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、0.1質量ppm超であってもよく、1.0質量ppm超であってもよい。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸又は酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、及び酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース及びこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース等が挙げられる。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリン又はポリデキストロースが好ましい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、苦味は、ホップ等によって付与することが好ましいが、さらに、苦味料又は苦味付与剤を用いてもよい。
苦味料又は苦味付与剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に苦味付与剤として用いられるものが使用でき、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、クワシン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びカテキン等が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、一般的なビール香料を用いることができる。ビール香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、発酵により発生する醸造成分等が含まれる。
なお、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、発酵工程にて、アルコール発酵により生じる酢酸エチルを含むものであるが、当該酢酸エチルは、香料としての機能を有する。そのため、ビールテイスト飲料は、発酵工程を経るためビール香料を別途添加する必要は特段無いが、所望に応じて、ビール香料を添加してもよい。
酢酸エチル以外のビール香料としては、エステルや高級アルコール等が挙げられ、具体的には、酢酸イソアミル、n−プロパノール、イソブタノール、及びアセトアルデヒド等が挙げられる。
酸味料としては、酸味を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン又はそれらの塩が挙げられる。
これらの酸味料の中でも、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸又はそれらの塩が好ましく、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸又はそれらの塩がより好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2.2 炭酸ガス
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加等で溶解させてもよい。
なお、ビールテイスト飲料の発酵工程にて生じた炭酸ガスをそのまま用いることができるが、適宜炭酸水を加えて、炭酸ガスの量を調製してもよい。
本発明の一態様のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスの量は、飲料の炭酸ガス圧によって表されるが、これは、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。典型的には、飲料の炭酸ガス圧の上限は5.0kg/cm、4.5kg/cm、又は4.0kg/cmであり、下限は0.20kg/cm、0.50kg/cm、又は1.0kg/cmであり、これらの上限及び下限のいずれを組み合わせてもよい。例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.50kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
2.3 その他の添加物
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、及びペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。
発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
2.4 ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法としては、水および麦芽を含む原料に、酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程を有する方法であればよく、具体的には、下記工程(1)〜(2)を有する方法が挙げられる。
・工程(1):水及び麦芽を含む混合物を糖化処理して発酵原料液を調製する工程。
・工程(2):前記発酵原料液に酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程。
なお、本発明の一態様においては、良質な味わいを有し、ビールらしい飲料を製造する観点から、穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有しないことが好ましい。
なお、工程(1)及び(2)において、上記式(I)から算出されるΔEが上述の範囲となるように、各種処理条件を適宜設定することが好ましい。ΔEは、原料である麦芽の前処理の有無及び当該前処理の種類、糖化液を調製する際の設定温度及び保持時間、使用する酵素の種類、添加量及び添加のタイミング、並びに、発酵温度や発酵時間等の発酵条件等を適宜設定することで調整することができる。
また、工程(1)の終了後の発酵原料液について、上記操作(i)〜(viii)に基づき各試料を調製し吸光度を測定して、ΔEを算出してもよい。そして、発酵原料液のΔEの値から、工程(2)の条件を適宜設定することもできる。
なお、発酵原料液のΔEの算出に際しては、上記操作(i)において、溶液の脱気後に、遠心分離装置を用いて、0℃にて、7000rpm、30分間の遠心分離処理を行った上で、操作(ii)以降の操作を行うことが好ましい。
<工程(1)>
工程(1)は、水及び麦芽を含む混合物を糖化処理して発酵原料液を調製する工程である。
前記混合物は、麦芽比率が50質量%以上100質量%以下となるように調整される。
発酵原料液の調製方法としては、水及び麦芽等の原材料を仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼ等の酵素を添加して混合物を調製した後、糖化処理して得る方法が挙げられる。その後、得られた発酵原料液は、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク等の固形分を取り除くことが好ましい。
また、糖化処理を供する混合物には、水及び麦芽以外に、ホップ、食物繊維、甘味料、酸化防止剤、苦味付与剤、香料、酸味料、色素等を加えてもよい。
これらは、糖化処理を行う前に加えてもよく、糖化処理の途中で加えてもよく、糖化処理の終了後に加えてもよい。また、これらは、次工程のアルコール発酵後に加えてもよい。
本工程において、原材料を加えた前記混合物は、加温し、原材料の澱粉質を糖化させる。
糖化処理の温度及び時間は、使用する麦芽の種類や、麦芽比率、水及び麦芽以外の原材料、使用する酵素の種類や量等によって適宜調整する。例えば、本発明の一態様において、上記式(I)から算出されるΔEの値及びアルコール度数を上述の範囲に調整する観点から、糖化処理の温度は40〜85℃であり、糖化処理の時間は30〜240分であることが好ましい。また、上記観点から、40〜55℃の低温領域、55〜70℃の中温領域、及び70〜85℃に高温領域に分けて、それぞれの温度領域にて一定時間保持しながら、低温領域から中温領域、そして高温領域へと徐々に昇温することが好ましい。各温度領域での保持時間としては、好ましくは1〜60分間、より好ましくは5〜50分間である。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で糖化処理して得られた発酵原料液に、酵母を添加し、アルコール発酵を行う工程である。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、上面発酵酵母を用いてもよく、下面発酵酵母を用いてもよい。
酵母は、酵母懸濁液のまま原料液に添加してもよいし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを原液に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加してもよい。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×10cells/ml〜1×10cells/ml程度である。
アルコール発酵を行う際の発酵条件は、適宜設定することができるが、上記式(I)から算出されるΔEの値及びアルコール度数を上述の範囲に調整する観点から、発酵温度が5〜25℃であることが好ましい。また、上記式(I)から算出されるΔEの値及びアルコール度数は、トランスグルコシダーゼ等の多糖分解酵素について種類、添加量及び添加のタイミングを適宜設定して調整することができ、また、必要に応じて、発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温又は降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
アルコール発酵後は、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
このようにして得られたビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、ビールテイスト飲料は容器に充填・密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、上述のとおりである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
また、各飲料のΔEは、下記式(I)から算出した。
・式(I):ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5
そして、上記式中のEh、Ej及びEzの測定方法は以下のとおりである。
<Ehの測定方法>
各飲料について、MEBAK Wort Beer Beer-based Beverages (Published by the Chairman Dr. Fritz Jacob, 2013)の53〜55頁の記載の方法を参照し、下記操作(i)〜(viii)を経て、各試料を調製した。
・操作(i):各飲料を脱気する。
・操作(ii):遠心管にエタノール20mLを分注し、操作(i)後の溶液5mLを加え、振とう機にて10分間振とうさせる。
・操作(iii):操作(ii)後の溶液に対し、遠心分離装置(日立工機株式会社製、製品名「CR22G」)を用いて、20℃にて、2500rpm、5分間の遠心分離処理を行う。
・操作(iv):操作(iii)後の溶液の液層を除去し、沈殿物を得る。
・操作(v):操作(iv)後の沈殿物にリン酸緩衝液10mLを加えて、上記の振とう機にて10分間振とうさせる。
・操作(vi):操作(v)後の溶液に対し、上記の遠心分離装置を用いて、20℃にて、2500rpmで5分間の遠心分離処理を行う。
・操作(vii):操作(vi)後の遠心上澄み液0.8mLに、リン酸緩衝液3.2mLを加えて、Ez測定用試料を調製する。
・操作(viii):操作(vii)後のEz測定用試料に対し、0.02Nヨード液200μLを加えて、Eh測定用試料を調製する。
そして、上記操作(i)〜(viii)を経て調製されたEh測定用試料を、4cmのキュベットに入れ、分光光度計(株式会社島津製作所製、製品名「UV−2600」)用いて、当該Eh測定用試料の578nmでの吸光度を測定した。そして、その測定値を上記式(I)のEhとした。
<Ejの測定方法>
リン酸緩衝液4.0mLに、0.02Nヨード液200μLを加えて調製したEj測定用試料を、4cmのキュベットに入れ、上記の分光光度計を用いて、当該Ej測定用試料の578nmでの吸光度で測定した。そして、その測定値を上記式(I)中のEjとした。
<Ezの測定方法>
上記操作(vii)で調製したEz測定用試料を、4cmのキュベットに入れ、上記の分光光度計を用いて、当該Ez測定用試料の578nmでの吸光度を測定した。そして、その測定値を上記式(I)中のEzとした。
実施例1〜4、比較例1〜3
<飲料の調製>
粉砕した大麦麦芽及び多糖分解酵素を、52℃で保持された温水40Lが入った仕込槽に投入した後、40〜55℃の低温領域、55〜70℃の中温領域、及び70〜85℃に高温領域のそれぞれの温度領域で所定時間(1分間〜60分間の範囲)保持しながら、段階的に昇温して、糖化液を調製した。例えば、実施例1では、52℃で30分保持し、続いて65℃で40分間保持し、さらに76℃で5分間保持して、段階的に昇温した。その後、濾過して麦芽粕を除去し、麦汁を得た。得られた麦汁に、表1に示す麦芽比率となるようにショ糖を添加し、さらにホップを添加して煮沸を行った。煮沸後の麦汁を固液分離処理し、得られた清澄な麦汁を冷却し、酵母を添加して、発酵温度及び発酵時間、トランスグルコシダーゼ等の多糖分解酵素の添加量や添加のタイミングを調整して発酵液を調製し、当該発酵液を濾過して、ビールである試験用飲料をそれぞれ調製した。
なお、各実施例及び比較例においては、酵素の種類、添加量及び添加のタイミング、糖化液を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵温度や発酵時間等の発酵条件等を適宜設定し、表1に示す総ポリフェノール量及びアルコール度数となるようにそれぞれ調整した。また、大麦麦芽の前処理の有無及び前処理の種類、糖化液を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、酵素の種類、添加量及び添加のタイミング、並びに、発酵温度や発酵時間等の発酵条件を適宜設定し、表1に示すΔEとなるようにそれぞれ調整した。
<官能評価>
得られた飲料について、日頃から訓練を受けた5人のパネラーが、各飲料の「味の落差の有無」、「飲んだ後の爽快さ」及び「総合評価」について、下記のスコア基準に基づき、5(最大値)〜1(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアにて評価し、5人のパネラーのスコアの平均値を算出した。結果を表1に示す。
なお、評価に際しては、下記基準「5」、「4」、「3」、「2」及び「1」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。また、表1のいずれの官能評価においても、同じ飲料に対して、各パネラー間での2.0以上のスコアの値の差異は確認されなかった。
[ボディ感の有無のスコア基準]
・「5」:非常に濃厚な味わいが感じられ、非常に良好なボディ感を有する。
・「4」:良好な濃厚な味わいが感じられ、良好なボディ感を有する。
・「3」:十分に濃厚な味わいが感じられ、十分なボディ感を有する。
・「2」:味わいに対してやや物足りなさが感じられ、ボディ感がやや劣る。
・「1」:味わいに対して物足りなさが強く、ボディ感が劣る。
[重たさや雑味残りの抑制性のスコア基準]
・「5」:重たさや雑味残りが全く感じられず、これらの抑制効果が非常に高い。
・「4」:重たさや雑味残りがほとんど感じられず、これらの抑制効果が高い。
・「3」:重たさや雑味残りが若干感じられるものの、これらの抑制効果は十分である。
・「2」:重たさや雑味残りがある程度感じられ、これらの抑制効果が不十分である。
・「1」:重たさや雑味残りが強く、これらはほとんど抑制されていない。
表1より、実施例1〜4で調製したビールは、強いボディ感(濃い味わい)を有するにも関わらず、重たさや雑味残りが十分に抑制されたと感じられる結果となった。一方で、比較例1〜3で調製した飲料は、強いボディ感を有するものの、重たさや雑味が感じられ、飲みにくい飲料であった。

Claims (7)

  1. 麦芽比率が50質量%以上100質量%以下であり、
    下記式(I)から算出されるΔEが0.09以下である、ビールテイスト飲料。
    ・式(I):ΔE=(Eh−Ej−0.952×Ez)×5
    (上記式中、Ehは、前記ビールテイスト飲料、リン酸緩衝液、及びヨード液を含むEh測定用試料の吸光度であり、Ejは、リン酸緩衝液及びヨード液を含むEj測定用試料の吸光度であり、Ezは、前記ビールテイスト飲料及びリン酸緩衝液を含むEz測定用試料の吸光度である。なお、吸光度は、各試料を4cmのキュベットに入れて578nmにて測定した値である。)
  2. 前記ビールテイスト飲料が、ビールである、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 原麦汁エキス濃度が、6.0質量%以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
  4. アルコール度数が4.5(v/v)%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  5. 総ポリフェノールの含有量が、前記ビールテイスト飲料の全量基準で、60質量ppm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料を製造する方法であって、
    下記工程(1)〜(2)を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
    ・工程(1):水及び麦芽を含む混合物を糖化処理して発酵原料液を調製する工程。
    ・工程(2):前記発酵原料液に酵母を添加して、アルコール発酵を行う工程。
  7. 穀物に由来するスピリッツを添加する工程を有しない、請求項6に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
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