JP2020161716A - 光電変換装置、光電変換システム、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、要求される信号読み出し精度を維持しながら、電荷を転送する期間を低減できる光電変換装置を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明に係る光電変換装置の1つの側面は、第1半導体領域と、第2半導体領域と、信号電荷をアバランシェ増倍する第3半導体領域と、を備え、第2半導体領域と第3半導体領域とには信号電荷をアバランシェ増倍するための逆バイアス電圧が印加され、第1半導体領域と第3半導体領域との間のポテンシャル障壁の高さを制御することにより、第1半導体領域の信号電荷を第3半導体領域に転送する制御手段を備え、信号電荷を第3半導体領域に転送する期間において、制御手段の電位が第1の電位に変化してから第2の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、制御手段の電位が第3の電位に変化してから第4の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、が異なる。【選択図】 図7
Description
本発明は光電変換装置に関わる。
従来、アバランシェ増倍現象を用いた光電変換装置が知られている。
特許文献1には、入射光によってPDで発生した電荷を電荷増倍領域に転送し、電荷増倍領域でアバランシェ増倍を起こし、増倍された電荷を読み出す光電変換装置が記載されている。PDから電荷増倍領域への転送は、増倍ゲート電極に所定の電位を印加することにより行われる。具体的には、増倍ゲート電極に印加する電位がV0の状態でPDにおいて電荷を発生させ、増倍ゲート電極に印加する電位がV1の状態で発生した電荷を電荷増倍領域に転送している。
特許文献1では、PDから電荷増倍領域へ電荷を転送する際の電位の変化を線形に行っている。具体的には、V0からV1へ一定の傾きで電位を変化させている。しかしながら、用途によっては電荷の転送を制御する制御手段の電位を不定に変化させた方が良い場合がある。例えば、高輝度時における信号読み出し精度と低輝度時の信号読み出し精度とで要求される信号読み出し精度が異なる場合があり、この場合は要求される信号読み出し精度に応じて電位を一定の傾きで変化させない方が良い場合がある。特許文献1では制御手段の電位を工夫することについて検討されていない。
本発明は、要求される信号読み出し精度を維持しながら、電荷を転送する期間を低減できる光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換装置の1つの側面は、信号電荷と同じ第1極性のキャリアを多数キャリアとする第1導電型の第1半導体領域と、第2極性のキャリアを多数キャリアとする第2導電型の第2半導体領域と、前記信号電荷をアバランシェ増倍する前記第1導電型の第3半導体領域と、を備え、前記第2半導体領域と前記第3半導体領域とには前記信号電荷をアバランシェ増倍するための逆バイアス電圧が印加され、前記第1半導体領域と前記第3半導体領域との間に前記逆バイアス電圧よりも低い高さのポテンシャル障壁が形成され、前記ポテンシャル障壁の高さを制御することにより、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する制御手段を備え、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する期間において、前記制御手段の電位は、第1の電位、第2の電位、第3の電位、および第4の電位を含み、前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、が異なる。
本発明に係る光電変換装置の1つの側面は、信号電荷と同じ第1極性のキャリアを多数キャリアとする第1導電型の第1半導体領域と、第2極性のキャリアを多数キャリアとする第2導電型の第2半導体領域と、前記信号電荷をアバランシェ増倍する前記第1導電型の第3半導体領域と、を備え、前記第2半導体領域と前記第3半導体領域とには前記信号電荷をアバランシェ増倍するための逆バイアス電圧が印加され、前記第1半導体領域と前記第3半導体領域との間に前記逆バイアス電圧よりも低い高さのポテンシャル障壁が形成され、前記ポテンシャル障壁の高さを制御することにより、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する制御手段を備え、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する期間において、前記制御手段の電位を変化させ始めてから第1の時点までの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量と、前記第1の時点から前記印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量と、は異なる。
本発明によれば、要求される信号読み出し精度を維持しながら、電荷を転送する期間を低減できる。
以下の実施形態においては、信号電荷(信号キャリア)として電子を用いるものを例として説明している。第1の極性のキャリアを多数キャリアとする第1導電型の半導体領域はN型半導体領域であり、第2の極性のキャリアを多数キャリアとする第2導電型の半導体領域はP型半導体領域である。しかしながら、本発明は信号電荷として正孔を用いるものであっても成り立つ。この場合、第1導電型の半導体領域はP型半導体領域となり、第2導電型の半導体領域はN型半導体領域となる。
また、以下の記述における光電変換単位は、撮像センサの場合には画素を指すが、本発明は撮像センサのみに適用されるものではないため、光電変換単位という言葉を使用している。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る光電変換装置について、図1から図8を参照しながら説明する。
本実施形態に係る光電変換装置について、図1から図8を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る光電変換装置を示す概略図である。図2は、図1のA−A’における光電変換装置の断面構造を模式的に示す図である。
図1及び図2に示すように、光電変換装置は、複数の基板を積層して構成されている。例えば、光電変換装置は、複数の光電変換単位70を含む基板100と、後述するカウンタ回路やインバータ回路を含む基板110と、を積層して構成されている。光電変換単位70、カウンタ回路、及びインバータ回路は光電変換素子を構成している。つまり、1つの光電変換素子を構成する回路群が、基板100と基板110とに分かれて配される。これにより、カウンタ回路を含むデジタル回路の高速化あるいは大規模化を実現しながら、平面視における光電変換装置の面積が大きくなることを防ぐことができる。
本実施形態では、基板100の第1の面が光入射面である。図1及び図2において、基板100が持つ2つの面のうち、基板110が配されていない側の面が第1の面である。つまり、図1及び図2においては、上側から光電変換装置に光が入射する。本発明が撮像装置に適用される場合は、図2に示すように、基板100の第1の面、すなわち光入射面には、カラーフィルタ130やマイクロレンズ120などの光学部材が配される。そして、基板100の第1の面とは反対の第2の面には、トランジスタのゲート電極や金属の配線層が配される。また、基板110は、基板100に対して、基板100の第2の面の側に位置する。以下では、光が入射する側を上側とし、対向する側を下側とする。
図2に示すように、基板100と基板110とは、接合面において貼り合わされる。接合面は、銅などの金属と酸化膜などの絶縁体とによって構成される。接合面を成す金属は、光電変換単位70など基板100に配される素子と、カウンタなど基板110に配される回路とを接続する配線を構成してもよい。
図3は光電変換装置に含まれる光電変換素子80の等価回路図である。図3に示すように、光電変換素子80は、光電変換単位70と、波形整形部として機能するインバータ回路7と、カウンタ回路8と、を含む。光電変換装置は、複数の光電変換素子80を含む。そのため、図1に示すように、複数の光電変換単位70が基板100に配されている。これに対応して、複数のインバータ回路7と複数のカウンタ回路8とが基板110に配されている。
光電変換単位70は、光電変換部60と、電荷増倍部50とを含む。光電変換部60および電荷増倍部50は、それぞれ、ダイオードの回路記号で示される。光電変換部60は、信号電荷と蓄積するカソードと、アノードとにより構成される。電荷増倍部50は、カソードとアノードとにより構成される。図3では、光電変換部60のアノードと、電荷増倍部50のアノードとが接続されている。換言すると、光電変換部60のアノードと電荷増倍部50のアノードとは共通のノードとなっている。この共通のノードには、電位制御部6が接続される。電荷増倍部50のカソードには抵抗4を介して電位制御部5が接続されている。
電荷増倍部50は、光電変換部60のカソードから電荷増倍部50のカソードに信号電荷が転送される期間において、光電変換部60のカソードから転送される信号電荷をアバランシェ増倍して光電流を増倍するアバランシェダイオード(AD)である。電子なだれが形成される程度の逆バイアス電圧が印加されている状態で、光電変換部60で生成された複数の電子のうちの1つの電子が電荷増倍部50に転送されると、カソード及びアノードにより生じる電界によって加速される。そして、複数の電子(及び正孔)による電流が生じる。電子なだれが形成される程度の逆バイアス電圧とは、ブレイクダウン電圧以上の大きさの逆バイアス電圧である。ブレイクダウン電圧以上の大きさの逆バイアス電圧が印加されている期間において、電荷増倍部50は、基本的にガイガーモードで動作する。したがって、信号電荷はアバランシェ増倍される。例えば、電位制御部5には正の固定電位VDDが印加されており、電位制御部6には負の電位Vpが印加されている。アバランシェ増倍が生じていない状態では、電荷増倍部50のカソードには抵抗4を通して電位VDDが供給される。そのため、VDD−Vpが電荷増倍部50に印加される逆バイアス電圧となる。
抵抗4は、電位制御部5と電荷増倍部50のカソードとに接続されている。抵抗4と電荷増倍部50との動作の関係について説明する。電荷増倍部50に電子なだれが生じる程度の逆バイアス電圧が印加されている期間に、電荷増倍部50へ1つの信号電子が転送されると、アバランシェ増倍により電子が増倍される。増倍した電子によって得られる電流が、電荷増倍部50とインバータ回路7と抵抗4との接続ノードに流れる。この電流による電圧降下により、電荷増倍部50のカソードの電位が下がり、電荷増倍部50は、電子なだれを形成しなくなる。これにより電荷増倍部50のアバランシェ増倍が停止する。その後、電位制御部5の電位VDDが抵抗4を介して電荷増倍部50のカソードに供給されるため、電荷増倍部50のカソードに供給される電位が電位VDDに戻る。つまり、電荷増倍部50の動作領域は、再びガイガーモードとなる。
抵抗4の役割の1つは、信号電荷によるアバランシェ増倍をいったんストップすること、およびストップさせた後に、電荷増倍部50の動作領域を再びガイガーモードにすることである。
電荷増倍部50に電子が転送されると、アバランシェ電流によって電荷増倍部50のカソードの電位が下がる。電荷増倍部50のカソードはインバータ回路7に接続されているため、カソードの電位がインバータ回路7の閾値より高いときはインバータ回路7の出力はローレベルになる。一方、カソードの電位がインバータ回路7の閾値より低いときはインバータ回路7の出力はハイレベルになる。つまり、インバータ回路7の出力は二値化される。結果として、光電変換部60のカソードから電荷増倍部50に転送され、アバランシェ増倍された信号電荷の有無に応じて、矩形パルスがインバータ回路7から出力される。
インバータ回路7は、アバランシェ電流の生起回数をカウントする回路手段、例えばカウンタ回路8に接続されている。カウンタ回路8は、インバータ回路7から出力されたパルスの数をカウントし、累算したカウント値を出力する。つまり、カウンタ回路8は、インバータ回路7からのパルスを受けると、カウント値を変化させる。上述の通り、インバータ回路7は、アバランシェ増倍されることにより生起するアバランシェ電流を検知し、アバランシェ電流の有無に基づいてパルスを発生する。カウンタ回路8は、電荷増倍部50に少なくとも1つの電子が転送され、且つ、アバランシェ増倍されることにより生起するアバランシェ電流の生起回数をカウントしている。
図4は、光電変換素子80に含まれる光電変換単位70の断面構造を模式的に示す図である。図4では、下側が基板の第1の面側となる。光電変換単位70は、N型半導体領域1(第1半導体領域)、P型半導体領域2(第2半導体領域)、N型半導体領域3(第3半導体領域)、及びN型半導体領域12を含む。P型半導体領域2は、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間の少なくとも一部に配される。N型半導体領域12は、N型半導体領域3よりも低い不純物濃度を有し、且つ、P型半導体領域2とN型半導体領域3との間に配されている。図3における光電変換部60のカソードはN型半導体領域1で構成される。また、光電変換部60のアノード及び電荷増倍部50のアノードはP型半導体領域2で構成される。そして、電荷増倍部50のカソードはN型半導体領域3、12で構成される。光電変換単位70は、さらに、基板の第1の面側に形成されるP型半導体領域9、隣接する光電変換単位同士を分離するP型半導体領域10、及びP型半導体領域11をさらに含む。これらの半導体領域の断面構造における配置は、図4に示される通りである。N型半導体領域1は、P型半導体領域2、9、10によって囲まれている。
次に電荷増倍部50で生じるアバランシェ増倍について説明する。前述の通り、電荷増倍部50は、N型半導体領域3とN型半導体領域12とP型半導体領域2とを含み、N型半導体領域3及びN型半導体領域12を含むN型半導体領域と、P型半導体領域2とはPN接合を構成している。
電荷増倍部50のPN接合には、光電変換部60から信号電荷が転送される期間(信号転送動作期間)の少なくとも一部の期間において、電荷増倍部50でアバランシェ増倍を起こすための逆バイアス電圧が印加される。すなわち、電荷増倍部50のPN接合の近傍の空乏層には、アバランシェ増倍を起こす程度に電荷を加速する高い電界が生じている。
光電変換部60で生成され、そして、蓄積された複数の信号電子のうち1つの信号電子が電荷増倍部50の空乏層に転送されると、当該1つの信号電子は、上述の高い電界によって加速される。これにより、複数の電子(及び正孔)による電流、すなわち、アバランシェ電流が生じる。
本実施形態では、電位制御部6からP型半導体領域2に印加される電位を制御することにより、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁の高さを変えている。したがって、第1の実施形態では、電位制御部6及びP型半導体領域2が制御手段である。信号転送動作期間のうちの少なくとも一部の期間において、アバランシェ増倍が生じる程度の逆バイアス電圧が電荷増倍部50に印加されるように電位制御部6の電位は制御されている。
N型半導体領域3には、電位制御部5が接続されている。電位制御部5は、N型半導体領域3に電位Vnを印加している。以下では、説明をわかりやすくするために、N型半導体領域3に電位Vnとして正の固定電位VDDが印加されているものとする。P型半導体領域11には、電位制御部6が接続されている。電位制御部6は、P型半導体領域11に電位Vpを印加している。電位Vpは、P型半導体領域11を介して、P型半導体領域2、9、10にも印加されうる。
次に、本実施形態の光電変換単位70の動作について説明する前に、参考例1の光電変換単位の動作について、図5を用いて説明する。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は電位制御部が印加する電位Vpを示している。参考例1では、信号転送動作期間において、電位Vpを線形に変化させる場合を想定する。なお、図5に示す「信号蓄積動作期間」における動作は本実施形態においても同様である。また、詳細は後述するが、「信号転送動作期間」が非アバランシェ状態の期間と、アバランシェ状態の期間と、を含む点も同様である。
図5に示すように、電位Vpを変化させることにより、信号電荷が光電変換部のカソードに蓄積される「信号蓄積動作期間」と、信号電荷が光電変換部のカソードから電荷増倍部のカソードに転送される「信号転送動作期間」と、が制御される。信号蓄積動作期間では、電位Vpが電位V0である。また、信号転送動作期間では、電位VpがVp0よりも低く且つVp2以上である。信号転送動作期間は、電荷増倍部50が非アバランシェ状態の期間と、電荷増倍部50がアバランシェ状態であり転送された信号電荷が読み出される期間と、を含む。非アバランシェ状態の期間は、電位Vpが電位V0よりも低く電位V1よりも高い期間である。アバランシェ状態の期間は、電位Vpが電位V1以下であり電位V2以上の期間である。
図6は、電位VpがV0、V1、V2のそれぞれの場合における、図4のB−B’におけるポテンシャルを表す図である。
電位Vpが電位V0のときは、電荷増倍部50が非アバランシェ状態である。つまり、ポテンシャル障壁の高さは、信号電荷がアバランシェ増倍されない範囲に制限されている。つまり、電荷増倍部50にかかる逆バイアス電圧が、アバランシェ増倍を生じさせるための最小の電圧より小さくなるように、電位Vp0を設定する。また、電位Vpが電位Vp0のときには、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間にポテンシャル障壁が形成され、信号電荷がN型半導体領域1に蓄積される。電位Vp0は、例えば−18Vである。
電位制御部6は、電位Vpが電位V0から低くなるように制御する。そして、電位Vpが電位V1以下になると電荷増倍部50がアバランシェ増倍を起こす状態となる。換言すると、電位Vpが電位V1以下の場合には、電荷増倍部50にかかる逆バイアス電圧がブレイクダウン電圧より大きい。
電位Vpが電位V0から下がることで、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁が低くなる。そして、電位VpがV2に達すると、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁がなくなる。この状態において、光電変換部60で蓄積されたすべての信号電荷が電荷増倍部50に転送される。つまり、電位VpをV0から下げていったとき、まず、電荷増倍部50がアバランシェ状態となり、その後、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁がなくなる。例えば、V1は−20Vであり、V2は−25Vである。
図5に示すように、参考例1では電位V0から電位V2まで、電位を線形に変化させている。つまり、電位を一定の変化量で徐々に変化させている。参考例1によれば、読み出し精度は維持できるものの、信号転送期間の時間を要する。1つの画像(フレーム)を処理するフレームレートは、1つの信号蓄積動作期間と1つの信号転送動作期間により決定される。信号転送期間の時間を要すると、フレームレートが低下する。特に、高輝度な被写体を撮像した場合にはフレームレートの低下が顕著に生じる。
本実施形態では、図7に示すように、信号転送動作期間において、単位時間当たりの電位の変化量が一定にならないように電位Vpを変化させている。具体的には、電位Vaから電位Vbに変化させるまでの期間p1を、電位Vbから電位Vcに変化させるまでの期間p2よりも短くしている。電位Va、Vb、Vc、Vdは、電位Va、Vb、Vc、Vdの順に電位が低くなっている。別の観点では、信号転送動作期間のうち、中間時点よりも前における所定の電位を印加し始めてから所定の電位に電位を変化させるまでの期間は、中間時点よりも後において所定の電位を印加し始めてから所定の電位に電位を変化させるまでの期間よりも短い。例えば、中間時点よりも前に電位Va、Vbを印加し、中間時点よりも後に電位Vc、Vdを印加する。
N型半導体領域1に蓄積されている信号電荷が多い高輝度領域においては、カウントロスが生じたとしても低S/N比になりにくい。一方で、低輝度領域においては、低S/N比の影響を受けやすい。つまり、信号転送動作期間の開始直後においては、読み出し精度の低下は生じにくく、信号転送動作期間の終了直前においては、読み出し精度の低下が生じやすい。本実施形態によれば、高輝度領域における単位時間当たりの電位の変化量を低輝度領域における単位時間当たりの電位の変化量よりも多くすることにより、参考例1に比べて信号転送動作期間を短縮することができる。したがって、読み出し精度の低下を抑制しながら、フレームレートを向上させることができる。
本明細書では、ある電位に変化してから、ある電位とは異なる電位に変化するまでの期間pを「電位保持期間」という。なお、正確に言うと、信号転送動作期間でも光入射があれば信号蓄積も信号転送と並行して行われる。一方、信号蓄積動作期間には信号蓄積のみ行われて信号転送は行われない。
図8に、信号転送動作期間における電位Vpの変化、並びに電位Vpの変化に基づく、N型半導体領域3の電位の変化及びインバータ回路7の出力電位の変化を示す。同図においてT1、T2、T3、T4、T5はN型半導体領域1からN型半導体領域3へ信号電荷が転送されるタイミングを示す。つまりこの図では計5個の信号電荷が転送される状況を表している。前述の通り、電位制御部6からV1以下の電位が印加されると電荷増倍部50がアバランシェ状態となる。
T1の時点ではVpはまだV1に達していない。インバータ回路7は、N型半導体領域3の電位がインバータ回路7の閾値より高い場合に波形を整形する。図8では閾値はV1であり、V1以下の電位が検出されると、インバータ回路7は波形を整形する。T1で転送される信号電荷はある程度のインパクトイオン化電流を引き起こすものの、V1以下の電位とはなっていない。T1はN型半導体領域3の電位がインバータ回路7で波形が整形される電位に達していないため、インバータ回路7は波形を整形しない。したがって、カウンタ回路8においてカウントされない。
VpがV1よりも低い電位となる、T2、T3、T4、及びT5では、転送される各信号電荷はアバランシェ電流を引き起こしてN型半導体領域3の電位をV1以下としている。したがって、インバータ回路7の出力にカウントパルスを生じさせ、カウンタ回路8においてカウントされる。
なお、図8では信号転送が始まるVpの電位はV1より高い場合を想定しており、T1のタイミングでも転送が起きているが、信号転送が実際に始まるVpの電位がV1より低い場合もある。
次に図9を参照しながらP型半導体領域2に印加する電位を変化させる構成について説明する。図9(a)は、電位制御部6の等価回路図である。電位V0と電位V2との間にn個の抵抗値と、各抵抗間の電位を取り出すためのスイッチが設けられている。抵抗Rにより分割された電位が各スイッチを介して出力される。出力部Vpから電位Vpが出力される。
図9(b)に駆動タイミングを示す。時刻t1からt2の期間はスイッチS1がONしており、電位V0から抵抗Rの分だけ電圧降下した電位が出力される。次に時刻t2でスイッチS1がOFFし、スイッチS2がONする。時刻t2から時刻t3までの間は、抵抗R+R=2Rの分だけ電位Vから電圧降下した電位が出力される。同様の動作により、時刻tnから時刻tn+1でスイッチSnが駆動され電位制御部6から出力される電位が決定する。ここで、各スイッチのON期間については、(t2―t1)≦(t3―t2)≦・・・≦(tn―tn―1)≦(tn−tn+1)かつ(t2―t1)<(tn―tn+1)の関係となっている。以上の動作により、電位保持期間を変化させながら、電位制御部6からP型半導体領域2に印加される電位を制御する。
本実施形態によれば、一方、基板100の上面で不要電荷が発生すると、N型半導体領域1に蓄積され、信号転送動作期間に不要電荷がカウントされうる。これに対して、N型半導体領域1に印加される逆バイアスは、アバランシェ状態の電荷増倍部50に印加される逆バイアスより小さい。従来のSPADは、高電圧がかかるために暗電流発生速度が高いADにおいて光電変換も行っていた。しかるに本実施形態では、低逆バイアス電圧しかかからずしたがって暗電流の発生を小さくできる光電変換部(PD)と高電界部(アバランシェ増倍部)とを分離している。そのため、ADで発生した不要な暗電子をカウントする期間を従来よりも縮小でき、不要電荷を従来のSPADに比べて低減することができる。
以下、本実施形態によって得られる付加的な効果の1つとして、暗電流等に起因する不要電荷がいかにして低減されるかの説明をする。
図4に示すように、N型半導体領域1はP型半導体領域2、9、10により取り囲まれており、いわゆるCMOSセンサの画素の光電変換部と同様に埋め込み構造となっている。不要電荷の発生源は、基板100の表面に特に存在するため、N型半導体領域1を基板100の表面から離間させることにより、暗電流を生じにくくできる。そのためにP型半導体領域9は半導体界面部が空乏化しないような濃度に設定される。前述の通り、完全空乏化転送のため、P型半導体領域2の不純物濃度を低く設定した場合には、結果的に、P型半導体領域9の不純物濃度が、P型半導体領域2の不純物濃度より高くなることがある。また、N型半導体領域1の側面にP型半導体領域10が配されることにより、隣接する光電変換単位70間のクロストークを低減できる。
(変形例)
以下に第1の実施形態に係る光電変換装置の変形例を示す。変形例に示す各構成を組み合わせた構成も本実施形態に含まれるものとする。
以下に第1の実施形態に係る光電変換装置の変形例を示す。変形例に示す各構成を組み合わせた構成も本実施形態に含まれるものとする。
図1では、基板100に光電変換単位70が配され基板110にインバータ回路が配されていたが、1つの基板に光電変換単位70及びインバータ回路が配されていてもよい。また、1つの基板に、光電変換素子80の全体が配されていてもよい。
第1の実施形態では、電位制御部6からP型半導体領域2に印加する電位を制御することにより、N型半導体領域1からN型半導体領域3に信号電荷を転送している。これに限らず、電位制御部5からN型半導体領域3に印加する電位を制御することにより、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間に生じるポテンシャル障壁の高さを変えてもよい。この場合は、N型半導体領域3及び電位制御部5が制御手段となる。
インバータ回路7は実質的にはV1の閾値を持つ比較器である。よってインバータ回路7に代えて比較器を用いてもよい。また、カウンタとして、カウント数に比例した所定の物理量、例えば電荷量に変換して記憶する別の回路を用いてもよい。
図4では、基板100の表面の一部を構成するP型半導体領域9が配されている。これに限らず、負の固定電荷膜を基板100の第1の面に配し、N型半導体領域1の基板100の第1の面の近傍にホール蓄積層ができるようにしてもよい。この場合でも、暗電流を生じにくくできる。負の固定電荷膜としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、及び酸化タンタルなどを用いることができる。
第1の実施形態では、P型半導体領域2に印加される電位を低くして逆バイアス電圧を大きくすることにより、信号電荷を転送している。これに限らず、N型半導体領域3の電位を高くして逆バイアス電圧を大きくすることにより、信号電荷を転送してもよい。このような光電変換単位70を用いる場合でも、本発明の効果を得ることができる。
また、第1の実施形態では、N型半導体領域1の下面に連続的にP型半導体領域2が配されている。つまり、N型半導体領域1の下面の全面にP型半導体領域2が配されている。これにより、P型半導体領域2のポテンシャル障壁を形成しやすく、N型半導体領域1に信号電荷が蓄積されやすい。また信号転送時にはこのポテンシャル障壁が十分低くなるようにP型半導体領域2には適切な濃度が設定される。これに限らず、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間にポテンシャル障壁が形成されるのであれば、P型半導体領域2に部分的に隙間が設けられていてもよい。例えば、平面視でN型半導体領域3に重なる領域に隙間が設けられていてもよい。P型半導体領域2の隙間には、N型半導体領域が配されうる。このN型半導体領域は、N型半導体領域1あるいはN型半導体領域12と同程度の不純物濃度であってもよいし、それらとは異なる不純物濃度であってもよい。
第1の本実施形態では、信号蓄積動作期間において、電荷増倍部50を非アバランシェ状態としている。これにより従来のSPADに比べて、強い光が入射する場合の消費電力を低減することができる。すなわち強い光が入射する場合のSPADは信号電荷発生速度が非常に上がるため、アバランシェ電流が流れっぱなしに近い状態となる。この電流により消費電力が上がって、しかも信号電荷のカウントはあまりできない、いわゆるパイルアップという状態となる。しかるに、本発明の動作においては強い光が入射しても、アバランシェ電流が流れっぱなしに近い状態になるのは信号転送動作期間のみに限定される。よって信号蓄積動作期間に比べて信号読み出し期間が短いほど、ノイズ低減効果とともに消費電力の低減効果が大きくなる。これに限らず、電荷増倍部50をアバランシェ状態とするような逆バイアス電圧が常に電荷増倍部50に印加されてもよい。この場合には、信号転送動作期間以外に不要電荷によって生じるアバランシェ電流をカウントしないように、光電変換素子が構成される。アバランシェ電流のカウントがされないようにする方法としては、インバータ回路7を非活性にする、あるいは、信号読み出し期間の最初にカウンタ回路8をリセットするなどがある。この場合でも、信号電荷の蓄積は、電荷増倍部50とは別の光電変換部60で行われるため、上述の通り、不要電荷がカウントされる可能性を低減できる。
(第2の実施形態)
図10、図11を参照しながら第2の実施形態に係る光電変換装置について説明する。第2の実施形態に係る光電変換装置は、信号転送動作期間における電位制御部6の電位の変化のさせ方が第1の実施形態と異なる。具体的には、電位保持期間は一定であるが、電位の変化量が異なる。その他の構成は第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
図10、図11を参照しながら第2の実施形態に係る光電変換装置について説明する。第2の実施形態に係る光電変換装置は、信号転送動作期間における電位制御部6の電位の変化のさせ方が第1の実施形態と異なる。具体的には、電位保持期間は一定であるが、電位の変化量が異なる。その他の構成は第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
本実施形態では、図10に示すように、信号転送動作期間の開始直後の電位の変化量が、信号転送動作期間の終了直前の電位の変化量よりも大きい。例えば、図10に示すように、電位Veと電位Vfとの電位差d1が、電位Vgと電位Vhとの電位差d2よりも大きい。
電位の変化量が大きいと、複数の信号電子が同時に転送され、それらが1カウントとされるため、カウントロスが生じ得る。信号転送動作の開始直後はN型半導体領域1に多数の信号電子がポテンシャル障壁を超えやすい場合である。言い換えると、N型半導体領域1に多量の信号電荷が蓄積されている高輝度の場合である。その場合には、カウントロスが生じてもS/N比が極度に低下することはない。一方で、N型半導体領域1に蓄積される信号電荷が少量である場合、つまり低輝度時にはポテンシャル障壁を十分に低くしないと信号電荷を転送できない。かつ、低輝度領域では信号キャリアの数が少ないため、カウントロスが生じると、低S/N比になりやすい。本実施形態によれば、影響の小さい高輝度領域で電位の変化量を大きくして信号転送動作期間を短縮しながら、影響の大きい低輝度領域での電位の変化量を小さくしてS/N比の低下を抑制している。したがって、S/N比の低下を抑制しながら、フレームレートの低下を抑制することができる。
本実施形態の電位制御部6からP型半導体領域2に印加する電位を変えるための構成について図11に示す。図11(a)は、電位制御部6の等価回路図である。2つの電位、V0、V2の間にR1からRn+1個の抵抗値と、各抵抗間の電位を取り出すためのスイッチが設けられている。抵抗R1からRn+1により分割された電圧が各スイッチを介して出力される。図11(b)に駆動タイミングを示す。
時刻t1からt2の期間はスイッチS1がONしており、V0から抵抗R1の分だけ電圧降下した電位が出力される。次に時刻t2でスイッチS1がOFFし、スイッチS2がONする。時刻t2から時刻t3までの間は、抵抗R1+R2の分だけV0から電圧降下した電位が出力される。
同様の動作により、時刻tnから時刻tn+1でスイッチSnが駆動され電位制御部6の電位制御が完了する。ここで、各抵抗値の関係は、R1≦R2≦・・・≦Rn≦Rn+1かつR1<Rn+1の関係となっている。また、電位保持期間に関しては(t2−t1)=(t3−t2)=・・・=(tn−tn−1)=(tn−tn+1)の関係となっている。
本実施形態においても第1の実施形態と同様に、読み出し精度の低下を低減し、フレームレートを向上させることができる。
なお、電位保持期間を一定として電位の変位量を変化させることを述べたが、第1の実施形態と組み合わせて、電位の保持期間を変化させながら電位の変化量を変化させてもよい。信号転送動作期間の開始時近傍では転送時間を短縮し、信号転送動作期間の終了時近傍では転送時間を長くとるような駆動となっていればよい。言い換えると、信号キャリアが多数の場合には、カウントロスを犠牲にして転送時間を短縮し、信号キャリアが少数の場合にはカウント精度を優先し、転送時間を長くとるような駆動となっていればよい。
(第3の実施形態)
図12を参照しながら第3の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態は、信号転送動作期間において、信号転送動作期間の開始直後における電位の変化量が信号転送動作期間の終了直前における電位の変化量よりも小さい点が第2の実施形態と異なる。その他の構成は第2の実施形態と同様の構成とすることができる。
図12を参照しながら第3の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態は、信号転送動作期間において、信号転送動作期間の開始直後における電位の変化量が信号転送動作期間の終了直前における電位の変化量よりも小さい点が第2の実施形態と異なる。その他の構成は第2の実施形態と同様の構成とすることができる。
N型半導体領域1に多量の信号電荷が蓄積されている場合には、ポテンシャル障壁の変動がわずかでも信号電荷は転送される。一方で、少量の信号電荷の場合にはポテンシャル障壁を大きく変動させないと信号電荷は転送されない。本実施形態によれば、信号読み出し開始時のカウントロスが低減でき、飽和電子数が大きく取れる。
本実施形態によれば、高輝度側での信号読み出し精度を維持しながら、参考例1に比べて信号転送動作期間を短縮し、フレームレートを向上させることができる。
(第4の実施形態)
図13を参照しながら第4の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態では、ステップ状ではなく電位を徐々に変化させている点、電位制御部6の回路構成が第2の実施形態と異なる。具体的には、傾斜の異なる複数のランプ信号が組み合わされて電位が変化している。その他の構成は第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
図13を参照しながら第4の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態では、ステップ状ではなく電位を徐々に変化させている点、電位制御部6の回路構成が第2の実施形態と異なる。具体的には、傾斜の異なる複数のランプ信号が組み合わされて電位が変化している。その他の構成は第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
本実施形態では、信号転送動作期間において、信号転送動作期間の開始から第1の時点までの単位時間当たりの電位の変化量が、第1の時点から信号転送動作期間の終了までの単位時間当たりの電位の変化量よりも大きい。第1の時点とは、例えば信号転送動作期間の中間時点である。これにより、参考例1と比較して、信号転送動作期間を短縮し、フレームレートを向上させることができる。
図14に、本実施形態に係る電位制御部6の等価回路図を示す。図14(a)は、電位制御部6の等価回路図である。出力端子Vpの電圧は容量Cpにて保持される。出力端子Vpは、スイッチSrを介して、VHに接続されており、リセット時にはSrがONして、出力端子VpはVHにセットされる。また、出力端子Vpには、複数のスイッチS1からSn、および電流源I1からInが接続されており、各電流源はVLに接続されている。
図14(b)に駆動タイミングを示す。時刻t1から時刻t2の期間はスイッチS1がONしており、出力端子Vpが電位VHにリセットされ、容量CpにはVHが保持される。時刻t2にてスイッチSrがOFFし、スイッチS1からSnがONして、電流源I1からInが活性化する。電流源I1からInの総和で決まる電流量で容量Cpの放電が開始される。時刻t3でスイッチS1がOFFし、電流源I1がOFFする。時刻t4でスイッチS2がOFFし、電流源I2がOFFする。順次、電流源がOFFすることで出力端子Vpの電位を図14(b)に示す通り、信号転送動作期間の開始時近傍では傾きが大きく、信号転送動作期間の終了時近傍では傾きが小さくなるような非線形駆動を実現することができる。
なお、ここではスイッチを順次OFFしていく駆動としたが、電流源を順次切り替えて電流量を調整してもよく、放電量が制御できるような駆動であればよい。信号転送動作期間の開始時近傍では単位時間当たりの電位の変化量が大きく、信号転送動作期間の終了時近傍では単位時間当たりの電位の変化量が短い駆動となっていればよい。言い換えると、多量の信号電荷が蓄積されている場合には、カウントロスを犠牲にして転送時間を短縮し、少量の信号電荷が蓄積されている場合には、信号読み出し精度を優先し、転送時間を長くとるような駆動となっていればよい。
(第5の実施形態)
図15を参照しながら第5の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態では、信号転送動作期間において、信号転送動作期間の開始から第1の時点までの単位時間当たりの電位の変化量が、第1の時点から印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの電位の変化量よりも小さい。その他の構成は第4の実施形態と同様の構成とすることができる。
図15を参照しながら第5の実施形態に係る光電変換装置について説明する。本実施形態では、信号転送動作期間において、信号転送動作期間の開始から第1の時点までの単位時間当たりの電位の変化量が、第1の時点から印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの電位の変化量よりも小さい。その他の構成は第4の実施形態と同様の構成とすることができる。
多量の信号電荷が蓄積されている場合には、ポテンシャル障壁の変動がわずかでも信号電荷は転送される。一方で、少量の信号電荷が蓄積されている場合にはポテンシャル障壁を大きく変動させないと信号電荷が転送されない場合がある。本実施形態の駆動によれば、信号転送動作期間のカウントロスが低減でき、飽和電子数が大きく取れる。
本実施形態によれば、高輝度側での信号読み出し精度を向上させながら、参考例1に比べて信号転送動作期間を短縮でき、フレームレートを向上させることができる。
(第6の実施形態)
図16は第6の実施形態に係る光電変換装置の光電変換単位の概略断面図である。同図において図4と同一の部品には同一番号を付し、再度の説明は省略する。また抵抗4、電位制御部5、インバータ回路7、カウンタ回路8はこれまでに説明した実施形態のものと同じなので省略している。本実施形態に係る光電変換装置は、ゲート電極43によりポテンシャル障壁の高さを制御している点で第1の実施形態と異なる。
図16は第6の実施形態に係る光電変換装置の光電変換単位の概略断面図である。同図において図4と同一の部品には同一番号を付し、再度の説明は省略する。また抵抗4、電位制御部5、インバータ回路7、カウンタ回路8はこれまでに説明した実施形態のものと同じなので省略している。本実施形態に係る光電変換装置は、ゲート電極43によりポテンシャル障壁の高さを制御している点で第1の実施形態と異なる。
図16に示すように、本実施形態では、光電変換部60は、P型半導体領域42、N型半導体領域44、および後述するN型半導体領域41により構成される。また、電荷増倍部50は、P型半導体領域46とN型半導体領域3とにより構成される。そして、光電変換部60と電荷増倍部50とが基板の上面と平行な方向に並んで配されている。光電変換部60と電荷増倍部50との間には、N型半導体領域1が配されている。そして、光電変換部60のN型半導体領域44とN型半導体領域1との間にはP型半導体領域48が配されている。平面視で、P型半導体領域48とN型半導体領域1とに重なる領域にゲート電極43が配されている。
ゲート電極43に供給する電位を制御することにより、N型半導体領域44に蓄積された信号電荷をN型半導体領域1に転送している。また、ゲート電極43に供給する電位を制御することにより、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁の高さも制御している。両者の間に配されたP型半導体領域46に接地電位などの所定の電位が供給されることで、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間のポテンシャル障壁が形成されている。
N型半導体領域44の上部、半導体界面部には、P型半導体領域48の不純物濃度よりも不純物濃度の高いP型半導体領域42が配されている。P型半導体領域42と、N型半導体領域44とにより埋め込み型のPDが構成される。
N型半導体領域44の下面には、N型半導体領域44に比べて不純物濃度の低いN型半導体領域41が配されている。なお、N型半導体領域41は、P型半導体領域9に比べて不純物濃度の低いP型半導体領域であってもよい。入射光によって信号電荷が発生するのは主にN型半導体領域41である。
N型半導体領域1とP型半導体領域46との間において、平面視でゲート電極43に重ならない領域であって、且つ、半導体基板の上面の一部を構成する領域には、P型半導体領域45が配されている。上述の通り、不要電荷は半導体基板の表面で発生しやすい。半導体基板の上面の一部を構成する領域にP型半導体領域42や45が配され且つそれらの不純物濃度が高濃度であると、半導体界面部での空乏化は妨げられ、不要電荷の発生、すなわち暗電流の発生速度を著しく下げることができる。
N型半導体領域1とN型半導体領域3との間には、P型半導体領域46が配されている。N型半導体領域1とN型半導体領域3との間には、P型半導体領域46によるポテンシャル障壁が形成されている。P型半導体領域46、および、9、42、48には、接地電位などの所定の電位が供給される。
平面視で、光電変換部60及び電荷増倍部50を含む光電変換単位の周囲には、絶縁体により構成される素子分離体47が配されている。素子分離体47の下には、P型半導体領域48が配されている。
本実施形態のゲート電極43に供給する電位の変化に基づく動作を説明する前に図17を参照しながら参考例2の動作について説明する。同図において、横軸は時間を示し、縦軸はでにゲート電極43に印加する電位Vtxを示している。参考例2では、信号転送動作期間において、電位VHからVLに線形に電位を変化させている。参考例2では、信号転送動作期間において、電位Vtxを線形に変化させる場合を想定する。なお、図17に示す「信号蓄積動作期間」における動作は本実施形態においても同様である。
図18は、信号転送動作期間において、ゲート電極43の電位の変化による図16における破線D−D’に沿ったポテンシャルの変化を示す。図18を参照しながら、Vtxの変化によるポテンシャル障壁の高さの変化について説明する。
まず、電位Vtxは電位VLに制御される。ゲート電極43に印加される電位Vtxが電位VLである間は、生成された信号電荷がN型半導体領域44に蓄積される。すなわち、ゲート電極43に印加される電位Vtxが電位VLである期間が、信号蓄積動作期間である。
この時のポテンシャルは、図18(a)に示される。N型半導体領域44とN型半導体領域1との間にポテンシャル障壁が形成されるように、電位VLは設定される。ゲート電極43、P型半導体領域48、および、両者の間の不図示の絶縁膜はMOS構造を構成するため、ゲート電極43の電位によって、ゲート電極43の下のP型半導体領域48におけるポテンシャルを制御しうる。
図17に示すように、信号転送動作を開始するため、ゲート電極43に印加される電位Vtxが電位VLから電位VHに変化する。その後、電位Vtxは、電位VHから電位VLに徐々に変化する。信号電荷が電子であるため、電位VHは電位VLより高い電位である。
図18(c)に、電位Vtxが電位VHである時のポテンシャルを示す。電位Vtxが電位VLである時に比べて、P型半導体領域48(およびN型半導体領域1)のポテンシャルが下がる。そのため、N型半導体領域44とN型半導体領域1の間に生じていたポテンシャル障壁がなくなる。結果として、N型半導体領域44で蓄積された信号電荷がN型半導体領域1に転送される。なお、P型半導体領域46のポテンシャルは、ゲート電極43の電位の影響をあまり受けない。そのため、N型半導体領域1のポテンシャルが相対的に下がった結果、N型半導体領域1とN型半導体領域3との間にはポテンシャル障壁が形成される。したがって、N型半導体領域1に転送された信号電荷は、N型半導体領域1に保持される。
ゲート電極43に印加される電位Vtxを電位VHから電位VLに向けて下げていくと、図18(b)に示すように、N型半導体領域1およびP型半導体領域48のポテンシャルが上がっていく。それに伴いP型半導体領域46によるポテンシャル障壁が低くなる。したがって、N型半導体領域1からN型半導体領域3に信号電荷が転送される。本実施形態においては、第2の電位VHから第1の電位VLへ徐々に電位Vtxが変化する。このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、N型半導体領域1に保持された信号キャリアを1つずつ転送することができる。
図17に示すように、参考例2では電位VHから電位VLまで、電位を線形に変化させている。つまり、電位を一定の変化量で徐々に変化させている。参考例2によれば、読み出し精度は維持できるものの、信号転送期間の時間を要する。したがって、フレームレートが低下する。
本実施形態では、図19に示すように、信号転送動作期間において、単位時間当たりの電位の変化量が一定にならないように電位Vtxを変化させている。電位の変化のさせ方、及びゲート電極43に印加する電位を制御する電位制御部の構成は第1の実施形態と同様の手段により制御できるため、説明を省略する。
N型半導体領域1に蓄積されている信号電荷が多い高輝度領域においては、カウントロスが生じたとしても低S/N比になりにくい。一方で、低輝度領域においては、低S/N比の影響を受けやすい。つまり、信号転送動作期間の開始直後においては、読み出し精度の低下は生じにくく、信号転送動作期間の終了直前においては、読み出し精度の低下が生じやすい。本実施形態によれば、高輝度領域における単位時間当たりの電位の変化量を低輝度領域における単位時間当たりの電位の変化量よりも多くすることにより、参考例2に比べて信号転送動作期間を短縮することができる。したがって、読み出し精度の低下を抑制しながら、フレームレートを向上させることができる。
第1の実施形態で説明したP型半導体領域2およびN型半導体領域3と同様に、P型半導体領域46とN型半導体領域3との間には、アバランシェ増倍を起こすのに十分な逆バイアスが印加されている。したがって、N型半導体領域3に信号電荷が転送される際には、第1の実施形態と同じ動作によって、アバランシェ増倍が生起され、信号電荷がカウントされる。
以上に説明した通り、信号電荷を蓄積するN型半導体領域1は、光電変換の機能を備えていなくてもよい。このような場合でも、第1の実施形態と同様に、不要電荷をカウントする可能性を低減することができる。
第4の実施形態ではゲート電極43の電位によって動作が制御されるので、第1の実施形態よりも駆動を制御しやすい。
電荷増倍部50は第1の実施形態と同じく、N型半導体領域3に印加される電圧を制御することなどによって、読み出し動作期間だけアバランシェ状態としてもよい。あるいは、ゲート電極43以外の電極電位をなるべく固定するため、電荷増倍部50は通常アバランシェ状態としたままで、インバータ回路7、カウンタ回路8を読み出し動作以外の期間は休止状態としてもよい。
前者の場合には不要電荷、すなわちノイズの低減効果、および強い光が入射した場合の電力低減効果が得られる。後者の場合にはノイズ低減効果が得られる。
本実施形態に係る光検出装置では光電変換部60と電荷増倍部50とが第1の実施形態のように縦方向に積み重なってはいない。よって、光入射はゲート電極43が配されている側を光入射面でも、あるいはゲート電極43が配されている側と反対側の面を光入射面としてもよい。
なお、本実施形態では、第1の実施形態に記載の電位の制御を用いる例について説明したが、第2の実施形態から第5の実施形態に記載の制御方法でゲート電極23の電位Vtxを制御してもよい。第2の実施形態乃至第5の実施形態と同様の効果が得られる。
(第7の実施形態)
本実施形態による光電変換システムについて、図20を用いて説明する。上述した各実施形態の光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。図19は、本実施形態による光電変換システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態による光電変換システムについて、図20を用いて説明する。上述した各実施形態の光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。図19は、本実施形態による光電変換システムの概略構成を示すブロック図である。
上記の各実施形態で述べた光電変換装置は、種々の光電変換システムに適用可能である。適用可能な光電変換システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と光電変換装置とを備えるカメラモジュールも、光電変換システムに含まれる。図20には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。上述した各実施形態の光電変換装置は、図20の撮像装置201として用いることができる。
図20に例示した光電変換システム200は、撮像装置201、被写体の光学像を撮像装置201に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、撮像装置201に光を集光する光学系である。撮像装置201は、レンズ202により結像された光学像を画像データに変換する。
光電変換システム200は、また、撮像装置201より出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、撮像装置201が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換を行う。また、信号処理部208はその他、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。信号処理部208の一部であるAD変換部は、撮像装置201が設けられた半導体基板に形成されていてもよいし、撮像装置201とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、撮像装置201と信号処理部208とが同一の半導体基板に形成されていてもよい。
光電変換システム200は、さらに、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。さらに光電変換システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、光電変換システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
さらに光電変換システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、撮像装置201と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、光電変換システム200は少なくとも撮像装置201と、撮像装置201から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。
撮像装置201は、撮像信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、撮像装置201から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部208は、撮像信号を用いて、画像を生成する。
上述した各実施形態による光電変換装置を適用することにより、フレームレートの低下を抑制しながら低輝度領域において良質な画像を取得しうる光電システムを実現することができる。
(第8の実施形態)
本実施形態による光電変換システム及び移動体について、図21を用いて説明する。
本実施形態による光電変換システム及び移動体について、図21を用いて説明する。
図21(a)は、車戴カメラに関する光電変換システムの一例を示したものである。光電変換システム300は、光電変換装置310を有する。光電変換装置310は、上記の実施形態のいずれかに記載の光電変換装置である。光電変換システム300は、光電変換装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、光電変換システム300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差算出部314を有する。また、光電変換システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離計測部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差算出部314や距離計測部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
光電変換システム300は車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、光電変換システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。また、光電変換システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を光電変換システム300で撮像する。図21(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の光電変換システムを示した。車両情報取得装置320が、所定の動作を行うように光電変換システム300ないしは光電変換装置310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
上記では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。さらに、光電変換システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
(変形実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 第1半導体領域
2 第2半導体領域
3 第3半導体領域
2 第2半導体領域
3 第3半導体領域
Claims (24)
- 信号電荷と同じ第1極性のキャリアを多数キャリアとする第1導電型の第1半導体領域と、
第2極性のキャリアを多数キャリアとする第2導電型の第2半導体領域と、
前記信号電荷をアバランシェ増倍する前記第1導電型の第3半導体領域と、を備え、
前記第2半導体領域と前記第3半導体領域とには前記信号電荷をアバランシェ増倍するための逆バイアス電圧が印加され、
前記第1半導体領域と前記第3半導体領域との間に前記逆バイアス電圧よりも低い高さのポテンシャル障壁が形成され、
前記ポテンシャル障壁の高さを制御することにより、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する制御手段を備え、
前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する期間において、前記制御手段の電位は、第1の電位、第2の電位、第3の電位、および第4の電位を含み、
前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの単位時間当たりの電位の変化量と、が異なることを特徴とする光電変換装置。 - 前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの期間と、前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの期間と、は異なることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第1の電位は前記第2の電位よりも高く、
前記第2の電位は前記第3の電位よりも高く、
前記第3の電位は前記第4の電位よりも高く、
前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの期間は前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの期間よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。 - 前記第1の電位は前記第2の電位よりも低く、
前記第2の電位は前記第3の電位よりも低く、
前記第3の電位は前記第4の電位よりも低く、
前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの期間は前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの期間よりも長いことを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。 - 前記第1の電位と前記第2の電位との電位差は、前記第3の電位と前記第4の電位との電位差と異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
- 前記第1の電位は前記第2の電位よりも高く、
前記第2の電位は前記第3の電位よりも高く、
前記第3の電位は前記第4の電位よりも高いことを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。 - 前記第1の電位は前記第2の電位よりも低く、
前記第2の電位は前記第3の電位よりも低く、
前記第3の電位は前記第4の電位よりも低いことを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。 - 前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの期間と、前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの期間と、は同じ長さであり、前記第1の電位と前記第2の電位との差は、前記第2の電位と前記第3の電位との差よりも大きいことを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換装置。
- 前記制御手段の電位が前記第1の電位に変化してから前記第2の電位に変化するまでの期間と、前記制御手段の電位が前記第3の電位に変化してから前記第4の電位に変化するまでの期間と、は同じ長さであり、前記第1の電位と前記第2の電位との差は、前記第2の電位と前記第3の電位との差よりも小さいことを特徴とする請求項6または7に記載の光電変換装置。
- 前記第1の電位、前記第2の電位、前記第3の電位、前記第4の電位の順に電位を印加することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電変換装置。
- 前記制御手段に印加する電位を変化させ始めてから前記制御手段に印加する電位を変化させる期間の中間時点までの間に、前記第1の電位および前記第2の電位を印加し、
前記中間時点から前記制御手段に印加する電位を変化させ終わるまでの間に、前記第3の電位および前記第4の電位を印加することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記制御手段には、複数の抵抗と、複数のスイッチと、を含む電位制御手段が接続され、
前記電位制御手段に含まれる前記複数のスイッチのうちのオンする前記スイッチを制御することにより前記制御手段に印加する電位を変化させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 信号電荷と同じ第1極性のキャリアを多数キャリアとする第1導電型の第1半導体領域と、
第2極性のキャリアを多数キャリアとする第2導電型の第2半導体領域と、
前記信号電荷をアバランシェ増倍する前記第1導電型の第3半導体領域と、を備え、
前記第2半導体領域と前記第3半導体領域とには前記信号電荷をアバランシェ増倍するための逆バイアス電圧が印加され、
前記第1半導体領域と前記第3半導体領域との間に前記逆バイアス電圧よりも低い高さのポテンシャル障壁が形成され、
前記ポテンシャル障壁の高さを制御することにより、前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する制御手段を備え、
前記第1半導体領域の前記信号電荷を前記第3半導体領域に転送する期間において、前記制御手段に印加する電位を変化させ始めてから第1の時点までの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量と、前記第1の時点から前記印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量と、は異なることを特徴とする光電変換装置。 - 前記制御手段の電位を変化させ始めてから第1の時点までの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量は、前記第1の時点から前記印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の光電変換装置。
- 前記制御手段の電位を変化させ始めてから第1の時点までの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量は、前記第1の時点から前記印加する電位を変化させ終わるまでの単位時間当たりの前記制御手段の電位の変化量よりも小さいことを特徴とする請求項13に記載の光電変換装置。
- 前記第1の時点は、前記制御手段の電位を変化させる期間の中間時点であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の光電変換装置。
- 前記制御手段は、電位を制御する電位制御部を含み、
前記電位制御部は、複数の電流源を含み、
前記電流源がオンされる数を制御することにより電位を変化させることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記制御手段は、前記第2半導体領域に印加される電位を制御することにより、前記ポテンシャル障壁の高さを制御することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の光電変換装置。
- 前記制御手段が前記第2半導体領域に第4の電位を印加して前記ポテンシャル障壁を第1の高さとすることにより、前記第1半導体領域で前記信号電荷を蓄積する期間と、
前記制御手段の電位を変化させて前記ポテンシャル障壁を前記第1の高さより低くすることにより、前記第1半導体領域から前記第3半導体領域に信号電荷を転送する期間と、を備えることを特徴とする請求項18に記載の光電変換装置。 - 平面視で前記第2半導体領域と重なる領域にゲート電極が配されており、
前記ゲート電極に印加する電位を変化させることにより前記ポテンシャル障壁の高さを変えることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記アバランシェ増倍により生起するアバランシェ電流の生起回数をカウントする回路手段を備えることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の光電変換装置。
- 前記アバランシェ増倍により生起するアバランシェ電流を検知して波形を整形する波形整形部を備え、
前記回路手段は、前記波形整形部で検知されたアバランシェ電流の生起回数をカウントすることを特徴とする請求項21に記載の光電変換装置。 - 請求項1乃至22のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理部と、を有することを特徴とする光電変換システム。 - 移動体であって、
請求項1乃至22のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置からの信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と、を有することを特徴とする移動体。
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JP2019061555A JP2020161716A (ja) | 2019-03-27 | 2019-03-27 | 光電変換装置、光電変換システム、および移動体 |
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JP2023045838A (ja) * | 2021-09-22 | 2023-04-03 | キヤノン株式会社 | 光電変換装置 |
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2019
- 2019-03-27 JP JP2019061555A patent/JP2020161716A/ja active Pending
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