JP2020151352A - 吸湿シート、使い捨て着用物品及びその製造方法 - Google Patents

吸湿シート、使い捨て着用物品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に効率よく供給するための通気性に優れる吸湿シート、使い捨て着用物品及びその製造方法を提供する。【解決手段】上記課題は、厚み方向に収縮した薄肉部16tが間隔を空けて繰り返し形成された不織布16と、薄肉部16t内に付着した微小繊維状セルロース集合体17とを有する、吸湿シート15により解決される。【選択図】図11

Description

本発明は、吸湿シート、使い捨て着用物品及びその製造方法に関するものである。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の使い捨て着用物品では、種々の理由で吸湿性を備えることが提案されてきた。
例えば、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の使い捨て着用物品は、尿等の***液を吸収する吸収体と、吸収体の裏側を覆う液不透過性樹脂フィルムとを有しており、装着時の蒸れを防止するために液不透過性樹脂フィルムとして厚み方向の透湿性を有するものが用いられてきた(例えば特許文献1,2参照)。また、多くの吸収性物品では、製品外面を布のような肌触り及び外観とするために、液不透過性樹脂フィルムの裏側を、外装不織布により覆うことも行われてきた(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、従来の吸収性物品では、蒸れ防止のために液不透過性樹脂フィルムの透湿性が高いことが災いし、吸収体が***液を吸収した後等に、製品外面や下着が湿気を保持し、手で触ると漏れたように勘違いすることがあった。
この問題は、液不透過性樹脂フィルムの透湿性を低下させれば解決するものであるが、その場合、蒸れ防止性の低下は避けることができない。そこで、例えば、液不透過性樹脂フィルム又は外装不織布に吸湿層を設けることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、一般に使い捨て着用物品は通気性に乏しいため、着用時に使い捨て着用物品の内部が蒸れやすいことが知られており、これを防止するために吸湿シートを取り付けることも提案されている(例えば特許文献3参照)。
さらに、製品包装材として、又は製品包装内に吸湿シートが用いられることもある(例えば特許文献4参照)。
しかし、吸湿シートにおいては、吸湿材の性能はもちろんのこと、湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に供給するための通気性も重要であり、従来のものはこの点で改善の余地があった。
特許6442098号公報 特開2017−144174号公報 特開2010−279621号公報 特開2010−279606号公報
そこで、本発明の主たる課題は、湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に効率よく供給するための通気性に優れる吸湿シート、使い捨て着用物品及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した吸湿シート等は以下のとおりである。
<第1の態様>
厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、
前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有する、
ことを特徴とする、吸湿シート。
(作用効果)
本吸湿シートは、薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布を基本とし、薄肉部内に高い吸湿性をもつ微小繊維状セルロース集合体が付着されたところに特徴を有する。したがって、本吸湿シートは、物や部材の間に挟まれて使用されたとしても、その物又は部材と吸湿シートの薄肉部との間に通気間隙が形成される。よって、本吸湿シートでは、この通気間隙を通して湿気を吸湿シートの表面に沿って逃がすことができる。また、その過程で湿気を吸湿素材である微小繊維状セルロース集合体に効率よく供給し、吸湿させることができる。このような吸湿シートは、単独で使用することもできるし、後述するように使い捨て着用物品の部材にすることもできる。
<第2の態様>
前記薄肉部以外に、前記微小繊維状セルロース集合体を有しない、
第1の態様の吸湿シート。
(作用効果)
微小繊維状セルロース集合体は硬質である。よって、吸湿シートは、薄肉部にのみ微小繊維状セルロース集合体が付着していることが好ましい。これにより、吸湿シートにおける薄肉部以外は柔軟に変形できるとともに、使用者や着用者は硬質な薄肉部に触れにくくなるか、又はその硬さが肌に伝わりにくくなる。
<第3の態様>
前記薄肉部が縞状又は格子状に設けられた、
第1又は2の態様の吸湿シート。
(作用効果)
薄肉部が縞状又は格子状に設けられると、通気間隙の連続性が高くなる。よって、湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に効率よく供給するための通気性に、より一層優れるようになる。
<第4の態様>
前記吸湿シートを構成する前記不織布は、繊度2〜10dtex、目付け20〜40g/m2の短繊維不織布であり、
前記薄肉部における微小繊維状セルロース集合体の付着量は、0.1〜5.0g/m2の微小繊維状セルロースからなる、
第1又は2の態様の吸湿シート。
(作用効果)
吸湿シートを構成する不織布は特に限定されるものではないが、嵩高く、賦形性に優れることが好ましいため、上記範囲内の不織布であることが好ましい。また、吸湿性を向上させるためには、微小繊維状セルロース集合体の付着量が多いに越したことはないが、多すぎると製品が不必要に硬くなる。よって、薄肉部における微小繊維状セルロース集合体の含有量は上記範囲内であることが好ましい。
<第5の態様>
吸収体と、
前記吸収体の裏側に設けられた、通気性を有する液不透過性樹脂フィルムと、
前記液不透過性樹脂フィルムの裏面を覆う外装不織布と、
を有する使い捨て着用物品において、
前記液不透過性樹脂フィルムと、前記外装不織布との間に設けられた吸湿シートとを有し、
前記吸湿シートは、厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有し、
前記外装不織布と前記薄肉部との間、及び前記液不透過性樹脂フィルムとの間に、それぞれ通気間隙を有する、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
本使い捨て着用物品は、液不透過性樹脂フィルム及び外装不織布の間に第1の態様の吸湿シートを介在させ、通気間隙を形成したものである。したがって、本使い捨て着用物品によれば、***液の吸収後に増加する液不透過性樹脂フィルムから排出される湿気を、吸湿シートで効果的に吸湿することができ、製品外面や下着が湿った感触となりにくくなる。
<第6の態様>
着用者の肌に接する通気性の肌接触層と、
この肌接触層の裏側に隣接する部分を有するように設けられた、吸湿シートとを有し、
前記吸湿シートは、厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有し、
前記肌接触層と前記薄肉部との間に、それぞれ通気間隙を有する、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
本使い捨て着用物品は、着用時の蒸れを防止するために、肌接触層の裏側に隣接する部分を有するように吸湿シートを設けたものである。これにより、着用時における使い捨て着用物品の内部における湿気を効率よく吸湿し、あるいは外部に逃がすことにより、蒸れを防止することができる。
<第7の態様>
不織布に、微小繊維状セルロースの分散液を、間隔を空けて繰り返すパターンで塗布し、前記分散液を乾燥させることにより、前記分散液の塗布部分に前記薄肉部を形成するとともに、前記薄肉部に前記微小繊維状セルロース集合体を形成した吸湿シートを製造する工程と、
前記吸湿シートを、使い捨て着用物品の厚み方向に重なる部材の間に取り付け、前記部材と前記薄肉部との間に通気間隙を有する使い捨て着用物品を製造する工程とを含む、
ことを特徴とする、使い捨て着用物品の製造方法。
(作用効果)
不織布に微小繊維状セルロースの分散液を塗布した後、塗布部分の分散液を乾燥させると、微小繊維状セルロース集合体が形成されていくとき、微小繊維状セルロース集合体の体積が徐々に減少する。そして、これに伴い、不織布の分散液の塗布部分の体積も減少し、自動的に薄肉部が形成される。本製造方法はこれを利用するものである。
例えば、吸湿シートとなる不織布にエンボス加工により薄肉部を形成するとともに、又はその後に薄肉部に微小繊維状セルロース集合体を付着してもよいが、本製造法によれば、吸湿シートとなる不織布に所望のパターンで微小繊維状セルロースの分散液を塗布し、乾燥するだけで吸湿シートを形成することができる。
また、不織布に微小繊維状セルロースの分散液を塗布した後、乾燥前(つまり薄肉部が形成される前)に、使い捨て着用物品の他の部材に貼り付けてしまうと、通気間隙の形成が不十分になるおそれがある。これに対して、本製造方法では、乾燥後の吸湿シートを用いて使い捨て着用物品を製造するため、良好な通気間隙を形成することができる。したがって、本製造方法は薄肉部の形成後にカバー層を貼り付けるものである。
本発明によれば、湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に効率よく供給するための通気性に優れるようになる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 要部を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 要部を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 要部を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 吸湿シートを拡大して示す断面図である。 薄肉部(微小繊維状セルロースの付着部)の各種パターンを示す平面図である。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Wは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性樹脂フィルム11と、液不透過性樹脂フィルムの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。符号Fは前後方向中央より前側に位置する腹側部分を示し、符号Bは前後方向中央より後側に位置する背側部部分を示している。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、***液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が30g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む形態とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい包装シート58は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように***位置を含む中間部分にのみ設けてもよい。
(液不透過性樹脂フィルム)
液不透過性樹脂フィルム11は、透湿性を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。いうまでもないが、液不透過性樹脂フィルム11には、不織布を基材として防水性を高めたものは含まない。
液不透過性樹脂フィルム11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない形態とすることもできる。
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性樹脂フィルム11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12としては特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
外装不織布12は、適宜のパターンで塗布されたホットメルト接着剤等の接着剤により、又は素材の溶着により、表側に隣接する部材、つまり図示例の場合、後述する液不透過性樹脂フィルム11や吸湿シート15と貼り合わせることができる。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する***物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状のギャザー弾性部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向外側の部分は各サイドフラップ部SFの内面、つまり図示例では液不透過性樹脂フィルム11の側部及びその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
(エンドフラップ部、サイドフラップ部)
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性樹脂フィルム11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(連結テープ)
背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ13がそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ13を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ13の連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
連結テープ13の構造は特に限定されないが、図示例では、サイドフラップ部SFに固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向中間部に設けられた、腹側に対する連結部13Aとを有し、この連結部13Aより先端側が摘み部となっている。
連結部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
また、テープ取付部13Cからテープ本体部13Bまでを形成するシート基材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所には、連結を容易にするためのターゲットを有するターゲットシート20を設けるのが好ましい。ターゲットシート20は、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態のように外装不織布12を有する場合には、ターゲットシート20を省略し、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。この場合、目印としてのターゲットシート20を外装不織布12と液不透過性樹脂フィルム11との間に設けてもよい。
(吸湿シート)
特徴的には、図8〜図10に示すように、液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12との間に、吸湿シート15が設けられている。液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12との間にこのような吸湿シート15を有すると、液不透過性樹脂フィルム11を透過した湿気が吸湿シート15で遮断されることがないため、装着時の蒸れ防止性は低下しにくい。それでいて、微小繊維状セルロース集合体の高い吸湿性により、製品外面を構成する外装不織布12や下着よりも吸湿シート15に湿気が保持されるようになるため、製品外面や下着が湿った感触となりにくい。
特に、吸湿シート15は、図11にも示すように、厚み方向に収縮した薄肉部16tが間隔を空けて繰り返し形成された不織布16と、薄肉部16t内に付着した微小繊維状セルロース集合体17とを有するものであると好ましい。薄肉部16tは、図示例のように吸湿シート15の表裏両側に窪みを有するものであるほか、吸湿シート15の表裏いずれか一方側にのみ窪みを有するものであってもよい。これにより、吸湿シート15は、液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12との間に挟まれているにもかかわらず、それらと吸湿シート15の薄肉部16tとの間に通気間隙18が形成される。よって、本吸湿シート15では、この通気間隙18を通して湿気を吸湿シート15の表面に沿って逃がすことができる。また、その過程で湿気を吸湿素材である微小繊維状セルロース集合体17に効率よく供給し、吸湿させることができる。
吸湿シート15は、薄肉部16t以外に、微小繊維状セルロース集合体17を有していてもよいが、微小繊維状セルロース集合体17は硬質である。よって、吸湿シート15は、薄肉部16tにのみ微小繊維状セルロース集合体17が付着していることが好ましい。これにより、吸湿シート15における薄肉部16t以外は柔軟に変形できるとともに、使用者や着用者は硬質な薄肉部16tに触れにくくなるか、又はその硬さが肌に伝わりにくくなる。
薄肉部16tは、間隔を空けて繰り返すパターンで形成される限り、そのパターンは特に限定されない。例えば、薄肉部16tは、図8に示すように前後方向LDに沿う線状の薄肉部16tが幅方向WDに間隔を空けて複数並ぶ縦縞状であっても、図9に示すような幅方向WDに沿う線状の薄肉部16tが前後方向LDに間隔を空けて複数並ぶ横縞状であってもよい。また、薄肉部16tは、図12(a)〜(e)に示すようにドット状であっても、図12(f)に示すように斜め格子状であってもよい。特に、薄肉部16tが縞状又は格子状に設けられると、通気間隙18の連続性が高くなる。よって、湿気を逃がすための通気性、及び湿気を吸湿材に効率よく供給するための通気性に、より一層優れるようになるため好ましい。これらのように、薄肉部16tを線状に連続させる場合には、直線状に連続させるほか、曲線状や波線状に連続させることもできる。
薄肉部16tの寸法は適宜定めることができる。薄肉部16tの配置が縞状パターンである場合、薄肉部16tの線幅x1は1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、隣接する付着部の間隔s1は5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましい。また、薄肉部16tがドット状パターンの場合、薄肉部16tの径d(最も長い部分の長さ)は1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、幅方向WD及び前後方向LDに隣接する列の中心(又は重心)間隔s2,s3は5〜25mm、特に15〜10mmであることが好ましい。また、薄肉部16tの配置が格子状パターンの場合、薄肉部16tの線幅x2は1.0〜4.0mm、特に2.0〜3.0mmであることが好ましく、格子間隔s4(平行な薄肉部16t相互の間隔)は5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましい。微小繊維状セルロース集合体の付着部の寸法は薄肉部16tの寸法と同じか、又はそれ以下若しくはそれ以上とすることができる。
吸湿シート15を構成する不織布16は特に限定されるものではないが、嵩高く、賦形性に優れることが好ましいため、繊度2〜10dtex、目付け20〜40g/m2の短繊維不織布であると好ましい。
吸湿性を向上させるためには、微小繊維状セルロース量が多いに越したことはないが、多すぎると製品が不必要に硬くなる。よって、薄肉部16tにおける微小繊維状セルロースの含有量は、0.1〜5.0g/m2程度、特に0.5〜3.0g/m2程度であることが好ましい。
<製造方法>
例えば、吸湿シート15は、吸湿シート15となる不織布16にエンボス加工により薄肉部16tを形成するとともに、又はその後に薄肉部16tに微小繊維状セルロース集合体17を付着させることにより製造することができる。
また、吸湿シート15は次の方法により製造することができる。すなわち、吸湿シート15となる不織布16に、微小繊維状セルロースの分散液を、間隔を空けて繰り返すパターンで塗布すると、その分散液は不織布16の繊維間に浸透する。そして、これが乾燥すると、分散液の塗布部分に薄肉部16tが形成されるとともに、薄肉部16t内に微小繊維状セルロース集合体17が形成される。すなわち、不織布16に微小繊維状セルロースの分散液を塗布した後、塗布部分の分散液を乾燥させると、微小繊維状セルロース集合体17が形成されていくとき、微小繊維状セルロース集合体17の体積が徐々に減少する。そして、これに伴い、不織布16の分散液の塗布部分の体積も減少し、自動的に薄肉部16tが形成される。本製造方法はこれを利用するものである。この方法によれば、吸湿シート15となる不織布16に所望のパターンで微小繊維状セルロースの分散液を塗布し、乾燥するだけで吸湿シート15を形成することができる。
ただし、この製造方法によると、不織布16に微小繊維状セルロースの分散液を塗布した後、乾燥前(つまり薄肉部16tが形成される前)に、他のシートを貼り付けてしまうと、通気間隙18が形成されないことがある。よって、本吸湿シート15と他の部材とを貼り付ける場合には、薄肉部16tの形成後に他の部材を貼り付けること方が望ましい。例えば、中間シート40や外装不織布12のような既存の不織布16部材に微小繊維状セルロースの分散液を塗布することでも、原理的には薄肉部16tの形成は可能である。しかし、微小繊維状セルロースの分散液の乾燥後に他の部材を貼り付ける必要を生じるため、高速な製造ラインでの製造には不向きである。よって、図示例のように、専用の吸湿シート15を別途製造しておき、これを適宜の部材の間に取り付けることにより使い捨て着用物品を製造することが好ましい。これに対して、エンボス加工により薄肉部16tを形成する場合には、微小繊維状セルロースの分散液が塗布する前に、吸湿シート15となる不織布16に他の部材を貼り付けることができる。
微小繊維状セルロース分散液の塗布により微小繊維状セルロース集合体17の付着部を形成する場合、微小繊維状セルロース分散液の濃度(質量/容量)は、0.1〜10%であることが好ましく、1.0〜5.0%であるとより好ましく、1.5〜3.0%であると特に好ましい。
微小繊維状セルロース分散液のB型粘度(60rpm、20℃)は、例えば、700cps以下、好ましくは200cps以下、より好ましくは50cps以下である。このように微小繊維状セルロース分散液のB型粘度を低く抑えることで、不織布に対して微小繊維状セルロースが均一に付与されるようになる。
微小繊維状セルロース分散液の付与は、対象面に対する噴霧のほか、凸版方式等による転写方式を用いることもできる。
微小繊維状セルロースの製造に使用可能なパルプ繊維としては、広葉樹パルプ(LBKP)、針葉樹パルプ(NBKP)等の化学パルプ、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒盲紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ、古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、目的とする効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。さらに、上記パルプ繊維に対してカルボキシメチル化等の化学的処理を施したものを用いても良い。
微小繊維状セルロースの製造方法としては、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、グラインダー磨砕法、ビーズミル凍結粉砕法、超音波解繊法等の機械的手法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。また、微小繊維化は、TEMPO酸化処理、リン酸エステル化処理、酸処理等の併用により促進される。
<その他>
上記吸湿シート15は、単独で使用することもできるし、使い捨て着用物品における他の部位に取り付けることもできる。使用の際、吸湿シート15の表裏いずれか一方又は両方に非通気性部材又は難通気性部材が隣接していてもよいし、表裏両方に通気性素材が隣接していたり、表裏いずれか一方側に隣接する部材がなくてもよい。
例えば、図9に示すようにウエスト部等における部材間に、吸湿シート15を設けることもできるし、図10に示すようにターゲットシート20の裏側(例えばターゲットシート20と外装不織布12との間や、外装不織布12と液不透過性樹脂フィルム11との間)に、吸湿シート15を設けることもできる。
特に、着用時の蒸れを防止するために、着用者の肌に接する通気性の肌接触層の裏側に隣接する部分を有する(全体が肌接触層の裏側に隣接していてもよい)ように吸湿シート15を設けると、着用時における使い捨て着用物品の内部における湿気を効率よく吸湿し、あるいは外部に逃がすことにより、蒸れを防止することができる。例えば、図9に示す例において、ウエスト部に吸湿シート15を設ける場合、吸収体56と液不透過性樹脂フィルム11との間から、トップシート30及び液不透過性樹脂フィルム11との間にかけて吸湿シート15を設けることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、製品の部分によっていずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とは、着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは部材の、着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。有孔不織布の厚みは、孔及びその周囲の突出部以外の部分で測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
「微小繊維状セルロース」とは、パルプ等の植物から取り出される微細なセルロース繊維又はその束をいい、一般的に平均繊維幅がナノサイズ(1〜1000nm以下)の繊維状セルロースをいい、平均繊維幅(メジアン径)が100nm以下のもの(一般にセルロースナノフィブリル(CNF)と呼ばれる)が好ましく、特に10〜60nmのものが好ましい。
微小繊維状セルロースの「平均繊維幅」は以下の方法で測定することができる。すなわち、まず、固形分濃度0.01〜0.1質量%の微小繊維状セルロースの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率(本実施例では、30000倍の倍率)で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の棒を目視で計測する。そして、計測値の中位径(メジアン径)を平均繊維幅とする。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつの他、パンツタイプ使い捨ておむつやパッドタイプ使い捨ておむつ等、使い捨ておむつ全般に適用できるものであり、また、生理用ナプキン等の他の吸収性物品にも適用できることはいうまでもない。
11…液不透過性樹脂フィルム、12…外装不織布、13…連結テープ、13A…連結部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、15…吸湿シート、16…不織布、16t…薄肉部、17…微小繊維状セルロース集合体、18…間隙、20…ターゲットシート、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、B…背側部分、F…腹側部分、WD…幅方向、LD…前後方向。

Claims (7)

  1. 厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、
    前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有する、
    ことを特徴とする、吸湿シート。
  2. 前記薄肉部以外に、前記微小繊維状セルロース集合体を有しない、
    請求項1記載の吸湿シート。
  3. 前記薄肉部が縞状又は格子状に設けられた、
    請求項1又は2記載の吸湿シート。
  4. 前記吸湿シートを構成する前記不織布は、繊度2〜10dtex、目付け20〜40g/m2の短繊維不織布であり、
    前記薄肉部における微小繊維状セルロース集合体の付着量は、0.1〜5.0g/m2の微小繊維状セルロースからなる、
    請求項1又は2記載の吸湿シート。
  5. 吸収体と、
    前記吸収体の裏側に設けられた、通気性を有する液不透過性樹脂フィルムと、
    前記液不透過性樹脂フィルムの裏面を覆う外装不織布と、
    を有する使い捨て着用物品において、
    前記液不透過性樹脂フィルムと、前記外装不織布との間に設けられた吸湿シートとを有し、
    前記吸湿シートは、厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有し、
    前記外装不織布と前記薄肉部との間、及び前記液不透過性樹脂フィルムとの間に、それぞれ通気間隙を有する、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品。
  6. 着用者の肌に接する通気性の肌接触層と、
    この肌接触層の裏側に隣接する部分を有するように設けられた、吸湿シートとを有し、
    前記吸湿シートは、厚み方向に収縮した薄肉部が間隔を空けて繰り返し形成された不織布と、前記薄肉部内に付着した微小繊維状セルロース集合体とを有し、
    前記肌接触層と前記薄肉部との間に、それぞれ通気間隙を有する、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品。
  7. 不織布に、微小繊維状セルロースの分散液を、間隔を空けて繰り返すパターンで塗布し、前記分散液を乾燥させることにより、前記分散液の塗布部分に前記薄肉部を形成するとともに、前記薄肉部に前記微小繊維状セルロース集合体を形成した吸湿シートを製造する工程と、
    前記吸湿シートを、使い捨て着用物品の厚み方向に重なる部材の間に取り付け、前記部材と前記薄肉部との間に通気間隙を有する使い捨て着用物品を製造する工程とを含む、
    ことを特徴とする、使い捨て着用物品の製造方法。
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