JP2020121954A - 多層型化粧料 - Google Patents

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亜紀子 樋川
浩美 神谷
Hiromi Kamiya
浩美 神谷
柚衣子 川合
Yuiko Kawai
柚衣子 川合
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Abstract

【課題】本発明の目的は、四層以上の多層型化粧料を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明の(A)常温で液状の高級脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分、(B)動粘度が5mm2/s以上のシリコーン油、(C)水、及び(D)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、を含む多層型化粧料によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、多層型化粧料に関する。本発明によれば、安定な界面構造を有する多層型化粧料を得ることができる。
多層型化粧料は、静置時に二層以上の複数層に分離している化粧料を、使用時に振とうすることによって混合し、用いるものである。静置時の複数層への分離という外観上の特徴から、外観上の美しさを有する化粧料として広く使用されている。一方で、静置時に層分離しているため、その各層に含まれる化粧料成分(例えば、有効成分)を安定に保存できるという特徴を有する。
例えば、三層型化粧料としては、ジメチルポリシロキサン10〜50重量%、液状オイル20〜50重量%、アルコール水溶液20〜50重量%含有することを特徴とする三層型化粧料組成物(特許文献1)が提案されている。また、特許文献2には、液状油性成分からなる上層、特定の非イオン界面活性剤からなる中間層、及びハイドロトロープ剤液(例えば、多価アルコール)からなる下層からなる液状三層状組成物が開示されている。更に、特許文献3には、油分と、水と、多価アルコールと、ノニオン系活性剤と、水溶性塩とが配合された三層型化粧料が開示されている。
特公平1−45444号公報 特開平7−165531号公報 特開平11−71230号公報
しかしながら、四層以上の多層型化粧料は、報告されていなかった。従って、本発明の目的は、四層以上の多層型化粧料を提供することである。
本発明者は、多層型化粧料について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、(A)常温で液状の脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分、(B)特定のシリコーン油、(C)水、及び(D)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを用いることにより、四層以上の多層型化粧料を得ることができることを見出した。更に、無機塩、有機塩、アミノ酸、ベタイン、又はナイアシンアミドを添加することにより、安定した界面を有する多層型化粧料を得ることができることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](A)常温で液状の高級脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分、(B)動粘度が5mm/s以上のシリコーン油、(C)水、及び(D)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、を含む多層型化粧料、
[2](E)電解質又は有機酸を更に含む、[1]に記載の多層型化粧料、
[3](F)ベタイン、又はナイアシンアミドを更に含む、[1]又は[2]に記載の多層型化粧料、
に関する。
本発明の多層型化粧料によれば、安定した界面を有する四層以上の多層型化粧料を提供することができる。また、本発明の多層型化粧料によれば、水及び油分の配合量を広い範囲で調整することが可能であるため、層構造の比率を自由に制御することができる。更に水の量の調節及び油分の選択により、幅広い使用感の化粧料を製造することが可能である。更に、本発明の多層型化粧料は、一般に用いられる化粧料成分を用いることができる。従って、化粧料の種類に応じて、最適な油分、保湿剤、及び界面活性剤を選択することができる。すなわち、本発明の多層型化粧料は、様々な化粧料(例えば、メーク落とし、化粧水、美容液、マーサージオイル、ヘアオイル、入浴剤、又はドライシャンプー)に適用することができるものである。
本発明の多層型化粧料は、(A)常温で液状の脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分(以下、成分Aと称することがある)、(B)動粘度が5mm/s以上のシリコーン油(以下、成分Bと称することがある)、(C)水(以下、成分Cと称することがある)、及び(D)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(以下、成分Dと称することがある)、を含む。更に、本発明の多層型化粧料は、好ましくは(E)電解質及び有機酸(以下、成分Eと称することがある)を含む。更に、本発明の多層型化粧料は、より好ましくは、ベタイン、ナイアシンアミド、又はそれらの2種以上の組み合わせ(以下、成分Fと称することがある)を含む。
《成分A》
成分Aは、基本的には油分であり、具体的には常温で液状の高級脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分である。
(常温で液状の高級脂肪酸)
本発明の多層型化粧料に用いる高級脂肪酸は、常温で液体である限りにおいて、特に限定されるものではない。脂肪酸は、長鎖炭化水素の1価のカルボン酸である。高級脂肪酸の炭素原子数は特に限定されないが、好ましくは炭素数12以上であり、より好ましくは炭素数14以上である。本明細書においては、炭素数12以上の脂肪酸を高級脂肪酸と称する。
常温で液状の脂肪酸としては、分枝状の脂肪酸が好ましく、具体的にはイソステアリン酸、イソパルミチン酸、2−メチルウンデカン酸、2−メチルドコサン酸、3−メチルドコサン酸、2,2−ジメチルドデカン酸、3−メチルテトラデカン酸、4−メチルテトタデカン酸、5−メチルテトラデカン酸、6−メチルテトラデカン酸、7−メチルテトラデカン酸、8−メチルテトラデカン酸、9−メチルテトラデカン酸、10−メチルテトラデカン酸、11−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、2−プロピルトリデカン酸、2−ブチルドデカン酸、2−ペンチルウンデカン酸、2−ヘプチルノナン酸、2−エチルヘキサデカン酸、2−プロピルペンタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸、10−メチルオクタデカン酸、又は11−メチルオクタデカン酸(分岐状の飽和脂肪酸)を挙げることができる。また、常温で液状の脂肪酸としては、不飽和脂肪酸が好ましく、1つの二重結合を有する脂肪酸として、パルミトレイン酸、又はオレイン酸を挙げることができ、2つの二重結合を有する脂肪酸として、リノール酸、又は8,11−エイコサジエン酸を挙げることができ、3つの二重結合を有する脂肪酸として、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、エレオステアリン酸、又はミード酸を挙げることができ、4つの二重結合を有する脂肪酸として、アラキドン酸を挙げることができ、5つの二重結合を有する脂肪酸として、エイコサペンタエン酸を挙げることができ、6つの二重結合を有する脂肪酸として、ドコサヘキサエン酸を挙げることができる。
日本薬局方の通則では、医薬品に関する常温は15〜25℃であるが、本明細書において、常温とは25℃とする。
(シリコーン油に非溶解性の油分)
本発明の多層型化粧料に用いる油分は、シリコーン油に非溶解性の油分である限りにおいて、特に限定されるものではなく、エステル油、エーテル油、脂肪族アルコール、動植物油、又は精油を挙げることができる。具体的には、ホホバ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、又は小麦胚芽油などの植物油を挙げることができる。また、トリイソステアリン酸グリセリル、又はテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2などのエステル油を挙げることができる。
植物油としては、例えば、アボガド油、トウモロコシ油、パーシック油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、シナモン油、アーモンド油、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、ミッドオレイックひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、及び藻類油、並びにそれらの分別油、硬化油、及びエステル交換油を挙げることができる。
エステル油としては、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6、又は乳酸オクチルドデシルを挙げることができる。
油分を溶解するシリコーン油は、特に限定されるものではないが、成分(B)のシリコーン油を挙げることができ、具体的には動粘度が5mm/s以上のシリコーン油であるが、例えば動粘度が6.0mm/sのシリコーン油を用いることができる。
また、本明細書において「シリコーン油に非溶解性の油分」とは、実質的にシリコーン油に溶解しない油分を意味する。具体的には、油分のシリコーン油への溶解量が、20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下であり、更に好ましくは5重量%以下である。
シリコーン油に溶解性であるか、又は非溶解性であるかは、具体的には以下のように特定することができる。例えば100gのシリコーン油に、試験される油分を撹拌しながら、少量ずつ添加する。全く溶解しない油分は、すぐに混濁し、放置すると2層に分離する。一定量溶解する油分は、少量添加した時点では、シリコーン油に溶解し、透明となるが、溶解しない量に達すると混濁する。混濁した時点の油分の添加量と、シリコーン油100gから、試験された油分の溶解量を計算することができる。なお、「溶解量が20重量%である」とは、シリコーン油100gに対して、油分が20g溶解したことを意味する。
多層型化粧料における成分(A)の含有量は、多層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば1.5〜60重量%含むことができ、好ましくは2〜50重量%であり、より好ましくは2.5〜45重量%であり、最も好ましくは5〜40重量%である。成分(A)は、多層のうちの1つの層を形成する主要な成分であり、他の層との比率を勘案して、前記の任意の範囲で適宜使用することができる。本発明の多層型化粧料は、成分(A)の量を調製することにより、様々な化粧料として用いることができる。
《成分B》
本発明に用いる成分(B)は、動粘度が5mm/s以上のシリコーン油である。動粘度が5mm/s以上である限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは6mm/s以上である。動粘度の上限は、特に限定されないが、好ましくは、1000mm/s以下であり、より好ましくは500mm/s以下である。
本発明に用いる成分(B)の平均分子量は、特に限定されるものではないが、下限は好ましくは500以上であり、より好ましくは600以上であり、更に好ましくは700以上である。平均分子量の上限は、限定されるものではないが、50000以下であり、より好ましくは20000以下である。
具体的なシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサンを挙げることができる。本発明の成分(B)として使用するシリコーン油は、本発明の効果が得られる限りにおいて、他のシリコーン油と混合して用いることができる。
多層型化粧料における成分(B)の含有量は、多層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば1.5〜85重量%含むことができ、好ましくは2〜80重量%であり、より好ましくは4〜70重量%であり、更に好ましくは6〜60重量%であり、最も好ましくは8〜40重量%である。油分は、多層のうちの最上部の層を形成する主要な成分であり、他の層との比率を勘案して、前記の任意の範囲で適宜使用することができる。本発明の多層型化粧料は、成分(B)の量を調製することにより、様々な化粧料として用いることができる。
《成分C》
本発明の多層型化粧料は、水(例えば、イオン交換水)を含む。多層型化粧料における水の含有量は、多層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば5〜85重量%含むことができ、好ましくは10〜80重量%であり、より好ましくは15〜75重量%であり、更に好ましくは20〜70重量%であり、最も好ましくは30〜60重量%である。水は、多層のうちの1つの層を形成する主要な成分であり、他の層との比率を勘案して、前記の任意の範囲で適宜使用することができる。
本発明の多層型化粧料は、特にシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含むことによって、水の量を広範囲で調節することができる。更に、本発明の多層型化粧料は、電解質を含ませることによって、多量の水を含有することができ、使用時の感触を向上させることができる。
《成分D》
《シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(成分D)》
本発明に用いるシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、下記式(1)
Figure 2020121954
で表される化合物である。シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールはエトキシジグリコールとシクロヘキサンジカルボン酸のジエステルであり、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールとも称される。シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを含むことによって、特に安定した界面を有する多層型化粧料を得ることができる。
多層型化粧料における成分(D)の含有量は、多層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば1.5〜50重量%含むことができ、好ましくは2〜45重量%であり、最も好ましくは2.5〜40重量%である。シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、多層のうちの1つの層を形成する主要な成分であり、他の層との比率を勘案して、前記の任意の範囲で適宜使用することができる。
《成分E》
本発明の多層型化粧料は、電解質又は有機酸を含むことができる。電解質としては、無機塩、有機塩、アミノ酸、又はそれらの誘導体をあげることができるが、電解質を含むことによって多層型化粧料の界面を安定化することができる。また、電解質を含むことによって、本発明の多層型化粧料に多量の水を含有させることができ、水の量を調節することにより、使用時の感触を改良することが可能である。
電解質としては、具体的には、クエン酸ナトリウム、ジヒドロキシプロピルアルギニンHCl、乳酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA−2Na)、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、又はピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの有機塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、又はリン酸水素三ナトリウムなどの無機塩、又はセリン、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、バリン、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、グルタミン酸、プロリン、又はトラネキサム酸などのアミノ酸を挙げることができる。アミノ酸は、グルタミン酸ナトリウム、又はアスパラギン酸ナトリウムなどのアミノ酸塩の形態で含まれてもよい。
有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、又は乳酸を挙げることができる。
電解質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜12.5重量%であり、より好ましくは0.15〜11重量%であり、更に好ましくは0.2〜10重量%であり、最も好ましくは1〜8%である。
《成分F》
本発明の多層型化粧料は、更にベタイン、又はナイアシンアミドを含むことができる。
(ベタイン)
ベタインはトリメチルグリシンを意味するが、トリメチルグリシンに構造の似ているアミノ酸のアミノ基の水素原子が3個のメチル基に置換した化合物を含む。
(ナイアシンアミド)
ナイアシンアミドはニコチン酸アミドとも呼ばれ、ビタミンBのアミドである。
成分Fの含有量は、多層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば0.1〜12.5重量%であり、より好ましくは0.15〜11重量%であり、最も好ましくは0.2〜10重量%である。
《その他の成分》
本発明の多層型化粧料は、多層構造を有する限りにおいて、一般的に化粧料に用いるその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、糖(例えば、エリトロース、エリトルロース、トレオース、デオキシリボース、リキソース、アラビノース、リボース、リブロース、キシルロース、グルコース、タロース、プシコース、ガラクトース、マンノース、タガトース、フコース、フクロース、ラムノース、セドヘブツロース、スクロース、マルトース、ツラノース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アカルボース、スタキオース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、デキストリン)、糖誘導体(例えば、グルコシルトレハロース、アスコルビン酸グルコシド、POEメチルグルコシド、POPメチルグルコシド、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、糖アルコール(例えば、エリトリトール、ペンタエリトリトール、イノシトール、アラビニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ダルシトール)、糖アルコール誘導体(例えばソルビトールリン酸エステル、キシリトールリン酸エステル、POEマルチト−ル)、保湿剤(例えば、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解コムギたん白液、濃グリセリン、1,3ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、セラミド類、加水分解ケラチン)、着色剤(例えば、顔料、又は色素)、粘度調整剤(例えば、メチルセルロース、カルボマー)、植物エキス類、防腐剤(例えば、フェノキシエタノール、パラベン)、ポリフェノール誘導体(例えば、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン)、薬剤(例えば、レチノール、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、ビタミンEアセテート)、香料、紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン)、抗酸化剤(例えば、トコフェロール、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン)、キレート剤、pH調整剤、アニオン性界面活性剤、又は非イオン性界面活性剤を含むことができる。
本発明の多層型化粧料は、具体的にはクレンジング(メーク落とし)、シャンプー、化粧水、美容液、マーサージオイル、ヘアオイル、入浴剤、又はドライシャンプーとして用いることができる。
《作用》
本発明の多層型化粧料において、多層が形成される理由は、完全に解明されているわけではないが、以下のように推論することができる。しかしながら、本発明は以下の説明によって限定されるものではない。
本発明の多層型化粧料において、多層が形成される機構において、特に重要な点は、シリコーン油とシリコーン油に非溶解性の油脂との組み合わせ、又はシリコーン油と常温で液状の脂肪酸との組み合わせであると考えられる。シリコーン油とシリコーン油に非溶解性の油脂とを組み合わせることにより、これらの2つの成分を主とする2つの層を形成することができる。また、シリコーン油と常温で液状の脂肪酸とは、この2つの成分を混合した場合は、お互いに溶解するが、更に成分(D)を添加することにより、これらの2つの成分を主とする2つの層を形成できると推定される。
また、成分(B)のシリコーン油は、動粘度が一定以上であることによって、成分(A)の油脂と分離して、2層を形成できると考えられる。シリコーン油の動粘度が一定の動粘度未満であると、成分(A)の油脂がシリコーン油に溶解してしまうことがあると推定される。
更に、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、成分(C)に完全に溶解する以上の濃度の時、成分(A)に一部溶解して第3層を形成するするとともに、自ら成分(C)から析出して第4層を形成すると考えられ、前記の4つの成分を含むことにより、本発明の多層型化粧料は、明瞭に分離する四層以上の多層を形成できると推定される。
また、特にイソステアリン酸などの高級脂肪酸を含む場合、四層の中間の二層が、更に三層又は四層に分離して、合計五層又は六層の多層型化粧料を得ることもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1〜5》
本実施例では、成分(A)として、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、トリイソステアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2、又はイソステアリン酸を用い、成分(B)の、ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを表1に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表1に示す。
《実施例6〜9》
本実施例では、成分(A)として、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、トリイソステアリン酸グリセリル、又はテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2を用い、成分(B)のジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、及び成分(E)のグリセリン酸ナトリウムを表1に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表1に示す。
《シリコーン油に対する溶解性試験》
シリコーン油に対する成分(A)の溶解性試験は以下のように行った。ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)(100g)に成分(A)候補の油脂を少量ずつ添加し、撹拌した。全く溶解しない油脂は少量の添加で濁り、放置すると2層に分離した。一部溶解する油脂は、少量を添加して撹拌した場合、透明となるが、一定の量を超えて溶解できなくなると混濁する。混濁した時点での添加量から、ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)100gに対する溶解率を計算した。ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)への溶解率が20重量%以下の油脂を「溶解しない(×)」と判定し、ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)への溶解率が20重量%を超える油脂を「溶解する(○)」と判定した。
Figure 2020121954
「各層の透明性及び容器壁のきれいさ」を◎、○、△、及び×の4段階で評価した。
◎:層が透明で、且つ、容器壁に液滴の付着がない
○:層が若干濁っているか、または、容器壁に若干液滴の付着がある
△:層がかなり濁っているか、または、用器壁にかなり液滴の付着がある
×:層が著しく濁っているか、または、用器壁に著しい液滴の付着がある
表1に示すように、成分Aとして、シリコーン油に溶解しないホホバ油、マカデミアンナッツ油、トリイソステアリン酸グリセリル、又はテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2に対して、シリコーン油、水、及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを混合した実施例1〜4の化粧料は四層を形成した。また、実施例5の脂肪酸であるイソステアリン酸はシリコーン油に溶解性であるが、シリコーン油、水、及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールと混合することによって、四層を形成した。更に、成分Eのグルタミン酸を添加することにより、四層の透明性等が改善した(実施例6〜9)。
《比較例1〜9》
本比較例では、成分(A)に代えて、トリエチルヘキサノイン(トリファットS−308)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(KF−56A)、エチルヘキサン酸セチル(CIO)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(エステモールN−01)、ミリスチン酸イソセチル(ICM−R)、ネオペンタン酸イソステアリル(ネオライト180P)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(サラコス5408)、イソノナン酸イソノニル(サラコス99)、又はセバシン酸ジエチルヘキシル(ファインネオEHS)を用い、成分(B)のジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、及び成分(E)のグリセリン酸ナトリウムを表2に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表2に示す。
Figure 2020121954
表2に示すように、成分Aに代えて、シリコーン油に溶解する油脂を用いた場合、化粧料は四層を形成できず三層となった(比較例1〜9)。
《実施例11〜18》
本実施例では、成分(A)として、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2(コスモール44V)、マカデミアンナッツ油、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(エスカロール557)、イソステアリン酸、オリーブ油、トリイソステアリン酸グリセリル(TISG)、小麦胚芽油、月見草油、又はホホバ油を用い、成分(B)のジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、及び成分(E)のグリセリン酸ナトリウムを表3に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表3に示す。
《比較例10〜12》
本比較例では、成分(A)に代えて、トリエチルヘキサノイン(トリファットS−308)、オクチルドデカノール(リソノールR20P)、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル(O.D.O)を用い、成分(B)のジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、及び成分(E)のグルタミン酸ナトリウムを表3に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表3に示す。
Figure 2020121954
表3に示すように、成分Aとして、シリコーン油に溶解しない油脂又は脂肪酸を用い、シリコーン油、水、及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを混合した実施例10〜18の化粧料は四層を形成した(実施例10〜18)。一方、成分Aに代えて、シリコーン油に溶解する油脂を用いた場合、四層を形成することができず、3層を形成した(比較例10〜12)。
《比較例13〜24》
本比較例では、成分(B)に代えて、シクロペンタシロキサン(KF−995)、流動パラフィン(流動パラフィン120)、スクワラン(シュガースクワラン)、シンセランS−4(水添ポリ(C6−12オレフィン))、を用い、成分(A)のマカデミアンナッツ油、トリイソステアリン酸グリセリル(TISG)、又はテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2(コスモール44V)、成分(C)の水、及び成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを表4に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表4に示す。
Figure 2020121954
表4に示すように、成分(B)に代えて、動粘度が4mm/s以下のシリコーン油を用いた場合は、四層型の化粧料を得ることができなかった。
《実施例19〜25》
本実施例では、成分(B)として、ジメチルポリシロキサン(KF−96−20cs(動粘度20mm/s)、KF−96−100cs(動粘度100mm/s)、又はKF−96−500cs(動粘度500mm/s))、若しくはメチルポリシロキサン(BY11−01)又はジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)と他のシリコーン油との混合油を用い、成分(A)のトリイソステアリン酸グリセリル(TISG)、成分(C)の水、及び成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを表5に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表5に示す。
《比較例25》
本比較例では、成分(B)に代えて、ジメチルポリシロキサン(KF−96L−1.5cs(動粘度1.5mm/s)、を用い、成分(A)のマカデミアンナッツ油、トリイソステアリン酸グリセリル(TISG)、又はテトライソステアリン酸ポリグリセリル−2(コスモール44V)、成分(C)の水、及び成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを表5に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表5に示す。
Figure 2020121954
表5に示すように、動粘度が20mm/s、100mm/s又は500mm/sのシリコーン油を用いた場合は、四層型化粧料を得ることができた(実施例19〜22)。一方、動粘度が1.5mm/sのシリコーン油を用いた場合は、四層型化粧料を得ることができなかった(比較例25)。また、動粘度が5mm/s以上のシリコーン油と他のシリコーン油との混合油を用いた場合も、適当な混合比とすることによって、四層型化粧料を得ることができた(実施例23〜25)。本発明の効果が得られる混合比は、当業者であれば本実施例から容易に見出すことが可能である。
《実施例26〜66》
本実施例では、成分(A)としてオリーブ油、成分(B)としてジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)として水、成分(D)としてシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを用いて、それぞれの成分の比率を調整し、表6〜9に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表6〜9に示す。
Figure 2020121954
Figure 2020121954
Figure 2020121954
Figure 2020121954
表6〜9に示すように、成分A〜Dの比率を変化させても、広い範囲の含有量において、四層型化粧料を得ることができる。
《実施例67〜70》
本実施例では、成分(A)として、高級脂肪酸のイソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、又はイソパルミチン酸を用い、成分(B)の、ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6)、成分(C)の水、成分(D)のシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールを表1に示した組成で混合し、化粧料基材を作製した。1日経過後の四層形成の結果を表10に示す。
Figure 2020121954
高級脂肪酸のイソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、又はイソパルミチン酸はシリコーン油に溶解性であるが、シリコーン油、水、及びシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールと混合することによって、四層を形成した。
《実施例71》
本実施例では、四層美容液を調製した。
表11に記載の組成で各成分を混合し、四層美容液を得た。1日経過後の四層形成の結果を表11に示す。
Figure 2020121954
実施例71の美容液は、安定な四層を形成した。
《実施例72〜73》
本実施例では、五層ヘアオイル及び六層ヘアオイルを調製した。
表12に記載の組成で各成分を混合し、五層ヘアオイル及び六層ヘアオイルを得た。1日経過後の層形成の結果を表12に示す。
Figure 2020121954
表12に示すように、実施例72〜73のヘアオイルは、それぞれ安定な五層及び六層を形成した。
本発明の多層型化粧料は、美容液、クレンジング(メーク落とし)、ピーリング剤、化粧水、マーサージオイル、ヘアオイル、又はシャンプーなどの多層型化粧料として用いることができる。

Claims (3)

  1. (A)常温で液状の高級脂肪酸、又はシリコーン油に非溶解性の油分、
    (B)動粘度が5mm/s以上のシリコーン油、
    (C)水、及び
    (D)シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、
    を含む多層型化粧料。
  2. (E)電解質又は有機酸を更に含む、請求項1に記載の多層型化粧料。
  3. (F)ベタイン、又はナイアシンアミドを更に含む、請求項1又は2に記載の多層型化粧料。
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