JP2020119915A - 固定部材、フレキシブル電子デバイスの製造方法、積層体及び印刷装置 - Google Patents

固定部材、フレキシブル電子デバイスの製造方法、積層体及び印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に印刷基材を搬送部に固定でき、かつ搬送部から剥離でき、印刷の位置精度を高め、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造可能な固定部材を提供する。【解決手段】固定部材は、印刷基材を固定する粘着剤層65と、非粘着部66と、を備える。非粘着部の外周部に粘着剤層が設けられており、かつ粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向にて、非粘着部は粘着剤層よりも外側に突出している。【選択図】図2

Description

本発明は、固定部材、フレキシブル電子デバイスの製造方法、積層体及び印刷装置に関する。
高精細な導体パターンを要する場合にも搭載する電子デバイスに動作不良を生じることなくフレキシブル電子デバイスを製造できる方法として、高分子フィルムを粘着剤層を介して硬質の支持体に仮固定して高分子フィルム複合体とし、金属ナノ粒子インクを使用した接触型の印刷法を少なくとも用いて前記高分子フィルム複合体の高分子フィルム側の面に導体パターンを印刷し、加熱工程を経て、最終的に支持体から高分子フィルムを剥離する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−198176号公報
特許文献1では、高分子フィルムを硬質の支持体に仮固定して高分子フィルム複合体とし、高分子フィルムに導体パターンを形成して薄膜トランジスタ(TFT)を形成したりする。高分子フィルム上に薄膜トランジスタを形成する場合、高分子フィルム上に下部電極を形成及び焼成し、次いで、絶縁層を形成及び焼成した後、上部電極を形成及び焼成する。このとき、上部電極形成後及び絶縁層形成後に高分子フィルム複合体を焼成装置に搬送したり、高分子フィルムに精度良く上部電極を形成するために、焼成後の高分子フィルム複合体の位置決めした後に、上部電極を形成したりする必要がある。そのため、焼成工程及び位置決め工程に時間がかかり、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造することが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、印刷基材を搬送部に固定でき、かつ搬送部から容易に剥離でき、印刷の位置精度を高め、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造可能な固定部材、ならびにこの固定部材を用いたフレキシブル電子デバイスの製造方法、積層体及び印刷装置を提供することである。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 印刷基材を固定する粘着剤層と、非粘着部と、を備え、前記非粘着部の外周部に前記粘着剤層が設けられており、かつ前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向にて、前記非粘着部は前記粘着剤層よりも外側に突出している固定部材。
<2> 前記非粘着部は、前記粘着剤層上に配置されており、前記非粘着部の外周部にて前記粘着剤層が露出している<1>に記載の固定部材。
<3> 前記粘着剤層に含まれる粘着剤を前記印刷基材に貼り合わせた状態で180℃、60分の条件にて加熱した加熱処理後の剥離力と、加熱前の剥離力との比(加熱処理後の剥離力/加熱前の剥離力)が0.5〜5.0である<1>又は<2>に記載の固定部材。
<4> 支持体を更に備え、前記支持体の一方の面側に前記粘着剤層及び前記非粘着部が設けられており、前記支持体の他方の面側に粘着剤層を更に備える<1>〜<3>のいずれか1つに記載の固定部材。
<5> 前記支持体の厚さは、25μm〜250μmである<4>に記載の固定部材。
<6> 前記非粘着部を180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率は、1%以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の固定部材。
<7> 前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向において、前記非粘着部の表面と前記粘着剤層の表面との距離は、10μm〜500μmである<1>〜<6>のいずれか1つに記載の固定部材。
<8> 前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向において、前記非粘着部の表面と前記粘着剤層の表面との距離に対する前記粘着剤層の幅の比(粘着剤層の幅/距離)は、10以上である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の固定部材。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の固定部材に前記印刷基材を貼り付けて前記印刷基材を前記固定部材に固定する工程と、前記固定部材に固定した前記印刷基材の表面に導体パターンを印刷する工程と、前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する工程と、前記固定部材から前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を剥離する工程と、を含むフレキシブル電子デバイスの製造方法。
<10> 前記固定部材の前記印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面が圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられている<9>に記載のフレキシブル電子デバイスの製造方法。
<11> 前記固定部材の前記印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面がキャリアシートに貼り付けられている<9>に記載のフレキシブル電子デバイスの製造方法。
<12> 印刷基材と、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の固定部材と、キャリアシートとがこの順で積層されたフレキシブル電子デバイスの製造に用いられる積層体。
<13> 圧胴と、印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面が前記圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられた<1>〜<8>のいずれか1つに記載の固定部材と、前記固定部材に貼り付けることにより固定される前記印刷基材に導体パターンを印刷する印刷部と、前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する加熱部と、を備える印刷装置。
<14> 前記圧胴は、第1の圧胴、第2の圧胴及び第3の圧胴を備え、前記印刷部は、前記第1の圧胴と対面し、前記印刷基材に下部電極を印刷する第1印刷部、前記第2の圧胴と対面し、前記下部電極が印刷された前記印刷基材に絶縁層を印刷する第2印刷部、及び、前記第3の圧胴と対面し、前記絶縁層が印刷された前記印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷部を備え、前記印刷基材が固定される固定部材は、前記第1の圧胴の表面の少なくとも一部、前記第2の圧胴の表面の少なくとも一部及び前記第3の圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられている<13>に記載の印刷装置。
<15> 前記印刷部は、前記圧胴と対面し、前記印刷基材に下部電極を印刷する第1印刷部、前記圧胴と対面し、前記下部電極が印刷された前記印刷基材に絶縁層を印刷する第2印刷部、及び、前記圧胴と対面し、前記絶縁層が印刷された前記印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷部を備える<13>に記載の印刷装置。
本発明によれば、印刷基材を搬送部に固定でき、かつ搬送部から容易に剥離でき、印刷の位置精度を高め、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造可能な固定部材、ならびにこの固定部材を用いたフレキシブル電子デバイスの製造方法、積層体及び印刷装置を提供することができる。
本開示の第1実施形態の固定部材を側面からみた概略構成図である。 本開示の第2実施形態の固定部材を側面からみた概略構成図である。 本開示の第2実施形態の固定部材を上面からみた概略構成図である。 本開示の第1実施形態の印刷装置の概略構成図である。 本開示の第1実施形態の印刷装置を用いて製造されるフレキシブル電子デバイスを示す概略構成図である。 本開示の第2実施形態の印刷装置の概略構成図である。 比較例2の固定部材を上面からみた概略構成図である。 比較例1にてインクをベタ印刷したときの印刷基材を示す図である。 比較例2にてインクをベタ印刷したときの印刷基材を示す図である。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<固定部材>
本開示の固定部材は、印刷基材を固定する粘着剤層と、非粘着部と、を備え、前記非粘着部の外周部に前記粘着剤層が設けられており、かつ前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向にて、前記非粘着部は前記粘着剤層よりも外側に突出している。
本開示の固定部材は、印刷基材を貼り付けるために用いられる。より具体的には、一方の面を圧胴、キャリアシート等の搬送部に貼り付け、固定部材の搬送部に貼り付けられた面の反対側を印刷基材に貼り付け、印刷基材を固定部材を介して搬送部に固定した状態で印刷基材に導体パターンを印刷するために用いる。
本開示の固定部材は、非粘着部の外周部に粘着剤層が設けられており、かつ粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向にて、非粘着部は粘着剤層よりも外側に突出している。これにより、印刷基材が固定部材に適切に固定され、かつ、固定部材から印刷基材を容易に剥離することができる。更に、搬送部にて印刷基材を搬送する際、意図した箇所からの印刷基材の位置ズレを抑制でき、連続印刷するときに印刷基材に精度良く導体パターンを形成することができ、精度良くフレキシブル電子デバイスを製造することができる。
例えば、複数種の導体パターンを連続印刷する場合に複数の圧胴を用いて印刷基材の搬送、印刷及び受け渡しをする際、本開示の固定部材では、意図した箇所からの印刷基材の位置ズレを抑制でき、連続印刷するときに印刷基材に精度良く導体パターンを形成することができ、精度良くフレキシブル電子デバイスを製造することができる。
また、従来では複数種の導体パターンを印刷する場合、導体パターンを形成する毎に印刷基材を焼成し、焼成後に別の導体パターンを形成したり、別の導体パターンを形成するための印刷基材の位置合わせをしたりする必要があった。このため、焼成及び位置あわせに時間がかかり、効率よく印刷基材に導体パターンを形成することができなかった。
一方、本開示の固定部材では、複数種の導体パターンを印刷する場合であっても、印刷基材を固定部材に固定した状態で搬送することにより、連続印刷が可能であり、別の導体パターンを形成するための印刷基材の位置合わせの負担を軽減することができる。そのため、本開示の固定部材を用いることにより、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造することが可能である。
また、本開示の固定部材は、非粘着部を備えず、印刷基材を固定する粘着剤層のみを備える固定部材を用いた場合と比較して、固定部材と印刷基材との間の気泡の入り込みを抑制できるため、気泡が入り込むことによる印刷精度への悪影響を低減でき、印刷抜け等の印刷上の欠陥を抑制できる。また、非粘着部を備えず、印刷基材を固定する粘着剤層のみを備える固定部材を用いた場合、印刷基材を固定部材に固定した状態で加熱したときに粘着剤層と印刷基材との熱膨張係数差に起因する残留応力によって固定部材から剥離した印刷基材が収縮しやすくなり、導体パターンも収縮してしまう場合がある。一方、本開示の固定部材を用いることにより、固定部材から剥離した印刷基材が収縮しにくく、意図した導体パターンを備える印刷基材が得られやすい。
更に、本開示の固定部材では、非粘着部が粘着剤層よりも外側に突出している、すなわち、厚さ方向にて非粘着部の表面が粘着剤層の表面よりも高い位置にある。これにより、刷版又はブランケット等の中間媒体を最終媒体となる印刷基材に直接接触させて画像転写を行う接触型の印刷法を行う場合に、印圧が印刷基材全体に均一にかかりやすく、精度良く導体パターンを形成することができる。
本開示の固定部材は、印刷基材を固定する粘着剤層を備える。粘着剤層は後述する非粘着部の外周部に設けられており、更に、粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向にて、非粘着部が粘着剤層よりも外側に突出するように粘着剤層は設けられている。粘着剤層としては、印刷基材と接触させた際に印刷基材を固定可能な粘着剤を含む層であれば特に限定されず、印刷基材を乾燥、加熱する場合に粘着剤層の変形、変質等を抑制する点から、耐熱性に優れる粘着剤を含むことが好ましく、粘着及び剥離を繰り返しても粘着力の変化が小さいことが好ましい。
粘着剤層に含まれる粘着剤を印刷基材に貼り合わせた状態で180℃、60分の条件にて加熱した加熱処理後の剥離力と、加熱前の剥離力との比(加熱処理後の剥離力/加熱前の剥離力)が0.5〜5.0であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。
なお、剥離力については、JIS Z 0237:2009に準拠し180度ピール試験によって求める。
粘着剤層としては、印刷基材を固定して搬送する際の剥離を抑制しつつ、導体パターンの印刷後に固定部材から容易に印刷基材を剥離する点から、使用する印刷基材に対する180°ピール強度が0.01N/25mm〜0.50N/25mmであることが好ましく、0.02N/25mm〜0.30N/25mmであることがより好ましく、0.04N/25mm〜0.20N/25mmであることが更に好ましい。ピール強度が0.01N/25mmより小さい場合はブランケットとの接触で印刷基材が固定部材から剥離しやすいため好ましくなく、0.50N/25mmより大きい場合は印刷後に固定部材から印刷基材を剥離させるときに過大な応力が発生して、折れ、しわ等の原因となるため好ましくない。
粘着剤層に含まれる粘着剤としては、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤としては、中でも、耐熱性、リワーク性、及び気泡除去の点からシリコーン系粘着剤が好ましい。
粘着剤層の厚さは、5μm〜200μmであることが好ましく、25μm〜100μmであることがより好ましい。
本開示において、各構成の厚さは、マイクロメーターを用いて無作為に測定した10点の厚さの平均値である。
粘着剤層は、非粘着部の外周部に設けられており、かつ粘着剤層及び非粘着部を厚さ方向にて、非粘着部は、粘着剤層よりも外側に突出していればよい。例えば、粘着剤層上に非粘着部が配置され、かつ非粘着部の外周部にて粘着剤層が露出していてもよく、非粘着部の外周部を覆うように非粘着部が配置され、粘着剤層の厚さが非粘着部の厚さよりも小さいことにより、非粘着部の表面が、粘着剤層の表面よりも外側に突出していてもよい。
粘着剤層の幅は、5mm〜50mmであることが好ましく、10mm〜30mmであることがより好ましい。粘着剤層の幅とは、露出した部分の幅を意味する。
粘着剤層の長さは、100mm〜1000mmであることが好ましく、200mm〜500mmであることがより好ましい。
粘着剤層の長さとは、固定部材の搬送方向と平行な方向における粘着剤層の長さを意味する。
非粘着部としては、粘着性を示さない部分である。
非粘着部は、耐熱性に優れる点から、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
寸法変化率(%)=[(加熱前の非粘着部の寸法−加熱処理後の非粘着部の寸法)/加熱前の非粘着部の寸法]×100
なお、寸法は、長さ寸法及び幅寸法の少なくとも一方を指し、長さ寸法及び幅寸法の両方にて、寸法変化率は1%以下であることが好ましい。
印刷基材を乾燥、加熱する場合に非粘着部の変形、変質等を抑制する点から、ガラス転移温度(Tg)が120℃以上の樹脂からなることが好ましい。
本開示において、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求めることができる。
非粘着部を構成する材料としては、金属セラミック、ステンレス箔(SUS)、アルミ箔、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられる。非粘着部を構成する材料としては、中でも、適度な表面粗さと耐熱性を有し割れにくい材料としてポリイミド、ポリエチレンナフタレート等が好ましい。
粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向において、非粘着部の表面と粘着剤層の表面との距離は、10μm〜500μmであることが好ましく、12μm〜50μmであることがより好ましい。
本開示において、非粘着部の表面と粘着剤層の表面との距離は、非粘着部の表面とは反対側の固定部材の底面から非粘着部の表面までの高さ(高さA)及び粘着剤層の表面とは反対側の固定部材の底面から粘着剤層の表面までの高さ(高さB)のそれぞれを、マイクロメーターを用いて無作為に10点測定して平均値を求め、求めた平均値を差し引いた値(高さAの平均値−高さBの平均値)である。
粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向において、非粘着部の表面と粘着剤層の表面との距離に対する粘着剤層の幅の比(粘着剤層の幅/距離)は、例えば、10以上であってもよく、100以上であってもよく、500以上であってもよい。また、粘着剤層の幅/距離は、10000以下であってもよく、5000以下であってもよく、3000以下であってもよい。
本開示の固定部材は、支持体を更に備え、支持体の一方の面側に粘着剤層及び非粘着部が設けられており、支持体の他方の面側に粘着剤層を更に備えていてもよい。更に、支持体は、支持体の一方の面側に設けられた粘着剤層の外周部から露出していてもよい。支持体を設けることにより、固定部材を圧胴等の搬送部に貼り付けやすくなり、固定部材の作業性に優れる。例えば、支持体を設けることにより、圧胴等の搬送部に貼り付けやすい粘着剤、及び印刷基材に貼り付けやすい粘着剤をそれぞれ選択することができ、種々の粘着バリエーションに対応でき、また、粘着剤層の耐久性の低下も抑制できる。
支持体の厚さとしては、25μm〜250μmであることが好ましく、50μm〜200μmであることがより好ましい。
支持体としては、特に限定されず、後述する高分子フィルム、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などが挙げられる。
支持体は、耐熱性に優れる点から、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
寸法変化率(%)=[(加熱前の支持体の寸法−加熱処理後の支持体の寸法)/加熱前の支持体の寸法]×100
なお、寸法は、長さ寸法及び幅寸法の少なくとも一方を指し、長さ寸法及び幅寸法の両方にて、寸法変化率は1%以下であることが好ましい。
また、高分子フィルムのガラス転移温度は、耐熱性の点から、80℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。
印刷基材としては、導体パターンを印刷するために用いる基材であれば限定されず、柔軟性に優れるフレキシブル電子デバイスを作製する点から、高分子フィルムが好ましい。
高分子フィルムを形成する高分子材料としては、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)などのポリオレフィン樹脂、ノルボルネン類の開環メタセシス重合体、付加重合体、他のオレフィン類との付加共重合体などのシクロオレフィンポリマー、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6,11,12,66などのポリアミド樹脂、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグリコール酸、ポリスチレン、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、ポリカーボネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合コポリマー、エポキシ樹脂などそれ自体公知のものを用いることができる。
高分子フィルムを形成する高分子材料としては、中でも、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等が好ましく、更には比較的高温の熱処理にも耐えられ寸法安定性が良好なポリエチレンナフタレートフィルムが好ましい。
印刷基材の厚さとしては、特に限定されず、機械的強度及び小型化の点から、1μm〜300μmであることが好ましく、12μm〜250μmであることがより好ましく、25μm〜200μmであることがさらに好ましい。
以下、固定部材の具体的構成として、第1実施形態の固定部材及び第2実施形態の固定部材について図1〜図3を用いて説明する。図1は、本開示の第1実施形態の固定部材を側面からみた概略構成図であり、図2は、本開示の第2実施形態の固定部材を側面からみた概略構成図であり、図3は、本開示の第2実施形態の固定部材を上面からみた概略構成図である。
[第1実施形態の固定部材]
第1実施形態の固定部材は、図1に示すように、粘着剤層61と、非粘着部62と、を備え、圧胴13の表面に貼り付けられている。非粘着部62は、粘着剤層61上に配置されており、非粘着部62の外周部に粘着剤層61が露出して設けられている。
[第2実施形態の固定部材]
第2実施形態の固定部材では、図2に示すように、圧胴13側からみて、粘着剤層63、支持体64、粘着剤層65及び非粘着部66がこの順に積層されている。つまり、本実施形態の固定部材では、支持体64の一方の面側に粘着剤層65及び非粘着部66が設けられており、支持体64の他方の面側に粘着剤層63が設けられている。支持体64の一方の面側に印刷基材10が貼り付けられ、支持体64の他方の面側が圧胴13に貼り付けられる。
図3に示すように、非粘着部66の外周部全体に粘着剤層65が露出して設けられている。例えば、図3に示す固定部材では、印刷基材が矩形状である場合、印刷基材の四辺が粘着剤層65と接触して固定される。例えば、印刷基材が矩形状であり、印刷基材の二辺又は三辺が粘着剤層に固定されているときと比較して、精度良く導体パターンを形成しやすく、また、導体パターンが形成された印刷基材を加熱した場合の印刷基材の変形を抑制できる傾向にある。
なお、本発明は、非粘着部の外周部全体に粘着剤層が露出して設けられている構成に限定されず、非粘着部の外周部の一部に粘着剤層が設けられていない領域が存在してもよい。例えば、印刷基材が矩形状である場合、印刷基材の四辺が粘着剤層と接触して固定されるように粘着剤層が非粘着部の外周部に露出して設けられ、かつ、四辺の少なくとも一部、例えば、搬送方向下流側の一辺の一部に粘着剤層が設けられていない領域が存在してもよい。これにより、固定部材と印刷基材との間に入り込んだ気体がこの領域から抜けやすくなり、固定部材に印刷基材を貼り付けたときの印刷基材の浮きを抑制できる。
本発明の固定部材は、圧胴等の搬送部に貼り付ける構成に限定されず、圧胴等の搬送部表面に前述の粘着剤層及び前述の非粘着部が設けられており、搬送部に前述の本実施形態の固定部材の機能が付与された構成も本発明の固定部材に包含される。
例えば、表面の一部に非粘着部が設けられ、かつ非粘着部の外周部に粘着剤層が設けられており、粘着剤層及び非粘着部の厚さ方向にて非粘着部は粘着剤層よりも外側に突出している構造を有する圧胴等の搬送部も、本発明の固定部材に包含される。
<フレキシブル電子デバイスの製造方法>
本開示のフレキシブル電子デバイスの製造方法は、前述の本開示の固定部材に印刷基材を貼り付けて前記印刷基材を前記固定部材に固定する工程と、前記固定部材に固定した前記印刷基材の表面に導体パターンを印刷する工程と、前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する工程と、前記固定部材から前記印刷された前記印刷基材を剥離する工程と、を含む方法である。
本開示の製造方法により製造されるフレキシブル電子デバイスとしては、高分子フィルム等の印刷基材に薄膜トランジスタ(TFT)、透明電極等が形成されたものが挙げられる
本開示の製造方法は、本開示の固定部材に印刷基材を貼り付けて印刷基材を固定部材に固定する工程(固定工程)を有する。このとき、固定部材の印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面は、圧胴の表面の少なくとも一部、キャリアシート等に貼り付けられており、圧胴の表面、キャリアシート等に貼り付けられた固定部材に印刷基材を貼り付けてもよい。
また、本開示の製造方法では、固定部材に印刷基材を貼り付けて印刷基材を固定部材に固定した後、固定部材の印刷基材と貼り合わせた側とは反対側の面を、圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けてもよい。
本開示の製造方法は、印刷基材の表面に導体パターンを印刷する工程(印刷工程)を有する。導体パターンを印刷する方法としては、特に限定されず、印刷時間が短く、フレキシブル電子デバイスの高速生産が可能な点から、金属粒子を含むインク、好ましくは金属ナノ粒子を含むインクを使用し、刷版又はブランケット等の中間媒体を最終媒体となる印刷基材に直接接触させて画像転写を行う接触型の印刷法が好ましい。接触型の印刷法としては、例えば、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷、反転オフセット印刷等が挙げられる。特に高精細印刷が可能な反転オフセット印刷が好適に適用できる。
インクに含まれる金属粒子の種類としては、フレキシブル電子デバイスの要求特性に応じて適宜決定すればよく、例えば、白金、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、亜鉛、スズ、鉄等が挙げられる。インクに含まれる金属粒子としては、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
金属粒子の平均粒子径は、特に制限されず、例えば、1nm〜500nmであることが好ましく、1nm〜200nmであることがより好ましく、1nm〜100nmであることがさらに好ましい。なお、金属粒子の平均粒子径は、レーザー回折法により測定される体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50)である。
本開示の製造方法では、印刷基材に形成する導体パターンに応じて印刷工程を複数回有していてもよい。例えば、印刷基材に薄膜トランジスタを形成する場合、印刷工程は、印刷基材に下部電極を印刷する第1印刷工程と、下部電極が印刷された印刷基材に絶縁層を印刷する第2印刷工程と、絶縁層が印刷された印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷工程と、を含んでいてもよい。
本開示の製造方法は、印刷工程を複数回有する場合、各印刷工程の間に、印刷基材を乾燥させる乾燥工程を有していてもよい。例えば、下部電極が印刷された印刷基材、下部電極及び絶縁層が印刷された印刷基材、下部電極、絶縁層及び上部電極が印刷された印刷基材等を乾燥させてもよい。印刷基材を乾燥させる方法としては、IR(赤外線)、電磁波等を照射したり、温風、熱風等を吹きつけたりする方法が挙げられる。前述の印刷工程及び前述の乾燥工程は、連続プロセスにて行うことが好ましい。これにより、フレキシブル電子デバイスを効率よく連続的に製造することができる。
本開示の製造方法は、印刷工程の後、導体パターンが印刷された印刷基材を加熱する工程(加熱工程)を有する。これにより、印刷工程にて印刷基材に印刷された金属ナノ粒子が焼成され、また、インクに含まれる溶媒を除去することができる。
本開示の製造方法にて、例えば、印刷基材に薄膜トランジスタを形成する場合、絶縁層が印刷された印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷工程の後、薄膜トランジスタが形成された印刷基材を加熱してもよい。
加熱工程における加熱温度は、その目的に応じて適宜設定すればよく、例えば、80℃〜200℃であることが好ましく、100℃〜180℃であることがより好ましく、110℃〜150℃であることがさらに好ましい。
本開示の製造方法は、固定部材から導体パターンが印刷された印刷基材を剥離する工程(剥離工程)を有する。これにより、フレキシブル電子デバイスを製造することができる。なお、剥離工程は、加熱工程の前であってもよく、加熱工程の後であってもよい。
本開示の製造方法では、製造されたフレキシブル電子デバイスにて実際に印刷された上部電極の位置と、予め想定していた上部電極の位置とを比較し、両者の位置の相違に応じて次回以降の印刷基材の上部電極の印刷位置を調節してもよい。これにより、より効率的、かつ精度良くフレキシブル電子デバイスを製造することができる。
<積層体>
本開示の積層体は、印刷基材と、前述の本開示の固定部材と、キャリアシートとがこの順で積層され、フレキシブル電子デバイスの製造に用いられる。本開示の積層体を搬送し、印刷基材に導体パターンを形成することにより、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造することができる。例えば、キャリアシートに固定部材を介して印刷基材を固定し、キャリアシートごと圧胴及び搬送胴の表面上を搬送しつつ、印刷基材に導体パターンを形成することができる。これにより、圧胴及び搬送胴における印刷基材の受け渡しの際にその都度、固定部材に印刷基材を固定する必要がなく、搬送速度を上げられるとともに、印刷基材の剥離の際に印刷パターンにかかるストレスが少なく、変形が抑制される傾向にある。
<印刷装置>
本開示の印刷装置は、圧胴と、印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面が前記圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられた前述の本開示の固定部材と、前記固定部材に貼り付けることにより固定される前記印刷基材に導体パターンを印刷する印刷部と、前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する加熱部と、を備える。本開示の印刷装置は、容易に印刷基材を搬送部である圧胴に固定でき、かつ圧胴から剥離でき、印刷の位置精度を高め、効率よくフレキシブル電子デバイスを製造可能である。
以下、本開示の印刷装置の具体的な構成である、第1実施形態の印刷装置及び第2実施形態の印刷装置について図4及び図6を用いて説明する。図4は、本開示の第1実施形態の印刷装置の概略構成図であり、図6は、本開示の第2実施形態の印刷装置の概略構成図である。なお、本開示の印刷装置は、これらの実施形態に限定されない。
[第1実施形態の印刷装置]
第1実施形態の印刷装置100は、図4に示すように、印刷基材10が配置される印刷基材配置部1と、印刷基材10を圧胴13側に供給する印刷基材供給部2と、印刷基材供給部2から供給された印刷基材10を搬送する搬送胴21、22と、固定部材(図示せず)を介して印刷基材10が固定され、かつ印刷基材10を搬送する圧胴13〜15及び搬送胴16、17と、印刷基材10に下部電極を印刷する第1印刷部3と、印刷基材10に絶縁層を印刷する第2印刷部4と、印刷基材10に上部電極を印刷する第3印刷部5と、搬送胴17から印刷基材10を受け取る印刷基材受取部6と、導体パターンが印刷された印刷基材10が配置される印刷基材配置部7と、を備える。
圧胴13〜15及び搬送胴16、17の表面には、固定部材がそれぞれ貼り付けられており、圧胴13、搬送胴16、圧胴14、搬送胴17及び圧胴15の順に印刷基材10がそれぞれの圧胴に貼り付けられた固定部材に固定された状態で搬送される。
また、圧胴13〜15及び搬送胴16、17、21、22は、搬送する印刷基材10の一部を把持する把持手段1A〜1Gをそれぞれ備えている。圧胴13〜15及び搬送胴16、17、21、22を搬送される印刷基材10は、把持手段1A〜1Gに把持された状態で搬送され、下流側の圧胴又は搬送胴に受け渡しされる際に、下流側の圧胴又は搬送胴に設けられた把持手段により印刷基材10が把持されるとともに、上流側の圧胴又は搬送胴に設けられた把持手段による印刷基材10の把持が解除される。
把持手段1A〜1Gの形状としては、印刷基材の把持及び印刷基材の受け渡しが可能であれば特に限定されず、例えば、圧胴及び搬送胴の表面上に、圧胴及び搬送胴における印刷基材の搬送方向に対して直交する方向に複数の把持部材が一定の間隔を空けて並列に設けられていてもよい。
また、本実施形態の印刷装置100は、第1印刷部3よりも搬送方向上流に圧胴13と対面するニップロール91と、第2印刷部4よりも搬送方向上流に圧胴14と対面するニップロール92と、第3印刷部5よりも搬送方向上流に圧胴15と対面するニップロール93とを備える。
まず、印刷基材配置部1に配置された印刷基材10は、印刷基材供給部2に配置され、圧胴13(第1の圧胴)側に供給される。圧胴13の表面の少なくとも一部には前述の固定部材が貼り付けられており、その固定部材に印刷基材供給部2により供給された印刷基材10が貼り付けられる。
ニップロール91は、第1印刷部3よりも搬送方向上流にて圧胴13と対面し、かつ印刷基材供給部2により供給された印刷基材10を圧胴13に貼り付けられた固定部材に押し当てることにより、固定部材に印刷基材10を固定する。
圧胴13の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、圧胴13が回転することで搬送され、第1印刷部3により印刷基材10に下部電極が印刷される。
第1印刷部3は、圧胴13と対面しており、ブランケット33と、乾燥部23と、電極材料付与部94と、抜き版43と、洗浄部53と、を備える。
ブランケット33は、印刷基材10に下部電極を転写し、所定パターンの下部電極を印刷基材10に印刷するものである。
乾燥部23は、下部電極が印刷された印刷基材10を乾燥するものである。乾燥部23としては特に限定されず、IR(赤外線)、電磁波等を照射する照射装置、温風、熱風等を吹きつける送風機等が挙げられる。
電極材料付与部94は、ブランケット33に電極材料を付与するものである。これにより、ブランケット33の表面に電極材料が付着する。
抜き版43は、ブランケット33の表面に付着した電極材料のうち、不要な電極材料をブランケット33から除去してブランケット33に印刷基材10に転写する電極パターンを形成するものである。
洗浄部53は、電極材料が付着した抜き版43を洗浄するものである。
第1印刷部3にて下部電極が印刷された印刷基材10は、圧胴13が回転することで搬送され、搬送胴16に供給される。このとき、圧胴13に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10の一部を把持する把持手段1Cの把持が解除され、かつ搬送胴16に設けられた把持手段1Dに印刷基材10の一部が把持されることにより、印刷基材10が圧胴13に貼り付けられた固定部材から剥離され、搬送胴16に貼り付けられた固定部材に貼り付けられる。そして、搬送胴16の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、搬送胴16が回転することで搬送される。
印刷基材10は、搬送胴16が回転することで搬送され、圧胴14(第2の圧胴)に供給される。このとき、搬送胴16に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10の一部を把持する把持手段1Dの把持が解除され、かつ圧胴14に設けられた把持手段1Eに印刷基材10の一部が把持されることにより、印刷基材10が搬送胴16に貼り付けられた固定部材から剥離され、圧胴14に貼り付けられた固定部材に貼り付けられる。
ニップロール92は、第2印刷部4よりも搬送方向上流にて圧胴14と対面し、かつ搬送胴16により供給された印刷基材10を圧胴14に貼り付けられた固定部材に押し当てることにより、固定部材に印刷基材10を固定する。
圧胴14の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、圧胴14が回転することで搬送され、第2印刷部4により印刷基材10に絶縁層が印刷される。
第2印刷部4は、圧胴14と対面しており、絶縁材料付与部34と、乾燥部24と、を備える。
絶縁材料付与部34は、下部電極が印刷された印刷基材10に絶縁材料を付与することで絶縁層を印刷するためのものである。
乾燥部24は、絶縁層が印刷された印刷基材10を乾燥するものである。乾燥部24としては特に限定されず、IR(赤外線)、電磁波等を照射する照射装置、温風、熱風等を吹きつける送風機等が挙げられる。
第2印刷部4にて絶縁層が印刷された印刷基材10は、圧胴14が回転することで搬送され、搬送胴17に供給される。そして、圧胴14に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10の一部を把持する把持手段1Eの把持が解除され、かつ搬送胴17に設けられた把持手段1Fに印刷基材10の一部が把持されることにより、印刷基材10が圧胴14に貼り付けられた固定部材から剥離され、搬送胴17に貼り付けられた固定部材に貼り付けられる。そして、搬送胴17の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、搬送胴17が回転することで搬送され、圧胴15(第3の圧胴)に供給される。
搬送胴17に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10の一部を把持する把持手段1Fの把持が解除され、かつ圧胴15に設けられた把持手段1Gに印刷基材10の一部が把持されることにより、印刷基材10が搬送胴17に貼り付けられた固定部材から剥離され、圧胴15に貼り付けられた固定部材に貼り付けられる。
ニップロール93は、第3印刷部5よりも搬送方向上流にて圧胴15と対面し、かつ搬送胴17により供給された印刷基材10を圧胴15に貼り付けられた固定部材に押し当てることにより、固定部材に印刷基材10を固定する。
圧胴15の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、圧胴15が回転することで搬送され、第3印刷部5により印刷基材10に上部電極が印刷される。
第3印刷部5は、圧胴15と対面しており、ブランケット35と、乾燥部25と、電極材料付与部95と、抜き版45と、洗浄部55と、を備える。
ブランケット35は、絶縁層が印刷された印刷基材10に上部電極を転写し、所定パターンの上部電極を印刷基材10に印刷するものである。
乾燥部25は、上部電極が印刷された印刷基材10を乾燥するものである。乾燥部25としては特に限定されず、IR(赤外線)、電磁波等を照射する照射装置、温風、熱風等を吹きつける送風機等が挙げられる。
電極材料付与部95は、ブランケット35に電極材料を付与するものである。これにより、ブランケット35の表面に電極材料が付着する。
抜き版45は、ブランケット35の表面に付着した電極材料のうち、不要な電極材料をブランケット35から除去してブランケット35に印刷基材10に転写する電極パターンを形成するものである。
洗浄部55は、電極材料が付着した抜き版45を洗浄するものである。
本実施形態の印刷装置100は、反転オフセット印刷により、下部電極及び上部電極を印刷基材に印刷する構成を備えているが、本発明の印刷装置はこれに限定されず、例えば、反転オフセット印刷以外の接触型の印刷法により下部電極及び上部電極を印刷基材に印刷する構成を備えていてもよい。
第3印刷部5にて上部電極が印刷された印刷基材10は、圧胴15が回転することで搬送され、圧胴15に貼り付けられた固定部材から印刷基材10が剥離されて印刷基材受取部6に供給される。そして、導体パターンが印刷された印刷基材10は印刷基材配置部7に配置される。
本実施形態の印刷装置100を用いることにより、図5に示すように印刷基材10上に下部電極20、絶縁層30及び上部電極40をこの順に備えるフレキシブル電子デバイス50を製造することができる。
また、本実施形態の印刷装置100は、製造されたフレキシブル電子デバイスにて実際に印刷された上部電極の位置を確認する確認手段と、前記確認手段にて確認された上部電極の位置と、予め想定していた上部電極の位置とを比較し、両者の位置の相違に応じて次回以降の印刷基材の上部電極の印刷位置を調節するように第3の印刷部5を制御する制御部とを更に備えていてもよい。
[第2実施形態の印刷装置]
第2実施形態の印刷装置200は、図6に示すように、固定部材(図示せず)を介して印刷基材10が固定され、かつ印刷基材10を搬送する圧胴110と、印刷基材10に下部電極及び上部電極を印刷するブランケット120(第1印刷部及び第3印刷部)と、印刷基材10に絶縁層を印刷するブランケット130(第2印刷部)と、印刷基材10を乾燥する乾燥部140と、を備える。
更に、印刷装置200は、印刷基材10を供給する供給台150と、圧胴110に印刷基材10を搬送する搬送胴160と、圧胴110から剥離された印刷基材10を搬送する搬送胴180と、搬送胴180から搬送された印刷基材10が供給される排出台190と、を備える。
また、搬送胴160は、供給台150から供給された印刷基材10の一部を把持する第1把持手段(図示せず)を備え、圧胴110は、搬送胴160から搬送された印刷基材10の一部を把持する第2把持手段(図示せず)を備え、搬送胴180は、圧胴110から搬送された印刷基材10の一部を把持する第3把持手段(図示せず)を備える。
また、印刷装置200は、圧胴110と対面し、かつ印刷基材10を圧胴110に貼り付けられた固定部材に押し当てるニップロール170を備える。
供給台150から印刷基材10が搬送胴160に供給され、第1把持手段により把持された印刷基材10が搬送胴160から圧胴110に搬送される。圧胴110に搬送された印刷基材10は、第2把持手段により把持され、圧胴110の表面に貼り付けられた固定部材に貼り付けられる。
ニップロール170が印刷基材10を圧胴110に貼り付けられた固定部材に押し当てることにより、固定部材に印刷基材10が固定される。
圧胴110の表面に貼り付けられた固定部材に固定された印刷基材10は、圧胴110が回転することで搬送され、圧胴110と対面するブランケット120により下部電極が印刷される。
ブランケット120は、下部電極印刷面121及び上部電極印刷面122を備える。ブランケット120は、下部電極印刷面121に付着した電極材料を、印刷基材10に転写し、所定のパターンの下部電極を印刷基材10に印刷する。また、ブランケット120は、上部電極印刷面122に付着した電極材料を、後述するように絶縁層が印刷された印刷基材10に転写し、所定のパターンの上部電極を印刷基材10に印刷する。
下部電極印刷面121には、電極材料付与部(図示せず)から付与された電極材料が付着し、付着した電極材料のうち、不要な電極材料は抜き版(図示せず)により除去される。これにより、下部電極印刷面121に付着した電極材料は所定のパターンを有しており、この電極材料が印刷基材10に転写され、所定のパターンの下部電極が印刷基材10に印刷される。
下部電極が印刷された印刷基材10は、圧胴110が回転することにより搬送され、圧胴110と対面するブランケット130により絶縁層が印刷される。
ブランケット130には、絶縁材料付与部(図示せず)から付与された絶縁材料が付着し、付着した絶縁材料が下部電極が印刷された印刷基材10に転写され、絶縁層が印刷基材10に印刷される。
絶縁層が印刷された印刷基材10は、圧胴110が回転することにより搬送され、圧胴110と対面する乾燥部140により印刷基材10は乾燥される。
乾燥部140は、印刷基材10を乾燥するものである。乾燥部140としては特に限定されず、IR(赤外線)、電磁波等を照射する照射装置、温風、熱風等を吹きつける送風機等が挙げられる。
乾燥部140に搬送された印刷基材10は、乾燥された後、圧胴110が回転することにより搬送され、圧胴110と対面するブランケット120により上部電極が印刷される。
上部電極印刷面122には、電極材料付与部(図示せず)から付与された電極材料が付着し、付着した電極材料のうち、不要な電極材料は抜き版(図示せず)により除去される。これにより、上部電極印刷面122に付着した電極材料は所定のパターンを有しており、この電極材料が絶縁層が印刷された印刷基材10に転写され、所定のパターンの下部電極が印刷基材10に印刷される。
ブランケット120にて上部電極が印刷された印刷基材10は、必要に応じて乾燥部140にて乾燥される。
乾燥部140にて乾燥された後、上部電極が印刷された印刷基材10は、第3把持手段により把持され、圧胴110から剥離され、圧胴110から搬送胴180に搬送される。
搬送胴180から搬送された印刷基材10は排出台190に供給され、印刷装置200の外部に排出される。これにより、上部電極が印刷された印刷基材10を回収できる。
本実施形態の印刷装置200を用いることにより、図5に示すように印刷基材10上に下部電極20、絶縁層30及び上部電極40をこの順に備えるフレキシブル電子デバイス50を製造することができる。
本実施形態の印刷装置200は、圧胴110と対面し、印刷基材10の印刷面を撮影するカメラ等の撮影手段を備えていてもよい。また、印刷装置200は、撮影手段にて撮影された印刷基材10の下部電極パターンの位置に応じて上部電極の印刷位置を調節するようにブランケット120の印刷を制御する制御部を更に備えていてもよい。
本実施形態の印刷装置200は、印刷基材10に下部電極及び上部電極を印刷するブランケット120及び印刷基材10に絶縁層を印刷するブランケット130の替わりに、圧胴110の回転方向からみて、印刷基材10に下部電極を印刷するブランケット、印刷基材10に絶縁層を印刷するブランケット及び印刷基材10に上部電極を印刷するブランケットをこの順に備える構成であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではない。また、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下、比較例1〜3及び実施例1にて印刷装置を用いて印刷基材に下部電極、絶縁層及び上部電極を印刷してフレキシブル電子デバイスを製造した。
[材料]
比較例1〜3及び実施例1にて用いた印刷基材、ならびに固定部材を構成する圧胴側の粘着剤層、印刷基材側の粘着剤層、支持体及び非粘着部の構成は以下の通りである。
<印刷基材>
PEN:ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製、商品名:テオネックス(登録商標)、型番:PQDA5、厚さ125μm、幅400mm、長さ300mm)
<圧胴側の粘着剤層>
シリコーン系粘着シート(株式会社京写製、マジキャリー(登録商標)β タイプNH、粘着層厚さ75μm、幅330mm、長さ240mm)
マジキャリーβは、ポリイミドフィルム基材の片面に再剥離が可能な弱粘着層を、もう片面に再剥離できない強粘着層を積層した構成になっており、各実施例及び各比較例では強粘着側を支持体に貼り付け、弱粘着側を圧胴側に貼り付けた。
<印刷基材側の粘着剤層>
シリコーン系粘着シート(株式会社京写製、マジキャリー(登録商標)β、タイプNM、粘着層厚さ75μm、幅330mm、長さ240mm、印刷基材に貼り合わせた状態で180℃、60分の条件にて加熱した加熱処理後の剥離力と、加熱前の剥離力との比(加熱処理後の剥離力/加熱前の剥離力)が1.5)
印刷基材側のマジキャリーβも強粘着側を支持体に、弱粘着側を印刷基材を固定するための粘着剤層とした。
<支持体>
PEN:ポリエチレンナフタレート(帝人フィルムソリューション株式会社製、商品名:テオネックス(登録商標)、型番:PQDA5、厚さ125μm、幅400mm、長さ300mm、ガラス転移温度155℃、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率0.2%)
<非粘着部>
ポリイミド(東洋紡株式会社製、商品名:ゼノマックス、厚さ38μm、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率0.1%)
[比較例1]
圧胴側の粘着剤層、支持体及び印刷基材側の粘着剤層がこの順に積層された固定部材を準備した。印刷基材側は粘着面全面(幅330mm、長さ240mm)を露出させた。
比較例1で準備した固定部材を図6に示す印刷装置の圧胴の表面に貼り付けた。
なお、比較例1では、粘着剤層全面により印刷基材は固定される(全面固定)
[比較例2]
圧胴側の粘着剤層、支持体、印刷基材側の粘着剤層及び非粘着部がこの順に積層された固定部材を準備した。比較例2の固定部材は、図7に示すように、支持体84、粘着剤層85及び非粘着部86がこの順に積層され、幅方向の両端にて、粘着剤層85が露出したものである。露出した粘着剤層85の両幅はそれぞれ15mmであり、非粘着部86の幅は300mmであり、長さは240mmであった。
比較例2で準備した固定部材を図6に示す印刷装置の圧胴の表面に貼り付けた。
なお、比較例2では、幅方向に露出した二辺の粘着剤層85により印刷基材は固定される(二辺固定)。
[実施例1]
圧胴側の粘着剤層、支持体、印刷基材側の粘着剤層及び非粘着部がこの順に積層された固定部材を準備した。実施例1の固定部材は、図3に示すように、支持体64、粘着剤層65及び非粘着部66がこの順に積層され、粘着剤層65の幅方向の両端及び長さ方向の両端にて粘着剤層65が露出したものである。幅方向の露出した粘着剤層65の長さはそれぞれ15mmであり、長さ方向の露出した粘着剤層65の長さは印刷基材を搬送するときの上流側にて30mmであり、印刷基材を搬送するときの下流側にて15mmであった。非粘着部66の幅は300mmであり、長さは195mmであった。
実施例1で準備した固定部材を図6に示す印刷装置の圧胴の表面に貼り付けた。
なお、実施例1では、幅方向に露出した二辺の粘着剤層65及び長さ方向に露出した二辺の粘着剤層65により印刷基材は固定される(四辺固定)。
[印刷基材の固定]
比較例1にて固定部材を貼り付けた圧胴に印刷基材を粘着固定する方法を検討した。まず、ニップロールで印刷基材を押さえ、粘着剤層と印刷基材との間の噛み込んだ気泡を抜きながら圧胴に貼り付けた固定部材に印刷基材を粘着固定した。このとき、ニップロールの幅は印刷基材の幅よりも大きい420mmとし、印刷基材全面に均一に圧力がかかるようにした。また、印刷基材の重心が支持体の重心と一致するように固定部材に印刷基材を粘着固定した。ここで、(1)印圧と同じ条件でブランケットを用いて圧胴に貼り付けた固定部材に印刷基材を粘着固定させた場合、(2)ブランケットを用いたときの押し込み量を前述の(1)から13μm増加させて圧胴に貼り付けた固定部材に印刷基材を粘着固定させた場合、及び(3)前述の(2)とともに、印刷基材の搬送方向下流側を支えて持ち上げた状態で印刷基材の搬送方向上流側から徐々に印刷基材を圧胴に貼り付けた固定部材に粘着固定させた場合、で気泡の噛み込み度合いを評価した。(1)では印刷基材全面に亘って多くの気泡が発生していることが確認され、前述の(2)では気泡の発生が著しく減少しており、前述の(3)では前述の(2)よりも気泡の発生が減少していた。
以下の比較例1〜3及び実施例1の実験では、前述の(2)に基づき圧胴に貼り付けた固定部材に印刷基材を粘着固定させた。
[印刷基材の印刷]
比較例1〜3及び実施例1では、圧胴に貼り付けた固定部材に粘着固定された印刷基材に導体パターンを印刷した。具体的には、ゲート電極パターンを、銀ナノインク(RAGT−19、DIC株式会社製)を用いて反転オフセット印刷機にて印刷した後、定格2.4kWの赤外線ヒータ2本を印過電圧122Vで点灯した加熱域を、13.1mm/秒の速度で印刷基材を移動させながらトータル13秒間乾燥(仮焼成)した。次に、ブランケットを用いてゲート絶縁層インク(SC−GI01/RP、住友化学株式会社製)を塗布し、ゲート電極パターンと同じ条件で乾燥(仮焼成)した。次に、ソースドレイン電極パターンを、銀ナノインク(RAGT−19、DIC株式会社製)を用いて反転オフセット印刷機にて印刷した後、固定部材から導体パターンが印刷された印刷基材を剥離した。固定部材から剥離後、導体パターンが印刷された印刷基材(仮焼成あり)について印刷基材の収縮を検証した。
また、ゲート電極パターンの印刷後及びソースドレイン電極パターンの印刷後に乾燥を行わずに導体パターンが印刷された印刷基材を作製し、この印刷基材(仮焼成なし)について印刷基材の収縮を検証した。
印刷基材の収縮としては、印刷基材の幅方向における設計値からのズレ値に基づき評価した。
結果を表1に示す。なお、表1中の外周寸法は、幅方向の設計値からのずれ量(μm)を意味し、マイナスの数値は収縮を意味し、プラスの数値は膨張を意味する。外周寸法の絶対値が小さいほど、
[印刷抜けの評価]
比較例1〜3及び実施例1にて、圧胴に貼り付けた固定部材に粘着固定された印刷基材にブランケット一面に塗布したインク(RAGT19、DIC株式会社製)をベタ印刷し、印刷されない領域(印刷抜け)が生じるかについて評価を行った。
比較例1及び比較例2について結果を図8及び図9に示す。
図8に示すように、比較例1では、直径2mm程度の無数の白点が見られ、印刷抜けが生じていることが確認された。さらに、印刷領域の端部を詳細に観察すると、振幅2mm程度の凹凸形状が確認された。ブランケットには均一にインクが塗布されていたことから、この凹凸形状は印刷基材を固定した粘着剤層に起因するものと推測される。より詳細には、印刷基材は、凹凸形状を有する粘着剤層に全面固定されているため、印刷基材も凹凸形状に追随して変形しており、その結果として印圧がかかりにくく印刷抜けが生じやすいと推測される。
一方、図9に示すように、比較例2では、白点はほとんど見られず、印刷抜けが比較例1よりも大きく低減していた。また、実施例1においても比較例2と同様、白点はほとんど見られず、印刷抜けが比較例1よりも大きく低減していた。比較例2、3及び実施例1では、固定部材が非粘着部を備えており、この固定部材が印刷基材と接触しているため、凹凸形状を有する粘着剤に追随して変形しにくく、均一性高く印圧がかかりやすいため、印刷抜けが生じにくいと推測される。
以下、各実験の結果を表2にまとめる。表2に示すように、実施例1では、比較例1〜3に対して印刷抜け、印刷基材の変形及び印刷基材の収縮が抑制されており、印刷精度も良好であった。
[実施例2〜4]
非粘着部として、SUS(厚さ100μm、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率0%)、PEN(帝人フィルムソリューション株式会社製、商品名:テオネックス(登録商標)、型番:PQDA5、厚さ125μm、幅400mm、長さ300mm、ガラス転移温度155℃、厚さ50μm、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率0.2%)及びポリイミド(東洋紡株式会社製、商品名:ゼノマックス、厚さ25μm、180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率0.1%)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして固定部材を作製し、実施例1と同様に印刷基材の印刷を行った。
実施例2〜4においても、実施例1と同様に、印刷抜け、印刷基材の変形及び印刷基材の収縮が少なく、印刷精度が良好であることを確認した。
1…印刷基材配置部、2…印刷基材供給部、3…第1印刷部、4…第2印刷部、5…第3印刷部、6…印刷基材受取部、7…印刷基材配置部、10…印刷基材、13〜15、110…圧胴、16、17、21、22…搬送胴、20…下部電極、23〜25…乾燥部、30…絶縁層、33、35、120、130…ブランケット、34…絶縁材料付与部、40…上部電極、43、45…抜き版、50…フレキシブル電子デバイス、53、55…洗浄部、61、63、65、85…粘着剤層、62、66、86…非粘着部、64、84…支持体、91、92、93…ニップロール、94、95…電極材料付与部、100、200…印刷装置、121…下部電極印刷面、122…上部電極印刷面、140…乾燥部、150…供給台、160、180…搬送胴、170…ニップロール、190…排出台、1A〜1G…把持手段

Claims (15)

  1. 印刷基材を固定する粘着剤層と、
    非粘着部と、を備え、
    前記非粘着部の外周部に前記粘着剤層が設けられており、かつ前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向にて、前記非粘着部は前記粘着剤層よりも外側に突出している固定部材。
  2. 前記非粘着部は、前記粘着剤層上に配置されており、前記非粘着部の外周部にて前記粘着剤層が露出している請求項1に記載の固定部材。
  3. 前記粘着剤層に含まれる粘着剤を前記印刷基材に貼り合わせた状態で180℃、60分の条件にて加熱した加熱処理後の剥離力と、加熱前の剥離力との比(加熱処理後の剥離力/加熱前の剥離力)が0.5〜5.0である請求項1又は請求項2に記載の固定部材。
  4. 支持体を更に備え、
    前記支持体の一方の面側に前記粘着剤層及び前記非粘着部が設けられており、
    前記支持体の他方の面側に粘着剤層を更に備える請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の固定部材。
  5. 前記支持体の厚さは、25μm〜250μmである請求項4に記載の固定部材。
  6. 前記非粘着部を180℃、30分の条件にて加熱したときの寸法変化率は、1%以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固定部材。
  7. 前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向において、前記非粘着部の表面と前記粘着剤層の表面との距離は、10μm〜500μmである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の固定部材。
  8. 前記粘着剤層及び前記非粘着部の厚さ方向において、前記非粘着部の表面と前記粘着剤層の表面との距離に対する前記粘着剤層の幅の比(粘着剤層の幅/距離)は、10以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の固定部材。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固定部材に前記印刷基材を貼り付けて前記印刷基材を前記固定部材に固定する工程と、
    前記固定部材に固定した前記印刷基材の表面に導体パターンを印刷する工程と、
    前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する工程と、
    前記固定部材から前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を剥離する工程と、を含むフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  10. 前記固定部材の前記印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面が圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられている請求項9に記載のフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  11. 前記固定部材の前記印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面がキャリアシートに貼り付けられている請求項9に記載のフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  12. 印刷基材と、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固定部材と、キャリアシートとがこの順で積層されたフレキシブル電子デバイスの製造に用いられる積層体。
  13. 圧胴と、
    印刷基材と貼り合わせる側とは反対側の面が前記圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられた請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固定部材と、
    前記固定部材に貼り付けることにより固定される前記印刷基材に導体パターンを印刷する印刷部と、
    前記導体パターンが印刷された前記印刷基材を加熱する加熱部と、
    を備える印刷装置。
  14. 前記圧胴は、第1の圧胴、第2の圧胴及び第3の圧胴を備え、
    前記印刷部は、前記第1の圧胴と対面し、前記印刷基材に下部電極を印刷する第1印刷部、前記第2の圧胴と対面し、前記下部電極が印刷された前記印刷基材に絶縁層を印刷する第2印刷部、及び、前記第3の圧胴と対面し、前記絶縁層が印刷された前記印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷部を備え、
    前記印刷基材が固定される固定部材は、前記第1の圧胴の表面の少なくとも一部、前記第2の圧胴の表面の少なくとも一部及び前記第3の圧胴の表面の少なくとも一部に貼り付けられている請求項13に記載の印刷装置。
  15. 前記印刷部は、前記圧胴と対面し、前記印刷基材に下部電極を印刷する第1印刷部、前記圧胴と対面し、前記下部電極が印刷された前記印刷基材に絶縁層を印刷する第2印刷部、及び、前記圧胴と対面し、前記絶縁層が印刷された前記印刷基材に上部電極を印刷する第3印刷部を備える請求項13に記載の印刷装置。
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