JP2020148077A - コンクリート型枠兼断熱化粧板、建築物及びコンクリート製構造躯体形成方法 - Google Patents

コンクリート型枠兼断熱化粧板、建築物及びコンクリート製構造躯体形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度的に優れたコンクリート製構造躯体を安価に且つ見栄えも良く、さらに断熱性能をも兼ね備えたものとして施工できるようにする。【解決手段】 断熱化粧板に兼用される型枠1は、厚さが30mm以上の桐板より成り、端面に連結具3,4,5が差し込まれる連結溝2が形成されている。型枠1は、多数並べて敷設され、隣り合う型枠1及び向かい合う型枠1は、連結溝3、4,5に連結具が差し込まれることで相互に連結され、穴開けすることなく組み上げられる。組み上げられた型枠1内に生コンクリートを充填して固化させることでコンクリート層7を形成した後、型枠1を残存させて断熱化粧板として兼用する。【選択図】 図9

Description

この出願の発明は、各種建築物の建築の際に行われるコンクリート製構造躯体の形成方法に関するものである。
ビルやマンション等の各種建築物では、RC構造やSRC構造のように、コンクリート製構造躯体が採用されている。一般の住宅においても、洪水等の自然災害が多発する近年、コンクリート製構造躯体を採用した災害に強い家屋の建築に特に注目が集まってきている。
このようなコンクリート製構造躯体の施工に際しては、周知のように、型枠が用いられる。型枠は、通常、ベニヤ板より成る合板製である。墨出しに従って配筋をした後、型枠を組んでいき、背後からスチール製の補強材で補強する。必要に応じて型枠が離間しないように締結具で両側から締め付ける。そして、コンクリートを打設し、養生をした後、型枠を取り外すと、コンクリート製構造躯体が完成する。
特開2004−60413号公報
このようなコンクリート製構造躯体は、在来工法や2×4(ツーバイフォー)工法のような木製の構造躯体に比べて高価であり、一般の住宅家屋においては、高級なものである。2〜3階建て程度の家屋であれば、コンクリート製構造躯体は特に必要ではないので、災害に強い構造として注目はされていても、コストを考慮して見送られることが多い。
コンクリート製構造躯体が高価なものになり易い一つの要因は、コンクリート製構造躯体だけでは施工は完了せず、表面に化粧板を施工したり断熱材を施工したりすることが必要になるからである。いわゆるコンクリート打ち放しの場合には、それの施工が不要にはなるが、住宅家屋では、断熱の面での居住性が悪いために断熱材が敷設され、それを覆うものとして化粧板等の施工がされる場合が多い。
また、コンクリート打ち放しの壁面(コンクリートが露出している壁面)を好む施主もいるが、化粧板がないからといって必ずしも施工コストが安くなる訳ではない。化粧板なしのコンクリート露出面とするには、型枠を外した際、コンクリートの表面が十分に滑らかで平坦な面となっている必要がある。例えば、コンクリートの打設が僅かでも不十分で表面に窪みがあると、強度的には全く問題がなくとも見栄えの点で施工不良とされてしまうこともある。さらに、型枠を貫通する締結具の使用はできず、また内側面に凹凸がある型枠の使用もできない。このようなことから、コンクリート打ち放しとしてのコンクリート製構造躯体の施工は、型枠工事に特に熟練や技能を要し、また手間(工数)もかかる。このため、化粧板等の材料費は削減できたとしても、人件費の点でかえって高価となってしまう場合が殆どである。
この出願の発明は、このようなコンクリート製構造躯体に関する課題を解決するために為されたものであり、強度的に優れたコンクリート製構造躯体を安価に且つ見栄えも良く、さらに断熱性能をも兼ね備えたものとして施工できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、この出願のコンクリート型枠の発明は、厚さが30mm以上の桐板より成るコンクリート型枠兼断熱化粧板である。
また、上記課題を解決するため、コンクリート型枠兼断熱化粧板は、端面に連結具が差し込まれる連結溝が形成されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、コンクリート型枠兼断熱化粧板は、端面に連結溝が形成された部分において、連結溝の一方の側の板面が他方の側の板面より短くなっていて段差が形成されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、コンクリート型枠兼断熱化粧板は、方形の桐板より成っており、連結溝は方形の一辺において角に達しているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、コンクリート型枠兼断熱化粧板は、長方形の桐板より成っており、連結溝は、長尺方向の辺に形成されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、コンクリート型枠兼断熱化粧板は、桐板の合板より成るという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、この出願の建築物の発明は、コンクリート製構造躯体を備えた建築物であって、コンクリート製構造躯体は、コンクリート層と、コンクリート層を挟む一対の断熱化粧板とより成っており、断熱化粧板は厚さ30mm以上の桐板より成るコンクリート型枠であり、コンクリート層の施工の際に型枠として使用されたものが残存された構造である。
また、上記課題を解決するため、建築物は、桐板より成るコンクリート型枠が多数並べて敷設されており、隣り合うコンクリート型枠及び向かい合うコンクリート型枠が、端面に形成された連結溝に連結具が差し込まれることで相互に連結されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、建築物は、各コンクリート型枠が方形である桐板より成っており、連結溝は方形の一辺において角に達しており、多数並べられたコンクリート型枠のうちの隣り合う二つのコンクリート型枠は連結溝が達する角を当接させた状態となっており、連結具は、当接した角にまたがった状態で当該二つコンクリート型枠を連結しているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、建築物は、コンクリート型枠が長方形の桐板より成っており、各コンクリート型枠において連結溝は長尺方向の辺に形成されており、各コンクリート型枠は長尺方向を水平方向に向けて配置されているという構成を持ち得る。
また,上記課題を解決するため、この出願のコンクリート製構造躯体形成方法の発明は、厚さ30mm以上の一対の桐板より成るコンクリート型枠内に生コンクリートを充填して固化させた後、当該コンクリート型枠を残存させる方法である。
また、上記課題を解決するため、コンクリート製構造躯体形成方法において、コンクリート製型枠は端面に連結溝が形成されており、コンクリートを充填して固化させる際に向かい合うコンクリート型枠同士及び隣り合うコンクリート型枠同士を連結溝に差し込んだ締結具により連結し、コンクリート型枠に穴開けすることなく型枠を組み上げてコンクリートを固化させる構成が採用され得る。
以下に説明する通り、この出願の発明に係るコンクリート型枠兼断熱化粧板は、厚さ30mm以上の桐板より成るので、型枠として使用された後に残存させることで、断熱材及び化粧板として特に効果的に機能する。また、型枠としても、厚さが30mmであるので、サイズを小さくする必要はなく、連結箇所が多くなって施工に手間がかかる問題はない。
このような型枠を使用してコンクリート層を形成し、型枠を残存させた建築物やコンクリート製構造躯体形成方法によれば、断熱材や化粧板を別途施工することが不要になるので、トータルの建築費を安くすることができる。桐製の化粧板は特に高級感があり、見栄えの点でも特に好適となる。
また、コンクリート型枠に穴開けすることなく型枠を組み上げてコンクリートを固化させるコンクリート製構造躯体形成方法によれば、残存させる型枠の化粧板としての機能が損なわれることがないので、この点でさらに好適となる。
また、端面に連結具が差し込まれる連結溝が形成されていると、連結具の装着が容易になり、型枠の組み上げを短期間に完了させることができるようになる。また、型枠に貫通孔を開けて連結具を装着するような作業も不要にすることができるので、化粧板としての型枠の効果が損なわれてしまうこともない。
また、端面に連結溝が形成された部分において、連結溝の一方の側の板面が他方の側の板面より短くなっていて段差が形成されていると、向かい合う型枠を連結する連結具が型枠に干渉することがなくなる。このため、上下に隣接する型枠が連結具のために離間してしまうことがなく、型枠としての機能が損なわれたり、断熱板や化粧板としての機能が損なわれたりすることもなくなる。
また、連結溝は方形の一辺において角に達していると、当該角を当接させて二つの型枠を並べ、当接した角にまたがった状態で連結具を装着することができる。このため、隣り合う二つの型枠を角の部分で連結することができるようになる。
また、連結溝が長尺方向の辺に形成されていると、長尺方向を水平方向にして各型枠を並べることで、高さ方向の途中の箇所での連結を不要することができる。このため、施工がさらに容易になる。
また、型枠が、合板である桐板より成るものであると、反りのない型枠とすることが容易であるので、コスト的に有利であり、また品質の良いコンクリート製構造躯体を形成することができる。
実施形態に係るコンクリート型枠兼断熱化粧板の概略図である。 図1のコンクリート型枠兼断熱化粧板の斜視概略図である。 実施形態の型枠の組み上げの際に使用される連結具の斜視概略図である。 実施形態の型枠の組み上げについて示した概略図である。 実施形態の型枠の組み上げについて示した概略図である。 実施形態の型枠の組み上げについて示した概略図である。 実施形態の型枠の組み上げについて示した概略図である。 側部の端面に対して第一の連結具を装着する様子を示した概略図である。 実施形態の建築物の主要部を示した概略図である。 段部やコーナー部における型枠の組み上げについて示した平面概略図である。
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態に係るコンクリート型枠兼断熱化粧板の概略図である。このうち、図1(1)正面概略図、(2)は側断面概略図である。また、図2は、図1に示すコンクリート型枠兼断熱化粧板の斜視概略図である。
図1及び図2に示すように、実施形態のコンクリート型枠兼断熱化粧板(以下、型枠と略称する。)1は、全体の形状としては方形(より具体的には長方形)の板状である。実施形態の型枠1は、木材のうちでも特に桐製となっている。即ち、実施形態の型枠1は桐板より成っている。構造的には合板構造となっており、薄い桐板を2枚から3枚程度重ね合わせ、接着材で接着した構造を有する。一枚の桐板の厚さは10mm〜20mm程度であり、全体の厚さは、30mm〜50mm程度である。尚、接着材としては、ユリア樹脂系接着材又はイソシアネート系接着材が使用されている。
桐板より成る型枠1の表面及び裏面は、鉋がけや研磨仕上げにより十分に滑らかで平坦性を持ったものとなっている。実施形態の型枠1は、後述するように一対のものを向かい合わせて配置し、その間に生コンクリートを充填して固化させる。以下、説明の都合上、生コンクリートが充填される側(向かい合っている内側)の面11を内側面と呼び、それとは反対側の面12を外側面と呼ぶ。
図1及び図2に示すように、型枠1の端面には連結溝2が形成されている。連結溝2は、型枠1の組み上げの際、型枠1を相互に連結するための形状である。この実施形態では、長尺方向の二つの辺に沿った各端面及び短尺方向の二つの辺に沿った各端面に(即ち、全周状に)連結溝2が設けられている。各連結溝2は。当該方向の辺の全長に亘っている。
型枠1は、後述するように、連結溝2に連結具を差し込むことで組み上げられる。したがって、連結溝2の幅は連結具の差し込み部分の厚みによるが、連結溝2の幅を大きくすると強度が低下するので、あまり大きくすることは好ましくない。逆に、連結溝2の幅が狭すぎると、連結具の差し込み部分を薄くせざるを得ず、連結具の強度が低下する。これらを考慮すると、連結溝2の幅は1mm以上5mm以下、より好ましくは2mm以上4mm以下とされる。連結溝2の深さについても、連結具の差し込み部分の長さによるが、あまり深いと型枠1の強度が低下し、浅いと連結具の強度が低下する。したがって、連結溝2の深さは20〜40mm程度、より好ましくは25〜35mm程度とされる。
尚、図1(2)に示すように、連結溝2は、型枠1の板厚方向の中央に形成されている。但し、外側面12の側に寄った位置に連結溝2が設けられていても良い。後述するように連結具が装着されて生コンクリートの固化に利用される際、連結溝2よりも内側の部分に大きな力が加わるので、どちらかというと、この部分を肉厚にすることが好ましいからである。各小連結溝21も、板圧方向の中央に形成されている。
また、図1(2)に示すように、型枠1は、外側面12の大きさと内側面11の大きさとが僅かに異なっている。即ち、型枠1は、方形の一辺において内側面11が短くなっており、段差13が形成されている。以下、四辺のうち段差13が形成されている辺を段差形成辺という。段差13の大きさ(図1(2)にdで示す)は、1〜3mm程度(例えば2mm)と小さい。この段差13も、連結具を装着するための形状である。尚、段差13は、型枠1の下縁部分のみであり、両側縁及び上縁においては形成されていない。後述するように、型枠1は、段差形成辺部を下又は上に向けた状態で配設される。
次に、このような実施形態の型枠1の組み上げに使用される連結具について説明する。図3は、実施形態の型枠1の組み上げの際に使用される連結具の斜視概略図である。
図3に示すように、この実施形態では、三種類の異なる形状の連結具3〜5が使用される。図3(1)には、第一の連結具3が示されている。第一の連結具3は、図3(1)に示すように、長方形の板状部材である。第一の連結具3は、上下又は左右に面一に並べられた型枠1同士を連結するものである。厚さは、前述した連結溝2の幅に一致するか、もしくはそれより僅かに薄い程度である。長さは、連結溝2の長さ(板の長尺方向、短尺方向の各長さ)よりも少し短い程度である。第一の連結具3は、材質としては木製でも良いし、アルミのような金属製でも良い。木製の場合、同様に桐製でも良いが、白樺のような他の木材である場合もあり得る。
図3(2)には、第二の連結具4が示され、図3(3)には第三の連結具5が示されている。これらの連結具4,5は、向かい合う型枠1同士の連結の機能も有するものとなっている。
第二第三の連結具5は、溶接や折り曲げ加工等で形成するので、アルミのような金属製となっている。
図3(2)に示すように、第二の連結具4は、細長い帯板状の主部41と、主部41の両端に設けられた係合部42とから成る形状である。係合部42は、主部41に対して垂直に上側に延びる上突出片43と、垂直に下側に延びる下突出片44とを有している。図3(2)から解るように、上突出片43は、一対の長方形の部位となっており、両者は、主部41の幅より少し大きな幅で離間している。また、下突出片44は、下方に延びる方形の部位である。このような形状は、左右の係合部42において同一(左右対称)である。
また、主部41にも、下側に少し突出した部位(以下、下突条部)45が形成されている。下突条部45は、主部41の幅方向の中央において線状にプレス加工して形成した部位となっている。
図3(3)に示すように、第三の連結具5も、主部51の両側に係合部を設けた形状となっている。各係合部は、主部に対して垂直に延びる方形の部位53である。以下、この部位53を、垂直片と言い換える。
次に、このような型枠1及び連結具を使用したコンクリート構造躯体形成方法について説明する。以下の説明は、コンクリート製構造躯体形成方法の発明の実施形態についての説明でもある。
図4〜図7は、実施形態の型枠1の組み上げについて示した概略図である。以下、説明は、実施形態のコンクリート構造躯体形成方法の一部を成す型枠工事の説明でもある。
型枠工事としての型枠1の組み上げは、墨出しにより目印をされた箇所に型枠1を組み上げる工事である。実施形態の型枠1を使用する場合、基礎に対して墨出しされた箇所に、まず第三の連結具5の固定を行う。第三の連結具5は、基礎に対してコンクリート釘50により釘打ちされて固定される。第三の連結具5は、図4(1)に示すように、間隔をおいて墨出しのラインLに沿って固定される。各第三の連結具5は、垂直片53が上に突出した姿勢とされる。
第三の連結具5を固定する間隔は、型枠1の幅に応じた間隔とされる。例えば、型枠1の幅が図1(1)に示すようにwであったとすると、第三の連結具5の固定間隔もwとしたり、w/2としたり、w/3としたりされる。wより長くなることは基本的にない。
次に、固定された各第三の連結具5に対して、型枠1を装着する。即ち、図4(2)に示すように、第三の連結具5の両側の垂直片53が各型枠1の段差形成辺部の連結溝2に差し込まれた状態として各型枠1を立てて配設する。型枠1は、墨出しのラインLに沿って水平方向に並べられる他、第三の連結具5の両側の上突出片43に対して装着されるから、第三の連結具5の長さの分だけ隔てて各型枠1が向かい合った状態となる。各型枠1は、各内側面11が向かい合った状態とされる。
尚、型枠1の配設の際、隣り合う二つの型枠1は互いの側辺部を付き合わせてそのまま下降させ、突き合わせ部分に第三の連結具5の垂直片53が差し込まれるようにする。つまり、垂直片53は隣り合う二つの型枠1の連結の作用も果たすよう施工が行われる。
墨出しのラインLに沿って水平方向に全ての位置に型枠1を配設したら、次に、二段目の型枠1の配設を行う。まず、図5に示すように、第一の連結具3及び第二の連結具4を装着する。第一の連結具3は、長尺方向を水平方向にして連結溝2に差し込む。第一の連結具3の幅(短尺方向の長さ)は、連結溝2の深さのちょうど半分となっており、第一の連結具3は、半分の幅で露出する。第二の連結具4については、図5に示すように、向かい合う型枠1の上辺部の連結溝2に対し、各下突出片44を差し込むことで装着する。両側の下突出片44の離間距離は、向かい合う型枠1の連結溝2間の距離となるように各第二の連結具4が製作されている。つまり、コンクリート製構造躯体の設計情報に従って各第二の連結具4が製作され、施工場所に持ち込まれて使用される。
第一の連結具3及び第二の連結具4は、水平方向において適宜の間隔をおいて多数装着される。この際、隣り合う二つの型枠1の上辺部の突き合わせ箇所には、第一の連結具3か第二の連結具4が必ず差し込まれる。この部分に装着された連結具3,4が、隣り合う型枠1同士の連結の作用も果たす。
その後、図6に示すように、二段目の型枠1の配設が行われる。二段目の型枠1も、段差形成辺部を下方に向け、各第一の連結具3及び各第二の連結具4が連結溝2に差し込まれた状態として各型枠1を配設する。一段目において、隣り合う型枠1の上辺部の突き合わせ部分に装着された各連結具3,4は、その上で隣り合う二つの型枠1の連結の作用も果たすから、この部分の各連結具3,4は、上下左右四つの型枠1を相互に連結することになる。第二の連結具4がこの箇所に装着された場合、両側で計八つの型枠1を相互に連結することになる。
このような工程を繰り返し、三段目、四段目と、必要な高さまで各型枠1を配設する。各型枠1は、上下左右に敷設されているとともに、内側面11を向かい合わせて一対の型枠1群を配設する。
最上段については、下側とは若干異なる形状の型枠1が使用される。即ち、最上段については、長尺方向の二つの辺に段差13が形成されているものを使用する。配設の仕方は、同様である。最上段の各型枠1の配設が終わったら、図7に示すように、最上段の各型枠1の上辺部に対して第三の連結具5を装着する。この際、垂直片53を下方に向け、連結溝2に差し込む。これで、型枠1の組み上げは完了である。
図4〜図7には、型枠1の組み上げのみが示されているが、RC構造のコンクリート製構造躯体を形成する場合、配筋が併せて行われる。まず、縦筋を基礎に対して打ち込み、縦筋を支えにして横筋を固定していく。型枠1の組み上げは、通常、配筋をした後に行われる。配筋、型枠1の組み上げをした後、生コンクリートを打設し、養生を行うと、コンクリート製構造躯体が完成する。
説明を省略したが、型枠1の側部の端面についても第一の連結具3が装着される。図8は、側部の端面に対して第一の連結具3を装着する様子を示した概略図である。
側部の端面については、図8に示すように、型枠1の高さにほぼ相当する長さの第一の連結具3を使用して連結を行う。この場合も、第二の連結具4や第三の連結具5における係合部42,52の高さの分だけは短い長さとなる。このような第一の連結具3を使用して側部についても連結すると、さらに連結強度が高められるので、好適である。
図9は、このようにして施工されるコンクリート製構造躯体の概略図である。図9(1)は正面図、図9(2)は、側断面概略図である。実施形態の建築物は、図9に示すようなコンクリート製構造躯体を備えている。したがって、図9は、実施形態の建築物の主要部を示した概略図である。
図9に示すように、実施形態の建築物では、生コンクリートの固化後も型枠1を残存させる。即ち、コンクリート製構造躯体は、コンクリート層6と、コンクリート層6の両側に配置された型枠1と、各連結具3〜5とより成っている。各連結具3〜5は、施工後においても、構造躯体を補強する作用を持つ。尚、図9(2)に示すように、各型枠1の段差13の部分には、第二の連結具4又は第三の連結具5が位置する。即ち、段差13は、第二の連結具4、第三の連結具5の干渉を防止するための構造である。また、第二の連結具4は、下突条部45を備えているが、この形状は、コンクリート層6に対する食い込みを強化し、より強度を高める作用を有している。
このように残存させた型枠1は、断熱材及び化粧板として機能する。即ち、実施形態の型枠1は、桐製であり、厚さが30mm以上であるので、断熱材として好適に機能する。桐自体に断熱効果があることは知られているが、発明者の研究によると、厚さが30mm以上の桐板は、外張り又は内張りの断熱材として有効に機能する。特に実施形態の型枠1は、両側に桐製の型枠1が残存しているので、内外の両張り断熱構造であるといえる。このため、格段の断熱性能を示す。
また、厚さが30mm以上であることは、型枠1としての強度を確保する上でも好適となっている。厚さが30mm未満であっても、一つの型枠1のサイズを小さくしたり、組み上げの際に外側に補強部材を設けて補強したりすることで、コンクリート型枠1として使用することができる。しかしながら、サイズを小さくすると、連結箇所が多くなって施工に手間がかかる問題があるし、外側から補強すると、補強の手間やコストがかかる上、補強部材が型枠1の外側面12に当接するので、外側面12に傷などが付きやすくなる問題がある。したがって、これらの問題がない点で、30mm以上の厚さとしておくことに大きなメリットがある。
さらに、桐板より成る型枠1は、そのまま化粧板として使用できる。高級家具の材料として周知である桐は、そのままで高級感があり、住宅家屋を始めとする各種建築物に化粧板として使用されると、ハイグレードな印象を強く与える。桐は、時間が経つと変色することで知られているが、この変色も、住宅家屋の外壁や内壁、天井等では、素材を活かした意匠として、趣のある印象をもたらす。
尚、型枠1が化粧板として残存するということは、コンクリート層6の表面が露出する訳ではないので、コンクリート層6の施工についてそれほど気をつかわなくて良いというメリットもある。コンクリート層6が露出する場合には問題とされ得る僅かな凹みも型枠1が化粧板として残存するので、問題となることはない。このため、コンクリート層6の施工についてもそれほどの熟練は要しない。
さらに、桐は、耐火性が高いことでも知れられている。したがって、化粧板としての型枠1は、そのまま防火壁として機能する。防火性能をさらに高めるため、外側面12に防火塗料を塗布しても良い。例えば、有機成分とガラス成分を混合して木材用のコーティング剤とした塗料を塗布して防火性を高める構成が挙げられる。
実施形態の型枠1において、端面に連結具3〜5が差し込まれる連結溝2が形成されている点は、連結具3〜5の装着を容易にし、型枠1の組み上げを短期間に完了させることができるようにする意義がある。型枠1の連結構造としては、溝に対して差し込むタイプの連結具ではなく、両側から挟み込んで連結する機構でも良い。但し、このような機構は、連結に手間がかかり、熟練を要する欠点がある。また、外側面12が傷付いてしまうと化粧板としての効果が損なわれてしまうので、最新の注意を払う必要があるが、差し込みタイプの連結具3〜5の場合、このような問題はない。
尚、端面に連結溝2が形成されている点は、連結具3〜5が外側から視認されてないようにすることができるので、さらに見栄えの良い仕上がりとすることができるようになる。この際、連結溝2の部分で段差13が形成されていて内側面11が短くなっていると、向かい合う型枠1を連結する連結具3〜5が型枠1に干渉することがなくなる。段差13がないと、上下に隣接する型枠1が連結具3〜5の部分で離間してしまうことになる。この構造でも良いが、離間部分で型枠1としての機能が損なわれてしまう恐れがあり、また施工後も断熱板や化粧板としての機能が損なわれてしまうことがあり得る。段差13があれば、上下に隣接する型枠1が離間してしまうことはないので、このような問題はない。
また、上記構造は、連結溝2は方形の一辺において角に達している構造である。このような構造だと、図2に示すように、当該角を当接させて二つの型枠1を並べ、当接した角にまたがった状態で連結具3〜5を装着することができる。このため、隣り合う二つの型枠1を角の部分で連結することができるようになる。つまり、一辺における連結で、上下の連結に加えて左右の連結も行えるようになる。このため、連結構造がシンプルになり、施工も短期間に完了する。
尚、横方向の型枠1の連結は、上辺部及び下辺部の突き合わせ部分に装着された連結具3〜5でのみ行うことも可能である。この構造は、施工がし易いというメリットがあるが、一つの型枠1の高さが高くなると、高さ方向で連結強度が不足する恐れもある。したがって、一つの型枠1について高さを高くする場合には、高さ方向の途中の位置に連結具3〜5が装着される構造を採用すると好適である。例えば、各型枠1の側辺部の同じ高さの位置に連結孔を形成しておき、その孔に連結ピンを差し込むことで両者を連結する構造が考えられる。尚、図9(1)に示すように、各型枠1が横長の長方形である点は、高さ方向において強度が不足することがなく、上記のような高さ途中での連結構造を不要にする意義がある。即ち、高さ途中での連結が不要なので、この部分のコストが削減でき、また工数も少なくなる。
さらに、型枠1は、合板である桐板より成るものであるので、反りのない型枠1とすることが容易で、安価に入手できる。このため、コスト的に有利であり、また品質の良いコンクリート製構造躯体を形成するのに役立つ。
敷設された各型枠1の境界部分(目地)には、適宜の目地材、コーキング等が施工されることもある。また、各型枠1の端面同士を接着材で固定する場合もあり得る。
尚、図9では、縦横4個×4個で計16個の型枠1が使用されているが、これは図示の都合上であり、実際にはもっと多い数の型枠1が使用される。
また、連結溝2は、一つの辺において連続した一本の溝ではなく、複数の小さい連結溝(以下、小口連結溝)が一列に並んだ構造であっても良い。この場合、各小口連結溝に小さなプレート状の連結具を差し込んで二つの型枠1を連結することができる。即ち、プレート状の連結具の一方の側が一方の型枠1の小口連結溝に差し込まれ、他方の側が他方の型枠1の対応する位置の小口連結溝に差し込まれる。プレート状の連結具は、全ての小口連結溝に対して差し込まれて良いし、選択された1個又は複数個の小口連結溝に差し込まれても良い。
図10は、段部やコーナー部における型枠の組み上げについて示した平面概略図である。図10に示すように、コーナー部については、予め接着や釘打ち等により直角を成すように組み立てた型枠10を使用する。係合部分がL字に曲げられた連結具を用意し、直角を成す部分を橋渡しをするような連結具が使用されることもある。90度以外の角度のコーナー部についても、当該角度に合わせて型枠を組み立てておくことで同様に施工できる。 また、コンクリート層6の端部については、一対の型枠1が向かい合っている空間を塞ぐようにして幅の短い端部用型枠100を連結する。端部用型枠100については、板の厚さ方向が深さ方向になるように連結溝を形成し、そこに対して連結具101を装着して連結する。この部分の連結具101については、例えば接着材で接着して強度を高めた構造とし抜けないようにする。接着材により接着は、他の連結具3〜5において採用しても良い。
尚、連結溝2については、必ずしも細長い形状である必要はなく、円形の穴であったり、方形の穴であったりする場合もある。
また、各型枠1は長方形である場合が多いが、正方形でもよい。この他、型枠1は、菱形、平行四辺形、三角形等であり得る。
尚、型枠1を使用したコンクリート製構造躯体は、階段部分や屋根部分についても採用され得る。屋根部分については、残存させた型枠1に対して防水施工が行われる。
1 型枠
2 連結溝
3 第一の連結具
4 第二の連結具
5 第三の連結具
6 コンクリート層

Claims (12)

  1. 厚さが30mm以上の桐板より成るコンクリート型枠兼断熱化粧板。
  2. 端面に連結具が差し込まれる連結溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠兼断熱化粧板。
  3. 前記端面に連結溝が形成された部分において、連結溝の一方の側の板面が他方の側の板面より短くなっていて段差が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコンクリート型枠兼断熱化粧板。
  4. 方形の前記桐板より成っており、前記連結溝は方形の一辺において角に達していることを特徴とする請求項2又は3記載のコンクリート型枠兼断熱化粧板。
  5. 長方形の前記桐板より成っており、前記連結溝は、長尺方向の辺に形成されていることを特徴とする請求項2、3又は4記載のコンクリート型枠兼断熱化粧板
  6. 合板である前記桐板より成ることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のコンクリート型枠兼外張り断熱化粧板。
  7. コンクリート製構造躯体を備えた建築物であって、コンクリート製構造躯体は、コンクリート層と、コンクリート層を挟む一対の断熱化粧板とより成っており、断熱化粧板は厚さ30mm以上の桐板より成るコンクリート型枠であり、コンクリート層の施工の際に型枠として使用されたものが残存された構造であることを特徴とする建築物。
  8. 前記桐板より成るコンクリート型枠は、多数並べて敷設されており、隣り合うコンクリート型枠及び向かい合うコンクリート型枠は、端面に形成された連結溝に連結具が差し込まれることで相互に連結されていることを特徴とする請求項7記載の建築物。
  9. 前記各コンクリート型枠は方形である前記桐板より成っており、前記連結溝は方形の一辺において角に達しており、
    多数並べられたコンクリート型枠のうちの隣り合う二つのコンクリート型枠は、前記連結溝が達する角を当接させた状態となっており、
    前記連結具は、当接した角にまたがった状態で当該二つコンクリート型枠を連結していることを特徴とする請求項8記載の建築物。
  10. 前記各コンクリート型枠は長方形の前記桐板より成っており、前記連結溝は長尺方向の辺に形成されており、
    前記各コンクリート型枠は、長尺方向を水平方向に向けて配置されていることを特徴とする請求項9記載の建築物。
  11. コンクリート製構造躯体形成方法であって、厚さ30mm以上の一対の桐板より成るコンクリート型枠内に生コンクリートを充填して固化させた後、当該コンクリート型枠を残存させることを特徴とするコンクリート製構造躯体形成方法。
  12. 前記コンクリート型枠は、端面に連結溝が形成されており、コンクリートを充填して固化させる際に向かい合うコンクリート型枠同士及び隣り合うコンクリート型枠同士を連結溝に差し込んだ締結具により連結し、コンクリート型枠に穴開けすることなく型枠を組み上げてコンクリートを固化させることを特徴とする請求項11記載のコンクリート製構造躯体形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113530033A (zh) * 2021-08-11 2021-10-22 西北民族大学 免支撑永久性复合保温外模板和钢木组合内模板***及其施工方法

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