JP2020124071A - 電力変換装置 - Google Patents

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優 遠藤
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優 遠藤
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Abstract

【課題】小型かつ簡素な構造で冷却性に優れた電力変換装置1を提供する。【解決手段】箱状をなす外側ケース2の中に同じく箱状をなす内側ケース3が収容されており、両者間に冷却液流路27が形成されている。インバータ回路を構成する6個のパワーモジュール31と3個のコンデンサ素子32とがインバータユニット4として内側ケース3内に配置されており、端子部分を残して熱伝導性を有するポッティング材5が充填されている。パワーモジュール31は、内側ケース3の互いに対向する側壁22の内側面22a,22bに接合されており、コンデンサ素子32を間に挟んで互いに対向して位置する。パワーモジュール31とコンデンサ素子32とは、P極側およびN極側のバスバー33,34によって接続されている。【選択図】図9

Description

この発明は、平滑コンデンサと複数の半導体スイッチング素子とからインバータ回路を構成した電力変換装置に関し、特に、冷却機構を備えた電力変換装置に関する。
例えばハイブリッド型自動車や電気自動車などで使用される電力変換装置にあっては、インバータ回路を構成するパワーモジュールとコンデンサ素子とをケース内に収容して小型化を図るとともに、何らかの冷却機構を設けることが望まれている。
特許文献1は、アルミニウム薄板をプレス成形することで上面に向かって開口する複数の溝状の凹部と下面に向かって開口する複数の溝状の凹部とを有する隔壁部材を形成し、上面に向かって開口する凹部にパワーモジュールとフィルムコンデンサとを交互に配置し、下面に向かって開口する凹部に冷却器を収容したパワー半導体装置を開示している。ケースとなる隔壁部材の上面は、封止樹脂を流し込むことによって封止した上で、上蓋によって覆われている。なお、冷却器の詳細は開示されていない。
特許文献2は、上面が開口した矩形状のケース内にコンデンサ素子を収容するとともにポッティング樹脂を充填し、このケースの一つの側壁の外側面に、冷却器と半導体モジュールとを積層した形で取り付けた電力変換装置を開示している。なお、冷却器の詳細は開示されていない。
特許文献3は、液冷式の電力変換装置を開示している。この電力変換装置は、冷却液が流れるケースに上面が開口したキャパシタ収容部が形成されており、ここに複数個のコンデンサ素子が並んで収容されている。ケースには、さらに、キャパシタ収容部の側方に3個のモジュール収容部が一列に並んで形成されており、これらモジュール収容部の中にパワーモジュールがそれぞれ収容されている。パワーモジュールは、側面にフィンを備えている。
特開2016−46497号公報 特開2015−12639号公報 特開2016−163498号公報
特許文献1の構成では、パワーモジュールやフィルムコンデンサの個々に対応して複数の冷却器が用いられているため、冷却器に冷却液を循環させる液冷式の構成にしようとすると、配管類を含めた冷却系統の構成が非常に複雑となる。また、ケースとなる隔壁部材の構成が複雑であり、工数やコストが嵩むものとなる。
特許文献2の構成では、半導体モジュールが一方の面のみで冷却されるため、冷却効果が低い。また、半導体モジュールおよびコンデンサ素子を複数具備する場合に、複数の冷却器が必要であり、特許文献1と同様に、液冷式とする場合には構成が複雑化する。さらに、ケースの外部にバスバーを導出して半導体モジュールとコンデンサ素子とを接続しているため、ESL(等価直列インダクタンス)が大きくなり、半導体モジュールのスイッチング時のサージ電圧が高くなり易い。これにより、半導体モジュールが過電圧破壊しやすくなる。
特許文献3の構成では、ケースにキャパシタ収容部とモジュール収容部とをそれぞれ形成する必要があり、ケースの複雑化および大型化が生じやすい。また、コンデンサ素子側の冷却を含め、冷却液がどのように流れるのか具体的な開示がない。さらに、特許文献2と同じく、ケースの外部にバスバーを導出してパワーモジュールとコンデンサ素子とを接続しているため、ESLが大きくなる。
この発明は、複数のパワーモジュールとコンデンサ素子とを1つのケースに収容した電力変換装置において、ケースの小型化および簡素化を図るとともに、冷却液の通流によって効率良く冷却することを目的としている。
この発明に係る電力変換装置は、
一つの側面が開口面をなす箱状の内側ケースと、
上記内側ケースの上記開口面以外の面の外側を囲み、該内側ケースとの間に冷却液流路となる隙間を構成するとともに、冷却液入口と冷却液出口とを備えた外側ケースと、
上記内側ケースの中に配置されたコンデンサ素子と、
上記コンデンサ素子を間に挟むように対向して配置され、かつ上記内側ケースの互いに対向する一対の内側面にそれぞれ接合された複数のパワーモジュールと、
上記内側ケース内で上記コンデンサ素子と上記パワーモジュールとを接続した導体と、
上記コンデンサ素子、上記パワーモジュールおよび上記導体が端子部分を残して埋まるように上記内側ケースの中に充填された熱伝導性ポッティング材と、
を備えて構成されている。
このような構成では、冷却液入口から流入した冷却液が内側ケースの開口面以外の全ての面を囲む冷却液流路を通して流れ、これにより、内側ケース内部に収容されたパワーモジュールおよびコンデンサ素子が熱伝導性ポッティング材を介して冷却される。相対的に発熱量の大きな発熱部品であるパワーモジュールは、内側ケースの内側面に接合されているので、効果的に放熱され、コンデンサ素子に対する熱的影響が少なくなる。パワーモジュールで生じた熱の一部は、パワーモジュールに接続された導体を介してコンデンサ素子に移動しようとするが、導体の大部分は熱伝導性ポッティング材の中に埋まっており、冷却液による冷却作用を受けるため、コンデンサ素子への熱伝達が抑制される。
また、上記構成では、内側ケースおよび外側ケースがいずれも単純な構造となる。そして、複数のパワーモジュールがコンデンサ素子を間に挟むようにして配置されるので、内側ケースおよび外側ケースが小型のものとなる。
さらに、内側ケースの内部において導体がパワーモジュールとコンデンサ素子とを接続するので、ESLを比較的小さくするような導体配置が可能である。
好ましい一つの態様では、上記導体が平帯状をなしており、上記内側ケースの底面に沿って当該内側ケースの長手方向に延びる部分では、平帯状をなす上記導体の主面が上記内側ケースの上記底面に対し平行に配置されている。
このような構成では、パワーモジュールの熱により高温となる導体と、熱伝導性ポッティング材を介して該導体に対向する内側ケースの底面と、の間の実質的な熱交換面積が大きく得られ、導体から内側ケース(ひいては冷却液)への放熱が促進される。
また、好ましい一つの態様では、上記冷却液流路に接する上記内側ケースの外側面の少なくとも一部に、冷却フィンが設けられている。この冷却フィンによって内側ケースと冷却液との間の熱交換面積が拡大する。
また、この発明の他の一つの態様では、互いに隣接した上記コンデンサ素子と上記パワーモジュールとの間に断熱材が配置されている。この断熱材によって、互いに隣接するコンデンサ素子とパワーモジュールとの間が断熱される。そのため、相対的に高温となるパワーモジュールの熱が隣接するコンデンサ素子に直接的に作用することが少なくなり、コンデンサ素子の熱的損傷が抑制される。
パワーモジュールの数およびコンデンサ素子の数は任意であり、例えば電気的に並列接続される複数のコンデンサ素子を内側ケース内に一列に並べて配置することが可能である。具体的な一つの態様では、互いに対向して対となったパワーモジュールが、上記内側ケースの長手方向に沿って複数対配置されている。つまり、1つの箱状の内側ケース内に任意の数のパワーモジュールおよびコンデンサ素子を収容することが可能である。
この発明の一つの態様では、
上記パワーモジュールは、いずれも2つのスイッチング素子が1つのパッケージ内に含まれた「2in1」形パワーモジュールであり、
上記内側ケースの互いに対向する一対の内側面のうちの一方に、上記内側ケースの長手方向に沿って3個の第1のパワーモジュールが並んで配置されており、
上記一対の内側面の他方に、上記第1のパワーモジュールとそれぞれ対向するように上記内側ケースの長手方向に沿って3個の第2のパワーモジュールが並んで配置されており、
上記第1のパワーモジュールによって第1のインバータ回路が構成され、上記第2のパワーモジュールによって第2のインバータ回路が構成されている。
すなわち、このような構成により、コンデンサ素子を共用しつつ個別に制御可能な2つのインバータ回路が1つのケース内にまとめられる。
この発明に係る電力変換装置によれば、ケース(内側ケースおよび外側ケース)の構造の複雑化がなく、小型に構成することができる。また、パワーモジュールおよびコンデンサ素子を効果的に冷却でき、コンデンサ素子の熱的損傷を抑制できる。さらに、ESLが大きくなることを回避することが可能である。
この発明に係る電力変換装置の第1実施例を示す斜視図。 ポッティング材充填前の内部構成を示す斜視図。 内側ケースとインバータユニットとを示す斜視図。 インバータユニットのみを示す斜視図。 インバータユニットを図4とは異なる方向から示す斜視図。 外側ケースの斜視図。 内側ケースの斜視図。 カバーの斜視図。 第1実施例の電力変換装置の横断面図。 第1実施例のバスバーのレイアウトを示す説明図。 第1実施例の電力変換装置の回路図。 断熱材を付加した第2実施例の電力変換装置の横断面図。 電力変換装置の第3実施例を示す斜視図。 ポッティング材充填前の内部構成を示す斜視図。 第2実施例のインバータユニットのみを示す斜視図。 第2実施例のインバータユニットを図14とは異なる方向から示す斜視図。 第2実施例の電力変換装置の横断面図。 第2実施例のバスバーのレイアウトを示す説明図。 第2実施例の電力変換装置の回路図。
以下、この発明に係る電力変換装置の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図11は、例えば電気自動車やハイブリッド型自動車のモータ駆動装置の構成部品として用いられる電力変換装置1の第1実施例を示す。この電力変換装置1は、直流電力を三相交流電力に変換する図11に示した回路構成のインバータ回路を構成している。第1実施例のインバータ回路は、直流電源側に設けられる平滑コンデンサCと、6個の半導体スイッチング素子(例えばIGBTやMOSFETなど)S1〜S6と、を含んでおり、負荷となるモータMを制御する。
図1は、第1実施例の電力変換装置1の外観を示している。この電力変換装置1は、直方体形状をなす外側ケース2と、図2,図9に示すように、外側ケース2の中に収容された同じく直方体形状をなす内側ケース3と、内側ケース3の中に配置されたインバータユニット4と、このインバータユニット4を埋め込むように内側ケース3の中に充填されて固化したポッティング材5(図1,図9参照)と、矩形の枠状をなすカバー6と、を備えている。
外側ケース2は、金属好ましくは熱伝導に優れた金属から形成されており、例えば、アルミニウム合金母材の切削加工あるいはアルミニウムダイキャストによって一体に形成されている。外側ケース2は、直方体を構成する6面の中の一つの側面が開口した箱状をなす。すなわち、外側ケース2は、図6に示すように、長手方向の両端の端面を構成する一対の端部壁11と、互いに対向した一対の側面を構成する一対の側壁12と、直方体の一つの側面に相当する一つの開口面14と、この開口面14に対向する一つの底壁13と、を備えている。
なお、図示例では、底壁13および開口面14の幅(外側ケース2の長手方向に直交する方向に沿った寸法)が側壁12の幅よりも大きな偏平な直方体をなしている。
一対の端部壁11の中心部には、一方が冷却液入口となり他方が冷却液出口となる冷却液配管コネクタ15がそれぞれ接続されている。これらの冷却液配管コネクタ15は、外側ケース2の長手方向に沿って延びた円管状をなしており、図示せぬポンプを含む冷却液循環系に接続されている。
内側ケース3は、外側ケース2と同様に金属好ましくは熱伝導に優れた金属から形成されており、例えば、アルミニウム合金母材の切削加工あるいはアルミニウムダイキャストによって一体に形成されている。内側ケース3は、外側ケース2とほぼ相似形でかつ外側ケース2よりも小さな直方体形状をなし、外側ケース2と同じく直方体を構成する6面の中の一つの側面が開口した箱状に形成されている。すなわち、内側ケース3は、図7に示すように、長手方向の両端の端面を構成する一対の端部壁21と、互いに対向した一対の側面を構成する一対の側壁22と、直方体の一つの側面に相当する一つの開口面24と、この開口面24に対向する一つの底壁23と、を備えている。一対の側壁22および底壁23の外側面には、内側ケース3の長手方向に沿って直線状に延びた冷却フィン25が多数形成されている。例えば、側壁22および底壁23の全面に、等ピッチで多数の冷却フィン25が並んで形成されている。
内側ケース3の開口面24は、外側ケース2の開口面14に対応した面にある。つまり、外側ケース2と内側ケース3とが組み合わされた状態では、外側ケース2の開口面14の中に内側ケース3の開口面24が位置する。そして、この開口面14,24を除く5面においては、内側ケース3と外側ケース2との間に、冷却液流路27となる隙間が構成されている。換言すれば、外側ケース2が内側ケース3の開口面24以外の5面の外側を囲っており、それぞれの面に冷却液流路27を構成している。図9に示すように、内側ケース3のフィン25は外側ケース2の内側面に近付くように突出しているが、冷却フィン25先端は外側ケース2の内側面に接しておらず、冷却液が冷却フィン25を横切って流れ得るように僅かな隙間が残存している。
矩形の枠状をなすカバー6は、外側ケース2の開口縁と内側ケース3の開口縁とに跨って設けられており、両者間に形成された冷却液流路27の開口面を閉塞している。図8に示すように、カバー6は、開口面14,24の平面に沿った板状をなしている。例えば、一つの例では、カバー6は、外側ケース2および内側ケース3と同様の材質の金属板からなり、外周縁が外側ケース2の開口縁に溶接(あるいはロー付け)され、かつ内周縁が内側ケース3の開口縁に溶接(あるいはロー付け)されている。これにより、冷却液流路27が密閉されていると同時に、内側ケース3と外側ケース2とが堅固に一体化されている。あるいは、カバー6を外側ケース2ならびに内側ケース3に対してネジ等で固定し、各々の接合面を、例えば、液体ガスケット等のシール材でもってシールするようにしてもよい。あるいはカバー6に相当する部分を内側ケース3と一体に形成し、外側ケース2の開口縁に溶接(あるいはロー付け)もしくはネジ止めするようにしてもよい。
内側ケース3内に収容されるインバータユニット4は、図4,図5に示すように、6個のパワーモジュール31(31A〜31F)と、3個のコンデンサ素子32(32A〜32C)と、これらのパワーモジュール31とコンデンサ素子32とを接続した導体である2つのバスバー33,34と、から構成されている。
パワーモジュール31は、IGBT等のスイッチング素子を偏平な矩形状の合成樹脂製パッケージ内に収容したものであり、第1実施例では、1つのパッケージ内に1つのスイッチング素子を有するいわゆる「1in1」型のパワーモジュールが用いられている。そして、コレクタ端子およびエミッタ端子の一方にバスバー33,34が接続されており、他方に外部端子片35(35A〜35F)が設けられている。パワーモジュール31のパッケージ部分においては、バスバー33,34と外部端子片35とが一直線上に並ぶようにして設けられている。換言すれば、パッケージの互いに反対側となる2つの端部からそれぞれバスバー33,34と外部端子片35とが反対方向へ延びている。
6個のパワーモジュール31は、内側ケース3の互いに対向する一対の側壁22の内側面22a,22bにそれぞれ接合されている。詳しくは、パワーモジュール31A,31B,31Cが一方の側壁22の内側面22a(図9参照)に内側ケース3の長手方向に並んで配置されており、パワーモジュール31D,31E,31Fが他方の側壁22の内側面22b(図9参照)に同じく内側ケース3の長手方向に並んで配置されている。そして、パワーモジュール31Aとパワーモジュール31Dとは互いに対向して位置し、同様に、パワーモジュール31Bとパワーモジュール31Eとは互いに対向して位置し、パワーモジュール31Cとパワーモジュール31Fとは互いに対向して位置している。各々のパワーモジュール31は、いずれも、外部端子片35が開口面24側へ向かい、パッケージから突出するバスバー33,34が底壁23へ向かうような姿勢で配置されている。外部端子片35は、最終的な組立状態において、図1に示すように、ポッティング材5の表面から外部へ突出している。
なお、パワーモジュール31が具備するゲート信号用の端子については、図示省略してあるが、外部端子片35と同様にポッティング材5の表面から外部へ露出するように構成されている。
パワーモジュール31は、例えば、適宜な接着剤を用いて内側ケース3の内側面22a,22bに接着することができ、あるいは、内側ケース3の側壁22を貫通するネジを用いて側壁22に固定してもよい。あるいは、個々のパワーモジュール31を側壁22に直接に取り付けるのではなく、インバータユニット4を内側ケース3内の所定位置に配置した状態でポッティング材5を充填しかつ固化させることでパワーモジュール31を固定することも可能である。
ここで、パワーモジュール31を内側面22a,22bに固定せずに仮止めしたままポッティング材5を注入したとするとパワーモジュール31と内側面22a,22bとの間にポッティング材5が流入して不可避的に薄い層が形成されてしまうことがあるが、本発明では、このように不可避的に生じるポッティング材5の薄い層が介在していても「接合」の概念に含まれるものとする。具体的には、このような不可避的に生じた層は1mm以下の厚さであることが望ましい。
一方の内側面22aに配置された3個のパワーモジュール31A,31B,31Cは、図11に示すインバータ回路の上アーム,下アームのいずれかを構成する。ここでは、便宜上、これらのパワーモジュール31A,31B,31Cが上アームを構成するものとする。従って、他方の内側面22bに配置された3個のパワーモジュール31D,31E,31Fは、下アームを構成する。図11から容易に理解できるように、上アームとなる3個のパワーモジュール31A,31B,31Cのエミッタ側となる外部端子片35A,35B,35Cと、下アームとなる3個のパワーモジュール31D,31E,31Fのコレクタ側となる外部端子片35D,35E,35Fと、は、電力変換装置1の外部において図示しない外部バスバーを介して適宜に接続された上で負荷となるモータMにそれぞれ接続される。最も単純な例では、互いに対向して位置するパワーモジュール31Aの外部端子片35Aとパワーモジュール31Dの外部端子片35Dとが一つの相例えばU相の出力端子となるように互いに接続される。同様に、外部端子片35Bと外部端子片35EとがV相の出力端子となるように互いに接続され、外部端子片35Cと外部端子片35FとがW相の出力端子となるように互いに接続される。
コンデンサ素子32は、図11のインバータ回路における平滑コンデンサCを構成するものであり、この実施例では、十分な容量を確保するために、3個のコンデンサ素子32A,32B,32Cを備えている。これらのコンデンサ素子32は、図9に示すように、内側ケース3の横断面形状に対応して長円形に偏平化した巻回型のフィルムコンデンサからなる。例えば、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを誘電体とし、金属箔ないし樹脂フィルムにコーティングにより形成される金属層を電極として、偏平なロール状に巻回した一般的な構成のフィルムコンデンサが用いられる。この巻回型のフィルムコンデンサは、軸方向の両端面の中心部にそれぞれ端子を備えている。そして、内側ケース3内において、3個のコンデンサ素子32A,32B,32Cが一列に並んで配置されている。換言すれば、各々のフィルムコンデンサにおけるフィルムの巻回の中心軸線が、内側ケース3の長手方向に沿っており、かつ一直線に整列している。なお、コンデンサ素子32としては、例えば巻回したフィルムの外周面に沿った金属等からなる円筒形ケースを具備する構成であってもよいが、図示例では、放熱性を高めるために、コンデンサ素子32は、ケースを具備していない。つまり、フィルムを巻回してなるフィルムコンデンサが、円筒形ケース内に収容されることなく内側ケース3の中に格納されている。
パワーモジュール31とコンデンサ素子32とを接続する2つのバスバー33,34は、内側ケース3の中でパワーモジュール31やコンデンサ素子32よりも底壁23寄りに位置する。バスバー33,34は、銅などの金属材料を用いて偏平断面形状の平帯状に形成したもので、2つのバスバー33,34は、基本的に類似した形状を有している。
2つのバスバー33,34は、直流電源に接続されるもので、一方がP極、他方がN極となる。例えば、図5に示すように、一方のバスバー33は、上アームとなる3個のパワーモジュール31A,31B,31Cに対応したP極バスバーであり、他方のバスバー34は、下アームとなる3個のパワーモジュール31D,31E,31Fに対応したN極バスバーである。
図10は、バスバー33,34の構成を示す斜視図である。なお、パワーモジュール31およびコンデンサ素子32に対する接続部は簡略化して図示している。
図10および図5に示すように、一方のバスバー33は、内側ケース3の長手方向に沿って直線状に延びる主部33aと、この主部33aから内側ケース3の長手方向とは直交する方向に沿ってそれぞれ分岐して延びた3つのパワーモジュール用ブランチ部33bと、偏平な主部33aの主面に直交するように主部33aからそれぞれ分岐して延びた3つのコンデンサ用ブランチ部33cと、主部33aから内側ケース3の開口面24へ向かって延びたP極端子部33dと、を備えている。
主部33aは、内側ケース3の底壁23の内側面つまり底面23aに近接して位置し、かつ底面23aと平行に内側ケース3の長手方向に沿って延びている。特に、偏平断面形状をなす主部33aの主面(幅の広い面)が底面23aに対して平行となるように配置されている。パワーモジュール用ブランチ部33bは、主部33aの両端部および中央部の3箇所において、主部33aの主面に沿って、つまり底面23aと平行をなすように主部33aから分岐して延びており、かつ側壁22の内側面22aに沿うように中間部で90°折れ曲がり、先端部がパワーモジュール31A,31B,31Cにそれぞれ接続されている(図9参照)。
コンデンサ用ブランチ部33cは、パワーモジュール用ブランチ部33bにそれぞれ隣接した3箇所において、主部33aの主面と直交するように開口面24へ向かう方向に延びており、それぞれの先端部が、コンデンサ素子32A,32B,32Cの一方の端面の中心部における端子に接続されている。P極端子部33dは、互いに隣接する2つのコンデンサ素子32A,32Bの間を通過し得る位置において主部33aから直交する方向に延びている。P極端子部33dは、コンデンサ用ブランチ部33cよりも長く形成されており、最終的な組立状態において、図1に示すように、先端部が外部端子片35と同様にポッティング材5の表面から外部へ突出している。
他方のバスバー34も基本的に同様の構成であり、内側ケース3の長手方向に沿って直線状に延びる主部34aと、この主部34aから内側ケース3の長手方向とは直交する方向に沿ってそれぞれ分岐して延びた3つのパワーモジュール用ブランチ部34bと、偏平な主部34aの主面に直交するように主部34aからそれぞれ分岐して延びた3つのコンデンサ用ブランチ部34cと、主部34aから内側ケース3の開口面24へ向かって延びたN極端子部34dと、を備えている。
主部34aは、内側ケース3の底壁23の内側面つまり底面23aに近接して位置し、かつ底面23aと平行に内側ケース3の長手方向に沿って延びている。特に、偏平断面形状をなす主部34aの主面(幅の広い面)が底面23aに対して平行となるように配置されている。パワーモジュール用ブランチ部34bは、主部34aの両端部および中央部の3箇所において、主部34aの主面に沿って、つまり底面23aと平行をなすように主部34aから分岐して延びており、かつ側壁22の内側面22bに沿うように中間部で90°折れ曲がり、先端部がパワーモジュール31D,31E,31Fにそれぞれ接続されている(図9参照)。
コンデンサ用ブランチ部34cは、パワーモジュール用ブランチ部34bにそれぞれ隣接した3箇所において、主部34aの主面と直交するように開口面24へ向かう方向に延びており、それぞれの先端部が、コンデンサ素子32A,32B,32Cの他方の端面の中心部における端子に接続されている。N極端子部34dは、互いに隣接する2つのコンデンサ素子32B,32Cの間を通過し得る位置において主部34aから直交する方向に延びている。N極端子部34dは、コンデンサ用ブランチ部34cよりも長く形成されており、最終的な組立状態において、図1に示すように、先端部が外部端子片35と同様にポッティング材5の表面から外部へ突出している。
図5,図10に示すように、一方のバスバー33の主部33aと他方のバスバー34の主部34aは、互いに平行となるように配置されており、一方のバスバー33のパワーモジュール用ブランチ部33bと他方のバスバー34のパワーモジュール用ブランチ部34bは、主部33a,34aを中心として互いに反対方向へ延びている。換言すれば、主部33a,34aは、図9に示すように底面23aのほぼ中央に位置し、ここから両側へパワーモジュール用ブランチ部33b,34bが延びている。
上記のように構成されるインバータユニット4は、パワーモジュール31の外部端子片35およびP極端子部33dならびにN極端子部34dの先端部が開口面24から突出した姿勢でもって内側ケース3の中に配置されている。そして、内側ケース3の中には、上記インバータユニット4が端子部分(つまり外部端子片35およびP極端子部33dならびにN極端子部34dの先端部)を残して埋まるように、熱伝導性ならびに絶縁性を有するポッティング材5が充填されている(図1,図9参照)。このポッティング材5は、内側ケース3の内容積のほぼ全体に充填されている。
ポッティング材5としては、例えば回路基板用ポッティング材として一般に市販されているエポキシ系ポッティング材等を用いることができる。このポッティング材5は、未硬化時に適宜な流動性を有する液状をなし、充填ないし注入後に加熱炉等で加熱することにより硬化する。ポッティング材5として、主剤と硬化剤とを混合して用いる二液混合型のものであってもよい。
なお、ケース2,3の組立とポッティング材5の充填の2つの工程の順序は任意である。つまり、外側ケース2と内側ケース3とを組み立てた後に内側ケース3の中にインバータユニット4を配置するとともにポッティング材5の充填を行ってもよく、あるいは、内側ケース3内にインバータユニット4を配置してポッティング材5の充填を行った後に、この内側ケース3と外側ケース2とを組み立てるようにしてもよい。外側ケース2と内側ケース3とをカバー6の溶接ないしロー付けを介して一体化するようにした実施例の場合には、外側ケース2と内側ケース3とを一体化した後に、インバータユニット4の挿入およびポッティング材5の充填が行われる。
電力変換装置1として最終的に完成した状態においては、図1に示すように、パワーモジュール31、コンデンサ素子32およびバスバー33,34が、最小限必要な端子部分を除いて全てポッティング材5の中に埋まっている。また、図4,図9等に示すように、上アームおよび下アームとなる一対のパワーモジュール31が略円筒形のコンデンサ素子32を間に挟むように互いに対向して配置されている。詳しくは、互いに対向して対となったパワーモジュール31が、内側ケース3の長手方向に沿って3対配置されている。そして、このようにインバータユニット4をポッティング材5とともに収容した内側ケース3は、外側ケース2との間に形成される冷却液流路27によって開口面24を除く5面が囲まれている。
上記のように構成された電力変換装置1にあっては、外側ケース2の冷却液配管コネクタ15の一方を冷却液入口とし他方を冷却液出口として図外のポンプにより冷却液が強制的に通流する。冷却液入口から流入した冷却液は外側ケース2の端部壁11と内側ケース3の端部壁21との間の冷却液流路27において放射状に拡がり、さらに、外側ケース2の側壁12ならびに底壁13と内側ケース3の側壁22ならびに底壁23との間の冷却液流路27をこれらケース2,3の長手方向に沿って流れる。そして、他方の外側ケース2の端部壁11と内側ケース3の端部壁21との間の冷却液流路27を介して冷却液出口へと流れ出る。つまり、冷却液は、外部端子片35等が位置する開口面14,24を除いた5面に沿って流れ、これら5面に囲まれたインバータユニット4をポッティング材5とともに効果的に冷却する。特に、熱伝導性に優れたポッティング材5がインバータユニット4の各部に密着しており、内側ケース3を介して冷却液に確実に熱が伝達されるので、効果的な熱の回収がなされる。さらに内側ケース3が冷却フィン25を備えることで内側ケース3と冷却液との間の熱交換面積が大きくなり、内側ケース3から冷却液への熱伝達が向上する。なお、ポッティング材5は、熱伝導に加えて、インバータユニット4と内側ケース3との間の絶縁にも寄与する。換言すれば、インバータユニット4と内側ケース3との間を絶縁しつつ熱伝導性が向上する。
さらに詳しく説明すると、コンデンサ素子32に比較して高い温度となる発熱部品であるパワーモジュール31が内側ケース3の側壁22に接合されており、パワーモジュール31の熱の多くが内側ケース3へ伝達して冷却液へと回収されるので、耐熱性が比較的低いフィルムコンデンサからなるコンデンサ素子32へ伝達される熱が少なくなる。またパワーモジュール31で生じた熱の一部は、バスバー33,34を介してコンデンサ素子32へ移動しようとするが、これらバスバー33,34はポッティング材5の中に埋まっており、該ポッティング材5を介して冷却液による冷却作用を受ける。特に、バスバー33,34の主部33a,34aが底壁23の比較的近くに位置し、かつその主面が底面23aと平行となっているので、バスバー33,34から底壁23へと効果的に放熱される。同様に、バスバー33,34の中で発熱部品に最も近いパワーモジュール用ブランチ部33b,34bが側壁22および底壁23に沿うようにL字形に延びているので、パワーモジュール用ブランチ部33bの温度が比較的低く維持され、バスバー33,34を介したコンデンサ素子32への熱の移動が抑制される。
また、上記実施例の構成では、一対のパワーモジュール31が中央のコンデンサ素子32を挟んで対向配置され、かつそれぞれ互いに対向する側壁22の内側面22a,22bに配置されているので、複数個(具体的には3個)のコンデンサ素子32と複数個(具体的には6個)のパワーモジュール31を含む電力変換装置1を小型に構成することができる。しかも、内側ケース3および外側ケース2のいずれも比較的に単純な形状で簡素な構造となる。従って、簡単な構造でかつ小型であるとともに、冷却性に優れた電力変換装置1が得られる。
さらに、上記構成では、パワーモジュール31とコンデンサ素子32とを接続するバスバー33,34がポッティング材5の中に位置し、かつP極およびN極のバスバーとなる2つのバスバー33,34が互いに隣接して並んで延びているので、スイッチング時のサージ電圧を左右するESLが比較的小さくなる。
次に、図12は、第2実施例の電力変換装置1の横断面図を示している。この第2実施例は、基本的な構成は上述した第1実施例と変わりがないが、互いに隣接して位置するパワーモジュール31とコンデンサ素子32との間に、それぞれ断熱材41が配置されている。断熱材41は、例えば、パワーモジュール31のパッケージの大きさに対応したシート状に形成したものを、パッケージの表面に予め接着してある。シート状に形成した断熱材41をコンデンサ素子32側に接着するようにしてもよい。断熱材41としては、少なくともポッティング材5よりも熱伝導率が低いものであれば種々の材質のものを用いることができるが、例えば、各種エアロゲル(シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲルなど)や、エアロゲルと他の材料との混合材料などを用いることができる。
このように断熱材41を設けた第2実施例においては、コンデンサ素子32に比較してパワーモジュール31が高温となっている状況において、パワーモジュール31から隣接するコンデンサ素子32へと直接的に熱が伝わることが抑制される。そのため、耐熱性が比較的に低いコンデンサ素子32の熱的損傷が抑制される。
次に、図13〜図19に基づいて、第3実施例の電力変換装置101を説明する。
この第3実施例の電力変換装置101は、図19の回路図に示すように、第1の負荷M1を制御する第1のインバータ回路201と、第2の負荷M2を制御する第2のインバータ回路202と、を構成するものであり、第1のインバータ回路201は6個の半導体スイッチング素子S1〜S6を含み、第2のインバータ回路202は6個の半導体スイッチング素子S11〜S16を含む。直流電源側に設けられる平滑コンデンサCは、2つのインバータ回路201,202に共通となっている。なお、負荷M1,M2は、それぞれ個別のモータないしジェネレータであってもよく、あるいは、1つのモータにおける2つの巻線、などであってもよい。つまり、この第3実施例では、実質的に独立した2つのインバータ回路201,202が1つのケース内に納められている。
第3実施例の電力変換装置101の基本的な構成は第1実施例の電力変換装置1と類似しており、直方体形状をなす外側ケース2と、外側ケース2の中に収容された同じく直方体形状をなす内側ケース3と、内側ケース3の中に配置されたインバータユニット104と、このインバータユニット104を埋め込むように内側ケース3の中に充填されて固化したポッティング材5と、矩形の枠状をなすカバー6と、を備えている。第3実施例は、主にインバータユニット104の構成が第1実施例のインバータユニット4と異なっているので、以下では、第1実施例とは異なるインバータユニット104を主に説明し、特に変わりがない他の箇所の説明は省略する。
第3実施例のインバータユニット104は、図15,図16に示すように、6個のパワーモジュール131(131A〜131F)と、3個のコンデンサ素子32(32A〜32C)と、これらのパワーモジュール131とコンデンサ素子32とを接続した導体である2つのバスバー133,134と、から構成されている。コンデンサ素子32については、第1実施例のものと特に変わりはない。
第3実施例におけるパワーモジュール131は、やはりIGBT等のスイッチング素子を偏平な矩形状の合成樹脂製パッケージ内に収容したものであるが、第3実施例では、1つのパッケージ内に2つのスイッチング素子を有するいわゆる「2in1」型のパワーモジュールが用いられている。つまり、上アームとなる半導体スイッチング素子と下アームとなる半導体スイッチング素子が1つのパッケージ内に含まれている。そして、パッケージの一方の端部に上アームのコレクタ端子および下アームのエミッタ端子が並んで設けられているとともに、パッケージの他方の端部に上下アームの中間接続点が設けられている。後述するように、上アームのコレクタ端子にはP極側のバスバー133が接続され、下アームのエミッタ端子にはN極側のバスバー134が接続されている。上下アームの中間接続点には、第1実施例の外部端子片35と同様の形状をなす外部端子片135(135A〜135F)が設けられている。パワーモジュール131のパッケージ部分においては、パッケージの互いに反対側となる2つの端部からそれぞれバスバー133,134と外部端子片135とが反対方向へ延びている。
ケース2,3に対するパワーモジュール131やコンデンサ素子32の配置は、第1実施例と特に変わりがない。すなわち、6個のパワーモジュール131は、内側ケース3の互いに対向する一対の側壁22の内側面22a,22bにそれぞれ接合されている。詳しくは、3個のパワーモジュール131A,131B,131Cが一方の側壁22の内側面22aに内側ケース3の長手方向に並んで配置されており、残りの3個のパワーモジュール131D,131E,131Fが他方の側壁22の内側面22bに同じく内側ケース3の長手方向に並んで配置されている。そして、パワーモジュール131Aとパワーモジュール131Dとは互いに対向して位置し、同様に、パワーモジュール131Bとパワーモジュール131Eとは互いに対向して位置し、パワーモジュール131Cとパワーモジュール131Fとは互いに対向して位置している。各々のパワーモジュール131は、いずれも、外部端子片135が開口面24側へ向かい、パッケージから突出するバスバー133,134が底壁23へ向かうような姿勢で配置されている。外部端子片135は、最終的な組立状態において、図13に示すように、ポッティング材5の表面から外部へ突出している。
一方の内側面22aに配置された3個のパワーモジュール131A,131B,131Cは、図19に示す第1のインバータ回路201を構成する。従って、これらのパワーモジュール131A,131B,131Cの外部端子片135A,135B,135Cが、それぞれ第1の負荷M1のU相,V相,W相の出力端子となる。他方の内側面22bに配置された3個のパワーモジュール131D,131E,131Fは、図19に示す第2のインバータ回路202を構成する。従って、これらのパワーモジュール131D,131E,131Fの外部端子片135D,135E,135Fが、それぞれ第2の負荷M2のU相,V相,W相の出力端子となる。
図15,図16に示すように、パワーモジュール131とコンデンサ素子32とを接続する2つのバスバー133,134は、第1実施例のバスバー33,34よりもやや複雑な形状を有しており、2つのバスバー133,134が立体的に交差して組み合わされている。これらのバスバー133,134は、内側ケース3の中でパワーモジュール131やコンデンサ素子32よりも底壁23寄りに位置し、N極側バスバーであるバスバー134がP極側バスバーであるバスバー133よりも底壁23に近い位置を通過している。なお、2つのバスバー133,134は、基本的に類似した形状を有している。
図18は、バスバー133,134の構成を示す斜視図である。なお、パワーモジュール131およびコンデンサ素子32に対する接続部は簡略化して図示している。
P極側のバスバー133は、内側ケース3の長手方向に沿って直線状に延びる主部133aと、この主部133aから内側ケース3の長手方向とは直交する方向に沿ってそれぞれ分岐して延びた6つのパワーモジュール用ブランチ部133bと、偏平な主部133aの主面に直交するように主部133aからそれぞれ分岐して延びた3つのコンデンサ用ブランチ部133cと、主部133aから内側ケース3の開口面24へ向かって延びたP極端子部133dと、を備えている。
主部133aは、内側ケース3の底壁23の内側面つまり底面23aに近接して位置し、かつ底面23aと平行に内側ケース3の長手方向に沿って延びている。特に、偏平断面形状をなす主部133aの主面(幅の広い面)が底面23aに対して平行となるように配置されている。パワーモジュール用ブランチ部133bは、主部133aの両端部および中央部の計6箇所において、主部133aの主面に沿って、つまり底面23aと平行をなすように主部133aから分岐して延びており、かつ側壁22の内側面22a,22bに沿うように中間部で90°折れ曲がり、先端部がパワーモジュール131A,131B,131C,131D,131E,131Fにそれぞれ接続されている。つまりパワーモジュール用ブランチ部133bは、3個ずつ並んだパワーモジュール131の配置に対応して、3本ずつ互いに反対側へ延びている。
コンデンサ用ブランチ部133cは、パワーモジュール用ブランチ部133bにそれぞれ隣接した3箇所において、主部133aの主面と直交するように開口面24へ向かう方向に延びており、それぞれの先端部が、コンデンサ素子32A,32B,32Cの一方の端面の中心部における端子に接続されている。P極端子部133dは、互いに隣接する2つのコンデンサ素子32A,32Bの間を通過し得る位置において主部133aから直交する方向に延びている。P極端子部133dは、コンデンサ用ブランチ部133cよりも長く形成されており、最終的な組立状態において、図13に示すように、先端部が外部端子片135と同様にポッティング材5の表面から外部へ突出している。
他方のバスバー134も基本的に同様の構成であり、内側ケース3の長手方向に沿って直線状に延びる主部134aと、この主部134aから内側ケース3の長手方向とは直交する方向に沿ってそれぞれ分岐して延びた6つのパワーモジュール用ブランチ部134bと、偏平な主部134aの主面に直交するように主部134aからそれぞれ分岐して延びた3つのコンデンサ用ブランチ部134cと、主部134aから内側ケース3の開口面24へ向かって延びたN極端子部134dと、を備えている。
主部134aは、内側ケース3の底壁23の内側面つまり底面23aに近接して位置し、かつ底面23aと平行に内側ケース3の長手方向に沿って延びている。特に、偏平断面形状をなす主部134aの主面(幅の広い面)が底面23aに対して平行となるように配置されている。パワーモジュール用ブランチ部134bは、主部134aの両端部および中央部の計6箇所において、主部134aの主面に沿って、つまり底面23aと平行をなすように主部134aから分岐して延びており、かつ側壁22の内側面22a,22bに沿うように中間部で90°折れ曲がり、先端部がパワーモジュール131A,131B,131C,131D,131E,131Fにそれぞれ接続されている。つまりパワーモジュール用ブランチ部134bは、3個ずつ並んだパワーモジュール131の配置に対応して、3本ずつ互いに反対側へ延びている。
コンデンサ用ブランチ部134cは、パワーモジュール用ブランチ部134bにそれぞれ隣接した3箇所において、主部134aの主面と直交するように開口面24へ向かう方向に延びており、それぞれの先端部が、コンデンサ素子32A,32B,32Cの他方の端面の中心部における端子に接続されている。N極端子部134dは、互いに隣接する2つのコンデンサ素子32B,32Cの間を通過し得る位置において主部134aから直交する方向に延びている。N極端子部134dは、コンデンサ用ブランチ部134cよりも長く形成されており、最終的な組立状態において、図13に示すように、先端部が外部端子片135と同様にポッティング材5の表面から外部へ突出している。
一方のバスバー133の主部133aと他方のバスバー134の主部134aは、互いに平行となるように配置されており、底面23aのほぼ中央に位置している。一方のバスバー133の3本のパワーモジュール用ブランチ部133bは他方のバスバー134の主部134aと立体的に交差し、同様に、バスバー134の3本のパワーモジュール用ブランチ部134bは、バスバー133の主部133aと立体的に交差している。
上記のように構成されるインバータユニット104は、パワーモジュール131の外部端子片135およびP極端子部133dならびにN極端子部134dの先端部が開口面24から突出した姿勢でもって内側ケース3の中に配置されている。そして、内側ケース3の中には、上記インバータユニット104が端子部分(つまり外部端子片135およびP極端子部133dならびにN極端子部134dの先端部)を残して埋まるように、熱伝導性ならびに絶縁性を有するポッティング材5が充填されている。
電力変換装置1として最終的に完成した状態においては、図13に示すように、パワーモジュール131、コンデンサ素子32およびバスバー133,134が、最小限必要な端子部分を除いて全てポッティング材5の中に埋まっている。また、第1実施例と同様に、一対のパワーモジュール131が略円筒形のコンデンサ素子32を間に挟むように互いに対向して配置されている。詳しくは、互いに対向して対となったパワーモジュール131が、内側ケース3の長手方向に沿って3対配置されている。そして、このようにインバータユニット104をポッティング材5とともに収容した内側ケース3は、外側ケース2との間に形成される冷却液流路27によって開口面24を除く5面が囲まれている。
このような第3実施例によれば、前述した第1実施例と同様の利点が得られることに加えて、2つのインバータ回路201,202を非常に小型に構成することができる利点が得られる。
なお、この第3実施例の構成において、第2実施例と同様に断熱材41を付加することも可能である。
1,101…電力変換装置
2…外側ケース
3…内側ケース
4,104…インバータユニット
5…ポッティング材
25…冷却フィン
27…冷却液流路
31,131…パワーモジュール
32…コンデンサ素子
33,34,133,134…バスバー
35,135…外部端子片
41…断熱材

Claims (6)

  1. 一つの側面が開口面をなす箱状の内側ケースと、
    上記内側ケースの上記開口面以外の面の外側を囲み、該内側ケースとの間に冷却液流路となる隙間を構成するとともに、冷却液入口と冷却液出口とを備えた外側ケースと、
    上記内側ケースの中に配置されたコンデンサ素子と、
    上記コンデンサ素子を間に挟むように対向して配置され、かつ上記内側ケースの互いに対向する一対の内側面にそれぞれ接合された複数のパワーモジュールと、
    上記内側ケース内で上記コンデンサ素子と上記パワーモジュールとを接続した導体と、
    上記コンデンサ素子、上記パワーモジュールおよび上記導体が端子部分を残して埋まるように上記内側ケースの中に充填された熱伝導性ポッティング材と、
    を備えてなる電力変換装置。
  2. 上記導体が平帯状をなしており、上記内側ケースの底面に沿って当該内側ケースの長手方向に延びる部分では、平帯状をなす上記導体の主面が上記内側ケースの上記底面に対し平行に配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記冷却液流路に接する上記内側ケースの外側面の少なくとも一部に、冷却フィンが設けられている、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 互いに隣接した上記コンデンサ素子と上記パワーモジュールとの間に断熱材が配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電力変換装置。
  5. 互いに対向して対となったパワーモジュールが、上記内側ケースの長手方向に沿って複数対配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電力変換装置。
  6. 上記パワーモジュールは、いずれも2つのスイッチング素子が1つのパッケージ内に含まれた「2in1」形パワーモジュールであり、
    上記内側ケースの互いに対向する一対の内側面のうちの一方に、上記内側ケースの長手方向に沿って3個の第1のパワーモジュールが並んで配置されており、
    上記一対の内側面の他方に、上記第1のパワーモジュールとそれぞれ対向するように上記内側ケースの長手方向に沿って3個の第2のパワーモジュールが並んで配置されており、
    上記第1のパワーモジュールによって第1のインバータ回路が構成され、上記第2のパワーモジュールによって第2のインバータ回路が構成されている、
    請求項1〜5のいずれかに記載の電力変換装置。
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