本開示は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法、およびキャリブレーションを自動的に管理する方法に関連付けられた動作を実行する体外診断システムに関する。
医療では、医師の診断および患者の処置は、多くの場合、患者サンプル中の分析物の濃度または他のパラメータの測定に依存している。この測定は典型的に、特定のタイプのサンプルを分析し、様々な検出技術を使用して特定のタイプの分析物を検出するように構成され得る体外診断システムによって実行される。患者の寿命はそのような測定の精度および信頼性に依存し得るため、システムが正しく実行されることが重要である。
体外診断システムにとって、正しく動作し続けていることを確認するために一連の品質管理(QC)手順を実施することが一般的な要件である。
これらの手順の1つがキャリブレーションである。ほとんどの場合、キャリブレーションは、既知の濃度を示す標準液を使用して実行される。このようにして、測定された信号を定量的な結果に関連付けることが可能になる。キャリブレーションは、パフォーマンスに影響を与え得るシステムおよび他の変動要因に頻繁に依存して多かれ少なかれ実行されるべきである。これらの要因の1つは試薬の経年化であり、これは、試薬容器が初めて開けられた予め決められた時間後の試薬の期限終了につながる。
実効スループットおよびユーザビリティに加えて体外診断システムの実行のコストは、キャリブレーション手順の実行および反復にかなりの時間を捧げなければならないかもしれないという事実による影響を受ける可能性がある。また、キャリブレーションの欠落または期限終了により遅延が発生する場合がある。これは、ランダムなシーケンスで様々なサンプルを処理し、様々な分析物に対してテストを行うように構成されている、ならびにサンプルのタイプおよび/または対象の分析物に従う様々な試薬が使用される、これらの体外診断システムにさらに当てはまることであり、これは、このようなサンプル/分析物/試薬の組み合わせの各々に対するキャリブレーション手順が必要とされ得ることおよびその頻度が様々であり得ることを意味している。他の試薬よりも早く期限終了になり得る様々な試薬があるという事実から、複雑さの度合いはさらに増す。したがって、キャリブレーションおよび期間の有効性には時間制限があり、その中で試薬容器が特定のキャリブレーションを参照して使用され得る。さらに、幾つかの試薬に関して、少なくとも予め定義された期間内で同一ロットの試薬容器に適用可能である単一ロットキャリブレーションを参照することが可能である一方で、他の試薬に関しては、一般的にまたは特定の条件下で、試薬容器に特有のキャリブレーションのみが可能であり、これは、特定の試薬容器を使用するために、同一の試薬容器を用いたキャリブレーションが最初に実行され、解放され 、およびアクティブ化されなければならず、典型的に手動の介入を必要とすることを意味している。
したがって、ユーザにとって、各試薬容器または分析物/試薬の組み合わせに関して、利用可能なキャリブレーションおよび期限が終了したキャリブレーションの経過を追うこと、新しいキャリブレーションを実行することおよび割り当てることを含む、キャリブレーションプロセスを管理することは、厄介なことであり、混乱を招き、および時間がかかることであって、さらなる遅延につながり、最終的に効率がさらに低下してコストが増加する不要なキャリブレーションの実行につながる可能性があるという、別の問題が懸念されている。
体外診断システムでのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法と、キャリブレーションを管理する方法に関連付けられた動作を実行する命令とともに提供されたコンピュータ読み取り可能なプログラムを実行するキャリブレーション管理システムを含む体外診断システムとが本明細書で導入され、これらは、ユーザ介入を最小化し、キャリブレーション手順の数およびキャリブレーション手順に費やされる時間を最小化し、キャリブレーションの欠落または期限終了が原因の定期的な操作の遅延を最小化することを可能にする一方で、期限終了前の試薬の最適な使用を可能にし、それ故、コストも節約して、しばしば高価な材料の無駄な消費も防ぐことができる。
一実施形態によれば、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法は、ロットキャリブレーション期間を判定する工程であって、ロットキャリブレーション期間に、ロットキャリブレーションを同一ロットの試薬容器に適用可能であり、ロットキャリブレーション期間が、ロットキャリブレーションが利用可能になった時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程と、ロットの試薬容器を体外診断システムに利用可能にした後に、ロットキャリブレーション期間を超えていないロットキャリブレーションが利用可能であるか否かを判定し、試薬容器を利用可能なロットキャリブレーションに、または1を超えるロットキャリブレーションが利用可能である場合に最も最近の利用可能なロットキャリブレーションにリンクする工程とを含む。同一ロットに対する新しいロットキャリブレーションが利用可能になった場合、前記方法はさらに、以前のロットキャリブレーションへの既存のリンクを新しいロットキャリブレーションへのリンクと交換する工程を含む。
「体外診断システム」は、体外診断のためのサンプルの解析向けの研究室自動化装置である。体外診断システムは、ニーズに応じたおよび/または望ましい研究室のワークフローに応じた様々な構成を有し得る。複数の装置および/またはモジュールを一緒に連結することによって追加の構成も得られ得る。「モジュール」は、典型的に体外診断システム全体よりもサイズが小さい作業セルであり、専用の機能を有している。この機能は解析的な機能であり得るが解析前もしくは解析後の機能であってもよく、または解析前機能、解析機能、もしくは解析後機能のいずれかに対する補助機能であり得る。特に、モジュールは、例えば、1つまたは複数の解析前および/または解析および/または解析後のステップを実行することによって、サンプル処理ワークフローの専用タスクを実行するために1つまたは複数の他のモジュールと協働するように構成されてもよい。したがって、体外診断システムは、1つの分析装置またはそのような分析装置のいずれかとそれぞれのワークフローとの組み合わせを含み得、解析前および/または解析後のモジュールは、個々の分析装置に連結され得るか、または複数の分析装置によって共有され得る。代替的に、解析前および/または解析後の機能は、分析装置に統合されたユニットによって実行され得る。体外診断システムは、本開示を任意の特定の体外診断システムに限定する意図なしに、サンプルおよび/または試薬および/またはシステム流体のピペット操作および/またはポンピングおよび/または混合のための液体処理ユニットなどの機能ユニット、ならびに選別、保存、搬送、識別、分離、および/または検出のための機能ユニットも含むことができる。体外診断システムの例としては、臨床化学分析装置、免疫化学分析装置、血液凝固分析装置、血液分析装置、および分子診断分析装置を挙げることができる。リストは網羅的ではない。
「サンプル」という用語は、1つまたは複数の対象の分析物を含むと思われる生物学的材料を指し、その検出、定性および/または定量は臨床状態に関連付けられ得る。サンプルは、血液、唾液、水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水液、粘液、滑液、腹腔液、羊膜液、組織、細胞などを含む、生理液などの任意の生物源に由来し得る。サンプルは、血液からの血漿または血清の調製、粘性流体の希釈、溶解など、使用前に前処理することができ、処理方法には、ろ過、遠心分離、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、および試薬の添加が含まれ得る。サンプルは、幾つかの場合では生物源から得て直接使用され得るか、または例えば、1つまたは複数の体外診断テストを実行すること、もしくは対象の分析物を富化(抽出/分離/濃縮)することおよび/または対象の分析物の検出に干渉する可能性のあるマトリックス成分を除去することを可能にするために、例えば、内部標準を追加した後、別の溶液で希釈された後、もしくは試薬と混合された後に、サンプルの特性を変更する前処理および/またはサンプル調製のワークフローに従って使用され得る。サンプルは、例えば、一次管および二次管を含むサンプル管、またはマルチウェルプレート、または開いたもしくは閉じた任意の他のサンプル搬送支持体などの、サンプル容器に提供され得る。
「試薬」は、例えば、解析用のサンプルもしくは測定用のキャリブレータを調製するために、反応を生じさせるために、またはサンプル、キャリブレータ、またはサンプルもしくはキャリブレータに含まれる分析物の物理パラメータの検出を可能にするために、サンプルまたはキャリブレータの処置に使用される物質である。特に、試薬は、反応物、典型的には、例えば、1つまたは複数の分析物または望ましくないマトリックス成分に結合するまたはそれらを化学的に変換することができる化合物または薬剤であるか、またはそれらを含む物質であり得る。反応物の例としては、酵素、酵素基質、共役色素、タンパク質結合分子、リガンド、核酸結合分子、抗体、キレート剤、プロモータ、阻害剤、エピトープ、抗原などが挙げられる。しかし、試薬という用語は、水もしくは他の溶媒もしくは緩衝液を含む希釈液、またはタンパク質、結合タンパク質もしくは表面への分析物の特異的もしくは非特異的な結合の破壊に使用される物質を含む、サンプルもしくはキャリブレータに追加することができる任意の流体を含むように使用される。試薬は典型的に試薬容器内に配される。
試薬容器は、例えばプラスチックもしくはガラスなどの任意の形状および材料の個々の容器として、または同じもしくは異なる試薬を含有している個々の試薬容器もしくは複数の試薬容器を含有しているカセットとして具現化され、体外診断システムの収納コンパートメントまたはコンベア内の適切なレセプタクルまたは位置に配置されるように適用され得る。他のタイプの試薬またはシステム流体が、バルク容器にまたはライン供給を介して提供されてもよい。
特定の実施形態によれば、試薬は、例えば密封されたガラス試薬容器内に提供される、乾燥または凍結乾燥された試薬である。
特定の実施形態によれば、試薬は凝固試薬である。一実施形態によれば、体外診断システムは、凝固試験を実行し、凝固試薬の使用を伴う凝固分析装置を備える。特に、幾つかの凝固試薬、例えば、プロトロンビン時間(PT)試験に使用されるトロンボプラスチン試薬は、保存寿命を延ばすために、凍結乾燥された形態で提供される。幾つかの凝固試薬を含む幾つかの試薬は液体形態で提供され得る。例えば、PT試薬とは対照的に、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)試薬は液体製剤として提供され得る。これは、凝固反応を開始する活性化因子が、トロンボプラスチン試薬とは異なり、固有の生物学的機能を持たない不活性物質であるためである。酵素活性ではなく、むしろ凝固因子XII(APTTの開始点)と反応することは、この物質の荷電性質である。その結果、保存寿命は凍結乾燥された試薬よりも幾分短いが、試薬は液体として安定している。一旦開けられると、空気にさらされて製品の安定性がゆっくりと低下し始めるため、開けられた容器の安定性の問題が生じる。対照的に、塩化カルシウムなどの試薬は不活性な化学物質であり、したがって、開けられた後でもより長い保存寿命とより長い安定性の両方を有することができる。
例えば幾つかの血液検査の実行に使用される試験のための比較的大量の液体を必要とする幾つかの試薬は、密閉された試薬容器内の濃縮された液体製剤として提供され、試験で使用する前に希釈されなければならない。したがって、使用前に現場で濃縮された液体試薬を希釈することによって、より大量の液体およびより重い容器の輸送および移動を含む保存および処理が防がれ得る。試薬容器は開けられると、空気にさらされて製品の安定性がゆっくりと低下し始めるため、開けられた容器の安定性の問題が生じる。
したがって、特定の実施形態によれば、試薬は濃縮された液体試薬である。特定の実施形態によれば、試薬は血液試薬である。一実施形態によれば、体外診断システムは、血液学試験を実施し、血液試薬の使用を伴う血液分析装置を備える。
他の実施形態によれば、試薬は、体外診断に使用するための任意の他のタイプの試薬であり得る。
「キャリブレータ」は、キャリブレーションに使用される1つまたは複数のキャリブレーション材料の既知の値を含む、および典型的に試薬の使用を含む、サンプルと同じ条件下で測定される、キャリブレーション溶液である。キャリブレータは、ゼロ濃度を含む様々な濃度範囲のキャリブレーション材料、即ち、ブランク溶液に対応する様々なレベルで提供され得る。典型的に、分析物濃度に対する線形応答の場合、1点または2点のキャリブレーションには、それぞれ、キャリブレータの1つのレベルまたは2つのレベルが使用される。3つまたはそれ以上のキャリブレータレベル、例えば、5、6までまたはそれ以上のレベルは、キャリブレーション曲線が非線形である場合に使用され得る。
「キャリブレーション材料」は、その濃度が知られている、対象の分析物と同一である分析物であり得るか、またはその濃度が知られている、対象の分析物と同一である分析物を、反応もしくは誘導体化、例えば断片化によって生成する分析物であり得るか、または対象の分析物を模倣するかもしくはそうでなければ対象の特定の分析物と相関し得る、既知の濃度の任意の他の同等物であり得る。
「キャリブレーション」は、同じワークフローおよび同じ試薬の使用を含む、測定されたサンプルの同じ条件下でキャリブレータに存在するキャリブレーション材料の既知の値を測定することによって、測定されたサンプル信号をサンプル中の分析物の濃度の定量結果に関連付けることができる手順である。特定のサンプル、特定の対象の分析物、特定のワークフローおよび測定条件によって変わり得る、信号のタイプおよび特に様々な濃度での信号の線形または非線形に依存して、キャリブレーション手順は、分析装置の検出の範囲(ダイナミックレンジ)および/またはサンプルに見られ得る分析物の濃度の典型的な範囲内にあるキャリブレーション材料の様々な濃度範囲に対応するキャリブレータの1つまたは複数のレベルを測定する工程を含み得る。1つのキャリブレータレベルのみが測定される場合、キャリブレーション手順は1点のキャリブレーション手順である。キャリブレータの2つのレベルが測定される場合、キャリブレーション手順は2点のキャリブレーション手順であり、以降のキャリブレータレベルも同じである。「多点のキャリブレーション手順」は、複数のキャリブレータレベル、即ち、少なくとも2つおよび典型的には3つまたはそれ以上のキャリブレータレベルを測定する工程と、特に複数のキャリブレーション点の各々に対するそれぞれのキャリブレータレベルを測定する工程とを含み、それによって複数のそれぞれのキャリブレーション点を得る、キャリブレーション手順である。
他の実施形態によれば、「キャリブレーション」は、測定されたサンプル信号を定性的結果、即ち、単に分析物の存在または不在に関連付けることを可能にする手順でもあり得る。そのような場合、通常、正常な健康なサンプルを異常な病原サンプルと区別する閾値またはカットオフなどの基準が定義されている。定性キャリブレーションには、多くの場合、2つのキャリブレーション溶液が使用され、1つは分析物が存在しないもの(ネガティブキャリブレータ)であり、もう1つは検出可能な量の分析物を有するもの(ポジティブキャリブレータ)である。
特定のサンプル、特定の対象の分析物、サンプル/試薬の組み合わせおよび測定条件を含む特定のワークフローに応じて、様々なキャリブレーション手順が実行されなければならないかもしれず、その各々が、異なるキャリブレータまたは複数のキャリブレータおよび最終的には様々なレベルのキャリブレータおよび/または異なるレベルを含む可能性があり、それぞれの試薬容器から1つ、2つまたはそれ以上の試薬を含む可能性がある。より多くの試薬が必要とされる場合、それぞれの試薬容器は、複数容器の試薬カセットにグループ化されて提供されるか、または互いに別々に提供され得る。例えば、試薬カセットは、同一タイプおよび同一ロットの複数の、例えば、2つ、3つ、またはそれ以上の試薬容器を含み得、ここで、様々な試薬カセットの試薬容器がキャリブレーションおよび/または試験のために必要とされ得る。
「キャリブレーション結果を計算する」とは、測定されたキャリブレーション点の変化量または分散量(標準偏差)を計算することによって、測定されたキャリブレーション点に最適にフィットしている、線または曲線、即ち数学関数を構築する、ならびにプロセスで生じた未知のおよび/またはランダムな誤差に起因する測定誤差が原因で構築された線または曲線にどれほどの不確実性が存在しているかなどの統計的推論を考慮に入れる回帰分析を含む、プロセスである。プロセスは、同じ条件下で構築された線もしくは曲線を、それぞれ、基準の線もしくは曲線または以前に構築された線もしくは曲線と比較する工程、および/または個々のキャリブレーション点を基準値もしくは以前に測定された値と比較する工程を含み得る。
計算された結果に基づいてキャリブレーションの「失敗または成功を判定すること」は、体外診断システムの仕様に従って、測定誤差を定量化し、測定誤差が要求閾値より小さいか否かを判定するプロセスである。特に、測定誤差が要求閾値よりも大きいときにキャリブレーションの失敗が判定され、一方で測定誤差が要求閾値よりも小さいときにキャリブレーションの成功が判定される。
キャリブレーションを「解放する」とは、体外診断システムによるおよびそれが参照する試薬容器に関連する使用のためにキャリブレーションを成功させるステップである。
キャリブレーションを「アクティブ化する」とは、体外診断システムによるおよびそれが参照する試薬容器に関連する使用のために、解放されたキャリブレーションを選択するステップである。したがって、キャリブレーションを解放することは、必ずしもそれが体外診断システムによって参照されたものであると暗示しているわけではなく、試薬容器に関連する解放されたキャリブレーションが1つを超えて存在し得るが、その一方で、一度に1つのみが特定の試薬容器に関連して使用され得る。それ故、使用するためには解放されたキャリブレーションをアクティブ化する必要があり、それによって「アクティブなキャリブレーション」になる。
解放は手動または自動による手順のいずれかであり得、ここで、本開示の方法によるアクティブ化は自動手順である。
「ロットキャリブレーション」は、ロットキャリブレーション期間内に、与えられたロットの試薬容器を使用して得られる、および同一の試薬容器だけではなく、同一ロットの他の試薬容器、少なくとも体外診断システムに利用可能であるまたは利用可能になる試薬容器にも適用可能である、キャリブレーション手順の結果である。
「ロットキャリブレーション期間」は、ロットキャリブレーションが利用可能になった時間から始まる予め定義された時間の長さを有する時間窓である。
本開示に従って「期間または制限時間または期限終了時間を判定すること」は、期間の開始を判定することおよび開始が判定されると期間の終了を計算することを含み、その期間の長さは予め決められている。期間の長さは、試薬容器間で異なり、典型的に、試薬容器のタイプ、その中に含まれる試薬、および試薬の使用に基づいて予め決められる。
キャリブレーションが利用可能になったときの時間とは、キャリブレーション手順の結果が利用可能になったときの時間、例えば、キャリブレーションの成功が判定された時間、またはキャリブレーションが解放されたときの時間、またはキャリブレーションが、特定の使用事例に依存して、および例えば、キャリブレーションが手動もしくは自動で解放されたか否かという事実に依存してアクティブ化されたときの時間を指す。
試薬容器が体外診断システムに利用可能になったときの時間とは、試薬容器が体外診断システムに装填され、体外診断システムによって登録されたときの時間、または例えば、試薬容器の開口後のみに、もしくは特定の使用事例に依存して、例えば、体外診断システムおよび/または試薬容器/試薬に依存して、試薬容器中の試薬を再構成もしくは希釈した後に、試薬容器が体外診断システムによる使用に利用可能になったときの時間を指す。
用語「試薬容器をキャリブレーションにリンクする」とは、試薬容器とキャリブレーション結果との間の仮想リンクを作成するプロセスを指し、ここで、キャリブレーション結果は、メモリ位置でキャリブレーションライブラリに一度だけ電子的に保存される。したがって、1つを超える試薬容器が同じキャリブレーション、例えば、ロットキャリブレーションを参照する場合、キャリブレーションファイルをコピーするまたは関連付けられる各試薬容器に関してファイルを変更する必要なしに、同じファイルへのリンクが確立される。また、リンクは、元のファイルを変更することなく、新しいリンクと交換可能であるか、削除または無効化または再確立可能であるという意味で動的である。特に、リンクを削除、無効化、または交換することは、不可逆的なプロセスではなく、幾つかの特定の場合では、以前のキャリブレーションへのリンクが再確立されてもよい。
一実施形態によれば、前記方法は、個々の試薬容器に適用可能である「個々のリンクされた容器の期間」を判定する工程であって、個々のリンクされた容器の期間に、ロットキャリブレーションを個々の試薬容器にリンクすることができ、個々のリンクされた容器の期間が、個々のリンクされた試薬容器が利用可能になった、例えば体外診断システムによる使用の準備ができた時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含み、ここで、以前のロットキャリブレーションへの既存のリンクを新しいロットキャリブレーションへのリンクと交換することは、個々のリンクされた容器の期間内およびロットキャリブレーション期間内でのみ許される。
一実施形態では、前記方法は、ロットキャリブレーションの時間制限を判定する工程であって、ロットキャリブレーションの時間制限までに、体外診断システムに利用可能となるようにされたロットの個々の試薬容器を使用することによって、新しいロットキャリブレーションを得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限が、個々の試薬容器が利用可能になった、例えば体外診断システムによる使用の準備ができた時間から開始する予め定義された長さを有する、工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、遅くとも個々のリンクされた容器の期間が終了したときに、個々のリンクされた試薬容器からロットキャリブレーションへのリンクを削除または無効化する工程、および遅くともロットキャリブレーション期間が終了したときに、任意のまだリンクされている試薬容器からロットキャリブレーションへのリンクを削除または無効化する工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、特定の試薬容器を使用して容器に特有のキャリブレーションを引き起こす工程と、容器に特有のキャリブレーションの解放後、ロットキャリブレーションへのリンクが削除または無効化されることで体外診断システムによる特定の試薬容器のさらなる使用が可能になる前に、容器に特有のキャリブレーションを特定の試薬容器にリンクする工程とを含む。
一実施形態によれば、前記方法は、特定の試薬容器に適用可能である、容器に特有のキャリブレーション期間を判定する工程を含む。
「容器に特有のキャリブレーション」とは、容器に特有のキャリブレーション期間内に、特定の試薬容器を使用して得られるおよびその特定の試薬容器にのみ適用可能である、キャリブレーション手順の結果である。
「容器に特有のキャリブレーション期間」とは、容器に特有のキャリブレーションが利用可能になったときの時間から開始する予め定義された時間の長さを有する時間窓である。
用語「引き起こす」または「引き起こす工程」は、本明細書において、自動的に体外診断システムによって開始もしくは実行される自動手順、または体外診断システムによって作成されるおよびユーザに手動で介入するように促す警告のいずれかを意図するために使用されるか、またはその両方の組み合わせとしての半自動手順を意図するために使用される。
一実施形態によれば、前記方法は、「開いた容器の期限終了時間」を判定する工程であって、開いた容器の期限終了時間が、試薬容器を最初に開く時間から開始する予め定義された時間の長さを有し、個々のリンクされた容器の期間および容器に特有のキャリブレーション期間が、開いた容器の期限終了時間を超えることができない、工程を含む。
一実施形態によれば、与えられたサンプル/分析物/試薬の組み合わせに関して、即ち与えられた体外診断テストに関して、前記方法は、一度に1つのアクティブなキャリブレーションおよび一度に1つの特定のロットのアクティブな試薬容器のみを体外診断システムによって使用することを可能にする工程を含み、それによって、「アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア」を判定する。しかし、最終的に異なるロットからであっても、体外診断テストが1つを超える試薬/試薬容器を必要とし、キャリブレーションがそれぞれ1つを超える試薬/試薬容器に基づいている場合、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアは、1つのキャリブレーションおよび複数の試薬容器を含み得る。
一実施形態によれば、前記方法は、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なロットキャリブレーションまたは利用可能な容器に特有のキャリブレーションのいずれかがリンクされた試薬容器をアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアを自動的に選択する工程を含み、ここで、先に利用可能になった、例えば、先に使用の準備ができた、およびキャリブレーションが利用可能である試薬容器は、後に利用可能になった、例えば、後に使用の準備ができた、および/または利用可能なキャリブレーションがまだリンクされていない試薬容器よりも高い優先度を有している。
一実施形態では、前記方法は、リンクされたキャリブレーション期間が終了する時間、例えば、ロットキャリブレーション期間が終了するとき、または個々のリンクされた容器の期間が終了するとき、または容器に特有のキャリブレーション期間が終了するとき、または新しいキャリブレーションが利用可能になったとき、および/またはアクティブな試薬容器の状態の変化が生じたとき、または別の試薬容器が利用可能になったときに、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアの変更が必要とされるか否かを自動的に確認する工程と、最終的にアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアを自動的に変更する工程とを含む。
一実施形態によれば、アクティブな試薬容器の状態の変化は、試薬容器が空であることもしくは試薬レベルが不十分であること、開いた容器が期限終了時間に達したもしくは期限終了時間を超えたこと、体外診断システムから取り外したことで試薬容器が利用できなくなったこと、またはユーザ選択もしくは他の理由による変化のいずれか1つまたはそれ以上を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、リンクされたキャリブレーション期間が終了する前に容器に特有のキャリブレーションを引き起こすことによって、または新しい試薬容器、例えば、同一ロットの試薬容器を利用可能にする、例えば、使用できるように準備することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアの変化を予測する工程を含む。
一実施形態によれば、新しい試薬容器を利用可能にすることは、乾燥または凍結乾燥された試薬を自動的に開くおよび/または再構成すること、および/または試薬容器内で濃縮された試薬を希釈することを含む。
一実施形態によれば、前記方法は、キャリブレーション結果を計算して、計算した結果に基づいてキャリブレーションの失敗または成功を判定することによって、ロットキャリブレーションおよび/または容器に特有のキャリブレーションを自動的に解放する工程を含む。
キャリブレーション管理システムを含む体外診断システムも本明細書に開示されている。
特に、キャリブレーション管理システムは、コントローラを含み得るかまたはコントローラに接続され得る。「コントローラ」という用語は、任意の物理または仮想処理デバイス、および特に、開示された実施形態のいずれかによるキャリブレーションを管理する方法に関連付けられた動作を実行する命令とともに提供されたコンピュータ読み取り可能なプログラムを実行するプロセッサを備えたプログラマブルロジックコンピュータを包含している。コントローラは、体外診断システムに統合され得るかまたは体外診断システムと通信している別個の論理要素であり得る。幾つかの実施形態では、コントローラは、データ管理ユニットと一体化されるかもしれないか、またはサーバコンピュータに含まれ得るか、および/または複数の体外診断システムにわたって/間で分配/共有され得る。コントローラはまた、ワークフローおよびワークフローステップが体外診断システムによって実施される方法で体外診断システムを制御するように構成可能であり得る。特に、コントローラは、受信するテスト命令および/または受信されたテスト命令を考慮に入れるためのスケジューラおよび/またはデータマネージャ、およびどのキャリブレーションがいつ実行および/またはアクティブ化されなければならないか、どの試薬容器がいつ使用できるように準備されなければならないか、および/またはどのアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアが選択されるべきかを計画するテスト命令の実行に関連付けられた多くのスケジュール処理動作と通信および/または協働し得る。
特に、コントローラは、上述の実施形態のいずれかによる方法のステップのいずれかを実行するように構成されてもよい。
コントローラはさらに、テスト命令が受信されたが処理がまだ開始されていないキューに入るサンプルが、体外診断システムに入ることを防ぐ、および/またはアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアがアクティブ化されなくなるまでにサンプルテストのワークフローを開始するのを防ぐように構成されてもよい。このようにして、キャリブレーションの欠落による定期的な操作の遅延を減少させることができ、操作の効率を高めることができる。
さらに別の実施形態によれば、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法も本明細書に開示されている。前記方法は、一度に1つのアクティブなキャリブレーションおよび一度に1つの特定のロットのアクティブな試薬容器のみを体外診断システムによって使用することを可能にする工程を含み、それによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアを判定する。前記方法はさらに、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なキャリブレーションがリンクされた試薬容器をアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアを自動的に選択する工程を含み、ここで、先に利用可能になった、例えば、先に使用の準備ができた、およびキャリブレーションが利用可能である試薬容器は、後に利用可能になった、例えば、後に使用の準備ができた、および/または利用可能なキャリブレーションがまだリンクされていない試薬容器よりも高い優先度を有している。しかし、最終的に異なるロットからであっても、体外診断テストが1つを超える試薬/試薬容器を必要とし、キャリブレーションがそれぞれ1つを超える試薬/試薬容器に基づいている場合、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアは、1つのキャリブレーションおよび複数の試薬容器を含み得る。
一実施形態によれば、前記方法は、リンクされたキャリブレーション期間が終了するまたは新しいキャリブレーションが利用可能になった時間、および/またはアクティブな試薬容器の状態の変化が生じたとき、または別の試薬容器が利用可能になったときに、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアの変更が必要とされるか否かを自動的に確認する工程と、最終的にアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアを自動的に変更する工程とを含む。
一実施形態によれば、アクティブな試薬容器の状態の変化は、試薬容器が空であることもしくは試薬レベルが不十分であること、開いた容器が期限終了時間に達したもしくは期限終了時間を超えたこと、体外診断システムから取り外したことで試薬容器が利用できなくなったこと、またはユーザ選択もしくは他の理由による変化のいずれか1つまたはそれ以上を含む。
一実施形態によれば、アクティブなキャリブレーションは、ロットキャリブレーションまたは容器に特有のキャリブレーションのいずれかであり得る。
一実施形態によれば、前記方法は、ロットキャリブレーション期間を判定する工程であって、ロットキャリブレーション期間に、ロットキャリブレーションを同一ロットの試薬容器に適用可能であり、ロットキャリブレーション期間が、ロットキャリブレーションが利用可能になったときの時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。ロットの試薬容器を体外診断システムに利用可能にした後に、前記方法はさらに、ロットキャリブレーション期間を超えていないロットキャリブレーションが利用可能であるか否かを判定し、試薬容器を利用可能なロットキャリブレーションに、または1を超えるロットキャリブレーションが利用可能である場合に最も最近の利用可能なロットキャリブレーションにリンクする工程を含み、同一ロットに対する新しいロットキャリブレーションが利用可能になった場合、前記方法は、以前のロットキャリブレーションへの既存のリンクを新しいロットキャリブレーションへのリンクと交換する工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、個々の試薬容器に適用可能である、個々のリンクされた容器の期間を判定する工程であって、個々のリンクされた容器の期間に、ロットキャリブレーションを個々の試薬容器にリンクすることができ、個々のリンクされた容器の期間が、個々のリンクされた試薬容器が体外診断システムに利用可能になった、例えば体外診断システムによる使用の準備ができた時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含み、ここで、以前のロットキャリブレーションへの既存のリンクを新しいロットキャリブレーションへのリンクと交換することは、個々のリンクされた容器の期間内およびロットキャリブレーション期間内でのみ許される。
一実施形態によれば、前記方法はさらに、ロットキャリブレーションの時間制限を判定する工程であって、ロットキャリブレーションの時間制限までに、体外診断システムに利用可能となるようにされたロットの個々の試薬容器を使用することによって、新しいロットキャリブレーションを得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限が、個々の試薬容器が体外診断システムに利用可能になった、例えば体外診断システムによる使用の準備ができた時間から開始する予め定義された長さを有し、個々の試薬溶液に対する個々のリンクされた容器の期間より短い、工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、遅くとも個々のリンクされた容器の期間が終了したときに、個々のリンクされた試薬容器からロットキャリブレーションへのリンクを削除または無効化する工程、および遅くともロットキャリブレーション期間が終了したときに、任意のまだリンクされている試薬容器からロットキャリブレーションへのリンクを削除または無効化する工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、特定の試薬容器を使用して容器に特有のキャリブレーションを引き起こす工程と、容器に特有のキャリブレーションの解放後、ロットキャリブレーションへのリンクが削除または無効化されることで体外診断システムによる特定の試薬容器のさらなる使用が可能になる前に、容器に特有のキャリブレーションを特定の試薬容器にリンクする工程とを含む。
一実施形態によれば、前記方法は、特定の試薬容器に適用可能である、容器に特有のキャリブレーション期間を判定する工程であって、容器に特有のキャリブレーション期間が、容器に特有のキャリブレーションが利用可能になったときの時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、開いた容器の期限終了時間を判定する工程であって、開いた容器の期限終了時間が、試薬容器を最初に開く時間から開始する予め定義された時間の長さを有し、個々のリンクされた容器の期間および容器に特有のキャリブレーション期間が開いた容器の期限終了時間を超えることができない、工程を含む。
一実施形態によれば、前記方法は、リンクされたキャリブレーション期間が終了する前に容器に特有のキャリブレーションを引き起こすことによって、または新しい試薬容器、例えば、同一ロットの試薬容器を利用可能にすることによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアの変化を予測する工程を含む。
一実施形態によれば、新しい試薬容器を利用可能にすることは、乾燥もしくは凍結乾燥された試薬を自動的に開くおよび/または再構成すること、および/または試薬容器内で濃縮された試薬を希釈することを含む。
一実施形態によれば、前記方法は、キャリブレーション結果を計算して、計算した結果に基づいてキャリブレーションの失敗または成功を判定することによって、ロットキャリブレーションおよび/または容器に特有のキャリブレーションを自動的に解放する工程を含む。
さらに別の実施形態に従って、さらなる方法の上記の実施形態のいずれかによるキャリブレーションを管理する方法に関連付けられた動作を実行する命令とともに提供されたコンピュータ読み取り可能なプログラムを実行するキャリブレーション管理システムを含む、体外診断システムも本明細書で開示されている。
他のおよびさらなる目的、特徴、および利点は、原理をより詳細に説明するのに役立つ、例示的な実施形態の以下の説明および添付の図面から明らかになるであろう。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Aの第1の態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Bのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Cのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Dのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Eのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Fのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Gのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Hのさらなる態様を概略的に示す。
体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Iのさらなる態様を概略的に示す。
図1〜9のいずれかによるキャリブレーションを管理する方法に関連付けられたキャリブレーション管理システムを備える体外診断システムを概略的に示す。
様々な例示された実施形態による方法、ソフトウェア/コンピュータプログラム製品、デバイス、およびシステムが、以下により十分に説明される。実際に、方法、ソフトウェア/コンピュータプログラム製品、デバイス、およびシステムは、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に明記および例示される実施形態に限定すると解釈されるべきではない。
同様に、本明細書に記載される方法、ソフトウェア/コンピュータプログラム製品、デバイス、およびシステムの多くの修正および他の実施形態が、前述の説明および関連付けられた図面で提示された教示の利益を有する開示が関係する技術分野の当業者に想到されるであろう。それ故、方法、ソフトウェア/コンピュータプログラム製品、デバイス、およびシステムは、開示された具体的な実施形態に限定されるべきではなく、修正および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されることを理解されたい。具体的な用語が使用されているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、制限の目的ではない。
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似したまたは同等の任意の方法および材料が、方法の実施または試験に使用され得るが、好ましい方法および材料は本明細書に記載されている。
さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈上、要素が1つだけであるべきことを明確に必要とされない限り、1つを超える要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「a」または「an」は通常「少なくとも1つ」を意味する。同様に、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」、「含む(include)」、またはそれらの任意の文法的変異は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴以外に、この文脈で説明される要素にさらなる特徴が存在しない状況と、1つまたは複数のさらなる特徴が存在する状況の両方を指し得る。例えば、表現「AはBを有する」、「AはBを備える」、および「AはBを含む」は、B以外に、Aに他の要素が存在しない状況(即ち、Aが単独で排他的にBから成る状況)、またはB以外に、Aに要素C、要素CおよびD、もしくはさらなる他の要素などの1つまたは複数の要素が存在する状況を指す。
また、本明細書にわたる「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「一例(one example)」または「一例(an example)」への参照は、実施形態または例に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。したがって、本明細書にわたる様々な箇所における「一実施形態では(in one embodiment)」、「一実施形態では(in an embodiment)」、「一例(one example)」または「一例(an example)」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態または例を指しているわけではない。
さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせおよび/または部分的組み合わせで組み合わされ得る。
方法
例えば図1〜9によって以下に記載されるおよび例示される方法は、必ずしもではないが、記載される順序で実行され得るステップを含む。しかし、他の順序も考えられる。さらに、個々のまたは複数のステップは、並行しておよび/または時間的に重複しておよび/または個々にまたは複数の繰り返しステップのいずれかで実行され得る。さらに、方法は追加の不特定のステップを含んでもよい。
図1は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Aの第1の態様を概略的に示す。方法Aは、ロットキャリブレーション期間10を判定する工程であって、ロットキャリブレーション期間10に、ロットキャリブレーション1を同一ロットの試薬容器に適用可能であり、ロットキャリブレーション期間10が、ロットキャリブレーション1が利用可能になったとき(11)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。ロットの試薬容器nを体外診断システムに利用可能にした後に(40)、ロットキャリブレーション期間10を超えていないロットキャリブレーション1が利用可能である(11)か否かを判定する工程と、試薬容器nを利用可能なロットキャリブレーション1にリンクする工程(12)とを含む。方法Aは、個々の試薬容器nに適用可能である、個々のリンクされた容器の期間41を判定する工程であって、個々のリンクされた容器の期間41に、ロットキャリブレーション1を個々の試薬容器nにリンクする12ことができ、個々のリンクされた容器の期間41が、個々にリンクされた試薬容器nが体外診断システムに利用可能になったとき(40)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。方法Aは、ロットキャリブレーションの時間制限42を判定する工程であって、ロットキャリブレーションの時間制限42までに、体外診断システムに利用可能となる(40)ようにされたロットの個々の試薬容器nを使用することによって、新しいロットキャリブレーションを得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限42が、個々の試薬容器が体外診断システムに利用可能になったとき(40)の時間から開始する予め定義された長さを有する、工程を含む。方法Aは、開いた容器の期限終了時間44を判定する工程であって、開いた容器の期限終了時間44が、試薬容器を最初に開くとき(40)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有し、個々のリンクされた容器の期間41が開いた容器の期限終了時間44を超えることができない、工程を含む。図1のアスタリスク*の説明に関しては以下の図4を参照。
図2は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Bのさらなる態様を概略的に示し、方法Bは図1の方法Aを含む。特に、方法Aに関する方法Bはさらに、容器nに対するロットキャリブレーション期間42内で利用可能になった(40)試薬容器nを使用することによって、同一ロットに対するロットキャリブレーションを利用可能にする(21)工程を含み、同一ロットに対する新しいロットキャリブレーション2が利用可能になると(21)、方法Bは、前のロットキャリブレーション1への既存のリンク12を新しいロットキャリブレーション2へのリンク22と交換する工程を含む。方法Bはさらに、ロットキャリブレーション2期間20を判定する工程であって、ロットキャリブレーション2期間20に、ロットキャリブレーション2を同一ロットの試薬容器に適用可能であり、ロットキャリブレーション2期間20が、ロットキャリブレーション2が利用可能になった21ときの時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。以前のロットキャリブレーションへの既存のリンク12を新しいロットキャリブレーション22へのリンクと交換する工程は、個々のリンクされた容器の期間41内およびロットキャリブレーション1期間10内でのみ許される。図2のアスタリスク*の説明に関しては以下の図4を参照。
図3は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Cのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Cは、図2の方法Bから継続する可能性のある方法である。方法Cはさらに、遅くとも個々のリンクされた容器の期間41が終了したときに、個々のリンクされた試薬容器nからロットキャリブレーション2へのリンク22を削除または無効化する工程を含む。任意のまだリンクされている他の試薬容器(図示せず)の場合、方法Cは、個々のリンクされた容器の期間が前に終了していない場合、遅くともロットキャリブレーション期間1および/または2がそれぞれ終了したときに、任意のまだリンクされている試薬容器からロットキャリブレーション1または2へのリンクを削除または無効化する工程を含む。
図4は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Dのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Dは、図2の方法Bから継続する可能性のある別の方法である。方法Dはさらに、ロットの試薬容器n+1を体外診断システムに利用可能にした(50)後に、ロットキャリブレーション期間10、20を超えていないロットキャリブレーション1、2が利用可能である(11、21)か否かを判定する工程と、1を超えるロットキャリブレーション1、2が利用可能である()場合に試薬容器n+1を最も最近の利用可能なロットキャリブレーション2にリンクする(23)工程とを含む。方法Dは、個々の試薬容器n+1に適用可能である、個々のリンクされた容器の期間51を判定する工程であって、個々のリンクされた容器の期間51に、ロットキャリブレーション、この場合はロットキャリブレーション2を個々の試薬容器n+1にリンクすることができ、個々のリンクされた容器の期間51が、個々のリンクされた試薬容器n+1が体外診断システムに利用可能になったとき(50)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。方法Dは、ロットキャリブレーションの時間制限52を判定する工程であって、ロットキャリブレーションの時間制限52までに、体外診断システムに利用可能となるようにされたロットの個々の試薬容器n+1を使用することによって、新しいロットキャリブレーションを得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限52が、個々の試薬容器が体外診断システムに利用可能になった(50)ときの時間から開始する予め定義された長さを有する、工程を含む。図4では、ロットキャリブレーション2にリンクされた22容器nおよびロットキャリブレーション2にリンクされた(23)容器n+1があることがさらに留意され得る。方法Dはさらに、一度に1つのアクティブなキャリブレーション2および一度に1つの特定のロットのアクティブな試薬容器nのみを体外診断システムによって使用することを可能にする工程を含み、それによって、アスタリスク*で示された、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア22を判定する。また図2では、キャリブレーション/試薬容器のペア22がアクティブなペア*である一方で、図1では、キャリブレーション/試薬容器のペア12がアクティブなペア*である。引き続き図4を参照すると、方法Dはさらに、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なロットキャリブレーション2がリンクされた22試薬容器nをアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に選択する工程を含み、ここで、先に利用可能になった(40)およびキャリブレーション2が利用可能である21試薬容器nは、後に利用可能になった(50)および/または利用可能なキャリブレーション2がまだリンクされていない(23)試薬容器n+1よりも高い優先度を有している。
図5は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Eのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Eは、図4の方法Dから継続する可能性のある方法であり、ここで、方法Eに従って、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*は、容器nに対する個々のリンクされた容器の期間41が終了したときに試薬容器n/ロットキャリブレーション2のペア22から試薬容器n+1/ロットキャリブレーション2のペア23に自動的に切り替えられ、遅くとも、試薬容器n+1の個々のリンクされた容器の期間51が終了するのとロットキャリブレーション2期間が終了するのと、終了するのが早い方の期間が終了するまで、新しいアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*のままとなる。また、容器nとロットキャリブレーション2との間のリンク22は、もはや必要とされないため削除または無効化され得る。
図6は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Fのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Fは、図3の方法Cから継続する可能性のある別の方法であり、方法Fはさらに、特定の試薬容器nを使用して容器nに特有のキャリブレーションを引き起こす工程と、容器に特有のキャリブレーションの解放61後、ロットキャリブレーション1、2へのリンク12、22が削除または無効化されることで体外診断システムによる特定の試薬容器nのさらなる使用が可能になる前に、容器nに特有のキャリブレーションを特定の試薬容器nにリンク62する工程とを含む。
方法Fはさらに、特定の試薬容器nに適用可能である、容器nに特有のキャリブレーション期間60を判定する工程であって、容器nに特有のキャリブレーション期間60が、容器に特有のキャリブレーションが利用可能になった(61)ときの時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。容器nに対する個々のリンクされた容器の期間41に類似した、容器nに特有のキャリブレーション期間60が、容器nに対する開いた容器の期限終了時間44を越えないかもしれないこともさらに留意される。
この場合、容器n/容器nに特有のキャリブレーションのペアは、遅くとも、容器nに特有のキャリブレーション期間60の終了または容器nに対する状態の変化43の発生のいずれかが先に生じるまで、新しいアクティブなペア*になり、ここで状態の変化43とは、例えば、試薬容器nが空であることもしくは試薬容器n中の試薬レベルが不十分であること、開いた容器が期限終了時間44に達したもしくは期限終了時間44を超えたこと(図6の例には示されず)、体外診断システムから取り外したことで試薬容器nが利用できなくなったこと、またはユーザ選択もしくは他の理由による変化を指す。
図7は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Gのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Gは、図6の方法Fに類似しており、図3の方法Cから継続する可能性のある別の方法を表し、方法Gはさらに、例えばリンクされたロットキャリブレーション2期間20が終了する前に、およびこの場合、容器nに対する個々のリンクされた容器の期間41が終了する前に、容器nに特有のキャリブレーションを引き起こす(61)ことによって、および/または容器nに特有のキャリブレーション期間60が終了するもしくは試薬nに対する状態の変化が生じる前に新しい試薬容器n+1を利用可能にすることによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*の変化を予測する工程を含む。
一実施形態によれば、新しい試薬容器n+1を利用可能にすること(50)は、乾燥もしくは凍結乾燥された試薬を自動的に開くおよび/または再構成すること、および/または試薬容器n+1内で濃縮された試薬を希釈することを含む。この手順には時間がかかる場合があるため、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理する方法は、新しい試薬容器n+1を使用可能にするために必要とされる時間を考慮に入れる工程を含む。
図4の方法Dに類似して、同一ロットの試薬容器n+1を体外診断システムに利用可能にした(50)後に、図7の方法Gは、ロットキャリブレーション期間20を超えていないロットキャリブレーション2が利用可能であるか(21)否かを判定する工程と、試薬容器n+1を利用可能なロットキャリブレーション2にリンク23する工程とを含む(この場合、ロットキャリブレーション1期間10は既に期限が終了しており、ロットキャリブレーション1はもはや利用可能ではない)。方法Gは、個々の試薬容器n+1に適用可能である、個々のリンクされた容器の期間51を判定する工程であって、個々のリンクされた容器の期間51に、ロットキャリブレーション2を個々の試薬容器n+1にリンクすること(23)ができ、個々のリンクされた容器の期間51が、個々にリンクされた試薬容器n+1が体外診断システムに利用可能になったとき(50)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。方法Gはまた、ロットキャリブレーションの時間制限52を判定する工程であって、ロットキャリブレーションの時間制限52までに、体外診断システムに利用可能となるようにされたロットの個々の試薬容器n+1を使用することによって、新しいロットキャリブレーションを得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限52が、個々の試薬容器が体外診断システムに利用可能になったとき(50)の時間から開始する予め定義された長さを有する、工程を含む。
特に、方法Gは、同一ロットの試薬容器n+1を体外診断システムに利用可能にする(50)前に容器nに特有なキャリブレーション期間60が終了するまたは試薬nに対する状態の変化が生じる直前まで待つ工程を含み得る。このように、開いた容器の期限終了時間(図7に示されず)、個々のリンクされた容器の期間51およびロットキャリブレーションの時間制限52のような、試薬容器n+1を利用可能にすること(50)で開始する期間が、不必要に早く開始してしまうことを防ぐことができる。
方法Gはさらに、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なロットキャリブレーション2または利用可能な容器nに特有のキャリブレーション62がリンクされた(22)試薬容器nをアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に選択する工程を含み、ここで、先に利用可能になった(40)および容器nに特有のキャリブレーションが利用可能であり(61)、リンクされている(62)試薬容器nは、後に利用可能になった(50)および/または利用可能なキャリブレーション2がまだリンク(23)されていない場合の試薬容器n+1よりも高い優先度を有している。さらに、同じ試薬容器nに対して、利用可能である(21、61)ロットキャリブレーション2と容器nに特有のキャリブレーションの両方がある場合、この場合のように、方法Gは、容器に特有のキャリブレーションが、最終的に同一ロットの異なる試薬容器で得られるロットキャリブレーションよりもその特定の試薬容器に対する信頼性が高いため、個々のリンクされた容器の期間41が終了する前であっても、容器n/容器nに特有のキャリブレーションをアクティブなペア*として選択する工程を含み得る。この場合、ロットキャリブレーション2および容器nに特有のキャリブレーションは、同じ試薬容器nを使用して得られ、容器nに特有のキャリブレーションが、ロットキャリブレーション2よりも新しく、その理由で好ましくなり得ることを除いて、違いはない。したがって、この例では、方法Gは、容器nに特有のキャリブレーションが利用可能になる(61)とすぐに、容器n/ロットキャリブレーション2のペア22からアクティブペア*としての容器n/容器nに特有のキャリブレーション62に自動的に切り替える工程を含む。
図8は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Hのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Hは、図7の方法Gから継続する方法であり、方法Hは、容器nに特有のキャリブレーション期間60の終了または(この場合でのように)容器nに対する状態の変化43の発生のいずれかが先に生じるまで、容器n/容器nに特有のキャリブレーションのペア62をアクティブなペア*として維持する工程、およびその後単に、アクティブなペア*としての容器n+1/ロットキャリブレーション2のペア23に切り替える工程を含む。原則的に、容器nに対する状態の変化がない限り、および開いた容器の期限終了時間(図8には図示されず)に達していない限り、例えば、試薬容器n+1が利用可能でなかった場合に、試薬容器nを使用して1つを超える連続した試薬nに特有のキャリブレーションを得ることは可能である。いずれの場合においても、一度に1つのアクティブな試薬容器/キャリブレーションのペア*のみが許される。
図9は、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するコンピュータ実施方法Iのさらなる態様を概略的に示す。特に、方法Iは、図8の方法Hから継続する方法であり、方法Iは、試薬容器n+1に対するロットキャリブレーションの時間制限52が終了する前に試薬容器n+1を使用してロットキャリブレーション3を利用可能(31)にする工程を含む。同一ロットに対する新しいロットキャリブレーション3が利用可能になると(31)、方法Iは、試薬容器n+1と以前のロットキャリブレーション2との間の既存のリンク23を新しいロットキャリブレーション3へのリンク32と交換する工程を含む。方法Iはさらに、ロットキャリブレーション3期間30を判定する工程であって、ロットキャリブレーション3期間30に、ロットキャリブレーション3を同一ロットの試薬容器に適用可能であり、ロットキャリブレーション3期間30が、ロットキャリブレーション3が利用可能になったとき(31)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する、工程を含む。以前のロットキャリブレーション2への既存のリンク23を新しいロットキャリブレーション3へのリンク32と交換することは、個々のリンクされた容器の期間51内およびロットキャリブレーション2期間20内でのみ許される。それが生じない場合、(この場合)ロットキャリブレーション2期間20または個々のリンクされた容器の期間51のいずれかが先に終了したときに、以前のロットキャリブレーション2へのリンク23は削除または無効化され、試薬容器n+1の使用が望まれた場合に容器n+1に特有のキャリブレーションのみが可能になる。以前のロットキャリブレーション2への既存のリンク23を新しいロットキャリブレーション3へのリンク32と交換するときに、方法Iは、容器n+1/キャリブレーション2のペア23からアクティブなペア*としての容器n+1/ロットキャリブレーション3のペア32に切り替える工程も含む。この新しいリンク32および新しいアクティブなペア*は、例えば、個々のリンクされた容器の期間51が終了するまで維持される。
引き続き図1〜9および方法A〜Iをそれぞれ参照すると、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理するさらなるコンピュータ実施方法も開示されている。前記方法は、一度に1つのアクティブなキャリブレーション11、21、61、31および一度に1つの特定のロットのアクティブな試薬容器n、n+1のみを体外診断システムによって使用することを可能にする工程を含み、それによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア12、22、23、62、32*を判定する。前記方法はさらに、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なキャリブレーション11、21、61、31がリンクされた試薬容器n、n+1をアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に選択する工程を含み、ここで、先に利用可能になった、例えば、先に使用の準備ができた、およびキャリブレーションが利用可能である(11、21、61)試薬容器nは、後に利用可能になった、例えば、後に使用の準備ができた、および/または利用可能なキャリブレーション21、31がまだリンクされていない試薬容器n+1よりも高い優先度を有している。
特に、前記方法は、リンクされたキャリブレーション期間が終了する(10、20、60、41、51)もしくは新しいキャリブレーションが利用可能になった(21、61、31)ときの時間、および/またはアクティブな試薬容器nの状態の変化43が生じたとき、または別の試薬容器n+1が利用可能になった(50)ときに、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*の変更が必要とされるか否かを確認する工程と、最終的にアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に変更する工程とを含む。
また、前記方法はさらに、キャリブレーション結果を計算して、計算した結果に基づいてキャリブレーションの失敗または成功を判定することによって、ロットキャリブレーション11、21、31および/または容器に特有のキャリブレーションを自動的に解放する(61)工程を含み得る。
ソフトウェア
当業者は、例えば、利用可能な時間、現在の技術、および経済的考慮によって動機付けられた、考えられ得る多大な試みおよび多くの設計選択にもかかわらず、本明細書に開示される概念および原理に導かれたときに、最小限の実験で、上記で説明され、図1〜9によって例示される方法に基づいて、アプリケーション、ソフトウェア命令、および/またはコンピュータプログラム製品を容易に作成することができると予期される。
それを考慮して、上記の方法は、アプリケーション、コンピュータ読み取り可能な媒体、コンピュータプログラム製品、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせもしくはサブセットなどのソフトウェアを含むコンピュータプログラミングまたはエンジニアリング技術を使用して実施され得る。コンピュータ読み取り可能なコード手段を有する、任意のそのような結果として生じるアプリケーション、媒体またはコンピュータプログラムは、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体内に具現化または提供され、それによって、ソフトウェアまたはコンピュータプログラム製品(即ち、製造品)が作られる。
本明細書で使用されるように、「ソフトウェア」、「コンピュータ読み取り可能な媒体」または「コンピュータプログラム製品」は、2つの主要なカテゴリー、即ち、システムソフトウェアとアプリケーションソフトウェアに分類することができる、コンピュータデータおよび命令の1つまたは複数の整理された集まりを意味する。システムソフトウェアはハードウェアとインターフェースで接続し、アプリケーションソフトウェアはユーザとインターフェースで接続する。さらに、システムソフトウェアは、オペレーティングシステムソフトウェアとファームウェアの他に、システムにインストールされた任意のミドルウェアおよびドライバを含む。システムソフトウェアは、コンピュータの基本的な非タスク特有の機能を提供する。対照的に、アプリケーションソフトウェアは特定のタスクを達成するために使用される。
例示的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、限定されないが、フラッシュメモリドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光ディスク、磁気テープ、読み出し専用メモリ(ROM)などの半導体メモリ、および/またはインターネットもしくは他の通信ネットワークもしくはリンクなどの任意の送信/受信媒体を含む。限定することなく、例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体および通信媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、有形且つ非一時的なものであり、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータなどの情報を保存する。対照的に、通信媒体は典型的に、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波や他の移送機構などの一時的な変調信号で具現化し、任意の情報送達媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれる。コンピュータコードを含む製造品は、直接1つの媒体からコードを実行すること、1つの媒体から別の媒体にコードをコピーすること、またはネットワークを介してコードを送信することによって作成および/または使用され得る。
これを考慮して、コンピュータ読み取り可能な媒体/コンピュータプログラム製品は、本明細書で記載されるおよび図1〜9で例示される方法を実行するように構成/プログラムされた多くのモジュールを含むことができる。
幾つかの例では、ハンドヘルド電子機器またはコンピュータなどの電子機器のプロセッサに、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理する方法を実行させるおよび体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理する方法に関連付けられた動作を実行させる命令を含む、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品が提供される。
幾つかの例では、携帯用電子機器またはコンピュータのような、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、ロットキャリブレーション期間10、20、30を判定させる命令を含み、ロットキャリブレーション期間10、20、30に、ロットキャリブレーション1、2、3を同一ロットの試薬容器n、n+1に適用可能であり、ロットキャリブレーション期間10、20、30は、ロットキャリブレーションが利用可能になったとき(11、21、31)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、ロットの試薬容器n、n+1を体外診断システムに利用可能にした後に、ロットキャリブレーション期間10、20、30を超えていないロットキャリブレーション1、2、3が利用可能であるか否かを判定させ、試薬容器n、n+1を利用可能なロットキャリブレーション1、2、3に、または1を超えるロットキャリブレーション1、2が利用可能である場合(11、21)に最も最近の利用可能なロットキャリブレーション2にリンクさせる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、同一ロットに対する新しいロットキャリブレーション2、3が利用可能になった場合(21、31)に、以前のロットキャリブレーション1、2への既存のリンク12、23を新しいロットキャリブレーション2、3へのリンク22、32と交換させる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、個々の試薬容器n、n+1に適用可能である、個々のリンクされた容器の期間41、51を判定させる命令を含み得、個々のリンクされた容器の期間41、51に、ロットキャリブレーション1、2、3を個々の試薬容器n、n+1にリンクすることができ、個々のリンクされた容器の期間41、51は、個々にリンクされた試薬容器n、n+1が体外診断システムに利用可能になったとき(40、50)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有し、ここで、以前のロットキャリブレーション1、2への既存のリンク12、23と新しいロットキャリブレーション2、3へのリンク22、32との交換は、個々のリンクされた容器の期間41、51内およびロットキャリブレーション期間10、20内でのみ許される。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、ロットキャリブレーションの時間制限42、52を判定させる命令を含み得、ロットキャリブレーションの時間制限42、52までに、体外診断システムに利用可能となる(40、50)ようにされたロットの個々の試薬容器n、n+1を使用することによって、新しいロットキャリブレーション2、3を得ることができるかまたは少なくとも順序付けすることができ、ロットキャリブレーションの時間制限42、52は、個々の試薬容器n、n+1が体外診断システムに利用可能になったとき(40、50)の時間から開始する予め定義された長さを有する。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、遅くとも個々のリンクされた容器の期間41、51が終了したときに、個々のリンクされた試薬容器n、n+1からロットキャリブレーション1、2、3へのリンク(12、22、23)を削除または無効化させ、遅くともロットキャリブレーション期間が終了したときに、任意のまだリンクされている試薬容器からロットキャリブレーションへのリンクを削除または無効化させる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、特定の試薬容器nの使用を介して容器nに特有のキャリブレーションを引き起こさせ、容器に特有のキャリブレーションの解放61後、ロットキャリブレーション2へのリンク22が削除または無効化されることで体外診断システムによる特定の試薬容器nのさらなる使用が可能になる前に、容器nに特有のキャリブレーションを特定の試薬容器nにリンクさせる(62)命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、特定の試薬容器nに適用可能である、容器nに特有のキャリブレーション期間60を判定させる命令を含み得、容器nに特有のキャリブレーション期間60は、容器に特有のキャリブレーションが利用可能になったとき(61)の時間から開始する予め定義された時間の長さを有する。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、開いた容器の期限終了時間44を判定させるための命令を含み得、開いた容器の期限終了時間44は、試薬容器nを最初に開く時間から開始する予め定義された時間の長さを有し、個々のリンクされた容器の期間41および容器に特有のキャリブレーション期間60は開いた容器の期限終了時間44を超えることができない。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、一度に1つのアクティブなキャリブレーション1、2、3、61および一度に1つの特定のロットのアクティブな試薬容器n、n+1のみを体外診断システムによって使用することを可能にさせ、それによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を判定させる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、最初に利用可能な時間優先度に従って、利用可能なロットキャリブレーション1、2、3または利用可能な容器に特有のキャリブレーションのいずれかがリンクされた(12、22、62、23)試薬容器n、n+1をアクティブ化することによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に選択させ、ここで、先に利用可能になった(40)およびキャリブレーション1、2が利用可能である試薬容器nが、後に利用可能になった(50)および/または利用可能なキャリブレーション2、3がまだリンク(23、32)されていない試薬容器n+1よりも高い優先度を有するようにさせる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、リンクされたキャリブレーション期間が終了する(10、20、60、41、51)もしくは新しいキャリブレーションが利用可能になった(21、61、31)ときの時間、および/またはアクティブな試薬容器nの状態の変化43が生じたとき、または別の試薬容器n+1が利用可能になった(50)ときに、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*の変更が必要とされるか否かを自動的に確認させ、最終的にアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*を自動的に変更させる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、アクティブな試薬容器nの状態を変化させ(43)、ここで、状態の変化が、試薬容器nが空であることもしくは試薬レベルが不十分であること、開いた容器が期限終了時間44に達したもしくは期限終了時間を超えたこと、体外診断システムから取り外したことで試薬容器nが利用できなくなったこと、またはユーザ選択もしくは他の理由による変化のいずれか1つまたはそれ以上を含むようにさせる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、リンクされたロットキャリブレーション期間20、41が終了する前に容器に特有のキャリブレーションを引き起こすこと(61)によって、または新しい試薬容器n+1を利用可能にすることによって、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペア*の変化を予測させる命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、乾燥もしくは凍結乾燥された試薬を自動的に開かせるおよび/または再構成させることおよび/または試薬容器n+1内で濃縮された試薬を希釈させることを含む、新しい試薬容器n+1を利用可能にさせる(50)命令を含み得る。
幾つかの例では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品はさらに、電子機器のプロセッサに、キャリブレーション結果を計算して、計算した結果に基づいてキャリブレーションの失敗または成功を判定することによって、ロットキャリブレーション11、21、31および/または容器に特有のキャリブレーションを自動的に解放させる(61)命令を含み得る。
デバイスおよびシステム
本明細書に開示されるおよび図1〜9に例示される方法を実行するように構成されているデバイスおよびシステムが開示され、これらは、例えば、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理し、体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理する方法に関連付けられた動作を実行する。
用途に関わらず、デバイスおよびシステムは、ハウジング、ディスプレイ、入力/出力周辺機器、メモリ、プロセッサ、電源、ユーザインターフェース、ストレージデバイス、有線および/または無線通信手段の1つまたは複数を含むことができる。代表的なデバイスとしては、限定されないが、サーバ、コンピュータおよびラップトップ、モバイルデバイス(例えば、携帯用のスマートフォンやタブレット)などのポータブルコンピューティングデバイスが挙げられる。
図示するために、図10は、キャリブレーション管理システム90を備える体外診断システム100を示す。キャリブレーション管理システム90は、コントローラ92を備え得るかまたはコントローラ92に接続され得る。上述のように、「コントローラ」という用語は、任意の物理または仮想処理デバイス、および特に、開示される実施形態のいずれかに従ってキャリブレーションを管理する方法に関連付けられた動作を実行する命令が提供されたコンピュータ読み取り可能なプログラム96を実行するプロセッサ94を備えたプログラマブルロジックコンピュータを包含している。特に、コントローラ92は、上述の実施形態のいずれかによる方法のステップのいずれかを実行するように構成され得る。
本明細書で使用されるように、「プロセッサ」は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書に記載される機能/方法を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサを意味している。プロセッサのタイプに関わらず、プロセッサは、本明細書に記載される方法の1つまたは複数を実行するように構成されている。
コントローラ92は、体外診断システム100に統合され得るか、または有線もしくは無線で直接接続98を介して、またはネットワークインターフェースデバイス99を介して、ワイドエリアネットワークなどの、有線もしくは無線での通信ネットワーク102、例えば、インターネットもしくはヘルスケアプロバイダーのローカルエリアネットワークもしくはイントラネットによって間接的に、体外診断システムと通信する別個の論理要素であり得る。幾つかの実施形態では、コントローラ92は、データ管理ユニット104と一体化するかもしれず、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、PDAなどのコンピューティングデバイス上の実装が、サーバコンピュータ106に含まれ、および/または複数の体外診断システム100nにわたって/間で分布/共有されるかもしれない。さらに、システム100、100nは、有線または無線(例えば、赤外線、セルラー、ブルートゥース(登録商標))で通信する、リモートデバイス、サーバ、およびクラウドベースの要素を含むことができ、ここで、コントローラ92のそのようなリモートデバイスは、例えば、ローカルPC/サーバ、もしくはリモートPC/サーバもしくはクラウドベースのシステムを含み得るか、またはコントローラ92の一部であるリモートデバイスがそれらであり得る。コントローラ92はまた、ワークフローおよびワークフローステップが体外診断システムによって実行される方法で、体外診断システム100、100nを制御するように構成可能である。
コントローラ92は、受信するテスト命令および/または受信されたテスト命令を考慮に入れるためのスケジューラおよび/またはデータマネージャ、およびどのキャリブレーションがいつ実行および/またはアクティブ化されなければならないか、どの試薬容器がいつ使用できるように準備されなければならないか、どの試薬容器がいつ使用することができるように準備されなければならないか、および/またはどのアクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアが選択されるべきかを計画するテスト命令の実行に関連付けられた多くのスケジュール処理動作と通信および/または協働し得る。
コントローラ92はさらに、アクティブなキャリブレーション/試薬容器のペアがアクティブ化されなくなるまで、テスト命令が受信されたが処理がまだ開始されていないキューに入るサンプルが、体外診断システムに入ることを防ぐおよび/またはサンプルテストのワークフローを開始するのを防ぐように構成されてもよい。このようにして、キャリブレーションの欠落による定期的な動作の遅延が減らされ得、動作の効率が増加され得る。
上述したように、コントローラ92は、プロセッサ94を介して、図1〜9の方法A〜Iのいずれかに従ってキャリブレーションを管理する方法に関連付けられた動作を実行する命令とともに提供/コード化されるコンピュータ読み取り可能なプログラム96を実行する。コンピュータ読み取り可能なプログラム96は、コントローラ90のメモリ108に予め装填されて提供され得るか、またはコンピュータ読み取り可能な媒体もしくはコンピュータプログラム製品110上に提供され、図1〜9の方法の開示された動作ステップのうちの関連するステップを反映している、命令がそこに読み取られ、プロセッサ94によって実行される。
各システム90、100、100nがさらに、地理的に多様な位置に配置することができる1つまたは複数のアプリケーションを含む複数のワークステーションおよびアプリケーションサーバを含むことができることが理解されるべきである。幾つかの実施形態では、各システム90、100、100nは、イントラネットもしくはインターネットなどの、ワイドエリアネットワーク(WAN)もしくはネットワーク102を介して、または例えば、クラウドコンピューティングベースのネットワーク構成(例えば、「クラウド」)を含み得る、他の有線もしくは無線の通信ネットワークを介して提供される通信経路112を使用して実装される。一般に、図10に描かれた線は、様々な構成要素間の物理的な接続ではなく通信を示している。通信経路112は、例えば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路などの信号を伝送することができる任意の媒体から、または信号を伝送することができる媒体の組み合わせから形成され得る。通信経路112は、システム100、100nの様々な構成要素を通信可能に接続する。本明細書で使用されるように、「通信可能に接続された」という用語は、接続された構成要素が、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号などの、データ信号を互いに交換することができることを意味している。
各システム90、100、100nおよび/またはコントローラ92は、プロセッサ94を含むことができる。プロセッサ94は、機械読み取り可能な命令を実行することができる1つの以上のプロセッサであり得る。したがって、各プロセッサ94は、通信経路112によってシステム90、100、100nの他の構成要素に通信可能に接続され得る。したがって、通信経路112は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に接続し、通信経路112に接続されたモジュールが分散コンピューティング環境で動作することを可能にし得る。具体的には、モジュールの各々は、データを送信および/または受信し得るノードとして動作することができる。各プロセッサ94は、システムモジュールから受信した入力信号を処理し得るおよび/またはそのような信号から情報を抽出し得る。
各システム90、100、100nおよび/またはコントローラ92は、プロセッサ94に通信可能に接続されているメモリ108を含むことができる。メモリ108は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体または非一時的なコンピュータ読み取り可能なメモリであり得、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な媒体として構成され得る。メモリ108は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、またはプログラム96の機械読み取り可能な命令を各プロセッサ94によってアクセスおよび実行することができるように機械読み取り可能な命令を保存することができる任意のデバイスを備えてもよい。機械読み取り可能な命令は、機械読み取り可能な命令にコンパイルされ得るかまたは集められ得るおよびメモリ108または媒体110に保存され得る、例えば、プロセッサによって直接実行され得る機械言語、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、またはマイクロコードなどの、任意のプログラミング言語で書かれたロジックまたはアルゴリズムを含み得る。代替的に、機械読み取り可能な命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成もしくは特定用途向け集積回路(ASIC)のいずれか、またはそれらの同等物を介して実装されるロジックなどの、ハードウェア記述言語(HDL)で書かれてもよい。したがって、本明細書に記載される方法は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で実施されてもよい。様々な実施形態では、各システム90、100、100nは、各プロセッサ94によって実行されるときに、プロセッサに本明細書に記載されるような1つまたは複数の機能を実行させるプログラム96の命令を保存するメモリ108に通信可能に接続された1つまたは複数のプロセッサ94を含んでもよい。また、メモリ108は、利用可能になるとキャリブレーション結果を含むキャリブレーションライブラリを電子的に保存および更新するために使用されてもよく、ここで、試薬容器をキャリブレーションにリンクすることは、そのようなキャリブレーションライブラリ内でおよびモリ108内のそのような場所で試薬容器とキャリブレーション結果との間の仮想リンクを作成するプロセスを指す。
引き続き図10を参照すると、各システム90、100、100nは、例えば、情報、グラフィカル・レポート、メッセージ、またはそれらの組み合わせなどの、視覚出力を提供するためのディスプレイ114を備えることができる。ディスプレイ114は、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどを含むモバイルスマートデバイスなどの、プラットフォームにわたるデバイス、または携帯用もしくはベンチトップの医療機器に通信可能に接続され得る、デバイス106、426などの、リモートコンピューティングデバイス上に提供されてもよく、リモートコンピューティングデバイスもディスプレイ114を提供し得る。そのようなコンピューティングデバイスの画面上のディスプレイ114は、通信経路112に接続され、遠隔表示のために1つまたは複数のプロセッサ94に通信可能に接続され得る。ディスプレイ114は、例えば、陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、タッチスクリーン、プラズマディスプレイなどの、光出力を伝送することができる任意の媒体を含むことができる。
各システム90、100、100nは、プロセッサ94をネットワーク102などのコンピュータネットワークと通信可能に接続するためのネットワークインターフェースデバイス99を含むことができる。ネットワークインターフェースデバイス99は、通信経路がネットワークインターフェースデバイス99をシステム100nの他のモジュールの他にサーバ106に通信可能に接続するように通信経路112に接続されている。ネットワークインターフェースデバイス99は、有線または無線のネットワークを介してデータを伝送および/または受信することができる任意のハードウェアデバイスであり得る。したがって、ネットワークインターフェースデバイス99は、任意の有線または無線の通信規格に従ってデータを送信および/または受信するための通信トランシーバを含むことができる。例えば、ネットワークインターフェースデバイス99は、例えばワイヤレス・フィディリティー(Wi−Fi(登録商標))、WiMax、ブルートゥース(登録商標)、IrDA、ワイヤレスUSB、Z−Wave、ZigBeeなどの、有線および/または無線のコンピュータネットワーク上で通信するためのチップセット(例えば、アンテナ、プロセッサ、機械読み取り可能な命令など)を含むことができる。
引き続き図10を参照すると、デバイス90、92、106などのコンピューティングデバイス上で実行されている様々なアプリケーションからのデータが、ネットワークインターフェースデバイス99を介して、そのようなデバイスから他のシステム100nに提供され、他のシステム100nからそのようなデバイスにも提供され得る。各コンピューティングデバイス90、92、106は、ネットワークインターフェースデバイス99およびネットワーク102と通信可能に接続するためのハードウェア(例えば、チップセット、プロセッサ、メモリなど)を有する任意のデバイスであり得る。
ネットワーク102は、例えば、ワイドエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、インターネット、イントラネット、クラウド、衛星ネットワークなどの任意の有線および/または無線のネットワークを含むことができる。したがって、ネットワーク102は、互いにアクセスするまたはシステム100nの任意の他のコンポーネントもしくはネットワーク102に接続されたサーバにアクセスするために、デバイス90、92、106によって有線および/または無線のアクセスポイントとして利用され得る。各サーバ、例えばサーバ106に加えて、データマネージャユニット104および任意の追加のサーバは、一般に、例えばネットワーク102を介してリソースを配信するためのプロセッサ、メモリ、およびチップセットを含む。リソースは、ネットワーク102を介して、ストレージ、ソフトウェア、および情報を、データマネージャユニット104および/またはサーバ106からシステム100、100nに提供する、例えば処理することを含むことができる。
したがって、体外診断システムおよび開示された体外診断システムのキャリブレーションを自動的に管理する開示されたコンピュータ実施方法によって、ユーザ介入を最小化し、キャリブレーション手順の数およびキャリブレーション手順に費やされる時間を最小化し、キャリブレーションの欠落または期限終了による定期的な操作の遅延を最小化することができるだけでなく、特に、試薬の最適な使用も可能になり、それ故、コストも節約し、しばしば高価な材料の消費を防ぐこともできることが理解され得る。