JP2020159372A - 温度式膨張弁、および、それを備える冷凍サイクルシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】温度式膨張弁において、配管内の冷媒の圧力変動等に起因した弁体の異音の発生を抑制でき、しかも、製造コストが嵩むことを回避できること。【解決手段】作動用伝達軸18Aの全長が、所定の寸法差Hで他の作動用伝達軸18B、および、18Cの全長に比して若干大に設定されているので弁体22が、貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cに対し平行な弁本体20の中心軸線CLに対し所定の傾斜角度θで弁体22の中心軸線が作動用伝達軸18Aの方向に傾けられるもの。【選択図】図1

Description

本発明は、温度式膨張弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムに関する。
冷凍サイクルシステムにおいては、冷媒の通過量が蒸発器の出口から排出された冷媒の温度変化に応じて制御される温度式膨張弁が使用されている。そのような温度式膨張弁は、例えば、特許文献1に示されるように、弁室に連通する弁ポートを通過する冷媒の流量を調整する弁を、本体の弁室内に備えている。その弁室は、入口に連通する管路に弁ポートを介して連通するとともに、出口に連通する管路に連通している。そのような弁は、キャピラリチューブを介して感温筒内に連通する本体の上部に形成される上方圧力室および下方圧力室を仕切るダイヤフラムの変位に応じて当金および連結棒を介して弁ポートから離隔する方向に押圧されるとともに、調整バネにより、弁ポートに近接する方向に付勢されている。その連結棒の上端面は、当金に当接し、連結棒の下端面は、弁の縁に当接している。斯かる構成において、蒸発器出口周辺部の冷媒温度の上昇により感温筒内に封入されたガスが膨張しガス圧力が上昇することで、上方圧力室内の圧力が高まりダイヤフラムが下降することにより当金および連結棒が下降せしめられる場合、上述の弁は、調整バネの付勢力に抗して弁ポートから離隔するので通過する冷媒の流量が増大する。一方、蒸発器出口周辺部の冷媒温度の下降により感温筒内に封入されたガスが収縮しガス圧力が低下することで、上方圧力室内の圧力が下がりダイヤフラムが上昇することにより当金および連結棒が上昇せしめられる場合、上述の弁は、調整バネの付勢力により弁ポートに近接するので通過する冷媒の流量が減少する。
上述のように、弁が調整バネにより支持されている温度式膨張弁においては、流体圧の変動等に起因して弁が振動し不快音が発生する場合がある。このような場合、例えば、特許文献2に示されるように、不快音の発生を抑制すべく、弁室を形成する内周面に摺接する弁鳴り防止羽根を、弁体に固着したものが提案されている。
特開平10−184982号公報 実公昭48−9685号
上述の冷凍サイクルシステムにおいて、例えば、往復動圧縮機の脈動に基づく配管内の冷媒の圧力変動等により、特許文献1に示されるような、温度式膨張弁における弁体が弁ポートの周縁に繰り返し衝突し、異音(振動音)の発生の原因となる場合がある。このような場合、特許文献2に示されるような、弁鳴り防止羽根を弁体に適用することも考えられる。しかしながら、温度式膨張弁における部品点数の増大、および、製造コストが嵩むという問題を伴うので得策とは言えない。
以上の問題点を考慮し、本発明は、温度式膨張弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムであって、配管内の冷媒の圧力変動等に起因した弁体の異音の発生を抑制でき、しかも、製造コストが嵩むことを回避できる温度式膨張弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る温度式膨張弁は、冷媒を蒸発器に供給する配管に配され、冷媒を導く流路を有する弁本体と、流路に形成される弁座の弁ポートに対し近接または離隔可能に弁本体の弁体収容部に配される弁体と、弁体を弁座の弁ポートに対し近接する方向に付勢する付勢手段と、を含み、弁ポートの開口面積を制御する弁体機構部と、弁本体に配され、ダイアフラムおよび外郭部材により形成される作動圧力室であって蒸発器の出口周辺部の冷媒温度に基づく作動圧力室内の圧力に応じてダイアフラムに連動する作動用伝達軸を介して弁体機構部を駆動させる弁体機構駆動ユニットと、を備え、弁体機構駆動ユニットは、作動用伝達軸の一端部に当接する弁体の軸線の弁本体の中心軸線に対する傾斜角度を制御する傾斜角制御機構を有することを特徴とする。
傾斜角制御機構は、互いに全長の異なる複数本の作動用伝達軸を有するものでもよく、また、傾斜角制御機構は、全長が同一の複数本の作動用伝達軸と、作動用伝達軸の他端と前記ダイアフラムとの間に配される当金とを備え、当金における各作動用伝達軸の他端に当接される部分の厚さが、互いに異なるものでもよい。さらに、弁体は、弁座の弁ポート内に先端が挿入される先細部を有し、スプリング受けを介して付勢手段により付勢されてもよい。
本発明に係る冷凍サイクルシステムは、蒸発器と、圧縮機、および、凝縮器とを備え、上述の温度式膨張弁が、凝縮器の出口と蒸発器の入口との間に配される配管に設けられることを特徴とする。
本発明に係る温度式膨張弁、および、それを備える冷凍サイクルシステムによれば、弁体機構駆動ユニットは、作動用伝達軸の一端部に当接する弁体の軸線の弁本体の中心軸線に対する傾斜角度を制御する傾斜角制御機構を有するので弁体が傾斜することにより、作動用伝達軸の外周面と弁本体における作動用伝達軸が挿入される孔との摺動抵抗が増すので配管内の冷媒の圧力変動等に起因した弁体の振動による異音の発生を抑制でき、しかも、製造コストが嵩むことを回避できる。
本発明に係る温度式膨張弁の一例における要部を部分的に拡大して示す部分断面図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 図1に示される例における弁本体における作動用伝達軸の配置を示す図1におけるIII−III線に沿った断面図である。 本発明に係る温度式膨張弁の一例の構成を示す断面図である。 本発明に係る温度式膨張弁の一例が適用される冷凍サイクルシステムの構成を概略的に示す図である。 本発明に係る温度式膨張弁の他の一例の構成を示す断面図である。 図6に示される例における一部を部分的に拡大して示す部分断面図である。 図7における矢印VIIIの示す方向に沿って示される当金の矢視図である。 図6に示される例において用いられる当金の他の変形例を示す平面図である。 図6に示される例において用いられる当金の他の変形例を示す平面図である。
図4は、本発明に係る温度式膨張弁の一例の構成を示す。
温度式膨張弁10は、例えば、図5に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器4の出口と蒸発器6の入口との間に配置されている。温度式膨張弁10は、後述する弁本体20(図4参照)の入口ポート20P1で、一次側配管Du2に接続されており、冷媒が流出される弁本体20の出口ポート20P2で二次側配管Du3に接続されている。一次側配管Du2は、凝縮器4の出口と温度式膨張弁10の弁本体20の入口ポート20P1とを接続し、二次側配管Du3は、蒸発器6の入口と温度式膨張弁10の弁本体20の出口ポート20P2とを接続するものとされる。蒸発器6の出口と凝縮器4の入口との間には、配管Du4およびDu1を介して圧縮機2が接続されている。配管Du4の一端は、圧縮機2の吸入口に接続されている。圧縮機2の吐出口に接続される配管Du1の一端は、凝縮器4の入口に接続されている。圧縮機2は、図示が省略される制御部により駆動制御される。これにより、冷凍サイクルシステムにおける冷媒が、例えば、図5に示される矢印に沿って循環されることとなる。
図4において、温度式膨張弁10は、一次側配管Du2および二次側配管Du3に接続される弁本体20と、弁本体20のヘッド部20Hに取り付けられ弁本体20内の弁体機構を駆動させる弁体機構駆動ユニット12とを主な要素として含んで構成されている。
弁本体20は、例えば、黄銅等の金属材料で作られ、後述する弁体機構駆動ユニット12が固定されるヘッド部20Hと、調整ねじ28等を収容する下部20Lと、弁体等を収容する弁体収容室20Aを形成する中間部20Bとから構成されている。
中間部20Bにおける外郭部の内部には、入口ポート20P1に連通する連通路20CP1と、出口ポート20P2に連通する連通路20CP2とが、弁本体20の中心軸線に対し直交するように形成されている。連通路20CP1の一端は、弁体収容室20Aの一部を形成する弁座20Vの弁ポート20Vaに対し開口している。連通路20CP2の一端は、弁体収容室20A内に開口し弁体22に向き合っている。弁体収容室20Aには、図1に部分的に拡大されて示されるように、円錐状の先細部22PAを有する弁体22が移動可能に配されている。
弁体22は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で作られ、弁ポート20Va内に先端が挿入される先細部22PAと、後述する複数の作動用伝達軸(連結棒)18A〜18Cの下端が当接され先細部22PAの裾部から外方に張り出す張出部22Fと、張出部22Fに連なり先細部22PAの中心軸線と共通の中心軸線上に形成される係合端部22PBとから形成されている。先端に丸みを有する係合端部22PBは、スプリング受け24の凹部内に挿入され凹部を形成する湾曲面部に係合されている。係合端部22PBの先端の丸みの半径は、スプリング受け24の湾曲面部の曲率半径よりも小に設定されている。
弁体22は、スプリング受け24を介して付勢手段としてのコイルスプリング26の付勢力により、弁ポート20Vaに近接する方向に付勢されている。コイルスプリング26は、スプリング受け24と調整ねじ28の窪みの底部との間に配されている。コイルスプリング26の一端は、スプリング受け24に支持され、コイルスプリング26の他端は、調整ねじ28の窪みの底部に支持されている。調整ねじ28の雄ねじ部は、下部20Lの内周部に形成される雌ねじ部に捩じ込まれている。調整ねじ28の雄ねじ部の先端部には、例えば、皿ばね、板ばね、および、パッキンからなるシールユニットが設けられている。また、下部20Lにおける調整ねじ28よりも下方部分の開口端は、着脱可能なキャップ30により閉塞されている。また、下部20Lの内周部の調整ねじ28とキャップ30の上端との間の溝には、止め輪が固定されており、キャップ30を外して調整ねじ28を調整する際に、調整ねじ28のストッパとして機能し、調整ねじ28の脱落防止の役目をしている。
弁本体20におけるヘッド部20Hには、弁体機構駆動ユニット12が取り付けられている。弁体機構駆動ユニット12は、感温筒16内にキャピラリチューブ14を介して連通する上蓋12Uと、ヘッド部20Hに固定される円筒状の基部を有し、内部空間を上蓋12Uと協働して形成する下蓋12Lと、上蓋12Uと下蓋12Lとにより形成される内部空間に配される金属製のダイアフラム12Dと、ダイアフラム12Dにおける下蓋12Lに向き合う表面に当金12Fを介して付勢される複数の作動用伝達軸(連結棒)18A,18B、および、18Cと、を含んで構成されている。
感温筒16は、上述の蒸発器6の出口に接続される配管Du4における外周部に当接し配管Du4に支持されている。
上蓋12Uは、例えば、金属材料でプレス加工により成形され、中央部に突起部を有する円板部と、円板部の周縁に形成され下蓋12Lの周縁の接合部と接合される接合部とから構成されている。突起部における所定の位置には、後述する作動圧力室12A内に連通するキャピラリチューブ14の一端が接続されている。
上蓋12Uと下蓋12Lとの間の内部空間を仕切るダイアフラム12Dの周縁は、上蓋12Uの接合部と下蓋12Lの接合部とにより挟持され溶接されている。これにより、作動圧力室12Aが、ダイアフラム18と上蓋12Uの内周部とにより囲まれて形成される。また、弁体機構駆動ユニット12における上蓋12Uおよび下蓋12Lによって、外郭部が形成される。
以上により、感温筒(感温部)16が、蒸発器6の出口周辺部に配置されているので、蒸発器6の出口周辺部の冷媒温度に基づいた感温筒(感温部)16内の圧力がキャピラリチューブ14を通じて作動圧力室12Aに供給されることとなる。
ダイアフラム12Dの中央部に設けられる一様な厚さを有する当金12Fを介して連動される複数の作動用伝達軸18A、18B、18Cは、それぞれ、その中心軸線がダイアフラム12Dの受圧面に対し略垂直となるように配置されている。当金12Fの中央の孔には、ヘッド部20Hの中心軸線上に形成される軸部20Tが挿入されている。複数の作動用伝達軸18A、18B、18Cの一端は、当金12Fの表面に所定の圧力(スプリングの荷重)で当接されている。
作動用伝達軸18A、18B、および、18Cは、それぞれ、図3に示されるように、弁ポート20Vaの回りに120°間隔で弁本体20のヘッド部20Hに形成される貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cに昇降動可能に挿入されている。貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cの一端は、それぞれ、当金12Fが配される下蓋12Lの内周部により形成される小部屋に開口し、貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cの他端は、それぞれ、弁体収容室20Aに開口している。貫通孔12b、および、貫通孔12cの相互間には、弁体収容室20Aと上述の小部屋とを連通させる均圧孔12dが形成されている。
作動用伝達軸18A、18B、および、18Cは、互いに同一の直径を有している。また、作動用伝達軸18Aの軸線方向に沿った全長は、例えば、0.05mm以上0.1mm以下の範囲(以下、寸法差Hともいう)で作動用伝達軸18Bおよび18Cの全長に比して大に設定されている。さらに、作動用伝達軸18Aの軸線方向に沿った全長は、例えば、好ましくは、0.05mm以上0.38mm以下、さらに好ましくは、0.06mm以上0.22mm以下の範囲で作動用伝達軸18Bおよび18Cの全長に比して大に設定されている。
弁体収容室20A内に突出する作動用伝達軸18A、18B、および、18Cの下端部は、それぞれ、図1に部分的に拡大されて示されるように、上述の弁体22の張出部22Fに当接している。その際、上述したように、作動用伝達軸18Aの全長が、所定の寸法差Hで他の作動用伝達軸18B、および、18Cの全長に比して若干大に設定されているので弁体22が、貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cに対し平行な弁本体20の中心軸線CLに対し所定の傾斜角度θで弁体22の中心軸線が作動用伝達軸18Aの方向に傾けられる。傾斜角度θは、例えば、0.45°以上3.5°以下の範囲となる。また、傾斜角度θは、弁体22の振動音の発生防止および弁ポート20Vaからの漏れ出しの抑制の観点から例えば、0.5°以上2.0°以下の範囲が、好ましい。このように、図2に示されているように、弁体22の中心軸線が所定の傾斜角度θで傾けられることにより、スプリング受け24および弁体22の係合端部22PBを介して作用されるコイルスプリング26からの弁本体20の中心軸線CLに沿った付勢力F1とともに、作動用伝達軸18Aの端部の反作用力F2が、付勢力F1の方向に対し傾斜角度θで弁体22に作用することにより、作動用伝達軸18Aの外周面(図1における摺動領域SSA参照)の一部を貫通孔12aの内周面の一部に押し付ける方向に作用する力F3が作用することとなる。これにより、作動用伝達軸18Aの外周面および貫通孔12aの内周面相互間の摺動抵抗が増大するので弁体22における軸線方向の振動が抑制される。
なお、上述の例においては、作動用伝達軸18Aの全長が所定の寸法差Hで他の作動用伝達軸18B、および、18Cの全長に比して若干大に設定されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、作動用伝達軸18の全長が所定の寸法差Hで他の作動用伝達軸18B、および、18Cの全長に比して若干小に設定されてもよい。また、作動用伝達軸18A、作動用伝達軸18B、および、作動用伝達軸18Cの全長が所定の寸法差Hで互いに異なるように設定されてもよい。
図6は、本発明に係る温度式膨張弁の他の一例の構成を示す。
図6に示される温度式膨張弁も、例えば、図5に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器4の出口と蒸発器6の入口との間に配置されている。
図4に示される温度式膨張弁の一例においては、作動用伝達軸18Aの全長が所定の寸法差Hで他の作動用伝達軸18B、および、18Cの全長に比して若干大に設定されることにより、作動用伝達軸18Aの外周面および貫通孔12aの内周面相互間の摺動抵抗を増大するように構成されているのに対し、一方、図6に示される例においては、作動用伝達軸38A、38B、および、38Cの全長が互いに同一であり、当金40の厚さが全体的に一様ではなく、部分的に厚さが異なるものとされる。
なお、図6および図7において、図4に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
温度式膨張弁は、一次側配管Du2および二次側配管Du3に接続される弁本体20と、弁本体20のヘッド部20Hに取り付けられ弁本体20内の弁体機構を駆動させる弁体機構駆動ユニット12とを主な要素として含んで構成されている。
弁本体20におけるヘッド部20Hには、弁体機構駆動ユニット12が取り付けられている。弁体機構駆動ユニット12は、感温筒16内にキャピラリチューブ14を介して連通する上蓋12Uと、ヘッド部20Hに固定される円筒状の基部を有し、内部空間を上蓋12Uと協働して形成する下蓋12Lと、上蓋12Uと下蓋12Lとにより形成される内部空間に配される金属製のダイアフラム12Dと、ダイアフラム12Dにおける下蓋12Lに向き合う表面に当金40を介して付勢される複数の作動用伝達軸38A,38B、および、38Cと、を含んで構成されている。
ダイアフラム12Dの中央部に設けられる当金40を介して連結される複数の作動用伝達軸38A、38B、38Cは、それぞれ、その中心軸線がダイアフラム12Dの受圧面に対し略垂直となるように配置されている。当金40の中央の孔には、ヘッド部20Hの中心軸線上に形成される軸部20Tが挿入されている。
作動用伝達軸38A、38B、および、38Cは、それぞれ、図8に示されるように、軸部20Tの回りに120°間隔で弁本体20のヘッド部20Hに形成される貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cに昇降動可能に挿入されている。貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cの一端は、それぞれ、当金40が配される下蓋12Lの内周部により形成される小部屋に開口し、貫通孔12a、貫通孔12b、および、貫通孔12cの他端は、それぞれ、弁体収容室20Aに開口している。
作動用伝達軸38A、38B、および、38Cは、互いに同一の直径、および、全長を有している。作動用伝達軸38A、38B、および、38Cの一端は、それぞれ、ヘッド部20Hの端面に向き合う当金40の表面に当接されている。
円板状の当金40におけるヘッド部20Hの端面に向き合う部分は、図7および図8に示されるように、作動用伝達軸38Aの一端が当接される第1の部分40Hと、作動用伝達軸38Bおよび作動用伝達軸38Cの一端が当接される略半円状の第2の部分40Tとから構成されている。部分40Hの厚さW1は、部分40Tの厚さW2に比して大に設定されている。第1の部分40Hと第2の部分40Tとの境界部分には、段差部40BLが形成されている。組立時に当金40の回転方向位置を一回決めて組み込めば、当金40が一方向に回転しても、作動用伝達軸38Bおよび作動用伝達軸38Cの外周面の一端が段差部40BLに当接し、段差部40BLを乗り越えて回転する事はない為、弁体22の傾き方向は、一定である。
斯かる構成においても、作動用伝達軸38Aの外周面の一部を貫通孔12aの内周面の一部に押し付ける方向に作用する力が作用することとなる。これにより、作動用伝達軸38Aの外周面および貫通孔12aの内周面相互間の摺動抵抗が増大するので弁体22における軸線方向の振動が抑制される。
当金40は、上述の例に限られることなく、例えば、図9に示されるように、円板状の当金42におけるヘッド部20Hの端面に向き合う部分が、作動用伝達軸38Aおよび38Cの一端が当接される第1の部分42Hと、作動用伝達軸38Bの一端が当接される第2の部分42Tとから構成されてもよい。部分42Hの厚さW1は、部分42Tの厚さW2に比して大に設定されている。第1の部分42Hと第2の部分42Tとの境界部分には、段差部42BLが形成されている。組立時に当金42の回転方向位置を一回決めて組み込めば、当金42が一方向に回転しても、作動用伝達軸38Bの外周面の一端が段差部42BLに当接し、段差部42BLを乗り越えて回転する事はない為、弁体22の傾き方向は一定である。
斯かる構成においても、作動用伝達軸38Aおよび38Cの外周面の一部を貫通孔12aおよび12cの内周面の一部に押し付ける方向に作用する力が作用することとなる。これにより、作動用伝達軸38Aおよび38Cの外周面および貫通孔12aおよび12cの内周面相互間の摺動抵抗が増大するので弁体22における軸線方向の振動が抑制される。
さらに、例えば、図10に示されるように、円板状の当金44におけるヘッド部20Hの端面に向き合う部分が、作動用伝達軸38Aの一端が当接される第1の部分44Hと、作動用伝達軸38Cの一端が当接される第2の部分44T1と、作動用伝達軸38Bの一端が当接される第3の部分44T2と、から構成されてもよい。第1の部分44Hの厚さW1は、第2の部分44T1および第3の部分44T2の厚さW2および厚さW3に比して大に設定されている。第2の部分44T1の厚さW2は、第3の部分44T2の厚さW3に比して大に設定されている。第1の部分44Hと第2の部分44T1との境界部分には、段差部44BL1が形成されている。また、第3の部分44T2と第1の部分44Hおよび第2の部分44T1との境界部分には、段差部44BL2が形成されている。組立時に当金44の回転方向位置を一回決めて組み込めば、当金44が一方向に回転しても、作動用伝達軸38Bの外周面の一端が段差部44BL2に当接し、段差部44BL2を乗り越えて回転する事はない為、弁体22の傾き方向は一定である。
斯かる構成においても、作動用伝達軸38Aの外周面の一部を貫通孔12aの内周面の一部に押し付ける方向に作用する力が作用することとなる。これにより、作動用伝達軸38Aの外周面および貫通孔12aの内周面相互間の摺動抵抗が増大するので弁体22における軸線方向の振動が抑制される。
従って、上述の例においては、弁体22が傾くことで、弁体22から作動用伝達軸に、弁本体の中心軸線に対し交差する方向に弁体に力が作用するので作動用伝達軸の外周面と弁本体の孔の内周面との間の摺動抵抗が増し、弁体の弁本体の中心軸線方向の振動が抑制される。また、温度膨張弁における部品点数を増やすことなく、弁体22が弁座に繰り返し衝突するのを防止でき、弁体22の振動による異音の発生を無くすことができ、その結果、製造コストを抑えたまま、静音性が得られる。さらに、弁体22の振動により、弁ポート20Vaが磨耗し、弁漏れ、流量特性が変化してしまうことも防止できる。
なお、上述の実施例では、複数の作動用伝達軸(連結棒)18A、18B、18C、38A,38B、38Cについては、弁ポート20Vaの回りに均等な120°間隔で、弁ポート20Vaと同心円上にある各貫通孔12a、12b、12cに配置された3本の作動用伝達軸(連結棒)として全て説明してきたが、複数本としては、3本に限るものではなく、弁ポート20Vaの回りに均等な間隔で、弁ポート20Vaと同心円上にある各貫通孔に配置された2本以上の作動用伝達軸(連結棒)でもよい。但し、2本の作動用伝達軸(連結棒)である場合、弁体22が、少々不安定の為、特に、弁体22の安定性が良い3本以上の作動用伝達軸(連結棒)であることが好ましい。また、複数本でなくても、本体の中心に1本の作動用伝達軸(連結棒)でもよい。1本の場合、弁体を傾ける方法としては、一般的な様々な方法が考えられる。例えば、偏芯形状の弁体使用や、異形ばね受け、異形作動用伝達軸なども含まれる。
上述の説明では、図5に示される冷凍サイクルシステム図を含め、本発明に係る温度式膨張弁における全ての実施例に適用された温度式膨張弁は、内部均圧式の感温筒付きの温度式膨張弁で、詳述してきたが、必ずしも内部均圧式の感温筒付きの温度式膨張弁に限られるものではなく、例えば、外部均圧菅により蒸発器の後の圧力を検出する外部均圧式の感温筒付きの温度式膨張弁に、本発明を適用してもよい。また、感温筒とキャピラリチューブが無い車用の外部均圧式のフランジ式の温度式膨張弁に、本発明を適用してもよい。
以上、本発明の実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、当業者による本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明の範囲に含まれる。
10 温度式膨張弁
12 弁体機構駆動ユニット
12D ダイアフラム
12F、40,42、44 当金
14 キャピラリチューブ
16 感温筒
18A、18B、18C、38A,38B、38C 作動用伝達軸
20 弁本体
20A 弁体収容室
22 弁体
26 コイルスプリング

Claims (5)

  1. 冷媒を蒸発器に供給する配管に配され、該冷媒を導く流路を有する弁本体と、
    前記流路に形成される弁座の弁ポートに対し近接または離隔可能に前記弁本体の弁体収容部に配される弁体と、該弁体を弁座の弁ポートに対し近接する方向に付勢する付勢手段と、を含み、弁ポートの開口面積を制御する弁体機構部と、
    前記弁本体に配され、ダイアフラムおよび外郭部材により形成される作動圧力室であって前記蒸発器の出口周辺部の冷媒温度に基づく作動圧力室内の圧力に応じて該ダイアフラムに連動する作動用伝達軸を介して前記弁体機構部を駆動させる弁体機構駆動ユニットと、を備え、
    前記弁体機構駆動ユニットは、前記作動用伝達軸の一端部に当接する弁体の軸線の前記弁本体の中心軸線に対する傾斜角度を制御する傾斜角制御機構を有することを特徴とする温度式膨張弁。
  2. 前記傾斜角制御機構は、互いに全長の異なる複数本の作動用伝達軸を有することを特徴とする請求項1記載の温度式膨張弁。
  3. 前記傾斜角制御機構は、全長が同一の複数本の作動用伝達軸と、該作動用伝達軸の他端と前記ダイアフラムとの間に配される当金とを備え、該当金における各作動用伝達軸の他端に当接される部分の厚さが、互いに異なることを特徴とする請求項1記載の温度式膨張弁。
  4. 前記弁体は、前記弁座の弁ポート内に先端が挿入される先細部を有し、スプリング受けを介して付勢手段により付勢されることを特徴とする請求項2または請求項3記載の温度式膨張弁。
  5. 蒸発器と、圧縮機、および、凝縮器とを備え、
    請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の温度式膨張弁が、前記凝縮器の出口と前記蒸発器の入口との間に配される配管に設けられることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
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