JP2020142719A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020142719A
JP2020142719A JP2019041972A JP2019041972A JP2020142719A JP 2020142719 A JP2020142719 A JP 2020142719A JP 2019041972 A JP2019041972 A JP 2019041972A JP 2019041972 A JP2019041972 A JP 2019041972A JP 2020142719 A JP2020142719 A JP 2020142719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driven member
driven
winding
movement control
axial movement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019041972A
Other languages
English (en)
Inventor
博稔 石原
Hirotoshi Ishihara
博稔 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hi Lex Corp
Original Assignee
Hi Lex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hi Lex Corp filed Critical Hi Lex Corp
Priority to JP2019041972A priority Critical patent/JP2020142719A/ja
Publication of JP2020142719A publication Critical patent/JP2020142719A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】消費電力が大きくならず、軽量化が可能な駆動装置を提供すること。【解決手段】駆動装置1は、駆動部2と、回転部材3と、従動部材4と、巻取部材6と、従動部材付勢部材7と、軸方向移動制御部材8と、移動機構と、遊嵌機構とを備え、軸方向移動制御部材8は、軸方向移動制御部材8の軸X周りの回転に対して負荷を加える負荷部を有し、移動機構は、従動部材4を伝達位置に案内する案内部Saと、案内部Saに沿って相対移動する接続部とを有し、回転部材3が駆動部2の駆動力によって一方へ回転する際に、従動部材4は、軸X周り方向に回転するとともに巻取部材6に向かって軸X方向に移動して伝達位置に移動し、伝達位置にある従動部材4の回転によって、巻取部材6が回転して長尺部材5が駆動される。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動装置に関する。
たとえば、特許文献1には、電磁クラッチ機構を備えた駆動装置が開示されている。この駆動装置は、ハウジングと、ハウジングに対して回転可能に支持されたアーマチュアと、アーマチュアに対向配置されてハウジングに対して回転可能に支持されたロータ及びコイルを有してハウジングに収容された電磁クラッチ機構とを備えている。
特許文献1の駆動装置は、コイルへの通電に伴い、アーマチュア及びロータの間に発生する電磁吸引力により、アーマチュア及びロータの間で動力の伝達が可能となるように、アーマチュア及びロータを摩擦係合させている。
特開2007−46622号公報
しかし、特許文献1のような電磁クラッチ機構を備えた駆動装置の場合、電磁クラッチ機構を作動させる際に、コイルへの通電が必要となるため、駆動装置の駆動時の消費電力が大きくなる。また、特許文献1のような駆動装置の場合、コイルの巻線部分やアーマチュアなど、金属材料を用いる部分が多くなり、駆動装置全体の重量が大きくなる。
本発明は、消費電力が大きくならず、軽量化が可能な駆動装置の提供を目的とする。
本発明の駆動装置は、駆動部と、前記駆動部の駆動力によって軸周りに回転する回転部材と、前記回転部材と軸周り方向で係合可能な従動部材と、操作対象を操作する長尺部材が巻き付けられた巻取部材と、を備えた駆動装置であって、前記従動部材は、前記回転部材との係合により前記回転部材の回転に伴って回転し、前記巻取部材は、前記従動部材からの回転力の伝達により前記従動部材の回転に応じて軸周りに回転可能に設けられ、前記従動部材は、前記巻取部材に対して軸方向に相対移動可能であり、前記軸方向で前記巻取部材側に移動して前記従動部材の回転力を前記巻取部材に伝達可能な伝達位置と、前記軸方向で前記巻取部材から離れて前記巻取部材に前記従動部材の回転力が伝達されない非伝達位置との間で移動し、前記駆動装置は、前記従動部材を前記非伝達位置側に付勢する従動部材付勢部材と、同軸の相対回転が可能なように前記従動部材と接続された軸方向移動制御部材と、前記従動部材と前記軸方向移動制御部材との間に設けられ、前記従動部材を前記巻取部材に向かって軸方向に移動させる移動機構と、前記従動部材と前記軸方向移動制御部材との間に設けられ、前記従動部材と前記軸方向移動制御部材とが係合状態と相対移動許容状態とを遷移可能な遊嵌機構とを備え、前記軸方向移動制御部材は、前記軸方向移動制御部材の軸周りの回転に対して負荷を加える負荷部を有し、前記移動機構は、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の一方に設けられ、前記従動部材を前記伝達位置に案内する案内部と、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の他方に設けられ、前記案内部に沿って相対移動する接続部とを有し、前記回転部材が前記駆動部の駆動力によって一方へ回転する際に、前記従動部材は、前記遊嵌機構の相対移動許容状態において、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の一方への回転における回転速度の差によって前記接続部が前記案内部に沿って相対移動することで、軸周り方向に回転するとともに前記巻取部材に向かって軸方向に移動して前記伝達位置に移動し、前記伝達位置にある前記従動部材の回転によって、前記巻取部材が回転して前記長尺部材が駆動される。
本発明の駆動装置によれば、消費電力が大きくならず、軽量化が可能となる。
本発明の一実施形態の駆動装置の分解斜視図である。 図1の駆動装置のケースを一部切り欠いた上面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図1の駆動装置が適用されたシート操作装置を示す概略図である。 図1の駆動装置において、従動部材が回転部材に取り付けられた状態を示す図である。 図1の駆動装置において、軸方向移動制御部材が従動部材に取り付けられた状態を示す図である。 従動部材が非伝達位置に位置した状態の駆動装置の模式図である。 従動部材が非伝達位置から伝達位置に移動するまでの間の状態を示す駆動装置の模式図である。 従動部材が伝達位置に位置した状態の駆動装置の模式図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の駆動装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明の駆動装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の駆動装置1は、図1〜図3に示されるように、駆動部2と、駆動部2の駆動力によって軸周りに回転する回転部材3と、回転部材3と軸周り方向で係合可能な従動部材4と、操作対象P(図4参照)を操作する長尺部材5が巻き付けられた巻取部材6と、を備えている。また、本実施形態では、駆動装置1はさらに、回転部材3、従動部材4、巻取部材6等、駆動装置1の構成要素を収容するケースCと、従動部材付勢部材7と、軸方向移動制御部材8とを備えている。
詳細は後述するが、本実施形態の駆動装置1は、駆動部2が駆動することによって、回転部材3が回転する。回転部材3が一方に回転することによって、従動部材4が回転するとともに巻取部材6に向かって移動する。これにより、従動部材4の回転が巻取部材6に伝達されて巻取部材6が回転して、長尺部材5が巻取部材6に巻き取られることによって操作対象Pが操作される。
駆動装置1は、図4に示されるように、応用例として、たとえば、車両のシートSTのリクライニング状態の切り替えや、シートSTの前後方向の位置を調整するシート操作装置Dに適用されている。具体的には、シート操作装置Dは、駆動装置1と、駆動装置1を駆動するための操作部OPと、シートSTの操作を可能とする操作対象Pとを有している。本実施形態では、たとえば、操作ボタンなどの操作部OPが操作されると、駆動装置1が駆動され、長尺部材5が操作される。長尺部材5が操作されると、長尺部材5の端部が接続されたレバー等の操作対象Pが動作して、ラッチ機構等によるシートSTのロックが解除されて、シートSTの操作が可能となる。
なお、駆動装置1の用途は、駆動装置1の駆動時に操作対象Pについての一方の作動や移動を長尺部材5によって操作することができるものであれば、特に限定されない。駆動装置1の操作対象Pは、長尺部材5によって直接または間接的に操作可能なものであれば、特に限定されない。
駆動部2は、回転部材3を軸X(図1参照)周りに回転させる駆動力を発生させる。駆動部2は、回転部材3に直接または間接的に接続され、駆動部2の駆動力を回転部材3に伝達し、回転部材3を軸X周りに回転させる。
本実施形態では、駆動部2は、図1および図2に示されるように、モータ21と、モータ21の駆動力によって回転するウォームギヤ22とを有している。本実施形態では、ウォームギヤ22は、軸Xに対して垂直な方向に延び、ウォームギヤ22の歯が、回転部材3の歯に噛合して、回転部材3が軸X周りに回転する。なお、駆動部2の形状や構造は、回転部材3を軸X周りに回転させることができれば、特に限定されない。たとえば、駆動部は、ウォームギヤ22に代えて、回転部材3と噛合する歯を有する、平歯車、傘歯車、またはラック部材を有していてもよい。
駆動部2は、本実施形態では、図1および図2に示されるように、ケースCに接続されている。ケースCは、上述したように、駆動装置1の構成要素を収容する。本実施形態では、ケースCは、収容凹部を有するケース本体C1と、ケース本体C1の収容凹部を閉鎖する蓋部C2とを有している。ケースCの形状および構造は、駆動装置1の各構成要素を収容することができれば、特に限定されない。本実施形態では、ケースCは、軸方向移動制御部材8、従動部材4、従動部材付勢部材7、回転部材3、巻取部材6、後述する巻取部材付勢部材9(図1参照)を、軸X方向に順に収容している。本実施形態では、軸方向移動制御部材8、従動部材4、回転部材3、および、巻取部材6は、ケースC内で軸X周りに回転できるように設けられている。なお、駆動装置1の各構成要素が配置される位置や順序は、後述する効果を奏するものであれば、本実施形態の位置や順序に限定されない。
回転部材3は、駆動部2の駆動力によって回転し、従動部材4を回転させるために、回転部材3の回転を従動部材4に伝達する。本実施形態では、回転部材3は、ケースC内で軸X周りに回転する。具体的には、回転部材3は、軸方向移動制御部材8に設けられた軸部材81に回転可能に支持されて(図3参照)、軸部材81に対して回転する。
回転部材3の軸X方向での位置は特に限定されないが、本実施形態では、回転部材3は、軸X方向で巻取部材6と従動部材4との間に設けられている。また、回転部材3の構造は、駆動部2の駆動力によって回転し、従動部材4を回転させるために、回転部材3の回転を従動部材4に伝達することができれば、特に限定されない。本実施形態では、回転部材3は、図1および図5に示されるように、回転部材側基部31と、駆動部2に直接または間接的に係合して連結される連結部32と、従動部材4と直接または間接的に係合する回転部材側被係合部33とを有している。
回転部材側基部31は、本実施形態では、図1および図5に示されるように、軸Xに対して略垂直に延びる円盤状に形成されている。回転部材側基部31は、回転部材側基部31の中央部に軸部材81が挿通される軸挿通孔31aを有している。連結部32は、駆動部2と直接または間接的に係合することによって、駆動部2と回転部材3とを連結し、駆動部2の駆動時に回転部材3が回転することを可能にしている。連結部32の形状や構造は、駆動部2と係合可能であれば、特に限定されず、駆動部2が設けられる位置や駆動部2の構造によって適宜変更される。本実施形態では、連結部32は、駆動部2のウォームギヤ22と係合する、回転部材3の外周に形成された歯部である。
回転部材側被係合部33は、回転部材3が軸X周りに一方に回転したときに、回転部材3の回転によって従動部材4を回転させることができるように、従動部材4と係合する部位である。回転部材側被係合部33の位置や構造は、従動部材4を回転させることができるように、従動部材4と係合することができれば、特に限定されない。本実施形態では、回転部材側被係合部33は、回転部材3の一方の回転により従動部材4と軸X周り方向で係合し、回転部材3の他方の回転では係合をしないように構成されている。具体的には、回転部材側被係合部33は、図5に示されるように、回転部材側基部31に形成された貫通孔31bの縁部のうち、回転部材3が回転したときに、後述する従動部材4の係合部42が軸X周り方向で係合する部位である。なお、回転部材側被係合部33の形状や構造は、従動部材4と係合することができれば特に限定されず、回転部材3の一方の回転により従動部材4の係合部と当接する当接部とすることができる。回転部材側被係合部33は、本実施形態では、従動部材4の係合部42の数に応じて、回転部材側基部31に軸X周り方向に複数(本実施形態では6つ)設けられているが、回転部材側被係合部33の位置や数は特に限定されない。
従動部材4は、回転部材3と軸X周り方向で係合可能であり、回転部材3との係合により回転部材3の回転に伴って回転する。本実施形態では、従動部材4は、回転部材3と同軸上に設けられ、回転部材3と同方向に回転するように構成されている。また、従動部材4は、巻取部材6に対して軸X方向に相対移動可能である。従動部材4は、軸X方向で巻取部材6側に移動して従動部材4の回転力を巻取部材6に伝達可能な伝達位置(図9参照)と、軸X方向で巻取部材6から離れて巻取部材6に従動部材4の回転力が伝達されない非伝達位置(図7参照)との間で移動する。伝達位置に位置する従動部材4は、軸X周り方向で巻取部材6と係合可能であり、従動部材4が回転することによって、巻取部材6を軸X周りに回転させることができる。従動部材4の伝達位置は、従動部材4の非伝達位置に対して従動部材4が巻取部材6側に移動して、従動部材4の軸X周り方向での回転力を巻取部材6に伝達できる従動部材4の軸X方向での位置である。従動部材4の非伝達位置は、従動部材4の伝達位置に対して従動部材4が巻取部材6から離れる方向に移動して、従動部材4の軸X周り方向での回転力が巻取部材6に伝達されない従動部材4の軸X方向での位置である。なお、本実施形態では、従動部材4は、後述する軸方向移動制御部材8によって、巻取部材6に対して軸X方向に相対移動して、伝達位置と非伝達位置との間を移動する。なお、本明細書において、従動部材4が非伝達位置から伝達位置へ移動するときの従動部材4の回転方向を第一方向D1と呼び、第一方向D1と反対方向の回転方向を第二方向D2と呼ぶ。同様に、従動部材4が第一方向D1に回転したときの、回転部材3、巻取部材6および軸方向移動制御部材8の回転方向も第一方向D1と呼び、第一方向D1と反対方向の回転方向を第二方向D2と呼ぶ。
従動部材4の形状や構造は、回転部材3との係合により回転し、巻取部材6に対して軸X方向に相対移動可能であり、伝達位置にあるときに巻取部材6に回転力を伝達することができれば、特に限定されない。本実施形態では、従動部材4は、図1および図6に示されるように、基部41と、基部41から軸X方向に延び回転部材3と軸X周り方向に係合する係合部42とを有している。
本実施形態では、基部41は円盤状に形成され、基部41の周縁部からは、複数(本実施形態では6つ)の係合部42が軸X方向に延びている。基部41の中央部には、後述する軸方向移動制御部材8が配置される収容部411が形成されている。収容部411は、本実施形態では、基部41を軸X方向に貫通した貫通孔であり、図6に示されるように、円形部分411aと、円形部分411aの外周から径方向外側に部分的に拡幅した開口部411bとを有している。
係合部42は、従動部材4が伝達位置に移動したときに、係合部42が、巻取部材6と軸X周り方向に係合可能であり、伝達位置にある従動部材4が回転したときに、巻取部材6を回転させる。本実施形態では、係合部42は、非伝達位置にあるときには巻取部材6と係合せず、伝達位置にあるときに、巻取部材6と係合するように所定の長さで軸X方向に延びている。
本実施形態では、係合部42は、巻取部材6に加えて、回転部材3とも軸X周り方向で係合するように構成されている。係合部42は、回転部材3に対して軸X方向に相対移動できるように、回転部材3と係合している。本実施形態では、上述したように、回転部材3は回転部材側被係合部33を有する貫通孔31bを有し、係合部42は、貫通孔31bの内面に対して軸X方向で移動できるように、貫通孔31bに挿入されている(図5参照)。これにより、係合部42は、従動部材4が巻取部材6に向かって軸X方向に移動した場合に、係合部42と回転部材側被係合部33とが軸X周り方向で係合しながら、係合部42の先端部が貫通孔31bから突出する(図8および図9参照)。これにより、後述する巻取部材6の巻取部材側被係合部62と軸X周り方向で係合して、巻取部材6を回転させることができる。
係合部42の形状は、巻取部材6と軸X周り方向に係合可能であれば、特に限定されない。係合部42は、軸X方向での巻取部材6の側の端部に、後述の巻取部材側被係合部62と摺動する摺動部42cを有している。従動部材4の係合部42は、一方への回転によって巻取部材6と係合することで巻取部材6を回転させ、他方への回転によって巻取部材6と摺動することによって、巻取部材6が従動部材4との相対回転をするのを許容する。本実施形態では、係合部42は、図1および図5に示されるように、軸X方向に対して垂直な断面が略台形状に形成されており、同様に略台形状に形成された貫通孔31bに挿入されて、係合部42の第二方向D2側の側縁42bと、貫通孔31bの内面のうち第二方向D2側に位置する回転部材側被係合部33とが、従動部材4の回転方向で対向するように設けられている。
また、本実施形態では、係合部42は、軸X周り方向で第二方向D2側の側縁42bから第一方向D1側の側縁42aに向かって、基部41からの軸X方向での高さが高くなるように傾斜している(図1等参照)。この場合、係合部42は、第一方向D1に回転しながら、軸X方向へと移動するが、係合部42の側縁42aは、図8に示されるようにわずかな移動で巻取部材6の巻取部材側被係合部62と係合することができる。一方、係合部42の側縁42bは、基部41からの突出高さが低いので、係合すべき巻取部材側被係合部62とは異なる巻取部材側被係合部62と干渉することが抑制される。本実施形態においては、摺動部42cは傾斜面として係合部42に設けられている。
また、本実施形態では、それぞれの係合部42は、巻取部材6のみと係合する第1係合部と、回転部材3のみと係合する第2係合部とを別々に有しているが、従動部材は、巻取部材6および回転部材3の両方と係合するように構成されていてもよい。
本実施形態では、駆動装置1は、図1および図3に示されるように、従動部材4を非伝達位置側に付勢する従動部材付勢部材7を有している。従動部材付勢部材7は、回転部材3が第二方向D2に回転したときに、従動部材4を非伝達位置側に付勢して従動部材4が非伝達位置へ移動することを補助する。
本実施形態では、従動部材付勢部材7は、軸X方向で回転部材3と従動部材4との間に設けられて、従動部材4を非伝達位置側に付勢している。具体的には、従動部材付勢部材7は、回転部材側基部31と従動部材4の基部41との間に設けられたコイルばねである。なお、従動部材付勢部材7は、従動部材4を非伝達位置側に付勢することができれば、配置位置は特に限定されない。たとえば、図1において、ケースCの底部(図1におけるケース本体C1の下側の面)と従動部材4の基部41との間に設けられて、従動部材4を巻取部材6から離れる方向に引くことにより、従動部材4を非伝達位置側に付勢してもよい。また、従動部材付勢部材7はコイルばねに限定されず、板ばねなど、従動部材4を非伝達位置側に付勢することが可能な、他の付勢部材であってもよい。
巻取部材6は、操作対象Pを操作する長尺部材5を巻き付ける部材である。巻取部材6は、従動部材4からの回転力の伝達により従動部材4の回転に応じて軸X周りに回転可能に設けられている。本実施形態では、巻取部材6は、従動部材4からの回転力の伝達によって第一方向D1に回転したときに、長尺部材5を巻き取り、第二方向D2に回転したときに、長尺部材5を繰り出すように構成されている。巻取部材6は、図3に示されるように、ケースCに対して軸X周りに回転するように設けられている。本実施形態では、巻取部材6は、軸部材81を軸として回転するように構成されている。
巻取部材6に巻き取られる長尺部材5は、操作対象Pを操作することができれば特に限定されない。本実施形態では、長尺部材5は、ケーブル51、具体的にはコントロールケーブルのインナーケーブル51を有している。本実施形態では、図2および図4に示されるように、ケーブル51の一端51aは巻取部材6に取り付けられ、他端51bは操作対象P側に取り付けられる。なお、ケーブル51の他端51bは、操作対象Pに直接接続されていてもよいし、ケーブル51の他端51bと、操作対象Pとの間を中継接続する中継機構などを介して間接的に接続されていてもよい。ケーブル51は、本実施形態では、駆動装置1のケースCから導出され、操作対象Pに向かって所定の配索経路に沿って延びている。本実施形態では、ケーブル51は、図2および図4に示されるように、アウターケーシング52に挿通されて、所定の配索経路に沿って配索されている。
巻取部材6は、本実施形態では、図1および図3に示されるように、長尺部材5を巻き取る巻取部61aを有し、軸X周りに回転可能に設けられた巻取部材側基部61と、従動部材4と係合する巻取部材側被係合部62とを有している。
巻取部材側基部61は、長尺部材5が巻き取られ、軸X周りに回転することによって、長尺部材5を巻き取りおよび繰り出す部位である。巻取部材側基部61の形状や構造は、軸X周りに回転することによって、長尺部材5を巻き取りおよび繰り出すことができれば、特に限定されない。巻取部材側基部61は、たとえば、図1に示されるように、駆動プーリであってもよいし、複数回長尺部材5を巻回可能なドラムであってもよい。巻取部61aは、巻取部材側基部61の外周に設けられた、長尺部材5が巻き取られる部位である。巻取部61aの形状や構造は特に限定されないが、たとえば、長尺部材5を巻き取り可能な巻回溝とすることができる。巻取部材側基部61は、図2に示されるように、一方の端面にケーブル51の一端51aが接続されるケーブル接続部61bを有している。
本実施形態では、巻取部材6は、図1および図3に示されるように、巻取部材付勢部材9によって軸X周り方向に付勢されている。具体的には、巻取部材6は、第二方向D2へと巻取部材付勢部材9によって付勢されている。これにより、巻取部材6が従動部材4からの回転力の伝達によって第一方向D1に回転した後、従動部材4からの回転力の伝達が解除されたときに、巻取部材付勢部材9の付勢力によって、巻取部材6は第二方向D2に回転して初期位置に戻る。本実施形態では、巻取部材付勢部材9は、長尺部材5を繰り出す方向に巻取部材6を付勢している。これにより、巻取部材6が従動部材4によって第一方向D1に回転し、長尺部材5が巻取部材6に巻き取られた後、従動部材4からの回転力の伝達が解除されたときに、巻取部材付勢部材9は巻取部材6を第二方向D2に回転させて、長尺部材5が巻取部材6から繰り出される。なお、巻取部材付勢部材9は、第一方向D1が長尺部材5を繰り出す方向である場合、長尺部材5を巻き取る方向に巻取部材6を付勢してもよい。
本実施形態では、巻取部材付勢部材9は巻取部材側基部61の一方の端面に形成された凹部61cに収容されたトーションバネである。トーションバネとして示された巻取部材付勢部材9の一端は、ケースCの蓋部C2に、他端は巻取部材6に接続されて、巻取部材6を軸X周り方向に付勢している。巻取部材付勢部材9の形状や構造は、巻取部材6を軸X周り方向に付勢することができれば、特に限定されない。たとえば、巻取部材付勢部材9は、渦巻きバネなど、他の付勢部材であってもよい。
巻取部材側被係合部62は、従動部材4の回転によって、巻取部材6が回転できるように従動部材4と係合するように構成される。巻取部材側被係合部62は、伝達位置にある従動部材4と軸X周り方向で係合できる位置に設けられる。巻取部材側被係合部62は、従動部材4が第一方向D1に回転したときに、従動部材4の回転力を巻取部材6に伝達できるように係合する。巻取部材側被係合部62の形状や構造は、従動部材4の回転によって、巻取部材6が回転できるように従動部材4と係合することができれば、特に限定されない。本実施形態では、巻取部材側被係合部62は、図1に示されるように、巻取部材側基部61の従動部材4側の端面の周縁から径方向外側に突出している。巻取部材側被係合部62は、本実施形態では、周方向に複数(本実施形態では6つ)設けられているが、巻取部材側被係合部62の数や配置は特に限定されない。巻取部材側被係合部62は、巻取部材6の回転方向に面し、従動部材4に設けられた係合部42の一方側の側部42aと係合ずる係合部を一方側に有し、係合部42の摺動部42cと摺動可能な摺動部を他方側に有している。一方側の側部42aと係合する係合部は、具体的には、巻取部材6の回転方向に面する側部である。摺動部42cと摺動可能な摺動部は、具体的には、巻取部材側被係合部62の、軸X方向の従動部材4側の端部であり、一方側の側部42aと係合する係合部とは反対側に位置する部位を含む。
また、巻取部材6は、図2に示されるように、駆動装置1のケースCと当接して巻取部材6の回転角度を所定範囲に規制する規制部63を有し、駆動装置1のケースCが規制部63と当接する当接部Aを有している。規制部63は、巻取部材6の回転時に、所定の回転角度で回転したときに、当接部Aに当接することによって、巻取部材6の回転角度を所定範囲に規制して、長尺部材5の巻取量を所定範囲に規制する。これにより、長尺部材5の移動量を正確にすることができる。規制部63は、巻取部材6に設けられ、巻取部材6の回転に伴って、軸X周り方向での位置を変え、巻取部材6の所望の回転角度に対応した位置に設けられた当接部Aと当接して、巻取部材6の回転角度を規制している。当接部Aは、本実施形態では、初期状態(図2参照)において規制部63と当接する第1当接部A1と、巻取部材6が第一方向D1に所定量回転したときに(図2の二点鎖線参照)当接する第2当接部A2とを有している。第1当接部A1は、巻取部材付勢部材9の付勢力によって、巻取部材6が第二方向D2に力を受けたときに規制部63と当接する。一方、第2当接部A2は、従動部材4によって巻取部材6が所定量第一方向D1に回転することによって、規制部63と当接する。
本実施形態では、規制部63は、図1に示されるように、巻取部材側基部61の一方の端面から突出する突部であり、当接部Aは、ケースCの蓋部C2から巻取部材側基部61の一方の端面に向かって突出する突部である。規制部63および当接部Aの形状および構造は、互いに当接して、巻取部材6の回転角度を所定範囲に規制することができれば、特に限定されない。たとえば、規制部を凹部として、当接部を突部としてもよいし、規制部を突部として、当接部を凹部としてもよい。
本実施形態では、図1および図2に示されるように、規制部63および/または当接部Aが緩衝部材DPを有している。緩衝部材DPは、規制部63と当接部Aとの間の当接時の異音を抑制し、駆動装置1の駆動時の異音を抑制することができる。緩衝部材DPは、たとえば、ゴムなどの、当接時の異音を軽減することが可能な、柔軟な材料とすることができる。緩衝部材DPは、規制部63のうち、軸X周り方向で一方の端部と他方の端部に設けられ、両方向の回転に対して異音を抑制している。なお、緩衝部材DPは、規制部63に設けずに、第1当接部A1および第2当接部A2のそれぞれに設けても構わない。
また、駆動装置1は、図7〜図9に示されるように、同軸の相対回転が可能なように従動部材4と接続された軸方向移動制御部材8と、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間に設けられ、従動部材4を巻取部材6に向かって軸X方向に移動させる移動機構Sと、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間に設けられ、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが係合状態と相対移動許容状態とを遷移可能な遊嵌機構Lとを有している。
詳細は後述するが、従動部材4は、移動機構Sおよび遊嵌機構Lによって、図7〜図9に示されるように、従動部材4が軸方向移動制御部材8に対して相対回転しながら、従動部材付勢部材7の付勢力に抗して、伝達位置側へ移動する。従動部材4が伝達位置へ移動すると、従動部材4と巻取部材6とが係合して巻取部材6を従動部材4と同方向(第一方向D1)に回転させる。なお、従動部材4と軸方向移動制御部材8との相対回転は、従動部材4が回転する際に、軸方向移動制御部材8が従動部材4の回転速度よりも低い速度で回転するものだけでなく、軸方向移動制御部材8が回転せずに従動部材4のみが回転するものも含まれる。
軸方向移動制御部材8は、従動部材4の軸X方向への移動を制御する。具体的には、軸方向移動制御部材8は、後述するように、従動部材4を軸方向移動制御部材8に対して軸X周り方向および軸X方向で相対移動させて、従動部材4を巻取部材6に接続させる。
軸方向移動制御部材8は、本実施形態では、従動部材4と同様に、軸X周りに回転するように構成されている。軸方向移動制御部材8は、図3に示されるように、従動部材4を収容するケースCに、軸周り回転が可能に支持されている。本実施形態では、軸方向移動制御部材8は、図3に示されるように、ケースCに取り付けられる軸部材81と、軸部材81に対して回転可能に設けられた回転部82と、軸方向移動制御部材8の軸X周りの回転に対して負荷を加える負荷部83とを有している。
軸部材81は、本実施形態では、ケースCに対して固定されている。軸部材81は、図3に示されるように、回転部材3、巻取部材6の回転軸としても機能している。
回転部82は、軸X周りに回転可能に構成されている。本実施形態では、回転部82は、軸部材81に対して回転できるように構成されている。回転部82は、本実施形態では、従動部材4の基部41の中央に設けられた収容部411内に配置される。本実施形態では、回転部82は、軸部材81の外側に配置された筒状部821と、筒状部821の外周に設けられた、後述する複数の突部PRとを有している。
負荷部83は、従動部材4の回転方向に対してその回転方向への回転を抑制する負荷を与える。負荷部83は、従動部材4に対して負荷を与えることにより、従動部材4が回転を開始し始めたときに、従動部材4を軸方向移動制御部材8に対して相対回転させる。本実施形態では、負荷部83は、軸部材81と回転部82との間に設けられ、回転部82を介して従動部材4に負荷を加えている。本実施形態では、負荷部83は、回転部82を第二方向D2へ付勢している。
なお、負荷部83の構造は、従動部材4の回転方向への移動に対して負荷を与えることができれば、特に限定されない。本実施形態では、負荷部83は、ケースCとの係合により軸方向移動制御部材8の回転を抑制可能なバネSPを有している。バネSPの付勢力によって、軸方向移動制御部材8の回転に対するブレーキ力を付与し、後述する移動機構Sによって、従動部材4が軸X方向に移動する。バネSPは、いわゆるブレーキスプリングを用いることができる。負荷部83は、駆動装置において回転部82と同軸に設けられているので、省スペース化を図ることができる。
本実施形態では、バネSPは、軸部材81と回転部82との間に設けられたトーションバネであり、軸部材81を介してケースCと間接的に係合している。バネSPは、ケースCに対して回転部82の内側で相対回転不能に係合する係合部を有している。バネSPは、ケースCと係合した軸部材81に一端側が係合し、回転部82に他端側が係合している。なお、バネSPはケースCに直接係合していてもよい。また、負荷部83は、従動部材4の回転方向に対してその回転方向への回転を抑制する負荷を与えることができれば、バネによる負荷に限定されない。たとえば、負荷部は、回転に対するブレーキ力を付与するロータリーダンパーや、他のバネなど、他の構造であってもよい。
なお、軸方向移動制御部材8は、本実施形態では、従動部材4の中央の収容部411に配置されているが、従動部材4と同軸の相対回転が可能であれば、軸方向移動制御部材8の従動部材4に対する位置は特に限定されない。
軸方向移動制御部材8と従動部材4との間には、図7〜図9に示されるように、従動部材4を巻取部材6に向かって軸X方向に移動させる移動機構Sと、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが係合状態と相対移動許容状態とを遷移可能な遊嵌機構Lとが設けられている。
移動機構Sは、従動部材4を巻取部材6に係合させるために、従動部材4を巻取部材6に向かって軸X方向に移動させる。移動機構Sは、図7〜図9に示されるように、従動部材4および軸方向移動制御部材8の一方に設けられ、従動部材4を伝達位置に案内する案内部Saと、従動部材4および軸方向移動制御部材8の他方に設けられ、案内部Saに沿って相対移動する接続部Sbとを有している。なお、本実施形態では、案内部Saが軸方向移動制御部材8に設けられ、接続部Sbが従動部材4に設けられているが、案内部Saが従動部材4に設けられ、接続部Sbが軸方向移動制御部材8に設けられていてもよい。
案内部Saは、回転部材3が第一方向D1に回転して、従動部材4が第一方向D1に回転したときに、接続部Sbと接続されて、従動部材4の第一方向D1への回転時に案内部Saと接続部Sbとの間に作用する力を、従動部材4が巻取部材6に向かって移動する力に変換して、従動部材4を軸X方向で伝達位置に向かって移動させる。図7および図8に示されるように、従動部材4が回転して、接続部Sbが案内部Saに接触して接続した後、接続部Sbが案内部Saに沿って案内されながら、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが相対回転して、従動部材4を巻取部材8に向かって移動させる。
本実施形態では、移動機構Sの案内部Saは、軸方向移動制御部材8に設けられている。具体的には、案内部Saは、回転部82において軸X方向に延びる突部PRに設けられている。なお、案内部Saは、従動部材4に設けられていてもよい。たとえば、従動部材4から軸方向移動制御部材8に向かって延びる、案内部を有する突部を設けてもよい。突部PRは、本実施形態では、図7〜図9に示されるように、案内部Saを有する軸方向突部PR1と、後述する遊嵌機構開口部に嵌合する嵌合突部PR2とを有している。なお、軸方向突部PR1と嵌合突部PR2とは、本実施形態では、軸X周り方向で隣接して一体的に設けられているが、軸X周り方向で離間して別々に設けられていてもよい。
本実施形態では、移動機構Sの案内部Saは、軸方向突部PR1の傾斜面Sa1である。軸方向突部PR1の傾斜面Sa1は、たとえば、従動部材4が軸方向移動制御部材8よりも相対的に速く回転することによって従動部材4が軸方向移動制御部材8に対して相対回転したときに、接続部Sbが傾斜面Sa1に案内されることにより、従動部材4が巻取部材6に向かって軸X方向で伝達位置に向かって移動するように傾斜していればよい。本実施形態では、軸方向移動制御部材8の軸方向突部PR1に設けられた傾斜面Sa1は、第一方向D1に進むに従って、巻取部材6に近くなるように傾斜している(図1、図7〜図9参照)。なお、従動部材4側に、軸方向移動制御部材8に向かって突出した案内部(傾斜面)が設けられる場合、たとえば、傾斜面は、第一方向D1に進むに従って、傾斜面の表面が従動部材4の基部41に対する高さが低くなるように傾斜していればよい。
なお、案内部Saの軸X方向における高さは、従動部材4と巻取部材6とが係合できる軸X方向の移動が実現できるように構成されていればよい。
接続部Sbは、案内部Saに接触して接続され、従動部材4の第一方向D1への回転時に接続部Sbが案内部Saに沿って相対移動することにより、従動部材4を巻取部材6に向かって伝達位置に向かって移動させる。これにより、従動部材4は、巻取部材6と係合して、従動部材4の回転を巻取部材6に伝達する。
接続部Sbは、案内部Saが従動部材4に設けられている場合は、軸方向移動制御部材8に設けられ、案内部Saが軸方向移動制御部材8に設けられている場合は、従動部材4に設けられる。本実施形態では、接続部Sbは、従動部材4に設けられている。本実施形態では、図7〜図9に示されるように、案内部Saに沿って相対移動する接続部Sbは、軸方向突部PR1が挿入される開口部411bの縁部Eである。
なお、本実施形態では、従動部材4は軸Xを通る中央部に、貫通孔として形成された収容部411を有しており、その収容部411に、軸方向移動制御部材8の回転部82が収容されている。収容部411は、図6に示されるように、回転部82の筒状部821が入る円形部分411aと、円形部分411aの径方向外側に拡幅した、軸方向突部PR1が挿入される開口部411bとを有している。開口部411bは、軸X周り方向に、軸方向突部PR1の数に応じて複数設けられている。
なお、接続部が軸方向移動制御部材8側に設けられる場合、接続部は、従動部材4から突出する軸方向突部が挿入される、軸方向移動制御部材8に設けられた開口部の縁部とすることができる。接続部Sbの構造は、案内部Saと接触して従動部材4の第一方向D1への回転により案内部Saに沿って接続部Sbが相対移動することができれば、特に限定されない。たとえば、従動部材4および軸方向移動制御部材8の互いに対向する両方の端面に、互いに軸X周り方向で係合する突部を設け、いずれか一方の突部に案内部Saを設け、他方の突部に接続部Sbを設けてもよい。
遊嵌機構Lは、従動部材4と軸方向移動制御部材8とを係合状態と相対移動許容状態とで遷移可能にする機構である。相対移動許容状態は、図7および図8に示されるように、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間の回転速度の差によって、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが互いに対して相対回転する状態である。また、係合状態は、図9に示されるように、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが回転方向で係合することにより、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間の相対回転が抑制され、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが連動して同方向に回転する状態である。
遊嵌機構Lは、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが相対移動許容状態のときに、図7および図8に示されるように、移動機構Sにより接続部Sbが案内部Saに案内される。移動機構Sにより、従動部材4が巻取部材6に向かって移動し、軸X方向で伝達位置まで移動すると、遊嵌機構Lにおいて、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが係合状態となる。これにより、軸方向移動制御部材8は、従動部材4の回転に連動して第一方向D1に回転することができる。本実施形態では、伝達位置に移動した従動部材4は、図9に示される状態から巻取部材6とともに回転して、長尺部材5が巻き取られて、操作対象Pが操作される。
遊嵌機構Lは、本実施形態では、軸X方向に突出する嵌合突部PR2と、嵌合突部PR2を空間内に収容する遊嵌機構開口部とを有している。遊嵌機構開口部は、本実施形態では、軸方向突部PR1が挿入される開口部411bと一体的に形成されている。
嵌合突部PR2は、図7および図8に示されるように、従動部材4が所定の回転角度で回転する間、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが相対回転可能なように、遊嵌機構開口部内の空間で遊嵌状態とされる。また、嵌合突部PR2は、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが相対移動許容状態で、従動部材4が所定の角度回転した後は、図9に示されるように、遊嵌機構開口部の少なくとも一部と回転方向で係合する。嵌合突部PR2と遊嵌機構開口部の少なくとも一部が回転方向で係合すると、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間の相対回転が抑制され、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが連動して共に回転する。
本実施形態では、嵌合突部PR2と遊嵌機構開口部内の内壁とは、係合状態において面接触して係合している(図9参照)。しかし、嵌合突部PR2と遊嵌機構開口部内の係合部位とは、従動部材4と軸方向移動制御部材8との間の相対回転が抑制されて連動して回転することができるように係合すればよい。
本実施形態では、嵌合突部PR2は軸方向移動制御部材8に設けられ、遊嵌機構開口部は従動部材4に設けられている。なお、嵌合突部PR2が従動部材4に設けられ、遊嵌機構開口部が軸方向移動制御部材8に設けられていてもよい。嵌合突部PR2の形状は、遊嵌機構開口部の少なくとも一部と係合することができれば、特に限定されない。本実施形態では、嵌合突部PR2は、図1に示されるように、回転部82の外周から突出した突部として設けられている。また、本実施形態では、嵌合突部PR2は軸方向突部PR1と一体的に突部PRに設けられている。突部PRは、従動部材4が従動部材付勢部材7により軸方向移動制御部材8側に押圧されることにより、従動部材4に設けられた開口部411bに収容されるように挿入される。なお、軸方向突部PR1および嵌合突部PR2は、本実施形態では、図6に示されるように、周方向に離間してそれぞれ3つ設けられている。しかし、軸方向突部PR1および嵌合突部PR2の数は特に限定されず、それぞれ1つであってもよいし、複数であってもよい。
遊嵌機構開口部の形状は、嵌合突部PR2を収容することができ、従動部材4と軸方向移動制御部材8とを係合状態と相対移動許容状態とで遷移可能とすることができれば、特に限定されない。本実施形態では、遊嵌機構開口部は、軸方向突部PR1を収容する移動機構開口部と一体的に開口部411bとして形成されている。
本実施形態では、上述したように、駆動装置1は、負荷部83を有する軸方向移動制御部材8と、案内部Saおよび案内部Saに沿って相対移動する接続部Sbを有し、従動部材4を巻取部材6に向かって移動させる移動機構Sと、従動部材4と軸方向移動制御部材8とが係合状態と相対移動許容状態とを遷移可能な遊嵌機構Lとを有している。したがって、回転部材3が駆動部2の駆動力によって一方(第一方向D1)へ回転する際に、従動部材4は、遊嵌機構Lの相対移動許容状態において、従動部材4および軸方向移動制御部材8の一方への回転における回転速度の差によって接続部Sbが案内部Saに沿って相対移動する。これにより、従動部材4は、軸X周り方向に回転するとともに巻取部材6に向かって軸X方向に移動して伝達位置に移動する。そして、伝達位置にある従動部材4の回転によって、巻取部材6が回転して長尺部材5が駆動される。このように、本実施形態の駆動装置1は、電磁クラッチ機構を用いることなく、従動部材4を巻取部材6に回転力が伝わる伝達位置と回転力が伝わらない非伝達位置との間で移動させる。従動部材4が伝達位置に移動したときには、駆動装置1は、巻取部材6を従動部材4と連動させて回転させることができる。したがって、本実施形態の駆動装置1は、機械的な機構で従動部材4と巻取部材6とを連動させて長尺部材5による操作対象の操作が可能となる。そのため、駆動装置1は、従動部材4の伝達位置と非伝達位置との間の移動に電磁石を用いる必要がなく、駆動装置1の消費電力を小さくすることができる。また、本実施形態の駆動装置1は、コイルやアーマチュアなど、電磁石に用いられる金属部材は不要となる。したがって、駆動装置1を軽量化することができる。
つぎに、シート操作装置Dを例にあげて、本実施形態の駆動装置1の動作について説明する。なお、以下の動作はあくまで一例であり、以下の説明により、本発明が限定されるものではない。
まず、図4に示されるシート操作装置DのシートSTの傾倒角度を調整するために、操作ボタンなどの操作部OPが操作される。操作部OPが操作されると、駆動装置1の駆動部2が駆動される。具体的には、操作部OPが操作されると、駆動部2のモータ21が回転して、ウォームギヤ22が回転する。ウォームギヤ22が回転すると、ウォームギヤ22と噛み合う回転部材3が第一方向D1に回転する(図2参照)。回転部材3の貫通孔31bに挿入された従動部材4の係合部42は、係合部42の側縁42aが回転部材側被係合部33と係合しているので、回転部材3が第一方向D1に回転すると、従動部材4も第一方向D1に回転する。
従動部材4が第一方向D1に回転すると、図7および図8に示されるように、従動部材4の開口部411bの縁部Eが、軸方向移動制御部材8の回転部82に設けられた案内部Saに当接し、軸方向移動制御部材8には従動部材4から、第一方向D1に力が加わる。軸方向移動制御部8は、上述したように、負荷部83を有しており、回転部82が第一方向D1に回転することが抑制され、従動部材4が軸方向移動制御部8の回転部82に対して相対回転する。その際に、図8に示されるように、従動部材4の開口部411bの縁部Eが、回転部82の傾斜した案内部Saに沿って移動し、従動部材4は、従動部材付勢部材7の付勢力に抗して、従動部材付勢部材7を縮めながら、巻取部材6に向かって軸X方向に移動する。
従動部材4が軸X方向に移動すると、図9に示されるように、従動部材4の係合部42の先端は、巻取部材6の巻取部材側被係合部62と係合可能な伝達位置まで移動しており、従動部材4の第一方向D1への回転によって、巻取部材6が第一方向D1に回転できる状態となる。なお、このとき、従動部材4の開口部411bの内面は、嵌合突部PR2の第二方向D2側の側縁と当接している。そのため、従動部材4が図9の状態からさらに回転したときに、従動部材4と軸方向移動制御部材8の回転部82は、負荷部83の付勢力に抗して、従動部材4とともに第一方向D1に回転することができる。したがって、従動部材4による巻取部材6の回転は妨げられることなく、回転部材3、従動部材4、軸方向移動制御部材8および巻取部材6が第一方向D1に回転して、長尺部材5が巻取部材6に巻き取られる。
長尺部材5が巻取部材6に巻き取られると、図2に示されるように、長尺部材5の他端51bが移動して、操作対象Pが操作される。これにより、シートSTをロックしているロック機構のロックが解除され、シートSTの傾倒状態を変更することが可能になる。なお、巻取部材6が所定の回転角度で回転したとき、図2に示されるように、巻取部材6の端面に設けられた規制部63が第一方向D1に回転して、第2当接部A2と当接するまで移動する。これにより、巻取部材6の回転角度が規制されて、長尺部材5の操作量を所定量とすることができる。また、規制部63は緩衝部材DPを有しているため、巻取部材6が所定量回転したときに、規制部63と第2当接部A2とが当接したときの異音が低減される。
シートSTの操作が完了すると、巻取部材6は巻取部材付勢部材9の付勢力によって、従動部材4は従動部材付勢部材7の付勢力によって初期位置に戻り、長尺部材5が巻取部材6から繰り出されて、シートSTのロック機構がロック状態となり、操作が終了する。
1 駆動装置
2 駆動部
21 モータ
22 ウォームギヤ
3 回転部材
31 回転部材側基部
31a 軸挿通孔
31b 貫通孔
32 連結部
33 回転部材側被係合部
4 従動部材
41 基部
411 収容部
411a 円形部分
411b 開口部
42 係合部
42a、42b 係合部の側部
42c 摺動部
5 長尺部材
51 ケーブル
51a ケーブルの一端
51b ケーブルの他端
52 アウターケーシング
6 巻取部材
61 巻取部材側基部
61a 巻取部
61b ケーブル接続部
61c 凹部
62 巻取部材側被係合部
63 規制部
7 従動部材付勢部材
8 軸方向移動制御部材
81 軸部材
82 回転部
821 筒状部
83 負荷部
9 巻取部材付勢部材
A 当接部
A1 第1当接部
A2 第2当接部
C ケース
C1 ケース本体
C2 蓋部
D シート操作装置
D1 第一方向
D2 第二方向
DP 緩衝部材
E 開口部の縁部
L 遊嵌機構
OP 操作部
P 操作対象
PR 突部
PR1 軸方向突部
PR2 嵌合突部
S 移動機構
Sa 案内部
Sa1 傾斜面
Sb 接続部
SP バネ
ST シート
X 軸

Claims (5)

  1. 駆動部と、
    前記駆動部の駆動力によって軸周りに回転する回転部材と、
    前記回転部材と軸周り方向で係合可能な従動部材と、
    操作対象を操作する長尺部材が巻き付けられた巻取部材と、
    を備えた駆動装置であって、
    前記従動部材は、前記回転部材との係合により前記回転部材の回転に伴って回転し、
    前記巻取部材は、前記従動部材からの回転力の伝達により前記従動部材の回転に応じて軸周りに回転可能に設けられ、
    前記従動部材は、前記巻取部材に対して軸方向に相対移動可能であり、前記軸方向で前記巻取部材側に移動して前記従動部材の回転力を前記巻取部材に伝達可能な伝達位置と、前記軸方向で前記巻取部材から離れて前記巻取部材に前記従動部材の回転力が伝達されない非伝達位置との間で移動し、
    前記駆動装置は、
    前記従動部材を前記非伝達位置側に付勢する従動部材付勢部材と、
    同軸の相対回転が可能なように前記従動部材と接続された軸方向移動制御部材と、
    前記従動部材と前記軸方向移動制御部材との間に設けられ、前記従動部材を前記巻取部材に向かって軸方向に移動させる移動機構と、
    前記従動部材と前記軸方向移動制御部材との間に設けられ、前記従動部材と前記軸方向移動制御部材とが係合状態と相対移動許容状態とを遷移可能な遊嵌機構と
    を備え、
    前記軸方向移動制御部材は、前記軸方向移動制御部材の軸周りの回転に対して負荷を加える負荷部を有し、
    前記移動機構は、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の一方に設けられ、前記従動部材を前記伝達位置に案内する案内部と、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の他方に設けられ、前記案内部に沿って相対移動する接続部とを有し、
    前記回転部材が前記駆動部の駆動力によって一方へ回転する際に、
    前記従動部材は、前記遊嵌機構の相対移動許容状態において、前記従動部材および前記軸方向移動制御部材の一方への回転における回転速度の差によって前記接続部が前記案内部に沿って相対移動することで、軸周り方向に回転するとともに前記巻取部材に向かって軸方向に移動して前記伝達位置に移動し、
    前記伝達位置にある前記従動部材の回転によって、前記巻取部材が回転して前記長尺部材が駆動される、駆動装置。
  2. 前記移動機構の前記案内部が、軸方向突部の傾斜面であり、
    前記案内部に沿って相対移動する前記接続部が、前記軸方向突部が挿入される開口部の縁部である、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記回転部材は、軸方向で前記巻取部材と前記従動部材の間に設けられ、
    前記従動部材は、基部と、前記基部から軸方向に延び前記回転部材と軸周り方向に係合する係合部とを有し、
    前記従動部材が前記伝達位置に移動したときに、前記係合部が、前記巻取部材と軸周り方向に係合する、請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記軸方向移動制御部材は、前記従動部材を収容するケースに、軸周り回転が可能に支持され、
    前記負荷部は、前記ケースとの係合により前記軸方向移動制御部材の回転を抑制可能なバネを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記巻取部材が、前記駆動装置のケースと当接して前記巻取部材の回転角度を所定範囲に規制する規制部を有し、
    前記駆動装置のケースが前記規制部と当接する当接部を有し、
    前記規制部および/または前記当接部が、前記規制部と前記当接部との間の当接時の異音を抑制する緩衝部材を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動装置。
JP2019041972A 2019-03-07 2019-03-07 駆動装置 Pending JP2020142719A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041972A JP2020142719A (ja) 2019-03-07 2019-03-07 駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041972A JP2020142719A (ja) 2019-03-07 2019-03-07 駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020142719A true JP2020142719A (ja) 2020-09-10

Family

ID=72353027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019041972A Pending JP2020142719A (ja) 2019-03-07 2019-03-07 駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020142719A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4378296B2 (ja) 車両用ドアの駆動装置
JP5414860B2 (ja) 車両用自動開閉装置
WO2015053217A1 (ja) 給電装置及び給電装置の組立方法
JP6842939B2 (ja) 操作器
JPH0212285B2 (ja)
JP7331466B2 (ja) ロボット
KR102052678B1 (ko) 조작기
WO2010041501A1 (ja) 駆動機構、羽根駆動装置及び光学機器
JP2020142719A (ja) 駆動装置
KR102073924B1 (ko) 조작기
WO2021235046A1 (ja) 減速機付モータ
US8484893B2 (en) Clutch, motor and vehicle door opening/closing device
JP6676512B2 (ja) アクチュエータ、および車両用アクチュエータ
JP7207156B2 (ja) 車両用開閉体停止装置
JP6845673B2 (ja) 駆動装置
WO2020090855A1 (ja) 対象物移動機構
KR100699325B1 (ko) 낚시용 릴
JP4909955B2 (ja) 魚釣用電動リール
JP7352481B2 (ja) 駆動装置
JP7070214B2 (ja) 回転アクチュエータ及びロボット
JP5115760B2 (ja) 開閉体駆動装置
JP2015158238A (ja) 簡易型のフリータイプ双方向クラッチ
JP2020144708A (ja) 回転駆動装置
JP5654777B2 (ja) スライドドア自動開閉装置
WO2021065049A1 (ja) スライド装置