JP2020120520A - 電気機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれることを防止することができる技術を提供する。【解決手段】本製造方法により製造される電気機器は、外部に突出している端子とネジ受入孔を備えている筐体と、端子に溶接する溶接部とネジ通過孔を備えているバスバを備えている。端子は、その自然形状において筐体から突出するほどネジ受入孔に接近する方向に傾斜しており、バスバをネジ受入孔から端子に押し付ける方向の力を加えることによって突出端がネジ受入孔から離間する向きに弾性変形する。本製造方法は、バスバに、バスバを筐体に押し付ける方向成分とバスバをネジ受入孔から端子に押し付ける方向成分を持つ力を加えて、ネジ通過孔とネジ受入孔の位置を一致させる工程と、バスバに力を加えた状態で端子と溶接部を溶接する工程と、力を開放する工程と、力を開放した状態でネジ通過孔とネジ受入孔にネジ止めする工程と、を備えている。【選択図】図3
Description
本明細書が開示する技術は、電気機器の製造方法に関する。特に、外部に突出している端子とネジ受入孔を備えている筐体と、端子に溶接する溶接部とネジ通過孔を備えているバスバを備えている電気機器の製造方法に関する。
リアクトルやコンデンサといった電気部品を筐体内に収容する技術が知られている。筐体外を延びるバスバによって、筐体内の電気部品と筐体外の電気部品を接続する技術も知られている。筐体外のバスバと筐体内の電気部品を接続するために、筐体内の電気部品から延びる導電体の一部を筐体外に突出させ、その突出部を端子とし、その端子にバスバを溶接する技術も知られている。
筐体外を延びるバスバを筐体にネジ止めすることがある。その技術によると、バスバが筐体に対して溶接個所とネジ止め個所の2か所で固定され、バスバの固定強度が補強される。前記のネジ止め個所で、他のバスバ(便宜的に第2バスバということにする)を共締めする技術も知られている。これによると、筐体とバスバの位置関係が安定するのと同時に、バスバに第2バスバが接続される。
筐体にバスバを固定して電気機器を製造する方法では、下記を実行する。
(1)バスバに形成されているネジ通過孔と筐体に形成されているネジ受入孔の位置が一致するようにバスバと筐体を位置決めし、その相対的位置関係が移動しないように両者を固定する。
(2)固定した状態で、筐体の端子とバスバの溶接部を溶接する。
(3)固定用治具を外し、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔にネジを締め付ける。
(1)バスバに形成されているネジ通過孔と筐体に形成されているネジ受入孔の位置が一致するようにバスバと筐体を位置決めし、その相対的位置関係が移動しないように両者を固定する。
(2)固定した状態で、筐体の端子とバスバの溶接部を溶接する。
(3)固定用治具を外し、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔にネジを締め付ける。
本明細書が開示する技術は、上記したバスバを備える電気機器の製造方法に関し、バスバの寸法のばらつきに起因する課題を解決する。バスバの寸法のばらつきを吸収する技術として、例えば、特許文献1の技術が知られている。特許文献1では、バスバの寸法ばらつきを吸収するため、バスバの一方の端部に緩衝材を介装している。この技術では、バスバの寸法がばらついた場合に緩衝材が変形することで、バスバと端子を接続する力によるバスバの変形量を低減する。
上記の製造方法では、前記(1)の際に、筐体の端子とバスバの溶接部が干渉しないようにする必要がある。使用する部品には形状公差があることから、実際には前記(1)の段階で、筐体の端子とバスバの溶接部の間に間隔が生じることになる。その状態で、端子と溶接部を接触させて溶接することから、端子に内部応力が残存した状態で溶接することになる。その結果、前記(3)で固定用治具を外すと、端子に残存した応力によって端子が変形し、それにともなってバスバも変位する。この結果、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれ、両者をネジ止めできない現象が生じることがある。第2バスバを共締めする場合は、バスバと第2バスバが干渉してしまって両者を共締めする位置関係に置けない場合が生じる。あるいは、共締めするためには、第2バスバのネジ通過孔とバスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔という3つの孔が同軸上に揃う必要があるのに反し、いずれかの孔が不揃いとなって共締めできない現象が生じる。
特許文献1の技術によっても、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれる現象、さらには、第2バスバのネジ通過孔とバスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれるという現象が防止できない。本明細書では、溶接時に端子に生じた残留応力によって,バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれることを防止する技術を開示する。
本明細書が開示する技術により製造される電気機器は、外部に突出している端子とネジ受入孔を備えている筐体と、端子に溶接する溶接部とネジ通過孔を備えているバスバを備えている。また、この電気機器は、端子にバスバの溶接部が溶接されているとともにバスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔にネジが締め付けられている。端子は、その自然形状において筐体から突出するほどネジ受入孔に接近する方向に傾斜しており、バスバをネジ受入孔から端子に押し付ける方向の力を加えることによって突出端がネジ受入孔から離間する向きに弾性変形するものである。
本明細書が開示する電気機器の製造方法は、バスバに、バスバを筐体に押し付ける方向成分とバスバをネジ受入孔の側から端子に押し付ける方向成分を持つ力を加えて、ネジ通過孔とネジ受入孔の位置を一致させる工程を備えている。また、バスバに力を加えた状態で、端子と溶接部を溶接する工程と、力を開放する工程と、力を開放した状態で、ネジ通過孔とネジ受入孔にネジ止めする工程を備えている。
上述した製造方法によると、バスバに、バスバを筐体に押し付ける方向成分とバスバをネジ受入孔の側から端子に押し付ける方向成分を持つ力を加えて、ネジ通過孔とネジ受入孔の位置を一致させる。このとき、筐体の端子は突出端がネジ受入孔から離間する向きに弾性変形する。端子を弾性変形させた状態で、端子と溶接部を溶接する。すなわち、自然形状に戻る方向の内部応力が残存した状態で端子はバスバと溶接される。その後、力を開放するため、端子は内部応力により自然形状に戻ろうとする。自然形状に戻ろうとする端子は、バスバを筐体に押し付ける。バスバは、端子に押し付けられるため変位しない。バスバは、もともとバスバが配置されていたネジ通過孔とネジ受入孔の位置が一致する位置から移動しない。このように、本明細書が開示する電気機器の製造方法によれば、ネジ通過孔とネジ受入孔の位置が一致している状態で、バスバを筐体に押し付ける方向の残留応力を端子に発生させることによって、バスバのネジ通過孔と筐体のネジ受入孔がずれることを防止することができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の製造方法を説明するのに先立って、図1を参照して実施例の製造法の対象となる電気機器の一例である電力変換装置2について説明する。まず、電力変換装置2のケース内部の電気部品のレイアウトを説明する。図1は、ケースの図中の手前側の側板をカットした断面図である。電力変換装置2は、例えば電気自動車、ハイブリッド車又は燃料電池車といった電動自動車に搭載される。
電力変換装置2のケースは、上下方向でアッパーケース4とロアケース6に分割されている。ロアケース6は、アッパーケース4の下に位置する。アッパーケース4とロアケース6は、ほぼ同じ高さを有しており、電力変換装置2のケースの内部空間を上下にほぼ二分している。アッパーケース4とロアケース6は、Y軸方向の両側の端部でボルト8により締結される。アッパーケース4は、上面の中央部に上部開口38を備えている。なお、アッパーケース4及びロアケース6は、ともにアルミニウムで作られている。
電力変換装置2は、リアクトル10と、電流センサ30、積層体などの電気部品を備えている。アッパーケース4には、その内部を上下に分割する中仕切42が設けられており、中仕切42に積層体が固定されている。中仕切42は、中央部に中部開口40を備えている。リアクトル10はロアケース6に固定されており、電流センサ30はアッパーケース4に固定されている。
また、アッパーケース4のY軸負側の内側側面にはボス36が設けられており、このボス36に電流センサ30がセンサ固定部34を介してボルト32により固定されている。また、電流センサ30には、センサ固定部34と反対側に伸びるセンサバスバ26が接続されている。電流センサ30の本体は樹脂で作られており、センサバスバ26の根本は電流センサ30の樹脂製の本体に支えられている。
リアクトル10は、樹脂で作られた筐体14と、筐体14のアッパーケース4側の面から筐体14の外部に垂直に突出している端子12を備えている。端子12は、例えば銅で作られている。筐体14の中にリアクトル10の本体である磁性コアとコイルが収容されている。端子12は、コイルの引き出し線に相当する。リアクトル10の筐体14の底面側には、Y軸方向の両側に伸びる脚部18が設けられている。この脚部18は、ボルト20によって、ロアケース6の底面に設けられたボス16に固定されている。
バスバ24は、筐体14の上面に設けられた平坦面22に当接するように配置されている。詳細は後述するが、リアクトル10の端子12にはバスバ24の一端が溶接されている。バスバ24の他端は、筐体14の上で、ボルト28によってセンサバスバ26と共締めされている。この共締めにより、バスバ24とセンサバスバ26は相互に接続される。バスバ24とセンサバスバ26が導通することで、リアクトル10と電流センサ30が電気的に接続される。詳細は後述するが、電力変換装置2は、端子12にバスバ24の溶接部24a(図2参照)が溶接されているとともにネジ通過孔24b(図2参照)とネジ受入孔44b(図2参照)にボルト28が締め付けられている電気機器である。
以下、図2〜図6を用いて、電力変換装置2の製造工程について説明する。図2〜図6は、図1のAに示した範囲の拡大断面図である。図2〜図6は、図1の座標系におけるYZ平面でリアクトル10とバスバ24をカットした断面図である。本実施例では、電力変換装置2の製造方法のうち、リアクトル10にバスバ24を接続する工程と、バスバ24を介してリアクトル10と電流センサ30を接続する工程を中心に説明する。
図2に、締結前のバスバ24を筐体14の上に載置した図を示す。図2を用いて自然形状の端子12とバスバ24の位置関係について説明する。図2に示すように、筐体14は、筐体14の外部に突出している端子12と、第1凹部14bと、第1凹部14bのY軸負側に隣接する第2凹部14cを備えている。第1凹部14bにはナット44が設けられている。ナット44は、ボルト28(図1参照)と螺合するネジ受入孔44bを備えている。バスバ24は、端子12と対向する溶接部24aと、ネジ受入孔44bに対向するネジ通過孔24bと、Y軸負側の端末に筐体14の方向に延びているフランジ24cを備えている。フランジ24cは、第2凹部14cに遊嵌されている。フランジ24cのY軸正側の面と、第2凹部14cのY軸負側の面は当接している。図2に示すように、端子12のZ軸方向の長さを記号Lで表す。また、端子12の板厚を記号tで表す。さらに、端子12のX軸方向の幅を記号wで表す。端子12は銅板である。端子12の先端においてバスバ24との間に間隔aが設けられている。
先に述べたように、バスバ24は、筐体14の平坦面22に当接するように配置されている。図2では、ネジ受入孔44bの位置と、バスバ24のネジ通過孔24bの位置は一致している。すなわち、バスバ24は、筐体14に対して正しい位置に配置されている。バスバ24が筐体14に対して正しい位置に配置されている状態で、バスバ24の溶接部24aと端子12との間に間隔aが設けられている。間隔aは、筐体14や端子12、バスバ24の形状公差を吸収する空間である。例えばネジ受入孔44bから端子12までの距離に対してバスバ24の外形が小さく製造された場合には、間隔aは大きくなる。また、ネジ受入孔44bから端子12までの距離に対してバスバ24の外形が大きく製造された場合には、間隔aは小さくなる。形状公差の許容範囲内で最大外形のバスバ24であってもバスバ24が端子12と干渉せず配置できるように間隔aは設けられている。
間隔aを挟んだ端子12とバスバ24の溶接部24aを溶接するためには、固定用冶具により荷重をかけて互いの先端が接近する方向に変形させて先端同士を接触させる必要がある。このように端子12と溶接部24aの先端を溶接すると、端子12に内部応力が残存した状態で溶接することになる。溶接後に固定用治具を外して荷重を開放すると、端子12に残存した内部応力によって端子12は、ネジ受入孔44bから離間する向きに変形する。端子12の変形により、端子12の先端と溶接されているバスバ24は、ネジ通過孔24bがナット44から離間する方向に回転する。この結果、バスバ24のネジ通過孔24bとネジ受入孔44bの位置がずれ、両者をネジ止めできない現象が生じることがある。また、電流センサ30(図1参照)のセンサバスバ26を共締めするときに、回転したバスバ24とセンサバスバ26が干渉して両者を共締めする位置関係に置けない場合が生じる。あるいは、共締めするためには、センサバスバ26のネジ通過孔26b(図6参照)とバスバ24のネジ通過孔24bとネジ受入孔44bという3つの孔が同軸上に揃う必要があるのに反し、いずれかの孔が不揃いとなって共締めできない現象が生じる。ここで、図2に示すように、端子12は、先端で最もバスバ24に接近している。端子12は、その自然形状においてネジ受入孔44bの軸方向に対して傾斜している。より詳細には、端子12は、その自然形状において筐体14から突出するほどネジ受入孔44bに接近する方向に傾斜している。以下、上述したように傾斜している端子12を用いて、バスバ24のネジ通過孔24bとネジ受入孔44bがずれることを防止することができる製造方法について説明する。
図3を用いて位置決め工程について説明する。位置決め工程では、ネジ受入孔44bの位置に対してバスバ24のネジ通過孔24bの位置がずれないようにバスバ24の位置が固定される。先に述べたように、フランジ24cのY軸正側の面と、第2凹部14cのY軸負側の面は当接している。このため、バスバ24の筐体14に対するY軸方向の位置は、フランジ24cと第2凹部14cの当接している部位により決まる。図3に示すように、フランジ24cは、ネジ通過孔24bに近い部位に設けられている。ネジ通過孔24bに近い部位でバスバ24の筐体14に対する位置を決めることで、ネジ通過孔24bのネジ受入孔44bに対するばらつきを抑えることができる。また、バスバ24は、筐体14の平坦面22に当接する部位の上から第1加圧冶具50により筐体14に荷重F1で押し付けられている。これにより、バスバ24の位置は変位しない。位置決め工程では、バスバ24のネジ通過孔24bとネジ受入孔44bの位置を一致させることができる。
また、図3に示すように、位置決め工程では、第2加圧冶具52がバスバ24の溶接部24aの先端をネジ受入孔44bから端子12に押し付ける方向に荷重F2を加えている。先に述べたように、端子12は銅板である。銅板である端子12は、荷重F2により、ネジ受入孔44bから離間する向きに変形する。
ここで、荷重F2は、端子12を弾性変形させる荷重である。荷重F2があまりにも大きく、端子12が塑性変形してしまった場合には、端子12には弾性力が発生せず、自然形状に戻らない。そのため後述する端子12によるモーメントM(図5参照)を発生させない。そのため、次に述べるように、端子12の変形が弾性変形する範囲内となるように受治具52aが用意される。図3に示すように、位置決め工程では、第2加圧冶具52の荷重F2を抑える受治具52aが端子12先端のY軸正側に設けられている。端子12の先端が図3に示す最大変位bまで移動すると、端子12は受治具52aと当接する。受治具52aは、端子12がそれ以上ネジ受入孔44bから離間する向きに変形することを防止する。受治具52aは、端子12の変形が弾性変形の範囲内にとどまるように、端子12の変形量を抑える。
端子12が弾性変形する最大変位bは、端子12の降伏点ひずみをεy、端子12の長さL(図2参照)と、端子12の板厚tを用いて次の(式1)で求めることができる。
b=εyL2/3t・・・(式1)
位置決め工程では、自然形状の端子12の先端から式1により求められる最大変位bだけ離れた位置に受治具52aを配置することで、端子12の変形を弾性変形の範囲内にとどめることができる。
b=εyL2/3t・・・(式1)
位置決め工程では、自然形状の端子12の先端から式1により求められる最大変位bだけ離れた位置に受治具52aを配置することで、端子12の変形を弾性変形の範囲内にとどめることができる。
図4を用いて溶接工程について説明する。先に述べたように、バスバ24は、第1加圧冶具50により筐体14に荷重F1で押し付けられている。また、第2加圧冶具52により溶接部24aの先端は端子12に押し付けられている。端子12は、溶接部24aに押されてネジ受入孔44bから離間する向きに弾性変形している。すなわち、溶接部24aと端子12の間には間隔a(図2参照)は存在せず、溶接部24aの先端と端子12の先端は接触している。溶接工程では、溶接部24aと端子12の先端の接触部分を溶接トーチにより溶接する。溶接により溶接部24aと端子12の先端の接触部分にビード46が生じる。ビード46は、溶接部24aと端子12の先端の接続状態を保持する。
図5を用いて開放工程について説明する。開放工程では、上述した第1加圧冶具50による荷重F1と、第2加圧冶具52による荷重F2を開放する。荷重F2が開放されると、端子12には内部応力により自然形状に戻ろうとする荷重F3が生じる。荷重F3は、端子12の先端部を介して溶接部24aの先端に伝わり、バスバ24を反時計回りに回転させるモーメントMを生じさせる。モーメントMは、バスバ24を筐体14に押し付ける。モーメントMがバスバ24を筐体14に押し付けるため、荷重F1を開放してもバスバ24の位置は変位しない。先に述べたように、位置決め工程では、ネジ受入孔44bの位置と、バスバ24のネジ通過孔24bの位置が一致するようにバスバ24は配置されている。バスバ24の溶接部24aと端子12を溶接工程で溶接した後、第1、第2加圧冶具の荷重F1、F2を開放してもモーメントMがバスバ24を筐体14に押付けるためバスバ24の位置は変位しない。すなわち、本明細書が開示する製造方法によれば、ネジ通過孔24bとネジ受入孔44bの位置が一致している状態で、バスバ24を筐体14に押し付ける方向の残留応力を端子12に発生させることによって、バスバ24のネジ通過孔24bと筐体14のナットに設けられているネジ受入孔44bがずれることを防止することができる。
図6を用いて締結工程について説明する。締結工程では、荷重F1とF2(図4参照)を開放した状態で、バスバ24のネジ通過孔24bに対向するように、電流センサ30(図1参照)のセンサバスバ26が上方から配置される。その後、上部開口38(図1参照)と中部開口40(図1参照)を通過したボルト28が、上方から締結される。先に述べたように、端子12がバスバ24の溶接部24aを押すことでモーメントMを発生させ、バスバ24を筐体14に押し付けている。このため、バスバ24のネジ通過孔24bが設けられている部位がネジ受入孔44bから離間する方向に変位することがない。そのため、バスバ24がセンサバスバ26と干渉することを防止することができる。また、先に述べたように、位置決め工程で合わせた位置からも変位しない。そのため、ネジ受入孔44bと、バスバ24のネジ通過孔24bと、センサバスバ26のネジ通過孔26bの位置ずれを防止することができる。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。バスバ24と筐体14の位置を合わせる方法はフランジと凹部の係合に限定されない。他の形状の係合により位置を合わせても良いし、冶具を用いて位置を合わせてもよい。また、ナット44を用いず、ネジ受入孔を筐体に設けてもよい。
また、実施例においては、受治具52aにより端子12の変位を管理することで端子12を弾性変形させているが、本明細書が開示する技術はこれに限定されない。例えば、最大変位bから求めた荷重Fを用いることで、端子12を弾性変形させてもよい。ここで、端子12を構成する銅のヤング率をE、端子12の幅をwとすると、
F=bEwt3/4L3・・・(式2)となる。受治具52aを用いず、このように求めた荷重Fを溶接部24aを介して端子12に加えることで、端子12をネジ受入孔44bから離間する向きに弾性変形させてもよい。
F=bEwt3/4L3・・・(式2)となる。受治具52aを用いず、このように求めた荷重Fを溶接部24aを介して端子12に加えることで、端子12をネジ受入孔44bから離間する向きに弾性変形させてもよい。
本明細書は電気機器の製造方法を開示するが、電気機器は、電力変換装置2に限定されない。筐体14もリアクトル10の筐体に限定されない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電力変換装置
4:アッパーケース
6:ロアケース
8、20、28、32:ボルト
10:リアクトル
12:端子
14:筐体
14b:第1凹部
14c:第2凹部
16、36:ボス
18:脚部
22:平坦部
24:バスバ
24a:溶接部
24b、26b:ネジ通過孔
24c:フランジ
26:センサバスバ
30:電流センサ
34:センサ固定部
38:上部開口
40:中部開口
42:中仕切
44:ナット
44b:ネジ受入孔
46:ビード
50:第1加圧冶具
52:第2加圧冶具
52a:受治具
F1、F2、F3:荷重
M:モーメント
b:最大変位
4:アッパーケース
6:ロアケース
8、20、28、32:ボルト
10:リアクトル
12:端子
14:筐体
14b:第1凹部
14c:第2凹部
16、36:ボス
18:脚部
22:平坦部
24:バスバ
24a:溶接部
24b、26b:ネジ通過孔
24c:フランジ
26:センサバスバ
30:電流センサ
34:センサ固定部
38:上部開口
40:中部開口
42:中仕切
44:ナット
44b:ネジ受入孔
46:ビード
50:第1加圧冶具
52:第2加圧冶具
52a:受治具
F1、F2、F3:荷重
M:モーメント
b:最大変位
Claims (1)
- 外部に突出している端子とネジ受入孔を備えている筐体と、前記端子に溶接する溶接部とネジ通過孔を備えているバスバを備えており、
前記端子は、その自然形状において前記筐体から突出するほど前記ネジ受入孔に接近する方向に傾斜しており、前記バスバを前記ネジ受入孔から前記端子に押し付ける方向の力を加えることによって前記突出端が前記ネジ受入孔から離間する向きに弾性変形するものであり、
前記端子に前記溶接部が溶接されているとともに前記ネジ通過孔と前記ネジ受入孔にネジが締め付けられている電気機器の製造方法であり、
前記バスバに、前記バスバを前記筐体に押し付ける方向成分と前記バスバを前記ネジ受入孔から前記端子に押し付ける方向成分を持つ力を加えて、前記ネジ通過孔と前記ネジ受入孔の位置を一致させる工程と、
前記バスバに前記力を加えた状態で、前記端子と前記溶接部を溶接する工程と、
前記力を開放する工程と、
前記力を開放した状態で、前記ネジ通過孔と前記ネジ受入孔にネジ止めする工程を備えている、電気機器の製造方法。
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Cited By (1)
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2019
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3939461A1 (en) | 2020-07-14 | 2022-01-19 | ASICS Corporation | Shoe sole and shoe |
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