JP2020153427A - 減速装置、減速装置の腐食防止方法、潤滑剤、潤滑剤の製造方法および添加剤 - Google Patents

減速装置、減速装置の腐食防止方法、潤滑剤、潤滑剤の製造方法および添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、潤滑油の劣化を抑制できる減速装置を提供する。【解決手段】潤滑剤が封入された減速装置101であって、減速装置101は、潤滑剤と接する部分に金属から構成される金属部材を有し、潤滑剤は、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とする、減速装置101を提供する。本発明の減速装置101によれば、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を保持しているため、潤滑剤と接触する金属部材から金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する物質により金属イオンの作用を低減され、潤滑剤の劣化を抑制し、ひいては金属部材の腐食を抑制することができるという作用効果を奏する。【選択図】図2

Description

本発明は、減速装置、減速装置の腐食防止方法、潤滑剤、潤滑剤の製造方法および添加剤に関するものである。
減速装置などの機械には、潤滑油が収容されており、摺動部に生じる摩擦を軽減している。潤滑油は、鉄粉などの汚染物質により劣化することが知られており、潤滑油の劣化を抑制する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、直交減速装置において、潤滑油の温度上昇に起因した劣化を抑制するために、潤滑油を収容するための空間を大きくする手段や、冷却風により冷却することにより潤滑油の温度の上昇を抑制する手段などが開示されている。
特開2003−113908号公報
しかしながら、従来の潤滑油の劣化抑制方法には改善の余地があった。
そこで、本発明の課題は、潤滑油の劣化を抑制できる減速装置を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、潤滑油が封入される装置(例えば、減速装置)の金属部品から潤滑油中に溶け出した金属イオンが触媒として作用し、潤滑油が酸化劣化していることを見出した。さらに、潤滑油の酸化劣化により腐食性物質が発生し、当該腐食性物質により、金属部材が腐食され、その結果、潤滑油の漏れ等の問題が引き起こされていることを見出した。そこで、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を使用することにより、潤滑油の酸化劣化、ひいては金属部材の腐食を抑制できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の減速装置、減速装置の腐食抑制方法、潤滑剤、潤滑剤の製造方法、添加剤である。
上記課題を解決するための本発明の減速装置は、潤滑剤が封入された減速装置であって、減速装置は、潤滑剤と接する部分に金属から構成される金属部材を有し、潤滑剤は、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とする。
本発明の減速装置によれば、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を保持しているため、潤滑剤と接触する金属部材から金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する物質により金属イオンの作用を低減され、潤滑油の酸化劣化、ひいては金属部材の腐食を抑制することができるという作用効果を奏する。これにより、例えば潤滑剤の漏れを抑制できる。
また、上記課題を解決するための本発明の減速装置の腐食抑制方法は、潤滑剤が封入された減速装置の腐食抑制方法であって、潤滑剤に、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を添加するステップと、減速装置の金属から構成される金属部材に対して、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を接触させるステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の減速装置の腐食抑制方法によれば、潤滑剤に、金属イオンを捕捉する物質を添加し、この潤滑剤を金属部材に接触させるため、潤滑剤と接触する金属部材から金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する物質により金属イオンの作用を低減され、潤滑油の酸化劣化、ひいては金属部材の腐食を抑制することができる。
また、上記課題を解決するための本発明の潤滑剤は、潤滑油、及び、金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とする。
この潤滑剤によれば、金属部材からなる摺動部を有する種々の装置において、摺動部の摩擦を抑制しつつ、さらには、潤滑油の劣化、ひいては潤滑剤と接触する金属部材の腐食を抑制することができる。
また、上記課題を解決するための本発明の潤滑剤の製造方法は、潤滑油に金属イオンを捕捉する物質を添加するステップを備えることを特徴とする。
この潤滑剤の製造方法によれば、潤滑油に、金属イオンを捕捉する物質を添加するため、潤滑剤と接触する金属部材から金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する物質により金属イオンの作用を低減し、潤滑油の劣化、ひいては金属部材の腐食を抑制することができる潤滑剤を提供することができる。
また、上記課題を解決するための本発明の添加剤は、潤滑剤に添加する添加剤であって、前記添加剤は、金属イオンを捕捉する物質であることを特徴とする。
この添加剤によれば、潤滑油に添加することにより、潤滑油の劣化、ひいては減速装置等の種々の装置の金属部材の腐食を抑制することが可能な潤滑剤を得ることができる。
本発明によると、潤滑油の劣化を抑制できる減速装置を提供することができる。
本発明の第1の実施態様に係る減速装置を備える産業ロボットの概略説明図である。 本発明の第1の実施態様に係る減速装置の概略説明図である。 本発明の第2の実施態様に係る減速装置の概略説明図である。
[減速装置]
本発明の減速装置は、潤滑剤が封入された減速装置であって、減速装置は、潤滑剤と接する部分に金属から構成される金属部材を有し、潤滑剤は、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とするものである。
本発明の減速装置は、潤滑油と接触する金属部材の腐食の原因として、潤滑油に含まれる金属イオンが金属部材の腐食を促進しているとの知見に基づいて発明されたものであり、潤滑油に含まれる金属イオンを捕捉するというものである。より具体的には、減速装置の金属部材から潤滑油中に溶け出した金属イオンが触媒として作用し、潤滑油を酸化劣化させていることを見出した。そして、潤滑油の酸化劣化により腐食性物質が生成され、金属部材が腐食されていることを見出した。さらに、例えば、金属部材としての軸とオイルシールとの接触部分が腐食されることにより、潤滑油漏れが発生していたことを見出した。一方、従前の技術では、潤滑油に含まれる鉄粉などの粒子に着目して、これをろ過等で取り除くという処理を行っていたため金属イオンが除去されていなかった。本発明の減速装置によれば、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を保持しているため、潤滑剤と接触する金属部材から金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する物質により金属イオンの作用を低減され、潤滑油の酸化劣化、ひいては金属部材の腐食を抑制することが可能である。その結果、金属部材の腐食に起因した潤滑剤漏れも抑制できる。
減速装置は、歯車等で動力の回転速度を減じて出力する機械装置である。出力としては、歯数比やプーリー比などの減速比に比例したトルクを得ることができる。減速装置は、主に原動機の出力軸に用いられるが、自動車の最終減速機のように、変速機の後段に用いる場合もある。また、産業用、鉄道車両用などでは、モータと組み合わせている場合が多い。その他、船舶のスクリュープロペラや航空機のプロペラ駆動にも利用されている。
本発明の減速装置は、金属部材を有し、封入された潤滑剤と金属部材が接触するものであれば、特に制限されない。例えば、平行軸歯車減速機やヘリカル減速機などの平行軸型減速装置、ウォーム減速機やベベルギア減速機やハイポイド減速機などの直交軸型減速装置、遊星歯車減速機や波動歯車減速機やサイクロイドドライブなどの同芯軸型減速装置、ローラ減速機などのトラクションドライブ型減速装置などが挙げられる。
[潤滑剤]
本発明の潤滑剤は、潤滑油の劣化を抑制するため、ひいては金属部材の腐食を抑制するための潤滑剤であって、潤滑油、及び、金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とするものである。つまり、本明細書においては、部材同士の摺動部における摩擦や摩耗の抑制、あるいは発熱の抑制のための潤滑成分を有し、金属イオンを捕捉する物質を含まないものを「潤滑油」と表現し、当該潤滑油に金属イオンを捕捉する物質を添加剤として添加したものを「潤滑剤」と表現している。
この潤滑剤によれば、金属部材からなる摺動部を有する種々の装置において、摺動部の摩擦や摩耗を抑制しつつ、さらには、潤滑油の劣化を抑制し、ひいては潤滑剤と接触する金属部材の腐食を抑制することができる。つまり、本発明の潤滑剤が適用できる装置は、減速装置に限られるものではなく、潤滑剤と接触する金属部材を有する各種装置に適用可能である。例えば、金属製の軸受を有する装置、金属製のロッドを有するシリンダ装置、ボールネジ装置などにも適用可能である。
(潤滑油)
潤滑油は、例えば減速装置の歯車や軸受など、機械装置の摺動部を効率よく潤滑するための油である。潤滑油としては、公知のオイルやグリースを採用可能であるが、これに限定されるものではない。潤滑油としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油、動物油に大別される。鉱物油は、石油の精製により得られる潤滑油であり、例えば、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油などが挙げられる。合成油は、化学合成により得られた潤滑油であり、例えば、ポリアルファオレフィン、アルファオレフィンオレゴマー、ポリブデン、アルキルベンゼン、シクロアルカン類などの炭化水素系合成油、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エステルなどのエステル系合成油、ポリグリコール、フェニルエーテルなどのエーテル系合成油、ハロカーボンなどのフッ素系合成油などが挙げられる。植物油は、植物由来の潤滑油であり、例えば、パーム油、菜種油、ヒマシ油、大豆油、亜麻仁油、ヒマワリ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、コメ油、トウモロコシ油、又はこれらの分別油、硬化油、エステル交換油などの植物油脂、ポリオキシアルキレン化油脂、塩素化油、硫化油、重合油、ワックス、脂肪酸、脂肪酸誘導体、セッケン、エステル化油、アミド化油、ポリオキシアルキレン付加体などが挙げられる。動物油は、動物由来の潤滑油であり、例えば、牛脂、豚脂、羊脂、鯨油、イワシ油、ニシン油、乳脂などが挙げられる。
(金属イオンを捕捉する物質)
金属イオンを捕捉する物質は、金属イオンを捕捉して、その作用を低減するものであれば、特に限定されない。ここで、金属イオンとは、減速機の金属部材から潤滑油に溶解するものであり、例えば、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、鉛(II)イオン、アルミニウムイオン、銅(II)イオン、ニッケルイオン、クロム(III)イオン、亜鉛イオン、スズ(II)イオン、スズ(IV)イオン、マンガン(II)イオン、マンガン(IV)イオンなどが挙げられる。
金属イオンを捕捉する物質としては、一例としては、以下の化学式(1)に記載の化合物である。
式中、R〜R12は水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。
炭素原子数1〜30の炭化水素基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等を含む官能基、又は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含む連結基を、炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよい。
炭化水素基は、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基等のいずれであってもよく、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)のそれぞれを有していてもよい。
官能基としては、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、スルホン酸基(−SO3H)フッ素原子(−F)、塩素原子(−Cl)、臭素原子(−Br)、ヨウ素原子(−I)、メルカプト基(−SH)アルコキシ基等が挙げられる。
連結基としては、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、オキシカルボニル基(−OC(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)O−)、アミド基(−NHCO−)、チオエーテル基(−S−)等が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、ベンジル基、ビニル基、アリル基(−CHCH=CH)等が挙げられる。
上記化学式(1)に金属イオン(M)が捕捉された状態を、以下の化学式(2)に示す。
金属イオンを捕捉する物質としては、より具体的には、以下の化学式(3)、化学式(4)に記載の化合物である。
また、金属イオンを捕捉する物質としては、その他にも、例えば、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)カリウムなどのヘキサシアノ鉄塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムなどのチオシアン酸塩、フェナントロリン、エチレンジアミン四酢酸、ビピリジンなどが挙げられる。
潤滑剤中における金属イオンを捕捉する物質の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.01〜20質量%である。下限値としては、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上である。上限値としては、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下である。
(その他成分)
本発明の潤滑油は、その他の成分として、例えば、清浄分散剤、酸化防止剤、耐荷重添加剤、さび止め剤、腐食防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、乳化剤、抗乳化剤、カビ防止剤、増稠剤などを添加してもよい。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る減速装置の実施態様を詳細に説明する。また、この実施態様は、本発明に係る減速装置を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
〔第1の実施態様〕
図1は、第1の実施態様に係る減速装置を備える産業ロボット100の概略説明図である。
本発明の産業ロボット100は、基部1と、基部1の上に設置され、垂直軸対して旋回可能な旋回台2と、旋回台2から順に連結された第1アーム部3、第2アーム部4及び第3アーム部5と、第3アーム部5の先端に取り付けられた把持部6を有する構成である。また、旋回台2と第1アーム部3の間には第1関節部7、第1アーム部3と第2アーム部4の間には第2関節部8、第2アーム部4と第3アーム部5の間には第3関節部9、第3アーム部5と把持部6の間には第4関節部10を備え、各関節部において、アームが屈折又は回動することができる。
図2は、本発明の第1の実施態様に係る減速装置101の概略説明図である。減速装置101は、第1アーム3の屈折動作を行う第1関節部7に設けられたものである。なお、減速装置は、図1の産業用ロボット100の各関節に適用されるものである。
図2に示すように、減速装置101は、偏心揺動型の減速装置であり、第1ケース部22と第2ケース部23により形成されたケーシングの内部に本体25を備え、ケーシングの外部には、本体25の本体軸26と同軸方向にモータ21が設置されている。本体25外面とケーシングの内面は軸受27a及び27bを介して相対回転自在に支持されており、本体25は、ケーシングの内部で本体軸26を中心に回転可能である。
モータ21は、モータ軸24をケーシングの内部に挿入して取り付けられている。モータ軸24の先端には、歯車28aを備えており、歯車28aは、後述するクランク軸29の一端に固定された歯車28bと噛み合うように設置される。なお、クランク軸29は、本体25の本体軸26の周囲に3か所設けられている。
モータ軸24の歯車28aとクランク軸29の歯車28bは、ケーシングとモータ21と本体25により形成された空間に配置される。また、ケーシングとモータ21との間には、シール部33が設けられ、ケーシングと本体部25との間には、シール部32が設けられ、ケーシングの内部の空間は密閉された空間となる。この空間の内部には、金属イオンを捕捉する化合物を含む潤滑剤を充填するための潤滑剤保持部34が形成されている。
クランク軸29は、本体軸26と平行に本体25に挿入されており、本体25とクランク軸29の間には2つの軸受が設置され、クランク軸29は回転可能に取り付けられている。また、クランク軸29に設けられた偏心部の外周には、軸受を介して外歯歯車30が配置されており、外歯歯車30は、ケーシングに固定された内歯歯車31と噛み合うように設置されている。そして、内歯歯車31と外部歯車30の設置された空間は、金属イオンを捕捉する化合物を含む潤滑剤を充填するための潤滑剤保持部35が形成されている。
モータ21によりモータ軸24が回転すると、歯車28aと歯車28bにより、モータ21の駆動力がクランク軸29に伝達され、クランク軸29が回転する。次に、クランク軸29が回転すると、外歯歯車30と内歯歯車31が噛み合うことにより本体25が回転する。これにより、本体25に固定された第1アーム部3に対して屈折動作を起こすことができる。
本発明の減速装置101は、潤滑剤保持部34及び35には、金属イオンを捕捉する化合物を含む潤滑剤を備える。そのため、ケーシングや本体25、歯車28a及び歯車28b、クランク軸29、外歯歯車30、内歯歯車31、軸受27a、27bなどから金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する化合物により金属イオンの作用を低減し、潤滑油の劣化を抑制し、ひいては各金属部材の腐食を抑制することができる。その結果、シール部32やシール部33と接する金属部材の腐食が抑制されることで、潤滑剤の漏れも抑制できる。
〔第2の実施態様〕
図3は、本発明の第2の実施態様に係る減速装置102の概略説明図である。第2の実施態様の減速装置102は、直交軸型減速装置であるハイポイド減速機の例である。
この減速装置(ハイポイド減速機)102は、ハイポイド式の1段型減速部(直交減速部)41とモータ40を合体したものである。この減速部41は外殻体としての歯車箱42を有し、モータ40は外殻体としてのモータケーシング43を有する。モータケーシング43は、モータフレーム44と、前部カバー45及び後部カバー46とからなる。
減速部41とモータ40は、モータケーシング43の前部カバー45を歯車箱42の側面開口部にインロー嵌合した状態で、前部カバー45と歯車箱42をボルト等で結合することにより、互いに強固に一体化されている。
モータ40は、モータ軸47を、前部カバー45に嵌合した前部軸受48と後部カバー46に嵌合した後部軸受49とで回転自在に支持し、モータ軸47に回転動力を与えるように構成したものである。前部カバー45に嵌合した前部軸受48よりも前方側には、シール部50が設けられており、減速部41側から潤滑剤がモータ40側に侵入しないようになっている。
また、後部カバー46の背後には、モータ軸47に直結された冷却ファン51が設けられており、モータ40の外周に沿って前方へ向けて空冷のための冷却風Wを流通させるようになっている。モータケーシング43の外周には、前後方向に延びる冷却フィン52が設けられており、それら冷却フィン52に沿って冷却風Wが流れることで、モータ40は冷却される。冷却風Wは、冷却フィン52間の通路の前端開口53から減速部41側に流れる。
減速部41は、モータ軸47と一体になった入力軸54と、この入力軸54と直交して配置されたホローシャフト(中空軸)よりなる出力軸55と、入力軸54に形成されたハイポイドピニオン56及び出力軸55に軸装されたハイポイドギヤ57からなるハイポイドギヤセットと、出力軸55を、ハイポイドギヤ57を挟んだ軸方向両側の位置で回転自在に支持する2つの軸受58a、58bと、これら2つの軸受58a、58bを嵌合保持する歯車箱42とを備えたものである。
歯車箱42は、出力軸55の軸方向の一面が開放された歯車箱本体59と、歯車箱本体59の開放された一面を塞いだ状態で歯車箱本体59にボルト(図示略)で着脱自在に結合された歯車箱蓋体60とから構成されおり、出力軸55を支持する2つの軸受58a、58bのうち、第1の軸受58aは歯車箱本体59に嵌合され、第2の軸受58bは歯車箱蓋体60に嵌合されている。
各軸受58a、58bの外側にはシール部62、61が設けられている。また、歯車箱本体59と歯車箱蓋体60との間にも、潤滑剤の漏れ防止のためのOリング(図示略)が設けられている。そして、モータ40は、歯車箱蓋体60を結合する面と直交する歯車箱本体59側の側面に結合されている。
この減速部41においては、ハイポイドギヤ57のハイポイドピニオン56に対する噛合面が歯車箱蓋体60側に向いており、ハイポイドギヤ57の背部が歯車箱本体59側を向いている。そして、ハイポイドギヤ57の背面が、歯車箱本体59側に嵌合した第1の軸受58aの内輪によってスペーサ64を介して軸方向に受け止められている。
ホローシャフトよりなる出力軸55は、歯車箱42を貫通しており、軸方向の一端が歯車箱本体59に形成した貫通孔より外部に露出し、他端が歯車箱蓋体60に形成した貫通孔より外部に露出している。そして、被駆動軸を一端側及び他端側のいずれの方向からも差し込み結合できるようになっている。そのために、出力軸55の中空孔内周には、全長にわたってキー溝(図示略)が設けられている。
次に、歯車箱42の内部の構造について述べると、歯車箱42の内周部における少なくともハイポイドギヤ57の外周部に対応する部分(内周壁)は、ハイポイドギヤ57と同心の(ほぼ)円筒形状とされており、歯車箱42内のハイポイドギヤ57の軸方向ハイポイドピニオン56側(ハイポイドギヤ57の噛合面側)には、潤滑剤を収容するための潤滑剤保持部63が確保されている。また、ハイポイドギヤ57の背面側(噛合面と反対側)にも潤滑剤が収容されている。そして、潤滑剤保持部63に、金属イオンを捕捉する化合物を含む潤滑剤が充填・封入されている。ここで、潤滑剤保持部63は、ハイポイドギヤ57の噛合面から、歯車箱蓋体60側の軸受58bまで連続した空間であるから、十分に広い空間であり、そこには十分な量の潤滑剤が確保されている。
モータ軸47の回転は、ハイポイドピニオン56とハイポイドギヤ57の噛合により、90度方向が曲げられて出力軸55に伝達され、出力軸55から外部に取り出される。その際、歯車箱42の内部には、充分な量の潤滑剤が収容されているので、該潤滑剤の温度上昇を抑制しながら、ハイポイドギヤセットに対する良好な潤滑を行うことができる。従って、潤滑剤の劣化を防止しつつ寿命も長く維持できる。
本発明の減速装置102は、潤滑剤保持部63には、金属イオンを捕捉する化合物を含む潤滑剤を備えるため、歯車箱42の内周面、出力軸55の外周面、ハイポイドピニオン56及びハイポイドギヤ57、軸受48、58a、58bなどから金属イオンが生じた場合でも、金属イオンを捕捉する化合物により金属イオンの作用を低減し、潤滑剤の劣化を抑制でき、ひいては各金属部材の腐食を抑制することができる。その結果、シール部50、61、62と接する金属部材の腐食を抑制できるため、潤滑剤の漏れを抑制できる。
本発明の減速装置は、例えば、原動機の出力軸、自動車の最終減速機、産業用、鉄道車両用などのモータに利用されている。
減速装置としては、例えば、平行軸歯車減速機やヘリカル減速機などの平行軸型減速装置、ウォーム減速機やベベルギア減速機やハイポイド減速機などの直交軸型減速装置、遊星歯車減速機や波動歯車減速機やサイクロイドドライブなどの同芯軸型減速装置、ローラ減速機などのトラクションドライブ型減速装置などに利用される。
100…産業ロボット、
1…基部、2…旋回台、3…第1アーム部、4…第2アーム部、5…第3アーム部、6…把持部、7…第1関節部、8…第2関節部、9…第3関節部、10…第4関節部
101…減速装置、
21…モータ、22…第1ケース部、23…第2ケース部、24…モータ軸、25…本体、26…本体軸、27a,27b…軸受、28a,28b…歯車、29…クランク軸、30…外歯歯車、31…内歯歯車、32,33…シール部、34,35…潤滑剤保持部
102…減速装置、
40…モータ、41…直交減速部、42…歯車箱、43…モータケーシング、44…モータフレーム、45…前部カバー、46…後部カバー、47…モータ軸、48…前部軸受、49…後部軸受、50…シール部、51…冷却ファン、52…冷却フィン、53…前端開口、54…入力軸、55…出力軸、56…ハイポイドピニオン、57…ハイポイドギヤ、58a,58b…軸受、59…歯車箱本体、60…歯車箱蓋体、61,62…シール部、63…潤滑剤保持部、64…スペーサ、W…冷却風

Claims (5)

  1. 潤滑剤が封入された減速装置であって、
    減速装置は、潤滑剤と接する部分に金属から構成される金属部材を有し、
    潤滑剤は、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とする、減速装置。
  2. 潤滑剤が封入された減速装置の腐食抑制方法であって、
    潤滑剤に、金属部材から生じた金属イオンを捕捉する物質を添加するステップと、
    減速装置の金属から構成される金属部材に対して、金属イオンを捕捉する物質を含む潤滑剤を接触させるステップと、
    を備えることを特徴とする、減速装置の腐食抑制方法。
  3. 潤滑剤であって、
    潤滑油、及び、金属イオンを捕捉する物質を含むことを特徴とする、潤滑剤。
  4. 潤滑剤の製造方法であって
    潤滑油に金属イオンを捕捉する物質を添加するステップを備えることを特徴とする、潤滑剤の製造方法。
  5. 潤滑剤に添加する添加剤であって、
    前記添加剤は、金属イオンを捕捉する物質であることを特徴とする、添加剤。


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