JP2020137401A - 車両駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】60V以下の低電圧の駆動用電池を用いて駆動する車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減する。【解決手段】車両駆動装置5は、永久磁石モータM1と、永久磁石モータM1を駆動するインバータ10と、インバータ10に接続される昇降圧用のDCDCコンバータ60と、DCDCコンバータ60に接続される駆動用電池B1とを備える。DCDCコンバータ60は、DCDCコンバータ60に入力された駆動用電池B1の正極71の電圧を当該電圧のまま、かつ、DCDCコンバータ60に入力された駆動用電池B1の負極72の電圧を負方向に増大させて、インバータ10に出力する。【選択図】図2

Description

この開示は、低電圧の駆動用電池を用いる車両駆動装置に関する。
60V以下の低電圧の電池を用いて駆動するマイルドハイブリッド車両(M−HEV:Mild−Hybrid Electric Vehicle)が、CO規制などの燃費規制の対策として注目されている。低電圧の電池としては、例えば48Vの駆動用電池が用いられる。ハイブリッド車両に使われるモータとしては、高効率化の観点から永久磁石モータが使われるが、永久磁石モータを高回転で駆動すると永久磁石モータから誘起電圧が発生する。そのため、永久磁石モータを高回転で駆動する場合は、誘起電圧の発生を抑え込むために、弱め界磁制御と呼ばれる制御が実行される(特許文献1参照)。
特開2015−198503号公報
しかしながら過度の弱め界磁制御を実行すると、永久磁石モータの磁界を弱める電流を流すことになり、永久磁石モータの出力が低下する。そこで、駆動用電池から出力された電圧を昇圧して永久磁石モータに供給することが考えられる。しかし、このような構成では、昇圧後の電圧が、低電圧系の規格上限電圧であるDC60V(以下、60Vと記載する)よりも大きくなると、車体や車両駆動装置の筐体が駆動用電池の負極電位(0V、接地電位ともいう)であるため、整備中などに1回の誤動作(1フェール)で規格以上の電位に接触してしまう可能性があった。
本開示は上記問題を解決し、60V以下の低電圧の駆動用電池を用いて駆動する車両駆動装置において、低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減する車両駆動装置を提供することを目的とする。
この開示の一態様に係る車両駆動装置は、永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備え、前記DCDCコンバータは、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の正極の電圧を当該電圧のまま、かつ、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の負極の電圧を負方向に増大させて、前記インバータに出力する。
この開示の一態様に係る車両駆動装置は、永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備え、前記駆動用電池の電圧は、DC60V以下であり、前記駆動用電池の負極は、接地され、前記DCDCコンバータ、前記インバータおよび前記永久磁石モータは、導電性を有する筐体に収納され、前記筐体は、接地されている。
本開示の一態様に係る車両駆動装置は、低電圧の駆動用電池を用いて駆動する車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
実施の形態1による車両駆動装置を備える車両を示す概略図である。 実施の形態1による車両駆動装置を備える車両駆動システムを示す回路図である。 実施の形態1による車両駆動装置のDCDCコンバータを示す回路図である。 実施の形態1による車両駆動装置のインバータを示す回路図である。 永久磁石モータの回転数、トルクおよび起電圧の関係を示す図である。 実施の形態1による車両駆動装置の筐体を示す概略図である。 実施の形態1のインバータの詳細を示す回路図である。 実施の形態1による車両駆動装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例1による車両駆動装置の筐体を示す概略図である。 実施の形態1による車両駆動装置の絶縁性試験における電流経路の一例を示す図である。 実施の形態2による車両駆動装置を備える車両を示す概略図である。 実施の形態2による車両駆動装置を備える車両駆動システムを示す回路図である。 実施の形態2による車両駆動装置のDCDCコンバータを示す回路図である。 実施の形態2による車両駆動装置のインバータを示す回路図である。 実施の形態2による車両駆動装置の筐体を示す概略図である。 永久磁石モータの回転数、トルクおよび起電圧の関係を示す図である。 実施の形態2のインバータの詳細を示す回路図である。 実施の形態2による車両駆動装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2の変形例1による車両駆動装置の筐体を示す概略図である。
本開示の一態様に係る車両駆動装置は、永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備える。前記DCDCコンバータは、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の正極の電圧を当該電圧のまま、かつ、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の負極の電圧を負方向に増大させて、前記インバータに出力する。
このように、駆動用電池の負極の電圧を負方向に増大させることで、正極の電圧を当該電圧のままにしてインバータに出力することができる。これにより、60V以下の低電圧の駆動用電池を用いて駆動する車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。したがって、1フェールで規格以上の電位に接触してしまう可能性を低減できる。
また、DCDCコンバータが、駆動用電池とインバータとの間にあることで、永久磁石モータに60Vを超える誘起電圧が発生した場合でも、発生した電圧を降圧して駆動用電池側に出力することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記DCDCコンバータに入力される電圧の前記正極と前記負極との電位差は60V以下であり、前記インバータに出力する電圧の前記正極と前記負極との電位差は60Vよりも大きくてもよい。
このように、入力された60V以下の電圧を60Vよりも大きくして出力することで、駆動用電池側における配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減しつつ、永久磁石モータの出力を大きくすることができる。
また、前記DCDCコンバータが前記インバータに出力する負方向に増大させた電圧と前記負極との電位差の絶対値は60V以下であってもよい。
この構成によれば、DCDCコンバータの出力から、インバータ、永久磁石モータに至るまでの配線系統において、どの部分も駆動用電池の負極である接地電位からの電位差の絶対値が60V以下となるので、規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、車両駆動装置は、さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記駆動用電池の正極の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される所定の電圧を超えた場合に、前記DCDCコンバータの2つのスイッチ素子を同時に開放するように制御してもよい。
このように、例えば、インバータにおいて弱め界磁制御を行えなくなるような不具合が発生し、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超えた場合に、DCDCコンバータの2つのスイッチ素子を同時に開放してDCDCコンバータの動作を停止する。これにより、インバータに印加される誘起電圧(高電圧)が低電圧系に印加されてしまう可能性を低減することができ、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超え続ける場合に、前記永久磁石モータの3相が短絡されるように前記インバータを制御してもよい。
このように、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超え続ける場合に3相短絡制御を実行することで、永久磁石モータのコイル間から誘起される電圧をゼロにし、駆動用電池側に高電圧が印加されることを抑制できる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記インバータは、前記永久磁石モータの3相を短絡するための3相短絡回路を有していてもよい。
この構成によれば、3相短絡回路を用いて、確実に永久磁石モータの3相を短絡することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記インバータは、前記3相短絡回路の故障有無を診断してもよい。
この構成によれば、3相短絡回路の故障有無を事前に発見することができ、インバータにおいて3相短絡制御の潜在故障を早期発見して、車両駆動装置の信頼性を高めることができる。
また、前記制御回路は、前記3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超えた場合に、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上に配置されたリレーを開放し、かつ、前記DCDCコンバータの2つのスイッチ素子を同時に短絡してもよい。
このように、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超えた場合に上記リレーを開放し、かつ、上記スイッチ素子のそれぞれを短絡することで、駆動用電池側に高電圧が印加されることを抑制することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、車両駆動装置は、さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記永久磁石モータの回転数に応じて、前記永久磁石モータの駆動をPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御するように、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを協調制御してもよい。
これにより、永久磁石モータの低回転から高回転にわたり車両駆動装置を高効率で駆動することができる。
また、前記インバータ、前記DCDCコンバータおよび前記永久磁石モータは、導電性を有する筐体に収納され、前記筐体は、接地されていてもよい。
また、前記筐体は、開口を有する筐体本体および前記開口を塞ぐ蓋部を有し、前記筐体には、前記開口が塞がれていない場合に前記インバータおよび前記DCDCコンバータの作動を停止するための検出器が設けられていてもよい。
これによれば、開口が塞がれていないことを検出した場合に、DCDCコンバータおよびインバータの作動を停止させことができるので、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
本開示の一態様に係る車両駆動装置は、永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備える。前記駆動用電池の電圧は、DC60V以下であり、前記駆動用電池の負極は、接地されている。前記DCDCコンバータ前記インバータおよび前記永久磁石モータは、導電性を有する筐体に収納され、前記筐体は、接地されている。
これによれば、60V以下の駆動用電池を用いて駆動する車両駆動装置において、60Vより大きな電圧(高電圧)が印加されるDCDCコンバータおよびインバータが、接地された筐体に収納される。したがって、高電圧系の配線が、万一、筐体90に接触しても、筐体90は接地電位であるので、低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減した車両駆動装置を提供することができる。その結果、1フェールで規格以上の電位に接触してしまう可能性を低減できる。
また、DCDCコンバータが、駆動用電池とインバータとの間にあることで、永久磁石モータに60Vを超える誘起電圧が発生した場合でも、発生した電圧を降圧して駆動用電池側に出力することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、車両駆動装置は、さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記駆動用電池の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される所定の電圧を超えた場合に、前記DCDCコンバータのハイサイドおよびローサイドに位置するスイッチ素子のそれぞれを開放するように制御してもよい。
このように、例えば、インバータにおいて弱め界磁制御を行えなくなるような不具合が発生し、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超えた場合に、DCDCコンバータのハイサイドおよびローサイドに位置するスイッチ素子を同時に開放してDCDCコンバータの動作を停止する。これにより、インバータに印加される誘起電圧(高電圧)が低電圧系に印加されてしまう可能性を低減することができ、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超え続ける場合に、前記永久磁石モータの3相が短絡されるように前記インバータを制御してもよい。
このように、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超え続ける場合に3相短絡制御を実行することで、永久磁石モータのコイル間から誘起される電圧をゼロにし、駆動用電池側に高電圧が印加されることを抑制できる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記インバータは、前記永久磁石モータの3相を短絡するための3相短絡回路を有していてもよい。
この構成によれば、3相短絡回路を用いて、確実に永久磁石モータの3相を短絡することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、前記インバータは、前記3相短絡回路の故障有無を診断してもよい。
この構成によれば、3相短絡回路の故障有無を事前に発見することができ、インバータにおいて3相短絡制御の潜在故障を早期発見して、車両駆動装置の信頼性を高めることができる。
また、前記制御回路は、前記3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超えた場合に、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上に配置されたリレーを開放し、かつ、前記DCDCコンバータのハイサイドおよびローサイドに位置するスイッチ素子のそれぞれを短絡してもよい。
このように、駆動用電池とDCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が所定の電圧を超えた場合に上記リレーを開放し、かつ、上記スイッチ素子のそれぞれを短絡することで、駆動用電池側に高電圧が印加されることを抑制することができる。これにより、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、車両駆動装置は、さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、前記制御回路は、前記永久磁石モータの回転数に応じて、前記永久磁石モータの駆動をPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御するように、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを協調制御してもよい。
これにより、永久磁石モータの低回転から高回転にわたり車両駆動装置を高効率で駆動することができる。
また、前記筐体は、開口を有する筐体本体および前記開口を塞ぐ蓋部を有し、前記筐体には、前記開口が塞がれていない場合に前記インバータおよび前記DCDCコンバータの作動を停止するための検出器が設けられていてもよい。
これによれば、開口が塞がれていないことを検出した場合に、DCDCコンバータおよびインバータの作動を停止させことができるので、車両駆動装置の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
[1−1.車両および車両駆動装置の全体構成]
まず、車両および車両駆動装置の全体構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の車両駆動装置5を備える車両1を示す図である。車両1は、60V以下の低電圧の電池を用いて駆動するマイルドハイブリッド車両である。
図1に示すように、車両1は、駆動輪2と、ディファレンシャルギア93と、変速機94と、永久磁石モータM1と、エンジンである内燃機関EGとを備えている。永久磁石モータM1には、インバータ10、DCDCコンバータ60および駆動用電池B1がこの順で接続されている。車両駆動装置5は、永久磁石モータM1、インバータ10、DCDCコンバータ60および駆動用電池B1によって構成されている。以下、永久磁石モータM1をモータM1と呼び、DCDCコンバータ60をコンバータ60と呼ぶ場合がある。
変速機94およびディファレンシャルギア93は、内燃機関EGおよびモータM1の出力を駆動輪2に伝達する。モータM1の回転力は、変速機94およびディファレンシャルギア93を経由して駆動輪2に伝達される。これと同様に、駆動輪2の回転力は、ディファレンシャルギア93および変速機94を経由してモータM1に伝達される。
モータM1は、3相交流式のモータであり、例えば、埋込磁石同期モータまたは表面磁石同期モータなどのモータである。モータM1は、車両1の駆動および発電に使われる。具体的には、モータM1は、車両1の始動および走行時の主動力として、また、加速時のエンジンアシストとして、さらに、減速時の回生電力を生み出す装置として用いられる。この車両1は、モータM1および内燃機関EGの協働によって駆動するように構成されている。
駆動用電池B1は、モータM1を駆動させるための電力を供給する、および、モータM1で生成された回生電力を蓄えるDC電源である。駆動用電池B1としては、例えば、リチウムイオン電池などが用いられる。この車両駆動装置5では、DC60V以下の低電圧の駆動用電池B1、具体的にはDC48Vの駆動用電池B1が用いられる。車両駆動装置5のうち、電圧が60V以下となっている部分は、低電圧規格が適用され、特殊な絶縁処置を施す必要がなく取り扱いが容易となる。
コンバータ60は、昇降圧用のコンバータである。具体的にはコンバータ60は、駆動用電池B1から供給された直流電力を昇圧してインバータ10に供給し、また、モータM1にて生成された回生電力を、インバータ10を介して受け取り、降圧して駆動用電池B1に出力する。このように、コンバータ60は、駆動用電池B1のインバータ10への電力供給時には昇圧し、モータM1の回生時には降圧するため、コンバータ60は昇降圧用のコンバータであると以下定義する。なお、本実施の形態では、駆動用電池B1の負極の電圧を負方向に増大させる動作を、昇圧する動作であると定義する。
インバータ10は、コンバータ60から供給された直流電力を3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。また、インバータ10は、モータM1で発生した回生電力をコンバータ60に出力する。このように車両駆動装置5は、60V以下の低電圧の駆動用電池B1を用いてモータM1を駆動する、および、モータM1にて生成された回生電力を駆動用電池B1に蓄えるように構成されている。
[1−2.車両駆動システムおよび車両駆動装置の構成]
次に、車両駆動装置5、および、車両駆動装置5を備える車両駆動システム6の構成について、図2〜図6を参照しながら説明する。
図2は、車両駆動装置5を備える車両駆動システム6を示す回路図である。図2に示すように、車両駆動システム6は、正極および負極の電位差が60V以下である低電位差部LE(低電圧系)と、正極および負極の電位差が60Vよりも大きい高電位差部HE(高電圧系)とを備える。低電位差部LEは、駆動用電池B1とコンバータ60とを接続する端子61、62から見てコンバータ60よりも駆動用電池B1側に配置されている。それに対し高電位差部HEは、端子61、62から見て駆動用電池B1側とは反対側に配置されている。
低電位差部LEは、駆動用電池B1に接続される48V負荷と、48Vの電圧を12Vに降圧する48V12Vコンバータと、48V12Vコンバータに接続される12V電池と、12V電池に接続される12V負荷とを備える。例えば、48V負荷は、パワーステアリングや空調などであり、12V負荷は、ラジオやパワーウィンドウなどである。
駆動用電池B1、48V負荷、48V12Vコンバータ、12V電池および12V負荷は、低電位差部LEに設けられたワイヤーハーネス(図示省略)によって接続される。低電位差部LEでは、駆動用電池B1から48V負荷および48V12Vコンバータへ電力を供給し、48V12Vコンバータから12V電池へ電力を供給し、12V電池から12V負荷へ電力を供給する。
駆動用電池B1の正極71は、正極71から引き出された配線86を介してコンバータ60の端子61に接続され、また、配線86を介して48V12Vコンバータの端子81に接続されている。駆動用電池B1の負極72は、負極72から引き出された配線87を介してコンバータ60の端子62に接続され、また、配線87を介して48V12Vコンバータの端子82に接続されている。負極72は、車体(図示省略)に接続され、接地(ボディアース)されている。
また、低電位差部LEは、駆動用電池B1の給電可否を制御する制御回路76と、制御回路76に接続されるリレー(電力遮断器)75とを備えている。制御回路76は、高電位差部HEの制御回路50に接続されている。リレー75は、駆動用電池B1の正極71とコンバータ60の端子61とを結ぶ配線86上に配置されている。例えば制御回路76によってリレー75がOFF(開放)されると、コンバータ60、48V負荷および48V12Vコンバータへの電力供給が停止される。
高電位差部HEは、駆動用電池B1に接続されるコンバータ60と、コンバータ60に接続されるインバータ10と、インバータ10に接続されるモータM1と、コンバータ60およびインバータ10のそれぞれに接続される制御回路50とを備える。
図3は、車両駆動装置5のDCDCコンバータ60を示す回路図である。図3に示すように、コンバータ60は、インダクタL60と、ツェナーダイオードTz60と、スイッチ素子S61、S62と、コンデンサC61、C62とを有している。
また、コンバータ60は、電圧の入出力が行われる複数の端子61、62、63、64を有している。端子61は、配線86およびリレー75を介して駆動用電池B1の正極71に接続され、端子62は、配線87を介して駆動用電池B1の負極72に接続されている。端子63、64のそれぞれは、配線を介してインバータ10に接続されている。
ツェナーダイオードTz60は、端子61、63を繋ぐ線路間のノードと、端子62、64を繋ぐ線路間のノードとの間に挿入されている。ツェナーダイオードTz60の降伏電圧は、例えば60V以下である。コンバータ60にこのツェナーダイオードTz60が設けられていることで、コンバータ60が動作を停止している際に、高電位差部HEに60Vよりも大きな電位差が生じた場合であっても端子61、62の間の電位差は60V以下に制限される。
本実施の形態のコンバータ60は、モータM1が力行中のときに、端子61、62に入力された電圧を昇圧してインバータ10へ出力し、また、モータM1が回生中のときに、端子63、64に入力された電圧を降圧して駆動用電池B1に出力する。
例えばコンバータ60は、スイッチ素子S61とスイッチ素子S62のスイッチングにより、駆動用電池B1の負極72の電位(接地電位、グランドともいう)を基準とした負の電位をインバータ10に供給する。
具体的には、基準電圧を0Vとしたとき、コンバータ60は、コンバータ60に入力された駆動用電池B1の正極71の電圧を当該電圧のまま、かつ、コンバータ60に入力された駆動用電池B1の負極72の電圧を負方向に増大させて、インバータ10に出力する。また、コンバータ60は、コンバータ60に入力されたインバータ10側の正極の電圧を当該電圧のまま、かつ、コンバータ60に入力されたインバータ側の負極の電圧を基準電圧(0V)にして、駆動用電池B1に出力する。より具体的には、コンバータ60は、端子61に入力された48Vの電圧をそのまま端子63から出力し、端子62に入力された0Vの電圧を−60Vにして端子64から出力する。したがって、コンバータ60がインバータ10に出力する負方向に増大させた電圧と駆動用電池B1の負極との電位差の絶対値は60V以下である。また、コンバータ60は、端子63に入力された48Vの電圧をそのまま端子61から出力し、端子64に入力された−60Vの電圧を0Vにして端子62から出力する。本実施の形態では、コンバータ60の端子63、64側の電位差が108Vであり、低電圧規格で定められる電圧(60V)よりも大きくなっている。
この構成によれば、コンバータ60の出力から、インバータ10、モータM1に至るまでの配線系統において、どの部分も駆動用電池B1の負極である接地電位(基準電圧、0V)からの電位差の絶対値が60V以下となるので、規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。したがって、1フェールで規格以上の電位に接触してしまう可能性を低減できる。
なお、コンバータ60の端子61に入力される電圧は、48Vと記載したが、これは一例であり、駆動用電池B1の充電状態などによっては、48Vに対して変動する場合がある。また、コンバータ60の端子64に入力された−60Vの電圧や、端子63、64側の電位差108Vは一例であり、モータM1の回生状態によっては、それぞれ−60Vや108Vに対して変動する場合がある。
インバータ10は、モータM1を駆動制御する回路であり、コンバータ60から出力された直流電力を3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。インバータ10の端子11、12は、コンバータ60に接続されている。また、インバータ10は、配線を経由してモータM1のu相、v相、w相に接続されている。
図4は、車両駆動装置5のインバータ10を示す回路図である。図4に示すように、インバータ10は、3相ブリッジ回路40とドライブ回路30と駆動制御回路20とを備えている。なお図4には、3相ブリッジ回路40に印加される電圧を平滑化するコンデンサC41も図示されている。また、図4における電圧Vpは昇圧後の電圧であり、電圧Vgは接地電圧である。
3相ブリッジ回路40は、コンバータ60から出力された直流電力をスイッチング動作により3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。3相ブリッジ回路40のうち、スイッチング動作制御用の入力側はドライブ回路30に接続され、電力の入力側は駆動用電池B1に接続され、出力側はモータM1に接続されている。なお、モータM1の回生時には、3相ブリッジ回路40の出力側から回生電流が導入され、上記電力の入力側に向かって電流が流れるが、ここでは、駆動用電池B1が接続される側を入力側、モータM1が接続される側を出力側と定義する。
3相ブリッジ回路40は、上側アーム群に設けられたスイッチ素子S41、S42、S43と、下側アーム群に設けられたスイッチ素子S44、S45、S46とを備えている。例えば、スイッチ素子S41〜S46は、nチャネルMOSFETなどの半導体素子によって構成される。
各スイッチ素子S41、S42、S43は、モータM1から引き出された3つの出力線と、コンバータ60から引き出された電源線Lpとの間のそれぞれの間に接続されている。各スイッチ素子S44、S45、S46は、上記3つの出力線とコンバータ60から引き出された接地線Lgとの間のそれぞれの間に接続されている。また、各スイッチ素子S41〜S46には、還流ダイオードが並列接続されている。還流ダイオードは、スイッチ素子S41〜S46に寄生する寄生ダイオードであってもよい。
各スイッチ素子S41〜S46は、ドライブ回路30に接続され、ドライブ回路30から出力された信号によって駆動する。モータM1は、各スイッチ素子S41〜S46の駆動に基づいて、力行、回生または惰行などの状態で駆動される。
制御回路50は、インバータ10およびコンバータ60を統合制御する回路である。制御回路50は、低電位差部LEに過電圧が印加されないようにインバータ10およびコンバータ60を制御する。
本実施の形態の車両駆動装置5は、車両駆動システム6の低電圧系の配線系統(低電位差部LE)が規格上限電圧を超える可能性を低減するために、制御回路50を用いてインバータ10およびコンバータ60を以下のように制御している。
例えば、インバータ10において、モータM1の弱め界磁制御を行えなくなるような不具合が発生することにより、低電位差部LEが規格上限電圧を超えることがある。
そこでこの車両駆動装置5では、図2に示すように、駆動用電池B1の正極71とコンバータ60とを結ぶ配線86上に電圧監視点Pv1が設けられている。電圧監視点Pv1は、コンバータ60の駆動用電池B1側の電圧を監視するための計測点である。電圧監視点Pv1は、引き出し配線を介して制御回路50の電圧検出ポートに接続され、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧を計測する。
制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、コンバータ60の2つのスイッチ素子S61、S62を同時に開放するように制御する。これにより、モータM1のコイル間から誘起される高電圧が低電位差部LE(駆動用電池側)に印加されることを抑制できる。所定の電圧とは、駆動用電池B1の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される電圧であり、本実施の形態では、所定の電圧は60Vに設定されている。
また、2つのスイッチ素子S61、S62を同時に開放するように制御しても、例えば、コンバータ60のスイッチ素子S62にショート故障が発生していると、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え続ける。この場合、モータM1が高回転するときに発生する誘起電圧がインバータ10およびスイッチ素子S62を通って、低電位差部LEに印加され、規格上限電圧を超え続けることになる。
そこで、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え続けた場合に、モータM1の3相が短絡されるようにインバータ10を制御する。このようにして3相短絡制御を実行することで、モータM1のコイル間から誘起される電圧をゼロにし、低電位差部LEに高電圧が印加されることを抑制できる。
また、3相短絡を実行しても電圧監視点Pv1における電圧上昇が続く場合は、制御回路50は、以下に示す安全策を実行してもよい。具体的には、インバータ10の3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、駆動用電池B1とコンバータ60とを結ぶ配線86上の電圧が所定の電圧を超えた場合に、制御回路50は、リレー75を開放し、かつ、コンバータ60の2つのスイッチ素子S61およびスイッチ素子S62を同時に短絡させる。このように、駆動用電池B1の給電を停止し、コンバータ60が備えるスイッチ素子S61、S62のそれぞれを短絡させることで、例えば3相短絡回路が故障していた場合であっても、低電位差部LEに高電圧が印加されることを抑制することができる。なお、3相短絡制御については後述する。
また、この車両駆動装置5では、コンバータ60を用いて、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧してインバータ10およびモータM1に供給している。これにより、以下に示す効果を有している。
図5は、永久磁石モータM1の回転数、トルクおよび起電圧の関係を示す図である。図5の(a)には、電圧が昇圧されずに低電圧のままでモータM1が駆動された例が示され、図5の(b)には、電圧が昇圧され高電圧でモータM1が駆動された例が示されている。
図5の(a)の例では、モータM1の最大トルク(100N・m)が回転数N1までしか維持されていないのに対し、図5の(b)の例では、最大トルクが回転数N1よりも高い回転数N2まで維持されている。このように、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧することで、電圧を昇圧していない場合に比べて、最大トルクを維持できる回転数の適用範囲を広げることができる。
また、図5の(a)には、モータM1の回転が回転数N1のときに弱め界磁制御を開始することが示されているのに対し、図5の(b)では、回転数N2よりも高い回転数N3のときに弱め界磁制御を開始することが示されている。このように、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧することで、電圧を昇圧していない場合に比べて、弱め界磁制御を開始すべき回転数を高くすることができる。これにより、弱め界磁制御の開始によって生じるモータM1の損失を低減し、また、モータM1の出力(トルク×回転数)を増加させることができる。
また、ここで、車両駆動装置5の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減するための車両駆動装置5の構造について、図6を参照しながら説明する。
図6は、車両駆動装置5の筐体90を示す概略図である。図6に示すように、筐体90は、開口91aを有する凹状の筐体本体91と、開口91aを塞ぐ蓋部92とを有している。筐体90は、金属などの導電性を有する材料によって形成され、接地されている。蓋部92は、例えば、専用工具および専用締結部材を用いて筐体本体91に対して開閉または着脱可能である。
この車両駆動装置5では、高電位差部HEを構成するコンバータ60、インバータ10およびモータM1が筐体90内に収納されている。一方、低電位差部LEは、筐体90の外に配置されている。この車両駆動装置5によれば、低電圧規格の電圧を超える高電位差部HEが、接地された筐体90の内部に配置される構造となっている。これにより、高電圧系の配線が、万一、筐体90に接触しても、筐体90は接地電位であるので、車両駆動装置5の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。なお、筐体90内には、前述したディファレンシャルギア93および変速機94が収納されていてもよい。コンバータ60、インバータ10およびモータM1のそれぞれは、1つの筐体90内に仕切りを介して配置されていてもよい。筐体90は1つに限られず、コンバータ60、インバータ10およびモータM1のそれぞれが、別々の筐体に収納されていてもよい。
また、筐体90には、インターロック用の検出器96が設けられている。検出器96は、制御回路50に接続され、筐体本体91から蓋部92が開いたこと、すなわち開口91aが塞がれていないことを検出して制御回路50に出力する。検出器96は、例えば、機械式、電気式、磁気式のスイッチであってもよいし、コネクタであってもよい。制御回路50は、開口91aが塞がれていないことを検出した場合に、コンバータ60、インバータ10およびモータM1の作動を停止させる。これにより、車両駆動装置5の安全性を確保することができる。
[1−3.車両駆動装置の3相短絡制御に関する説明]
次に、車両駆動装置5にて実行される3相短絡制御について、図7を参照しながら説明する。
図7は、インバータ10の詳細を示す回路図である。図7に示すように、インバータ10は、3相ブリッジ回路40とドライブ回路30と駆動制御回路20とを備えている。3相ブリッジ回路40は、図4を用いて説明したとおりであり、ここではドライブ回路30および駆動制御回路20について説明する。
ドライブ回路30は、3相PWM制御および3相短絡制御を実行するため、3相ブリッジ回路40のスイッチ素子S41〜S46を駆動する回路である。ドライブ回路30の入力側は駆動制御回路20に接続され、出力側は3相ブリッジ回路40に接続されている。
ドライブ回路30は、切替回路31と、バッファ回路32と、3相短絡回路33と、OR回路34とを備える。また、ドライブ回路30は、チェック用端子36と異常受付端子39とを備える。
異常受付端子39は、インバータ10の異常状態を告げる異常信号s2を受け付ける端子である。この異常信号s2は、後述する異常検出部29からドライブ回路30に出力される。
チェック用端子36は、3相短絡回路33による3相短絡制御を実行するためのアクティブチェック信号s1を受け付ける端子である。このアクティブチェック信号s1は、駆動制御回路20からドライブ回路30に出力される。以下において、3相短絡回路33による3相短絡制御を試行し、3相短絡回路33が3相短絡制御を実行できるか否かを確認することをアクティブチェックと呼ぶ。アクティブチェックを行うことで、3相短絡回路33の故障有無を診断することができる。
チェック用端子36および異常受付端子39に入力されたそれぞれの信号は、OR回路34に入力される。OR回路34は、チェック用端子36および異常受付端子39の少なくとも一方の端子が信号を受け付けている場合に、3相短絡回路33に信号を出力する。3相短絡回路33は、OR回路34から出力された信号に基づいて駆動する。すなわち3相短絡回路33は、異常検出およびアクティブチェックのそれぞれの入力信号に基づいて駆動する。
3相短絡回路33は、モータM1の3相のそれぞれを短絡するために用いられる回路である。具体的には、3相短絡回路33は、OR回路34から出力された信号および制御回路50から出力された3相短絡指令に基づいて3相ブリッジ回路40の上側アーム群のスイッチ素子S41〜S43および下側アーム群のスイッチ素子S44〜S46のうち、一方のアーム群の各スイッチ素子を短絡し、他方のアーム群の各スイッチ素子を開放する。このようにしてモータM1の3相のそれぞれを短絡することで、モータM1の巻線コイル間から誘起される電圧を0にすることができる。これにより、例えば電圧監視点Pv1または3相ブリッジ回路40に過電圧が検出された場合に、3相短絡回路33を働かせて3相短絡制御を行い、低電位差部LEおよび3相ブリッジ回路40にかかる過電圧を低減することができる。
切替回路31は、3相ブリッジ回路40を、後述する駆動信号演算部23から出力された駆動信号に基づいて駆動するか、あるいは、3相短絡回路33から出力された信号を用いて駆動するかを切り替える回路である。なお、駆動信号演算部23から出力される駆動信号は、3相ブリッジ回路40を3相PWM制御する信号などの各種信号が含まれる。切替回路31による切り替えは、例えばハードロジック回路によって実現されている。切替回路31は、ドライブ回路30がチェック用端子36を介してアクティブチェック信号s1を受け付けた場合に、モータM1にて実行されているスイッチング制御等を3相短絡回路33による3相短絡制御に切り替える。また、切替回路31は、制御回路50から出力された3相短絡指令を受け付けた場合に、モータM1にて実行されているスイッチング制御等を3相短絡回路33による3相短絡制御に切り替える。
バッファ回路32は、各スイッチ素子S41〜S46を駆動することができるように、3相ブリッジ回路40に出力する出力信号を増幅する回路である。バッファ回路32によって出力信号が増幅されることで、3相ブリッジ回路40の駆動が可能となる。
次に、駆動制御回路20について、図7を参照しながら説明する。
駆動制御回路20は、各種の演算等を行うマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサを動作させるためのプログラムまたは情報などを記憶するメモリ24とによって構成される。
図7に示すように、駆動制御回路20は、モータ制御信号取得部21と、モータ制御信号演算部22と、駆動信号演算部23と、アクティブチェック指示部26と、故障判断部25と、3相短絡制御信号割り込み部27とを備える。また、駆動制御回路20は、異常検出部29を備える。
モータ制御信号取得部21は、モータM1に流れる電流を検知する電流センサCSu、CSv、CSw、および、モータM1の磁極位置を検出して回転位置を検知する回転位置センサRSなどの各種センサによって検知された情報を取得する。なお、電流センサCSu、CSv、CSwは、モータM1のu相、v相、w相における電流値を検知するセンサである。また、モータ制御信号取得部21は、電源線Lpにおける電圧Vpに関する情報を取得する。また、モータ制御信号取得部21は、駆動制御回路20の外部、例えば車両1のECU(Electronic Control Unit)から出力されたトルク指令などの制御指令情報を取得する。
モータ制御信号演算部22は、モータ制御信号取得部21にて取得した上記情報に基づいて、演算によりトルク指令値を電流に換算し、モータM1を電流制御するための制御信号を出力する。例えば、モータ制御信号演算部22は、車両駆動装置5の駆動時におけるモータM1のトルクが、トルク指令情報に示された目標トルク(例えば車両1のアクセルペダルまたはブレーキペダルの操作量に応じたトルク)となるように、モータM1の電流制御のための制御信号を出力する。
また、モータ制御信号演算部22は、モータ制御信号取得部21にて取得した上記情報を演算により変換して、アクティブチェックおよび故障判断を行うための制御信号を出力する。例えば、モータ制御信号演算部22は、トルク指令などの制御指令情報を上記制御信号に変換して駆動信号演算部23およびアクティブチェック指示部26に出力する。また、モータ制御信号演算部22は、モータM1に流れる電流、モータM1の磁極の回転位置、電源線Lpにおける電圧Vpなどの情報を制御信号に変換して駆動信号演算部23および故障判断部25に出力する。
アクティブチェック指示部26は、アクティブチェック信号s1をチェック用端子36に出力する回路である。前述したようにアクティブチェックとは、3相短絡回路33による3相短絡制御を試行し、3相短絡回路33が3相短絡制御を実行できるか否かを確認することである。アクティブチェック指示部26は、モータ制御信号演算部22から出力された上記制御信号に基づいて、今のタイミングでアクティブチェックを行っても車両駆動装置5の駆動に影響を与えないか否かを判断する。アクティブチェックの実行可否の判断は、定期的な時間間隔で実行される。なお、アクティブチェックをするか否かの判断は、アクティブチェック指示部26に限られず、駆動制御回路20に含まれる回路であればアクティブチェック指示部26と異なる回路によって行われてもよい。
例えば、アクティブチェック指示部26は、モータM1が力行でない状態および回生でない状態のときにアクティブチェックを行うと判断し、モータM1が力行状態または回生状態であるときにアクティブチェックを行わないと判断する。モータM1が力行でない状態および回生でない状態とは、例えば、車両1の加減速が小さく、モータM1が惰行している状態に相当する。これらのアクティブチェックの実行可否の判断は、定期的な時間間隔で実行される。また、アクティブチェック指示部26は、アクティブチェック信号s1を出力すると同時に、アクティブチェック中であることを示すビジー信号を故障判断部25に出力する。
故障判断部25は、3相短絡回路33の故障有無を判断する回路である。故障判断部25は、3相短絡制御が実行された際の、モータM1の3相に流れる電流の変化、電流位相の変化、および、3相ブリッジ回路40における直流電圧の変化の少なくとも1つの変化に関する情報を取得する。電流の変化は、電流センサCSu、CSv、CSwによって検出した電流値に基づいて求めることができる。電流位相の変化は、例えば、モータM1のd軸電流とq軸電流に基づいて求めることができる。d軸電流、q軸電流は、電流センサCSu、CSv、CSwによって検出した電流値、および、回転位置センサRSによって検出した磁極の回転位置に基づいて求めることができる。直流電圧の変化は、電源線Lpにおける電圧Vpを検出することで求めることができる。
故障判断部25は、取得した上記情報に基づいて3相短絡回路の故障有無を判断する。例えば、故障判断部25は、電流が規定の範囲から外れた場合、電流位相が規定の範囲から外れた場合、および、直流電圧が規定の範囲から外れた場合のうち少なくとも1つの場合に、3相短絡回路33が故障していると判断する。また、故障判断部25は、3相短絡回路33が故障していると判断した場合に、その故障情報を外部に報知する報知信号を出力する。
異常検出部29は、インバータ10に発生する過電圧などの異常を検出する回路である。ここでは、異常検出部29は、電源線Lpの断線などによる失陥、あるいは、スイッチ素子S41〜S46、電流センサCSu、CSv、CSw、回転位置センサRSなどの故障により発生する過電圧を検出する回路であるとして説明する。異常検出部29は、駆動用電池B1のプラス側であって、3相ブリッジ回路40の電源線Lpに接続されている。異常検出部29が異常(ここでは過電圧)を検出すると、異常信号s2が異常受付端子39に出力される。これにより、3相短絡回路33が3相短絡制御を行うので、3相ブリッジ回路40の過電圧を抑制することができる。なお、ここで例示した、異常検出部29の異常である過電圧は、例えば、駆動用電池B1のプラス側配線の外れ、断線などによって発生しうる。また、異常検出部29とドライブ回路30(3相短絡回路33を含む)は、いずれもハードウエアで構成されるので、異常検出部29が異常を検出して3相短絡回路33が3相短絡制御を行うまでの非常時の動作は、自動的に、かつ、迅速に行われる。また、異常検出部29は、駆動制御回路20内に設けられている必要はなく、駆動制御回路20の外に設けられていてもよい。また、異常検出部29は、過電圧を検出する構成に限定されるものではなく、電流センサCSu、CSv、CSw、回転位置センサRSなどの出力異常(所定の出力電圧範囲を超えるなど)を直接検出するような構成を備えていてもよい。
駆動信号演算部23は、モータ制御信号演算部22から出力された制御信号に基づいて、モータM1を駆動するために必要な駆動信号を演算し、この駆動信号をドライブ回路30に出力する。駆動信号演算部23は、車両駆動装置5が通常運行している際は、3相PWM制御を行うための駆動信号を出力する。
また、駆動信号演算部23は、インバータ10の異常が検出された場合、かつ、故障判断部25によって3相短絡回路33が故障していると判断された場合に、メモリ24に格納されたプログラムによって3相短絡制御を行うための駆動信号を出力する。
このプログラムによる3相短絡制御は、3相短絡制御信号割り込み部27によって実行される。具体的には、3相短絡制御信号割り込み部27は、故障判断部25から3相短絡回路33が故障しているという故障情報を受け取り、かつ、インバータ10の異常が検出された場合に駆動信号演算部23に対し、3相短絡を実行するための割り込み信号を出力する。駆動信号演算部23は、割り込み信号を受けることで、3相PWM制御の駆動信号を3相短絡制御の駆動信号に変更してドライブ回路30に出力する。
このように、駆動制御回路20は、3相PWM制御および3相短絡制御を実行するための駆動信号をドライブ回路30に出力する。ドライブ回路30では、駆動制御回路20から出力された駆動信号、および、3相短絡回路33から出力された信号のうちのいずれかの信号を選択し、3相ブリッジ回路40に出力する。3相ブリッジ回路40は、ドライブ回路30から出力された信号に基づいて、モータM1を駆動する。
[1−4.車両駆動装置の動作]
次に、車両駆動装置5の動作について、図8を参照しながら説明する。なおこの例では、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、モータM1の3相が短絡されるようにインバータ10を制御する場面について説明する。
図8は、車両駆動装置5の動作を示すフローチャートである。
まず、制御回路50は、コンバータ60の駆動用電池B1側の電圧V1を読み込む(ステップS10)。電圧V1は、図2に示す電圧監視点Pv1から取得することができる。
次に制御回路50は、読み込んだ電圧V1が所定電圧よりも大きいか否かを判断する(ステップS20)。所定の電圧は、駆動用電池B1の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される電圧であり、本実施の形態では60Vに設定されている。ここでコンバータ60の駆動用電池B1側の電圧V1が所定電圧よりも大きくないと判断された場合(S20にてNo)、車両駆動システム6の高電位差部HEに過電圧が発生していないことになるので、ステップS10に戻って電圧V1の読み込みを続ける。
一方、電圧V1が所定電圧よりも大きいと判断された場合(S20にてYes)、車両駆動システム6の高電位差部HEに過電圧が発生していることになるので、次のステップに進み、車両駆動装置5は3相短絡制御を実行する(ステップS30)。具体的には、制御回路50は、インバータ10に3相短絡を実行させるための3相短絡指令を出力する。インバータ10は、この3相短絡指令を受け付けることで3相短絡回路33による3相短絡制御を実行する。なお、前述した故障判断部25によって3相短絡回路33が故障していると既に判断されている場合は、メモリ24に格納されたプログラムによって3相短絡制御が実行される。この場合、制御回路50は、駆動制御回路20に対し、3相短絡制御を指示する。
次に、制御回路50は、上位ECUに異常信号を出力する(ステップS40)。これにより、車両駆動装置5は、車両駆動システム6の高電位差部HEに発生している電圧異常に対し、3相短絡制御によって対処していることを報知することができる。この車両駆動装置5では、ステップS10〜S40を繰り返し実行することで、車両駆動装置5の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
なお、図8の動作は、制御回路50におけるソフトウエアにより実行されるが、図8の動作に相当する論理回路により、ハードウエアで実施されるようにしてもよい。この場合は、ソフトウエアによる場合よりも早く3相短絡制御を実行することができる。
また、図8の動作では、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、3相短絡制御を行う例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え、かつ、コンバータ60が正常な場合は、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧になるようにコンバータ60を制御してもよい。このような制御により、高電位差部HEが過電圧に至っても、低電圧系の配線系統(低電位差部LE)が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
[1−5.実施の形態1の変形例1]
次に、実施の形態1の変形例1における車両駆動装置5について説明する。
図9は、変形例1による車両駆動装置5の筐体を示す概略図である。図9に示すように、変形例1の車両駆動装置5では、高電位差部HEを構成するコンバータ60およびインバータ10が筐体90内に収納され、高電位差部HEを構成するモータM1が、筐体90とは異なる筐体90a内に収納されている。インバータ10とモータM1とは、2重絶縁ケーブル88によって接続されている。
変形例1の車両駆動装置5においても、低電圧規格の電圧を超える高電位差部HEが、接地された筐体90および90aの内部に配置される構造となっており、車両駆動装置5の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、変形例1の車両駆動装置5は、車両駆動装置5の絶縁性試験において以下に示すような効果を有している。
図10は、変形例1の車両駆動装置5の絶縁性試験における電流経路の一例を示す図である。
絶縁性試験では、図10に示すように、モータM1のu相、v相、w相におけるPa点とグランドであるPb点との間の抵抗を500Vなどの高電圧で確認する。例えば、w相に電流が流れるとき、絶縁性試験において流れる電流は、図10の破線矢印に示すように、Pa点からスイッチ素子S46、スイッチ素子S62、インダクタL60を経てしてPb点に流れる。スイッチ素子S46、S62のそれぞれは、前述したように半導体素子によって形成されている。
例えば従来のコンバータのように、正極の電圧を正方向に増大させ、負極であるグランド電位をそのまま出力するコンバータでは、Pa点とPb点との間に、スイッチ素子S62が無くスイッチ素子S46のみが存在する。そのため、回路設計において500Vの耐圧性能を有するスイッチ素子46を選択する必要がある。
変形例1の車両駆動装置5では、負極の電圧を負方向に増加させ、正極の電圧をそのままの電位で出力するコンバータ60を使用しており、Pa点からPb点に至るまでの経路にスイッチ素子S46、S62からなる2つの半導体素子が存在する。そのため、コンバータ60およびインバータ10の回路設計において、500Vよりも低い例えば250Vの耐圧性能を有するスイッチ素子S46、S62を選択することができる。一般的に、耐圧性能の高い半導体素子は、オン抵抗が高く損失が大きくなるが、変形例1の車両駆動装置5では、オン抵抗が低いスイッチ素子S46、S62を用いることができる。なお、u相、v相に対応するスイッチ素子S44、S45についても同様に、オン抵抗が低いスイッチ素子を用いることができる。これにより、コンバータ60およびインバータ10に用いる半導体素子として、オン抵抗が低く損失が小さいスイッチ素子S62、S44〜S46を用いることができ、車両駆動装置5の効率を向上させることができる。
[1−6.実施の形態1の変形例2]
次に、実施の形態1の変形例2における車両駆動装置5について説明する。
変形例2の車両駆動装置5では、制御回路50が、モータM1の回転数に応じて、モータM1の駆動をPWM制御またはPAM制御するように、コンバータ60およびインバータ10を協調制御する。具体的に制御回路50は、モータM1の回転が回転数N3(図5の(b)参照)以下のときにコンバータ60による昇圧は行わず、インバータ10によるPWM制御でモータM1の駆動を制御する。それに対し制御回路50は、モータM1の回転数が回転数N3よりも高いときに、コンバータ60による昇圧を行うとともに、コンバータ60によるPAM制御を実行しモータM1の駆動を制御する。車両駆動装置5では、PAM制御が実行されている際にPWM制御によるスイッチング動作が行われないので、スイッチ素子S41〜S46にて発生するスイッチング損失を低減することができる。これにより、モータM1の低回転から高回転にわたり車両駆動装置5を高効率で駆動することができる。なお、PWM制御およびPAM制御の切替点である回転数N3は、モータM1にて発生する誘起電圧の大きさによって適宜決定すればよい。
以上、実施の形態1および変形例1、2について説明した。ただし以上の実施の形態1等は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施の形態2)
[2−1.車両および車両駆動装置の全体構成]
まず、車両および車両駆動装置の全体構成について、図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施の形態の車両駆動装置5Aを備える車両1を示す図である。車両1は、60V以下の低電圧の電池を用いて駆動するマイルドハイブリッド車両である。
図11に示すように、車両1は、駆動輪2と、ディファレンシャルギア93と、変速機94と、永久磁石モータM1と、エンジンである内燃機関EGとを備えている。永久磁石モータM1には、インバータ10、DCDCコンバータ60aおよび駆動用電池B1がこの順で接続されている。車両駆動装置5Aは、永久磁石モータM1、インバータ10、DCDCコンバータ60aおよび駆動用電池B1によって構成されている。以下、永久磁石モータM1をモータM1と呼び、DCDCコンバータ60aをコンバータ60aと呼ぶ場合がある。
変速機94およびディファレンシャルギア93は、内燃機関EGおよびモータM1の出力を駆動輪2に伝達する。モータM1の回転力は、変速機94およびディファレンシャルギア93を経由して駆動輪2に伝達される。これと同様に、駆動輪2の回転力は、ディファレンシャルギア93および変速機94を経由してモータM1に伝達される。
モータM1は、3相交流式のモータであり、例えば、埋込磁石同期モータまたは表面磁石同期モータなどのモータである。モータM1は、車両1の駆動および発電に使われる。具体的には、モータM1は、車両1の始動および走行時の主動力として、また、加速時のエンジンアシストとして、さらに、減速時の回生電力を生み出す装置として用いられる。この車両1は、モータM1および内燃機関EGの協働によって駆動するように構成されている。
駆動用電池B1は、モータM1を駆動させるための電力を供給する、および、モータM1で生成された回生電力を蓄えるDC電源である。駆動用電池B1としては、例えば、リチウムイオン電池などが用いられる。この車両駆動装置5Aでは、DC60V以下の低電圧の駆動用電池B1、具体的にはDC48Vの駆動用電池B1が用いられる。車両駆動装置5Aのうち、電圧が60V以下となっている部分は、低電圧規格が適用され、特殊な絶縁処置を施す必要がなく取り扱いが容易となる。
コンバータ60aは、昇降圧用のコンバータである。具体的にはコンバータ60aは、駆動用電池B1から供給された直流電力を昇圧してインバータ10に供給し、また、モータM1にて生成された回生電力を、インバータ10を介して受け取り、降圧して駆動用電池B1に出力する。
インバータ10は、コンバータ60aから供給された直流電力を3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。また、インバータ10は、モータM1で発生した回生電力をコンバータ60aに出力する。このように車両駆動装置5Aは、60V以下の低電圧の駆動用電池B1を用いてモータM1を駆動する、および、モータM1にて生成された回生電力を駆動用電池B1に蓄えるように構成されている。
[2−2.車両駆動システムおよび車両駆動装置の構成]
次に、車両駆動装置5A、および、車両駆動装置5Aを備える車両駆動システム6の構成について、図12〜図15を参照しながら説明する。
図12は、車両駆動装置5Aを備える車両駆動システム6を示す回路図である。図12に示すように、車両駆動システム6は、60V以下の電圧が印加される部分を有する低電位差部LE(低電圧系)と、60Vよりも大きな電圧が印加される部分を有する高電位差部HE(高電圧系)とを備える。低電位差部LEは、駆動用電池B1とコンバータ60aとを接続する端子61a、62aから見てコンバータ60aよりも駆動用電池B1側に配置されている。それに対し高電位差部HEは、端子61a、62aから見て駆動用電池B1側とは反対側に配置されている。なお、実施の形態2の説明における、低電位差部LE、および、高電位差部HEの電位差とは、接地電位(グランド電位)に対する電位差のことであると定義する。
低電位差部LEは、駆動用電池B1に接続される48V負荷と、48Vの電圧を12Vに降圧する48V12Vコンバータと、48V12Vコンバータに接続される12V電池と、12V電池に接続される12V負荷とを備える。例えば、48V負荷は、パワーステアリングや空調などであり、12V負荷は、ラジオやパワーウィンドウなどである。
駆動用電池B1、48V負荷、48V12Vコンバータ、12V電池および12V負荷は、低電位差部LEに設けられたワイヤーハーネス(図示省略)によって接続される。低電位差部LEでは、駆動用電池B1から48V負荷および48V12Vコンバータへ電力を供給し、48V12Vコンバータから12V電池へ電力を供給し、12V電池から12V負荷へ電力を供給する。
駆動用電池B1の正極71は、正極71から引き出された配線86を介してコンバータ60aの端子61aに接続され、また、配線86を介して48V12Vコンバータの端子81に接続されている。駆動用電池B1の負極72は、負極72から引き出された配線87を介してコンバータ60aの端子62aに接続され、また、配線87を介して48V12Vコンバータの端子82に接続されている。負極72は、車体(図示省略)に接続され、接地(ボディアース)されている。
また、低電位差部LEは、駆動用電池B1の給電可否を制御する制御回路76と、制御回路76に接続されるリレー(電力遮断器)75とを備えている。制御回路76は、高電位差部HEの制御回路50に接続されている。リレー75は、駆動用電池B1の正極71とコンバータ60aの端子61aとを結ぶ配線86上に配置されている。例えば制御回路76によってリレー75がOFF(開放)されると、コンバータ60a、48V負荷および48V12Vコンバータへの電力供給が停止される。
高電位差部HEは、駆動用電池B1に接続されるコンバータ60aと、コンバータ60aに接続されるインバータ10と、インバータ10に接続されるモータM1と、コンバータ60aおよびインバータ10のそれぞれに接続される制御回路50とを備える。
図13は、車両駆動装置5AのDCDCコンバータ60aを示す回路図である。図13に示すように、コンバータ60aは、インダクタL60aと、ハイサイドに位置するスイッチ素子S61aと、ローサイドに位置するスイッチ素子S62aと、コンデンサC60aとを有している。また、コンバータ60aは、電圧の入出力が行われる複数の端子61a、62a、63a、64aを有している。端子61aは、配線86およびリレー75を介して駆動用電池B1の正極71に接続され、端子62aは、配線87を介して駆動用電池B1の負極72に接続されている。端子63a、64aのそれぞれは、配線を介してインバータ10に接続されている。各端子62a、64aは、グランド電位となっている。
コンバータ60aは、モータM1が力行中のときに、端子61a、62aに入力された電圧を昇圧してインバータ10へ出力し、また、モータM1が回生中のときに、端子63a、64aに入力された電圧を降圧して駆動用電池B1に出力する。具体的には、コンバータ60aは、端子61a、62aに入力された48Vの電圧を120Vに昇圧して端子63a、64aから出力し、また、端子63a、64aに入力された120Vの電圧を48Vに降圧して端子61a、62aから出力する。本実施の形態では、コンバータ60aの端子63a、64a側の電圧が、低電圧規格で定められる電圧(60V)よりも大きくなっている。
なお、コンバータ60aの端子61a、62aに入力される電圧は、48Vと記載したが、これは一例であり、駆動用電池B1の充電状態などによっては、48Vに対して変動する場合がある。また、コンバータ60aの端子63a、64aに入力される電圧は、120Vと記載したが、これは一例であり、モータM1の回生状態によっては、120Vに対して変動する場合がある。
インバータ10は、モータM1を駆動制御する回路であり、コンバータ60aから出力された直流電力を3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。インバータ10の端子11、12は、コンバータ60aに接続されている。また、インバータ10は、配線を経由してモータM1のu相、v相、w相に接続されている。
図14は、車両駆動装置5Aのインバータ10を示す回路図である。図14に示すように、インバータ10は、3相ブリッジ回路40とドライブ回路30と駆動制御回路20とを備えている。なお図14には、3相ブリッジ回路40に印加される電圧を平滑化するコンデンサC41も図示されている。また、図14における電圧Vpは昇圧後の電圧であり、電圧Vgは接地電圧である。
3相ブリッジ回路40は、コンバータ60aから出力された直流電力をスイッチング動作により3相の交流電力に変換して、その交流電力をモータM1に供給する。3相ブリッジ回路40のうち、スイッチング動作制御用の入力側はドライブ回路30に接続され、電力の入力側は駆動用電池B1に接続され、出力側はモータM1に接続されている。なお、モータM1の回生時には、3相ブリッジ回路40の出力側から回生電流が導入され、上記電力の入力側に向かって電流が流れるが、ここでは、駆動用電池B1が接続される側を入力側、モータM1が接続される側を出力側と定義する。
3相ブリッジ回路40は、上側アーム群に設けられたスイッチ素子S41、S42、S43と、下側アーム群に設けられたスイッチ素子S44、S45、S46とを備えている。例えば、スイッチ素子S41〜S46は、nチャネルMOSFETなどの半導体素子によって構成される。
各スイッチ素子S41、S42、S43は、モータM1から引き出された3つの出力線と、コンバータ60aから引き出された電源線Lpとの間のそれぞれの間に接続されている。各スイッチ素子S44、S45、S46は、上記3つの出力線とコンバータ60aから引き出された接地線Lgとの間のそれぞれの間に接続されている。また、各スイッチ素子S41〜S46には、還流ダイオードが並列接続されている。還流ダイオードは、スイッチ素子S41〜S46に寄生する寄生ダイオードであってもよい。
各スイッチ素子S41〜S46は、ドライブ回路30に接続され、ドライブ回路30から出力された信号によって駆動する。モータM1は、各スイッチ素子S41〜S46の駆動に基づいて、力行、回生または惰行などの状態で駆動される。
制御回路50は、インバータ10およびコンバータ60aを統合制御する回路である。制御回路50は、低電位差部LEに過電圧が印加されないようにインバータ10およびコンバータ60aを制御する。制御回路50を用いたインバータ10およびコンバータ60aの制御のしかたについては後述する。
ここで、車両駆動装置5Aの低電圧系の配線系統(低電位差部LE)が規格上限電圧を超える可能性を低減するための車両駆動装置5Aの構造について、図15を参照しながら説明する。
図15は、車両駆動装置5Aの筐体90を示す概略図である。図15に示すように、筐体90は、開口91aを有する凹状の筐体本体91と、開口91aを塞ぐ蓋部92とを有している。筐体90は、金属などの導電性を有する材料によって形成され、接地されている。蓋部92は、例えば、専用工具および専用締結部材を用いて筐体本体91に対して開閉または着脱可能である。
この車両駆動装置5Aでは、高電位差部HEを構成するコンバータ60a、インバータ10およびモータM1が筐体90内に収納されている。一方、低電位差部LEは、筐体90の外に配置されている。この車両駆動装置5Aによれば、低電圧規格の電圧を超える高電位差部HEが、接地された筐体90の内部に配置される構造となっている。これにより、高電圧系の配線が、万一、筐体90に接触しても、筐体90は接地電位であるため、車両駆動装置5Aの低電圧系の配線系統(低電位差部LE)が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。したがって、整備中などに1回の誤動作(1フェール)で規格以上の電位に接触してしまう可能性を低減できる。なお、筐体90内には、前述したディファレンシャルギア93および変速機94が収納されていてもよい。コンバータ60a、インバータ10およびモータM1のそれぞれは、1つの筐体90内に仕切りを介して配置されていてもよい。筐体90は1つに限られず、コンバータ60a、インバータ10およびモータM1のそれぞれが、別々の筐体に収納されていてもよい。
また、筐体90には、インターロック用の検出器96が設けられている。検出器96は、制御回路50に接続され、筐体本体91から蓋部92が開いたこと、すなわち開口91aが塞がれていないことを検出して制御回路50に出力する。検出器96は、例えば、機械式、電気式、磁気式のスイッチであってもよいし、コネクタであってもよい。制御回路50は、開口91aが塞がれていないことを検出した場合に、コンバータ60a、インバータ10およびモータM1の作動を停止させる。これにより、車両駆動装置5Aの低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
また、本実施の形態の車両駆動装置5Aは、車両駆動システム6の低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減するために、制御回路50を用いてインバータ10およびコンバータ60aを以下のように制御している。
例えば、インバータ10において、モータM1の弱め界磁制御を行えなくなるような不具合が発生することにより、低電位差部LEが規格上限電圧を超えることがある。
そこでこの車両駆動装置5Aでは、図12に示すように、駆動用電池B1の正極71とコンバータ60aとを結ぶ配線86上に電圧監視点Pv1が設けられている。電圧監視点Pv1は、コンバータ60aの駆動用電池B1側の電圧を監視するための計測点である。電圧監視点Pv1は、引き出し配線を介して制御回路50の電圧検出ポートに接続され、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧を計測する。
制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、コンバータ60aのハイサイドのスイッチ素子S61a、および、ローサイドのスイッチ素子S62aを同時に開放するように制御する。これにより、モータM1のコイル間から誘起される高電圧が低電位差部LE(駆動用電池側)に印加されることを抑制できる。所定の電圧とは、駆動用電池B1の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される電圧であり、本実施の形態では、所定の電圧は60Vに設定されている。
また、ハイサイドのスイッチ素子S61a、および、ローサイドのスイッチ素子S62aを同時に開放するように制御しても、例えば、コンバータ60aのハイサイドのスイッチ素子S61aにショート故障が発生していると、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え続ける。この場合、モータM1が高回転するときに発生する誘起電圧がインバータ10およびスイッチ素子S61aを通って、低電位差部LEに印加され、規格上限電圧を超え続けることになる。
そこで、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え続けた場合に、モータM1の3相が短絡されるようにインバータ10を制御する。このようにして3相短絡制御を実行することで、モータM1のコイル間から誘起される電圧をゼロにし、低電位差部LEに高電圧が印加されることを抑制できる。
また、3相短絡を実行しても電圧監視点Pv1における電圧上昇が続く場合は、制御回路50は、以下に示す安全策を実行してもよい。具体的には、インバータ10の3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、駆動用電池B1とコンバータ60aとを結ぶ配線86上の電圧が所定の電圧を超えた場合に、制御回路50は、リレー75を開放し、かつ、コンバータ60aのハイサイドに位置するスイッチ素子S61aおよびローサイドに位置するスイッチ素子S62aのそれぞれを短絡させる。このように、駆動用電池B1の給電を停止し、コンバータ60aが備えるスイッチ素子S61a、S62aのそれぞれを短絡させることで、例えば3相短絡回路が故障していた場合であっても、低電位差部LEに高電圧が印加されることを抑制することができる。なお、3相短絡制御については後述する。
また、この車両駆動装置5Aでは、コンバータ60aを用いて、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧してインバータ10およびモータM1に供給している。これにより、以下に示す効果を有している。
図16は、永久磁石モータM1の回転数、トルクおよび起電圧の関係を示す図である。図16の(a)には、電圧が昇圧されずに低電圧のままでモータM1が駆動された例が示され、図16の(b)には、電圧が昇圧され高電圧でモータM1が駆動された例が示されている。
図16の(a)の例では、モータM1の最大トルク(100N・m)が回転数N1までしか維持されていないのに対し、図16の(b)の例では、最大トルクが回転数N1よりも高い回転数N2まで維持されている。このように、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧することで、電圧を昇圧していない場合に比べて、最大トルクを維持できる回転数の適用範囲を広げることができる。
また、図16の(a)には、モータM1の回転が回転数N1のときに弱め界磁制御を開始することが示されているのに対し、図16の(b)では、回転数N2よりも高い回転数N3のときに弱め界磁制御を開始することが示されている。このように、駆動用電池B1から出力された電圧を昇圧することで、電圧を昇圧していない場合に比べて、弱め界磁制御を開始すべき回転数を高くすることができる。これにより、弱め界磁制御の開始によって生じるモータM1の損失を低減し、また、モータM1の出力(トルク×回転数)を増加させることができる。
[2−3.車両駆動装置の3相短絡制御に関する説明]
次に、車両駆動装置5Aにて実行される3相短絡制御について、図17を参照しながら説明する。
図17は、インバータ10の詳細を示す回路図である。図17に示すように、インバータ10は、3相ブリッジ回路40とドライブ回路30と駆動制御回路20とを備えている。3相ブリッジ回路40は、図14を用いて説明したとおりであり、ここではドライブ回路30および駆動制御回路20について説明する。
ドライブ回路30は、3相PWM制御および3相短絡制御を実行するため、3相ブリッジ回路40のスイッチ素子S41〜S46を駆動する回路である。ドライブ回路30の入力側は駆動制御回路20に接続され、出力側は3相ブリッジ回路40に接続されている。
ドライブ回路30は、切替回路31と、バッファ回路32と、3相短絡回路33と、OR回路34とを備える。また、ドライブ回路30は、チェック用端子36と異常受付端子39とを備える。
異常受付端子39は、インバータ10の異常状態を告げる異常信号s2を受け付ける端子である。この異常信号s2は、後述する異常検出部29からドライブ回路30に出力される。
チェック用端子36は、3相短絡回路33による3相短絡制御を実行するためのアクティブチェック信号s1を受け付ける端子である。このアクティブチェック信号s1は、駆動制御回路20からドライブ回路30に出力される。以下において、3相短絡回路33による3相短絡制御を試行し、3相短絡回路33が3相短絡制御を実行できるか否かを確認することをアクティブチェックと呼ぶ。アクティブチェックを行うことで、3相短絡回路33の故障有無を診断することができる。
チェック用端子36および異常受付端子39に入力されたそれぞれの信号は、OR回路34に入力される。OR回路34は、チェック用端子36および異常受付端子39の少なくとも一方の端子が信号を受け付けている場合に、3相短絡回路33に信号を出力する。3相短絡回路33は、OR回路34から出力された信号に基づいて駆動する。すなわち3相短絡回路33は、異常検出およびアクティブチェックのそれぞれの入力信号に基づいて駆動する。
3相短絡回路33は、モータM1の3相のそれぞれを短絡するために用いられる回路である。具体的には、3相短絡回路33は、OR回路34から出力された信号および制御回路50から出力された3相短絡指令に基づいて3相ブリッジ回路40の上側アーム群のスイッチ素子S41〜S43および下側アーム群のスイッチ素子S44〜S46のうち、一方のアーム群の各スイッチ素子を短絡し、他方のアーム群の各スイッチ素子を開放する。このようにしてモータM1の3相のそれぞれを短絡することで、モータM1の巻線コイル間から誘起される電圧を0にすることができる。これにより、例えば電圧監視点Pv1または3相ブリッジ回路40に過電圧が検出された場合に、3相短絡回路33を働かせて3相短絡制御を行い、低電位差部LEおよび3相ブリッジ回路40にかかる過電圧を低減することができる。
切替回路31は、3相ブリッジ回路40を、後述する駆動信号演算部23から出力された駆動信号に基づいて駆動するか、あるいは、3相短絡回路33から出力された信号を用いて駆動するかを切り替える回路である。なお、駆動信号演算部23から出力される駆動信号は、3相ブリッジ回路40を3相PWM制御する信号などの各種信号が含まれる。切替回路31による切り替えは、例えばハードロジック回路によって実現されている。切替回路31は、ドライブ回路30がチェック用端子36を介してアクティブチェック信号s1を受け付けた場合に、モータM1にて実行されているスイッチング制御等を3相短絡回路33による3相短絡制御に切り替える。また、切替回路31は、制御回路50から出力された3相短絡指令を受け付けた場合に、モータM1にて実行されているスイッチング制御等を3相短絡回路33による3相短絡制御に切り替える。
バッファ回路32は、各スイッチ素子S41〜S46を駆動することができるように、3相ブリッジ回路40に出力する出力信号を増幅する回路である。バッファ回路32によって出力信号が増幅されることで、3相ブリッジ回路40の駆動が可能となる。
次に、駆動制御回路20について、図17を参照しながら説明する。
駆動制御回路20は、各種の演算等を行うマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサを動作させるためのプログラムまたは情報などを記憶するメモリ24とによって構成される。
図17に示すように、駆動制御回路20は、モータ制御信号取得部21と、モータ制御信号演算部22と、駆動信号演算部23と、アクティブチェック指示部26と、故障判断部25と、3相短絡制御信号割り込み部27とを備える。また、駆動制御回路20は、異常検出部29を備える。
モータ制御信号取得部21は、モータM1に流れる電流を検知する電流センサCSu、CSv、CSw、および、モータM1の磁極位置を検出して回転位置を検知する回転位置センサRSなどの各種センサによって検知された情報を取得する。なお、電流センサCSu、CSv、CSwは、モータM1のu相、v相、w相における電流値を検知するセンサである。また、モータ制御信号取得部21は、電源線Lpにおける電圧Vpに関する情報を取得する。また、モータ制御信号取得部21は、駆動制御回路20の外部、例えば車両1のECU(Electronic Control Unit)から出力されたトルク指令などの制御指令情報を取得する。
モータ制御信号演算部22は、モータ制御信号取得部21にて取得した上記情報に基づいて、演算によりトルク指令値を電流に換算し、モータM1を電流制御するための制御信号を出力する。例えば、モータ制御信号演算部22は、車両駆動装置5Aの駆動時におけるモータM1のトルクが、トルク指令情報に示された目標トルク(例えば車両1のアクセルペダルまたはブレーキペダルの操作量に応じたトルク)となるように、モータM1の電流制御のための制御信号を出力する。
また、モータ制御信号演算部22は、モータ制御信号取得部21にて取得した上記情報を演算により変換して、アクティブチェックおよび故障判断を行うための制御信号を出力する。例えば、モータ制御信号演算部22は、トルク指令などの制御指令情報を上記制御信号に変換して駆動信号演算部23およびアクティブチェック指示部26に出力する。また、モータ制御信号演算部22は、モータM1に流れる電流、モータM1の磁極の回転位置、電源線Lpにおける電圧Vpなどの情報を制御信号に変換して駆動信号演算部23および故障判断部25に出力する。
アクティブチェック指示部26は、アクティブチェック信号s1をチェック用端子36に出力する回路である。前述したようにアクティブチェックとは、3相短絡回路33による3相短絡制御を試行し、3相短絡回路33が3相短絡制御を実行できるか否かを確認することである。アクティブチェック指示部26は、モータ制御信号演算部22から出力された上記制御信号に基づいて、今のタイミングでアクティブチェックを行っても車両駆動装置5Aの駆動に影響を与えないか否かを判断する。アクティブチェックの実行可否の判断は、定期的な時間間隔で実行される。なお、アクティブチェックをするか否かの判断は、アクティブチェック指示部26に限られず、駆動制御回路20に含まれる回路であればアクティブチェック指示部26と異なる回路によって行われてもよい。
例えば、アクティブチェック指示部26は、モータM1が力行でない状態および回生でない状態のときにアクティブチェックを行うと判断し、モータM1が力行状態または回生状態であるときにアクティブチェックを行わないと判断する。モータM1が力行でない状態および回生でない状態とは、例えば、車両1の加減速が小さく、モータM1が惰行している状態に相当する。これらのアクティブチェックの実行可否の判断は、定期的な時間間隔で実行される。また、アクティブチェック指示部26は、アクティブチェック信号s1を出力すると同時に、アクティブチェック中であることを示すビジー信号を故障判断部25に出力する。
故障判断部25は、3相短絡回路33の故障有無を判断する回路である。故障判断部25は、3相短絡制御が実行された際の、モータM1の3相に流れる電流の変化、電流位相の変化、および、3相ブリッジ回路40における直流電圧の変化の少なくとも1つの変化に関する情報を取得する。電流の変化は、電流センサCSu、CSv、CSwによって検出した電流値に基づいて求めることができる。電流位相の変化は、例えば、モータM1のd軸電流とq軸電流に基づいて求めることができる。d軸電流、q軸電流は、電流センサCSu、CSv、CSwによって検出した電流値、および、回転位置センサRSによって検出した磁極の回転位置に基づいて求めることができる。直流電圧の変化は、電源線Lpにおける電圧Vpを検出することで求めることができる。
故障判断部25は、取得した上記情報に基づいて3相短絡回路の故障有無を判断する。例えば、故障判断部25は、電流が規定の範囲から外れた場合、電流位相が規定の範囲から外れた場合、および、直流電圧が規定の範囲から外れた場合のうち少なくとも1つの場合に、3相短絡回路33が故障していると判断する。また、故障判断部25は、3相短絡回路33が故障していると判断した場合に、その故障情報を外部に報知する報知信号を出力する。
異常検出部29は、インバータ10に発生する過電圧などの異常を検出する回路である。ここでは、異常検出部29は、電源線Lpの断線などによる失陥、あるいは、スイッチ素子S41〜S46、電流センサCSu、CSv、CSw、回転位置センサRSなどの故障により発生する過電圧を検出する回路であるとして説明する。異常検出部29は、駆動用電池B1のプラス側であって、3相ブリッジ回路40の電源線Lpに接続されている。異常検出部29が異常(ここでは過電圧)を検出すると、異常信号s2が異常受付端子39に出力される。これにより、3相短絡回路33が3相短絡制御を行うので、3相ブリッジ回路40の過電圧を抑制することができる。なお、ここで例示した、異常検出部29の異常である過電圧は、例えば、駆動用電池B1のプラス側配線の外れ、断線などによって発生しうる。また、異常検出部29とドライブ回路30(3相短絡回路33を含む)は、いずれもハードウエアで構成されるので、異常検出部29が異常を検出して3相短絡回路33が3相短絡制御を行うまでの非常時の動作は、自動的に、かつ、迅速に行われる。また、異常検出部29は、駆動制御回路20内に設けられている必要はなく、駆動制御回路20の外に設けられていてもよい。また、異常検出部29は、過電圧を検出する構成に限定されるものではなく、電流センサCSu、CSv、CSw、回転位置センサRSなどの出力異常(所定の出力電圧範囲を超えるなど)を直接検出するような構成を備えていてもよい。
駆動信号演算部23は、モータ制御信号演算部22から出力された制御信号に基づいて、モータM1を駆動するために必要な駆動信号を演算し、この駆動信号をドライブ回路30に出力する。駆動信号演算部23は、車両駆動装置5Aが通常運行している際は、3相PWM制御を行うための駆動信号を出力する。
また、駆動信号演算部23は、インバータ10の異常が検出された場合、かつ、故障判断部25によって3相短絡回路33が故障していると判断された場合に、メモリ24に格納されたプログラムによって3相短絡制御を行うための駆動信号を出力する。
このプログラムによる3相短絡制御は、3相短絡制御信号割り込み部27によって実行される。具体的には、3相短絡制御信号割り込み部27は、故障判断部25から3相短絡回路33が故障しているという故障情報を受け取り、かつ、インバータ10の異常が検出された場合に駆動信号演算部23に対し、3相短絡を実行するための割り込み信号を出力する。駆動信号演算部23は、割り込み信号を受けることで、3相PWM制御の駆動信号を3相短絡制御の駆動信号に変更してドライブ回路30に出力する。
このように、駆動制御回路20は、3相PWM制御および3相短絡制御を実行するための駆動信号をドライブ回路30に出力する。ドライブ回路30では、駆動制御回路20から出力された駆動信号、および、3相短絡回路33から出力された信号のうちのいずれかの信号を選択し、3相ブリッジ回路40に出力する。3相ブリッジ回路40は、ドライブ回路30から出力された信号に基づいて、モータM1を駆動する。
[2−4.車両駆動装置の動作]
次に、車両駆動装置5Aの動作について、図18を参照しながら説明する。なおこの例では、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、モータM1の3相が短絡されるようにインバータ10を制御する場面について説明する。
図18は、車両駆動装置5Aの動作を示すフローチャートである。
まず、制御回路50は、コンバータ60aの駆動用電池B1側の電圧V1を読み込む(ステップS10)。電圧V1は、図12に示す電圧監視点Pv1から取得することができる。
次に制御回路50は、読み込んだ電圧V1が所定電圧よりも大きいか否かを判断する(ステップS20)。所定の電圧は、駆動用電池B1の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される電圧であり、本実施の形態では60Vに設定されている。ここでコンバータ60aの駆動用電池B1側の電圧V1が所定電圧よりも大きくないと判断された場合(S20にてNo)、車両駆動システム6の高電位差部HEに過電圧が発生していないことになるので、ステップS10に戻って電圧V1の読み込みを続ける。
一方、電圧V1が所定電圧よりも大きいと判断された場合(S20にてYes)、車両駆動システム6の高電位差部HEに過電圧が発生していることになるので、次のステップに進み、車両駆動装置5Aは3相短絡制御を実行する(ステップS30)。具体的には、制御回路50は、インバータ10に3相短絡を実行させるための3相短絡指令を出力する。インバータ10は、この3相短絡指令を受け付けることで3相短絡回路33による3相短絡制御を実行する。なお、前述した故障判断部25によって3相短絡回路33が故障していると既に判断されている場合は、メモリ24に格納されたプログラムによって3相短絡制御が実行される。この場合、制御回路50は、駆動制御回路20に対し、3相短絡制御を指示する。
次に、制御回路50は、上位ECUに異常信号を出力する(ステップS40)。これにより、車両駆動装置5Aは、車両駆動システム6の高電位差部HEに発生している電圧異常に対し、3相短絡制御によって対処していることを報知することができる。この車両駆動装置5Aでは、ステップS10〜S40を繰り返し実行することで、車両駆動装置5Aの低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
なお、図18の動作は、制御回路50におけるソフトウエアにより実行されるが、図18の動作に相当する論理回路により、ハードウエアで実施されるようにしてもよい。この場合は、ソフトウエアによる場合よりも早く3相短絡制御を実行することができる。
また、図18の動作では、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超えた場合に、3相短絡制御を行う例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧を超え、かつ、コンバータ60aが正常な場合は、制御回路50は、電圧監視点Pv1の電圧が所定の電圧になるようにコンバータ60aを制御してもよい。このような制御により、高電位差部HEが過電圧に至っても、低電圧系の配線系統(低電位差部LE)が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
[2−5.実施の形態2の変形例1]
次に、実施の形態2の変形例1における車両駆動装置5Aについて説明する。
図19は、変形例1による車両駆動装置5Aの筐体を示す概略図である。図19に示すように、変形例1の車両駆動装置5Aでは、高電位差部HEを構成するコンバータ60aおよびインバータ10が筐体90内に収納され、高電位差部HEを構成するモータM1が、筐体90とは異なる筐体90a内に収納されている。インバータ10とモータM1とは、2重絶縁ケーブル88によって接続されている。
変形例1の車両駆動装置5Aにおいても、低電圧規格の電圧を超える高電位差部HEが、接地された筐体90および90aの内部に配置される構造となっており、車両駆動装置5Aの低電圧系の配線系統が規格上限電圧を超える可能性を低減することができる。
[2−6.実施の形態2の変形例2]
次に、実施の形態2の変形例2における車両駆動装置5Aについて説明する。
変形例2の車両駆動装置5Aでは、制御回路50が、モータM1の回転数に応じて、モータM1の駆動をPWM制御またはPAM制御するように、コンバータ60aおよびインバータ10を協調制御する。具体的に制御回路50は、モータM1の回転が回転数N3(図16の(b)参照)以下のときにコンバータ60aによる昇圧は行わず、インバータ10によるPWM制御でモータM1の駆動を制御する。それに対し制御回路50は、モータM1の回転数が回転数N3よりも高いときに、コンバータ60aによる昇圧を行うとともに、コンバータ60aによるPAM制御を実行しモータM1の駆動を制御する。車両駆動装置5Aでは、PAM制御が実行されている際にPWM制御によるスイッチング動作が行われないので、スイッチ素子S41〜S46にて発生するスイッチング損失を低減することができる。これにより、モータM1の低回転から高回転にわたり車両駆動装置5Aを高効率で駆動することができる。なお、PWM制御およびPAM制御の切替点である回転数N3は、モータM1にて発生する誘起電圧の大きさによって適宜決定すればよい。
以上、実施の形態2および変形例1、2について説明した。ただし以上の実施の形態2等は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、この開示は、低電圧の駆動用電池を用いる車両駆動装置として有用である。
1 車両
2 駆動輪
5、5A 車両駆動装置
6 車両駆動システム
10 インバータ
11、12 端子
20 駆動制御回路
21 モータ制御信号取得部
22 モータ制御信号演算部
23 駆動信号演算部
24 メモリ
25 故障判断部
26 アクティブチェック指示部
27 3相短絡制御信号割り込み部
29 異常検出部
30 ドライブ回路
31 切替回路
32 バッファ回路
33 3相短絡回路
34 OR回路
36 チェック用端子
39 異常受付端子
40 3相ブリッジ回路
50 制御回路
60、60a DCDCコンバータ
61、62、63、64、61a、62a、63a、64a 端子
71 正極
72 負極
75 リレー
76 制御回路
81、82 端子
86、87 配線
88 2重絶縁ケーブル
90、90a 筐体
91 筐体本体
91a 開口
92 蓋部
93 ディファレンシャルギア
94 変速機
96 検出器
B1 駆動用電池
C41、C61、C62、C60a コンデンサ
CSu、CSv、CSw 電流センサ
EG 内燃機関
HE 高電位差部
LE 低電位差部
L60、L60a インダクタ
Lp 電源線
Lg 接地線
M1 永久磁石モータ
Pv1 電圧監視点
RS 回転位置センサ
S41〜S46、S61、S62、S61a、S62a スイッチ素子
s1 アクティブチェック信号
s2 異常信号
Tz60 ツェナーダイオード
Vg、Vp 電圧

Claims (19)

  1. 永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備え、
    前記DCDCコンバータは、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の正極の電圧を当該電圧のまま、かつ、前記DCDCコンバータに入力された前記駆動用電池の負極の電圧を負方向に増大させて、前記インバータに出力する
    車両駆動装置。
  2. 前記DCDCコンバータに入力される電圧の前記正極と前記負極との電位差は60V以下であり、
    前記インバータに出力する電圧の前記正極と前記負極との電位差は60Vよりも大きい
    請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記DCDCコンバータが前記インバータに出力する負方向に増大させた電圧と前記負極との電位差の絶対値は60V以下である
    請求項1または2に記載の車両駆動装置。
  4. さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記駆動用電池の正極の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される所定の電圧を超えた場合に、前記DCDCコンバータの2つのスイッチ素子を同時に開放するように制御する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  5. 前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超え続ける場合に、前記永久磁石モータの3相が短絡されるように前記インバータを制御する
    請求項4に記載の車両駆動装置。
  6. 前記インバータは、前記永久磁石モータの3相を短絡するための3相短絡回路を有する
    請求項5に記載の車両駆動装置。
  7. 前記インバータは、前記3相短絡回路の故障有無を診断する
    請求項6に記載の車両駆動装置。
  8. 前記制御回路は、前記3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超えた場合に、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上に配置されたリレーを開放し、かつ、2つの前記スイッチ素子を同時に短絡するように制御する
    請求項6または7に記載の車両駆動装置。
  9. さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記永久磁石モータの回転数に応じて、前記永久磁石モータの駆動をPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御するように、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを協調制御する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  10. 前記インバータ、前記DCDCコンバータおよび前記永久磁石モータは、導電性を有する筐体に収納され、
    前記筐体は、接地されている
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
  11. 前記筐体は、開口を有する筐体本体および前記開口を塞ぐ蓋部を有し、
    前記筐体には、前記開口が塞がれていない場合に前記インバータおよび前記DCDCコンバータの作動を停止するための検出器が設けられている
    請求項10に記載の車両駆動装置。
  12. 永久磁石モータと、前記永久磁石モータを駆動するインバータと、前記インバータに接続される昇降圧用のDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータに接続される駆動用電池とを備え、
    前記駆動用電池の電圧は、DC60V以下であり、
    前記駆動用電池の負極は、接地され、
    前記DCDCコンバータ、前記インバータおよび前記永久磁石モータは、導電性を有する筐体に収納され、
    前記筐体は、接地されている
    車両駆動装置。
  13. さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記駆動用電池の電圧以上、かつ、60Vの電圧以下から選択される所定の電圧を超えた場合に、前記DCDCコンバータのハイサイドおよびローサイドに位置するスイッチ素子のそれぞれを開放するように制御する
    請求項12に記載の車両駆動装置。
  14. 前記制御回路は、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超え続ける場合に、前記永久磁石モータの3相が短絡されるように前記インバータを制御する
    請求項13に記載の車両駆動装置。
  15. 前記インバータは、前記永久磁石モータの3相を短絡するための3相短絡回路を有する
    請求項14に記載の車両駆動装置。
  16. 前記インバータは、前記3相短絡回路の故障有無を診断する
    請求項15に記載の車両駆動装置。
  17. 前記制御回路は、前記3相短絡回路による3相短絡制御が実行されているにもかかわらず、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上の電圧が前記所定の電圧を超えた場合に、前記駆動用電池と前記DCDCコンバータとを結ぶ配線上に配置されたリレーを開放し、かつ、前記スイッチ素子のそれぞれを短絡するように制御する
    請求項15または16に記載の車両駆動装置。
  18. さらに、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを制御する制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記永久磁石モータの回転数に応じて、前記永久磁石モータの駆動をPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御するように、前記インバータおよび前記DCDCコンバータを協調制御する
    請求項12に記載の車両駆動装置。
  19. 前記筐体は、開口を有する筐体本体および前記開口を塞ぐ蓋部を有し、
    前記筐体には、前記開口が塞がれていない場合に前記インバータおよび前記DCDCコンバータの作動を停止するための検出器が設けられている
    請求項12〜18のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
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