JP2020138657A - 制動制御装置 - Google Patents

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昌行 渡部
Masayuki Watabe
昌行 渡部
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Abstract

【課題】 X配管である複数の液圧配管のいずれかの失陥により発生する車両の回転角速度を抑制することが可能な制動制御装置を提供する。【解決手段】 第1シリンダ111および第2シリンダ112に作動液を供給する第1系統41、並びに第3シリンダ113および第4シリンダ114に前記作動液を供給する第2系統42を含む複数の液圧配管40と、複数の液圧配管40を流れる前記作動液の漏れを検出する異常検出部32と、複数のホイールシリンダ11に供給される前記作動液の液圧を調節する液圧アクチュエータ50と、を備え、異常検出部32により異常を検出した状態で車両を制動させる場合、第1シリンダ111および第3シリンダ113のいずれかに供給される前記作動液の液圧を液圧アクチュエータ50により制御することによって、車両の減速度が所定値を超えないようにする。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の液圧配管がX配管である制動制御装置に関する。
一般的に、車両制動は、各車輪に1つずつ配置された複数のホイールシリンダに供給される作動液を昇圧させることにより行われる。マスタシリンダ内に満たされた作動液がピストンにより圧縮されると、作動液が昇圧する。マスタシリンダと、各車輪に対応して配置された複数のホイールシリンダとの間には、複数の液圧配管が配置されている。マスタシリンダにより昇圧された作動液は、複数の液圧配管を流れて複数のホイールシリンダに供給される。複数の液圧配管は、2つの系統に分かれている。これは、作動液の液漏れなどにより仮に一方の系統が失陥した場合であっても、他方の系統により車両制動を発揮させるためである。このように2つの系統に分かれた複数の液圧配管の形態の構成として、「前後配管」と「X(クロス)配管」が知られている。前後配管は、左右前輪を制動させるための系統と、左右後輪を制動させるための系統との2つの系統に分かれている。X配管は、左前輪および右後輪を制動させるための系統と、右前輪および左後輪を制動させるための系統との2つの系統に分かれている。特許文献1には、複数の液圧配管がX配管である制動制御装置の一例が開示されている。
一般的に、車両を制動させる際、路面と車輪との間の接地力(摩擦力)は、慣性力の影響により後輪よりも前輪の方が大である。このような前後輪の接地力の差は、後輪の上に積荷を積載することを前提としたトラックなどにおいて、当該積荷が非積載の場合により顕著となる。車両制動において、各車輪に要求される制動力の大きさは、当該接地力の大きさに対応する。したがって、複数の液圧配管がX配管である制動制御装置が採用された車両において、仮に一方の系統が失陥した場合、他方の系統により制動される左右2つの車輪の制動力に差が生じる。このため、車両にはヨーモーメント(車両重心を通過する鉛直軸回りの回転モーメント)が発生する。このため、積荷が非積載のトラックなどは、ヨーモーメントがより大きくなり、走行安全性に影響を及ぼす。さらに、ヨーモーメントがより大きくなると、運転手が操舵により車両の方向を復帰させることが困難となる。このため、トラックのような前後輪の接地力の差が比較的大である車両は、仮に一方の系統が失陥した場合、他方の系統により制動される左右2つの車輪の制動力に差が生じない前後配管である制動制御装置が採用されることが一般的である。しかし、前後配管である制動制御装置は、X配管である制動制御装置と比較して、左右前輪を制動させるための系統が失陥した場合に発揮できる車両の制動力が小さくなるというデメリットや、複数の液圧配管の系統失陥が発生していない正常時において、衝突回避支援自動ブレーキなどの制動制御装置のポンプにより作動液を昇圧する場合に、複数の液圧配管の1系統に制動力配分が比較的大である左右前輪が配置されているため、昇圧時間が長くなるというデメリットがある。こうした背景から、トラックのような前後輪の接地力の差が比較的大である車両にX配管である制動制御装置を採用する場合、ヨーモーメントの発生に伴う車両の回転角速度(ヨーレート)を抑制する方策が望まれる。
特開2013−147183号公報
本発明は、上述の事情に鑑み、複数の液圧配管がX配管である制動制御装置が採用された車両において、どちらか一方の液圧配管の失陥に起因したヨーモーメントの発生に伴う車両の回転角速度を抑制することが可能な制動制御装置を提供することをその課題とする。
本発明によれば、左前輪を制動させる第1シリンダ、右後輪を制動させる第2シリンダ、右前輪を制動させる第3シリンダ、および左後輪を制動させる第4シリンダを含む複数のホイールシリンダと、前記第1シリンダおよび前記第2シリンダに作動液を供給する第1系統、並びに前記第3シリンダおよび前記第4シリンダに前記作動液を供給する第2系統を含む複数の液圧配管と、前記複数の液圧配管を流れる前記作動液の漏れを検出する異常検出手段と、前記第1系統および前記第2系統において構成され、かつ前記複数のホイールシリンダに供給される前記作動液の液圧を調節する液圧制御手段と、を備え、前記作動液の漏れを前記異常検出手段により検出した状態で車両を制動させる場合、前記第1シリンダおよび前記第3シリンダのいずれかに供給される前記作動液の液圧を前記液圧制御手段により制御することによって、車両の減速度が所定値を超えないようにすることを特徴とする制動制御装置が提供される。
本発明にかかる制動制御装置によれば、複数の液圧配管がX配管である制動制御装置が採用された車両において、どちらか一方の液圧配管の失陥に起因したヨーモーメントの発生に伴う車両の回転角速度を抑制することが可能となる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の一実施形態にかかる制動制御装置の概略構成図である。 図1に示す制動制御装置により、正常時と、異常時(第2系統失陥時)とにおいて、各車輪の制動力を示すグラフである。 図1に示す制動制御装置により、正常時と、異常時(第1系統失陥時)とにおいて、各車輪の制動力を示すグラフである。
本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について、添付図面に基づいて説明する。
図1に基づき、本発明の一実施形態にかかる制動制御装置Aについて説明する。図1に示すように、制動制御装置Aは、複数のホイールシリンダ11、複数のディスク12、複数の車輪速センサ13、マスタシリンダ21、リザーバタンク22、ブレーキECU31、異常検出部32、複数の液圧配管40、および液圧アクチュエータ50を備える。
複数のホイールシリンダ11、および複数のディスク12は、図1に示すように、車両の4つの車輪(左前輪FL、右後輪RR、右前輪FRおよび左後輪RL)の各々に対して1つずつ取り付けられている。複数のホイールシリンダ11の各々は、複数の液圧配管40のいずれかから供給される作動液(ブレーキ液)の液圧に応じて作動する。複数のディスク12の各々は、車両の4つの車輪のいずれかとともに、ハブベアリング(図示略)に取り付けられている。これにより、車両走行時は、複数のディスク12の各々は、車両の4つの車輪のいずれかと一体となって回転する。複数のホイールシリンダ11の各々が作動することにより、複数のディスク12の各々は、ブレーキパッド(図示略)を介して複数のホイールシリンダ11のいずれかにより車幅方向の両側から挟み付けられる。これにより、各車輪に制動力が発生して、車両が制動される。なお、制動制御装置Aの制動機構の例は、ディスクブレーキであるが、その他ドラムブレーキなどの制動機構でもよい。
複数のホイールシリンダ11は、第1シリンダ111、第2シリンダ112、第3シリンダ113および第4シリンダ114を含む。複数のディスク12は、第1ディスク121、第2ディスク122、第3ディスク123および第4ディスク124を含む。第1シリンダ111および第1ディスク121は、車両の左前輪FLに取り付けられている。第2シリンダ112および第2ディスク122は、車両の右後輪RRに取り付けられている。第3シリンダ113および第3ディスク123は、車両の右前輪FRに取り付けられている。第4シリンダ114および第4ディスク124は、車両の左後輪RLに取り付けられている。
複数の車輪速センサ13は、図1に示すように、複数のディスク12の各々に対して1つずつ併設されている。複数の車輪速センサ13の各々は、各車輪の回転速度を検出する。検出された各車輪の回転速度は、ブレーキECU31に伝達される。これにより、ブレーキECU31は、車両の走行速度を認識することができる。あわせて、各車輪の回転速度の時間変化から、各車輪および車両の減速度を認識することができる。複数の車輪速センサ13は、第1センサ131、第2センサ132、第3センサ133および第4センサ134を含む。第1センサ131は、第1ディスク121の近傍に取り付けられ、かつ左前輪FLの回転速度を検出する。第2センサ132は、第2ディスク122の近傍に取り付けられ、かつ右後輪RRの回転速度を検出する。第3センサ133は、第3ディスク123の近傍に取り付けられ、かつ右前輪FRの回転速度を検出する。第4センサ134は、第4ディスク124の近傍に取り付けられ、かつ左後輪RLの回転速度を検出する。
マスタシリンダ21は、図1に示すように、複数の液圧配管40を介して複数のホイールシリンダ11に作動液を供給する。マスタシリンダ21は、第1ピストン213および第2ピストン214により、第1室211および第2室212に区画されている。第1室211は、第1ピストン213と第2ピストン214との間に位置する。第2室212は、第2ピストン214に対して第1室211とは反対側に位置する。第1室211および第2室212の各々には、スプリングが配置され、かつ作動液により満たされている。第1室211および第2室212は、複数の液圧配管40のいずれかにつながっている。第1ピストン213には、ブレーキペダル23に向けて延びるロッド215が設けられている。ロッド215は、第1ピストン213とブレーキペダル23とを連結している。
運転手によりブレーキペダル23が踏まれると、ロッド215の進行方向と同じ向きに第1ピストン213および第2ピストン214が移動する。これにより、第1室211および第2室212の各々に配置されたスプリングが圧縮される。あわせて、第1室211および第2室212に満たされた作動液が昇圧され、かつ複数の液圧配管40を介して複数のホイールシリンダ11に作動液を供給する。これにより、複数のホイールシリンダ11が作動して各車輪に制動力が発生する。ブレーキペダル23から運転手の足が離れると、第1室211および第2室212の各々に配置されたスプリングの復元力により、第1ピストン213および第2ピストン214が元の位置に戻る。あわせて、第1室211および第2室212に満たされた作動液が減圧され、かつ複数のホイールシリンダ11に供給された作動液が複数の液圧配管40を介して第1室211および第2室212に戻る。これにより、複数のホイールシリンダ11が元の状態に戻って各車輪の制動力が消失する。
リザーバタンク22は、図1に示すように、マスタシリンダ21に併設されている。リザーバタンク22は、作動液を貯留している。運転手によりブレーキペダル23が踏まれていないとき、リザーバタンク22は、管路を介してマスタシリンダ21の第1室211および第2室212の双方とつながっている。これにより、リザーバタンク22は、第1室211および第2室212に作動液を供給するとともに、第1室211および第2室212における余剰の作動液を貯留する。
複数の液圧配管40は、図1に示すようにマスタシリンダ21の第1室211および第2室212から複数のホイールシリンダ11に作動液を供給するための流通経路をなしている。複数の液圧配管40は、第1系統41および第2系統42を含む。第1系統41は、第1室211につながり、かつ複数のホイールシリンダ11のうち、第1シリンダ111および第2シリンダ112に作動液を供給する。第2系統42は、第2室212につながり、かつ複数のホイールシリンダ11のうち、第3シリンダ113および第4シリンダ114に作動液を供給する。これにより、複数の液圧配管40は、X配管を構成している。
図1に示すように、第1系統41は、並列につながった第1管411、第2管412および第3管413を有する。第1管411から分岐した管路の末端は、第1シリンダ111につながっている。第2管412から分岐した管路の末端は、第2シリンダ112につながっている。第1シリンダ111および第2シリンダ112は、第3管413につながっている。
図1に示すように、第2系統42は、並列につながった第1管421、第2管422および第3管423を有する。第1管421から分岐した管路の末端は、第3シリンダ113につながっている。第2管422から分岐した管路の末端は、第4シリンダ114につながっている。第3シリンダ113および第4シリンダ114は、第3管423につながっている。
液圧アクチュエータ50は、図1に示すように、複数の液圧配管40の第1系統41および第2系統42において構成されている。液圧アクチュエータ50は、ブレーキECU31からの指令に基づき、複数のホイールシリンダ11に供給される作動液の液圧を調節する。液圧アクチュエータ50が、本発明にかかる特許請求の範囲に記載された「液圧制御手段」に相当する。液圧アクチュエータ50は、ブレーキECU31により制御される。制動制御装置Aにおいては、液圧アクチュエータ50およびブレーキECU31は、ABS(Antilock Brake System)を構成している。液圧アクチュエータ50は、複数の保持弁51、複数の減圧弁52、複数の第1逆止弁531、複数の第2逆止弁532、一対の補助リザーバ室54、および一対のポンプ55を有する。
図1に示すように、複数の保持弁51は、第1系統41の第1管411および第2管412、並びに第2系統42の第1管421および第2管422の各々に対して1つずつ配置されている。複数の保持弁51は、ブレーキECU31からの指令により開閉するソレノイドバルブである。複数の保持弁51の各々は、マスタシリンダ21から複数のホイールシリンダ11に向けた方向、かつ複数のホイールシリンダ11からマスタシリンダ21に向けた方向の両方向の作動液の流れを許容する。
図1に示すように、複数の減圧弁52は、第1系統41の第1管411および第2管412、並びに第2系統42の第1管421および第2管422の各々に対して1つずつ配置されている。複数の減圧弁52の各々は、複数の保持弁51のいずれかに対して直列につながっている。複数の減圧弁52は、ブレーキECU31からの指令により開閉するソレノイドバルブである。第1系統41において複数の減圧弁52の各々は、複数のホイールシリンダ11の第1シリンダ111および第2シリンダ112のいずれかから第1系統41に配置された補助リザーバ室54に向けた方向のみの作動液の流れを許容する。第2系統42において複数の減圧弁52の各々は、複数のホイールシリンダ11の第3シリンダ113および第4シリンダ114のいずれかから第2系統42に配置された補助リザーバ室54に向けた方向のみの作動液の流れを許容する。
図1に示すように、一対の補助リザーバ室54は、第1系統41の第3管413と、第2系統42の第3管423との各々に対して1つずつ配置されている。複数のホイールシリンダ11の第1シリンダ111および第2シリンダ112に供給された作動液を減圧制御する際、第1系統41に配置された補助リザーバ室54は、当該作動液の一部を一時的に貯留する。複数のホイールシリンダ11の第3シリンダ113および第4シリンダ114に供給された作動液を減圧制御する際、第2系統42に配置された補助リザーバ室54は、当該作動液の一部を一時的に貯留する。
の一部を一時的に貯留する。
図1に示すように、一対のポンプ55は、第1系統41の第3管413と、第2系統42の第3管423との各々に対して1つずつ配置されている。一対のポンプ55は、ブレーキECU31の指令により作動するモータ(図示略)を駆動源として作動する。第1系統41に配置されたポンプ55は、第3管413につながる補助リザーバ室54において一時的に貯留された作動液を、マスタシリンダ21の第1室211に戻す。第2系統42に配置されたポンプ55は、第3管423につながる補助リザーバ室54において一時的に貯留された作動液を、マスタシリンダ21の第2室212に戻す。これにより、一対の補助リザーバ室54の容量が不足することなく、複数のホイールシリンダ11の減圧制御が適正になされる。
図1に示すように、複数の第1逆止弁531は、複数の保持弁51の各々に対して1つずつ配置され、かつ並列につながっている。複数の第1逆止弁531は、複数のホイールシリンダ11からマスタシリンダ21に向けた作動液の流れのみを許容する。
図1に示すように、複数の第2逆止弁532は、第1系統41の第3管413と、第2系統42の第3管423との各々に対して2つずつ配置されている。第1系統41に配置された2つの第2逆止弁532は、第3管413に配置されたポンプ55に対して直列につながり、かつ第3管413においてポンプ55の両端に配置されている。第2系統42に配置された2つの第2逆止弁532は、第3管423に配置されたポンプ55に対して直列につながり、かつ第3管423においてポンプ55の両端に配置されている。複数の第2逆止弁532は、一対の補助リザーバ室54からマスタシリンダ21に向けた作動液の流れのみを許容する。
次に、制動制御装置Aの作動について説明する。
異常検出部32は、複数の液圧配管40を流れる作動液の漏れを検出する。異常検出部32が、本発明にかかる特許請求の範囲に記載された「異常検出手段」に相当する。制動制御装置Aにおいては、異常検出部32は、運転手がブレーキペダル23を踏んでいないとき、リザーバタンク22における作動液の液面低下を検出する。この条件に基づきリザーバタンク22における作動液の液面低下が検出されたとき、異常検出部32は、複数の液圧配管40を流れる作動液の漏れが発生していることをブレーキECU31に伝達する。これにより、ブレーキECU31は、複数の液圧配管40において第1系統41および第2系統42のいずれかが失陥していることを認識する。ただし、異常検出部32は、第1系統41および第2系統42のいずれかの失陥を特定することができないが、制動制御装置Aにおいては、その特定は必要ない。
異常検出部32により複数の液圧配管40を流れる作動液の漏れが検出された場合、メータなどに配置された警告灯により運転手に通知する。この状態で運転手がブレーキペダル23を踏み込むと、失陥していない第1系統41および第2系統42のいずれかにかかる車両制動が開始する。この際、車両の減速度が所定値を超えないように、第1系統41につながる第1シリンダ111、および第2系統42につながる第3シリンダ113のいずれかに供給される作動液の液圧を液圧アクチュエータ50により制御する。当該作動液の液圧の制御は、ブレーキECU31の指令により複数の保持弁51の少なくともいずれかが閉じ、かつ当該保持弁51に直列につながる減圧弁52が開くことによりなされる。なお、車両の減速度は、先述のとおり複数の車輪速センサ13の検出結果に基づきブレーキECU31により認識される。ブレーキECU31は、車両の減速度が所定値を超えないように、液圧アクチュエータ50に指令を伝達する。
ここで、車両の減速度の所定値は、たとえば、下限値が2.2m/s2(=0.23G)で、かつ上限値がヨーモーメントに伴う車両の回転角速度が0.087rad/s(=5°/s)となる減速度である。当該下限値は、複数の液圧配管40が前後配管である車両において、左右前輪を制動させるための系統が失陥した場合、車両の走行安全性の確保のために必要な減速度である。当該上限値は、車両にヨーモーメントが発生した場合、運転手が操舵のみにより安全に車両の進行方向を復帰させることができる車両の回転角速度の最大値に対応した減速度である。
次に、制動制御装置Aの作用効果について説明する。
制動制御装置Aは、第1系統41および第2系統42を含む液圧配管40と、液圧配管40を流れる作動液の漏れを検出する異常検出部32と、第1系統41および第2系統42において構成された液圧アクチュエータ50とを備える。第1系統41は、第1シリンダ111および第2シリンダ112に作動液を供給する。第2系統42は、第3シリンダ113および第4シリンダ114に作動液を供給する。
制動制御装置Aにおいては、作動液の漏れを異常検出部32により検出した状態で車両を制動させる場合、第1シリンダ111および第3シリンダ113のいずれかに供給される作動液の液圧を液圧アクチュエータ50が制御する。この際、車両の減速度が所定値を超えないように、液圧アクチュエータ50が作動液の液圧を制御する。
このような制御により、仮に第2系統42が失陥した場合、第1系統41を介して第1シリンダ111に供給される作動液の液圧が液圧アクチュエータ50により制御されるため、図2に示すように、第1シリンダ111に対応する左前輪FLの制動力が、車両の減速度の所定値に対応した制動力に制限される。これにより、第2系統42の失陥時は、左前輪FLの制動力と、右後輪RRの制動力との差が、本制御を実施しない場合のそれらの差よりも小となる。したがって、第2系統42の失陥により発生する左回りのヨーモーメントが抑制される。あわせて、右後輪RRの接地力の低下が抑制されるため、当該ヨーモーメントの抑制に寄与する。この結果、第2系統42の失陥に起因したヨーモーメントの発生に伴う車両の左回りの回転角速度を抑制することができる。
また、仮に第1系統41が失陥した場合、第2系統42を介して第3シリンダ113に供給される作動液の液圧が液圧アクチュエータ50により制御されるため、図3に示すように、第3シリンダ113に対応する右前輪FRの制動力が、車両の減速度の所定値に対応した制動力に制限される。これにより、第1系統41の失陥時は、右前輪FRの制動力と、左後輪RLの制動力との差が、本制御を実施しない場合のそれらの差よりも小となる。したがって、第1系統41の失陥により発生する右回りのヨーモーメントが抑制される。あわせて、左後輪RLの接地力の低下が抑制されるため、当該ヨーモーメントの抑制に寄与する。この結果、第1系統41の失陥に起因したヨーモーメントの発生に伴う車両の右回りの回転角速度を抑制することができる。
ここで、上述の車両の減速度の所定値は、たとえば、下限値が2.2m/s2で、かつ上限値がヨーモーメントに伴う車両の回転角速度が0.087rad/sとなる減速度である。これにより、前後配管が採用された車両において左右前輪を制動させるための系統が失陥した場合以上の車両の減速度を得つつ、車両にヨーモーメントが発生しても運転手の操舵のみにより安全に車両の進行方向を復帰させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A:制動制御装置
11:ホイールシリンダ
111〜114:第1シリンダ〜第4シリンダ
12:ディスク
121〜124:第1ディスク〜第4ディスク
13:車輪速センサ
131〜134:第1センサ〜第4センサ
21:マスタシリンダ
211:第1室
212:第2室
213:第1ピストン
214:第2ピストン
215:ロッド
22:リザーバタンク
23:ブレーキペダル
31:ブレーキECU
32:異常検出部
40:液圧配管
41:第1系統
411〜413:第1管〜第3管
42:第2系統
421〜423:第1管〜第3管
50:液圧アクチュエータ
51:保持弁
52:減圧弁
531:第1逆止弁
532:第2逆止弁
54:補助リザーバ室
55:ポンプ
FR:右前輪
FL:左前輪
RR:右後輪
RL:左後輪

Claims (1)

  1. 左前輪を制動させる第1シリンダ、右後輪を制動させる第2シリンダ、右前輪を制動させる第3シリンダ、および左後輪を制動させる第4シリンダを含む複数のホイールシリンダと、
    前記第1シリンダおよび前記第2シリンダに作動液を供給する第1系統、並びに前記第3シリンダおよび前記第4シリンダに前記作動液を供給する第2系統を含む複数の液圧配管と、
    前記複数の液圧配管を流れる前記作動液の漏れを検出する異常検出手段と、
    前記第1系統および前記第2系統において構成され、かつ前記複数のホイールシリンダに供給される前記作動液の液圧を調節する液圧制御手段と、を備え、
    前記作動液の漏れを前記異常検出手段により検出した状態で車両を制動させる場合、
    前記第1シリンダおよび前記第3シリンダのいずれかに供給される前記作動液の液圧を前記液圧制御手段により制御することによって、車両の減速度が所定値を超えないようにすることを特徴とする、制動制御装置。
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